| 【発明の名称】 |
焼き餃子の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 直樹 【住所又は居所】群馬県邑楽郡大泉町大字吉田1210番地5号 味の素フレッシュフーズ株式会社商品開発センター内
【氏名】坂田 貴代恵 【住所又は居所】群馬県邑楽郡大泉町大字吉田1210番地5号 味の素フレッシュフーズ株式会社商品開発センター内
【氏名】水谷 優 【住所又は居所】群馬県邑楽郡大泉町大字吉田1210番地5号 味の素フレッシュフーズ株式会社商品開発センター内
【氏名】入船 友裕 【住所又は居所】群馬県邑楽郡大泉町大字吉田1210番地5号 味の素フレッシュフーズ株式会社商品開発センター内
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| 【要約】 |
【課題】調理後、保存してある焼き餃子に、喫食直前の再加熱調理によって、焼き餃子特有の好ましい「パリパリ」とした食感を再現する。
【解決手段】焼き餃子の製造方法において、多重の皮を有する餃子に焼き調理を施して保存する。あるいは多層の皮を有する焼き調理を施した餃子の表面に食用油を付着して保存する |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多重の皮を有する餃子を焼き調理することを特徴とする焼き餃子の製造方法。 【請求項2】 焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理することを特徴とする焼き餃子の製造方法。 【請求項3】 焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理後、保存することを特徴とする焼き餃子の製造方法。 【請求項4】 多重の皮を有する餃子を焼き調理後、冷蔵温度以下に保存することを特徴とする焼き餃子の製造方法。 【請求項5】 焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理後、少なくとも焼き面に食用油を付着させ、冷蔵温度以下に保存することを特徴とする焼き餃子の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は焼き餃子の製造方法に関する。さらに詳細には、焼き調理直後に食卓に提供する焼き餃子の場合にはもちろん、調理後いったん冷凍保存または冷蔵保存した焼き餃子を喫食直前に解凍後、再加熱調理、例えば蒸し調理あるいはマイクロウエーブ調理などを行う場合にあっても、焼き餃子特有の好ましい「パリパリ」とした食感(以下、クリスピー感)を容易に再現できる焼き餃子を製造する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 焼き餃子の食感を向上せしめる方法、特にあらかじめ調理した餃子を冷凍保存または冷蔵保存した焼き餃子を喫食直前の解凍、加熱調理によって、餃子特有の好ましいクリスピー感を再現する方法に関しては、従来、種々の試みが行われてきた。また、その一部の方法は焼き餃子を大量に生産している食品加工工場等で既に実用化されている。 【0003】 例えば、焼き餃子の焼き面のクリスピー感を向上せしめ、また、保存経過後の焼き餃子を再加熱加工した際に、焼き面のクリスピー感を、最初の加熱加工時におけると同程度に再現する目的で、餃子の製造に使用する水、油脂、乳化剤の一種または二種以上を含む混合物に対し穀物粉、タンパク質あるいは穀物粉およびタンパク質よりなる混合物を添加後、全体を乳化して調製されるエマルジョンを焼き餃子の表面、特に焼き面に付着した後、加熱調理する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。 【0004】 【特許文献1】特開平06−245740号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明者等が上記方法を追試した限りでは、加熱調理直後にはエマルジョンを付着した試験品のクリスピー感はエマルジョンを付着しない対照品のクリスピー感よりも、いくぶん、優れていることを認めた。しかしながら、−18℃の冷凍庫中に、試験品および対照品を各種の保存期間保存後、再加熱調理した際のクリスピー感には、保存期間の長短とは関係なく、試験品および対照品の間に差異は認められなかった。また、両品とも、通常、設定している保存期間(冷凍状態で2か月)以内であっても、商品として許容できるクリスピー感を維持することは困難であった。 【0006】 本発明にあっては、焼き餃子、特に加熱調理後いったん冷凍保存または冷蔵保存した焼き餃子を、喫食直前の再度加熱調理により、焼き面のクリスピー感を最初の加熱加工時におけると同程度あるいはそれ以上の好ましさをもって再現できる方法を見出すことを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、上記の課題を解決するために、広範囲に、種々の設定可能な条件およびその組合わせについて、鋭意、検討を行った結果、以下に示す(1)〜(6)の実験的知見を得た。 【0008】 (1)餃子の皮、特に焼き面部分の皮を多重、例えば2重または3重に成形した餃子を焼き調理した焼き餃子は、調理直後は勿論、焼き餃子を冷凍保存あるいは冷蔵保存後、解凍し再加熱した焼き餃子は、効果的に焼き面に好ましいクリスピー感を再現することが可能であること。 【0009】 (2)また、餃子の皮、特に焼き面部分の皮を多重に成形し焼き調理を施した焼き餃子、特にその焼き面に食用油を付着後、冷凍保存あるいは冷蔵保存後、解凍し再加熱した焼き餃子は、相乗的な程度を以て、効果的に焼き面に好ましいクリスピー感を再現することが可能であること。 【0010】 (3)冷凍保存または冷蔵保存してある焼き餃子を、喫食直前の再度加熱調理により、焼き面のクリスピー感を好ましさをもって再現するためには、初めに加熱調理し、その後冷凍保存または冷蔵保存する前に、焼き餃子の表面、特に焼き面に、可及的まんべんなく、均一に食用油を付着すると好結果を得ること。 【0011】 (4)この際に使用する食用油は、焼き餃子の最初の加熱調理に使用した食用油と同種類の食用油であっても、また、別の種類の食用油であってもよいが、その使用量は最初の加熱調理により調製された焼き餃子の重量に対し、2%以上35%未満程度が適当である。この範囲以下では、焼き餃子全体が軟らか過ぎる食感または「べっとり」とした食感となってしまい、期待するような、好ましい焼き面のクリスピー感を再現することは不可能である。また、この範囲以上では、餃子の全体が油漬様の状態となってしまい、その結果、焼き餃子としての焼き面のクリスピー感を再現することが可能である場合にあっても、油っぽさが先立って全体としての食感は劣ったものとなる。 【0012】 (5)上記の範囲内で、特に好ましい範囲は、焼き餃子の性質、特に焼き面の表面状態および設定する冷凍または冷蔵保存条件、保存期間を考慮にして、その都度選択して決定する。通常、5%以上20%未満程度が特に適当である。又、食用油としては、保存時の温度下で可塑性となる油脂または高粘性となる液体油を使用すると、食用油の使用量を低減することができる。 【0013】 (6)使用する食用油の種類には特に限定はない。しかし、大量の焼き餃子を取扱う場合、焼き餃子の焼き面と耐水性且つ水蒸気非透過性の包装材料の表面との接触および付着の関係は重要である。すなわち、焼き餃子の焼き面と包装材料の表面とは容易に付着し、いったん、付着した焼き餃子が、簡単には、包装材料の表面から剥げ落ちることがない場合には、全体の処理作業の能率を向上する効果は大きい。従って、焼き面と包装材料の表面との付着状態を好ましい状態に維持可能な食用油を選択するとよい。 【0014】 本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。 すなわち、請求項1に記載の第1発明による焼き餃子の製造方法では、多重の皮を有する餃子を焼き調理することを特徴とする。 【0015】 また、請求項2に記載の第2発明による焼き餃子の製造方法では、焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理することを特徴とする。 【0016】 また、請求項3に記載の第3発明による焼き餃子の製造方法では、焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理後、保存することを特徴とする。 【0017】 また、請求項4に記載の第4発明による焼き餃子の製造方法では、多重の皮を有する餃子を焼き調理後、冷蔵温度以下に保存する。 【0018】 また、請求項5に記載の第5発明による焼き餃子の製造方法では、焼き面に多重の皮を有する餃子を焼き調理後、少なくとも焼き面に食用油を付着させ、冷蔵温度以下に保存することを特徴とする。 【発明の効果】 【0019】 請求項1に記載の発明では、冷凍、冷蔵など種々の保存処理を経過した場合でも、解凍後、再加熱調理した焼き餃子の焼き面に好ましいクリスピー性を保存、再現できるという効果がある。 【0020】 請求項2に記載の発明にあっては、上記の効果に加えて、焼き餃子の焼き面について選択的に好ましいクリスピー性を保存、再現できるという効果がある。 【0021】 請求項3に記載の発明にあっては、上記の効果に加えて、蒸し焼き調理後、保存した焼き餃子に、一層、好ましいクリスピー性を保存、再現できるという効果がある。 【0022】 請求項4に記載の発明にあっては、上記の効果に加えて、蒸し焼き調理後、冷蔵温度以下に保存した焼き餃子に、一層、好ましいクリスピー性を保存、再現できるという効果がある。 【0023】 請求項5に記載の発明にあっては、上記の効果に加えて、蒸し焼き調理後、冷蔵温度以下に保存した焼き餃子に、付着した食用油の作用および多層の皮の作用が相乗的に効果を発揮し、一層、好ましいクリスピー性を保存、再現できるという効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 本発明においては、製造する焼き餃子の皮、特に焼き面の皮が多重である。焼き餃子の皮は多重、好ましくは2重または3重であるが、それ以上の多重であってもよい。また、多重の皮は可及的薄いものが適当である。多重の皮としては、焼き餃子の具を包む本来の皮から一体連続に成形加工して、全体または焼き面の部分を2重以上の構造となす場合、あるいは予め別途に麺帯から成形した麺帯片の皮を生餃子に、特にその焼き面に、付着させて多重となす場合がある。なお、付着する際には、生餃子の焼き面を水で湿らせ、別途に成形した皮を圧着してもよいが、澱粉糊、小麦粉糊、卵白糊などの可食性糊材を介在させて、麺帯片の皮を餃子の焼き面に接着しておくと、以後の蒸し焼き調理などの際に、多重部分が剥離するなどの問題を回避できる。 【0025】 焼き餃子の皮の全体または一部を多重状態に成形加工するには、手作業で行ってもよいが、専用の機械を使用してもよい。本発明の方法により、工場等で大量に焼き餃子を調理製造する際には、専用の機械を使用する。 【0026】 従来より知られている通常の焼き餃子の断面の形態及び皮の全体または一部を多重状態に成形加工した本発明に係る焼き餃子の断面の形態を、図1ないし図8に例示する。 【0027】 図1は、従来より知られている通常の焼き餃子の断面を示す模式図である。第2図ないし第8図との比較のために示す。 【0028】 図2は、焼き面を含め皮の全体を多重状態に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、各層の皮は可及的に薄く成形し、具を包むと好結果が得られる。 【0029】 図3は、焼き面を含め皮の全体を多重状態に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、皮の多くの部分に比較的深い褶曲を成形することにより、焼き面にも多重構造を形成することができる。 【0030】 図4は焼き面部分を2重に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、焼き面部分の一端の皮を延長し、焼き面を覆う様に成形してある。 【0031】 図5は焼き面部分を2重に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、焼き面部分の皮の中央部分を撮み出し、これを左右に展開、延長し、焼き面を覆う様に成形してある。 【0032】 図6は焼き面部分を2重に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、焼き面部分の皮の一端の皮及び中央部分を撮み出し、これらを展開、延長した2個の延長部分により焼き面を覆う様に成形してある。 【0033】 図7は焼き面部分を2重に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、焼き面部分の皮の両端を撮み出し、これらを展開、延長した2個の延長部分を焼き面部分の中央方向に折り曲げ、焼き面を覆う様に成形してある。 【0034】 図8は焼き面部分を3重に成形加工した焼き餃子の断面を示す模式図である。本例では、焼き面に、予め別途に焼き面と略同形に成形しておいた麺帯片を2枚重畳して接着してある。 【0035】 (第1発明の実施の形態) 第1発明の実施の形態は、第1発明ないし第5発明の実施の形態を包括する。すなわち、焼き餃子の皮を多重構造となす態様を示す。 【0036】 (第2発明の実施の形態) 第2発明にあっては、特に焼き餃子の焼き面の皮を選択して多重構造となす態様を示す。焼き面は2重または3重あるいはそれ以上に成形される。なお、焼き調理処理は、焼き面の皮を多重に成形した生餃子を製造する工程以降、喫食直前の蒸し焼き調理処理迄の間に、適宜、行われる。一例を挙げれば、食品加工工場で製造した多重の皮を有する生餃子を蒸し加熱調理後、冷凍して出荷した冷凍餃子を、コンビニエンス・ストアの店頭で解凍、蒸し焼き調理し、直ちに消費者、顧客に提供する様な場合がある。 【0037】 (第3発明の実施の形態) 第3発明にあっては、焼き餃子の焼き面の皮を多重構造とした焼き餃子を、蒸し焼き調理後、比較的長期間に亙り、食品保存条件下に保存する態様を示す。 【0038】 (第4発明の実施の形態) 第4発明にあっては、焼き餃子の焼き面の皮を多重構造とした焼き餃子を、蒸し焼き調理後、比較的長期間に亙り、食品の冷蔵温度以下に保存する態様を示す。冷蔵温度以下の保存としては、氷点以下の冷凍、冷蔵の他に、氷点近辺温度、例えば10℃以下の保蔵、いわゆるチルド保存を含む。 【0039】 (第5発明の実施の形態) 第5発明にあっては、多重の皮を有する焼き餃子に食用油を付着させ、冷蔵温度以下に保存する態様を示す。 【実施例1】 【0040】 =焼き餃子に付着した食用油の量と冷凍保存限界日数との関係= (生餃子の調製) 通常の方法に従い、強力粉より調製した麺帯で中脂豚挽き肉、細切りした新鮮なキャベツおよび調味料などから調製した具を包み、生餃子を調製した。加熱直前の平均重量は20〜21g/個であった。 【0041】 (焼き餃子の調製) 毎回、上記の生餃子12個、250gを、予め180℃に設定しておいたホット・プレート上に並べ、1分間保持後、餃子に対して4分の1重量部の熱水を注ぎ、直ちに蓋で覆い密閉して7分間保持し、蒸し焼き調理した。蓋を取り、解放下、さらに1分間加熱して、焼き餃子を取得した。 【0042】 (食用油の付着処理) 予めサラダ油を5g、20g、40gまたは80gの各量で収容したポリプロピレン製の複数の長方形トレーを用意した。これらの各トレーに、上記の焼き餃子、各12個を、その焼き面を下向きになるように並べて収容した。 【0043】 (凍結冷凍処理) 上記の各トレーをポリプロピレン製透明袋に収容し、開口部をヒートシールした後、包装したトレーごと、−40℃の冷凍庫内に1時間保持した。 【0044】 (冷凍保存処理) これらの冷凍焼き餃子を、自動霜取り装置が2回/日作動する−18℃の冷凍庫中に冷凍保存した。 【0045】 (対照区サンプル) 上記の冷凍保存した焼き餃子の調製過程で、サラダ油を入れないトレーに収容した焼き餃子を対照区サンプルとした。また対照区サンプルの冷凍保存処理は他の試験区サンプルと同一である。 【0046】 (評価試験) 冷凍処理直後および毎5日にサンプリングし、官能評価方法によって焼き餃子の焼き面のクリスピー感の保存状態を評価した。サンプリングした冷凍焼き餃子を、沸騰状態に維持した蒸し器中で8分間蒸し、解凍、加熱調理後、室温まで放置し、直ちに5名のパネラーに供し、焼き面のクリスピー感を5点評価により採点した。平均評点の四捨五入値が2点以下になった期日(冷凍保存限界日数)をもって、焼き面のクリスピー感は商品としてもはや許容できない限界(焼き面のクリスピー感の官能限界)に達したものと認めた。 【0047】 (評価試験の結果) 焼き餃子に付着した食用油(トレーに収容したサラダ油の重量)と上記の方法で算定した冷凍保存限界日数との関係を表1に示す。 【0048】 【表1】
【0049】 (評価試験結果の判断) 表1に示す数値から明らかなように、焼き調理した餃子の焼き面に食用油を付着して冷凍保存した焼き餃子の冷凍保存限界日数は、顕著に延長されることが判明した。また、付着した食用油の重量に対応して冷凍保存限界日数が延長されることも判明した。 【実施例2】 【0050】 =冷凍焼き餃子に付着した食用油の量と電子レンジによる解凍、加熱調理効果との関係= 実施例1の方法中、蒸し解凍、加熱調理に代えて、電子レンジ解凍、加熱処理する方法を試験した。 【0051】 (解凍、加熱処理条件) 焼き調理後、冷凍保存したトレー入り冷凍焼き餃子を500W容量の電子レンジ内で、5分間、解凍、加熱調理した。 【0052】 (評価試験、その結果) 実施例1の評価試験方法に準じて評価試験を行った。結果を表2に示す。 【0053】 【表2】
【0054】 (評価試験結果の判断) 表2に示す数値から明らかなように、電子レンジ解凍、加熱調理した焼き餃子の冷凍保存限界日数は、顕著に延長されることが判明した。また、付着した食用油の重量に対応して、冷凍保存限界日数の延長されること並びに食用油を焼き面に付着せしめた効果は、蒸し解凍処理の場合よりも電子レンジ解凍、加熱調理の場合の方が、一層、顕著であることが確認された。 【実施例3】 【0055】 =冷凍焼き餃子に付着する食用油に添加した中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)の濃度と冷凍保存限界日数との関係= 実施例1の方法および評価試験方法に準じて、MCTを各濃度に含有するサラダ油 40gを使用して、MCTの含有濃度と冷凍保存限界日数との関係を検討した。使用したMCTは、炭素数8の脂肪酸39%、炭素数10の脂肪酸31%、炭素数12の脂肪酸18%、その他の脂肪酸12%よりなる組成を有すると表示される理研ビタミン油(株)製品、「アクタ−M−107FR」(商品名)である。試験結果(保存限界日数)を表3に示す。 【0056】 【表3】
【0057】 (評価試験結果の判断) 表3に示した数値から明らかなように、MCTの添加効果は顕著であった。但し、MCTの添加量(サラダ油中の含量)が増加に対応して保存限界日数が増加するわけではなく、5%以上の添加では一律に75日の保存限界日数保つことを確認した。また、MCTを添加した試験区サンプルには、何れの保存日数の場合も、油っぽさの食感はなく、あっても極めて少ないとの評価であった。 【実施例4】 【0058】 =食用油をひいた容器に焼き餃子を充填し、包装した例= 自動充填機を使用して、一枚当たり20gのサラダ油をひいたポリプロピレン製の長方形浅皿型トレー内に12個(250g)の焼き餃子を、焼き面を下にして、配列、充填した。焼き餃子の焼き面とトレー内面とは密着し、充填操作中、あるいは充填後の一時保持時に焼き餃子の配列は乱されることはなかった。 【0059】 充填後、焼き餃子をトレーごと−40℃のフリーザー内に1時間保持した。トレーごとポリプロピレン製透明袋に収容し、開口部をヒートシール後、−18℃に維持してある冷凍庫中に20日間、保存した。20日後に取り出し、透明袋に2か所の小孔を開けた後、500W容の電子レンジ内で5分間、解凍、加熱調理した。加熱調理時にトレー内の焼き餃子の配列は乱されることはなかった。透明袋を除去し室温まで放冷後、評価試験に供した。5名のパネル全員は、焼き餃子の焼き面のクリスピー感は好ましい状態を保持していることを確認した。 【実施例5】 【0060】 =食用油に焼き面を浸漬した焼き餃子を充填、包装した例= サラダ油を満たした大型の浅いトレー内中で、焼き面をサラダ油に浸漬した焼き餃子12個(250g)を、自動充填機を使用し油をひいてないポリプロピレン製の長方形浅皿型トレー内に、焼き面を下にして、配列、充填した。焼き餃子の焼き面とトレー内面とは密着し、充填操作中、あるいは充填後の一時保持時に焼き餃子の配列は乱されることはなかった。 【0061】 充填後、焼き餃子をトレーごと、−40℃のフリーザー内に1時間保持した。トレーごと、ポリプロピレン製透明袋に収容し、開口部をヒートシール後、ポリプロピレン製透明袋に収容し、開口部をヒートシール後、−18℃に維持してある冷凍庫中に、20日間、保存した。20日後に取り出し、透明袋に2か所の小孔を開けた後、500W容の電子レンジ内で5分間、解凍、加熱調理した。加熱時にトレー内の焼き餃子の配列は乱されることはなかった。透明袋を除去し室温まで放冷後、評価試験に供した。5名のパネル全員は、焼き餃子の焼き面のクリスピー感は好ましい状態を保持していることを確認した。 【実施例6】 【0062】 =焼き面を多重の皮にした餃子の製造と解凍再加熱後、室温保存時における食感と関係= (焼き面を多重にした餃子の皮の調製) 通常の方法に従って、強力粉より厚さ0.7mm の麺帯を調製した。これを短径9cm、長径13cmの楕円形に打ち抜き、焼き面となる部分となる皮の中央部を3重になる様に折り畳み、餃子の皮を調製した。 【0063】 (餃子の調製) この3重皮に、実施例で調製したものと同一の餃子の具を折り畳んだ部分が餃子の下部、すなわち、焼き面となるようにして包み、生餃子を調製した。生餃子を沸騰状態にある蒸し器中に10分間保持し、蒸し餃子を取得した。 【0064】 (蒸し餃子の冷凍保存) 室温下に放冷した蒸し餃子をポリプロピレン製のトレーに並べ、−40℃のフリーザー内に1時間保持後、トレーごとポリプロピレン製の透明袋に収容し、開口部をヒートシール後、−18℃に維持してある冷凍庫に一昼夜冷凍保存した。凍結後の餃子の平均重量は、21〜22g/個であった。 【0065】 (焼き餃子の調製) 上記の冷凍餃子12個 260gを予め180℃に設定しておいたホット・プレート上に並べ、1分間保持後、餃子に対して4分の1重量の熱水を注ぎ、直に蓋で覆い密閉して7分間保持して、蒸し焼き調理を行った。蓋を取り、解放下、さらに1分間加熱して、焼き餃子を取得し、試験区サンプルとした。 【0066】 (室温放置) これらの調理済の試験区サンプルを20℃の室温下に放置し、調理直後から4時間後まで、1時間毎にサンプリングした。 【0067】 (対照区サンプルの調製) 上記の麺帯より、通常の方法に従い、直径9cmの円形に打ち抜き、一枚皮のまま具を包み、対照区サンプルとした。以下の冷凍保存、焼き餃子の調製、室温放置の条件などは、試験区サンプルと同一である。 【0068】 (官能評価試験) 官能評価方法により、焼き餃子の焼面のクリスピー感の保存状態を評価した。室温下に規定時間経過直後のサンプルを直に5名のパネラーに供し、クリスピー感を5点評価法により採点した。平均評点小数点2桁における四捨五入値が2点以下になった時間(室温放置限界時間)を以て、焼き面のクリスピー感は、商品として、最早、許容できない限界(焼き面のクリスピー感の官能限界)に達したものと認めた。 【0069】 (評価試験の結果) 試験区サンプルおよび対照区サンプルについて、上記の方法で評価、算定した平均得点およびパネラーによる代表的なコメントを表4に示す。 【0070】 【表4】
【0071】 (評価試験の結果の判断) 表4に示す数値から明らかな様に、試験開始直後から4時間の範囲で、焼き面を3重に成型した試験区サンプルの平均得点は、対照区サンプルの平均得点よりも顕著に大きいことが認められた。 【実施例7】 【0072】 =焼き面を多重の皮とし、食用油を付着して冷凍保存した焼き餃子における焼き面の食感の向上= (試験区サンプルの調製) 実施例6の方法に準じ、焼き面を3重にした皮に具を包んで生餃子を調製し、直ちに蒸し焼き調理して焼き餃子を取得した。 【0073】 (食用油の付着処理) 予めサラダ油40gを収容したポリプロピレン製の複数の長方形トレーを用意し、これらのトレーに上記の焼き餃子を各12個宛、その焼き面を下向きに配列し、焼き面にサラダ油が均一に付着する様にした。 【0074】 (冷凍処理) 上記の各トレーを−40℃のフリーザー内に1時間保持後、ポリプロピレン製の透明袋に収容し、開口部をヒートシールにより密封した。 【0075】 (冷凍保存処理) これらのトレー入り冷凍焼き餃子を、自動霜取り装置が2回/日作動する−18℃の冷凍庫内に冷凍保存した。 【0076】 (対照区サンプルの調製) 通常の方法により、実施例6に準じて麺帯を直径9cmの円形に打ち抜き、この皮を用いて具を包み、以下、試験区サンプルと全く同様にして、蒸し焼き調理、食用油の付着処理、冷凍処理および冷凍保存処理を行い、対照区サンプルを調製した。 【0077】 (官能評価試験) 冷凍保存処理開始直後および毎5日にサンプリングした試験区サンプルおよび対照区サンプルを同時に、沸騰状態に維持してある蒸し器中で8分間加熱し、解凍、再加熱調理した。室温まで放冷後、直ちに5名のパネラーに供し、焼き餃子の焼き面におけるクリスピー感を採点させた。評価方法および評点による冷凍保存限界日数の算定方法は実施例6に準じて行った。 【0078】 (評価試験の結果) 3重皮の焼き面にサラダ油を付着させて保存した試験区サンプルおよび1枚皮の焼き面の対照区サンプルについて、評価、算定した平均得点およびパネラーによる代表的なコメントを表5に示す。 【0079】 【表5】
【0080】 (評価試験の結果の判断) 表5に示す数値から明らかな様に、焼き面を3重皮にした試験区サンプルは、冷凍下120日間の長期に亙って、焼き面の食感が好ましい状態に保存された。一方、1枚皮の対照区サンプルの冷凍保存限界日数は75日程度であった。又、これらの結果より、焼き面を多重皮となし更に食用油を付着すると、冷凍保存限界日数は相乗的に延長されるものと推定された。 【図面の簡単な説明】 【0081】 【図1】従来の焼き餃子の断面の模式図である。 【図2】具を複数の皮で包み皮の全体を多重状態に成形した焼き餃子の断面の模式図である。 【図3】皮の全体に深い褶曲を設け、多重構造に成形した焼き餃子の断面の模式図である。 【図4】焼き面部分の一端の皮を延長し、焼き面を覆う様に成形した焼き餃子の断面の模式図である。 【図5】焼き面の中央部分を撮み出し、これを左右に展開、延長し、焼き面を覆う様に成形した焼き餃子の断面の模式図である。 【図6】焼き面の一端及び中央部分を撮み出し、これらを延長した2個の延長部分により焼き面を覆う様に成形した焼き餃子の断面の模式図である。 【図7】焼き面の両端の皮を撮み出し、これらを展開、延長した2個の延長部分を焼き面部分の中央方向に折り曲げ、焼き面を覆う様に成形した焼き餃子の断面の模式図である。 【図8】略同形に成形してある麺帯片を2枚重畳して焼き面に接着した焼き餃子の断面の模式図である。 【符号の説明】 【0082】 1:焼き餃子の具 2:焼き餃子の皮 矢印:焼き面
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000066 【氏名又は名称】味の素株式会社 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目15番1号
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| 【出願日】 |
平成17年4月4日(2005.4.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092082 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 正年
【識別番号】100099586 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 年哉
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| 【公開番号】 |
特開2005−198666(P2005−198666A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月28日(2005.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願2005−107323(P2005−107323) |
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