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【発明の名称】 蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料及びその製造方法
【発明者】 【氏名】江藤 忠士

【氏名】可知 雅祥

【要約】 【課題】魚類の軟骨から蛋白質とコンドロイチン硫酸を同時に抽出する。

【解決手段】魚類の軟骨を蛋白質分解酵素で酵素分解してペプチド状にしたことを特徴とする,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料である。また,魚類の軟骨に魚類の軟骨以上の重量の水を添加し,40℃以上の水温で蛋白質分解酵素を添加して酵素分解した後,固液分離し,液分を乾燥することを特徴とする,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法である。コンドロイチン硫酸が体内で良く吸収される。組織細胞の保水効果が高いため,老化に伴う体内での組織細胞の水分減少を抑えることができる。ペプチド状にした蛋白質は,ムコ多糖であるコンドロイチン硫酸の働きを活用化し,健康な骨や細胞を維持するのに有効である。食品衛生法に抵触しない製造方法により,魚類の軟骨から,コンドロイチン硫酸を体内で吸収しやすい状態にした食品原料を提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚類の軟骨を蛋白質分解酵素で酵素分解してペプチド状にしたことを特徴とする,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料。
【請求項2】
コンドロイチン硫酸が15%wt以上,蛋白質がwt85%以下であることを特徴とする,請求項1に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料。
【請求項3】
魚類の軟骨に水を添加し,40℃以上の水温で蛋白質分解酵素を添加して酵素分解した後,固液分離し,液分を乾燥することを特徴とする,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項4】
予め洗浄した魚類の軟骨を用いることを特徴とする,請求項3に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項5】
魚類の軟骨に,魚類の軟骨以上の重量の水を添加することを特徴とする,請求項3または4に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項6】
酵素分解する際に攪拌することを特徴とする,請求項3,4または5に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項7】
酵素分解を1時間以上行うことを特徴とする,請求項3,4,5または6に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項8】
活性炭,ろ過助剤を添加し,フィルタープレスでろ過することにより固液分離することを特徴とする,請求項3,4,5,6または7に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項9】
塩酸または硫酸を添加してpHを4.0〜4.5%に維持することにより油分を分離し,その後,活性炭,ろ過助剤を添加し,フィルタープレスでろ過することにより固液分離することを特徴とする,請求項8に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項10】
遠心分離機でろ過することにより固液分離することを特徴とする,請求項3,4,5,6または7に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項11】
液分をスプレードライ方式で乾燥することを特徴とする,請求項3,4,5,6,7,8,9または10に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【請求項12】
液分を減圧乾燥方式で乾燥することを特徴とする,請求項3,4,5,6,7,8,9または10に記載の蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本説明は,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンドロイチン硫酸は,軟骨組織から抽出・精製されるムコ多糖で,N−アセチル−D−ガラクトサミンの2つの糖と硫酸残基で構成され,通常,生体内では蛋白質と結合したコンドロイチン硫酸蛋白複合体として存在している。同素材の機能として注目されているのは,関節をはじめとする体内組織に対する「組織固定」「保水」「透過性促進」「組織修復」の各作用があり,関節症対応素材や美容素材として注目されている。多くのコンドロイチン硫酸は,その性質を利用して,蛋白質やカルシウム,グルコサミン,ビタミン等を配合することにより,関節症の緩和,皮膚の老化防止の健康食品原料として普及している。
【0003】
コンドロイチン硫酸の製造に関連する従来技術としては,例えば特開2001−57688号公報に示されるように,アルカリで軟骨を分解することによって軟骨組織からコンドロイチン硫酸を抽出する方法が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−57688号公報
【0005】
しかしながら,アルカリ分解すると,コンドロイチン硫酸ではなくコンドロイチン硫酸Naが得られてしまう。食品衛生法では,コンドロイチン硫酸Naは一部例外を除いて使用が禁止されているため,その製造方法の改良が必要であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は,魚類の軟骨から蛋白質とコンドロイチン硫酸を同時に抽出することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために,本発明によれば,魚類の軟骨を蛋白質分解酵素で酵素分解してペプチド状にしたことを特徴とする,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料が提供される。また,本発明によれば,魚類の軟骨に魚類の軟骨以上の重量の水を添加し,40℃以上の水温で蛋白質分解酵素を添加して酵素分解した後,固液分離し,液分を乾燥することを特徴とする,蛋白質とコンドロイチン硫酸を含有する食品原料の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって得られる食品原料を摂取すると,コンドロイチン硫酸が体内で良く吸収される。コンドロイチン硫酸は,組織細胞の保水効果が高いため,老化に伴う体内での組織細胞の水分減少を抑えることができる。また,ペプチド状にした蛋白質は,ムコ多糖であるコンドロイチン硫酸の働きを活用化し,健康な骨や細胞を維持するのに有効である。本発明によれば,食品衛生法に抵触しない製造方法により,魚類の軟骨から,コンドロイチン硫酸を体内で吸収しやすい状態にした食品原料を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明において用いられる魚類の軟骨は,例えば鮭やサメの軟骨であり,特にそれらの鼻軟骨が好適に用いられる。
【0010】
先ず,それら魚類の軟骨を予め洗浄し,それに魚類の軟骨以上の重量の水を添加する。そして,加熱することにより,40℃以上の水温とし,蛋白質分解酵素を添加して酵素分解する。添加する蛋白質分解酵素は,魚類や軟骨の種類に応じて,その種類が変る。蛋白分解酵素は,菌類,カビ類,酵母類,植物類,動物類に大きく次に分類されるが,魚類や軟骨の種類に応じて,その種類を適宜選択する。
【0011】
酵素分解する際には,攪拌し,液中全体で分解が行われるようにすることが好ましい。また,酵素分解は1時間以上行う。
【0012】
酵素分解後,固液分離する。この場合,活性炭,ろ過助剤を添加し,フィルタープレスでろ過することができる。また,塩酸または硫酸を添加してpHを4.0〜4.5%に維持することにより油分を分離し,その後,活性炭,ろ過助剤を添加し,フィルタープレスでろ過することもできる。また,遠心分離機でろ過しても良い。このように固液分離することによって,液分を脱脂,脱臭,脱色することができる。
【0013】
次に,固液分離した液分を乾燥する。液分の乾燥は,スプレードライ方式や減圧乾燥方式で行うことができる。
【0014】
こうして,コンドロイチン硫酸を15%wt以上含有し,蛋白質をwt85%以下含有する,ペプチド状の食品原料を得ることができる。こうして得られた食品原料を体内に摂取すると,コンドロイチン硫酸が体内で良く吸収される。コンドロイチン硫酸は,組織細胞の保水効果が高いため,老化に伴う体内での組織細胞の水分減少を抑えることができる。また,ペプチド状にした蛋白質は,ムコ多糖であるコンドロイチン硫酸の働きを活用化し,健康な骨や細胞を維持するのに有効的である。このように,,食品衛生法に抵触しない製造方法により,魚類の軟骨からコンドロイチン硫酸を含有する食品原料を製造できる。
【実施例】
【0015】
(実施例1)
先ず,クッカーに水2000リットルを入れ,70℃に加熱した。そこに鮭の鼻軟骨2000kgを投入し,水温70℃で30分加熱攪拌洗浄し脱水した。脱水後,再度クッカーに水2000リットルを入れこれを45℃に加熱し,蛋白分解酵素としてアロアーゼを2kg添加し,攪拌しながら4時間酵素分解した。その後,塩酸でpHを4.0に調整し,95℃で5分間過熱し酵素を失活させ2時間以上静置後ろ過して油分を分離させる。更に活性炭を4kg点添加し,50℃で2時間加熱攪拌し,さらにろ過助剤を添加して,常温で,フィルタープレスでろ過した。こうして固液分離して得た液分を脱塩し,濃縮させてから,除菌フィルターでろ過し,次いで,苛性ソーダを添加してpH6.5〜7に調整し,スプレードライで乾燥させた。こうして,得られた粉末は,コンドロイチン硫酸を20%wt以上含有し,蛋白質をwt80%以下含有する,ペプチド状の食品原料となった。
【0016】
(実施例2)
先ず,クッカーに水2000リットルを入れ,70℃に加熱した。そこに鮭の鼻軟骨2000kgを投入し,水温70℃で30分加熱攪拌洗浄し脱水した。脱水後,再度クッカーに水2000リットルを入れこれを45℃に加熱し,蛋白分解酵素としてアロアーゼを2kg添加し,攪拌しながら2時間酵素分解した。その後,95℃で30分間過熱し酵素を失活させ2時間以上静置後ろ過して油分を分離させ,更に活性炭を20kg点添加し,50℃で2時間加熱攪拌し,さらにろ過助剤を添加して,フィルタープレスでろ過した。こうして固液分離して得た液分を脱塩し,濃縮させてから,除菌フィルターでろ過し,スプレードライで乾燥させた。こうして,得られた粉末は,コンドロイチン硫酸を40%wt以上含有し,蛋白質をwt60%以下含有する,ペプチド状の食品原料となった。
【0017】
(実施例3)
サメの鼻軟骨を用いた以外は実施例と同様にして,粉末を得た。実施例2で得た粉末も,コンドロイチン硫酸を20%wt以上含有し,蛋白質をwt80%以下含有する,ペプチド状の食品原料となった。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明で得られる食品原料は,他の蛋白質やビタミンとの配合して使用することもできる。
【出願人】 【識別番号】502396409
【氏名又は名称】株式会社サンシーフーズ
【出願日】 平成16年1月15日(2004.1.15)
【代理人】 【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司

【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男

【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明

【公開番号】 特開2005−198557(P2005−198557A)
【公開日】 平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願番号】 特願2004−7828(P2004−7828)