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【発明の名称】 ならし装置および無菌パック米飯の製造設備
【発明者】 【氏名】間島 修司
【住所又は居所】香川県高松市勅使町708番地 四国厨房器製造株式会社内

【要約】 【課題】粒状体を砕くことなく容器内の粒状体の山を平坦にすることができ、粒状体同士の間隔を均一にすることができ、かつ原料を最小量に抑えて収益性を向上させることができるならし装置およびこのならし装置を備えた無菌パック米飯の製造設備を提供する。

【解決手段】容器T内に充填された粒状体Pを、その上面が平坦となるようにならす装置であって、装置が、粒状体Pが充填された容器Tに対して、上下方向の振動のみを加える振動発生手段を備えている。振動発生手段からの振動によって、容器T内の粒状体Pそれぞれ振動し、隣接する粒状体P同士の間に発生する摩擦力を小さくすることができるから、大きな力を加えなくても、粒状体Pを移動させることができる。よって、粒状体Pが山のように盛り上がっていても、その山を崩して上面を平坦とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に充填された粒状体を、その上面が平坦となるようにならす装置であって、
該装置が、
粒状体が充填された前記容器に対して、上下方向の振動のみを加える振動発生手段を備えている
ことを特徴とするならし装置。
【請求項2】
前記振動発生手段から前記容器に加えられる振動の周波数が、
30〜80Hzである
ことを特徴とする請求項1記載のならし装置。
【請求項3】
前記振動発生手段から前記容器に加えられる振動の振幅が、前記粒状体の粒径よりも小さい
ことを特徴とする請求項1または2記載のならし装置。
【請求項4】
前記振動発生手段が、
上面に前記容器が載せられるテーブルと、
該テーブルに設けられた振動発生器とからなり、
該振動発生器が、互いに逆方向に回転される一対の振動モータを備えており、
該一対の振動モータが、その主軸同士が互いに平行であって、かつ前記テーブルの上面と平行な同一面に位置するように配設されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のならし装置。
【請求項5】
前記容器を固定する固定手段を備えている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のならし装置。
【請求項6】
前記容器が載せられ、該容器に振動を加えるテーブルが設けられており、
前記固定手段が、前記テーブルに載せられている前記容器の上に載せられる重錘である
ことを特徴とする請求項5記載のならし装置。
【請求項7】
前記容器内に充填されている粒状体の上に載せられる落し蓋を備えている
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のならし装置。
【請求項8】
前記落し蓋の下面に、粒状体付着防止部が設けられている
ことを特徴とする請求項7記載のならし装置。
【請求項9】
容器に米を充填する充填手段と、該容器に充填されている米を該容器内に充填したままで炊飯する炊飯手段と、前記充填手段から前記炊飯手段に米が充填された容器を搬送する搬送手段とを備えた無菌パック米飯の製造設備であって、
該製造設備が、
前記充填手段と前記炊飯手段との間に、前記容器内に充填されている米を、その上面が平坦となるようにならす米ならし手段を備えており、
米ならし手段5が、請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のならし装置を備えている
ことを特徴とする無菌パック米飯の製造設備。
【請求項10】
前記搬送手段が、前記容器を着脱可能に保持するコンベアベルトを備えており、
前記米ならし手段が、
前記容器を、前記コンベアベルトに着脱させる容器着脱手段を備えている
ことを特徴とする請求項9記載の無菌パック米飯の製造設備。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ならし装置に関する。個食トレー等の容器に炊き上がった米飯を無菌密封した無菌パック米飯は、常温で保存可能であり、また、電子レンジ等で加熱するだけで食することができるため、近年普及が進んでいる。
本発明は、かかる無菌パック米飯を製造するときに使用されるならし装置および無菌パック米飯の製造設備に関する。
【背景技術】
【0002】
無菌パック米飯の製造方法として、従来例1の技術(特許文献1)がある。これは、洗米浸漬された米を個食トレーに充填し、個食トレーごと密閉チャンバーに搬入し、密閉チャンバー内において高圧高温飽和蒸気に作用させて滅菌処理する(減菌処理工程)と同時に米をアルファ化し、次いで炊き水を注水して炊飯(炊飯工程)した後、個食トレーに蓋材を被着して密封シールするものである。
【0003】
図4(A)に示すように、個食トレーTに充填された米Rは個食トレーT上で上向きに凸状に盛り上がるため、炊飯工程で炊き水Wを入れたときに、凸状の頂点付近の米Rは炊き水から突出した状態となる。ここで、減菌処理工程でアルファ化された米Rは、複数の米Rがくっついた塊状となって固化しているため流動性が少なく、炊飯工手においても凸状に盛り上がったまま炊かれることとなる。すると、炊き水Wの上に突出したまま固化している米Rは炊き水を吸収できないまま炊かれることとなり、この部分の米Rは生米状態となってしまう。
【0004】
かかる問題を防ぐために、従来は、滅菌処理を行う前に、凸状に盛り上がっている米Rに、加圧手段PSによって押し板PPを上方から押し付けて米Rの上部を水平にならすとともに米Rの嵩を下げて、全ての米が炊き水Wに浸漬するようにしている(図4(B))。
【0005】
しかるに、押し板PPを押し付けて米Rの山を平らにするには非常に大きな荷重を加えなければならない。しかし、個食トレーTに充填される米Rは洗米浸漬された米Rであるから水分を多く含んでおり砕けやすくなっているため、盛り上がった米Rを上部から押えると、個食トレーTの底部の米粒は砕けてしまい(図4(C))、この状態で炊飯すると、個食トレーTの底部の米Rは糊状となり、食感が悪くなるという問題がある。
また、上部から押えると、力が強く加わる個食トレーTの底部中央に位置する米R同士の間隔は密になるのに対し、あまり力が加わらない個食トレーTの周辺部に位置する米R同士の間隔は疎になる。この状態で滅菌処理されると、個食トレーT内において、米R同士の間隔が不均一なまま米R同士が引っ付いた塊状となり、炊き水Wを加えたときにおける米Rの水分吸収割合が不均一となり、全体として炊き斑のある御飯になってしまうという問題がある。
さらに、個食トレーTに充填された米は水分を多く含んでおり表面が湿った状態にあるため、押し板PPを強く押し付けると、押し板PPの表面に米Rが付着する(図4(B)(c))。この状態で、押し板PPを持ち上げると、押し板PPに付着した分だけ個食トレーT内部の米Rが減少し、その付着量が多いと、個食トレーT内に残っている米Rの量が規定内容量よりも少なくなり不良品となる。しかも、付着量は常に一定でないから、あらかじめ付着分を予想して充填量を変化させるという事は現実的に不可能である。そこで付着量が多い場合を基準として、米Rを多めに充填する対策が取られているが、原料となる米Rの使用量が多くなり収益性が悪化するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特許第2912876号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、粒状体を砕くことなく容器内の粒状体の山を平坦にすることができ、粒状体同士の間隔を均一にすることができ、かつ原料を最小量に抑えて収益性を向上させることができるならし装置、および、このならし装置を備えた無菌パック米飯の製造設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明のならし装置は、容器内に充填された粒状体を、その上面が平坦となるようにならす装置であって、該装置が、粒状体が充填された前記容器に対して、上下方向の振動のみを加える振動発生手段を備えていることを特徴とする。
第2発明のならし装置は、第1発明において、前記振動発生手段から前記容器に加えられる振動の周波数が、30〜80Hzであることを特徴とする。
第3発明のならし装置は、第1または第2発明において、前記振動発生手段から前記容器に加えられる振動の振幅が、前記粒状体の粒径よりも小さいことを特徴とする。
第4発明のならし装置は、第1、2または第3発明において、前記振動発生手段が、上面に前記容器が載せられるテーブルと、該テーブルに設けられた振動発生器とからなり、該振動発生器が、互いに逆方向に回転される一対の振動モータを備えており、該一対の振動モータが、その主軸同士が互いに平行であって、かつ前記テーブルの上面と平行な同一面に位置するように配設されていることを特徴とする。
第5発明のならし装置は、第1、2、3または第4発明において、前記容器を固定する固定手段を備えていることを特徴とする。
第6発明のならし装置は、第5発明において、前記容器が載せられ、該容器に振動を加えるテーブルが設けられており、前記固定手段が、前記テーブルに載せられている前記容器の上に載せられる重錘であることを特徴とする。
第7発明のならし装置は、第1、2、3、4または第5発明において、前記容器内に充填されている粒状体の上に載せられる落し蓋を備えていることを特徴とする。
第8発明のならし装置は、第7発明において、前記落し蓋の下面に、粒状体付着防止部が設けられていることを特徴とする。
第9発明の無菌パック米飯の製造設備は、容器に米を充填する充填手段と、該容器に充填されている米を該容器内に充填したままで炊飯する炊飯手段と、前記充填手段から前記炊飯手段に米が充填された容器を搬送する搬送手段とを備えた無菌パック米飯の製造設備であって、該製造設備が、前記充填手段と前記炊飯手段との間に、前記容器内に充填されている米を、その上面が平坦となるようにならす米ならし手段を備えており、米ならし手段5が、請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のならし装置を備えていることを特徴とする。
第10発明の無菌パック米飯の製造設備は、第9発明において、前記搬送手段が、前記容器を着脱可能に保持するコンベアベルトを備えており、前記米ならし手段が、前記容器を、前記コンベアベルトに着脱させる容器着脱手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明によれば、振動発生手段からの振動によって、容器内の粒状体がそれぞれ振動し、隣接する粒状体同士の間に発生する摩擦力を小さくすることができるから、大きな力を加えなくても、粒状体を移動させることができる。よって、粒状体が山のように盛り上がっていても、その山を崩して上面を平坦とすることができる。しかも、容器には上下方向の振動しか加わらず、粒状体を横方向に移動させる力が小さいから、粒状体の上面が容器に対して斜めに傾いた面となることを防ぐことができる。そして、粒状体を容器の底や側面等に押し付ける力を加えないから、粒状体が破砕することを防ぐことができるし、容器内において、粒状体同士の間隔を均一にすることができる。
第2発明によれば、振動発生手段から加わる振動による粒状体の飛び跳ねを防ぎつつ、振動によって粒状体を確実に移動させることができる。
第3発明によれば、振動発生手段から加わる振動の振幅が粒状体の粒径よりも小さいから、粒状体が飛び跳ねることを防ぐことができ、かつ、振動によって粒状体を確実に移動させることができる。
第4発明によれば、一対の振動モータを回転させれば、その回転軸が互い逆方向に回転して振動が発生するが、テーブル上面と平行な振動、つまり、水平方向の振動は相殺される。このため、テーブルに、その上面と垂直な方向の振動のみ発生させることができるから、テーブル上の容器に上下方向の振動のみを加えることができる。そして、テーブル上の容器の下面全体に均一な振動を加えることができるから、容器内に水平方向の振動が発生することをより確実に防ぐことができる。
第5発明によれば、振動発生手段から加わる振動によって、容器が飛び跳ねたり、振動したりすることを防ぐことができるから、容器内の粒状体に十分な振動を与えることができる。
第6発明によれば、重錘によって、容器を、重錘とテーブルの間に挟んだ状態で固定することができるから、容器が飛び跳ねたり、移動したりすることを防ぐことができ、容器内の粒状体に十分な振動を与えることができる。
第7発明によれば、落し蓋があることによって、粒状体が局所的に盛り上がることを防ぐことができ、粒状体の上面をより確実に平坦にすることができる。そして、落し蓋は上下方向にしか移動できないように拘束しておけば、粒状体の上面が、容器の底面に対して傾斜した状態で平坦となることを防ぐことができる。さらに、落し蓋の重量を軽くすれば、落し蓋を粒状体に押し付ける力を弱くできるので、落し蓋の下面に粒状体が付着することを防ぐことができる。
第8発明によれば、落し蓋の下面に粒状体が付着することを防ぐことができるから、ならし作業によって減少する粒状体の量を見越して、容器に充填する粒状体の充填量を増やす必要がない。このため、容器には、規定内容量の粒状体を正確に供給すればよいから、原料として使用する粒状体の量を最小量に抑えることができ、収益性を向上させることができる。
第9発明によれば、炊飯手段に供給される前に、ならし装置によって、容器内の米を破砕することなく、米の上面を平坦にしてその嵩を下げることができるから、炊飯された米飯に糊状の米飯や生米が混在することを防ぐことができ、炊飯された米飯に炊きむらができることを防ぐことができる。
第10発明によれば、ならし装置から容器に加える振動がコンベアベルトに加わることを防ぐことができるから、コンベアベルト上の他の容器が振動することを防ぐことができる。よって、コンベアベルト上の他の容器に充填されている米がこぼれたりすることを防ぐことができるし、振動によって搬送手段やその周辺機器が損傷することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のならし装置10の概略説明図である。図1において、符号Pは、例えば、米や麦等の穀物や、豆類等の粒状体を示しており、符号Tは、粒状体Pが収容される容器を示している。
本実施形態のならし装置10は、容器T内に収容された粒状体Pの上面をならして平坦にするための装置であり、粒状体Pを容器Tに押し付けるような力を加えることなく上面をならして平坦にすることができることに特徴を有するものである。
【0011】
図1において、符号11は、本実施形態のならし装置10の振動発生手段のテーブルを示している。このテーブル11は、その上面が平坦面に形成されたものであり、粒状体Pが収容された容器Tを載せるためのものである。
このテーブル11は、その上面が水平になるように、支持装置12によって支持されている。この支持装置12は、前記テーブル11がその上面と垂直な方向、つまり、上下方向には移動できるが、水平方向には移動できないように支持するものである。
なお、支持装置12がバネやエアシリンダ等の緩衝手段を備えていれば、後述する振動発生器15の振動がテーブル11以外に伝達することを防ぐことができるので、作業環境の悪化や、他の機械が損傷することを防ぐことができる。
【0012】
図1に示すように、前記テーブル11の下面には、振動発生手段の振動発生器15が設けられている。この振動発生器15は、テーブル11の下面に取付けられた、実質同一の構成を有する一対の振動モータ15a,15bを備えている。この一対の振動モータ15a,15bは、公知のモータと、そのモータの主軸に取付けられた振動発生部材とから構成されている。この振動発生部材は、例えば、モータの主軸に対して偏心して取り付けられた重り等の偏心部材である。
また、一対の振動モータ15a,15bは、モータの主軸同士が互いに平行であって、かつ、モータの主軸の中心軸がテーブル11の上面と平行な同一面内に位置するように配設されている。
このため、一対の振動モータ15a,15bを、互いに逆方向に同じ回転数で回転させれば、テーブル11上面と平行な振動、つまり、水平方向の振動を相殺させることができるから、テーブル11には、その上面と垂直な方向の振動のみを発生させることができる。
【0013】
なお、一対の振動モータ15a,15bは、その上下方向の振動の位相は同じであるが、その水平方向の振動の位相は逆になるように作動されることはいうまでもない。
さらになお、一対の振動モータ15a,15bは、モータの主軸同士が互いに平行であって、かつ、モータの主軸の中心軸がテーブル11の上面と平行な同一面内に位置するように配設されていればよく、テーブル11の上面に設けてよい。
さらになお、振動発生器15は、上記のごとき一対の振動モータ15a,15bに限られず、テーブル11を上下方向にのみ振動させることができるものであればよく、とくに限定はない。
さらになお、振動発生手段は、上記のごとき構成に限られず、容器Tに対して上下方向にのみ振動させることができるものであればよく、とくに限定はない。
【0014】
以上のごとくであるから、本実施形態のならし装置10によれば、テーブル11の上面に粒状体Pが収容された容器Tを載せて、振動発生器15の一対の振動モータ15a,15bを作動させれば、テーブル11に上下方向の振動のみを発生させることができ、容器Tに対して、上下方向の振動のみを加えることができる。すると、容器Tに加えられた振動によって、容器T内の粒状体Pがそれぞれ振動し、隣接する粒状体P同士の間に発生する摩擦力を小さくなるから、粒状体Pは移動しやすくなる。このため、粒状体Pは、その自重や、わすかな振動だけでも移動できるようになるから、粒状体Pが山のように盛り上がっていても、その山を崩すことができる。しかも、容器Tには、上下方向の振動しか加わらず、粒状体Pを横方向に移動させる力が小さいから、粒状体Pの上面が容器Tに対して斜めに傾いた面となることを防ぐことができる。
よって、テーブル11の上面に粒状体Pが収容された容器Tを載せて、振動発生器15によって容器Tに上下方向の振動のみを加えれば、最終的に、粒状体Pを最も安定な状態、つまり、粒状体Pの上面が平坦となった状態にすることができる。
そして、粒状体Pを容器Tの底や側面等に押し付ける力を加えないから、粒状体Pが破砕することを防ぐことができるし、容器T内における粒状体P同士の間隔を均一にすることができる。
【0015】
また、テーブル11の上面が平坦面であるから、容器Tの下面全体にテーブル11の上面を接触させることができる。すると、テーブル11から容器Tの底面全体に均一な振動を加えることができるから、容器Tの内部で粒状体Pをスムースに移動させることができ、粒状体Pの上面を効果的に平坦にすることができる。
【0016】
さらに、振動発生器15は、一対の振動モータ15a,15bを作動させたときにテーブル11に発生する振動の振幅が、粒状体Pの粒径よりも小さくなるように調整されている。
このため、容器Tに振動が加わっても、粒状体Pがその粒径以上に移動されることがないから、粒状体Pが容器Tの内部で飛び跳ねることを防ぐことができる。すると、粒状体Pが容器Tの内部で飛び跳ねないので、容器Tから粒状体Pに加わる振動を全ての粒状体Pに効果的に伝播させることができる。よって、容器Tの内部で粒状体Pをスムースに移動させることができるから、粒状体Pの上面を効果的に平坦にすることができる。
なお、ここでいう粒状体Pの粒径とは、豆等のような球形の粒状体Pであればその直径をいい、米粒のような楕円形等の粒状体Pであればその短軸をいう。
【0017】
なお、振動発生器15によってテーブル11に発生する振動の振動数は、容器Tの質量や形状等、また、粒状体Pに応じて最適な振動数とすればよく、容器Tに振動を加えたときに、容器Tが共振したり飛び跳ねたりせず、また、粒状体Pが振動できる振動数であればよい。とくに、無菌パック米飯用の米が充填された容器の場合であれば、その振動数を、30〜80Hz、とくに、50〜75Hzとすれば容器内の米を確実にならすことができるので、好適である。
そして、小豆が混合された米、つまり、赤飯用の米が容器に充填されている場合には、上記の振動数の振動を加えたときに米は振動するが、小豆は振動しないので、米のみにならし効果が働き、小豆にはその効果が働かない。すると、凸状になっていた山の上部に位置していた米は、振動によるならし効果によって崩されて下方に移動するのに対し、山の上部に位置していた小豆は、米の移動に伴って移動するものの、小豆自体はほとんど振動しないのでそれほど移動しない。このため、ならし作業が終了すると、ならされた米の上面に小豆が適度に散らばって存在するようになる。無菌パック方式の赤飯では、蓋を開けたときにご飯の表面に小豆が散らばっているほうが視覚的に商品価値が高くなるため、従来は、米ならしが終わったあと赤飯であることを強調するために追加で小豆を表面に乗せる工程を行っていたが、本実施形態のならし装置10によって米ならし作業を行うと、上記のごとく、米ならし作業を行うだけで小豆が米の表面に配置される。したがって、米ならし作業ののち小豆を表面に乗せるという作業が不要になるため、作業効率が向上するし、追加の小豆が不要になるため、使用する原料を少なくできるため、コスト削減効果も得られる。
【0018】
また、テーブル11を振動させた場合、容器Tが飛び跳ねたり移動したりする場合があるが、以下のごとき固定手段30を設けておけば、容器Tの移動を防ぐことができるので、テーブル11の振動をより効果的に容器T内の粒状体Pに加えることができるので、好適である。
【0019】
図1において、符号31は、テーブル11の上方に設けられた固定手段30の重錘を示している。この重錘31は、容器Tに対して振動を加えるときに、容器Tの上面に載せるものであり、その外形が容器Tの外形よりも大きくなるように形成されている。つまり、重錘31は、容器Tの上面に載せたときに、容器T内には入らず、容器Tの上面全体と接触するような形状に形成されている。
この重錘31には、その中央部に、上面と下面との間を貫通する貫通孔31h が形成されている。この貫通孔31h には、重錘31を昇降させるシリンダ32のロッド32a の先端が挿通され、その先端が重錘31の下面まで貫通している。そして、このロッド32a の先端には、重錘31の貫通孔31h の直径よりも外形が大きい係合部材32b が取付けられている。
【0020】
このため、シリンダ32を収縮させれば、重錘31をシリンダ32の係合部材32b に引っ掛けた状態で吊り下げることができるから、テーブル11上に載せられている容器Tから離間させることができる(図1(a))。
逆に、シリンダ32を伸長させれば、重錘31はロッド32a とともに下降するから、容器Tの上面に接触させることができる。そして、重錘31が容器Tの上面に接触してから、さらにシリンダ32を伸長させれば、重錘31の下面から係合部材32b を離間され、重錘31の重量を全て容器Tに加えることができる(図1(a))。すると、容器Tを重錘31とテーブル11の間に挟んだ状態で固定することができ、振動発生器15から加わる振動によって、容器Tがテーブル11上で飛び跳ねたり、移動したりすることを防ぐことができる。
【0021】
なお、重錘31は、容器Tの上面に載せたときに容器T内には入らず、振動発生器15から加わる振動によって容器Tがテーブル11上で飛び跳ねたり移動したりすることを防ぐことができるように形成されていればよく、特に限定はないが、重錘31を、その重量が、粒状体Pを収容した容器Tよりも重量が大きくなるように形成していれば、振動発生器15から加わる振動による容器Tの飛び跳ね等を確実に防ぐことができる。例えば、粒状体Pを収容した容器Tが全体で200g程度の場合、重錘31を、2〜3kg程度に調整しておけば、容器Tの飛び跳ね等を確実に防ぐことができる。
さらになお、固定手段30は上記のごとき構成に限られず、振動発生器15から加わる振動によって容器Tが移動しないように、容器Tをテーブル11上に固定できる構成であればよく、とくに限定はない。
【0022】
また、図2に示すように、容器Tに振動を加えるときに、容器T内の粒状体Pの上に、落し蓋35を載せるようにしてもよい。この落し蓋35は、粒状体Pと接触する下面が平坦面に形成されており、その下面に、図示しない粒状体付着防止部が設けられているものである。この粒状体付着防止部は、落し蓋35の下面と粒状体Pとの接触面積を小さくするものであり、落し蓋35の下面に形成された凹凸や、落し蓋35の下面に取付けられた網等であるが、とくに限定はない。
【0023】
この落し蓋35を載せた状態で容器Tに振動を加えると、粒状体Pが局所的に盛り上がることを確実に防ぐことができ、粒状体Pの上面をより確実に平坦にすることができる。しかも、粒状体Pの移動する力に、落し蓋35の重量も加わることとなるから、粒状体Pの移動を早くすることができるし、粒状体Pの密度も高くすることができる。
また、落し蓋35の下面に粒状体付着防止部を設けているので、落し蓋35の下面に粒状体Pが付着することを防ぐことができる。このため、落し蓋35に付着して容器Tから持ち去られる粒状体Pを少なくすることができるから、容器T内の粒状体Pの量がならし作業のあとで少なくなることを防ぐことができる。すると、ならし作業後の容器T内の粒状体Pの量を所定の範囲内に納めなければならない場合であっても、ならし作業による減少を見越して、容器Tに充填する粒状体Pの充填量をあらかじめ増やしておく必要がない。よって、容器Tには、規定内容量の粒状体Pを正確に供給すればよいから、原料として使用する粒状体Pの量を最小量に抑えることができ、収益性を向上させることができる。
しかも、落し蓋35として、その重量が非常に軽いものを使用すれば、落し蓋35の下面を粒状体Pに押し付ける力を非常に弱くすることができるから、落し蓋35の下面に粒状体Pが付着することをより確実に防ぐことができる。
【0024】
この落し蓋35は、容器Tの上面に前記固定手段30の重錘31を載せる作業と別に、粒状体P上に載せてもよいが、以下のような構成とすれば、容器Tの上面に前記固定手段30の重錘31を載せる作業とほぼ同時に落し蓋35を粒状体P上に載せることができるから、作業工数を少なくすることができる。
図2に示すように、落し蓋35を、案内手段37によって、重錘31の下面中央部に、その下面が水平となるように取付ける。この案内手段36は、重錘31の上面と下面との間を貫通する貫通孔38に挿通された吊り下げ部材37である。この吊り下げ部材37は、その軸径が貫通孔38の内径よりもわずかに小さく、その上端の径が貫通孔37の内径よりも大きくなっているものであり、重錘31にぶら下がった状態で、上下方向は移動可能であるが水平方向にはほとんど移動しないように取付けられている。言い換えれば、落し蓋35は、案内手段36によって、上下方向は移動可能であるが水平方向の移動が拘束された状態で重錘31に取付けられているのである。
このため、シリンダ32によって重錘31を下降させて容器Tに載せれば、落し蓋35も容器内に入り粒状体P上に自動的に配置することができる(図2(a))。そして、吊り下げ部材37は、上下方向には自由に移動できるが水平方向にはほとんど移動できないから、落し蓋35の下面は常に水平に保たれる。よって、粒状体Pの上面は、平坦かつ水平に、つまり容器Tの底面と平行にならすことができ、粒状体Pの上面が容器Tの底面に対して傾斜した状態で平坦となることを防ぐことができる(図2(b))。
【0025】
また、落し蓋35は、案内手段36によって重錘31にぶら下がっているだけであるから、落し蓋35が粉状体Pに載ったときでも、粉状体Pには落し蓋35の重量しか加わらない。
そして、吊り下げ部材37の長さを、重錘31が容器Tに載せられた状態において、粒状体Pの上面が平坦かつ水平になったときにおいても、落し蓋35の下面が粒状体Pの上面に接触したままであり、かつ、吊り下げ部材37の上端が重錘31の上面に接触しない長さとしておけば、重錘31が容器Tから離れるまで、落し蓋35を粒状体Pの上面に載せておくことができるから、粒状体Pの上面を確実に容器Tの底面と平行にならすことができる。
【0026】
つぎに、上記のならし装置10を備えた無菌パック米飯の製造設備1を説明する。
図3は、本実施形態の無菌パック米飯の製造設備1における充填手段4および米ならし手段5が配置されたラインの概略説明図である。同図において、符号2は容器Tを間欠搬送する搬送手段を示している。この搬送手段2は、複数の貫通孔が設けられたコンベアベルト2aを備えている。コンベアベルト2aの貫通孔は、容器Tの下端はコンベアベルト2aから下方に突出するが、容器Tの上端部が引っかかる程度の大きさに形成されている。
【0027】
また、無菌パック米飯の製造設備1は、搬送手段2のコンベアベルト2aの移動方向の上流側から、容器供給手段3、充填手段4、米ならし手段5、そして図示しない炊飯手段の順に配列されている。
【0028】
容器供給手段3は、搬送手段2のコンベアベルト2aの上方に配設されており、容器Tをコンベアベルト2aの貫通孔に供給するものである。
充填手段4は、搬送手段2のコンベアベルト2aの上方に配設されており、容器供給手段3から供給され、コンベアベルト2aに保持されている容器Tに、洗米され浸漬された米Rを、所定の量だけ計量して供給するものである。
【0029】
米ならし手段5は、上述したならし装置10と、昇降手段20とを備えたものである。
ならし装置10は、そのテーブル11と重錘31が、搬送手段2のコンベアベルト2aをその上下から挟むように配設されている。
昇降手段20は、シリンダ等の移動手段22によってフレームFに対して昇降可能に取付けられた昇降部材21を備えたものであり、この昇降部材21にならし装置10の支持装置12が取付けられている。
このため、昇降手段20の移動手段22を作動させて昇降部材21を昇降させれば、昇降部材21とともにテーブル11を昇降させることができるから、テーブル11を、搬送手段2のコンベアベルト2aに保持されている容器Tに接触させたり、容器Tから離間させたりすることができる。
上記の昇降手段20が、特許請求の範囲にいう容器着脱手段を示している。
【0030】
炊飯手段は、米Rが充填された容器Tを密閉チャンバー内において高圧高温飽和蒸気に作用させて滅菌処理する(減菌処理工程)と同時に米をアルファ化し、その後、炊き水を注水して炊飯(炊飯工程)するものである。
【0031】
したがって、無菌パック米飯の製造設備1を作動させれば、搬送手段2によって容器供給手段3から供給された容器Tを搬送しながら、充填手段4による容器Tへの米Rの供給と、米ならし手段5による容器T内の米Rのならし作業と、炊飯手段による容器T内の米Rの炊飯を、連続的かつ自動的に行うことができる。
【0032】
つぎに、米ならし手段5による米ならし作業について説明する。なお、製造設備1の稼働中は、ならし装置10の振動発生器15は連続運転されており、常に、テーブル11が振動している状態である。
【0033】
まず、搬送手段2のコンベアベルト2aによって、米Rが充填された容器Tが米ならし手段5まで搬送され、テーブル11の上方で停止する。
すると、昇降手段20の移動手段22が作動され、昇降部材21とともにテーブル11が上昇し、やがて、テーブル11の上面が容器Tの下端に接触する。すると、容器Tにはテーブル11の振動が加わって、容器T内の米Rも振動、徐々に米がならされる。
テーブル11の上面が容器Tの下端に接触してからも移動手段22は作動しつづけ、容器Tがコンベアベルト2aから離脱して浮き上がると、移動手段22が停止しテーブル11の上昇が止まり、容器Tはテーブル11上に載せられた状態となる。
【0034】
ついで、固定手段30の昇降手段32が作動され、重錘31が下降し、やがて、重錘31の下端が容器Tの上面に接触する。すると、容器Tには、重錘31の重量が加わるから、容器Tは重錘31とテーブル11との間に挟まれて固定され、同時に、重錘31に取付けられている落し蓋35が容器T内の米R上に載せられる。すると、容器T内の米Rに効果的に振動が伝達されるようになり、しかも、米R上には落し蓋35が配置されるから、容器T内の米Rは、その上面が平坦となるように移動する。
【0035】
所定の時間が経過すると米Rの上面が平坦となり、その後、昇降手段20の移動手段17によってテーブル11が下降される。このとき、重錘31は容器Tに載った状態で、容器Tとともに下降し、落し蓋35も米R上に載せられたまま容器Tとともに下降する。
すると、テーブル11の下降中、つまり、容器Tが下降している間に、テーブル11の振動によって容器Tが移動して容器T内の米Rの表面にでこぼこができたり、容器Tの内側面に沿ってせり上がるような現象が生じることを防ぐことができる。
【0036】
そして、容器Tの上端が搬送手段2のコンベアベルト2aに接触して容器Tが支持されると、テーブル11は容器Tから離脱し、重錘31も上昇して容器Tから離れ、ならし作業が終了する。
【0037】
上記のごとき手順で米ならし作業を行えば、搬送手段2のコンベアベルト2aで搬送される容器Tに充填されている米Rを、炊飯手段に供給される前に、容器T内の米Rを破砕することなく、米Rの上面を平坦にしてその嵩を下げることができる。よって、炊飯された米飯に糊状の米飯や生米が混在することを防ぐことができ、炊飯された米飯に炊きむらができることを防ぐことができる。
しかも、昇降手段20によって、容器Tをコンベアベルト2aから離脱させた状態で、テーブル11から容器Tに振動を加えるから、振動がコンベアベルト2aに加わることを防ぐことができる。すると、コンベアベルト2a上の他の容器Tが振動することを防ぐことができるから、コンベアベルト2a上の他の容器Tに充填されている米Rがこぼれたりすることを防ぐことができるし、振動によって搬送手段2やその周辺機器が損傷することも防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
ならし装置は、容器に充填されている粒状体を、粒状体に力を加えることなくその上面を平坦にすることができるから、米に限られず、麦等の穀物や、豆類等の様々な粒状体をならす作業に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態のならし装置10の概略説明図である。
【図2】他の実施形態のならし装置10の概略説明図である。
【図3】本実施形態の無菌パック米飯の製造設備1における充填手段4および米ならし手段5が配置されたラインの概略説明図である。
【図4】(A)は無菌パック米飯の容器Tに充填された米Rの概略説明図であり、(B)は従来の米ならし作業の概略説明図であり、(C)従来の米ならし作業終了後における容器T内の米Rの状態を示した図である。
【符号の説明】
【0040】
1 無菌パック米飯の製造設備
2 搬送手段
2a コンベアベルト
4 充填手段
5 米ならし手段
10 ならし装置
11 テーブル
15 振動発生器
15a 振動モータ
15b 振動モータ
30 固定手段
31 重錘
35 落し蓋
P 粒状体
R 米
【出願人】 【識別番号】501302843
【氏名又は名称】四国厨房器製造株式会社
【住所又は居所】香川県高松市勅使町708番地
【出願日】 平成16年3月3日(2004.3.3)
【代理人】 【識別番号】100089222
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 康伸

【公開番号】 特開2005−245295(P2005−245295A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−59832(P2004−59832)