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【発明の名称】 柑橘類の果皮を原材料とする液状飲用物
【発明者】 【氏名】宮内 ユタカ

【要約】 【課題】柑橘類の果皮を原材料とし、血圧調整、及び貧血防止、更には動脈硬化防止の作用を期待し、且つ発揮し得る飲用物の構成を提供すること。

【解決手段】柑橘類の果皮を原材料とし、アミノ酸として、プロリン、アルギニン、イソロイシンをも含有し、必要に応じてヌートカトン、若しくはビタミンPを構成するヘスペリジン、エリオシトリン、ルチンの何れか、又はプロリン、アルギニン、イソロイシンをも含有しており、且つ長期の保存が可能な状態にて、血圧調整、及び貧血防止、更には動脈硬化防止などの効果を達成することができる液状飲用物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柑橘類の果皮を原材料とし、アミノ酸として、メチオニン、リジン、ヒスチジンを含有し、且つビタミンCを含有していることによる液状飲用物。
【請求項2】
抗菌物質であるヌートカトンを含有していることを特徴とする請求項1記載の液状飲用物。
【請求項3】
伊予柑及び八朔を原材料とし、アミノ酸として、プロリン、アルギニン、イソロイシンをも含有していることを特徴とする請求項1記載の液状飲用物。
【請求項4】
血圧値及び血糖値を抑制することができる請求項3記載の液状飲用物。
【請求項5】
ビタミンPを構成するヘスペリジン、エリオシトリン、ルチンの何れかを含有していることを特徴とする請求項1記載の液状飲用物。
【請求項6】
血液におけるコレステロール値及び中性脂肪値を抑制することができる請求項5記載の液状飲用物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、柑橘類の果皮を原材料とし、且つ血圧を調整し、しかも貧血を防止し得る液状飲用物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、柑橘類には、動脈硬化を防止し、しかも、柑橘類中の繊維成分であるペクチンは、動脈への沈殿物を除去することによって、血圧を調整する作用を有することが知られている。
【0003】
他方、メチオニン、リジン、プロリン等のアミノ酸が、血圧を降下させ、且つ脳卒中を予防する作用を有していること、更には、ヒスチジン、メチオニン等のアミノ酸が、貧血防止の作用を有することは、医学的知見として、既に知られている。
【0004】
そして、柑橘類の抽出液中に、所定のアミノ酸が含有されていることは、育毛効果を有している素材に関する本出願人が既に行った特許出願によって、公然と知られている(特開平4−342517号公報、特開平9−202716号公報)。
【0005】
しかしながら、柑橘類の果皮を原材料とし、液体エキスを抽出したうえで、特定のアミノ酸、及びビタミンCを含有することに着目し、所定の健康上の効果を目的として、当該液体エキス自体を、液状飲用物とする構成は、これまで提唱されておらず、精々茶、又はワイン等の特定の飲用物の構成の一部とするような構成が、提唱されているに過ぎない(特開昭63−188374号公報、特開平6−205664号公報)。
【0006】
【特許文献1】特開昭63−188374号公報
【特許文献2】特開平4−342517号公報
【特許文献3】特開平6−205664号公報
【特許文献4】特開平9−202716号公報
【非特許文献1】日本食品衛生学会第51回学術講演会講演要旨50頁
【非特許文献2】生薬学雑誌1988年3月号41頁ないし47頁の「Citrus属に含まれるフラバノイドに関する研究」と題する論文
【非特許文献3】「南山堂医学大辞典」(株式会社南山堂1979年10月1日4刷発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、柑橘類の果皮を原材料とし、血圧調整、血糖値調整、及び貧血防止の作用を期待し、且つ発揮し得る液状飲用物の構成を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明の構成は、柑橘類の果皮を原材料とし、アミノ酸として、メチオニン、リジン、ヒスチジンを含有し、且つビタミンCを含有していることによる液状飲用物からなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明による液状飲用物は、前記各アミノ酸、及びビタミンCを含有しているので、継続的な飲用によって、効率的に、高血圧の低下等の血圧調整、及び血糖値調整、更には、貧血防止による効果を期待し、且つ発揮することができる。
【0010】
しかも、本発明による液状飲用物は、広範な抗菌作用を有しているヌートカトン(C22O)を含有しているので、殆ど腐敗せずに、長期の保存によって、前記効果を保証することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の液状飲用物は、柑橘類の果皮に対し、物理的な押圧、又はメチルアルコールとの共存によって、液体エキスを抽出し、共存する固形物をμm単位以下の網目を介した濾過によって得ることができる。
【0012】
前記液状物質を加熱蒸散することによって得られた残留物質は、カラメル(砂糖を燒結することによって得られる物質)と同様の甘味を感知することができることから、糖分が含有されているものと解することができる。
他方、前記液状物質には、複数種類のアミノ酸(但し、人体に必要な20種類のアミノ酸、及びこれら以外のアミノ酸の双方を含む。)が包含されている。
【0013】
因みに、甘夏柑は、我が国の典型的な柑橘類に該当するが、甘夏の果皮をアルコールとの共存によって抽出し、前記のような微細な網目によって濾過したことによる液状エキスに対し、活性炭カラムクロマトグラフィー、イオン交換カタムクロマトグラフィー、セルロースカラムクロマトグラフィー、セファデックスG−25カラムクロマトグラフィー等による活性画分を行ったことによって得られた白色粉末に対するアミノ酸分析を行うことによって、主成分とすると共に、メチオニン、リジン、ヒスチジンによるペプチド(アミノ酸の結合体)を含有されていることが判明している(尚、前記の分析は、社団法人北里研究所に対する依頼によって行われた。)。
【0014】
前記分析からも明らかなように、本発明の液状飲用物における各アミノ酸は、アミノ酸単独の場合と、ペプチド結合を行っている場合の双方とが共存し得る。
【0015】
他方、柑橘類の果皮は、本来、多量のビタミンCであるアスコルビン酸が含有しており、加熱を伴なわない液体エキスの抽出を行った場合には、必然的に、ビタミンCを残存していることになる(尚、この点は、後述する実施例における表2を参照されたい。)。
【0016】
非特許文献1に示すように、柑橘類の果皮には、広範な抗菌作用を有しているヌートカトン(C1522O)が含有されている。
【0017】
本発明において、柑橘類の果皮から得られた液体エキスである液状物質は、保存しても、カビの発生、又は腐敗等が生じないが、その原因としては、前記ヌートカトン(C1522O)が含有されていることに由来している。
【0018】
このように、本発明による液状物質は、長期の保管に伴なって、長期の飲用が可能であるが、前記のように、メチオニン、リジン、ヒスチジンを含有していることから、長期の飲用によって、血圧降下作用、及び血糖値降下作用を期待し、且つ発揮することが可能であり、現に、出願人に対しては、そのような点を客観的に裏付ける報告が行われており、更には、低血圧の者が、正常な血圧に上昇した旨の報告さえ行われている。
【0019】
しかも、ビタミンCの含有によって、血液凝固促進作用を発揮しており、前記のような血圧調整作用効果は、前記ビタミンCの血液凝固作用によって促進される可能性がある。
【0020】
本発明の液状飲用物に含有されているメチオニンは、単に高血圧の降下作用を有しているだけではなく、貧血に対しても、有用であるものとされている。
【0021】
したがって、本発明の液状飲用物の長期の飲用によって、貧血に対しても、効果的な治療を期待し、且つ発揮することができる(尚、この点に関する具体的な結果については、実施例によって後述する通りである。)。
【0022】
以下実施例に従って更に具体的な構成について説明する。
【実施例1】
【0023】
柑橘類の未熟果皮を原材料とし、甘夏と、伊予柑と八朔との各果皮を、それぞれ2kg、2kg、1kg採取したうえで、個別の容器に収納し、各容器に1級の日本酒を3.6ml加え、7日間常温にて浸漬・精緻して得られた液体を、それぞれ1600cc、1600cc、1200cc(但し、何れも日本酒によるメチルアルコールを、基本的に除去している。)を抽出した後、1.5μm以下の隙間を有している濾紙によって5回程濾過を繰り返したことによって、液状飲用物を得ることができた。
【0024】
前記によって抽出された液状物質のアミノ酸分析結果、及びビタミン分析結果は、それぞれ表1、及び表2記載の通りである(尚、前記の各分析はいずれも、財団法人日本食品分析センターに対する依頼によって行われた。)。

表1 アミノ酸含有量(mg/g)


【0025】
表2 ビタミン含有量(mg/100g)


【0026】
表1、及び同2の分析結果によれば、実施例による液状飲用物の場合には、メチオニン、リジンだけではなく、プロリン、アルギニンのような血圧を降下させるアミノ酸を大量に含有すると共に、ヒスチジンだけではなく、イソロイシンのような貧血防止作用を有するアミノ酸をも、含有しており、ビタミンCは無論のこと、ビタミンB、B、Bまでも含有していることが判明する。
【0027】
前記のようにして製造された液状飲用物を、1名の患者において、1ヶ月当たり約180ml(約1合)飲用したことによって、血小板の変化状況は、以下の表3の通りである。

表3


【0028】
このように、実施例による液状物質は、単に血圧調整だけではなく、血小板の増加による貧血症状の克服において、顕著な機能を発揮しているが、その背景には、ヒスチジン、及びイソロイシンのような貧血症状に有効なアミノ酸を多量に含有することに由来しているものと解される。
【0029】
前記のように製造された液状飲用物を、他の1名の患者において1ヶ月当たり約180ml(約1合)飲用を継続することによって、2ヶ月経た後の血糖値及び糖値の変化状況は、以下の表4の通りである。

表4



【実施例2】
【0030】
一般に、ヘスペリジン、エリオチトリンは、相互に類似した化学構造式を有しており、何れもビタミンPに該当するものとされているが、橙、夏みかん、八朔などの未熟果皮には、ヘスペリジン、及びルチンを含有しており(非特許文献2参照)、レモンは、エリオチトリンを含有していることが報告されている(非特許文献3参照)。
【0031】
そしてビタミンPは、ビタミンC欠乏による欠陥の脆弱化を防止し、かつ毛細血管を安定化することによって、高血圧及び動脈硬化などに効果があるものとされている(非特許文献3参照)。
【0032】
実施例1の製法のように、甘夏、伊予柑、八朔の各果皮について、未熟段階の果皮を採用する場合には、多くのヘスペリジンによるビタミンPを含有しており、現に100gあたり17mgのビタミンPの存在が検出されている。
尚、非特許文献2においても、成熟した果皮の場合においても、ビタミンPが含有することが報告されているが、実施例1の検出結果は、このような報告例よりも多量のビタミンPを含有していることになる。
【0033】
したがって、実施例1の飲用物においても、ビタミンPが含有されていることは、十分推定されるところである。
【0034】
実施例の飲用物を、他の1名の患者において飲用したところ、血液内の総コレステロール値及び中性脂肪値の変化は、以下の表5記載の通りである。
表5


【0035】
前記表5の経過は、中性脂肪値として安定な状態を維持しながら、総コレステロール値が減少していることから、動脈硬化が生じ難い症状に至っていることを証明している。
【0036】
ビタミンCの作用だけでは、このような総コレステロール値の抑制をこれまで経験していないことに照らした場合、前記抑制の効果は、ビタミンCのみならず、ビタミンPの作用が介在していることに由来するものと解される。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、柑橘類の果皮という比較的入手しやすい原材料に基づき、当該果皮に含有しているアミノ酸及びビタミンCの組合せによって、血圧調整、血糖値の調整、及び貧血防止、更にはコレステロール値の抑制という健康上の効果を期待し、且つ発揮し得る健康食品分野において、利用することができる。

【出願人】 【識別番号】591148532
【氏名又は名称】宮内 ユタカ
【出願日】 平成16年4月7日(2004.4.7)
【代理人】 【識別番号】100084696
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 直人

【公開番号】 特開2005−198642(P2005−198642A)
【公開日】 平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願番号】 特願2004−112802(P2004−112802)