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【発明の名称】 酸性乳飲料及びその製造方法
【発明者】 【氏名】川畑 りつ子
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【氏名】森田 康幸
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【要約】 【課題】酸性条件下においても、乳原料を凝集することなく安定に保持し、不溶性固形分を含有する場合には、長期間の保存中不溶性固形分を均一に分散することが出来る酸性乳飲料を提供する。

【解決手段】酸性乳飲料中、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状の不溶性セルロース、及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上含有する。酸性乳飲料に対する添加量が、前記(1)が0.005〜0.2重量%及び(2)が0.01〜5重量%である。更に、不溶性固形分を均一に分散して含有する。乳原料、前記(1)、特に好ましくは活性化させた(1)及び(2)を含有し、pHを酸性に調整した溶液に均質化処理を施す工程を包含する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)及び(2)を含有することを特徴とする酸性乳飲料;
(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状の不溶性セルロース。
(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上。
【請求項2】
前記(1)が発酵セルロースである、請求項1に記載の酸性乳飲料。
【請求項3】
酸性乳飲料に対する添加量が、前記(1)が0.005〜0.2重量%及び(2)が0.01〜5重量%である、請求項1又は2に記載の酸性乳飲料。
【請求項4】
更に、不溶性固形分を均一に分散して含有する請求項1乃至3に記載の酸性乳飲料。
【請求項5】
前記(1)及び(2)を含有し、pHを酸性に調整した乳原料含有溶液に均質化処理を施す工程を包含する請求項1乃至4に記載の酸性乳飲料の製造方法。
【請求項6】
前記(1)を活性させてから添加する請求項5に記載の酸性乳飲料の製造方法。





【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性条件下においても、乳原料中のタンパク質の凝集、沈殿等を抑制し、保存安定性に優れ、また、飲用してもざらつきなど感じられず、優れた飲用感を有し、不溶性固形分を含有する場合には長期間の保存中不溶性固形分を均一に分散することが出来る固形分分散性に優れた酸性乳飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の嗜好の多様化に伴い、多種の乳飲料が市場に流通するようになり、乳タンパク質成分を一定量含有した酸性乳飲料も製造されている。乳原料を酸性飲料に含有させると保存中に乳原料中のタンパク質が凝集してしまうという問題点があり、その解決策として、ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類等の増粘安定剤を配合することが広く行われている(特許文献1など)。しかし、これら安定剤だけでは不溶性固形分の分散には不充分である。
【0003】
また、これら酸性乳飲料に、各種不溶性固形分を安定に分散させる方法も検討されている。例えば、不溶性固形分を含有する酸性乳飲料として、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び微結晶セルロースを含有する方法(特許文献2)、酸性化した乳、増粘安定剤、水中で分散させた時の平均粒径が20μm以下である微細セルロースを含有する微細セルロース含有酸性乳飲料(特許文献3)があるが、未だ不溶性固形分の分散効果は充分でなく、酸性下での乳タンパク質の安定性と言った観点からも改善の余地がある。
【0004】
一方、不溶性セルロースの一種として発酵セルロースが知られているが、乳飲料中の分散安定効果について、微生物由来のセルロースと高分子物質(キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)との複合化物が、カルシウム強化飲料、ココア飲料、コーヒー飲料などの食品の分散性に安定に利用できること(特許文献4)、発酵セルロースと、ネイティブジェランガム、ペクチン(ハイメトキシルペクチン)又は大豆多糖類といった高分子物質を併用することによって、ホットベンダーでの保存や振動等のショックによっても上相が透くことなく分散安定性すること(特許文献5)が記載されている。これらの方法は、中性の飲料、例えば、ミルクコーヒーやミルクティーでは効果は認められる。しかし、酸性乳飲料に発酵セルロースを添加すると、乳原料中のタンパク質の凝集・沈殿が起こり、もはや飲料製品としての価値はなくなってしまっていた。
【0005】
このように、酸性乳飲料において、ハイメトキシルペクチンや大豆多糖類が酸乳安定に寄与しているのは知られている一方、不溶性固形分を分散させるには不充分であった。一方、中性飲料の固形分分散安定剤として、微結晶セルロースや発酵セルロースなどのセルロース類を使用することは知られているが、これらを酸性乳飲料に添加すると、乳タンパク質成分の凝集・沈殿が起こり、固形分の分散どころか、酸性飲料中、乳原料中のタンパク質を安定化させる効果全くなく、飲料製品としての価値が無くなっていた。
【0006】
【特許文献1】特開平5−7458号公報
【特許文献2】特開2002−345401号公報
【特許文献3】特開平10−56960号公報
【特許文献4】特開平9−121787号公報
【特許文献5】特開平11―178517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、酸性乳飲料に関し、乳原料中のタンパク質の凝集や沈殿も有意に抑制され、かつ、不溶性固形分を含有していても、該固形分が長期間分散安定化されており、安定な不溶性固形分を含有する酸性乳飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、酸性乳飲料を調製する際、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状の不溶性セルロース、好ましくは、発酵セルロース、及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を含有することで、意外にも、酸性乳飲料中、乳原料中のタンパク質を安定化させる効果が劣ることなく、しかも当該セルロース無添加品よりも良くなり、更には、酸性乳飲料にコク味を付与でき、また果肉などの不溶性固形分の固形分分散性が格段に良くなることを見いだした。
【0009】
更に、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状不溶性セルロース及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を含有し、pHを酸性に調整した溶液に均質化処理を施す工程を包含する製法、より好ましくは、前記(1)を活性化させてから添加することで、酸性下でも乳原料中のタンパク質の凝集が見られず、不溶性固形分が沈殿せず、長期間に渡り安定に分散した、不溶性固形分を含有する酸性乳飲料が製造できることを見いだした。
【0010】
すなわち本発明は以下の態様を有するものである;
項1.下記(1)及び(2)を含有することを特徴とする酸性乳飲料;
(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状不溶性セルロース。
(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上。
項2.前記(1)について、発酵化されて製造された繊維状不溶性セルロースである、請求項1に記載の酸性乳飲料。
項3.酸性乳飲料に対する添加量が、前記(1)が0.005〜0.2重量%及び(2)が0.01〜5重量%である、項1又は2に記載の酸性乳飲料。
項4.更に、不溶性固形分を均一に分散して含有する項1乃至3に記載の酸性乳飲料。
項5.前記(1)及び(2)を含有し、pHを酸性に調整した乳原料含有溶液に均質化処理を施す工程を包含する項1乃至4に記載の酸性乳飲料の製造方法。
項6.前記(1)を活性させてから添加する項5に記載の酸性乳飲料の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、酸性下でも乳原料の凝集・沈殿が有意に抑制され、また、不溶性固形分を含有していても、不溶性固形分が沈殿せず、長期間にわたり安定に均一分散した、不溶性固形分を含有する酸性乳飲料ができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の酸性乳飲料は、
(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状不溶性セルロース。
(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上。
を含有することを特徴とする。
【0013】
本発明で言う酸性乳飲料とは、ドリンクヨーグルト、乳酸菌飲料等の発酵乳飲料(生菌、及び殺菌タイプ両者を含む)、及びそれらを凍結させたフローズンヨーグルト等の、発酵工程を含む乳飲料及びその乳飲料を含む食品(ドリンクヨーグルトタイプ)、あるいは牛乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等の乳原料に、乳酸、クエン酸等の有機酸を添加することで酸性化した飲料(直接酸乳タイプ)等があげられ、そのpHは3.0〜6.0、好ましくは3.3〜4.5程度のものをいう。
【0014】
本発明の酸性乳飲料に含有させる成分として、まず1つ目には、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル(微小繊維)化した微細な繊維状のセルロースである。具体的には、発酵セルロース、微小繊維状セルロースと言われるものを挙げることができる。なお、不溶性セルロースの1種として、微結晶セルロースの非結晶領域を除いて得られたセルロースもあるが、本発明では微結晶セルロースを添加しても本願発明の効果を奏さない。
【0015】
発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースである。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば、特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報、特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
【0016】
セルロース生産菌としては、アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌が挙げられるが、好適にはアセトバクター属である。発酵セルロースを生産するアセトバクター属の細菌として、より具体的には、アセトバクター・パスツリアヌス株(例えば、ATCC10245等)、アセトバクター・エスピーDA株(例えば、FERM P−12924等)、アセトバクター・キシリナム株(例えば、ATCC23768、ATCC23769、ATCC10821、ATCC1306−21等)を挙げることができる。好ましくは、アセトバクター・キシリナム株である。
【0017】
かかるセルロース生産菌を培養する培地及び条件としては、特に制限されず、常法に従うことができる。例えば、培地は、基本的に窒素源、炭素源、水、酸素及びその他の必要な栄養素を含有しており、上記微生物が増殖して目的の発酵セルロースを産生することができるものであればよく、例えばHestrin-Schramm培地を挙げることができる。なお、セルロースの生産性を向上させるために、培地中にセルロースの部分分解物、イノシトール、フイチン酸等を添加することもできる(特開昭56−46759号公報、特開平5−1718号公報)。培養条件としては、例えばpH5〜9、培養温度20〜40℃の範囲が採用され、発酵セルロースが十分産生されるまで培養が続けられる。培養方法は、静置培養、撹拌培養、通気培養のいずれでもよいが、好適には通気撹拌培養である。
【0018】
発酵セルロースを大量生産するためには、多段階接種法が好ましい。この場合、通常、2段階の予備接種プロセス、一次接種発酵プロセス、二次接種発酵プロセス及び最終発酵プロセスからなる5段階の発酵プロセスが採用され、各プロセスで増殖された細菌について細胞の形態およびグラム陰性であることを確認しながら、次プロセスの発酵器に継代される。
【0019】
発酵後、産生された発酵セルロースは培地から分離処理され、洗浄されて、適宜精製される。精製方法は特に制限されないが、通常、培地から回収した発酵セルロースを洗浄後、脱水し、再度水でスラリー化した後に、アルカリ処理によって微生物を除去し、次いで該アルカリ処理によって生じた溶解物を除去する方法が用いられる。具体的には、次の方法が例示される。
【0020】
まず微生物の培養によって得られる培養物を脱水し、固形分約20%のケーキとした後、このケーキを水で再スラリー化して固形分を1から3%にする。これに水酸化ナトリウムを加えて、pH13程度にして撹拌しながら数時間、系を65℃に加熱して、微生物を溶解する。次いで、硫酸でpHを6〜8に調整し、該スラリーを脱水して再度水でスラリー化し、かかる脱水・スラリー化を数回繰り返す。精製された発酵セルロースは、必要に応じて乾燥処理を施すことができる。乾燥処理としては特に制限されることなく、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライ等の公知の方法を用いることができる。好ましくはスプレードライ法、ドラムドライ法である。
【0021】
かくして得られる発酵セルロースは、白色から黄褐色の無臭の物質であり、水に急速に分散できる非常に微細な繊維性粒子からなる。なお、本発明で用いられる発酵セルロースは、上記方法で調製される発酵セルロースと同一若しくは類似の性質を有し、本発明の目的を達成しえるものであれば、その調製方法によって限定されるものではない。
【0022】
また、本発明の発酵セルロースは、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ペクチン等の高分子物質の一種もしくは二種以上と複合化したものを使用しても構わない。このような物質は商業上入手することが出来、例えば、シーピーケルコ社製のプリマセル等を挙げることができる。
【0023】
微小繊維状セルロースは、原料のセルロース性物質、好ましくは、野菜、芋、豆、木綿、麻、木材等の植物の骨格構造を形成する細胞壁の主成分であるセルロース性物質原料を、繊維状に加工したものである。微小繊維状セルロースは高度に精製した純植物繊維を原料とし、これに超高圧ホモジナイザー処理による強力な機械的せん断力を加えて微小繊維状にしたものであり、原料の繊維が、当該処理により、約4万〜8万本程度に引き裂かれ、繊維の太さは0.01〜0.1μmまで微小化されている。
【0024】
さらに、本発明で用いる微小繊維状セルロースは、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ペクチン等の高分子物質の一種もしくは二種以上と複合化したものを使用しても構わない。このような物質は商業上入手することが出来る。
【0025】
なお、本発明では、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル(微小繊維)化した微細な繊維状のセルロースとして、特に、前記発酵セルロースを使用するのが好ましい。
【0026】
本発明に係る平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル(微小繊維)化した微細な繊維状のセルロースの添加量は、酸性乳飲料に対して、0.005〜0.2重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%、更に好ましくは0.01〜0.05重量%である。更には、乳原料に有機酸などを添加して酸性化させた、いわゆる直接酸乳飲料にては、0.02〜0.04重量%、また、発酵乳など予め酸性化した乳原料を使用するドリンクヨーグルトには、0.03〜0.05重量%の割合で使用するのが好ましい。これよりも当該セルロースの添加量が多いと、粘度が高くなり、飲料としては不向きであり、また、これよりも少ないと、不溶性固形分の分散能力が十分でなく沈殿を引き起こす。
【0027】
更に、本発明の酸性乳飲料には、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル(微小繊維)化した微細な繊維状のセルロースに加えて、(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を併用して含有する。
【0028】
本発明で使用するハイメトキシルペクチンについて、ペクチンは、野菜や果物に細胞壁成分として存在する、α-D-ガラクツロン酸を主鎖成分とする酸性多糖類である。ペクチンを構成するガラクツロン酸は部分的にメチルエステル化されており、エステル化度によってローメトキシルペクチンとハイメトキシルペクチンに分けられる。また、ローメトキシルペクチンにはC6位が部分的にアミド化されたアミドペクチンもある。本発明では、エステル化度が55以上、好ましくは60以上、更に好ましくは65以上のハイメトキシルペクチンを使用する。かかるペクチンは商業的に入手可能であり、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のSM−478,SM−666を挙げることができる。
【0029】
本発明で使用する大豆多糖類とは、大豆由来のラムノース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、グルコース、ウロン酸の1種もしくは2種以上を含むものであればよいが、大豆のなかでも子葉由来のものが好ましい。本発明の大豆多糖類は、その分子量がどの様な物でも使用可能であるが、高分子であることが好ましく、平均分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100万であるのが好ましい。なお、この大豆多糖類の平均分子量は標準プルラン(昭和電工株式会社)を標準物質として0.1MのNaNO溶液中の粘度を測定する極限粘度法で求めた値である。かかる大豆多糖類は商業的に入手可能であり、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のSM−700,SM−900を挙げることができる。
【0030】
更に、本発明で使用するカルボキシメチルセルロースナトリウム(以後、CMC−Naと略す)は、セルロースのグルコースの水酸基にカルボキシメチル基を置換させたものであり、通常、エーテル化度0.6〜1.5程度のものである。本発明で使用するCMC−Naは、商業的に入手することが出来、例えば、第一工業製薬株式会社製のセロゲンF−SL、セロゲンF−810A、セロゲンF−SB、セロゲンF−820B、セロゲンF−1220B等を挙げることが出来る。
【0031】
なお、本発明ではハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を併用して使用できるが、ハイメトキシルペクチンを使用するのが好ましい。ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上の添加量は、酸性乳飲料中0.01〜5重量%、好ましくは、0.05〜1重量%である。
【0032】
本発明では、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状不溶性セルロース及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上の配合割合について、(1):(2)=1:100〜10:1、好ましくは1:50〜1:1となるように添加するのが好ましい。
【0033】
更に、本発明の酸性乳飲料は、乳タンパク質成分の凝集・沈殿を起こすことなく、不溶性固形分を安定に分散することが出来る。
【0034】
本発明で酸性乳飲料に含有する不溶性固形分は、酸性乳飲料に添加可能な水に不溶もしくは水に難溶性である固形分であれば特に限定されないが、例えば、野菜・果実の果肉、ピューレ等の繊維分、黄粉、ココア粉、抹茶粉末、ごま、あずき、ゼリー粒、卵殻、貝殻等の天然成分由来或いは合成された炭酸カルシウム等の不溶性カルシウム成分、酵母等の粉末等を例示することが出来る。本発明では、具体的には、平均直径で1μm〜20mm程度の不溶性固形分を良好に分散することが出来、特に、果肉、あずき、ゼリー粒などの例えば1〜10mm程度の比較的大きな粒子の固形分を安定に分散することができる。
【0035】
本発明における不溶性固形分の酸性乳飲料への添加量であるが、不溶性固形分の種類によって適宜選択することが出来るが、酸性乳飲料100重量%に対して0.01〜50重量%、好ましくは、5〜30重量%を例示することができる。
【0036】
また、本発明は、前記(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状不溶性セルロース及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を含有し、pHを酸性に調整した乳原料含有溶液に均質化処理を施す工程を包含する酸性乳飲料の製造方法に関する。本方法で製造することで、更に乳タンパク質成分の凝集・沈殿を抑制し、更には、不溶性固形分を安定に分散することが出来る。
【0037】
本発明は、(1)平均直径0.01〜0.1μmまでミクロフィブリル化された繊維状不溶性セルロース及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を含有する酸性乳飲料であって、乳原料、前記(1)及び(2)を含有し、pHを酸性に調整した溶液に均質化処理を施す工程を包含することを特徴とする前記酸性乳飲料、又は不溶性固形分を均一に分散する酸性乳飲料の製造方法に関する。より好ましくは、前記製造方法のうち、前記(1)のセルロースを活性化させてから添加する方法である。
【0038】
(1)のセルロースを活性化させる方法であるが、水又は分散媒体に当該セルロースを投入後、適度な強度の剪断力を加えて撹拌することが好ましい。適度な強度の剪断力を加えた撹拌の方法としては、特に制限されることなく一般に採用される方法が広く用いられるが、例えば、ミキシング(プロペラ撹拌、ミキサーによる高撹拌等)、ホモゲナイズ、コロイドミル等の処理が挙げられる。好ましくは、約100〜200kg/cm2のホモゲナイズ圧力の範囲でホモゲナイズする方法である。撹拌する際の温度は特に制限されず、通常10〜90℃の温度範囲を採用することができる。このような方法で活性化した当該(1)のセルロースを、常法により水に乳原料及び(2)ハイメトキシルペクチン、大豆多糖類及びカルボキシメチルセルロースから選ばれる1種又は2種以上を加熱攪拌した溶液に添加し、更に均質化処理を施す。
【0039】
その他の方法は、活性化した当該(1)のセルロースを使用する場合も、未活性の(1)のセルロースを使用する場合も同様の方法で製造できる。即ち、1.乳原料、前記(1)及び(2)を溶解する工程、2.pHを酸性にする工程、3.均質化を行う工程、4.必要に応じて不溶性固形分を添加する工程、5.加熱殺菌を行う工程により、酸性乳飲料/不溶性固形分が分散された酸性乳飲料を製造することが出来る。
【0040】
中でも、1.乳原料、前記(1)及び(2)を溶解する工程として、乳原料、(1)及び(2)を同時に溶解してもよいし、乳原料と(2)を先に合わせて溶解した後、(1)を添加しても良い。2.のpHを酸性にする工程は、前記の通り、クエン酸等の有機酸を添加することにより調製する方法を挙げることができる。3.の均質化工程について、70〜90℃程度まで加熱した後、均質化処理を行うのが好ましい。均質化の方法としては、約100〜200kg/cm2のホモゲナイズ圧力の範囲で処理する方法を例示することができる。撹拌する際の温度は特に制限されず、通常10〜90℃の温度範囲を採用することができる。なお、4.の工程について、果肉などの不溶性固形分を添加する場合には、均質化した後、添加することが好ましい。5.の加熱殺菌工程については、通常の酸性乳飲料の殺菌条件、例えば95℃30分間程度の殺菌条件を例示することができる。
【0041】
このように、(1)のセルロース、より好ましくは活性化したセルロースを乳原料及び(2)を加熱攪拌した溶液に添加し、更に均質化処理を施すことにより、後に添加した不溶性固形分を安定に分散し、なおかつ、乳原料の凝集・沈殿も起こらない飲料にすることが出来る。なお、(1)のセルロースを添加した後、均質化処理を行うことが必須条件である。均質化処理した後、(1)のセルロースを添加しても、酸乳安定効果も芳しくなく、発酵セルロースを添加することによるざらつき感が感じられ、また、不溶性固形分を添加しても、分散効果はさほど見られない。
【0042】
なお、本発明で使用する乳原料は、牛乳、全脂粉乳、加糖練乳、脱脂粉乳、脱脂粉乳、加糖脱脂練乳、脱脂乳濃縮乳、クリーム、発酵乳、バター、加工乳等を挙げることができる。乳原料の酸性乳飲料中の含有量としては、無脂乳固形分換算で0.1〜15重量%とすることが好ましく、特に、0.3〜8重量%とすることが好ましい。
【0043】
本発明の酸性乳飲料には、本発明の効果に影響を与えない限度において、必要により、更に、ハイメトキシルペクチン、前記(1)及び(2)以外の増粘多糖類、乳化剤、砂糖、果糖、糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム、ステビア等の各種甘味料、果汁やココアパウダー等の風味付け素材;色素、香料等を添加することもできる。
【0044】
他の増粘多糖類として、ネイティブ型ジェランガム、タマリンド種子多糖類、ローカストビーンガム、グァーガム、寒天、プロピレングリコールエステル、トラガントガム、カラヤガム、プルランなどを挙げることができる。
【0045】
乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸塩、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ポリソルベート等を挙げることができる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示すものとし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
なお、以下の実施例、比較例において、発酵セルロースはシーピーケルコ社製、微小繊維状セルロースは旭化成社製のものを使用した。
【0047】
実施例1〜4,比較例1〜2:果肉入り酸乳飲料の調製
処方 %
砂糖 7
脱脂粉乳 2
ハイメトキシルペクチン(SM−666*) 0.4
安定剤 表1記載
黄桃果肉 5
50%(w/v)クエン酸溶液 pH3.8に調整
交換水にて 100とする
【0048】
1.準備:各溶液の調製
)17.5%砂糖・1%ハイメトキシルペクチン含有溶液の調製
交換水に砂糖及びハイメトキシルペクチンの混合物を添加後、80℃10分間加熱攪拌溶解後、室温(25℃)まで冷却して、17.5%砂糖・1%ハイメトキシルペクチン含有溶液を調製した。
【0049】
)0.3%活性発酵セルロース溶液の調製
交換水に発酵セルロースを添加し、室温(25℃)にて、10分間2500rpm攪拌溶解後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行い、0.3%活性発酵セルロース溶液を調製した。
【0050】
)0.3%活性未発酵セルロース溶液の調製
交換水に発酵セルロースを添加し、室温(25℃)にて、10分間2500rpm攪拌溶解し、0.3%活性未発酵セルロース溶液を調製した。
【0051】
)10%脱脂粉乳溶液の調製
交換水に脱脂粉乳を添加後、60℃10分間攪拌溶解後冷却し、10%脱脂粉乳溶液を調製した。
【0052】
2.調製方法
(i)実施例1:活性化した発酵セルロース、乳、ペクチンを同時に添加
1で調製した)、)、)を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整した後、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、約3mm角にカットした黄桃を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、黄桃入り酸乳飲料を調製した。
【0053】
(ii)実施例2:乳をペクチンで安定化後、活性化した発酵セルロースを添加
1で調製した)及び)を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整した後、)を添加して、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、約3mm角にカットした黄桃を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、黄桃入り酸乳飲料を調製した。
【0054】
(iii)実施例3:未活性の発酵セルロース、乳、ペクチンを同時に添加
1で調製した)、c)d)を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整した後、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、約3mm角にカットした黄桃を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、黄桃入り酸乳飲料を調製した。
【0055】
(iv)実施例4:乳をペクチンで安定化及び均質化後、活性化した発酵セルロースを添加
1で調製した)及びd)を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整し、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、b)を添加し、約3mm角にカットした黄桃を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、果肉入り酸乳飲料を調製した。
【0056】
比較例として、発酵セルロースの代わりに微結晶セルロース0.4%を使用して酸性乳飲料を製造した(比較例1,2)。即ち、1で調製した)、d)及び微結晶セルロースの2%溶液(未活性微結晶セルロース溶液)を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整した後、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、約3mm角にカットした黄桃を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、果肉入り酸乳飲料を調製した(比較例1)。
【0057】
また、前記2%微結晶セルロース溶液(未活性)について、交換水に微結晶セルロースを添加し、室温(25℃)にて、10分間2500rpm攪拌溶解後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行い、2%活性微結晶セルロース溶液(活性化微結晶セルロース溶液)を調製したものを使用した他は、比較例1と同様の方法で、果肉入り酸乳飲料を調製した(比較例2)。
【0058】
【表1】


【0059】
3.評価方法
評価方法について、飲料調製後、5℃で1日保存後の粘度を測定し、飲用感について、10℃で食し、のどごし、飲みやすさ、コク味などの飲用感を評価した。結果を表2に示す。更に、5℃にて1ヶ月保存後の外観の状態を目視観察した。沈殿は、横から観察した沈殿量を評価し、上隙・沈殿は上記処方中果肉無添加にて目視観察、分散状態は果肉の分散状態を目視観察し評価した。結果を表3に示す。
【0060】
表中の符号の説明:
上隙・沈殿・凝集について:少ない − < ± < + < ++ < +++ 多い である。
【0061】
果肉分散状態について、分散性が高い順に、◎ > ○ > × である。
◎:容器全体〜容器下部2/3の間に肉が均一に分散している状態。
○:容器下部2/3〜1/3の間に、果肉が均一に分散している状態。
×:容器の下部1/3の間に、果肉が分散しているか、又は、容器下部に果肉が沈殿した状態。
【0062】
総合評価について、評価が高い順に、◎ > ○ > △ > × である。
◎:乳タンパク質の上隙・沈殿・凝集が殆ど見られず、果肉分散も良好、飲用感も優れている。
○:◎に比べ、やや果肉分散性が劣るものの、乳タンパク質の上隙・沈殿・凝集抑制効果もあり、飲用感も良好である。
△:果肉分散効果或いは乳タンパク質の安定化効果のいずれかには優れているものの、いずれかが効果が低い。
×:飲料として相応しくない程に乳タンパク質の沈殿・凝集が見られ、また、果肉分散効果もない。
【0063】
【表2】


【0064】
【表3】


【0065】
表2〜3より、微結晶セルロースを使用した比較例1及び2の酸性乳飲料よりも、発酵セルロースを使用した実施例1〜4の酸性乳飲料の方が、飲用感、上隙・沈殿等の乳タンパク質の安定性、果肉分散性のいずれにおいても優れていることが判る。
【0066】
更に、表2〜3より、総合的には、優れている製法順に、実施例1法≧実施例2法>実施例3法>実施例4法であった。表2より、分散力のある最も有効な方法は、発酵セルロースを予め活性化処理し、ペクチンおよび乳と活性化発酵セルロースを混合後に均質化する方法(実施例1及び実施例2)である。ペクチンと未活性の発酵セルロースとを一剤化すると(実施例3)、分散力としては予め活性化発酵セルロースしたものを添加した方法より劣るが、未活性発酵セルロース0.03〜0.05%添加系(実施例3−2〜3)では充分な果肉分散効果を有した。なお、微結晶セルロースについては、活性化を行っても果肉分散効果は見られなかった。
【0067】
なお、pH調整時(クエン酸溶液添加時)に発酵セルロースが共存しても、ハイメトキシルペクチンによる乳の安定化を阻害しないが(実施例1法と実施例2法との比較)、発酵セルロースを活性化処理しても、ハイメトキシルペクチンと乳の均質化後に添加すると、酸乳の安定化に影響を与える(実施例4法)ことが判った。
【0068】
<各製法の結果>
・実施例1法:活性化した発酵セルロースをペクチン・乳原料と同時に添加
発酵セルロース0.015%添加(実施例1−1は、完全分散しないものの、無添加よりは明らかに分散力あった。発酵セルロース0.03〜0.05%添加系(実施例1−2〜3)は、分散力、安定性ともに向上し、特に0.05%添加で完全分散していた。上隙および沈殿は、発酵セルロースの添加量をあげると減少する傾向にあった。発酵セルロース0.03%添加系(実施例1−2)は、粘度があるものの、飲料として違和感なく飲めた。発酵セルロース0.05%添加系(実施例1−3)はもったりとした飲み口となった。
【0069】
よって、実施例1法により、特に、発酵セルロースの添加量を0.015〜0.03%添加して製造した酸乳飲料は、飲料としても違和感なく飲用でき、また、果肉の分散性が高く、乳タンパク質の凝集も抑制された安定な酸乳飲料となった。
【0070】
・実施例2法:乳原料をペクチンで安定化後、活性化した発酵セルロースを添加
発酵セルロース0.015%添加系(実施例2−1)では完全分散しないものの、無添加よりは明らかに分散力あった。発酵セルロース0.03〜0.05%添加系(実施例2−2〜3)で分散力、安定性ともに向上し、分散効果があった。上隙および沈殿は、発酵セルロースの添加量をあげると減少する傾向にあった。0.03%添加系(実施例2−2)は、粘度があるものの、飲料として違和感なく飲めた。0.05%添加系(実施例2−3)は、もったりとした飲み口となった。
【0071】
よって、実施例2法により、特に、発酵セルロースの添加量を0.015〜0.03%添加して製造した酸乳飲料は、飲料としても違和感なく飲用でき、また、果肉の分散性が高く、乳タンパク質の凝集も抑制された安定な酸乳飲料となった。
【0072】
・実施例3法:未活性の発酵セルロースをペクチン・乳原料と同時に添加
発酵セルロース0.015%添加系(実施例3−1)は、分散力無かった。発酵セルロース0.03〜0.05%添加系(実施例3−2〜3)は、ある程度の分散力はあるが、完全分散は難しい。沈殿は、発酵セルロースを添加すると減少する傾向にあった。0.03%添加系(実施例3−2)は、粘度があるものの、飲料として違和感なく飲めた。0.05%添加系(実施例3−3)は、高粘度の飲料としては飲める。
【0073】
よって、実施例3法により製造すると、実施例1及び2法により製造したものには劣るが、発酵セルロースの添加量によっては、ある程度分散性が見られた。
【0074】
・実施例4法: 乳原料・ペクチンを均質化処理後、活性化した発酵セルロースを添加
発酵セルロース0.05%添加(実施例4−3)でも分散力が弱く、ざらついた食感を呈した。発酵セルロースの添加量をあげると沈殿量が増加しており、ざらつきの原因となることが示唆されるため、この方法での使用は、実施例1〜3法に比べて好ましくない。
【0075】
実施例5、比較例2:ミカン砂嚢入り酸乳飲料
交換水に砂糖及び大豆多糖類の混合物を添加後、80℃10分間加熱攪拌溶解後、室温(25℃)まで冷却して、砂糖・大豆多糖類含有溶液を調製した。
【0076】
交換水に発酵セルロースを添加し、室温(25℃)にて、10分間2500rpm攪拌溶解後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行い、0.3%活性発酵セルロース溶液を調製した。
【0077】
前記砂糖・大豆多糖類含有溶液、活性発酵セルロース溶液及び牛乳を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整した後、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、ミカン砂嚢を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、ミカン砂嚢入り酸乳飲料を調製した。得られた酸乳飲料は、砂嚢の分散性が高く、また、乳タンパク質の凝集も見られず、良好な酸乳飲料であった。
【0078】
比較例として、下記処方のうち発酵セルロースの代わりに、微結晶セルロース0.4部を添加して、ミカン砂嚢入り酸乳飲料を調製した。即ち、交換水に砂糖及び大豆多糖類の混合物を添加後、80℃10分間加熱攪拌溶解後、室温(25℃)まで冷却して、砂糖・大豆多糖類含有溶液を調製し、活性化微結晶セルロース2%溶液(比較例2にて調製したもの)及び水を添加後、50%クエン酸溶液を添加してpH3.8に調整した後、80℃まで加熱した後、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行った後、ミカン砂嚢を添加し、93℃まで加熱し、スクリュー瓶にホットパック充填し、ミカン砂嚢入り酸乳飲料を調製した(比較例2)。しかし、比較例のミカン砂嚢入り酸乳飲料は、ミカン砂嚢が均一に分散せず沈殿し、また、乳タンパク質の凝集も起こり、飲用してもざらざらとしており、また、ミカン砂嚢が沈殿しているため、飲料と砂嚢を一緒に飲用することが困難であった。
【0079】
処方 部
砂糖 9
牛乳 25
大豆多糖類(SM−920*) 0.3
発酵セルロース 0.03
ミカン砂嚢 5
香料(ミックスフルーツフレーバーNO.55187*)0.1
50%(w/v)クエン酸溶液 pH3.8に調整
交換水にて 100とする
【0080】
実施例6〜7:果肉入りドリンクヨーグルト
水に発酵セルロースを添加し、室温にて10分間(2500rpm)攪拌溶解後、均質化処理(第1段9800kPa=100f/cm2, 第2段4900kPa=50kgf/cm2)をし、0.3%発酵セルロース溶液を調製した。水に砂糖及びハイメトキシルペクチンの混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解後、冷却し、発酵乳を添加して、50%(w/v)乳酸溶液を添加した後、前記0.3%発酵セルロース溶液を添加し、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)後、3mm角にカットした黄桃を添加して、スクリュー瓶に充填して、果肉入りドリンクヨーグルトを製造した(実施例6)。
【0081】
更に、下記処方の発酵セルロースに代えて、微小繊維状セルロース0.05部添加して果肉入りドリンクヨーグルトを調製した。即ち、水に微小繊維状セルロースを添加し、室温にて10分間(2500rpm)攪拌溶解後、均質化処理(第1段9800kPa=100f/cm2, 第2段4900kPa=50kgf/cm2)をし、0.4%微小繊維状セルロース溶液を調製し、上記製法のうち、0.3%発酵セルロース溶液を添加する代わりに、0.4%微小繊維状セルロース溶液を最終添加量として、微小繊維状セルロース0.04%となるように添加する以外は、上記と同様の方法で果肉入りドリンクヨーグルトを調製した(実施例7)。
【0082】
得られたドリンクヨーグルトは5℃で1週間保存したが、実施例6及び7ともに、乳タンパク質の凝集・沈殿は抑制され、また、果肉の分散性も高く、飲用してもコク味があるがすっきりとしたのど越しの美味しいドリンクヨーグルトであったが、発酵セルロースと微小繊維状セルロースを使用する場合、発酵セルロースを使用した方が、添加量が少量でも分散効果が高いことが判った。
【0083】
処方 部
発酵乳(SNF20%) 40
砂糖 7
ハイメトキシルペクチン(SM−666*) 0.3
発酵セルロース 0.03
黄桃果肉 5
50%(w/v)乳酸溶液 pH4.2に調整
交換水にて 100とする
【0084】
実施例8〜9、比較例3〜5:酸乳飲料
水に砂糖及び表4に掲げる安定剤の混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解後、室温(25℃程度)に冷却し、予め60℃10分間攪拌溶解後室温(同)に冷却した10%脱脂粉乳溶液を添加して、全量補正後、50%(w/v)クエン酸溶液にてpH4.0に調製した。この溶液を80℃まで加熱し、均質化処理(第一段 9800kPa=100kgf/cm、第二段 4900kPa=50kgf/cm)を行い、93℃まで加熱しホットパック充填し酸乳飲料を調製した。得られた酸乳飲料について、5℃で24時間保存後の粘度を測定し、5℃及び60℃で2日間保存後の上隙、沈殿、凝集についての状態を目視観察した。結果を表4に示す。なお、表4中の符号については、表3と同様である。
【0085】
更に、上記製法により製造し均質化処理した後、イチゴピューレ5部を添加してから93℃まで加熱しホットパック充填して、ピューレ分散酸乳飲料を調製した。5℃2日保存後のピューレ分散状態及び飲用感を評価し、表4に示す。なお、表4中のピューレ分散状態の符号については、表3の果肉分散の評価と同様に示した。
【0086】
処方 部
砂糖 7
脱脂粉乳 3
安定剤 表4
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.4
(セロゲンF-SB;第一工業製薬(株)製)
50%(w/v)クエン酸溶液 pH4.0に調整
交換水にて 100とする
【0087】
【表4】


【0088】
表4より、安定剤に発酵セルロース単独及び微小繊維状セルロース単独で使用したものは(比較例4及び5)は、上隙、沈殿、凝集ともに多かったが、また、CMC−Naを単独で使用したものは、かなり上隙や沈殿に対して効果が見られるものの、凝集に関しては、当該セルロース及びCMC−Naとの併用系について効果が高かった。
【0089】
更に、ピューレを添加してみると、発酵セルロース及びCMC−Na(実施例8)、微小繊維状セルロース及びCMC−Naを併用(実施例9)したものは、ピューレ分散能に優れ、また、飲用してみてもコク味が付与され良好であった。
【出願人】 【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
【出願日】 平成16年3月1日(2004.3.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−245217(P2005−245217A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−56422(P2004−56422)