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【発明の名称】 豆腐様食品製造用ペースト組成物およびこれを用いる豆腐様食品の製造方法
【発明者】 【氏名】木戸 茂

【氏名】湯浅 真

【氏名】阿部 正彦

【要約】 【課題】従来の製造法にとらわれず簡単に、豆腐あるいはこれと同様の食品を製造することができ、しかも貯蔵を可能とする手段を開発すること。

【解決手段】呉または豆乳の乾燥粉末、豆腐用凝固剤、感温凝固性食品材料および水を含有する豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呉または豆乳の乾燥粉末、豆腐用凝固剤、感温凝固性食品材料および水を含有する豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項2】
呉または豆乳の乾燥粉末が、更に水分吸収性食品乾燥粉末または豆腐おから粉末を含有する請求項第1項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項3】
感温凝固性食品材料が、熱凝固性食品材料である請求項第1項または第2項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項4】
熱凝固性食品材料が、卵白、カゼイン、アルブミン、グロブリン、キシログルカンまたは食品用ゲル化剤から選ばれるものである請求項第3項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項5】
感温凝固性食品材料が、低温凝固性食品材料である請求項第1項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項6】
低温凝固性食品材料が、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、キサンタンガム、ジェランガム、タラガム、アラビアガム、ウルトラ寒天、即溶性寒天、伊那寒天大和、ゼラチン、カラギーナン、アルギン酸、デンプン、デキストリン、デキストラン、プルラン、トラガントガム、グルコン酸、コラーゲン、キチン、キトサン、ポリリジン、または食品用ゲル化剤から選ばれたものである請求項第5項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項7】
更に食品素材を含有する請求項第1項ないし第6項の何れかの項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物。
【請求項8】
食品素材が、砂糖、酢、梅肉、醤油、抹茶、ごま、みそ、牛乳、卵黄、スキムミルク、チョコレート粉末、アーモンド粉末、カルシウム、カプサイシン、ウコン、ゴマラー油、キチンキトサン、セルロース、ペクチン質、果汁、蜂蜜、果実、果汁、野菜粉末、野菜汁、大豆たんぱく質、果肉、魚肉、貝肉、動物性肉又は肉汁、小麦グルテンまたは食品たんぱく質である請求項第7項記載の豆腐用製品製造用ペースト組成物。
【請求項9】
請求項第3項または第4項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物を、熱湯中に注入することを特徴とする豆腐様食品の製造方法。
【請求項10】
請求項第3項または第4項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物を、容器に注入後、加熱することを特徴とする豆腐様食品の製造方法。
【請求項11】
請求項第5項または第6項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物を、冷水中に注入することを特徴とする豆腐様食品の製造方法。
【請求項12】
請求項第5項または第6項記載の豆腐様食品製造用ペースト組成物を、容器に注入後、冷却することを特徴とする豆腐様食品の製造方法。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐様食品製造用ペースト組成物に関し、更に詳細には、熱変化させることにより豆腐様食品に変化する豆腐様食品製造用ペースト組成物およびこれを用いる豆腐様食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐は、わが国を始め東アジアで広く食されている食品であり、一般には次のような方法により製造されている。
【0003】
すなわち、大豆等の豆類を水に浸した後、これを磨砕し、更に水を加えて加熱して呉(ご)と呼ばれるものを製造する。次いで、この呉をさめないうちに布等を使ってろ過し、豆乳とおからに分ける。
【0004】
その後、豆乳に凝固剤を加えてタンパク質を凝固させる。更に、上澄み液を捨て、凝固物のみを周囲に穴のあいた長方形の容器に入れ、上から圧力をかけて水を切ることにより豆腐が得られる。
【0005】
この豆腐の製造に使用される凝固剤は、昔はにがりが用いられていたが、硫酸カルシウムを使用することが多く、また、グルコノデルタラクトンが使用されることもある。
【0006】
ところで、豆腐は上記のような製造法で製造されるため、その形状は長方形であることがほとんどであり、また、家庭で簡単に作れるというものでもなかった。
【0007】
また、豆腐は主成分が大豆蛋白であり、貯蔵がきかないため、例えば海外旅行などに持参することはできなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、従来の製造法にとらわれずに簡単に豆腐あるいはこれと同様の食品を製造することができ、しかも貯蔵を可能とする手段の開発が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、新しい豆腐様の食品を開発すべく鋭意検討を行っていたところ、呉または豆乳を一旦粉末とした後、これを通常の豆腐用凝固剤および温度変化により凝固する食品材料と組み合わせて製造したペーストは、例えば、これを温水中や冷水中に注入することにより簡単に豆腐様食品とすることができることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、呉または豆乳の乾燥粉末、豆腐用凝固剤、感温凝固性食品材料および水を含有する豆腐様食品製造用ペースト組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の豆腐様食品製造用ペースト組成物は、これを温水や冷水等の中で簡単に豆腐様食品とすることができるので、例えば、温水におかれた型に注入することにより、種々の形状の豆腐様食品を製造することができる。また、ペーストの形状であるのでこの中に種々の食品素材、例えば、砂糖、唐辛子、梅肉、抹茶等を添加することにより、いままでになかった新しい食品をえることができる。更に、本発明の豆腐様食品製造用ペースト組成物はある程度の保存性を有するので、例えば、外国旅行等の際に携帯し、簡単に豆腐様食品を製造し、味わうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明において豆腐様食品とは、豆腐、特に木綿漉し豆腐と極めて類似した味覚、食感を有する大豆蛋白を多く含む食品を意味する。
【0013】
本発明の豆腐様食品製造用ペースト組成物(以下、単に「豆腐ペースト」という)は、呉または豆乳の乾燥粉末、豆腐用凝固剤、感温凝固性食品材料および水を必須成分として含むものである。
【0014】
このうち、呉または豆乳の乾燥粉末(以下、単に「豆類乾燥粉末」という)は、常法に従って大豆を磨砕し、更に水を加えて加熱して得た呉またはこれを更にろ過し、おからを分離した豆乳を乾燥させたものである。呉あるいは豆乳の乾燥は、種々の方法により行うことができ、例えば、凍結乾燥や電子レンジによる加熱等の手段を利用することができる。
また、豆類乾燥粉末の別の方法としては、12時間以上水に浸け置きした大豆を、加熱し蒸すことなく、直接的に磨砕して得た呉またはこれからおからを分離した豆乳を上記のように乾燥させる方法を挙げることができる。
【0015】
また、豆腐ペーストにおいて使用する豆腐用凝固剤としては、周知のものを挙げることができ、塩化マグネシウムを主成分とするにがりや、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン等が利用される。
【0016】
本発明の豆腐ペーストにおいては、感温凝固性食品材料を使用する点に大きな特徴がある。この感温凝固性食品材料としては、熱を加えることにより固まる熱凝固性食品材料と冷却することにより固まる低温凝固性食品材料があるが、いずれを用いても良い。
【0017】
上記の凝固性食品材料のうち、熱凝固性食品材料としては、卵白、カゼイン、アルブミン、グロブリン、キシログルカン、食品用ゲル化剤等が挙げられ、低温凝固性食品材料としては、寒天、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、キサンタンガム、ジェランガム、タラガム、アラビアガム、ウルトラ寒天、即溶性寒天、伊那寒天大和、ゼラチン、カラギーナン、アルギン酸、デンプン、デキストリン、デキストラン、プルラン、トラガントガム、グルコン酸、コラーゲン、キチン、キトサン、ポリリジン、食品用ゲル化剤等が挙げられる。
【0018】
本発明の豆腐ペーストは、上記した三成分に少量の水を加え、ペースト状にすることにより調製される。この豆腐ペーストにおける各成分の配合量は、豆類乾燥粉末が15から60質量%(以下、単に「%」で示す)、好ましくは、25から55%、豆腐用凝固剤が、0.5から10%、好ましくは1から7%、感温凝固性食品材料が、10から30%、好ましくは10から20%であり、水が2から10%、好ましくは2から5%である。
【0019】
本発明の豆腐ペーストの調製は、豆類乾燥粉末に感温凝固性食品材料と少量の水をよく馴染むように30秒間程度混ぜ合わせた後に、さらに豆腐用凝固剤を入れてから素材等のだまりが取れるペースト状になるまで、ゆっくりと30秒間程度混ぜ合わせることが好ましい。
【0020】
また、この豆腐ペーストには、更に、水分吸収性食品乾燥粉末や、豆腐おから粉末を配合することができる。このうち、水分吸収性食品乾燥粉末としては、米粉、餅粉、小麦粉、パン粉、でんぷん粉、きなこ等の穀物類および豆類の粉末を挙げることができ、豆腐おから粉末としては、乾燥おから粉末を挙げることができる。また、寒天を加えることにより、各成分の混ぜ合わせの時の飛散を防止することができる。
【0021】
本発明の豆腐ペーストには、上記各成分の他、必要に応じて種々の食品素材を配合することができる。このような食品素材の例としては、砂糖、酢、梅肉、醤油、抹茶、ごま、みそ、牛乳、卵黄、スキムミルク、チョコレート粉末、アーモンド粉末、カルシウム、カプサイシン、ウコン、ゴマラー油、キチンキトサン、セルロース、ペクチン質、果汁、蜂蜜、果実、果汁、野菜粉末、野菜汁、大豆たんぱく質、果肉、魚肉、貝肉、動物性肉又は肉汁、小麦グルテン、食品たんぱく質等が挙げられ、これら食品素材の有する味覚、例えば、酸味、塩味、甘味、苦味、辛味、渋味等や、口触り等の触感を豆腐様食品に付与することができる。
【0022】
上記した豆腐ペーストを用いて豆腐様食品を製造するには、配合された感温凝固性食品材料の性質に応じて、加熱あるいは冷却すればよい。すなわち、感温凝固性食品材料が熱凝固性食品材料である場合は、豆腐ペーストが加熱される環境におけばよい。より具体的には、豆腐ペーストを、例えば40℃から100℃程度の熱湯中に注入したり、容器に注入後、乾燥器、電子レンジ等で40℃から80℃程度まで加熱すればよい。
【0023】
また、感温凝固性食品材料が低温凝固性食品材料である場合は、豆腐ペーストが冷却される環境におけばよい。より具体的には、豆腐ペーストを、例えば5から10℃程度の冷水中に注入したり、容器に注入後、冷蔵庫、冷凍機等で−30から10℃程度まで冷却すればよい。
【0024】
以上説明した本発明の豆腐ペーストは、ペースト状であるため、チューブや容器に充填し、使用時に取り出す必要がある。しかしその反面、自由な形状の豆腐様食品を得ることができるという特徴がある。すなわち、例えば、熱湯または冷水中に所望の形状の型を置き、その中に豆腐ペーストを注入すれば、一定温度まで加熱または冷却された場合、その型の形状の豆腐様食品を得ることができる。また、ペースト状であるため、他の食品素材を加えることが極めて容易であり、今までの豆腐にない味覚の食品を簡単に作ることができる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。
【0026】
実 施 例 1
大豆から常法により原料豆乳を得た。この原料豆乳を 凍結乾燥機を使用し、−30〜40℃で240分間乾燥し、豆乳粉末とした。この豆乳粉末111.90gに、10秒間撹拌した液状卵白111.00g、原料豆乳110.30gおよび液状にがり25mlを加え、5分8秒間撹拌して豆腐ペースト(本発明品1)333.20gを調製した。
【0027】
実 施 例 2
実施例1の豆乳粉末30.19gに、スキムミルク10.38g、4秒間撹拌した液状卵白31.76g、実施例1の原料豆乳32.77gおよび液状にがり2.5mlを加え、1分4秒間撹拌して豆腐ペースト(本発明品2)105.10gを調製した。
【0028】
実 施 例 3
実施例1の豆乳粉末60.33gに、スキムミルク15.10g、8秒間撹拌した液状卵白64.57g、実施例1の原料豆乳60.04gおよび液状にがり5mlを加え、3分43秒間撹拌して豆腐ペースト(本発明品3)200.04gを調製した。
【0029】
実 施 例 4
実施例1の豆乳粉末50.19gに、スキムミルク15.10g、常法により調製した青大豆豆乳を実施例1と同様に乾燥して得た青豆乳粉末10.15g、8秒間撹拌した液状卵白63.97g、実施例1の原料豆乳60.79gおよび液状にがり5mlを加え、2分7秒間撹拌して豆腐ペースト(本発明品4)200.20gを調製した。
【0030】
実 施 例 5
実施例1の豆乳粉末111.90gに、8秒間撹拌した液状卵白108.50g、常法により調製した青大豆豆乳112.00gおよび液状にがり10mlを加え、5分2秒間撹拌して豆腐ペースト(本発明品5)332.00gを調製した。
【0031】
参 考 例
実施例1の豆乳粉末10.00gに、原料豆乳30.58gおよび上新粉5.10gを加え、2分18秒間撹拌してペースト状物(参考品)45.68gを調製した。
【0032】
試 験 例 1
上記実施例1ないし5で調製した本発明品および参考品について、これらをチューブ容器に充填した後、70℃の熱水中に絞り出し、8秒間放置することにより豆腐様食品および参考食品を調製した。
【0033】
得られた各製品についての、外観、食感、味覚、風味等について官能評価した結果を下表に示す。
【0034】
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の豆腐ペーストは、これを加熱あるいは冷却することにより簡単に豆腐様食品を得ることができる。そして、ペースト状であるため、種々の形状の豆腐様食品や、種々の食品素材を含んだ豆腐様食品を製造することができ、新しい料理素材を提供することが可能となるものである。
【0036】
また、本発明の豆腐ペーストは、チューブ容器等に充填した状態で、10日間以上、常温下で保存可能であるので、例えば海外旅行等の携帯食料として使用することも可能である。

以 上
【出願人】 【識別番号】501442806
【氏名又は名称】木戸 茂
【識別番号】501490818
【氏名又は名称】湯浅 真
【出願日】 平成16年3月1日(2004.3.1)
【代理人】 【識別番号】100086324
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 信夫

【公開番号】 特開2005−245221(P2005−245221A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−56534(P2004−56534)