トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 加工食品の製造方法
【発明者】 【氏名】大友 直也
【住所又は居所】東京都中央区銀座一丁目3番9号 三菱化学フーズ株式会社内

【氏名】塩口 薫
【住所又は居所】東京都中央区銀座一丁目3番9号 三菱化学フーズ株式会社内

【要約】 【課題】食品中の水分、油分の移行が防止でき、結果として加工食品の品質向上、賞味期限延長がなされる、加工食品の製造方法を提供する。

【解決手段】食品またはその半製品の表面に可食性フィルム形成可能な水系組成物を使用して被膜を形成させる加工食品の製造方法であって、上記の水系組成物として、明細書中に定義する方法で測定したオリーブ油透過量が10ml以下であり且つ脱塩水透過量が15ml以下である水系組成物を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品またはその半製品の表面に可食性フィルム形成可能な水系組成物を使用して被膜を形成させる加工食品の製造方法であって、上記の水系組成物として、以下に定義する方法で測定したオリーブ油透過量が10ml以下であり且つ脱塩水透過量が15ml以下である水系組成物を使用することを特徴とする加工食品の製造方法。
オリーブ油透過量:ADVANTEC社製の「ABSORBENT PADS M−085」(直径47mm)の表面に水系組成物を固形分重量として3.0±0.2mg/cm塗布し、75℃15分乾燥させた後、内径47mmのフィルターホルダーにセットし、100mlのメスシリンダーに載せ、特級オリーブ油50mlを上から流し入れ、室温(20−25℃)にて透過させた際の20分後におけるオリーブ油透過量(ml)を測定する。
脱塩水透過量:ADVANTEC社製の「ABSORBENT PADS M−085」(直径47mm)の表面に水系組成物を固形分重量として3.0±0.2mg/cm塗布し、75℃15分乾燥させた後、内径47mmのフィルターホルダーにセットし、100mlのメスシリンダーに載せ、脱塩水50mlを上から流し入れ、室温(20−25℃)にて透過させた際の1分後における脱塩水透過量(ml)を測定する。
【請求項2】
水系組成物が、固形分濃度5〜30重量%で、加熱時の粘度が60℃で120〜700cpである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水系組成物が、固形分濃度5〜30重量%で、Bostwick試験器を使用した流動性測定において30秒後の測定値が8〜20cmである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
水系組成物が、常温でゲル状を呈し60℃で流動性のある液体となる熱可逆性を持つ請求項1〜3の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、加工食品の製造方法に関し、詳しくは、特定物性の可食フィルムで被覆することにより、食品中の水分や油分の移行を防止し、結果として加工食品の品質向上や賞味期限延長を図った加工食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品は、澱粉、油、蛋白質、水などから成る多成分系である。油や水の製品内での移動は、時として、製品の品質を劣化させる原因になる。例えば、パイやピザの生地への水分の移行はクラスト部のパリパリとした食感を損なうことがある。また、チョコレート/クッキーから成る複合菓子は、チョコレートからの油分移行によりクッキー部が白化したり、逆にクッキーからの油分移行によりチョコレート部のブルームが発生したりする。また、チョコフィリングへの水の移行はチョコクリームを増粘させ食感を低下させる。斯かる問題を解決するために多様な提案がなされている。
【0003】
(1)調理加工食品成型後、その表面に熱凝固性蛋白質を適用する調理加工食品の品質改良方法(特許文献1):この提案での中では、熱凝固性蛋白質として、ホエー蛋白質、ホエー蛋白質濃縮物、卵白、コラーゲン、プラズマの何れか1種または2種以上が使用され、粉末またはペースト状物および/または水溶液として、パウダリング、ディッピング、スプレー及び/又は注入法によって適用することが述べられている。更に、熱凝固性タンパク質に、増粘多糖類や加工澱粉、セルロースの併用も述べられている。
【0004】
(2)原料の中種がホエー蛋白を含有させた被覆液で被覆され、油ちょうされ、凍結が施されているる油ちょう済みフライ食品類(特許文献2):この提案の中で、ホエー蛋白は予め80℃前後の温度で加熱されて熱変性されているものであることが推奨されている。
【0005】
(3)具材がホエー蛋白質水溶液と食用油脂からなる乳化物で被覆され、油ちょうされている油ちょう済みフライ食品類(特許文献3)。
【0006】
(4)少なくとも約35重量%の水分含量を有する食品材料を選択し、バッターと粉を付し、加熱により熱不可逆性の被膜形成性となる水分散性蛋白の水性分散液を付し、次いで、少なくとも約1分間待った後加熱し熱不可逆性被膜を形成することからなる改良されたバッター及び粉付フライ食品の製造方法(特許文献4):この提案の中で、蛋白質としては、カゼイン塩、大豆蛋白濃縮物、分離大豆蛋白、ホエー蛋白濃縮物、牛乳蛋白加水分解物および小麦グルテンが挙げられている。
【0007】
(5)卵白、乳たん白、未加工澱粉および水の混合物を調製し、次いで、この混合物を食品の外面に被覆する食品の処理方法(特許文献5)。
【0008】
(6)成型生地を熱不溶性ゲルでコーティングした油ちょう食品(特許文献6):この提案の中で、熱不溶性ゲルは、マンナン、プルラン、キサンタンガム等の水溶性多糖類または卵液などの蛋白質であることが述べられている。
【0009】
【特許文献1】特開平9−56341号公報
【特許文献2】特開平6−22708号公報
【特許文献3】特開平8−242781号公報
【特許文献4】特開平6−245715号公報
【特許文献5】特開平7−99896号公報
【特許文献6】特開平3−143346号公報
【0010】
しかしながら、上記の従来の提案では十分な水分油分の移行防止が達成されず、結果として商品寿命の延長、品質の改良に寄与できないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、食品中の水分、油分の移行が防止でき、結果として加工食品の品質向上、賞味期限延長がなされる、加工食品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、鋭意検討した結果、次の様な知見を得た。すなわち、従来の提案は、何れも、食品またはその半製品の表面を被覆する材料の種類を具体的に選択したものであり、被覆する材料の物性に注目した発明は行われていない。ところが、特定の条件を満たす素材で食品表面を処理するならば、優れた水分油分移行防止能が発揮される。
【0013】
本発明は上記の知見に基づき達成されたものであり、その要旨は、食品またはその半製品の表面に可食性フィルム形成可能な水系組成物を使用して被膜を形成させる加工食品の製造方法であって、上記の水系組成物として、以下に定義する方法で測定したオリーブ油透過量が10ml以下であり且つ脱塩水透過量が15ml以下である水系組成物を使用することを特徴とする加工食品の製造方法に存する。
【0014】
オリーブ油透過量:ADVANTEC社製の「ABSORBENT PADS M−085」(直径47mm)の表面に水系組成物を固形分重量として3.0±0.2mg/cm塗布し、75℃15分乾燥させた後、内径47mmのフィルターホルダーにセットし、100mlのメスシリンダーに載せ、特級オリーブ油50mlを上から流し入れ、室温(20−25℃)にて透過させた際の20分後におけるオリーブ油透過量(ml)を測定する。
【0015】
脱塩水透過量:ADVANTEC社製の「ABSORBENT PADS M−085」(直径47mm)の表面に水系組成物を固形分重量として3.0±0.2mg/cm塗布し、75℃15分乾燥させた後、内径47mmのフィルターホルダーにセットし、100mlのメスシリンダーに載せ、脱塩水50mlを上から流し入れ、室温(20−25℃)にて透過させた際の1分後における脱塩水透過量(ml)を測定する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、食品中の水分、油分の移行が防止でき、結果として加工食品の品質向上、賞味期限延長がなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る加工食品の製造方法は、食品またはその半製品の表面に可食性フィルム形成可能な水系組成物を使用して被膜を形成させる方法である。そして、本発明においては、上記の水系組成物として、前記に定義する方法で測定したオリーブ油透過量が10ml以下であり且つ脱塩水透過量が15ml以下である水系組成物を使用する。本発明において定義するオリーブ油透過量および脱塩水透過量の測定方法は次の通りである。
【0018】
先ず、ADVANTEC社製の「ABSORBENT PADS M−085」(直径47mm)の表面に水系組成物を固形分重量として3.0±0.2mg/cm塗布し、75℃15分乾燥させた後、内径47mmのフィルターホルダーにセットし、100mlのメスシリンダーに載せる。次いで、特級オリーブ油または脱塩水50mlを上から流し入れ、室温(20−25℃)にて透過させた際の透過量(ml)を測定する。上記のフィルターホルダーとしては、例えば、NALGENE社より、「Analytical Test Filter Funnels」という商品名で市販されているものが好適に使用される。
【0019】
本発明において、オリーブ油透過量は、20分後における測定値として10ml以下でなければならず、脱塩水透過量は、1分後における測定値として15ml以下でなければならない。斯かる条件を満足しない場合は、食品中の水分、油分の移行を十分に防止できず、本発明の目的を達成することが出来ない。本発明において、上記のオリーブ油透過量の下限は通常0mlである。また、上記の脱塩水透過量は、好ましくは10ml以下であり、その下限は通常0mlである。
【0020】
上記の様な物性値で規定される水系組成物によって形成される被膜の構造は、必ずしも明らかではないが、後述する水系組成物の構成材料から、異なる網目サイズを独立して有するゲル構造になっているものと推定される。そして、これらのゲル構造により、食品中の蒸発や浸透に起因する水分および油分の複雑な移行が防止されているものと推定される。
【0021】
水系組成物の調製には可食フィルム形成可能な材料が使用される。斯かる材料としては次の様なものが挙げられる。例えば、タンパク成分としては、乳タンパク質(カゼインナトリウム、レンネットカゼイン、分離ホエータンパク質、脱脂粉乳、全脂粉乳など)や大豆タンパク質、多糖類成分としては、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、カードラン、アルギン酸、ペクチン、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、グアガム、油脂成分としては、各種植物油、動物油などが挙げられる。これらには、適宜、安定な剤形にするために乳化剤等の成分を加えることも出来る。例えば、乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリソルベート、レシチン等が挙げられ、また、その他の成分としては、ソルビトール、グリセリン、糖類、エタノール等が挙げられる。水系組成物は、通常、水溶性組成物であるが、アルコールも防腐目的で添加することが出来る。しかし、高濃度のアルコールの使用は安全上好ましくない。
【0022】
水系組成物の調製に使用する材料は、上記の様な可食フィルム形成可能な材料から、前記の条件を満たす被膜を形成し得る様に選択される。好ましい水系組成物の1例としては、タンパク成分としてカゼインナトリウム、多糖類成分としてペクチン、油成分として大豆油、その他成分としてショ糖脂肪酸エステル及びソルビトールを配合し、水分散液として調製したものであり、その総固形分は10〜20重量%である。また、他の1例としては、タンパク成分として大豆分離タンパク質、多糖類成分として寒天、油成分として綿実油、その他成分としてポリグリセリン脂肪酸エステル及びグリセリンを配合し、上記と同様に、10〜20重量%の固形分の水分散液として調製したものが挙げられる。
【0023】
上記の水系組成物の固形分濃度は、食品またはその半製品の表面への少ない塗布回数で有効な効果を得る観点から、通常5〜30重量%とされる。また、水系組成物の粘度は、連続生産においてはスプレー等を使用することが多いことから、スプレー可能な粘度とするのが好ましく、具体的には、通常60℃で120〜700cpであり、また、70℃で100〜400cpであることが好ましい。更に、後述するBostwick試験器を使用した流動性測定の測定値が30秒後で8〜20cmであり、60秒後で8.5〜22cmであることが好ましい。本発明において定義する粘度および流動性の測定方法は次の通りである。
【0024】
粘度の測定は、BL型粘度計を使用し、60rpmにて、所定温度(例えば60℃、65℃、70℃)に加熱した水系組成物の測定開始30秒後の値を読み取る。
【0025】
流動性の測定は、Bostwick試験器(BOSTWICK CONSISTMETER(CSC SCIENTIFIC Co,inc製;http://foodqalab.byu.edu/testing_techniques/manual/bostwick.html参照)、Mill Spec R-81294D、ASTM F1080-93準拠)を使用する。
【0026】
図1はBostwick試験器を使用して流動性を測定する方法を示す模式図である。図1(a)はシャッターを開く前の状態を示し、図1(b)はシャッターを開いた後の試料の流出状態を示す。Bostwick試験器は、細長箱型の容器(1)の一端側に水準器(2)を設け、他端側の左右にそれぞれ2個の水平調節ネジ(3)、(3)を設けて成り、容器(1)は、上下動可能なシャッター(4)により、液だめ部(5)と流出部(6)とに分割されている。そして、シャッター(4)は、容器(1)の両側面に立設された案内支柱(7)、(7)に係合し、かつ、各案内支柱(7)に収納されたバネ(図示せず)によって上方に付勢され、しかも、液だめ部(5)に試料を貯溜する際には、下降した状態でレバー(8)によりロックされる様に構成されている。また、流出部(6)の底面には、試料の流出距離を測定するための目盛りが設けられている。
【0027】
試料の流動性の測定は次の様に行う。先ず、Bostwick試験器を水平な場所に置き、水平調節ネジ(3)、(3)により容器(1)の水平を調節する。次いで、シャッター(4)を下ろし、秤上に置き、液だめ部(5)に70℃の水系組成物30gを量り採り、容器(1)を、直ちに秤から下ろし、元の場所に置く(図1(a)参照)。次いで、レバー(8)の開放操作により、シャッター(4)を開け、水系組成物を流出部(6)に流出させる。そして、30秒経過時点において、流出した組成物の先端位置を流出部(6)の目盛りによって読み取る(図1(b)参照)。
【0028】
上記の様な構成の水系組成物は、特異的な性質として、可逆ゲルとしての性質を有する。すなわち、常温(25℃)でゲル状を呈し、60℃以上の温度で低粘度で流動性のある液体となり、温度を下げると再びゲル化する。
【0029】
本発明においては、水系組成物に対し、ソルビン酸カリ、安息香酸、ポリリジン、白子抽出物、短鎖モノグリセライド、グリシン、酢酸ナトリウム等の保存料や日持向上剤を配合することにより、特に外部からの食品への菌汚染に対するバリヤーを高め、賞味期限を一層延長することも可能である。
【0030】
食品またはその半製品の表面に可食性フィルム形成可能な水系組成物を使用して被膜を形成させる方法は、水系組成物を流動性のある液体状態で使用する他は特に制限されない。食品またはその半製品の表面への水系組成物の被着は、従来から提案されている、浸漬、スプレー、はけ塗り等の方法が可能である。乾燥固化は、自然放置によって行われる。水性組成物の加熱温度は、長時間加熱による内容物の変質を避けるため、通常80℃以下、好ましくは60〜75℃である。
【0031】
本技術の対象となる食品としては、ジャム、餡、チーズ等を内部に入れた、又は砂糖、ソース、アイシング等を外側にのせたパン、ピザ、パイ、タルト、ケーキ、中華まん等のベーカリー類、団子、饅頭などの和菓子類、餃子、春巻き、シュウマイ、ブリトーの皮などの澱粉を主体とする皮状食品で覆われた食品類、天ぷら、フライ、コロッケ、フリッター等の油ちょうする食品類、これら前述の食品類の冷凍食品類、チョコレートを外側にかけた又は内部に含む焼き菓子類(複合菓子類)、湿気によりテクスチャーを失う煎餅、ポテトチップス等の菓子類、アイスクリーム等と焼き菓子を組み合わせたアイスクッキー、アイスモナカ等の冷菓類などが挙げられる。
【0032】
そして、例えば、パンにおいては、表面にふりかける砂糖、アイシングへパンから水が移行することによるべたつきの増加を抑制することが可能である。また、パン内部に入れる餡、ジャム等のフィリングは、これらへの水の移行により、微生物増殖の危険が高まり商品寿命が低下するが、本発明により、賞味期限の延長が可能となる。中華まん等においても同様の効果が認められる。前記のようにチョコレートから焼き菓子へ、また、焼き菓子からチョコレートへの油脂移行が商品品質を劣化させる原因であるが、焼き菓子焼成後に塗布することにより油脂の移行が防止され、結果として好ましくない外観の変化を抑えることが出来る。さらには、梅干、漬物、干物などの保存食品類においても、色移りの防止や、保存性の向上が可能である。
【0033】
また、本発明において、水系組成物をフィルム状に乾燥成型させて使用することも出来る。すなわち、上記のフィルムを食品中に挟み込むか、または、上記のフィルムで食品自体を包むことが出来る。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明の特徴は特定物性の水系組成物を使用する点にあることから、水系組成物の物性評価を行って実施例に代えた。なお、使用した試料は表1に示す通りである。
【0035】
【表1】


【0036】
予備試験:
上記の試料について、必要に応じて水またはエタノールに分散溶解して水性組成物とし、スプレー適性を見るため、70℃における粘度を官能的に評価した。結果は表2に示す通りである。
【0037】
【表2】


【0038】
実験例1:
予備試験の結果を基に、表1に示す試料について、本文に記載した方法でオリーブ油透過量と脱塩水透過量を測定した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】


【0040】
組成物1及び2は、本発明で規定するオリーブ油透過量が10ml以下であり且つ脱塩水透過量が15ml以下である条件を満足したが、その他の素材では両方または片方の指数で条件を満たさなかった。
【0041】
実験例2:
タルト皿(共立食品(株)製の商品名「プチタルト」)にチューブ入りクリームバター(明治乳業(株)製の商品名「チューブでバター」)を10g載せ、35℃で保存したときに、タルト皿の下に敷いた濾紙(5枚重ね)に染み出した油の重量を求めた。タルト皿にバターを載せる前に、上記実験例1の組成物1及び2を塗布し乾燥させたものと、無処理のもの、無処理タルトを空の状態で試験したものについて測定した。結果を表4に示す。組成物1及び2は油の染み出しを防止することが出来た。
【0042】
【表4】


【0043】
実施例3:
モナカ皮((株)ミヤカワ製の商品名「2号モナカ(直径7cm)」)を使用し、無処理のものと内面に上記組成物1を塗布(25mg/cm)し乾燥させたものを用意し、その中に下記試料(1)20g又は(2)10gを載せて室温に静置し、水分または油分の透過防止効果を評価した(試験は各3個ずつ行った)。効果の測定は、モナカ皮の下に濾紙(1枚)を敷き、透明アクリル板に載せ、下から目視観察して、水分または油分の濾紙への染み出してくる迄の時間を測定により行った。結果を表5に示す。
【0044】
(1)ゼリー飲料((株)カゴメ製「野菜生活ゼリードリンク」)
(2)サラダ油((株)ハナマサ製「プロ仕様 サラダ油」)
【0045】
【表5】


【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】Bostwick試験器を使用して流動性を測定する方法を示す模式図である。図1(a)はシャッターを開く前の状態を示し、図1(b)はシャッターを開いた後の試料の流出状態を示す。
【符号の説明】
【0047】
1:容器
2:水準器
3:水平調節ネジ
4:シャッター
5:液だめ部
6:流出部
7:案内支柱
8:レバー
【出願人】 【識別番号】593204214
【氏名又は名称】三菱化学フーズ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区銀座一丁目3番9号
【識別番号】504080629
【氏名又は名称】バイオエンベロップ アグロ インク
【住所又は居所】カナダ ケベック州 ラバル 500 サンマルタンブルバードウエスト スイート380
【出願日】 平成16年3月1日(2004.3.1)
【代理人】 【識別番号】100097928
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 数彦

【公開番号】 特開2005−245220(P2005−245220A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−56498(P2004−56498)