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【発明の名称】 油揚調理食品用脱臭剤
【発明者】 【氏名】村上 達朗
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町1丁目13番6号 水澤化学工業株式会社内

【要約】 【課題】硫化水素などの硫黄化合物による異臭成分を選択的に吸着除去し、食品特有の香りを除去することのない油揚調理食品用脱臭剤を提供する。

【解決手段】下記式(1):
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1):
xFe・Al・nHO ‥(1)
式中、xはAlに対するモル比で0.08〜1.2の数であり、
nはAlに対するモル比で0<n≦4の数である、
で表される化学組成を有し、X線回折(Cu−Kα)においてFe、FeO(OH)或いはFe(OH)の回折ピークが実質的に存在しない水和含鉄アルミニウム酸化物からなる油揚調理食品用脱臭剤。
【請求項2】
前記水和含鉄アルミニウム酸化物が、BET比表面積が200m/g以上で且つRH75%における平衡水分吸着量が20%以上である請求項1に記載の油揚調理食品用脱臭剤。
【請求項3】
油揚調理食品が米菓である請求項1または2に記載の油揚調理食品用脱臭剤。
【請求項4】
通気性の包装袋に収容されて使用される請求項1乃至3の何れかに記載の油揚調理食品用脱臭剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、揚げ煎餅などの油揚調理食品に使用される脱臭剤に関する。
【背景技術】
【0002】
米などの穀類食品は、植物油などで揚げた油揚調理食品として広く市販されているが、このような油揚調理食品では、加熱時のメイラード反応により硫化水素などの硫黄化合物が微量ではあるが発生することが知られている。このような硫黄化合物は、原料である米に含まれているシスチン等の含硫アミノ酸と米に含まれるグルコース等の糖の反応により発生するものであると考えられている。この硫黄化合物による刺激臭の発生を防止するために、食品の製造に際し、任意の工程で酸化剤を添加することは公知である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭53−75358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように微量な硫黄化合物が発生すると、異臭として感じられてしまうために調理食品の風味が損なわれてしまい、調理食品の商品価値が低下してしまう。特に、油揚食品は、アルミ蒸着フィルム等のガス遮断性の包装袋に詰めて販売されることが多く、このような場合は、硫黄化合物が包装袋内にこもって逃げないため、食品の風味の低下が著しく、また袋を開封したときに、異臭を強く感じてしまい、商品価値の低下が著しいという問題がある。
【0004】
上記のような問題を回避するためには、硫化水素などの硫黄化合物を吸着する化合物、例えば活性炭やゼオライトなどを脱臭剤として、所定の通気性袋に充填したものを、油揚調理食品と共に、アルミ蒸着フィルムなどの包装袋に入れておくことが考えられ、実際、このようにして市販されているものもある。
【0005】
しかしながら、活性炭などの脱臭剤は、硫黄化合物を吸着し、異臭を取り除くという面ではあまり問題はないが、反面、油揚調理食品の風味、例えば揚げ煎餅などの香ばしい匂い成分までも吸着して除去してしまい、やはり、商品価値の低下をもたらしてしまう。
【0006】
従って、本発明の目的は、硫化水素などの硫黄化合物による異臭成分を選択的に吸着除去し、食品特有の香りを除去することのない油揚調理食品用脱臭剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、下記式(1):
xFe・Al・nHO ‥(1)
式中、xはAlに対するモル比で0.08〜1.2の数であり、
nはAlに対するモル比で0<n≦4の数である、
で表される化学組成を有し、X線回折(Cu−Kα)においてFe、FeO(OH)或いはFe(OH)の回折ピークが実質的に存在しない水和含鉄アルミニウム酸化物からなる油揚調理食品用脱臭剤が提供される。
【0008】
本発明においては、
(1)前記水和含鉄アルミニウム酸化物が、BET比表面積が200m/g以上で且つRH75%における平衡水分吸着量が20%以上であること、
(2)油揚調理食品が米菓であること、
(3)通気性の包装袋に収容されて使用されること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の油揚調理食品用脱臭剤によれば、米等の穀類の加熱時に発生する硫化水素等の硫黄化合物を選択的に吸着除去し、油揚調理食品の風味をそのまま残すことができ、油揚調理食品の商品価値の低下を有効に回避することができる。
【0010】
即ち、後述する実施例及び比較例の実験結果に示されているように、活性炭では、硫化水素に対する吸着性能はまずまず優れているが、油揚調理食品の香りまでも吸着して取り除いてしまう。しかるに、本発明の脱臭剤では、硫化水素に対する吸着性能が、活性炭やゼオライトに比して高いばかりか、油揚調理食品の香りに対しては、吸着性能を示さず、その香りを残すことができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において、脱臭剤として用いる水和含鉄アルミニウム酸化物は、例えば鉄分とアルミニウム分との共沈により形成され、下記式(1)
xFe・Al・nHO ‥(1)
式中、xはAlに対するモル比で0.08〜1.2、特に0.1〜1.1の数
であり、
nはAlに対するモル比で0<n≦4の数である、
で表される化学組成を有していることが重要である。鉄分の含有量が上記範囲よりも少ないと(即ち、xが0.08未満)、硫化水素に対する吸着性能は不十分である。鉄分含有量が上記範囲よりも多いと(xが1.2超)、硫化水素に対する吸着性能は満足し得るのであるが、食品の香りに対する影響が生じるようになる。食品の香りに対する作用は、パネルテストによらざるを得ないため、その理由は明確ではないが、一部の香り成分を吸着することにより、風味が損なわれるためではないかと思われる。
【0012】
また、本発明においては、上記水和含鉄アルミニウム酸化物は、X線回折(Cu−Kα)においてFe、FeO(OH)或いはFe(OH)の回折ピークが実質的に存在しないことも重要である。
図1には、酸化第二鉄(Fe)、水和アルミニウム酸化物(ベーマイトゲル)、本発明で用いる水和含鉄アルミニウム酸化物(実施例1及び2)、3価の水和アルミニウム酸化物及び鉄酸化物成分の単なる混合物(比較例2)のそれぞれのX線回折像を示す。この図から分かるとおり、3価の水和アルミニウム酸化物及び鉄酸化物成分の単なる混合物は、Fe及びベーマイトゲルの回折ピークが見られるのに対して、本発明で用いる水和含鉄アルミニウム酸化物では、Feの回折ピークは見られない。即ち、本発明で用いる水和含鉄アルミニウム酸化物は、3価の水和アルミニウム酸化物及び鉄酸化物成分の単なる混合物とは異なり、複合体の形で存在していると思われる。なお、鉄分含量が少ない水和含鉄アルミニウム酸化物は、ベーマイトゲルに特有のX線回折像を有し、鉄分含量の多い水和含鉄アルミニウム酸化物は、実質上非晶質である。
このように、水和含鉄アルミニウム酸化物が複合体の形で存在していることにより、食品の香りに影響を与えず、硫化水素等の硫黄化合物に対する選択的吸着性を示す要因と考えられる(後述の実施例を参照)。一方、3価の水和アルミニウム酸化物及び鉄酸化物との単なる混合物は、硫黄化合物に対する吸着性能が十分でない(後述の比較例6を参照)。
【0013】
更に、上記組成を有する水和含鉄アルミニウム酸化物は、一般に、BET比表面積が200m/g以上、特に250m/g以上であり、且つRH75%における平衡水分吸着量が20%以上、特に25%以上であるという物性を有していることが、硫黄化合物に対する選択的吸着性の点で好適である。
【0014】
本発明で用いる水和含鉄アルミニウム酸化物は、例えば、3価のアルミニウム塩及び鉄塩を含む原料溶液を、複分解により生成する塩が水溶性であるアルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物によりpHが4.0〜4.5になるまで中和し、生成する沈殿を上記pH範囲で濾過洗浄し、ケーキを再分散させて更にpHが7〜11になるまで酸根を除去することにより製造される。
【0015】
上記で得られた水和含鉄アルミニウム酸化物は、乾燥後、使用目的に合せた任意の温度で再乾燥或いは焼成して使用することができる。
【0016】
代表的な製造例として、3価のアルミニウム塩及び鉄塩を含む原料溶液と5乃至40%の水酸化マグネシウムスラリーをpHが4.2〜4.5になる範囲で同時注加する。この時の反応温度は室温〜90℃で行う。反応後濾過・水洗し、濾過ケーキを更に水に分散させ、アルカリを添加しpHが7〜11になるように調整を行う。その後40〜100℃で熟成を行った後、酸根が4%、好ましくは2%以下になるまで濾過水洗後乾燥により、本発明で用いる水和含鉄アルミニウム酸化物を得ることができる。
【0017】
反応は同時注加以外に、3価のアルミニウム塩及び鉄塩を含む原料溶液に、pH7〜11になるように、複分解により生成する塩が水溶性であるアルカリ金属水酸化物を添加して、本発明の水和含鉄アルミニウム酸化物を得ることもできる。
【0018】
三価の鉄塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩等が使用できる。具体的には、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二鉄溶液が挙げられ、好ましくは硫酸第二鉄が使用される。
【0019】
アルミニウム塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩等使用できる。具体的には、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等が挙げられる。好ましくは、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが使用される。
【0020】
また、pH調整剤として用いられるアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等が挙げられる。好ましくは水酸化マグネシウムが使用される他、必要に応じて苛性ソーダ、苛性カリ、アルミン酸ソーダ、ケイ酸ソーダ等を用いても良い。
また、硫酸、硝酸及び塩酸塩として溶解するものであれば酸化マグネシウム、亜鉛華、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等を用いることもできる。
【0021】
上記のようにして、一般式(1)で表される化学組成を有し、X線回折(Cu−Kα)においてFe、FeO(OH)或いはFe(OH)の回折ピークが実質的に存在しない水和含鉄アルミニウム酸化物を得ることができる。
【0022】
本発明では、上述した水和含鉄アルミニウム酸化物を、油揚調理食品用脱臭剤として使用するが、その使用形態に応じて、粉末、顆粒状或いは棒状、ペレット状、ハニカム状に押し出し成形して使用に供される。使用形態としては、調理食品には直接接触しないような形態で使用することが好ましく、例えば、通気性の包装袋中に収容し、あるいはシート状基材(紙、パルプ、合成乃至天然繊維からなる不織布など)に担持させてシート状脱臭剤として使用に供することができる。最も一般的には、通気性の包装袋中に収容し、この脱臭剤入り包装袋を、調理食品と共に所定の食品包装袋中に詰め込んでおくのがよい。
【0023】
上記のような通気性包装袋としては、熱可塑性樹脂フィルムからなる包装袋に、脱臭剤が漏れない程度の微少な大きさの孔を多数設けたものが使用される。この包装袋を構成する熱可塑性樹脂としては、特に制限されず、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、或いはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム乃至ブロック共重合体等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のエチレン−ビニル化合物共重合体樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキサイド;及びこれらの混合物からなる樹脂などを例示することができる。
また、不織布を用いても良く、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン、アクリル、ビニロン等の合成繊維、綿、レーヨン、キュプラ、パルプ、麻等の天然または再生繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の他、生分解性を持つ素材として、キチン・キトサン素材、ポリ乳酸、微生物が体内で生産するバイオポリエステル、合成高分子に生分解性を付与したポリブチレンサクシネートなどを適宜組み合わせて用いることができる。
【0024】
また、上記水和含鉄アルミニウム酸化物からなる脱臭剤を、それ自体公知の無機吸着剤や、鉄粉などからなる脱酸素剤と併用することもできる。無機吸着剤としては、例えば、結晶性ケイ酸亜鉛化合物、含アルミニウムフィロケイ酸亜鉛乃至そのケイ酸質複合体、フィロケイ酸マグネシウム、含アルミニウムフィロケイ酸マグネシウム、メソポーラスシリカ、セピオライト、パリゴルスカイト、活性炭、竹炭、木炭、天然ゼオライト、合成ゼオライト、抗菌ゼオライト、活性炭素繊維、シリカゲル、活性白土、アルミナ、バーミキュライト、ケイソウ土などが挙げられる。更に、α型、β型或いはγ型のシクロデキストリンを単独で或いは2種以上組み合わせて使用することができる。また、シクロデキストリンの誘導体である、分岐シクロデキストリン、修飾シクロデキストリン、シクロデキストリンポリマー等も用いられる。
【0025】
本発明の脱臭剤は、経時により硫化水素などの硫黄化合物を発生する油揚調理食品用として使用されるが、中でも揚げ煎餅、特に海老類などの海産食品を練り込んだ米菓などは、特に硫化水素等による異臭の発生傾向が強いため、これらの脱臭剤として、特に有用である。
【実施例】
【0026】
本発明を次の例で説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
尚、各試験方法は下記の方法に従って行った。
【0027】
(1)化学分析
強熱減量(Ig−loss )、酸化アルミニウム(Al) の分析はJIS.M.8855に準拠して測定した。また、Feは原子吸光法を用いた。なお、測定試料は110℃乾燥物を基準とした。
【0028】
(2)X線回折測定試験
理学電機(株)製のRAD−IBシステムを用いて、Cu−Kαにて測定した。
ターゲット Cu
フィルター 湾曲結晶グラファイトモノクロメーター
検出器 SC
電圧 40KVP
電流 20mA
カウントフルスケール 8000c/s
スムージングポイント 25
走査速度 1°/min
ステップサンプリング 0.02°
スリット DS1° RS0.15mm SS1°
照角 6°
【0029】
(3)BET比表面積
カルロエルバ社製Sorptomatic Series 1900を使用し、BET法により測定した。
【0030】
(4)平衡水分吸着量
試料を150℃の乾燥機で3時間乾燥し、関係湿度75%での吸湿平衡後の重量変化を測定して求めた。
【0031】
(5)ガスクロマトグラフ分析
油揚げ米菓を包装した袋内の気体をマイクロシリンジで2ml採取し、HS濃度を(株)島津製作所製GC−8APFを用いて分析した。脱臭剤を使用しなかったブランク気体のHSピーク面積を基準として、脱臭剤を使用した気体のHSピークの面積比から相対濃度を計算した。
検出器 FPD
カラム 1,2,3−Tris(2Cyanoethoxy)Propane 25%,φ2.6mm×3m
流速 40ml/min,N
【0032】
(6)脱臭試験1[硫化水素系の官能試験]
ガスクロマトグラフ分析で用いた菓子袋を実際に開封し、硫化水素の脱臭効果を官能試験により下記のように評価した。
○:全然、異臭がしない。
△:少し、異臭がする。
×:かなり、異臭がする。
【0033】
(7)脱臭試験2[香ばしさの保持性の官能試験]
脱臭試験1と同時に、香ばしさの保持性を官能試験により下記のように評価した。
○:香ばしい匂いがする。
△:わずかに香ばしい匂いがする。
×:全然、香ばしい匂いがしない。
【0034】
(実施例1)
1Lビーカーに10%塩酸を900g、酸化第二鉄(和光試薬)を10g加え、加熱攪拌下で完全に溶解させて塩化第二鉄水溶液を得た。10Lビーカーに水を3kg、硫酸アルミニウム14〜18水塩(和光試薬一級)を200g加え、加熱攪拌下で完全に溶解させた後、上記塩化第二鉄水溶液を加えて3価のアルミニウム塩及び鉄塩を含む原料溶液を得た。この原料溶液のpHが4.3で一定となるまで35%水酸化マグネシウムスラリーを加えた。その後1時間熟成させ、濾過および洗浄を行い、一次中和ケーキを得た。500mLビーカーに水を200g加え、攪拌下上記ケーキ全量を加え、充分分散後に60℃まで昇温した。この分散液のpHが最終的に8.5で一定となるまで20%苛性ソーダをゆっくり加えた。その後4時間熟成させ、濾過、洗浄および乾燥を行い、水和含鉄アルミニウム酸化物(Fe/Al=0.2)を得た。この試料をS−1とする。
化学分析及びBET比表面積、平衡水分吸着量試験結果を表1に、X線回折像を図1に示す。
【0035】
(実施例2)
1Lビーカーに水を900g、実施例1で用いた酸化第二鉄の替わりに硫酸第二鉄n水和物(和光試薬一級:n=6〜9)を160g加え、攪拌下で完全に溶解させて硫酸第二鉄水溶液を得た以外は実施例1と同様に行い、水和含鉄アルミニウム酸化物(Fe/Al=1.0)を得た。この試料をS−2とする。
化学分析及びBET比表面積、平衡水分吸着量試験結果を表1に示す。
【0036】
(比較例1)
1Lビーカーに10%塩酸を300g、酸化第二鉄(和光試薬)を3.5g加え、加熱攪拌下で完全に溶解させて塩化第二鉄水溶液を得た以外は実施例1と同様に行い、水和含鉄アルミニウム酸化物(Fe/Al=0.07)を得た。
この試料をH−1とする。
化学分析結果を表1に示す。
【0037】
(比較例2)
10Lビーカーに水を4kg、硫酸アルミニウム14〜18水塩(和光試薬一級)を200g加え、攪拌下で完全に溶解させ、3価のアルミニウム塩を含む原料溶液を得た。この原料溶液のpHが4.3で一定となるまで35%水酸化マグネシウムスラリーを加えた。その後1時間熟成させ、濾過および洗浄を行い、一次中和ケーキを得た。500mLビーカーに水を200g加え、攪拌下上記ケーキ全量を加え、充分分散後に60℃まで昇温した。この分散液のpHが最終的に8.5で一定となるまで20%苛性ソーダをゆっくり加えた。その後4時間熟成させ、濾過、洗浄および乾燥を行い、水和アルミニウム酸化物を得た。この水和アルミニウム酸化物1.0gおよび酸化第二鉄(和光試薬)0.26gをメノウ乳鉢を用いて充分混合し、水和アルミニウム酸化物及び鉄酸化物成分の単なる混合物(混合物Fe/Alモル比=0.2)を得た。この試料をH−2とする。
混合物の化学分析結果を表1に、水和アルミニウム酸化物、酸化第二鉄及び混合物のX線回折像を図1に示す。
【0038】
(比較例3)
1Lビーカーに水を800g、実施例1で用いた酸化第二鉄の替わりに塩化第二鉄6水和物(和光試薬一級)を200g加え、攪拌下で完全に溶解させて塩化第二鉄水溶液を得た以外は実施例1と同様に行い、水和含鉄アルミニウム酸化物(Fe/Al=1.3)を得た。この試料をH−3とする。
化学分析及びBET比表面積、平衡水分吸着量試験結果を表1に、X線回折像を図1に示す。
【0039】
(実施例3)
実施例1で得られた脱臭剤(S−1)を予め110℃にて1時間乾燥した。クラフト紙製定型封筒(長形4号)に、上記脱臭剤を30mg入れ、簡易脱臭剤バッグを作製した。ガス遮断性包装袋(スーパーニール15μm//cpp60μm)(20cm×30cm)に油揚げ煎餅(もち米100%)100g及び上記脱臭剤パックを投入し、ヒートシールにて密封した後、室温において24時間放置した。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0040】
(実施例4)
実施例1で得られた脱臭剤(S−1)を50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0041】
(実施例5)
実施例1で得られた脱臭剤(S−1)を150mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0042】
(実施例6)
実施例2で得られた脱臭剤(S−2)を50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0043】
(比較例4)
脱臭剤を入れなかった以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0044】
(比較例5)
比較例1で得られた脱臭剤(H−1)を50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0045】
(比較例6)
比較例2で得られた脱臭剤(H−2)を50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0046】
(比較例7)
比較例3で得られた脱臭剤(H−3)を50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0047】
(比較例8)
天然ゼオライト(モルデナイト)を脱臭剤として50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0048】
(比較例9)
和光純薬工業(株)製活性炭を脱臭剤として50mg入れた以外は実施例3と同様に行った。
菓子袋内気体のガスクロマトグラフ分析および脱臭試験結果を表2に示す。
【0049】
【表1】


【0050】
【表2】


【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施例及び比較例の脱臭剤、水和アルミニウム酸化物、酸化第二鉄それぞれのX線回折図である。
【出願人】 【識別番号】000193601
【氏名又は名称】水澤化学工業株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町一丁目13番6号
【出願日】 平成16年1月27日(2004.1.27)
【代理人】 【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純

【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子

【公開番号】 特開2005−210914(P2005−210914A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−18384(P2004−18384)