トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 液状食品の処理方法および処理装置
【発明者】 【氏名】本田 克久

【氏名】岩切 良次

【氏名】川嶋 文人

【要約】 【課題】液状食品の歩留まりを著しく低下させることなく、短時間で効果的に液状食品から残留性有機汚染物質を除去する。

【解決手段】魚油等の液状食品を収容した第一処理容器2内へ超臨界流体を供給すると、第一処理容器2内において超臨界流体が液状食品に接触する。これにより、液状食品中の残留性有機汚染物質の一部が超臨界流体により抽出され、液状食品から除去される。超臨界流体により処理された液状食品は、続いて、供給経路5を通じて第二処理容器4へ供給され、第二処理容器4内に充填された炭素系吸着材23に接触する。これにより、液状食品中に残留している残留性有機汚染物質は、炭素系吸着材23に吸着され、液状食品から除去される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品を超臨界流体により処理する工程と、
前記超臨界流体により処理された前記液状食品を炭素系吸着材により処理する工程と、
を含む液状食品の処理方法。
【請求項2】
液状食品を収容可能な第一処理容器と、
前記第一処理容器内へ超臨界流体を供給するための供給装置と、
炭素系吸着材が充填された第二処理容器と、
前記第一処理容器から前記第二処理容器に対して前記液状食品を供給するための供給経路と、
前記第二処理容器へ供給された前記液状食品を前記第二処理容器から排出するための排出経路と、
を備えた液状食品の処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の処理方法および処理装置、特に、液状食品の処理方法および処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
魚油などの動物性油、植物性油、動物性エキスおよび植物性エキスなどの液状食品は、加工食品材料として用いられている他、家畜類の飼料材料としても用いられており、各種の食品や飼料において不可欠なものとなっている。これらの液状食品は、魚介類、家畜類、野菜類および海草類などの各種の動植物を原料としているが、これらの原料は、環境中に存在する残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)による汚染を受けている可能性がある。残留性有機汚染物質は、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)等のダイオキシン類、コプラナ型ポリ塩化ビフェニル(Co−PCBs)等のポリ塩化ビフェニル類(PCBs)、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、アルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロル、マイレックス、トキサフェン並びにヘキサクロロベンゼン等の有機塩素化合物のような環境中で自然分解されにくく、所謂環境ホルモンとしての作用を示す可能性がある各種の有機物質の総称であり、人の健康の保護及び環境の保全を図ることを目的としたストックホルム条約(POPs条約)において、国際的協調による廃絶、削減の対象になっている有害物質である。
【0003】
このため、液状食品は、その原料に由来する残留性有機汚染物質を含む可能性があり、食品衛生上の観点から、そこから残留性有機汚染物質を除去する必要がある。そこで、特許文献1および2は、液状食品から残留性有機汚染物質を除去する方法を提案している。特許文献1に記載の方法は、活性炭を用いてドレッシング等の液状食品を処理している。これによれば、液状食品中の残留性有機汚染物質は、活性炭に吸着され、液状食品から除去される。また、特許文献2に記載の方法は、魚油等の液状食品を超臨界二酸化炭素により処理する工程を含んでいる。これによれば、液状食品中の残留性有機汚染物質は、超臨界二酸化炭素により抽出され、液状食品から除去される。
【0004】
【特許文献1】特開平9−75723号公報
【特許文献2】特開2003−9777公報
【0005】
特許文献1に記載の方法は、液状食品に活性炭を添加して混合した後、液状食品から活性炭を分離しているため、液状食品を減少させることなく(すなわち、液状食品の歩留まりを高く維持しながら)、残留性有機汚染物質を短時間で除去することができる。ところが、この方法では、一部の種類の残留性有機汚染物質が活性炭に吸着されにくいため、当該種類の残留性有機汚染物質が液状食品中に残留する可能性がある。例えば、液状食品が残留性有機汚染物質としてダイオキシン類を含む場合、PCDDsおよびPCDFsは液状食品から除去されやすが、Co−PCBsは除去されにくく、液状食品中に残留する可能性がある。したがって、この方法は、液状食品中の残留性有機汚染物質を効果的に除去できるものとは言い難い。
【0006】
また、特許文献2に記載の方法は、液状食品中の残留性有機汚染物質全体を効果的に除去することができるが、処理完了までに長時間を要する。また、超臨界二酸化炭素による処理過程において、残留性有機汚染物質と共に液状食品の一部が廃棄されてしまうことになるため、処理後の液状食品が著しく減少する(すなわち、液状食品の歩留まりが著しく低下する)という不都合があり、効率が悪い。例えば、特許文献2に記載の方法で液状食品を処理し、残留性有機汚染物質の90%以上の除去を達成しようとした場合、3〜4時間程度の長時間を要し、また、液状食品の歩留まりは約30%になる。因みに、液状食品の歩留まりを70%程度に維持した場合、残留性有機汚染物質の数十%程度が液状食品中に残留してしまう。
【0007】
本発明の目的は、液状食品の歩留まりを著しく低下させることなく、短時間で効果的に液状食品から残留性有機汚染物質を除去することにある。
【0008】
本願において、ダイオキシン類の用語は、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第2条の規定に倣い、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)に加え、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCBs)を含む意味として用いる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る液状食品の処理方法は、液状食品を超臨界流体により処理する工程と、超臨界流体により処理された液状食品を炭素系吸着材により処理する工程とを含んでいる。
【0010】
本発明の処理方法において、液状食品を超臨界流体により処理すると、液状食品に含まれる残留性有機汚染物質の一部は、超臨界流体により抽出され、液状食品から除去される。また、超臨界流体により処理された液状食品を炭素系吸着材により処理すると、液状食品中に残留している残留性有機汚染物質が炭素系吸着材に吸着され、液状食品から除去される。このように、この処理方法は、超臨界流体による処理と炭素系吸着材による処理とを組み合わせているため、液状食品中の残留性有機汚染物質全体を効果的に除去することができると共に、超臨界流体による処理のみを実施する場合に比べて処理時間を短縮することができ、液状食品の歩留まりを高めることができる。
【0011】
本発明に係る液状食品の処理装置は、液状食品を収容可能な第一処理容器と、第一処理容器内へ超臨界流体を供給するための供給装置と、炭素系吸着材が充填された第二処理容器と、第一処理容器から第二処理容器に対して液状食品を供給するための供給経路と、第二処理容器へ供給された液状食品を第二処理容器から排出するための排出経路とを備えている。
【0012】
本発明の処理装置において、液状食品を収容した第一処理容器内へ供給装置から超臨界流体を供給すると、第一処理容器内において超臨界流体が液状食品に接触する。これにより、液状食品中の残留性有機汚染物質の一部が超臨界流体により抽出され、液状食品から除去される。このようにして超臨界流体により処理された液状食品は、続いて、供給経路を通じて第二処理容器へ供給され、第二処理容器内に充填された炭素系吸着材に接触する。これにより、液状食品中に残留している残留性有機汚染物質は、炭素系吸着材に吸着され、液状食品から除去される。このように、この処理装置は、液状食品に対し、超臨界流体による処理と炭素系吸着材による処理とを連続して実施することができるので、液状食品中の残留性有機汚染物質全体を効果的に除去することができると共に、超臨界流体による処理のみを実施する場合に比べて処理時間を短縮することができ、液状食品の歩留まりを高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る液状食品の処理方法は、液状食品に対し、超臨界流体による処理と炭素系吸着材による処理とを組み合わせて実施しているため、液状食品の歩留まりを著しく低下させることなく、短時間で効果的に液状食品から残留性有機汚染物質を除去することができる。
【0014】
本発明に係る液状食品の処理装置は、液状食品に対し、超臨界流体による処理と炭素系吸着材による処理とを連続して実施することができるため、液状食品の歩留まりを著しく低下させることなく、短時間で効果的に液状食品から残留性有機汚染物質を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1を参照して、本発明に係る液状食品の処理装置の一例を説明する。図において、処理装置1は、第一処理容器2、超臨界流体の供給装置3、第二処理容器4、供給経路5および排出経路6を主に備えている。
【0016】
第一処理容器2は、耐圧容器であり、処理対象となる液状食品を収容するためのものである。
【0017】
供給装置3は、加熱恒温槽10、二酸化炭素供給装置11および背圧調整器12を主に備えている。加熱恒温槽10は、第一処理容器2および後述する二酸化炭素供給経路14の一部を加熱するためのものであり、第一処理容器2は、当該加熱恒温槽10内に収容されている。
【0018】
二酸化炭素供給装置11は、液体二酸化炭素タンク13と二酸化炭素供給経路14とを主に備えている。二酸化炭素供給経路14は、液体二酸化炭素タンク13から延びており、液体二酸化炭素タンク13側から冷却器15、液体二酸化炭素タンク13からの二酸化炭素を加圧しながら第一処理容器2内へ供給するためのポンプ16および注入器17をこの順に備えている。二酸化炭素供給経路14は、加熱恒温槽10内に収容された第一処理容器2の下部に接続されている。注入器17は、第一処理容器2内へ供給する二酸化炭素に対し、液状食品からの残留性有機汚染物質の抽出を促進するためのエントレーナーを注入するためのものであり、エントレーナーの貯留タンク18と、貯留タンク18から延びかつ二酸化炭素供給経路14に接続された、ポンプ19を有する注入経路20とを有している。ここで用いられるエントレーナーは、通常、液状食品の品質を損ないにくいもの、例えばエタノールである。
【0019】
上述の二酸化炭素供給装置11において、加熱恒温槽10およびポンプ16は、液体二酸化炭素タンク13からの二酸化炭素が超臨界二酸化炭素(超臨界流体の一例)に変換されるよう、当該二酸化炭素をそれぞれ加熱および加圧可能な能力を有している。
【0020】
背圧調整器12は、第一処理容器2の上部から延びる廃棄経路21に接続されており、当該廃棄経路21からの超臨界二酸化炭素を減圧し、超臨界状態を解除するためのものである。廃棄経路21は、第一処理容器2から背圧調整器12へ排出する超臨界二酸化炭素の流量を調節するための圧力弁22を有している。
【0021】
第二処理容器4は、上部および下部に開口部を有するカラム状のものであり、内部に炭素系吸着材23が充填されている。ここで用いられる炭素系吸着材23は、残留性有機汚染物質の吸着能を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、活性炭やグラファイト等である。炭素系吸着材23は、粉末状や顆粒状等の粒子状のものであってもよいし、繊維状のものであってもよい。
【0022】
供給経路5は、第二処理容器4に対して第一処理容器2から液状食品を供給するためのものであり、第一処理容器2の下部から延び、かつ、第二処理容器4の上部の開口部に連絡している。この供給経路5は切替弁24を有しており、この切替弁24には、窒素ガスタンク25から延びる窒素ガス供給経路26が連絡している。切替弁24は、供給経路5を、閉鎖、第一処理容器2と第二処理容器4との連絡若しくは窒素ガス供給経路26と第二処理容器4との連絡のいずれかに切替えるためのものである。
【0023】
排出経路6は、第二処理容器4の下部の開口部から延びており、第二処理容器4へ供給された液状食品を排出するためのものである。
【0024】
次に、上述の処理装置1を用いた液状食品の処理方法を説明する。先ず、第一処理容器2内に、処理対象となる液状食品を収容する。ここで、処理対象となる液状食品は、炭素系吸着材23が充填された第二処理容器4を通過可能な性状を有する液状の食品であれば、種類が特に限定されるものではないが、例えば、魚油などの動物性油、植物性油、動物性エキスおよび植物性エキスなどである。
【0025】
次に、切替弁24を閉鎖した状態で加熱恒温槽10を加熱し、また、二酸化炭素供給経路14へ液体二酸化炭素タンク13から二酸化炭素を供給する。二酸化炭素供給経路14へ供給された二酸化炭素は、冷却器15において冷却され、さらにポンプ16により加圧されながら、かつ、加熱恒温槽10内で加熱されながら、第一処理容器2内へ連続的に供給される。この際、ポンプ19を併せて作動させ、貯留タンク18内のエントレーナーを注入経路20を通じて第一処理容器2へ供給中の二酸化炭素に注入する。
【0026】
第一処理容器2内へ供給された二酸化炭素は、超臨界二酸化炭素になり、第一処理容器2内に収容された液状食品に接触する。この結果、液状食品に含まれる残留性有機汚染物質の一部は、超臨界二酸化炭素により抽出される。この際、超臨界二酸化炭素は、エントレーナーを含むため、液状食品から残留性有機汚染物質をより効果的に抽出する。そして、残留性有機汚染物質を抽出した超臨界二酸化炭素は、液状食品の一部と共に第一処理容器2から廃棄経路21を通じて背圧調整器12へ排出され、そこで減圧される。この結果、残留性有機汚染物質を抽出した超臨界二酸化炭素が気相と液相とに分離され、その液相は、廃棄経路21からの液状食品と共に背圧調整器12において貯留される。
【0027】
この工程において、超臨界二酸化炭素の使用量は、通常、液状食品の重量S(g)に対する超臨界二酸化炭素の全流量F(リットル)の比(F/S:以下、「溶媒流量」という)が少なくとも50リットル/gになるよう設定するのが好ましい。溶媒流量が50リットル/g未満の場合は、液状食品から残留性有機汚染物質を効率的に抽出するのが困難になる可能性がある。一方、溶媒流量を50リットル/gから高めていくと、液状食品からの残留性有機汚染物質の抽出量は増加するが、それに伴って液状食品そのものも廃棄経路21を通じて排出されやすくなるので、処理後の液状食品の歩留まり(第一処理容器2内に残存している液状食品量/第一処理容器2内に仕込んだ液状食品量)が低下することになる。また、超臨界二酸化炭素の使用量も増加するため、不経済にもなる。処理後の液状食品の歩留まりの低下と、超臨界二酸化炭素の過度の消費とを抑制しつつ、液状食品から効果的に残留性有機汚染物質を除去するためには、通常、溶媒流量の上限は、100リットル/g以下に設定するのが好ましい。
【0028】
また、上述のような超臨界二酸化炭素による液状食品の処理時間は、特に限定されるものではないが、通常、第一処理容器2において、液状食品の歩留まりが60%以上、好ましくは70%以上になるよう設定するのが好ましい。因みに、溶媒流量を上述の範囲に設定した場合、液状食品の歩留まりが70%になるまでに要する処理時間は、通常、1〜2時間程度である。
【0029】
次に、二酸化炭素供給経路14に対する二酸化炭素の供給を停止し、また、第一処理容器2と第二処理容器4とが連絡するよう切替弁24を切替える。これにより、第一処理容器2内の液状食品は、供給経路5を通じて第二処理容器4へ供給される。
【0030】
次に、窒素ガス供給経路26と第二処理容器4とが連絡するよう切替弁24を切替える。これにより、窒素ガスタンク25から窒素ガス供給経路26を通じて第二処理容器4へ窒素ガスが加圧状態で供給される。そして、第二処理容器4へ供給された液状食品は、窒素ガスにより押されながら第二処理容器4内に充填された炭素系吸着材23を通過し、排出経路6から排出される。この際、液状食品中に残留している残留性有機汚染物質、すなわち、超臨界二酸化炭素を用いた先の処理工程において除去されなかった残留性有機汚染物質は、炭素系吸着材23に吸着し、液状食品から除去される。したがって、排出経路6から排出される液状食品を確保すれば、残留性有機汚染物質が実質的に除去された液状食品を得ることができる。
【0031】
上述の形態の液状食品の処理方法において、背圧調整器12に貯留された液状食品の回収を行う処理を追加してもよい。具体的には、まず背圧調整器12に貯留された液状食品を取り出した後、エントレーナーを分離する。そして、このエントレーナーが分離された液状食品を新たに処理する液状食品と共に第一処理容器2内に収容して、上述の処理を施すようにする。このようにすると、液状食品の歩留まりをより高めることができる。
【0032】
因みに、この形態に係る液状食品の処理方法は、ダイオキシン類による汚染が懸念される天然魚から採取される魚油の処理に用いると、特に効果的である。
【0033】
上述の実施の形態では、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を用いたが、超臨界二酸化炭素以外の超臨界流体、例えば、超臨界亜酸化窒素を用いた場合も本発明を同様に実施することができる。
【実施例】
【0034】
比較例1
ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)を用いて予めダイオキシン類の含有量を測定した魚油を用意した。そして、容器内に当該魚油を2g収容し、超臨界二酸化炭素により処理した。ここでは、二酸化炭素の加熱温度および圧力をそれぞれ60℃および28MPaに設定し、超臨界二酸化炭素を生成させた。また、容器において、溶媒流量は50リットル/gに設定した。超臨界二酸化炭素による魚油の処理は、魚油の歩留まりが約70%になるまで実施した。これに要した処理時間は約1.4時間であった。
【0035】
比較例2
比較例1において用いたものと同じ魚油2gを、粉末状活性炭を用いて処理した。ここでは、内径1cm、長さ5cmのカラム内に市販の粉末状活性炭(関東化学株式会社製)2gを充填したものを用意し、このカラムの上部に魚油2gを添加した。そして、カラムの上部を窒素ガスで加圧し、魚油を通過させた。これに要した処理時間は約30分であった。
【0036】
実施例
比較例1において処理された魚油の全量を、比較例2において用いたものと同様の、粉末状活性炭を充填したカラムの上部に添加した。そして、カラムの上部を窒素ガスで加圧し、魚油を通過させた。これに要した処理時間は約30分であった。
【0037】
評価
各比較例および実施例において処理された魚油中に残留しているダイオキシン類量をガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)を用いて分析した。そして、処理前の魚油中に含まれていたダイオキシン類量に基づいて、ダイオキシン類の除去率を求めた。結果を表1に示す。表1において、ダイオキシン類は、IUPACの基準に従って表示している。
【0038】
【表1】


【0039】
表1によると、比較例1は、魚油中に含まれていたPCDDs、PCDFsおよびCo−PCBsのいずれもが減少しているが、処理後の魚油中に多量のダイオキシン類が未だ残留しており、ダイオキシン類が効果的に除去されていない。この結果によると、比較例1においてダイオキシン類の除去率を高めるためには、魚油の歩留まりを犠牲にし、超臨界二酸化炭素による処理時間を大幅に延長する必要がある。
【0040】
また、比較例2は、PCDDsおよびPCDFsの除去率は比較的高いが、Co−PCBsの除去率が極めて低い。すなわち、比較例2は、ダイオキシン類の一部が魚油中に多量に残留していることになる。
【0041】
これらの比較例に対し、実施例は、比較例1の場合と同様の歩留まりであるにも拘わらず、ダイオキシン類全体について高い除去率を示しており、ダイオキシン類が効果的に除去されている。しかも、実施例の処理に要した時間は、比較例1における処理時間の1.4時間を加えてもせいぜい2時間程度であり、短時間である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の一形態に係る処理装置の概略図。
【符号の説明】
【0043】
1 処理装置
2 第一処理容器
3 供給装置
4 第二処理容器
5 供給経路
6 排出経路
23 炭素系吸着材
【出願人】 【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
【出願日】 平成16年3月3日(2004.3.3)
【代理人】 【識別番号】100099841
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 恒彦

【公開番号】 特開2005−245271(P2005−245271A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−58785(P2004−58785)