| 【発明の名称】 |
保存装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】安信 淑子 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】橋野 真衣 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】食材として、ミンチ肉や薄切り肉あるいは魚の切り身等を冷凍保存するとき、組織の損傷、それに伴う解凍時の成分流出を抑制し、さらに解凍せずに、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる、つまり必要な量だけ取り出せる状態を実現することは難しい。
【解決手段】ミンチ肉や薄切り肉あるいは魚の切り身等を冷凍するとき、保存温度−20℃で、0℃から−3までの凍結速度(最大氷結晶生成帯通過速度)を0.1〜10℃/minに制御し、食材の品温が−3℃に到達したとき、解砕装置にて分割、剥離を行うことにより、冷凍保存前の食材の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍前に近い食味を実現し、−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができる状態が実現できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理室と、前記処理室内を冷却する冷却手段と、前記処理室内に載置した食材の温度を検知する手段、さらに前記処理室内に載置した食材の分割あるいは剥離を行う手段を有し、食材を処理室に載置したとき、0℃から−5℃に冷却する凍結速度を0.1〜10℃/minに制御し、食材の温度が−3〜−5℃に到達したとき、食材の分割あるいは剥離を行うように制御する手段を備えたことを特徴とする保存装置。 【請求項2】 食材を直接冷却する直冷式蒸発器を備え、凍結速度を制御する手段として、前記直冷式蒸発器での冷媒の蒸発温度を制御する蒸発温度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の保存装置。 【請求項3】 冷凍室内を間接的に冷却する強制対流式蒸発器と、前記強制対流式蒸発器近傍に設置した送風機と、前記送風機の風量を制御する風量制御手段を備え、凍結速度を制御する手段として、前記送風機の風量を制御する送風機風量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の保存装置。 【請求項4】 凍結速度を制御する手段として、前記処理室内の温度を制御する処理室内温度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の保存装置。 【請求項5】 冷却手段として、能力可変型の圧縮機を備え、凍結速度を制御する手段として、前記圧縮機の能力を可変する圧縮機能力制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の保存装置。 【請求項6】 凍結速度を制御する手段として、前記処理室内の下部に、強制冷却手段を有した食材を固体熱伝導で冷却する急凍プレートを備えたことを特徴とする請求項1記載の保存装置。 【請求項7】 前記強制冷却手段を備えた急凍プレートの構造として、金属板と、前記金属板下面に処理室内冷却空気を強制的に吹き付けて冷却する手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の保存装置。 【請求項8】 前記強制冷却手段を備えた急凍プレートの構造として、金属板と、前記金属板に冷媒配管を内蔵あるいは、下面に密着した形で備えたことを特徴とする請求項6記載の保存装置。 【請求項9】 前記強制冷却手段を備えた急凍プレートの構造として、金属板と、前記金属板にペルチェ冷却装置を内蔵あるいは、下面に密着した形で備えたことを特徴とする請求項6記載の保存装置。 【請求項10】 前記強制冷却手段を備えた急凍プレートの構造として、熱伝導率0.1〜10W/mKの熱伝導性の材料で形成されたことを特徴とする請求項6〜9記載の保存装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、食材などを保存あるいは処理するための保存庫あるいは機器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 食材は冷凍操作により組織の温度は急速に下がり、やがて組織内部の水が液体から固体へ変化する凍結点に達する。 【0003】 この凍結点を通過すると食材組織内の水が凍り始め、0℃〜−5℃(凍結する食材の種類や大きさによって多少の温度差はある)の凍結領域(最大氷結晶生成帯)を通過すると組織中の7〜8割の水分が凍結する。この凍結が食材中心部に達した後、再び食材の温度は下がり、食材が設置されている保存庫や機器内の処理室の雰囲気温度に達する。 【0004】 食材を一般的な保存庫である冷凍冷蔵庫の冷凍室内の雰囲気温度−20℃で冷凍保存すると、食材組織内部の水が凍る凍結領域(0〜−5℃)では氷結晶が生成され、組織中の70%の水分が凍結される。さらに−20℃まで食材の温度が下がると、氷結率が約90%に上昇し、組織中の水分の9割近くまで氷結晶が生成される。 【0005】 この氷結晶により食材の組織が破壊され、食材を解凍した際に水分及び旨味などがドリップとして食材から流出し、冷凍前の品質を著しく損なう原因となる。また、食材として例えば、ミンチ肉や薄切り肉あるいは魚の切り身を−20℃の雰囲気で冷凍保存すると、食材同士が接触している部位では、氷結晶の生成により食材同士がくっついて、調理に使用する際に、必要な量だけとりだすことができないという問題点も生じる。しかし、一般的に−20℃の雰囲気温度で保存すると、1ヶ月〜1ヶ月半の長期保存が可能となる。 【0006】 ここで、一般的な冷凍冷蔵庫の冷凍室内の雰囲気温度−20℃で、アルミ急凍プレートを用いて冷凍させると、凍結速度(最大氷結晶生成帯通過速度)が速くなり、氷結晶の成長が抑制され、食材組織に与えるダメージは少なくなる。 【0007】 しかし、ミンチ肉や薄切り肉あるいは魚の切り身等の食材同士が接触している部位では、氷結晶の生成により食材同士がくっついて、調理に使用する際に、必要な量だけとりだすことができないという問題点は解決できない。 【0008】 また、保存する食材を入れる保存室内部の雰囲気温度を凍結領域(0〜−5℃)まで上げると、食材の氷結率は約70%に留まり、氷結晶の生成が抑制され、食材組織に与えるダメージは少なくなる。 【0009】 しかし、ミンチ肉や薄切り肉や魚の切り身において、凍結領域まで上げて保存し、氷結率を70%に抑制しても、食材同士が接触している部位では、氷結晶の生成により食材同士がくっついて、調理に使用する際に、必要な量だけとりだすことができないという問題点は解決できない。さらに、雰囲気温度が −20℃の冷凍室での保存と比較して、保存期間が1週間〜2週間と短くなる。 【0010】 また、食材同士くっつかなくするために、例えば米飯においては−20℃以下の温度で急速凍結を行うことにより食材の表面の水分を凍結させたものをさらに解砕バラ化することによって解決している。 【特許文献1】特開平08−103232号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 従来の冷凍方法でミンチ肉を冷凍保存したときの、冷凍解凍後の成分濃度、食材同士のくっつき度、保存温度、凍結速度、調理後の官能評価及び保存期間は(表1)で示される。 【0012】 【表1】
【0013】 (表1)における組織状態の評価は、冷凍食材の解凍後の成分濃度の評価は、冷凍食材の成分がほとんど流出されていないときには○、成分の流出が冷凍前の成分の1/2未満のときには×、1/2以上のときには××とした。 【0014】 また、食材同士のくっつき度の評価は、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができるときには○、包丁で切れるときには×、解凍しないとはがせない状態を××とした。 【0015】 官能評価は冷凍前の生の状態を、3ポイントとし、この値に近い程冷凍前の食味に近いことを表し、1ポイント違うと食味の差が明確に認識される。 【0016】 (表1)より従来の冷凍方法1では、冷凍室内の雰囲気温度は−20℃であり、解凍後の成分濃度が悪くなり、くっついたミンチ肉は熱を加えないと必要な量だけはがせない状態であり、解凍調理後の官能評価も1ポイントであった。 【0017】 (表1)に示したように、従来の冷凍方法1では、冷凍室内の雰囲気温度は−20℃で、氷結晶により破壊された組織から水分とともに成分が食材外に流出するため、解凍後の成分濃度が悪くなり、解凍調理後の官能評価も冷凍前と比較して悪くなった。また、食材同士が接触している部位での氷結晶の生成により食材同士がくっついて、解凍や加熱しないとはがせない状態であった。 【0018】 また、従来の冷凍方法2では、成分濃度及び官能評価は従来の冷凍方法1と比較して良くなった。 【0019】 これは、(表1)により凍結速度0.1℃/minで急速凍結することにより、ミンチ肉の氷結晶の成長が抑制され、氷結晶による組織破壊が従来の冷凍方法1と比較して抑制されたためと考えられる。 【0020】 しかし、冷凍室内の雰囲気温度は−20℃で、氷結率は約90%あり、くっついたミンチ肉同士は解凍しないとはがせない状態であった。 【0021】 また従来の冷凍方法3においても、表1より成分濃度及び官能評価は従来の冷凍方法1と比較して良くなった。 【0022】 これは、冷凍室内の雰囲気温度を−3℃に上げることにより、ミンチ肉の氷結率が約70%に抑制され、氷結晶による組織破壊が従来の冷凍方法1と比較して抑制されたためと考えられる。 【0023】 しかし、くっついたミンチ肉同士は氷結率を抑えることにより、包丁で切れる状態にはなったが、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態にはならなかった。また、保存期間も一週間と、従来の冷凍方法1、2と比較して1/4と短くなった。 【0024】 よって、従来の冷凍方法4では、食材同士をスプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態にするため、解砕装置を冷凍室内に取り付けて、冷凍室内の雰囲気温度−3℃で冷凍させたミンチ肉を解砕することによりスプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態を実現した。 【0025】 しかしこのときの官能評価は表1に示したように、冷凍方法1よりさらに悪くなった。これは、解砕により組織に損傷が生じたことが原因であると考えられる。 【0026】 このように、従来の一般的な保存である冷凍冷蔵庫において冷凍保存した食材は、解凍時の組織の損傷、それに伴う成分流出も抑制し、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態を実現し、さらに1ヶ月の長期保存を可能にすることは難しい。 【0027】 本発明は、上記従来の課題を考慮して、食材の冷凍保存前の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍保存前に近い食味を実現し、食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができ、さらに1ヶ月の長期保存ができる冷凍物を得る保存庫及び機器を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0028】 上記課題を解決するため、本発明の保存装置は、処理室と、前記処理室内を冷却する冷却手段と、前記処理室内に載置した食材の温度を検知する手段を有した保存庫及び機器において、前記食材の0〜−5℃までの凍結速度(最大氷結晶通過速度)を0.1〜10℃/minにし、食材の温度が−3〜−5℃に到達したとき、食材の分割あるいは剥離を行うことにより、食材同士がくっつかず、1ヶ月保存することができる。 【発明の効果】 【0029】 本発明の保存装置によれば、食材を凍結するとき、保存温度−20℃で、0℃〜−3℃の凍結速度0.1〜10℃/minを実現し、食材の品温が−3℃に到達したとき、解砕装置にて分割、剥離を行うことにより、冷凍保存前の食材の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍前に近い食味を実現し、−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができかつ1ヶ月保存できる冷凍物を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0030】 請求項1に記載の保存装置の発明は、処理室と、前記処理室内を冷却する冷却手段と、前記処理室内に載置した食材の温度を検知する手段を有した保存庫及び機器において、前記食材の0〜−5℃までの凍結速度(最大氷結晶通過速度)を0.1〜10℃/minにし、食材の温度が−3〜−5℃に到達したとき、食材の分割あるいは剥離を行うことにより、食材同士がくっつかず、1ヶ月保存することができる。 【0031】 請求項2記載の発明は、請求項1の発明に食材を直接冷却する直冷式蒸発器を備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0032】 請求項3記載の発明は、請求項1の発明に処理室内を間接的に冷却する強制対流式蒸発器と、前記強制対流式蒸発器近傍に設置した送風機と、前記送風機の風量を制御する風量制御手段を備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0033】 請求項4記載の発明は、請求項1の発明に前記処理室内の温度を制御する冷凍室内温度制御手段を備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0034】 請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に、能力可変型の圧縮機を備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0035】 請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明に、金属板と、前記金属板の下部に、強制冷却手段を有した急凍プレートを備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0036】 請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明に、金属板と、前記金属板下面に室内冷却空気を強制的に吹き付けて冷却する手段を有した急凍プレートを備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0037】 請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明に、強制冷却手段を備えた急凍プレートの構造として、金属板と、前記金属板に冷媒配管を内蔵あるいは、下面に密着した形で備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0038】 請求項9記載の発明は、請求項1記載の発明に、強制冷却手段を備えた急凍プレートの構造として、金属板と、前記金属板にペルチェ冷却装置を内蔵あるいは、下面に密着した形で備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0039】 請求項10記載の発明は、請求項6〜9の発明に、熱伝導率0.1〜10W/mKの熱伝導性の材料で形成された急凍プレートを備えたものであり、所定の凍結速度を得ることができる。 【0040】 以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。 【0041】 (実施の形態1) 本実施の形態1における保存装置の構成および作用について、図1を参照にしながら説明する。 【0042】 図1は、本実施の形態1における保存装置を示す断面図である。10は冷凍保存する食材、11は食材の温度を検知する品温センサーで、12は処理室13内の温度を検知する室温センサー、18は解砕装置である。15は圧縮機、16は凝縮器、17はキャピラリーチューブ、14は直冷式蒸発器であり、順次環状に接続して冷凍サイクルを形成し、前記直冷式蒸発器14により、処理室13内を直接冷却する。 【0043】 図2は、本実施の形態1における保存庫本体外殻の一部に設けたコントロールパネル20であり、処理室内の温度を表示する温度表示パネル21、保存温度を設定する温度設定キー22、設定キーで設定した温度を確定する温度決定ボタン23、この温度決定ボタンを押すと数秒間温度表示パネルに設定された温度が表示される。また、食材同士くっつかずに冷凍保存する手段として処理ボタン24、処理が終了したことを知らせる保存ランプ25を備えている。 【0044】 食材を品温センサー11上に設置し、コントロールパネル20の処理ボタン24を押すことにより、急速凍結が行われ、品温センサー11が食材の温度−3〜−5℃を検知すると、解砕装置18が作動し、食品同士の分割あるいは剥離が行われる。 【0045】 その後処理室内の温度を検知する室温センサーが、−20℃を検知すると保存ランプ25が点灯する。 【0046】 ミンチ肉を例にとって、本実施の形態1における保存庫の処理室13にて冷凍保存させる工程を説明する。まず、コントロールパネル20の温度設定キーにて処理室内温度を−20℃に設定し、温度決定ボタン23を押す。次に、冷凍保存するミンチ肉を処理室内の品温センサー11上に設置し、処理ボタン24を押すことにより処理室内の食材の急速冷却が開始され、0℃から−3℃までの凍結速度0.1〜10℃/minが実現される。 【0047】 その後ミンチ肉の温度を検知する品温センサー11が、−3℃を検知すると急速冷却は終了し、その後解砕装置が作動し、食品同士の分割あるいは剥離が行われ、さらに処理室内の室温センサーが−20℃を検知すると保存ランプ25が点灯する。 凍結速度0.1〜10℃/minを実現する手段として、冷凍室内部の温度で制御する方法、蒸発器の冷媒の蒸発温度で制御する方法、圧縮機の能力で制御する方法がある。 【0048】 図3は、本実施の形態1における保存庫を用いてミンチ肉を冷凍保存したときの温度カーブであり、30は食材の温度を表す温度カーブ、31は処理室13内部の温度を表す温度カーブである。 【0049】 まず処理室13内が−40℃近くまで急冷され、それに伴い処理室13に設置したミンチ肉は、初期温度の20℃近辺から−3℃に到達するまで急速に冷却される。 【0050】 その後、処理室13内の温度が−40℃から、設定した保存温度である−20℃まで上昇し、処理室13内の室温センサーが−20℃を検知したらその後−20℃一定で保存される。このときミンチ肉は、0から−3℃まで約30分で冷却され、凍結速度0.1℃/minが実現されている。 【0051】 実施の形態の冷凍方法は(表2)で表される。 【0052】 【表2】
【0053】 これより実施の形態1では、冷凍室内の保存温度は−20℃であり、保存期間は1ヶ月であり、解凍後の成分濃度は、冷凍保存前と比較してほとんど流出されておらず、解凍調理後の官能評価も2ポイントであった。また、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態も実現された。 【0054】 これは、(表1)の従来の冷凍方法1の凍結速度0.05℃/minと比較すると、(表2)の実施の形態1の凍結速度は0.1℃/minと速くなっているため、氷結晶は小さく、食品内部から表面への水分の移行も抑制されており、さらに食品の品温が−3℃のときには、ミンチ肉の氷結率が約70%に抑制されているため、ミンチ肉表面に生成される氷結晶の層は薄くなり、解砕装置で簡単に食材同士はがせる状態になったと考えられる。 【0055】 さらに食材表面に氷結晶が生成されている分、表面層は硬くなり、解砕時の食材内部の組織への損傷が抑制されたと考えられる。 【0056】 また、凍結速度も従来の冷凍方法1より速くなっているため、氷結晶が小さくなり、氷結晶による組織破壊が抑制され、解凍後の成分濃度が冷凍前の状態を保持し、食味も良くなったと考えられる。 【0057】 以上述べたところから明らかなように、実施の形態1の保存庫は、ミンチ肉を保存温度−20℃で保存するとき、凍結速度0.1℃/minを実現し、食材の品温が−3℃に到達したとき、解砕装置にて分割、剥離を行うことにより、食材内部の組織に損傷を与えることなく、食材同士がはがせる状態になり、さらに冷凍前の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍保存前に近い食味を実現し、最終−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができかつ1ヶ月保存できる冷凍物を得る機能を有するものを提供することができることを特徴とするものである。 【0058】 (実施の形態2) 本実施の形態2における保存装置の構成および作用について、図4を参照にしながら説明する。 【0059】 図4は、本実施の形態2における保存庫を示す断面図である。10は冷凍保存させる食材、11は食材の温度を検知する品温センサーで、12は処理室13内の温度を検知する室温センサーであり、18は解砕装置である。保存庫は、図には示していないが、圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブを有し、強制対流式蒸発器40により、処理室内を冷却できる構造になっている。前記強制対流式蒸発器40で冷却された冷気は送風機41により冷凍室13内に強制通風される。42は処理室入口に設けて電気的入力で冷気流入量を調整するダンパーサーモであり、モータ43の駆動力によってダンパ−サーモ42を開閉するように構成されている。 【0060】 44は前記送風機からの冷気を前記処理室13内に導く吐出ダクト、また45は処理室内に冷気を吹き込む吹き出し口、46は処理室13内の冷却した冷気を前記冷却器40に戻すための吸い込みダクトである。 【0061】 また、本実施の形態2におけるコントロールパネル20は、本実施の形態1と同様の図2に示すような構成である。 【0062】 食材を品温センサー11上に設置し、コントロールパネル20の処理ボタン24を押すことにより、急速凍結が行われ、食材の温度を品温センサー11が−3〜−5℃を検知すると、急速凍結が終了し、解砕装置18が作動し、食品同士の分割あるいは剥離が行われる。 【0063】 その後処理室内の温度を検知する室温センサーが、−20℃を検知すると保存ランプ25が点灯する。 【0064】 薄切り肉を例にとって、本実施の形態2における冷凍機の処理室13にて冷凍保存させる工程を説明する。まず、コントロールパネル20の温度設定キーにて処理室内温度を−20℃に設定し、温度決定ボタンを押す。次に、冷凍保存する薄切り肉を処理室内の品温センサー11上に設置し、処理ボタン24を押すことにより処理室内の食材の冷却が開始され、0℃から保存温度−3℃までの凍結速度を0.1〜10℃/minが実現される。 その後薄切り肉の温度を検知する品温センサー11が、−3℃を検知すると急速冷却は終了し、その後解砕装置が作動し、食品同士の分割あるいは剥離が行われ、さらに処理室内の室温センサーが−20℃を検知すると保存ランプ25が点灯する。 【0065】 食材の凍結速度を制御する方法として、処理室内部の温度で制御する方法、蒸発器により冷却される冷気の温度で制御する方法、圧縮機の能力で制御する方法、ダンパーサーモにより処理室内に入る冷気の量で制御する方法及び送風機の風量で制御する方法がある。 【0066】 (表2)より実施の形態2では、実施の形態1と同様冷凍室内の保存温度は−20℃であり、保存期間は1ヶ月であり、解凍後の成分濃度は、冷凍前と比較してほとんど流出されておらず、解凍調理後の官能評価も2ポイントであった。また、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態も実現された。 【0067】 以上述べたところから明らかなように、実施の形態2の保存庫は、薄切り肉を保存温度−20℃で保存するとき、0℃から−3℃までの凍結速度0.1℃/minを実現し、食材の品温が−3℃に到達したとき、解砕装置にて分割、剥離を行うことにより、食材内部の組織に損傷を与えることなく、食材同士がはがせる状態になり、さらに冷凍保存前の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍前に近い食味を実現し、最終−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができかつ1ヶ月保存できる冷凍物を得る機能を有するものを提供することができることを特徴とするものである。 【0068】 (実施の形態3) 本実施の形態3における保存装置の構成および作用について、図5を参照にしながら説明する。 【0069】 図5は、本実施の形態3における保存装置の概略構成を示す断面図である。 10は冷凍保存させる食材、11は食材の温度を検知する品温センサーで、12は処理室13内の温度を検知する室温センサーである。保存庫は、図には示していないが、圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブを有し、強制対流式蒸発器40により、処理室13内を冷却できる構造になっている。前記強制対流式蒸発器40で冷却された冷気は送風機41により処理室13内に強制通風される。42は処理室13入口に設けて電気的入力で冷気流入量を調整するダンパーサーモであり、モータ43の駆動力によってダンパ−サーモ42を開閉するように構成されている。 【0070】 44は前記送風機からの冷気を前記処理室13内に導く吐出ダクトである。また、45は処理室13内に冷気を吹き込む吹き出し口であり、46は処理室13内の冷却した冷気を前記冷却器40に戻すための吸い込みダクトである。 【0071】 また50は、冷凍保存させる食材10を載置する急凍プレートであり、51は、急凍プレート50下面に処理室内の冷気を流通させる貫通孔であり、前記送風機41とは別に、前記急凍プレート50下面に流れ込んだ冷気を吹き上げるような送風を可能にする強制送風機52を備えた構成となっている。 【0072】 また、本実施の形態3におけるコントロールパネル20は、本実施の形態1と同様の図2に示すような構成であり、処理ボタン24を押すことにより、処理室内の温度が−40℃に制御されるように冷却が開始され、強制送風機52が作動する。 【0073】 魚の切り身を例にとって、本実施の形態3における保存庫の処理室13にて冷凍保存させる工程を説明する。まず、コントロールパネル20の温度設定キーにて処理室内温度を−20℃に設定し、温度決定ボタンを押す。 【0074】 次に、冷凍保存する切り身魚を処理室内温度に冷却された急凍プレート50上面に載置した。 【0075】 急凍プレート50は、固体熱伝導の効果をより高くするため熱伝導率0.1〜10W/mK材料で構成されている。 【0076】 次に、コントロールパネル20の処理ボタン24を押すことにより、−20℃の処理室内の温度は−40℃に冷却され、さらに強制送風機52が作動し、吹き出し口45より処理室13内に吹き込まれた冷気は急凍プレート50側面の貫通孔51から流れ込み、流れ込んだ冷気は強制送風機52により、急凍プレート下面に直接吹き付けられ、冷気の平均流速は上昇し、急凍プレート50は急速に冷却される。 【0077】 さらに急凍プレート50に載置された魚の切り身もそれに伴い急速に冷却される。 【0078】 また、吹き出し口45での冷気の平均流速は、約10cm/sであるが、強制送風機52により魚の切り身に吹き付けられた冷気の平均流速は約100cm/sとなり、凍結速度が0.15℃/minとなり、(表1)の従来の冷凍方法1の0.05℃/minより約3倍速くなった。 【0079】 その後魚の切り身の温度を検知する品温センサー11が、−3℃を検知すると急速冷却は終了し、その後解砕装置が作動し、食品同士の分割あるいは剥離が行われ、さらに処理室内の室温センサーが−20℃を検知すると保存ランプ25が点灯する。 【0080】 (表2)より実施の形態3では、実施の形態1と同様処理室内の保存温度は−20℃であり、保存期間は1ヶ月であり、さらに凍結速度が0.15℃/minが実現できたため、解凍後の成分濃度は、冷凍前と比較してほとんど流出されておらず、解凍調理後の官能評価も2ポイントであった。また、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態も実現された。 【0081】 以上述べたところから明らかなように、本実施の形態3の保存庫は、魚の切り身を保存温度−20℃で保存するとき、0℃から−3℃までの凍結速度0.15℃/minを実現し、食材の品温が−3℃に到達したとき、解砕装置にて分割、剥離を行うことにより、食材内部の組織に損傷を与えることなく、食材同士がはがせる状態になり、さらに冷凍前の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍前に近い食味を実現し、最終−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができかつ1ヶ月保存できる冷凍物を得る機能を有するものを提供することができることを特徴とするものである。 【0082】 (実施の形態4) 本実施の形態4における保存装置の構成および作用について、図6を参照にしながら説明する。 【0083】 本実施の形態4における保存装置は、本実施の形態3と同様の構成になっているが、図6に示したように食材を載置する急凍プレートに冷媒配管又は、ペルチェ冷却装置60を内蔵した構成になっている。 【0084】 また、本実施の形態4におけるコントロールパネル20は、本実施の形態1と同様の図2に示すような構成であり、処理ボタン24を押すことにより処理室内の温度が−40℃に制御されるように冷却開始され、急凍プレート50に内蔵された冷媒配管60内に−40℃の冷媒が循環される。あるいは、ペルチェ装置が作動する。 【0085】 ミンチ肉を例にとって、本実施の形態4における保存庫において、冷凍保存させる工程を説明する。まず、コントロールパネル20の温度設定キーにて処理室内温度を−20℃に設定し、温度決定ボタンを押す。 【0086】 次に、冷凍保存するミンチ肉を処理室内温度に冷却された急凍プレート50上面に載置した。 【0087】 急凍プレート50は、固体熱伝導の効果をより高くするため熱伝導率0.1〜10W/mK材料で構成されている。 【0088】 次に、コントロールパネル20の処理ボタン24を押すことにより、−20℃の処理室13内部の温度は、−40℃に冷却され、さらに急凍プレート50に内蔵された冷媒配管60内に−40℃の冷媒が循環される、あるいはペルチェ装置が作動し、急凍プレート50上面が約−40℃に冷却される。 【0089】 その急凍プレート50に載置されたミンチ肉もそれに伴い急速に冷却され、凍結速度が0.2℃/minとなり、表1の従来の冷凍方法1よりさらに4倍速くなった。 【0090】 その後ミンチ肉の温度を検知する品温センサー11が、−3℃を検知すると急速冷却は終了し、その後解砕装置が作動し、食品同士の分割あるいは剥離が行われ、さらに処理室内の室温センサーが−20℃を検知すると保存ランプ25が点灯する。 【0091】 (表2)より実施の形態4では、実施の形態1と同様冷凍室内の保存温度は −20℃であり、保存期間は1ヶ月であり、さらに凍結速度が0.2℃/minが実現できたため、解凍後の成分濃度は、冷凍前と比較してほとんど流出されておらず、解凍調理後の官能評価も2.5ポイントであった。また、スプーンやお箸で簡単にはがせるあるいは取り分けることができる状態も実現された。 【0092】 以上述べたところから明らかなように、本実施の形態4の保存庫は、ミンチ肉を保存温度−20℃で保存するとき、0℃から−3℃までの凍結速度0.2℃/minを実現し、食材の品温が−3℃に到達したとき、解砕装置にて分割、剥離を行うことにより、食材内部の組織に損傷を与えることなく、食材同士がはがせる状態になり、さらに冷凍保存前の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍前に近い食味を実現し、最終−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができかつ1ヶ月保存できる冷凍物を得る機能を有するものを提供することができることを特徴とするものである。 【産業上の利用可能性】 【0093】 以上のように、本発明にかかる保存装置は、冷凍保存前の食材の成分濃度を保ちつつ、解凍調理後冷凍前に近い食味を実現し、−20℃で食材同士がくっつかず、必要な量だけとりだすことができかつ1ヶ月保存できる冷凍物を得ることができ、食品加工,食品流通の現場や業務用,家庭用の冷凍機器などに幅広く適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0094】 【図1】本発明実施の形態1の保存装置の断面図 【図2】本発明実施の形態1のコントロールパネルの正面図 【図3】本発明実施の形態1における保存装置の温度特性図 【図4】本発明実施の形態2の保存装置の断面図 【図5】本発明実施の形態3の保存装置の断面図 【図6】本発明実施の形態4の保存装置の断面図 【符号の説明】 【0095】 10 食材 11 品温センサー 12 室温センサー 13 冷凍室 14 直冷式蒸発器 15 圧縮機 16 凝縮器 17 キャピラリーチューブ 18 解砕装置 20 コントロールパネル 21 温度表示パネル 22 温度設定キー 23 温度決定ボタン 24 処理ボタン 25 保存ランプ 30 食材の温度 31 処理室内部の温度 40 強制対流式蒸発器 41 送風機 42 ダンパーサーモ 43 モータ 44 吐出ダクト 45 吹き出し口 46 吸い込みダクト 50 急凍プレート 51 貫通孔 52 強制送風機 60 冷媒配管あるいは、ペルチェ装置
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社 【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
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| 【出願日】 |
平成16年1月15日(2004.1.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄
【識別番号】100103355 【弁理士】 【氏名又は名称】坂口 智康
【識別番号】100109667 【弁理士】 【氏名又は名称】内藤 浩樹
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| 【公開番号】 |
特開2005−198554(P2005−198554A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月28日(2005.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願2004−7722(P2004−7722) |
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