| 【発明の名称】 |
乳化性に優れた水中油型乳化食品とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 義和 【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区下野毛2−12−1 クノール食品株式会社内
【氏名】劉 暁麗 【住所又は居所】大阪府大阪市西区新町1−1−17 ナガセケムテックス株式会社内
【氏名】藤原 洋子 【住所又は居所】京都府福知山市長田野町1−52 ナガセケムテックス株式会社福知山第1工場内
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| 【要約】 |
【課題】優れた乳化性を有しながらも、従来技術のようにリゾレシチン(リゾリン脂質)を使用する場合に見られる、溶解するのに時間がかかったり、吸湿し易いためにハンドリングが煩雑であったり、更には風味を損なうといった問題がなく、通常の蛋白系の乳化剤を用い、これと共に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより得られる、乳化性に優れた水中油型乳化食品とその製造方法とを提供することを目的とする。
【解決手段】水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジン酸が0.005〜0.1質量%含有されていることを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品、並びに、水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、ホスファチジン酸を0.005〜0.1質量%添加することを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジン酸が0.005〜0.1質量%含有されていることを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品。 【請求項2】 ホスファチジン酸が、リン脂質にホスホリパーゼDを添加・処理することにより得られるホスファチジン酸である請求項1記載の乳化性に優れた水中油型乳化食品。 【請求項3】 水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、ホスファチジン酸を0.005〜0.1質量%添加することを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品の製造方法。 【請求項4】 ホスファチジン酸が、リン脂質にホスホリパーゼDを添加・処理することにより得られるホスファチジン酸である請求項3記載の乳化性に優れた水中油型乳化食品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乳化性に優れた水中油型乳化食品とその製造方法とに関し、詳しくは通常用いられる乳化剤と共に、ホスファチジン酸を少量含有することにより得られる、乳化性に優れた水中油型乳化食品とその製造方法とに関する。 【背景技術】 【0002】 蛋白系の乳化剤のみでは水中油型乳化食品の乳化性が不充分な場合、蛋白系乳化剤と非蛋白系乳化剤とを併用することにより、乳化性を強化する技術が提案されている。 例えば、高油分水中油型乳化物の乳化性を強化するために、蛋白成分とリゾレシチン(リゾリン脂質)とを併用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。 本技術でのリゾレシチン(リゾリン脂質)とは、大豆や卵黄等から得られるリン脂質をホスホリパーゼA処理によりリゾ化されたリン脂質をいう。即ち、ホスホリパーゼAにより、リン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸が加水分解されたリン脂質をいう。 【0003】 しかしながら、リゾレシチン(リゾリン脂質)を使用する場合では、溶解するのに時間がかかること、吸湿し易いためにハンドリングが煩雑であること、更には独特の風味があるため、一定量以上の添加は風味を損なうといった問題点があった。 【0004】 【特許文献1】特開2000−93108号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、上記従来の問題点を解決し、水中油型乳化食品の製造において通常用いられている蛋白系の乳化剤を用い、これと共に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより得られる、乳化性に優れた水中油型乳化食品とその製造方法とを提供することを目的とする。 【0006】 即ち、本発明は、優れた乳化性を有しながらも、従来技術のようにリゾレシチン(リゾリン脂質)を使用する場合に見られる、溶解するのに時間がかかったり、吸湿し易いためにハンドリングが煩雑であったり、更には風味を損なうといった問題がなく、通常の蛋白系の乳化剤を用い、これと共に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより得られる、乳化性に優れた水中油型乳化食品とその製造方法とを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、通常のマヨネーズやドレッシング類等に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより、乳化性に優れた水中油型乳化食品が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 本発明による乳化性に優れた水中油型乳化食品は、これまでに全く知られていない。 【0008】 即ち、請求項1に係る本発明は、水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジン酸が0.005〜0.1質量%含有されていることを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。 また、請求項2に係る本発明は、ホスファチジン酸が、リン脂質にホスホリパーゼDを添加・処理することにより得られるホスファチジン酸である請求項1記載の乳化性に優れた水中油型乳化食品を提供するものである。 次に、請求項3に係る本発明は、水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、ホスファチジン酸を0.005〜0.1質量%添加することを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。 さらに、請求項4に係る本発明は、ホスファチジン酸が、リン脂質にホスホリパーゼDを添加・処理することにより得られるホスファチジン酸である請求項3記載の乳化性に優れた水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、優れた乳化性を有する水中油型乳化食品が提供される。 しかも、本発明によれば、従来技術のように乳化性を強化するために、蛋白成分とリゾレシチン(リゾリン脂質)とを併用する必要がなく、通常のマヨネーズやドレッシング類に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより、乳化性に優れた水中油型乳化食品が得られる。 【0010】 即ち、本発明によれば、優れた乳化性を有しながらも、従来技術のようにリゾレシチン(リゾリン脂質)を使用する場合に見られる、溶解するのに時間がかかったり、吸湿し易いためにハンドリングが煩雑であったり、更には風味を損なうといった問題がなく、通常の蛋白系の乳化剤を用い、これと共に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより、乳化性に優れた水中油型乳化食品が提供される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明について詳細に説明する。 まず、請求項1に係る本発明について、詳細に説明する。 請求項1に係る本発明は、乳化性に優れた水中油型乳化食品に関し、水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジン酸が0.005〜0.1質量%含有されていることを特徴とするものである。 【0012】 請求項1に係る本発明における水中油型乳化食品とは、水相と油相とが乳化剤により水中油型に乳化されてなるものをいい、代表的なものとしてマヨネーズやドレッシング類などが挙げられる。水中油型乳化食品としては、従来公知のものを用いることができる。 【0013】 請求項1に係る本発明の特徴は、このような水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品において、ホスファチジン酸が0.005〜0.1質量%含有されている点にある。 【0014】 請求項1に係る本発明の乳化性に優れた水中油型乳化食品に添加・配合されるホスファチジン酸は、動植物中において、ほとんど全てのグリセロリン脂質生合成の前駆体として重要な物質である。ホスファチジン酸は大豆種子中に比較的多く含有されており、更には熟成した大豆種子よりも未熟大豆種子中に多く含有されることが報告されている。( Lecithins, Bernard F. Szuhai; American Oil Chemist's Society, 1985)。 ホスファチジン酸の構造について、以下に示す。 【0015】 【化1】
【0016】 物理的性状として、ホスファチジン酸は、石油エーテル、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、クロロホルム等に可溶である。 【0017】 ここで乳化性に優れた水中油型乳化食品とは、平均粒子径が比較的小さく、且つ、粘度も比較的高い値を示す水中油型乳化食品をいう。平均粒子径又は粘度のうちどちらかが、このような条件を満たさない場合には、乳化性に優れた水中油型乳化食品とは言い難い。 水中油型乳化食品の乳化性の良否判断の目安となる平均粒子径と粘度の値は、それぞれ6μm及び30,000mPa・sと考えられる。 【0018】 請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品中におけるホスファチジン酸の含有割合は、0.005〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.07質量%である。 水中油型乳化食品中におけるホスファチジン酸の含有割合が0.005質量%未満では、得られる水中油型乳化食品の乳化性が充分とならない。また、ホスファチジン酸の含有割合が0.1質量%を超えると、乳化性は逆に低下してくるため、好ましくない。 【0019】 次に、請求項2に係る本発明は、ホスファチジン酸が、リン脂質にホスホリパーゼDを添加・処理することにより得られるホスファチジン酸である請求項1記載の乳化性に優れた水中油型乳化食品に関するものである。 【0020】 請求項2に係る本発明において、用いられるリン脂質としては、一般的な卵黄リン脂質、大豆リン脂質、菜種リン脂質等が挙げられる。 卵黄リン脂質の組成は、ホスファチジル・コリン73.0%、ホスファチジル・エタノールアミン15.0%、ホスファチジル・イノシトール0.6%、その他であり、一方、大豆リン脂質の組成は、ホスファチジル・コリン38.2%、ホスファチジル・エタノールアミン17.3%、ホスファチジル・イノシトール16.0%であることが報告されている(新食品素材の開発、太田明一監修、シーエムシー社、1996年)。 なお、これらリン脂質は必ずしも純粋なものでなくてもよく、蛋白質、多糖類、塩類等、リン脂質以外の成分が混在したものであっても差し支えない。 【0021】 請求項2に係る本発明において、用いられるホスホリパーゼDはリン脂質の塩基部分を加水分解する酵素である。 このようなホスホリパーゼDとしては、植物由来のホスホリパーゼD、例えばキャベツ由来のホスホリパーゼDや、微生物由来のホスホリパーゼD、例えばストレプトマイセス属(Streptomyces)に属する放線菌が生産するホスホリパーゼD等が挙げられる。 このようなホスホリパーゼDとしては、とりわけ生産性も良いことからストレプトマイセス・シナモネウム(Streptomyces cinnamoneum;旧名 Streptoverticillium cinnamoneum )が生産するホスホリパーゼDが好適に用いられる。 【0022】 このホスホリパーゼDは、分子量が約54,000であって、作用至適pHが5〜6であり、作用至適温度が40〜60℃を示すものである(Chiaki Ogino, Yukinari Negi, Toshiko Matsumiya, Koichi Nakaoka, Akihiko Kondo, Shun'ichi Kuroda, Shinji Tokuyama, Ushio Kikkawa, Tsuneo Yamane and Hideki Fukuda; J.Biochem. 125, 263-269 (1999) ;Purification, Characterization and Sequence Determination of Phospholipase D Secreted by Streptoverticillium cinnamoneum)。 【0023】 リン脂質がレシチン(ホスファチジル・コリン)を例とした場合での、ホスホリパーゼD処理によって得られるホスファチジン酸の生成経路について、以下に示す。 【0024】 【数1】
【0025】 更に、請求項2の発明において用いられるホスファチジン酸の調製方法の概要について、以下に例示する。但し、以下の説明はあくまで例示であって、これに限定されるものではない。 【0026】 [ホスファチジン酸の調製方法] ホスファチジン酸の調製法としては大きくは2種類あり、有機溶媒に溶解したリン脂質をホスホリパーゼDを含む水溶液で作用させる2相反応と、リン脂質を分散させた水分散液にホスホリパーゼDを作用させる1相反応とがある。 前者には非極性のヘキサンやヘプタン等と極性のアセトンや酢酸エチル等の混液が有機溶媒としてよく用いられ、これらにリン脂質を溶解した有機溶媒相とpHを調整したホスホリパーゼDを含む水溶液をそれぞれ調製し、この2相が良く混ざるように攪拌することで、ホスファチジン酸が生成される。生成したホスファチジン酸は有機溶媒相を分取し、エバポレーター等により溶剤を除去することで回収できる。 その他、リン脂質もしくはホスホリパーゼDを固定化させて反応させる等の方法もあるが、以上の説明はあくまでも例示であって、これに限定されるものではない。 【0027】 また、得られたホスファチジン酸を70〜90℃で、5〜60分間・加熱することやプロテアーゼで処理することにより、残存するホスホリパーゼDを失活させることができる。また、シリカゲルや活性炭、活性白土等の吸着剤で処理することにより、残存するホスホリパーゼDを除去することができる。 以上の説明はあくまで例示であって、これに限定されるものではない。 【0028】 請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品中の水相を構成する原料(水相原料)は、マヨネーズやドレッシング類の製造に際して使用される原料や、その配合割合に準じて決定すればよく、特に制限されない。 通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩、食酢、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等の調味料、乳化剤、糖類、澱粉、果汁類、ガム類、香辛料、着香料、着色料などがある。 乳化剤としては、卵黄が一般的であるが、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等を使用でき、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。 【0029】 一方、油相を構成する原料(油相原料)としては、通常、食品に添加可能な親油性の物質であれば、特に制限がなく、例えば食用植物油脂や、親油性のある着香料、香辛料などが挙げられる。 食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、べに花油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。配合割合も通常使用されるものに準じて適宜定めることができる。 【0030】 請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品における油相と水相との割合については、特に制限はないが、通常は油相10〜90質量%に対して水相90〜10質量%、好ましくは油相30〜80質量%に対して水相70ないし20質量%とする。 ここで、油相の比率が10質量%未満であると、調製された水中油型乳化食品が美味しくなく、一方、油相の比率が90質量%を超えると、転相し易くなるので、いずれも好ましくない。 【0031】 請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品の製造は、既知の方法により行えばよく、特に制限されない。 例えば、水以外の水相原料を、水等に分散・溶解し、これらに油相原料を加えて、一般的な撹拌機、例えば市販の万能混合撹拌機を用いて予備乳化する。次いで、コロイドミル等の乳化機により仕上げ乳化を行うことによって、水中油型乳化食品を製造することができる。 ここで、前記のホスファチジン酸の添加は、植物油以外の油相原料を植物油へ分散・溶解する際に行えばよい。 【0032】 このようにして製造された水中油型乳化食品は、ホスファチジン酸が添加されていることにより、乳化性に優れたものとなっている。通常用いられる乳化剤と共にホスファチジン酸を使用することによって、乳化性が優れた水中油型乳化食品が得られる理由については明らかではないが、ホスファチジン酸と通常用いられる乳化剤との相互作用が存在し、それらが乳化性を強化しているものと考えられる。 【0033】 以上の如き請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品は、請求項3に係る本発明の方法により製造することができる。 即ち、請求項3に係る本発明は、水相と油相とが乳化剤により乳化されてなる水中油型乳化食品を製造するにあたり、ホスファチジン酸を0.005〜0.1質量%添加することを特徴とする乳化性に優れた水中油型乳化食品の製造方法に関するものである。 ホスファチジン酸の添加は、前記したように植物油以外の油相原料を植物油へ分散・溶解する際に行えばよい。また、ホスファチジン酸の添加量は、前記したように0.005〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.07質量%である。 このようにして、請求項1に係る本発明の水中油型乳化食品を製造することができる。 【実施例】 【0034】 以下、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明の範囲は、これら実施例等により制限されるものではない。 【0035】 調製例[ホスファチジン酸(本発明品)の調製] 原料レシチン(ツル−レシチン工業(株)製レシチンSLP−PC70:ホスファチジル・コリン70%以上)30gをヘプタン/アセトン(80/20)混合液に溶解し300mlにして溶媒相を調製した。次に、0.6M酢酸緩衝液(pH4)により、pH4に調整した水50mlにホスホリパーゼD(ナガセケムテックス(株)製)18,000Uを溶解して水相を調製した。溶媒相と水相とを30℃にて5時間、2相がよく混ざるように攪拌し、処理を行った。 処理後、溶媒相と水相とを分離させ、溶媒相を分取した。分取した溶媒相はエバポレーターを用い、60℃にて溶媒を除去することにより、ホスファチジン酸100%を含有する固形物が得られた。 【0036】 実施例1〜7 (1)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の調製 前記調製例で得られたホスファチジン酸(本発明品)を下記表1に示す所定量用い、表1に示す配合組成の7種の水中油型乳化食品(マヨネーズ)2kgを調製した。 即ち、調製例で得られたホスファチジン酸(本発明品)を加温した油相原料の菜種油に溶解させ、冷却後、卵黄、食塩、食酢(10%酸度)及び水を混合溶解した水相に前記の油相を加え、ホバルトミキサー(ホバルト社製)にて予備乳化した。次いで、コロイドミル(クリアランス:4/1,000インチ、回転数:3,000rpm)により仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。 【0037】 (2)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の乳化性の評価 上記(1)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)について、粘度と平均粒子径の測定から乳化性を評価した。 【0038】 即ち、上記(1)で得られた各水中油型乳化食品(マヨネーズ)を約200g容の容器に充填し、24℃で1日保管した後、ブルックフィールド粘度計を用いて粘度(mPa・s)を測定した(スピンドル:T−C、回転数:5rpm)。 また、水中油型乳化食品(マヨネーズ)の平均粒子径(μm)は、レーザー回折式粒度測定機(SALD−3000、島津製作所(株)製)を用いて測定した。 水中油型乳化食品(マヨネーズ)の粘度と平均粒子径から、乳化性を次のようにして評価した。 結果を表1に示す。 【0039】 [乳化性の評価] ・良好:粘度が30,000mPa・s以上で、且つ、平均粒子径が6μm未満。 ・やや良好:粘度が30,000mPa・s以上で、且つ、平均粒子径が6μm以上。 ・やや不良:粘度が30,000mPa・s未満で、且つ、平均粒子径が6μm未満。 ・不良:粘度が30,000mPa・s未満で、且つ、平均粒子径が6μm以上。 【0040】 比較例1〜5 実施例1において、ホスファチジン酸の配合割合を0質量%(比較例1)、0.002質量%(比較例2)、0.2質量%(比較例3)、0.3質量%(比較例4)及び0.5質量%(比較例5)に変え、且つ、全体が100質量%となるように水で調整したこと以外は実施例1と同様にして、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1と同様にして乳化性を評価した。 結果を表2に示す。 【0041】 【表1】
【0042】 【表2】
【0043】 表1の結果から、以下のようなことが分かる。 ホスファチジン酸が水中油型乳化食品(マヨネーズ)に0.005〜0.1質量%添加された実施例1〜7の水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、やや良好又は良好な乳化性を示すことが分かる。 しかも、ホスファチジン酸の添加量が0.005〜0.1質量%という比較的低濃度の添加によって、水中油型乳化(マヨネーズ)に優れた乳化性を付与できることは驚くべきことである。 【0044】 また、表2の結果から、以下のようなことが分かる。 ホスファチジン酸の添加されていない比較例1及びホスファチジン酸の添加量が0.002質量%である比較例2の水中油型乳化食品(マヨネーズ)の、乳化性が充分とならないことが理解される。 【0045】 これらの結果から、ホスファチジン酸の添加量が0.005質量%未満であると、得られる水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、乳化性はやや不良であることが分かる。 一方、ホスファチジン酸の添加量が0.1質量%を超えた比較例3〜5の水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、乳化性は不良であることが分かる。 これらの結果から、水中油型乳化食品(マヨネーズ)の乳化性に及ぼすホスファチジン酸の添加効果は、0.005〜0.1質量%といった低濃度域に存在することは明らかである。 【0046】 水中油型乳化食品(マヨネーズ)における、ホスファチジン酸の添加量が0.005質量%未満では、優れた乳化性を得るという所期の目的を達成するのに充分な量ではなく、また、0.1質量%を超える添加量では、逆に阻害効果が出るものと推測される。 【産業上の利用可能性】 【0047】 本発明によれば、優れた乳化性を有しながらも、従来技術のようにリゾレシチン(リゾリン脂質)を使用する場合に見られる、溶解するのに時間がかかったり、吸湿し易いためにハンドリングが煩雑であったり、更には風味を損なうといった問題がなく、通常の蛋白系の乳化剤を用い、これと共に少量のホスファチジン酸を添加・配合することにより、乳化性に優れた水中油型乳化食品が提供される。 よって、本発明は食品工業分野において有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591101504 【氏名又は名称】クノール食品株式会社 【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区下野毛2丁目12番1号 【識別番号】000214250 【氏名又は名称】ナガセケムテックス株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市西区新町1丁目1番17号
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| 【出願日】 |
平成16年3月2日(2004.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074077 【弁理士】 【氏名又は名称】久保田 藤郎
【識別番号】100086221 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 裕也
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| 【公開番号】 |
特開2005−245234(P2005−245234A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−57141(P2004−57141) |
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