| 【発明の名称】 |
生中華麺の製造方法並びにその調理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高瀬 義治 【住所又は居所】埼玉県八潮市鶴ヶ曽根705番地 中野食品株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】生麺でありながら従来のように火にかけて茹でる手間を必要とせずに、単に熱湯を注ぎ、わずかな時間を待つだけで喫食できる生中華麺の製造方法であり、かつその調理方法に関する。
【解決手段】主原料として小麦粉たん白含量8〜12重量%の小麦粉と馬鈴薯澱粉を使用し、馬鈴薯澱粉配合比が40〜60重量%になるように混合したものに対して、小麦グルテン4〜7重量部、卵白粉末2.5〜5重量部の配合比で添加混合して常法により製麺する。前記製麺した未加熱の生中華麺について、熱湯を注ぐのみで、そのまま喫食可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主原料として小麦粉たん白含量8〜12重量%の小麦粉と馬鈴薯澱粉を使用し、馬鈴薯澱粉配合比が40〜60重量%になるように混合したものに対して、小麦グルテン4〜7重量部、卵白粉末2.5〜5重量部の配合比で添加混合して常法により製麺にすることを特徴とする生中華麺の製造方法。 【請求項2】 主原料として小麦粉たん白含量8〜12重量%の小麦粉と馬鈴薯澱粉を使用し、馬鈴薯澱粉配合比が40〜60重量%になるように混合したものに対して、小麦グルテン4〜7重量部、卵白粉末2.5〜5重量部の配合比で添加混合して常法により製麺した未加熱の生中華麺について、熱湯を注ぐことを特徴とする生中華麺の調理方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、生麺でありながら従来のように火にかけて茹でる手間を必要とせずに、単に熱湯を注ぎ、わずかな時間を待つだけで喫食できて、さらに喫食時に70〜80℃の低い湯温でも喫食できる生中華麺の製造方法であり、かつその調理方法に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、生麺は、製麺機により麺生地を細長く線切りされたものであって、次工程の加熱処理が施されていないものを指し、これを茹でたものが茹で麺である。 【0003】 従来より、「カップめん」の分野において、茹で麺を加熱殺菌し、保存性を高めた「生タイプカップめん」がすでに販売されている。さらには、中華麺(ラーメン)の生タイプも存在している。 【0004】 また、「調理麺」(簡便な食品、すなわちコンビニエンスフードとして、完全調理済みであって、調理の手間や時間の一部を省けるように予め加工処理された麺)もすでに存在しており、これら「生タイプカップめん」と「調理麺」は、レンジアップ(電子レンジ利用による調理)やお湯を注ぐだけで喫食することができ、簡便性には長けている。 【0005】 しかし、従来より提供されている生中華麺は、喫食時には必ず茹でることが不可欠であり、調理上の手間から見ると、いわゆる即席麺(インスタントラーメン)や調理麺と比較して簡便性に欠けていた。 【0006】 一方、従来のレンジアップやお湯を注ぐだけで喫食でき、茹でを必要としない麺の場合は、簡便性には長けていたが、それが茹で麺であったり、油で揚げた即席麺であることから、生麺特有の茹でたてとして、好まれるコシのある食感とは、ほど遠いものであった。そのうえ、茹で麺は、保存中に茹で伸びを起こし、経時変化が大きいという欠点もあった。 【0007】 そこで、熱湯を注ぎ、短時間で簡便に喫食を可能とする生中華麺または半生中華麺の製造方法並びにその調理方法が知られている(特許文献1)。 【0008】 しかしながら、上記の配合の生中華麺または半生中華麺は、主原料として小麦粉たん白含量が15〜18重量%の高蛋白小麦粉を使用しているので、ポットなどに保温してある湯温90℃のお湯を、注いだ場合には、粉っぽさが残ってしまい、美味しさの点で本来の生中華麺の優位性を感じさせなかった。 【特許文献1】特開平11−28067号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は、従来技術において、未解決であった茹で麺が経時変化を起こすという欠点、従来の即席麺が生麺を茹でたものと食感が異なるという欠点を克服し、しかも短時間に簡便に喫食を可能にするとともに、さらに、喫食時に70〜80℃の低い湯温でも喫食することができる生中華麺の製造方法並びにその調理方法を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記目的を達成するための本発明の第一の構成は、具体的には、主原料として小麦粉たん白含量8〜12重量%の小麦粉と馬鈴薯澱粉を使用し、馬鈴薯澱粉配合比が40〜60重量%になるように混合したものに対して、小麦グルテン4〜7重量部、卵白粉末2.5〜5重量部の配合比で添加混合して常法により製麺にすることを特徴とする。 【0011】 そして、本発明の第二の構成は、主原料として小麦粉たん白含量8〜12重量%の小麦粉と馬鈴薯澱粉を使用し、馬鈴薯澱粉配合比が40〜60重量%になるように混合したものに対して、小麦グルテン4〜7重量部、卵白粉末2.5〜5重量部の配合比で添加混合して常法により製麺した未加熱の生中華麺について、熱湯を注ぐことを特徴とする。 【発明の効果】 【0012】 本発明の配合により、麺を製造すると、茹での手間を必要とせず、簡便に喫食可能な麺を製造できる。また、即席麺のような油で揚げたものや茹で麺でないため、生麺の茹で立ての食感を有する麺を製造することができる。さらに、喫食時に70〜80℃の低い湯温でも喫食することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下に、本発明の実施の形態を説明する。本発明者は、生中華麺について、茹でを必要とせずに熱湯をカップ状容器に注ぐのみで、そのまま喫食可能とするとともに、本格的な茹でたての食感が得られるように、試験、検討を重ねた結果、本発明の製造方法並びにその調理方法を見出した。 【0014】 本発明で使用する容器については、一般に、広く市場に提供されているどんぶり形状の紙製カップが適切であることから、カップ状容器としてPSP(ポリスチレンペーパー)製(内容量700cc)を採用した(以下、単に、カップという。)。 【0015】 また、熱湯に関しては、本来100℃により近いほうが好適であるが、ポットなどに保温してあるお湯を使用する場合も多く、90℃で湯戻りすることが必要と思われるため、試験の際の熱湯は、湯温90℃のものを使用した。 【0016】 また、試験に先立って、麺と熱湯の量的なバランスによる熱湯を麺に注いだ後の湯温が、本発明には、重要なポイントである3分後の喫食時に70〜80℃の低い湯温で喫食することができることを確かめるために、麺90gに対する熱湯の量と3分後の湯温の関係を以下の表1に示した。 【0017】 【表1】
【0018】 このような湯温の条件下において、湯戻りが可能となる生中華麺について、後述する本発明の目的とする生中華麺の配合を究明できた。 【0019】 本発明における該配合により製造した麺は、従来のような茹でることの手間が省けて簡便に喫食可能で、しかも、保存時における食感の経時変化がなく、熱湯を注ぐだけで本格的な茹で立ての食感をもたらす生中華麺となる。 【0020】 本発明に係わる前記中華麺の製造方法においては、原材料の配合における小麦粉のたん白含量、馬鈴薯澱粉の配合量、小麦グルテンの配合量、卵白の配合量、加水量が重要であり、それを使用しての製麺工程は、通常の工程による常法に従って行われる。 【0021】 本発明は、馬鈴薯澱粉を添加することにより、喫食時に70〜80℃の低い湯温でも、喫食可能な麺となるようにしている。また、馬鈴薯澱粉を配合すると食感が軟らかくなってしまうが、小麦グルテンと卵白を添加することにより、食感が軟らかくなってしまうことを防いでいる。 【0022】 本発明における小麦粉として、小麦粉たん白含量8〜12重量%の小麦粉を使用することが好ましい。小麦粉たん白含量が13%以上の小麦粉を使用すると、麺が固くなりすぎてしまい、食感のうえで、好ましくない。 【0023】 また、この原料小麦粉に対する配合として、馬鈴薯澱粉を40〜60重量%になるように混合するのが好ましい。馬鈴薯澱粉の配合量が40重量%より少ないと、湯温75℃程度では、麺が戻りきれず、茹でが足りないような食感になる。逆に、馬鈴薯澱粉の配合量が60重量%より多いと食感がやわらかく、麺の茹で伸びが早くなる。澱粉の種類によって、湯戻りの時間と湯温は変化してしまうため、同じ配合バランスでは、食感は変化することを考慮し、本発明では、馬鈴薯澱粉が好適と判断した。 【0024】 更に、食感が軟らかくなるのを防ぐには、卵白の配合として、小麦粉と馬鈴薯澱粉の混合したものに対し、2.5〜5重量部を添加することが好ましい。卵白の配合量が2.5重量部より少ないと軟らかい食感で茹で伸びが速くなり、また、卵白の配合量が5重量部より多くなると卵白特有の硬すぎる食感となり、好ましくない。 【0025】 次に、本発明により配合した粉をミキサーに入れ、加水を行い練る。加水量は製麺時の気温、湿度等に影響を受けるため、練りあがりの状態を見て決定することが望ましい。加水量が多すぎたり、少なすぎたりした場合、食感が悪くなったり、作業性が悪くなる。そのため常法に従い、通常の製麺工程を経てミキシング、形成、切出しを行い、麺を製造すればよい。 【0026】 以下に、実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。また、実施例の中の官能評価は5段階で評価しており、評価基準は、以下の通りである。 【0027】 5・・・とてもよい 4・・・よい 3・・・普通 2・・・やや悪い 1・・・悪い 【実施例1】 【0028】 主原料の小麦粉に含まれるたん白質の含量と小麦グルテンの添加量の違いによる比較を行った。表2に示す配合原料100重量%に対し、粉末かんすい1重量部、食塩1重量部、アルコール2重量部、クチナシ色素0.2重量部、水38重量部を加え、ミキサーに入れ10分間攪拌したあと、成形して麺帯とし、これを20番角刃にて切出し、生麺を得た。これら生麺をそれぞれ90gカップに入れ、熱湯(90℃、400ml)を注ぎ、3分後にパネラー6人で試食を行い、食感についての官能評価を行った。食感については、パネラー6人の平均値とした。結果は、表2に示すとおりである。 【0029】 【表2】
【0030】 表2の結果からわかるように、小麦粉たん白含量の値が12重量%よりも多い比較例1と、小麦粉たん白含量の値が8重量%よりも少ない比較例2は、何れも評価が低かった。これは、比較例1に関しては生っぽさを感じるごわごわとした食感であり、比較例2に関しては、逆にやわらかい食感になってしまったことによるものである。実施例1に関しては、食感は良い評価であった。この結果から、小麦粉のたん白含量が8〜12重量%の小麦粉が適することが確認された。また、小麦グルテンの添加量が4重量部未満の比較例3の食感は、コシが抜けたように柔らかすぎてしまい、小麦グルテンの添加量が7重量部よりも多く添加している比較例4の食感は、粉っぽさが残っており美味しいとは言い切れない。この点より小麦グルテンの添加量は4〜7重量部が好適であることが確認できた。 【実施例2】 【0031】 馬鈴薯澱粉の配合量の違いによる比較を行った。表3に示す配合原料100重量%に対し、粉末かんすい1重量部、食塩1重量部、アルコール2重量部、クチナシ色素0.2重量部、水38重量部を加え、ミキサーに入れ10分間攪拌したあと、成形して麺帯とし、これを20番角刃にて切出し、生麺を得た。これら生麺をそれぞれ90gカップに入れ、熱湯(90℃、400ml)を注ぎ、3分後にパネラー6人で試食を行い、食感についての官能評価を行った。表2と同様に食感については、パネラー6人の平均値とした。結果は、表3に示すとおりである。 【0032】 【表3】
【0033】 表3の結果より、馬鈴薯澱粉を60重量%よりも多く配合した比較例7は、柔らかくなりすぎてしまい、評価は低かった。これは、比較例7に関してはやわらかい食感になってしまったことによるものである。また、逆に馬鈴薯澱粉の配合量が40重量%未満の比較例8は、湯戻りしきれておらず、粉っぽさが残ってしまった。この結果から、馬鈴薯澱粉の配合量は40〜60重量%が好適であることが確認された。 【実施例3】 【0034】 (調理方法について) 前記した発明の実施の形態に示す製麺工程に従い、製造した麺90gをPSP(ポリスチレンペーパー)製のカップに入れた。次いで、熱湯(90℃)を約400ml注ぎ、軽く麺をほぐした。3分後、濃縮スープを入れかき混ぜた後、ネギ、チャーシュー、メンマなどの具材を加え、試食を行った。試食の結果、十分に喫食可能な状態であり、かつ従来の即席麺と同様に調理には手間がかからないにもかかわらず、生麺の茹で立ての好ましい食感が得られた。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】503447379 【氏名又は名称】中野食品株式会社 【住所又は居所】埼玉県八潮市鶴ヶ曽根705番地
|
| 【出願日】 |
平成16年1月19日(2004.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067541 【弁理士】 【氏名又は名称】岸田 正行
【識別番号】100087398 【弁理士】 【氏名又は名称】水野 勝文
|
| 【公開番号】 |
特開2005−198624(P2005−198624A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月28日(2005.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願2004−10994(P2004−10994) |
|