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【発明の名称】 鱒の寿司
【発明者】 【氏名】立野 義明

【要約】 【課題】鱒の切身のうち腹から背の部分としっぽ部分が同時に現れることによる味の不均一さ、美観の悪さを改善するために、全体の味が均一で、全体の美観も統一された鱒の寿司を提供すること。また、見た目を豪華な感じにでき、しかも、鱒の味を強調しやすい鱒の寿司を提供すること。

【解決手段】しっぽ部分を内側に、腹から背の部分を外側に配置した二重構造の鱒の切身を、すし飯に重ねてあることを特徴とする鱒の寿司。前記鱒の切身ですし飯の全面を覆ってあることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
しっぽ部分(6)を内側に、腹から背の部分(6)を外側に配置した二重構造の鱒の切身(3)を、すし飯(2)に重ねてあることを特徴とする鱒の寿司。
【請求項2】
前記鱒の切身(3)ですし飯(2)の全面を覆ってあることを特徴とする請求項1記載の鱒の寿司。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、富山県名産として知られている鱒の寿司に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な鱒の寿司とは、すし飯の表面を鱒の切身で覆った円盤形状の押し寿司である。そして、鱒の切身は、背から腹の部分だけでなく、しっぽ部分も利用するため、一つの鱒の寿司において、すし飯に鱒の切身のうち背から腹の部分がのっている箇所と、しっぽ部分がのっている箇所が出来る場合がある。
【0003】
ところが、鱒の切身はどの部分かによって味が微妙に異なっている。つまり、腹から背の部分は脂がのっていて濃厚な味がするが、しっぽ部分は淡泊な味がする。従って、鱒の寿司を切り分けて食べると、腹から背の部分がのっている箇所を食べれば濃厚な味がするが、しっぽ部分を食べれば淡泊な味がすることになり、切り分け箇所によって味に差が出来ることになる。
【0004】
また、上述したように脂ののり具合の差から、腹から背の部分は光沢があるのに対し、しっぽ部分はぱさついた乾いた感じに見えるので、しっぽ部分が存在することによって全体としての美観が不統一となり、美観を損ねることにもなる。さらに、腹から背の部分に比べてしっぽ部分は筋張っており、筋による縞模様がしっぽ部分は醜く見えるとも言える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のうち請求項1の発明は上記実情を考慮して創作されたもので、全体の味が均一で、全体の美観も統一された鱒の寿司を提供することを目的とする。
【0006】
また、上述した鱒の寿司は、鱒の切身で覆う箇所がすし飯の表面だけであるため、裏面や厚み面にすし飯が見え、見た目が貧弱であった。さらに、鱒の切身が載っている箇所は、すし飯の表面だけなので、すし飯の味が強調されやすくなり、鱒による濃厚な味が足りないと感じる人もいる。
【0007】
本発明のうち請求項2の発明は上記実情を考慮して創作されたもので、請求項1の発明の目的に加え、見た目を豪華な感じにでき、しかも、鱒の味を強調しやすい鱒の寿司を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、しっぽ部分を内側に、腹から背の部分を外側に配置した二重構造の鱒の切身を、すし飯に重ねてあることを特徴とする鱒の寿司である。
【0009】
ここでの内側とは、すし飯に直に触れる面側を意味し、外側とは、目視できる表面側を意味する。また、鱒の切身はすし飯の全面のうち、表面だけに重ねても良いが、鱒の味の強調や美観の向上には請求項2の発明のように、前記した二重構造の鱒の切身ですし飯の全面を覆ってあることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明は、しっぽ部分を内側に、腹から背の部分を外側に配置してある二重構造の鱒の切身を、すし飯に重ねてあるので、全体の味が均一となり、どの箇所を食べても同じ味がすることになり、食品としての完成度が高まる。また、しっぽ部分と腹から背の部分という微妙に味が異なる部分を重ねた状態で食べることによって、より複雑で奥深い味となる。さらに、目には鱒の切身の腹から背の部分が見え、しっぽ部分が隠れていることから、腹から背の部分による脂ののった光沢が全体に現れると共に筋による縞模様も全体的に統一され、おいしさを引き立てる要素となる美観が向上する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、鱒の切身ですし飯の全面を覆ってあるので、見た目が豪華となり、贈答品としての価値も上がる。また、鱒の切身ですし飯の全面を覆ってあるので、切り分けた時にその切断面には、桃色がかったオレンジ色の鱒の切身が白色のすし飯の表面、厚み面、裏面を連続して包んだ美しい形態が現れることになり、皿に盛った時の美観が向上する。さらに、鱒の切身ですし飯の全面を覆ってあるので、食べた時には、鱒の旨味が口中一杯に広がり、その鱒の旨味をすし飯が引き立てる役割を果たして、なんとも言えない満足感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の鱒の寿司1は図1に示すように、厚みのあるすし飯2の全面、即ち表面、裏面だけでなく、その周面(厚み面)をも鱒の切身3で覆い、鱒の切身3の外側を笹の葉4で包んだものである。
【0013】
鱒の寿司1を切り分けると、すし飯2の表面、周面、裏面が鱒の切身3でコ字状に連続して包まれていることが、目視できる。
【0014】
鱒の切身3は図2に示すように、腹から背の部分5と、しっぽ部分6に区別され、各部分5,6の大きさに応じて取り個数が決まる。また、しっぽ部分6はすし飯2に直に載せるものとし、腹から背の部分5はしっぽ部分6の上に重ねるものとする。従って、すし飯2に重ねる鱒の切身3は、内側がしっぽ部分6で、外側が腹から背の部分5の二重構造となる。また、鱒の切身3は、しっぽ部分6と、腹から背の部分5を別々に酢洗いして殺菌し、調味料によって味付けする。そして、酢洗いしてから、しっぽ部分6と腹から背の部分5を重ねて所望の厚みとしてある。なお、大量生産する場合には鱒の切身3は部分5,6毎に円筒状のドラム内に詰められており、所望の厚みで切り出して使用する。ちなみに、鱒の切身3の厚み方向中央に酢が浸透するには時間がかかるが、前述したように別々に酢洗いしたものを重ねて所望の厚さにしてあるので、同じ厚みの一枚物の鱒の切身を酢洗いするよりも、酢洗いの時間が短縮され、それに伴って脂が酢に溶出する量を減らすことが出来、脂による旨味が逃げず、また、脂による表面の光沢が十分に発揮でき、美観が向上する。
【0015】
上述した鱒の寿司1の最終的な作り方は、まず、円形の浅い容器に笹の葉を容器からはみ出す状態で敷き詰める(図示省略)。続いて、容器内の笹の葉の上に、二重構造の円形の鱒の切身3を載せるが、ここではしっぽ部分6を上にして載せることに注意を要する。そして、図2に示すように鱒の切身3の周縁部よりも内側にすし飯2を載せる。つまり、直径で言えば、鱒の切身3よりもすし飯を小さくする。そして、すし飯2の上に一回り大きな別の鱒の切身3を載せる。ここでは、腹から背の部分5を上にして載せることに注意を要する。そして、上下の鱒の切身3の周縁部を折り曲げて、円盤形となるすし飯2の厚み面を覆うことによって、すし飯2の全面が鱒の切身3で完全に覆われる。最後に、容器からはみ出した笹の葉4を折り返して上側の鱒の切身3を包み、上から蓋をし、最後に蓋と容器の底に、各々二本の竹の棒を配置し、容器の外側にはみ出す上下の竹の棒の両端部をゴムバンドで挟んで、蓋を押し付けた状態とする(図示省略)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の鱒の寿司を示す斜視図である。
【図2】本発明の鱒の寿司を作る工程を示す概略図である。
【符号の説明】
【0017】
1 鱒の寿司
2 すし飯
3 鱒の切身
4 笹の葉
5 腹から背の部分
6 しっぽ部分
【出願人】 【識別番号】504021150
【氏名又は名称】立野 義明
【出願日】 平成16年1月19日(2004.1.19)
【代理人】 【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道

【公開番号】 特開2005−198621(P2005−198621A)
【公開日】 平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願番号】 特願2004−10727(P2004−10727)