トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された微粉末海藻
【発明者】 【氏名】今井 久雄

【要約】 【課題】微粉砕工程に用いるジェットミルで噴射されるガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、3次元的に砕料同士を衝突させて衝突頻度を高めることができ、軽量な昆布、若布、海苔等の海藻の微粉砕を短時間で行うことができ、ランニングコストを大幅に低減することができ粉砕効率に優れる微粉末海藻の製造方法の提供。

【解決手段】微粉砕工程に用いるジェットミルが、中空状の旋回粉砕室と、旋回粉砕室に配設された微粉排出口と、旋回粉砕室の周壁に配設されたi個の供給ノズルと、旋回粉砕室の周壁側に噴射部が傾斜して配設されたj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、噴射部が、スリット状噴射口と、スリット状噴射口の中心軸線上に位置するように1以上形成された円形状噴射口と、スリット状噴射口及び円形状噴射口と連通するスリット状高圧ガス流路と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻を粗切断する粗切断工程と、前記粗切断工程で粗切断された前記海藻を微粉砕する微粉砕工程と、を備えた微粉末海藻の製造方法であって、
前記微粉砕工程において、中空状の旋回粉砕室と、前記旋回粉砕室の中心部の上部に配設され微粉体が排出される微粉排出口と、前記旋回粉砕室の周壁に配設され砕料を高圧ガスに同伴して導入するi個の供給ノズルと、前記旋回粉砕室の周壁に噴射面で開口しガスを噴射する噴射部が周壁側に傾斜して配設され旋回流を形成するj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、前記粉砕ノズルの前記噴射部が、スリット状に形成されたスリット状噴射口と、前記スリット状噴射口の中心軸を通る中心軸線上に中心が位置するように1乃至複数形成された円形状噴射口と、前記スリット状噴射口及び前記円形状噴射口と連通するスリット状高圧ガス流路と、を備えているジェットミルを用いることを特徴とする微粉末海藻の製造方法。
【請求項2】
前記微粉砕工程で用いる前記ジェットミルが、前記粉砕ノズルの前記円形状噴射口に代えて、前記スリット状噴射口の少なくとも長辺の複数箇所に所定間隔をあけて形成された溝部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の微粉末海藻の製造方法。
【請求項3】
海藻を粗切断する粗切断工程と、前記粗切断工程で粗切断された前記海藻を微粉砕する微粉砕工程と、を備えた微粉末海藻の製造方法であって、
前記微粉砕工程において、中空状の旋回粉砕室と、前記旋回粉砕室の中心部の上部に配設され微粉体が排出される微粉排出口と、前記旋回粉砕室の周壁に配設され砕料を高圧ガスに同伴して導入するi個の供給ノズルと、前記旋回粉砕室の周壁に噴射面で開口しガスを噴射する噴射部が周壁側に傾斜して配設され旋回流を形成するj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、前記粉砕ノズルの前記噴射部が、スリット状に形成されたスリット状噴射口と、前記スリット状噴射口と連通するスリット状高圧ガス流路と、を備え、前記スリット状高圧ガス流路が、前記スリット状噴射口の中心軸と所定のねじれ角αを有しているジェットミルを用いることを特徴とする微粉末海藻の製造方法。
【請求項4】
海藻を粗切断する粗切断工程と、前記粗切断工程で粗切断された前記海藻を微粉砕する微粉砕工程と、を備えた微粉末海藻の製造方法であって、
前記微粉砕工程において、中空状の旋回粉砕室と、前記旋回粉砕室の中心部の上部に配設され微粉体が排出される微粉排出口と、前記旋回粉砕室の周壁に配設され砕料を高圧ガスに同伴して導入するi個の供給ノズルと、前記旋回粉砕室の周壁に噴射面で開口しガスを噴射する噴射部が周壁側に傾斜して配設され旋回流を形成するj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、前記粉砕ノズルの前記噴射部が、螺旋溝噴射口を備え、前記螺旋溝噴射口の螺旋溝が、横断面が略円形状に形成されたガス流路の内壁面に等間隔に形成されているジェットミルを用いることを特徴とする微粉末海藻の製造方法。
【請求項5】
前記微粉砕工程で用いるジェットミルの1の前記供給ノズル又は前記粉砕ノズルと旋回流の回転方向に隣り合って配設された他の前記供給ノズル又は前記粉砕ノズルが、1の前記供給ノズル又は前記粉砕ノズルの中心軸を中心にして360°/(i+j)ずつ旋回流の回転方向に順に角度を変えて配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法。
【請求項6】
前記微粉砕工程が、前記ジェットミルの供給ノズル及び粉砕ノズルから略同一の流量の高圧ガスを噴射して旋回粉砕室内に旋回流を形成する旋回流形成工程と、前記旋回流形成工程の後、前記供給ノズルから噴射される高圧ガスの流量を前記粉砕ノズルから噴射される高圧ガスの流量よりも小さくする流量調整工程と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法。
【請求項7】
前記微粉砕工程において、水分含有量0%〜30%に乾燥された前記海藻の微粉砕を行うことを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法。
【請求項8】
前記微粉砕工程で用いる前記高圧ガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法。
【請求項9】
前記微粉砕工程における前記高圧ガスの噴射圧力が0.4MPa〜2MPaであることを特徴とする請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法により製造されたことを特徴とする微粉末海藻。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された微粉末海藻に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海藻の主成分である多糖類は食物として摂取してもほとんど未消化のまま排泄される。また、セルロースはほかの多糖類とともに腸壁を刺激し整腸効果を示す。このため、海藻は低カロリーの新しい食餌療法素材として注目されている。また、褐藻類は無機成分特にカリウム含有量が高いことから、肥料や飼料としても用いられる。
特に、海藻からできた海苔には、蛋白質、ミネラル、ビタミン等の栄養分に富む食品であり、血圧値を正常に保つ効果、コレステロールを減らし動脈硬化を防ぐ効果、癌の発生率を低下させる効果、悪性貧血や老人性痴呆症を予防する効果等を有するといった知見が得られている。また、栄養価が高く、カロリーが低く、良質の蛋白質が含まれているので、ダイエット食品としても好適である。
しかしながら、乾海苔、焼海苔、味付海苔、佃煮等の形態で供給されている海苔や昆布、若布等の海藻は、比較的硬い細胞壁のために体内での消化が十分でなく、海藻に豊富に含まれる蛋白質、ミネラル、ビタミン等の一部は利用されないまま体外に排出されてしまい、従って、海藻のもつ栄養分の有用性が効率よく発揮できないという問題点を有していた。
この問題点を解決するために(特許文献1)には「海苔を1μm〜100μmの大きさまで粉砕した超微粉末海苔」が開示されている。
【特許文献1】特開平11−318398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)では、海苔を粉砕するために、粉砕媒体としてアルミナボールを使用し、アルミナ製のポットを振動させて粉砕を行なうボール媒体ミルを使用するので、衝撃や摩擦による熱が発生し、海苔のもつ栄養分が熱によって変質し、有効に摂取できないという課題を有していた。
(2)(特許文献1)では、粉砕媒体であるアルミナボールに粉砕後の海苔が付着してしまい、アルミナボールを取除く作業が煩雑で効率性に欠け、また、海苔の粉末同士が集合しないように粉末を帯電させる必要があり、構成が複雑で生産性に欠けるという課題を有していた。
(3)(特許文献1)では、平均粒度を10μm以下にするためには処理時間が8時間以上も必要で生産性に欠けるという課題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、海藻の微粉砕に用いるジェットミルにおいて噴射されるガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、3次元的に砕料同士を衝突させて衝突頻度を高めることができ、これまでは微粉砕が困難であった軽量な昆布、若布、海苔等の海藻の微粉砕を短時間で行うことができ、ランニングコストを大幅に低減することができて粉砕効率に優れる微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された栄養分を有効に摂取可能な微粉末海藻を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来の課題を解決するために本発明の微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された微粉末海藻は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の微粉末海藻の製造方法は、海藻を粗切断する粗切断工程と、前記粗切断工程で粗切断された前記海藻を微粉砕する微粉砕工程と、を備えた微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程において、中空状の旋回粉砕室と、前記旋回粉砕室の中心部の上部に配設され微粉体が排出される微粉排出口と、前記旋回粉砕室の周壁に配設され砕料を高圧ガスに同伴して導入するi個の供給ノズルと、前記旋回粉砕室の周壁に噴射面で開口しガスを噴射する噴射部が周壁側に傾斜して配設され旋回流を形成するj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、前記粉砕ノズルの前記噴射部が、スリット状に形成されたスリット状噴射口と、前記スリット状噴射口の中心軸を通る中心軸線上に中心が位置するように1乃至複数形成された円形状噴射口と、前記スリット状噴射口及び前記円形状噴射口と連通するスリット状高圧ガス流路と、を備えているジェットミルを用いる構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの噴射部が円形状噴射口を備えているので、円形状噴射口から噴射されるガス流の流量がスリット状噴射口から噴射されるガス流の流量より大きくエネルギーが大きいため、スリット状噴射口から噴射される扁平なガス流が円形状噴射口から噴射されるガス流に引きずられ、噴射部からの距離が離れても扁平なガス流が渦を巻き難くガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、これまでは微粉砕が困難であった軽量な海藻の微粉砕を短時間で行うことができる。
【0006】
ここで、海藻をジェットミルで微粉砕する微粉砕工程の前工程である粗切断工程においては、海藻を1mm〜10mmの大きさに粗切断する。微粉砕工程においては、粗切断された海藻を1μm〜20μmの大きさに微粉砕する。海藻が1μm〜20μmの大きさに微粉砕されることにより、海藻の細胞壁が完全に破壊され、内部の細胞質や核質が外部に露出して、海藻の栄養分が迅速かつ容易に吸収される。
粉砕ノズルの材質としては、鉄系,アルミニウム系,銅系,チタン系等の金属製や合金製、ジルコニア等のセラミックス製、金属製とセラミックスとを複合させたもの等が用いられ、特に、硬質合金製、セラミック製が耐磨耗性に優れるため好適に用いられる。
【0007】
スリット状噴射口としては、略矩形状,略長円状,略瓢箪状等に形成されたものや、それらを組み合わせて十字状や放射状等に形成したものが用いられる。
また、スリット状噴射口の短辺の長さWと長辺の長さLとの比(W:L、アスペクト比という)としては、1:2〜1:30、好ましくは1:5〜1:22に形成したものが好適に用いられる。アスペクト比が1:5より小さくなるにつれ巻き込み渦が増加し噴射部から噴射されるガスの速度分布が広がりエネルギーが拡散する傾向がみられ、1:22より大きくなるにつれエネルギー効率が低下する傾向がみられるため好ましくない。特に、1:2より小さくなるか1:30より大きくなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
【0008】
円形状噴射口としては、円形状,楕円形状等に形成されたものが用いられる。
円形状噴射口の内径としては、スリット状噴射口の短辺の長さWの1.1〜3倍が好適に用いられる。内径がスリット状噴射口の短辺の長さWの1.1倍より小さくなるにつれ円形状噴射口を形成した効果が得られ難く噴射部から近距離で扁平なガス流が渦を巻き易くガス流の速度が低下し易くなる傾向がみられ、3倍より大きくなるにつれ円形状噴射口から噴射されるガス流に巻き込み渦が増えガス流の速度が低下しエネルギー損失が増加する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。なお、楕円形状に形成された円形状噴射口の内径とは、長径をいうものとする。
なお、スリット状高圧ガス流路により、高圧ガス流が整流され慣性力により流束が乱れ難く高エネルギーを維持できる。
【0009】
粉砕ノズルは、旋回粉砕室の周壁に噴射部を周壁側に傾斜して配設し、周壁に配設された1の粉砕ノズルの噴射面の中心軸を他の粉砕ノズルの噴射面の中心軸に向けて配設すると、旋回流の偏心を防止することができ、粉砕された海藻の粒子間衝突による粉砕依存度を向上させて粉砕効率を高めることができ好ましい。
また、粉砕ノズルの外形が噴射面の中心軸に対称に形成されている場合は、粉砕ノズルを旋回粉砕室に装着する際に、噴射面の中心軸を中心とした任意の位置で粉砕ノズルを固定して装着することができる。これにより、砕料の比重や粉砕の困難性等に応じて旋回粉砕室内に形成される旋回流の形状を変えることができるので、形成される旋回流の選択の幅が広がり、砕料に適した旋回流の形成をより容易にすることができる。
なお、旋回粉砕室や供給ノズルの材質としては、粉砕ノズルの材質と同様のものが用いられる。
【0010】
旋回粉砕室に配設された供給ノズルの数量i個と粉砕ノズルの数量j個としては、1≦i≦5、5≦j≦15好ましくは1≦i≦4、5≦j≦13が好適である。粉砕ノズルの数量jが5個より少なくなるにつれ旋回粉砕室内に同心円の旋回流を形成することが困難になる傾向がみられるため好ましくなく、13個より多くなるにつれ旋回流の形状と速度の制御性が低下する傾向がみられ、特に、15個より多くなるとこの傾向が著しくなるとともに構造が複雑になるので好ましくない。供給ノズルの数量iが4個より多くなると構造が複雑になる傾向がみられ、特に、5個より多くなるとこの傾向が著しくなるため好ましくない。
なお、供給ノズルと粉砕ノズルは、旋回粉砕室の周壁に等間隔に配設される。供給ノズルが2個配設される場合は旋回粉砕室の周壁の対向する位置に配設され、それ以上の複数配設される場合は、旋回粉砕室の周壁に等間隔に配設される。
【0011】
粉砕ノズルの噴射面に開口する噴射部の開口面積としては、供給ノズルの押込ノズルの開口部の開口面積の1〜2.5倍が好適とされる。これにより、粉砕ノズルと供給ノズルに同一圧力でガス流を供給した場合に、粉砕ノズルから噴射されるガス流の流量を供給ノズルから噴射されるガス流の流量と略同一若しくはそれより多くすることができるので、粉砕ノズルから噴射されるガス流の運動量を高め高エネルギーの砕料同士の衝突による微粉体化を行うことができる。なお、粉砕ノズルの噴射部の開口面積が供給ノズルの押込ノズルの開口部の開口面積の1倍より小さくなるにつれ粉砕ノズルから噴射されるガス流の流量が少なく旋回流を形成するガス流のエネルギーが低下し粉砕効率が低下する傾向がみられ、2.5倍より大きくなるにつれ粉砕ノズルと供給ノズルのガス流の流量差が大きく旋回流が偏心する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0012】
供給ノズルとしては、スロート部とベンチュリーノズル導入部との間に形成された負圧発生部を備えたベンチュリーノズルと、ベンチュリーノズルと同軸に配設された押込ノズルと、を備え、押込ノズル及び負圧発生部の内壁面に内壁螺旋溝部が形成されているものの他、負圧発生部に内壁螺旋溝部が形成されていない従来の供給ノズル等を用いることもできる。
なお、押込ノズル及び負圧発生部の内壁面に内壁螺旋溝部が形成されている供給ノズルを配設することで、ベンチュリーノズルから噴射されるガス流自身が旋回流を形成することができ砕料を自身の旋回流に同伴させることができるので、砕料同士の衝突頻度を高め粉砕効率をより高めることができるため好ましい。
【0013】
旋回粉砕室の形状としては、粉砕ノズルの噴射部の形状に応じて、中空の略円盤型、略球状、略円錐型、略半球状等種々の形状にすることができる。
なお、旋回粉砕室の下面中央に略円錐状に形成されたセンターポールと、旋回粉砕室の中心部の上部に配設されたアウトレットと、を備え、センターポールの頂点とアウトレットの下端面が旋回粉砕室の高さ方向の中心面上になるように配設すると、旋回粉砕室内を粉砕ゾーンと分級ゾーンとに明確に分けることができ、所定粒度の微粉を旋回粉砕室のアウトレットから微粉排出口へ排出することができ粒度分布をシャープにするとともに、粗粒子を粉砕ノズルや供給ノズルが形成する旋回流により生じる遠心力によって外周へ飛ばし、砕料同士の衝突依存度を向上させることができる。アウトレットやセンターポールの材質としては、粉砕ノズルや供給ノズルと同様のものが用いられる。
【0014】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程で用いる前記ジェットミルが、前記粉砕ノズルの前記円形状噴射口に代えて、前記スリット状噴射口の少なくとも長辺の複数箇所に所定間隔をあけて形成された溝部を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルのスリット状噴射口の少なくとも長辺の複数箇所に所定間隔をあけて形成された溝部を備えているので、スリット状噴射口から噴射されるガス流に乱れが生じ難くガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、これまでは微粉砕が困難であった海藻の微粉砕を短時間で行うことができる。
【0015】
ここで、溝部としては、少なくとも長辺の複数箇所に形成されたものが用いられる。スリット状噴射口から噴射される扁平なガス流は長辺側で乱れ易いので、それを防止することができるからである。なお、必要に応じて短辺の複数箇所にも形成することもできる。また、溝部としては、スリット状高圧ガス流路の全長に渡って形成されたものが好適に用いられる。整流効果を高めることができるからである。
溝部の幅W1としては、50〜100μmに形成されたものが好適に用いられる。幅が50μmより狭くなるにつれ噴射されるガス流に乱れが生じるのを防ぐ効果が得られ難くなる傾向がみられ、幅が100μmより広くなるにつれ逆にガス流に乱れが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
溝部の深さd1(スリット状噴射口から溝部の底部までの距離)としては、50〜100μmに形成されたものが好適に用いられる。深さが50μmより浅くなるにつれ噴射されるガス流に乱れが生じるのを防ぐ効果が得られ難くなる傾向がみられ、深さが100μmより深くなるにつれ逆にガス流に乱れが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
溝部の間隔W2としては、溝部の幅W1以上、かつ溝部の幅W1の5倍以下に形成されたものが好適に用いられる。溝部の間隔が溝部の幅W1より狭くなるにつれ噴射されるガス流に乱れが生じるのを防ぐ効果が得られ難くなる傾向がみられ、間隔が幅W1の5倍より広くなるにつれ逆にガス流に乱れが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0016】
溝部としては、互いに平行して形成されていると好ましい。整流され高エネルギーを維持できるからである。
なお、スリット状噴射口には、請求項1で説明した円形状噴射口を形成することもできる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、海藻を粗切断する粗切断工程と、前記粗切断工程で粗切断された前記海藻を微粉砕する微粉砕工程と、を備えた微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程において、中空状の旋回粉砕室と、前記旋回粉砕室の中心部の上部に配設され微粉体が排出される微粉排出口と、前記旋回粉砕室の周壁に配設され砕料を高圧ガスに同伴して導入するi個の供給ノズルと、前記旋回粉砕室の周壁に噴射面で開口しガスを噴射する噴射部が周壁側に傾斜して配設され旋回流を形成するj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、前記粉砕ノズルの前記噴射部が、スリット状に形成されたスリット状噴射口と、前記スリット状噴射口と連通するスリット状高圧ガス流路と、を備え、前記スリット状高圧ガス流路が、前記スリット状噴射口の中心軸と所定のねじれ角αを有しているジェットミルを用いる構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルのスリット状噴射口に連設されたスリット状高圧ガス流路が、スリット状噴射口の中心軸と所定のねじれ角を備えているので、噴射部から噴射されたガス流自身が旋回流を形成することができ、効率よく海藻の微粉砕を行うことができる。
【0018】
ここで、ねじれ角αとは、スリット状高圧ガス流路のエッジと、この上の一点を通るスリット状噴射口の中心軸に平行な直線とがなす角をいう。ねじれ角αとしては、5〜22.5°に形成されたものが好適に用いられる。ねじれ角が5°より小さくなるにつれ噴射部から噴射されたガス流自身が旋回流を形成できなくなる傾向がみられ、22.5°より大きくなるにつれ噴射部から噴射されるガス流の速度が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0019】
なお、スリット状噴射口としては、請求項1で説明した略矩形状,略長円状,略瓢箪状等に形成されたものや、それらを組み合わせて十字状や放射状等に形成したものを用いることができる。なかでも、スリット状噴射口の長辺の両端部が丸みを帯びた略長円状,略瓢箪状等に形成されたものや、それらを組み合わせて十字状や放射状等に形成したものが好適に用いられる。スリット状噴射口の長辺の両端部において、巻き込み渦の発生を防止しガス流の速度が低下するのを防止するためである。略長円状,略瓢箪状等に形成されたスリット状噴射口の長辺の端部の曲率半径Rとしては、スリット状噴射口の中心軸における短辺の長さをWとすると、W/2〜5Wが好適に用いられる。曲率半径RがW/2より小さくなるにつれ噴射部の形状が略円形状に近づき巻き込み渦が増え噴射されるガス流の速度が低下し易くなる傾向がみられ、5Wより大きくなるにつれ端部の形状が略円形状に近づきガス流の速度が低下するとともに旋回流が形成されにくくなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0020】
なお、スリット状噴射口には、請求項1で説明した円形状噴射口を形成することもできる。また、請求項2で説明した溝部を形成することもできる。
【0021】
本発明の請求項4に記載の発明は海藻を粗切断する粗切断工程と、前記粗切断工程で粗切断された前記海藻を微粉砕する微粉砕工程と、を備えた微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程において、中空状の旋回粉砕室と、前記旋回粉砕室の中心部の上部に配設され微粉体が排出される微粉排出口と、前記旋回粉砕室の周壁に配設され砕料を高圧ガスに同伴して導入するi個の供給ノズルと、前記旋回粉砕室の周壁に噴射面で開口しガスを噴射する噴射部が周壁側に傾斜して配設され旋回流を形成するj個の粉砕ノズル(但し、i<j。i、jは自然数。)と、を備え、前記粉砕ノズルの前記噴射部が、螺旋溝噴射口を備え、前記螺旋溝噴射口の螺旋溝が、横断面が略円形状に形成されたガス流路の内壁面に等間隔に形成されているジェットミルを用いる構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの噴射部が螺旋溝を備えているので、ガス流路から噴射されるガス流自身が旋回流を形成することができ高エネルギー性に優れ、3次元的に海藻同士を衝突させて衝突頻度を高めることができ、これまでは微粉砕が困難であった軽量な海藻の微粉砕を短時間で行うことができる。
【0022】
ここで、ガス流路としては、横断面が円形状,楕円形状等の略円形状に形成されたものが用いられる。
螺旋溝としては、ガス流路の内壁面に3〜20条好ましくは3〜17条形成される。螺旋溝が3条より少なくなるにつれ旋回流が形成され難くなる傾向がみられるため好ましくない。旋回溝部が17条より多くなると噴射されるガス流が乱流に近づく傾向がみられ、特に、20条を超えると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
【0023】
螺旋溝の横断面の形状としては、略矩形状,略台形状,略半円状,略半長円状,丸みを帯びた略三角状等に形成されたものが用いられる。なかでも、略半円状,略半長円状,丸みを帯びた略三角状等の底部が丸みを帯びた形状に形成されたものが好適に用いられる。巻き込み渦の発生を防止しガス流の速度が低下するのを防止するためである。
なお、螺旋溝の深さd2(ガス流路から螺旋溝の底部までの距離)としては、ガス流路の内径をrとすると、r/5〜r/2が好適である。螺旋溝の深さd2がr/5より浅くなるにつれ旋回流が形成され難くなる傾向がみられ、r/2より深くなるにつれ巻き込み渦が生じ易くガス流の速度が低下し易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
螺旋溝の幅w3としては、螺旋溝の条数をnとすると、ガス流路の内径rを用いて、πr/(3n)〜πr/nが好適である。螺旋溝の幅w3がπr/(3n)より狭くなるにつれ旋回流が形成され難くなる傾向がみられ、πr/nより広くなるにつれ巻き込み渦が生じ易くガス流の速度が低下し易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0024】
螺旋溝とガス流路の中心軸とのねじれ角γとは、螺旋溝のエッジと、この上の一点を通るガス流路の中心軸に平行な直線とがなす角をいう。ねじれ角γとしては、5〜22.5°が好適に用いられる。ねじれ角γが5°より小さくなるにつれ旋回流が形成され難くなる傾向がみられ、22.5°より大きくなるにつれ噴射されるガス流の速度が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0025】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程で用いる前記ジェットミルの1の前記供給ノズル又は前記粉砕ノズルと旋回流の回転方向に隣り合って配設された他の前記供給ノズル又は前記粉砕ノズルが、1の前記供給ノズル又は前記粉砕ノズルの中心軸を中心にして360°/(i+j)ずつ旋回流の回転方向に順に角度を変えて配設されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの各々のノズルから噴射したガス流が複合化され水平方向の旋回流の旋回方向に対し垂直方向の旋回渦も形成されるため、旋回粉砕室の周壁近傍を旋回する旋回流の速度を抑えることができ、旋回粉砕室の周壁や各ノズルの噴射面等の磨耗を少なくすることができて、コンタミネーションが少なく安定した連続運転を実現することができるので、短時間で効率よく海藻を微粉砕することができる。
(2)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの各々のノズルから噴射されるガス流が複合化され水平方向の旋回流と垂直方向の旋回渦を形成するので、微粉砕される海藻の粒子間衝突の依存度を高めることができ効率良く粉砕することができる。
【0026】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程が、前記ジェットミルの供給ノズル及び粉砕ノズルから略同一の流量の高圧ガスを噴射して旋回粉砕室内に旋回流を形成する旋回流形成工程と、前記旋回流形成工程の後、前記供給ノズルから噴射される高圧ガスの流量を前記粉砕ノズルから噴射される高圧ガスの流量よりも小さくする流量調整工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)微粉砕工程が、旋回流形成工程において旋回流を形成した後、供給ノズルから噴射される高圧ガスの流量を粉砕ノズルから噴射される高圧ガスの流量よりも小さくする流量調整工程を備えているので、供給ノズルから噴射されるガス流量を低減させることができ、ランニングコストを低減させることができる。
(2)微粉砕工程が、流量調整工程を有し供給ノズルから供給されるガス流の流量が小さいので海藻の吹き返しが生じ難く、海藻の周壁への圧着が生じ難く安定した連続運転を行うことができる。
【0027】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程において、水分含有量0%〜30%に乾燥された前記海藻の微粉砕を行う構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)微粉砕工程において微粉砕される海藻が水分含有量0%〜30%に乾燥されていることにより、粉砕後の微粉末海藻が再凝集するのを防止でき、凝集により固化した塊状物を再度、乾燥して粉砕する手間を省くことができる。
(2)微粉砕工程において微粉砕される海藻が水分含有量0%〜30%に乾燥されていることにより、粉砕後の微粉末海藻に水分による腐敗が発生し難く、長期保存することが可能な微粉末海藻をえることができる。
ここで、海藻の乾燥は粗切断工程前又は粗切断工程後に行う。
海藻の水分含有量が30%より高くなるにつれ、粉砕後の微粉末海藻が再凝集、固化し易く、微粉末海藻の使用時に取扱い性に欠け、また、腐敗が発生し易くなって長期保存性に欠けるという傾向がみられるため好ましくない。水分含有量0%の絶乾状態に近づくにつれ、微粉末海藻の再凝集、固化及び腐敗が発生し難くなる傾向があり、取扱い性、長期保存性を向上させることができ、特に水分含有量0%の絶乾状態が最も好ましい。
【0028】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程で用いる前記高圧ガスが不活性ガスである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至7の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)微粉砕工程で用いる高圧ガスが不活性ガスであることにより、酸化反応を抑えた粉砕を行うことができるので、変退色の防止、香気の保存ができ、味覚、栄養価などの食品として不可欠な要素を失うことなく、新鮮さを保持することができる微粉末海藻をえることができる。
(2)微粉砕工程で用いる高圧ガスが不活性ガスであることにより、分散浮遊した微粉末海藻が空気(酸素)と接触することで発生する粉塵爆発の発生を防止することができる。
ここで、不活性ガスとしては、窒素やアルゴンなどが好適に用いられる。
【0029】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法であって、前記微粉砕工程における前記高圧ガスの噴射圧力が0.4MPa〜2MPaである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至8の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)微粉砕工程における高圧ガスの噴射圧力が0.4MPa〜2MPaであることにより、数ミクロンオーダーの粒径に粉砕された微粉末海藻をえることができ、また粒径のばらつきを低減することができる。
ここで、高圧ガスの噴射圧力が0.4MPaより低くなるにつれ、海藻を十分に微粉砕することができず、粉砕後の粒径が粗くなると共にばらつきが増加し、海藻に含まれる栄養分の消化、吸収効率が低下し易くなる傾向がみられ、2MPaより高くなるにつれ、粉砕後の粒径が必要以上に細かくなり過ぎて取扱いが困難になる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
【0030】
本発明の請求項10に記載の微粉末海藻は、請求項1乃至9の内いずれか1項に記載の微粉末海藻の製造方法により製造された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)微粉砕工程にジェットミルを用いた微粉末海藻の製造方法により製造された微粉末海藻は、粉砕時に発熱がないので海苔のもつ栄養分が熱によって変質することがなく、海苔のもつ栄養分を有効に摂取することができる。
(2)微粉末海藻は、微粉末に粉砕されることにより、海藻の細胞壁が破壊されるので、体内での消化がよく海藻に豊富に含まれる蛋白質、ミネラル、ビタミン等の栄養分を効率よく摂取することができる。
(3)微粉末海藻は容易にうどんやそば等の麺類へ練り込んだり、飴、クッキー、煎餅等の焼き菓子や練り菓子等の食品へ添加することができるほか、顆粒状或いはタブレット状に加工することができ、登山食、非常食、宇宙食、ダイエット用サプリメント、或いは養殖魚の餌等の飼料や肥料等として使用することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された微粉末海藻によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの噴射部が円形状噴射口を備えているので、円形状噴射口から噴射されるガス流の流量がスリット状噴射口から噴射される流量よりも大きくエネルギーが大きいため、スリット状噴射口から噴射される扁平なガス流が円形状噴射口から噴射されるガス流に引きずられ、噴射部からの距離が離れても扁平なガス流が渦を巻き難くガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、これまでは微粉砕が困難であった軽量な海藻の微粉砕を短時間で行うことができる粉砕効率、生産性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルのスリット状噴射口の少なくとも長辺の複数箇所に所定間隔をあけて形成された溝部を備えているので、スリット状噴射口から噴射されるガス流に乱れが生じ難くガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、これまでは微粉砕が困難であった海藻の微粉砕を短時間で行うことができる粉砕効率、生産性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルのスリット状噴射口に連設されたスリット状高圧ガス流路が、スリット状噴射口の中心軸と所定のねじれ角を備えているので、噴射部から噴射されたガス流自身が旋回流を形成することができ、効率よく海藻の微粉砕を行うことができる生産性、低コスト性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0034】
請求項4に記載の発明によれば、
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの噴射部が螺旋溝を備えているので、ガス流路から噴射されるガス流自身が旋回流を形成することができ、高エネルギー性に優れ、3次元的に砕料同士を衝突させて衝突頻度を高めることができ、これまでは微粉砕が困難であった軽量な海藻の微粉砕を短時間で行うことができて、ランニングコストを大幅に低減することができる生産性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0035】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1項の効果に加え、
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの各々のノズルから噴射されるガス流が複合化され水平方向の旋回流と垂直方向の旋回渦を形成するので、旋回粉砕室の周壁近傍を旋回する旋回流の速度を抑えることができ、旋回粉砕室の周壁や各ノズルの噴射面等の磨耗を少なくすることができ、コンタミネーションが少なく安定した連続運転を実現することができる安定性、信頼性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
(2)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミルの各々のノズルから噴射されるガス流が複合化され水平方向の旋回流と垂直方向の旋回渦を形成するので、微粉砕される海藻の粒子間衝突の依存度を高めることができ、効率良く粉砕することができる粉砕効率の高い生産性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0036】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果に加え、
(1)微粉砕工程が、旋回流形成工程において旋回流を形成した後、供給ノズルから噴射される高圧ガスの流量を粉砕ノズルから噴射される高圧ガスの流量よりも小さくする流量調整工程を備えているので、供給ノズルから噴射されるガス流量を低減させることができ、ランニングコストを低減させることができる低コスト性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
(2)微粉砕工程が、流量調整工程を有し供給ノズルから供給されるガス流の流量が小さいので海藻の吹き返しが生じ難く、海藻の周壁への圧着が生じ難く安定した連続運転を行うことができる信頼性、安定性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0037】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果に加え、
(1)微粉砕工程において微粉砕される海藻が水分含有量0%〜30%に乾燥されていることにより、粉砕後の微粉末海藻が再凝集するのを防止でき、凝集により固化した塊状物を再度、乾燥して粉砕する手間を省くことができる生産性、作業効率性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
(2)微粉砕工程において微粉砕される海藻が水分含有量0%〜30%に乾燥されていることにより、粉砕後の微粉末海藻に水分による腐敗が発生し難く、長期保存することができる信頼性、安全性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0038】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7の内いずれか1項の効果に加え、
(1)微粉砕工程で用いる高圧ガスが不活性ガスであることにより、酸化反応を抑えた粉砕を行うことができるので、変退色の防止、香気の保存ができ、味覚、栄養価などの食品として不可欠な要素を失うことなく、新鮮さを保持することができる高品質で信頼性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
(2)微粉砕工程で用いる高圧ガスが不活性ガスであることにより、分散浮遊した微粉末海藻が空気(酸素)と接触することで発生する粉塵爆発の発生を防止することができる信頼性、安全性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0039】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8の内いずれか1項の効果に加え、
(1)微粉砕工程における高圧ガスの噴射圧力が0.4MPa〜2MPaであることにより、数ミクロンオーダーの粒径に粉砕された微粉末海藻をえることができ、また粒径のばらつきを低減することができる生産性、効率性に優れた微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【0040】
請求項10に記載の発明によれば、
(1)粉砕時に発熱がないので海苔のもつ栄養分が熱によって変質することがなく、海苔のもつ栄養分を有効に摂取することができる機能性に優れた微粉末海藻を提供することができる。
(2)微粉末に粉砕されることにより、海藻の細胞壁が破壊されるので、体内での消化がよく海藻に豊富に含まれる蛋白質、ミネラル、ビタミン等の栄養分を効率よく摂取することができる栄養価に優れた微粉末海藻を提供することができる。
(3)容易にうどんやそば等の麺類へ練り込んだり、飴、クッキー、煎餅等の焼き菓子や練り菓子等の食品へ添加することができるほか、顆粒状或いはタブレット状に加工することができ、登山食、非常食、宇宙食、ダイエット用サプリメント、或いは養殖魚の餌等の飼料や肥料等として使用することができる加工性、機能性に優れた微粉末海藻を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された微粉末海藻について説明する。
まず、粗切断工程において、海藻を1mm〜20mmの大きさに粗切断する。粗切断はカッターミル、ハンマーミル、ピンミル等の従来の各種ミルや高速ミキサー等の破砕機により行なう。
次に、必要に応じて粗切断された海藻を水分含有量が0%〜30%になるまで乾燥する。尚、乾燥は粗切断工程の前に行なってもよく、粗切断工程後に所定の水分含有量になっていれば乾燥を行なう必要はない。
【0042】
次に、微粉砕工程においてジェットミルを用い、粗切断された海藻を1μm〜20μmの大きさに微粉砕する。
以下に、微粉砕工程に用いるジェットミルについて説明する。
図1は実施の形態1における微粉末海藻の製造方法の微粉砕工程で用いるジェットミルの要部断面図であり、図2は図1のA−A線における要部断面端面図であり、図3(a)は粉砕ノズルの斜視図であり、図3(b)は粉砕ノズルの噴射面の正面図である。
図1において、1は微粉砕工程に用いるジェットミル、2は中空円盤状に形成された旋回粉砕室、3は旋回粉砕室2に7個配設された粉砕ノズル、4は旋回粉砕室2に1個配設され砕料を旋回粉砕室2に導入する供給ノズル、4aは供給ノズル4のベンチュリーノズル、4bはベンチュリーノズル4aの上流側に形成された固気混合室、4cはベンチュリーノズル4aの上流側に固気混合室4bを介してベンチュリーノズル4aと同軸に配設された押込ノズル、4dは固気混合室4bに連設された砕料導入口である。粉砕ノズル3は供給ノズル4を起点として、旋回粉砕室2の側壁に等間隔に配設されている。5は本体ケーシング、6は旋回粉砕室2のリングライナー、7,8は旋回粉砕室2の上下に配設されたトップライナー及びボトムライナー、9はボトムライナー8の中央に脱着自在に配設され上部が略円錐状に形成されたセンターポール、10はセンターポール9と同軸に形成されトップライナー7に脱着自在に配設されたアウトレット、11は旋回粉砕室2の中央上部に連設され旋回粉砕室2で粉砕された砕料が排出される微粉排出口、12は高圧ヘッダー、12aは高圧ヘッダー12から粉砕ノズル3に高圧ガスを供給する高圧ガスパイプ、12bは高圧ガスヘッダー12から供給ノズル4に高圧ガスを供給する高圧ガスパイプ、13は高圧ガスヘッダー12の圧力を調整する圧力調整バルブ、13aは高圧ガスパイプ12bを流れる高圧ガスの流量を調整する流量調整バルブである。
【0043】
図2、図3(a)、図3(b)において、3は粉砕ノズル、3aは粉砕ノズル3の噴射面、3bは粉砕ノズル3の基部側に略円筒状に形成され高圧ヘッダー12から供給される高圧ガスが通過する高圧ガス流路、3b´は高圧ガス流路3bに連設された略スリット状に形成されたスリット状高圧ガス流路、3cは噴射面3aで開口し高圧ガス流路3bとスリット状高圧ガス流路3b´を通過したガス流が噴射する噴射部、3dは短辺の長さWと長辺の長さLとの比(アスペクト比)がW:L=1:2〜1:30の略矩形状に形成された噴射部3cのスリット状噴射口、3eはスリット状噴射口3dの中心軸、3fはスリット状噴射口3dの中心軸3eを通り長辺方向に平行な中心軸線、3gは中心軸線3f上に中心が位置するように形成された円形状噴射口である。
粉砕ノズル3は、図2に示すように、1の粉砕ノズル3の中心軸3eが旋回流の回転方向(本実施の形態においては左回り)に1個おいて配置された粉砕ノズル3又は供給ノズル4の中心軸に向くように旋回粉砕室2に配設されている。
ここで、円形状噴射口3gの内径は、スリット状噴射口3dの短辺の長さWの1.1〜3倍に形成されている。
【0044】
以上のように構成されたジェットミルを用いた微粉砕工程の詳細について説明する。
流量調整バルブ13aを全開にし圧力調整バルブ13を開弁すると、高圧ガスパイプ12a,12bから粉砕ノズル3と供給ノズル4の押込ノズル4cに高圧ガスが同一圧力で供給される。高圧ガスとしては窒素やアルゴンなどの不活性ガスを使用し、噴射圧力は0.4MPa〜2MPaの範囲で選択される。砕料である海藻は砕料導入口4dから供給され、押込ノズル4cから噴射される高圧ジェット流により固気混合室4b内で空気と混合されベンチュリーノズル4aから旋回粉砕室2に供給される。粉砕ノズル3から噴射される高圧ガス流によって旋回粉砕室2には旋回流が生じ、旋回粉砕室2のリングライナー6側に粉砕ゾーンが形成され、旋回粉砕室2の中心側に分級ゾーンが形成される(以上、旋回流形成工程)。粉砕ゾーンでは、粉砕ノズル3が噴射する扁平で一様な速度分布を有する高圧ガス流が高速を保ったまま高い剪断性で旋回流に吹き込まれ、旋回流を周回する粗粒子をかき乱し砕料同士の衝突が頻繁に起こり、砕料の微粉砕が行われる。粉砕された微粉は分級ゾーンで分級され、旋回粉砕室2に配設されたアウトレット10から微粉排出口11を通じて排出される。分級ゾーンで分級されて排出されなかった粗粒子は、旋回により生ずる遠心力によって旋回流の外周を旋回し、粗粒子同士が衝突されて繰り返し破砕が行われる。
旋回流形成工程において旋回流が形成された後、流量調整バルブ13aの開度を小さくして供給ノズル4の押込ノズル4cから噴射される高圧ジェット流の流量を粉砕ノズル3から噴射される高圧ガスの流量の1/10〜1/4程度まで小さくする。旋回粉砕室2内では高圧ガス流が高速を保ったまま同心円の旋回流を形成し砕料が旋回流内で効率よく粉砕され、粉砕された粒子が微粉排出口11から排出されているので、粉砕ノズル3から噴射される高圧ガスの流量が小さくても砕料が旋回粉砕室2内へ吸い込まれていく(以上、流量調整工程)。
【0045】
次に、粉砕ノズルの変形例について、図面を参照しながら説明する。図4は粉砕ノズルのスリット状噴射口及び円形状噴射口の変形例を示す粉砕ノズルの正面図であり、図5は粉砕ノズルのスリット状噴射口の変形例を示す粉砕ノズルの正面図である。
図4(a)は円形状噴射口3gがスリット状噴射口3dの長辺の両端に2個に形成された例であり、図4(b)は円形状噴射口3gがスリット状噴射口3dの長辺の両端及び中心に3個形成された例であり、図4(c)は円形状噴射口3gがスリット状噴射口3dの長辺の両端を除く箇所に2個形成された例である。
以上のように、円形状噴射口3gは中心軸線3f上に中心が位置するように形成するのであれば複数箇所に形成することができ、円形状噴射口の内径の大きさ、数、形成する箇所、スリット状粉砕部のアスペクト比等を変えることにより、海藻の粉砕に適した高圧ガス流を噴射させることができる。
【0046】
図5は粉砕ノズル20のスリット状高圧ガス流路3b´の全長に渡ってスリット状噴射口3dと略直交してスリット状噴射口3dの長辺の両側に所定の間隔W2をあけて略平行に溝部21が形成された例である。
ここで、溝部21の幅W1は50〜100μmに形成され、深さd1は50〜100μmに形成され、間隔W2はW1〜W1の5倍に形成されている。これにより、噴射されるガス流に乱れが生じるのを防ぎガス流の速度が低下するのを防止することができる。
【0047】
以上のように本発明の実施の形態1における微粉末海藻の製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミル1の粉砕ノズル3の噴射部3cが円形状噴射口3gを備えているので、円形状噴射口3gから噴射されるガス流の流量がスリット状噴射口3dから噴射されるガス流の流量より大きくエネルギーが大きいため、スリット状噴射口3dから噴射される扁平なガス流が円形状噴射口3gから噴射されるガス流に引きずられ、噴射部3cからの距離が離れても扁平なガス流が渦を巻き難くガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流を旋回粉砕室2内に形成することができ軽量な海藻の微粉砕を短時間で行うことができる。
(2)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミル1の粉砕ノズル3の基部側に略円筒状に形成された高圧ガス流路3bが形成されているので、高圧ガス流路3bの横断面積が大きく高圧ヘッダー12から供給される高圧ガスを小さな圧損で噴射部3cから噴射することができエネルギー効率に優れ、海藻の微粉砕を短時間で行うことができる。
(3)微粉砕工程に用いるジェットミル1のスリット状噴射口3dのアスペクト比が1:2〜1:30に形成されているので、巻き込み渦が少なく速度分布が一様でエネルギー効率の高いガス流を噴射部3cから噴射することができ、効率よく微粉砕を行うことができる。
(4)微粉砕工程に用いるジェットミル1がスリット状高圧ガス流路3b´を備えているので、高圧ガス流が整流され慣性力により流束が乱れ難く高エネルギーを維持でき、安定した微粉砕を連続して行うことができる。
(5)噴射部3cが円形状噴射口3gを備えた粉砕ノズル3を微粉砕工程に用いるジェットミル1の旋回粉砕室2に配設することで、旋回粉砕室2内に形成された旋回流に偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流を形成することができるので、これまでは微粉砕が困難であった海藻の微粉砕を行うことができるとともに、短時間で粉砕でき単位時間当りの処理量を飛躍的に増大させることができる。また、旋回流の偏心や微粉体の旋回粉砕室2の周壁等への圧着が生じ難いため、旋回粉砕室2の周壁やノズル等が磨耗し難くコンタミネーションが少なく、さらに安定した連続運転を行うことができる。
(6)微粉砕工程に用いるジェットミル1の粉砕ノズル3から噴射されるガス流が乱れ難いので、ガス流の圧力を0.4MPa〜2MPaとすることにより、偏心することなく同心円の旋回流を旋回粉砕室2内に維持することができ、海藻同士の衝突による微粉体化を効率よく行なうことができる。
(7)旋回流形成工程において旋回流を形成した後、供給ノズルから噴射される高圧ガスの流量を粉砕ノズルから噴射される高圧ガスの流量よりも小さくする流量調整工程を備えているので、供給ノズルから噴射されるガス流量を低減させることができ、ランニングコストを低減させることができる
(8)微粉砕工程に用いるジェットミル1の供給ノズルから供給されるガス流の流量が小さいので砕料である海藻の吹き返しが生じ難く、海藻の周壁への圧着が生じ難く安定した連続運転を行うことができる。
(9)微粉砕工程に用いるジェットミル1のスリット状噴射口3dの少なくとも長辺の複数箇所に所定間隔をあけて略平行に形成された溝部21を備えた場合、スリット状噴射口3dから噴射されるガス流に乱れが生じ難くガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、海藻の微粉砕を短時間で行うことができる。
(10)海藻が水分含有量0%〜30%に乾燥されていることにより、粉砕後の微粉末海藻が再凝集するのを防止でき、凝集により固化した塊状物を再度、乾燥して粉砕する手間を省くことができる。
(11)海藻が水分含有量0%〜30%に乾燥されていることにより、粉砕後の微粉末海藻に水分による腐敗が発生し難く、長期保存することが可能な微粉末海藻をえることができる。
(12)高圧ガスが不活性ガスであることにより、酸化反応を抑えた粉砕を行うことができるので、変退色の防止、香気の保存ができ、味覚、栄養価などの食品として不可欠な要素を失うことなく、新鮮さを保持することができる微粉末海藻をえることができる。
(13)高圧ガスが不活性ガスであることにより、分散浮遊した微粉末海藻が空気(酸素)と接触することで発生する粉塵爆発の発生を防止することができる。
(14)高圧ガスの噴射圧力が0.4MPa〜2MPaであることにより、数ミクロンオーダーの粒径に粉砕された微粉末海藻をえることができ、また粒径のばらつきを低減することができる。
本発明の実施の形態1における微粉末海藻の製造方法を用いて製造された微粉末海藻によれば、以下のような作用が得られる。
(1)微粉砕工程にジェットミルを用いた微粉末海藻の製造方法により製造された微粉末海藻は、粉砕時に発熱がないので海苔のもつ栄養分が熱によって変質することがなく、海苔のもつ栄養分を有効に摂取することができる。
(2)微粉末海藻は、微粉末に粉砕されることにより、海藻の細胞壁が破壊されるので、体内での消化がよく海藻に豊富に含まれる蛋白質、ミネラル、ビタミン等の栄養分を効率よく摂取することができる。
(3)微粉末海藻は容易にうどんやそば等の麺類へ練り込んだり、飴、クッキー、煎餅等の焼き菓子や練り菓子等の食品へ添加することができるほか、顆粒状或いはタブレット状に加工することができ、登山食、非常食、宇宙食、ダイエット用サプリメント、或いは養殖魚の餌等の飼料や肥料等として使用することができる。
【0048】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2における微粉末海藻の製造方法の微粉砕工程で用いるジェットミルの要部断面端面図であり、図7は供給ノズルの拡大断面図であり、図8(a)は粉砕ノズルの斜視図であり、図8(b)は粉砕ノズルの噴射面の正面図であり、図9はジェットミルの旋回粉砕室の周壁に配設された粉砕ノズルの取付角度を示すスリット状噴射口の模式図である。なお、実施の形態1と同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図6、図7において、30は実施の形態2における微粉末海藻の製造方法の微粉砕工程で用いるジェットミル、31,31はジェットミル30の旋回粉砕室2の周壁(リングライナー6)に対向して2個配設された供給ノズル、32は供給ノズル31のベンチュリーノズル、33はベンチュリーノズル32の上流部に形成されたベンチュリーノズル導入部、34はベンチュリーノズル導入部33の下流に形成されたベンチュリーノズル32の負圧発生部、34aは負圧発生部34の内壁面にねじれ角ηで形成された内壁螺旋溝部、35は負圧発生部34の下流のベンチュリーノズル32の下流部に形成されたスロート部、36は押込ノズル4cの先端部の内壁面に内壁螺旋溝部34aと同じねじれ方向のねじれ角ηで形成された内壁螺旋溝部、40,40a,40b,40c,40d,40eは旋回粉砕室2に配設された粉砕ノズルである。
ここで、本実施の形態においては、一の粉砕ノズル40,40a,40b,40c,40d,40eの中心軸が旋回流の回転方向(本実施の形態においては左回り)に2個離れた粉砕ノズル40,40a,40b,40c,40d,40e又は供給ノズル31,31の中心軸に向くように旋回粉砕室2に6個配設されている。
【0049】
図8(a)、図8(b)において、40は粉砕ノズル、41は粉砕ノズル40の噴射面、42は噴射面41で開口しガス流が噴射する略瓢箪状や略長円状等に形成された噴射部としてのスリット状噴射口、43はスリット状噴射口42の中心軸、43aは中心軸43と平行する直線であって後述する高圧ガス流路44のエッジと接するねじれ角基準線、44はスリット状噴射口42に連設され中心軸43とねじれ角αで形成されガス流が通過するスリット状高圧ガス流路、44aは粉砕ノズル40の基部側に形成されスリット状高圧ガス流路44と連通する略円筒状の高圧ガス流路である。
ここで、本実施の形態においては、スリット状噴射口42の中心軸43における短辺の長さWと長辺の長さLとの比(アスペクト比)W:Lが1:2〜1:30に形成されている。
また、スリット状噴射口42の長辺の端部の曲率半径RがW/2〜5Wに形成されている。これにより、スリット状噴射口42の長辺の両端部において、巻き込み渦の発生を防止しガス流の速度が低下するのを防止することができ、高速の旋回流を形成することができる。
また、ねじれ角αは5〜22.5°の角度で形成されている。
【0050】
粉砕ノズル40,40a,40b,40c,40d,40eは、図9に示すように、1の粉砕ノズル40,40a,40b,40c,40d,40e又は供給ノズル31,31と旋回流の回転方向(本実施の形態においては左回り)に隣り合って配設された他の粉砕ノズル又は供給ノズル(例えば、1の粉砕ノズル40に対応する他のノズルは粉砕ノズル40aであり、1の供給ノズル31,31に対応する他のノズルは粉砕ノズル40,40cである。)が、1の粉砕ノズル40,40a,40b,40c,40d,40e又は供給ノズル31,31の中心軸を中心にして360°/(i+j)(本実施の形態においてはi=2個、j=6個だから360°/8=45°)ずつ旋回流の回転方向(本実施の形態においては左回り)に順に角度を変えて配設されている。なお、供給ノズル31,31のベンチュリーノズル32の開口部は円形状であり、角度を変えて配設しても見掛け上変化がないので図示していない。
【0051】
次に、粉砕ノズルの変形例について、図面を参照しながら説明する。図10(a)は粉砕ノズルの変形例を示す斜視図であり、図10(b)は粉砕ノズルの変形例を示す噴射面の正面図である。
図中、50は変形例の粉砕ノズル、51は変形例の粉砕ノズル50の噴射面、52は噴射面51で開口し横断面が略円形状に形成されたガス流路、53はガス流路52の中心軸、53aは中心軸53と平行な直線であって後述する螺旋溝54のエッジと接するねじれ角基準線、54はガス流路52の内壁面に等間隔に形成された螺旋溝、54aは噴射面51で開口する螺旋溝54の螺旋溝噴射口である。
ここで、螺旋溝54の横断面の形状は、丸みを帯びた略三角状に形成され、5条の螺旋溝54が形成されている。また、螺旋溝54の深さd2は、ガス流路52の内径をrとして、r/5〜r/2に形成されており、螺旋溝54の幅w3はπr/(3n)〜πr/nに形成されている。また、ねじれ角γは5〜22.5°に形成されている。これにより、高速の旋回流を形成することができる。
【0052】
以上のように構成されたジェットミルを微粉砕工程で用いる実施の形態2における微粉末海藻の製造方法は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0053】
以上のように本発明の実施の形態2における微粉末海藻の製造方法によれば、以下のような作用が得られる。
(1)海藻を微粉砕する微粉砕工程に用いるジェットミル30の旋回粉砕室2にスリット状高圧ガス流路44がスリット状噴射口42の中心軸43と5〜22.5°のねじれ角αを備えた粉砕ノズル40等を配設することで、高速で噴射されたガス流自身が旋回流を形成することができるので、旋回粉砕室2内の水平方向に形成された旋回流に粉砕ノズル40等から噴射されたガス流自身の旋回流が衝突することによって、3次元的に海藻同士を衝突させて衝突頻度を高めることができ、海藻をより短時間で微粉体化することができる。
(2)微粉砕工程に用いるジェットミル30の旋回粉砕室2にスリット状高圧ガス流路44がスリット状噴射口42の中心軸43と所定のねじれ角αに形成された粉砕ノズル40を配設することで、旋回流を3次元的に形成することができるため、旋回粉砕室2の厚さを旋回粉砕室2の周壁の内径と略同一にまで厚くすることができる。これにより、旋回粉砕室2の内径は変えずに容積を飛躍的に大きくすることができるので、粉砕ノズル40等から噴射されるガス流の速度を低下させずに供給ノズル31からの海藻の供給量を容積に応じて増加させることができ、時間当りの粉砕処理量を増やしランニングコストを大幅に低減することができる。
(3)微粉砕工程に用いるジェットミル30の粉砕ノズル40等又は供給ノズル31が、360°/(i+j)ずつ旋回流の回転方向に順に角度を変えて配設されているので、各々のノズルからのガス流が複合化され水平方向の旋回流と垂直方向の旋回渦とを形成するため、旋回粉砕室2の周壁近傍を旋回する旋回流の速度を抑えることができ、旋回粉砕室2の周壁や各ノズルの噴射面等の磨耗を少なくすることができ、コンタミネーションが少なく安定した連続運転を実現することができる。
(4)微粉砕工程に用いるジェットミル30の供給ノズル31が旋回粉砕室2に複数個配設されているので、種類の異なる海藻を各々の供給ノズル31から供給して、海藻の粉砕及び複合化を同時に行うことも可能である。
(5)微粉砕工程に用いるジェットミル30の供給ノズル31が内壁螺旋溝部34a,36を有しているので、供給ノズル31からも自身が旋回するガス流を噴射することができ、海藻の衝突頻度を高めることができ粉砕効率をより高めることができる。
(6)微粉砕工程に用いるジェットミル30の粉砕ノズル50が螺旋溝54を備えることにより、ガス流路52及び螺旋溝噴射口54aから噴射されるガス流自身が旋回流を形成することができ高エネルギー性に優れ、より粉砕効率をより高めることができる。
(7)微粉砕工程に用いるジェットミル30の旋回粉砕室2に粉砕ノズル50を配設することで、圧損が少ないため、噴射されたガス流自身がさらに高エネルギーの旋回流を形成することができるので、旋回粉砕室2内の水平方向に形成された旋回流に粉砕ノズル50から噴射されたガス流自身の旋回流が衝突することによって、3次元的に砕料同士を衝突させて衝突頻度をさらに高めることができ、海藻をより短時間で微粉体化することができる。
【実施例】
【0054】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
実施の形態1で説明した微粉末海藻の製造方法により微粉末海藻の製造を行った。
微粉砕工程に用いたジェットミルは、旋回粉砕室の周壁の内径100mm、粉砕ノズルの噴射部のスリット状噴射口の長辺の長さL=6mm、短辺の長さW=0.8mmとした。また、供給ノズルの押込ノズルの内径は2mmとした。
このジェットミルの粉砕ノズル7個及び供給ノズル1個に1.2MPaの高圧ガスを供給し、砕料として粗切断工程において、5mm〜10mmに粗切断された干し海苔を供給し微粉砕した。尚、高圧ガスには不活性ガスである窒素を使用した。
微粉砕された砕料を回収し、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(シーラス社製、CILAS 1064)を用いて粒度分布を測定した。なお、砕料の粉砕処理量は、1時間当り5kgであった。
図11は粒度分布の測定結果を示した図である。なお、図11において、実線は積算ふるい下の容積(%)を示し、ヒストグラムはその区間における相対的な割合を示している。
【0055】
本実施例によれば、粗切断工程において5mm〜10mmの大きさに粗切断された干し海苔を1時間当り5kgの高い処理量で、1μm〜20μmの微粉末に粉砕でき、また粒度分布を表すヒストグラムの形状も著しくシャープにできることが明らかになった。
【0056】
次に、干し海苔の粉砕前及び微粉砕工程後の成分分析結果(100g当たり)を表1に示す。粉砕前後において、含まれる成分に変化は認められず、栄養分の変質は発生しないことがわかった。
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、微粉末海藻の製造方法及びそれを用いて製造された微粉末海藻に関し、微粉砕に用いるジェットミルにおいて噴射されるガス流の速度が低下し難いため、旋回流の偏心が生じ難く同心円状の理想的な旋回流が形成され、これまでは微粉砕が困難であった海藻の微粉砕を短時間で行うことができ粉砕効率に優れ、また、旋回流の偏心や微粉体の旋回粉砕室の周壁等への圧着が生じ難いため、安定した連続運転を行うことができ、また3次元的に砕料同士を衝突させて衝突頻度を高めることができ砕料をより短時間で微粉体化することができ、さらに時間当りの粉砕処理量を増やしランニングコストを大幅に低減することができ粉砕効率が著しく優れる微粉末海藻の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施の形態1における微粉末海藻の製造方法の微粉砕工程で用いるジェットミルの要部断面図
【図2】図1のA−A線における要部断面端面図
【図3】(a)粉砕ノズルの斜視図(b)粉砕ノズルの噴射面の正面図
【図4】粉砕ノズルのスリット状噴射口及び円形状噴射口の変形例を示す粉砕ノズルの正面図
【図5】粉砕ノズルのスリット状噴射口の変形例を示す粉砕ノズルの正面図
【図6】実施の形態2における微粉末海藻の製造方法の微粉砕工程で用いるジェットミルの要部断面端面図
【図7】供給ノズルの拡大断面図
【図8】(a)粉砕ノズルの斜視図(b)粉砕ノズルの噴射面の正面図
【図9】ジェットミルの旋回粉砕室の周壁に配設された粉砕ノズルの取付角度を示すスリット状噴射口の模式図
【図10】(a)粉砕ノズルの変形例を示す斜視図(b)粉砕ノズルの変形例を示す噴射面の正面図
【図11】粒度分布の測定結果を示した図
【符号の説明】
【0059】
1 ジェットミル
2 旋回粉砕室
3 粉砕ノズル
3a 噴射面
3b 高圧ガス流路
3b´ スリット状高圧ガス流路
3c 噴射部
3d スリット状噴射口
3e 中心軸
3f 中心軸線
3g 円形状噴射口
4 供給ノズル
4a ベンチュリーノズル
4b 固気混合室
4c 押込ノズル
4d 砕料導入口
5 本体ケーシング
6 リングライナー
7 トップライナー
8 ボトムライナー
9 センターポール
10 アウトレット
11 微粉排出口
12 高圧ヘッダー
12a,12b 高圧ガスパイプ
13 圧力調整バルブ
13a 流量調整バルブ
20 粉砕ノズル
21 溝部
30 ジェットミル
31 供給ノズル
32 ベンチュリーノズル
33 ベンチュリーノズル導入部
34 負圧発生部
34a 内壁螺旋溝部
35 スロート部
36 内壁螺旋溝部
40,40a,40b,40c,40d,40e 粉砕ノズル
41 噴射面
42 スリット状噴射口
43 中心軸
43a ねじれ角基準線
44 スリット状高圧ガス流路
44a 高圧ガス流路
45 スリット部
50 粉砕ノズル
51 噴射面
52 ガス流路
53 中心軸
53a ねじれ角基準線
54 螺旋溝
54a 螺旋溝噴射口

【出願人】 【識別番号】303058199
【氏名又は名称】今井 久雄
【出願日】 平成16年2月27日(2004.2.27)
【代理人】 【識別番号】100095603
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 一郎

【公開番号】 特開2005−237349(P2005−237349A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−55551(P2004−55551)