トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 米飯用粒状調味料
【発明者】 【氏名】大石 竜

【要約】 【課題】通常のおむすびと同様な優れた塩味風味を付与することができ、且つ、低コストで製造する。

【解決手段】塩成分と他の具材との分離を防止しながら米飯に局所的に塩味を付与するためには、塩成分として焼き塩を使用することを見出した。すなわち、本発明に係る米飯用粒状調味料は焼き塩と具材とを含む。焼き塩としては、目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分を主成分とすることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼き塩と具材とを含む、米飯用粒状調味料。
【請求項2】
上記焼き塩は、目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の米飯用粒状調味料。
【請求項3】
目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩を全焼き塩成分の重量に対して50重量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の米飯用粒状調味料。
【請求項4】
上記具材は、最長軸が1〜10mmである成分を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の米飯用粒状調味料。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれか一項記載の米飯用粒状調味料と、当該米飯用粒状調味料を封入した包装袋とを備える、包装調味料。
【請求項6】
請求項1乃至4いずれか一項記載の米飯用粒状調味料を用いた、おむすび。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯と混合して当該米飯に風味豊かな旨味を付加する、米飯用粒状調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
米飯と混合することで米飯に風味をつける調味料が各種知られている。例えば、このような米飯用の調味料としては、ふりかけ用調味料やおむすび用調味料等が市販されている。一般にこのような米飯用の調味料は、塩成分とその他の具材とを混合して所定の小袋又は中袋に封入した状態で輸送、販売及び保存される場合が多い。
【0003】
このような各種調味料の塩成分としては、従来、食塩又は調味顆粒を使用している。すなわち、食塩又は調味顆粒からなる塩成分をその他の具材と混合(ブレンドとも言う)し、所定の袋に所定量充填し、密封する。ここで調味顆粒とは、食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム(以下、MSGと称する)、でん粉及び乳糖等を混合後、加湿、成型、乾燥させることで形成される多孔質の物質である。
【0004】
おむすび用調味料の使用形態としては、炊飯した米飯適量をボールにとり、これに、適量のおむすび用調味料を加え、杓文字等でまんべんなく約1分間攪拌し、これを適量づつ手またはラップで成型する形態を例示できる。おむすび用調味料を用いたおむすびは、成型された直後あるいは数時間保管後に喫食される。
【0005】
ところが、従来のおむすび用調味料を用いたおむすびは、当該調味料がボール内で米飯に対してまんべんなく拡散するため、成型されたおむすび全体に塩成分が存在することとなり、風味において優れたものとはならない。通常、おむすびを作る場合には、手に塩をまぶし、米飯をかためる方法が採られる。この場合、おむすび表面に塩が局在化した状態となり、本来の風味豊かなおむすびとなる。これに対して、従来のおむすび用調味料を用いたおむすびでは、上述したように、本来のおむすびの風味とは異なり、特に塩味風味において満足できるものではなかった。
【0006】
さらに、従来のおむすび用調味料においては、塩成分と塩成分以外の具材とが製造工程時或いは保存時に分離してしまうことがあった。分離が生じてしまうと、おむすび用調味料の使用時に塩成分がかたまって米飯に加わることとなり、塩味の存する部分と塩味の存しない部分とが形成される。この場合、おむすび用調味料は商品として好ましくないものと言える。また、塩味風味に優れたおむすびを作ることも不可能である。
【0007】
製造工程における塩成分の分離を防止するためには、例えば、塩成分と他の具材とをブレンドせずに、それぞれ単独で袋に充填することが考えられる。しかしながら、このような方法では、おむすび用調味料の製造工程における管理工程が増加することとなり、また、製造装置も複雑なものとなるといった生産コストの増大が大きな問題となる。さらに、このような方法によっても製造された後の保存時における分離は防止することはできない。
【0008】
すなわち、従来のおむすび用調味料においては、通常のおむすびと同様な優れた塩味風味を付与することができ、且つ、低コストで製造することができるものは存在していないのが実状である。
【0009】
ところで、焼き塩としては、非特許文献1に開示されているように、焼塩は200度以上の高温で加熱した塩として知られている。また、塩味を改善することに関しては、特許文献1に開示されているように、おにぎりに塩粒と油とを混合した食用塩を用いることによって、機械製造おにぎりの塩味を改善する発明が提案されている。
【0010】
【特許文献1】特開平11−155523号公報
【非特許文献1】緒方昇、日本塩工業会、ユーザーのための塩学入門その1、食品と開発、VOL34、No.1 page35-36
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上述したような実状に鑑み、通常のおむすびと同様な優れた塩味風味を付与することができ、且つ、低コストで製造することができる米飯用粒状調味料、当該米飯用粒状調味料が封入された包装調味料及び当該米飯用粒状調味料を使用したおむすびを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、塩成分と他の具材との分離を防止しながら米飯に局所的に塩味を付与するためには、塩成分として焼き塩(「焼塩」と表記している文献等もあるが、本明細書においては「焼き塩」として統一して表記する)を使用することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)焼き塩と具材とを含む米飯用粒状調味料。
(2)上記焼き塩は、目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分を主成分とすることを特徴とする(1)記載の米飯用粒状調味料。
(3)目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩を全焼き塩成分の重量に対して50重量%以上含有することを特徴とする(1)記載の米飯用粒状調味料。
(4)上記具材は、長軸が1〜10mmである成分を主成分とすることを特徴とする(1)記載の米飯用粒状調味料。
(5)(1)乃至(4)いずれかに記載の米飯用粒状調味料と、当該米飯用粒状調味料を封入した包装袋とを備える、包装調味料。
(6)(1)乃至(4)いずれかに記載の米飯用粒状調味料を用いた、おむすび。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、優れた塩味風味を付与することができ、且つ、低コストで製造することができる米飯用粒状調味料、当該米飯用粒状調味料が封入された包装調味料及び当該米飯用粒状調味料を使用したおむすびを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る米飯用粒状調味料は、焼き塩と具材とを含んでいる。米飯用粒状調味料は、炊飯後の米飯に加えられ、当該米飯とともに適度に攪拌されることによって、当該米飯に対して焼き塩に由来する塩味風味及び具材に由来する風味を付与するものである。特に本発明に係る米飯用粒状調味料は、炊飯後の米飯に加えられ、当該米飯とともに適度に攪拌され、その後、適当な形状に成型するような使用形態が好ましい。言い換えると、本発明に係る米飯用粒状調味料は、ふりかけ用又はおむすび用として使用されるが、特におむすび用として使用されることが好ましい。米飯用粒状調味料をおむすび用として使用した場合には、ふりかけとして使用した場合と比較して喫食されるまでに比較的時間が長い。したがって、米飯用粒状調味料をおむすび用として使用した場合には、ふりかけとして使用した場合に生じる固形の焼き塩によるカリッとした食感が殆どなく、焼き塩が局在して手塩おむすびと同様においしいおむすびを提供することができる。
【0016】
本発明において「焼き塩」とは、表面に存在する塩化マグネシウム(苦汁成分)の少なくとも一部が塩基性塩化マグネシウムに変化した焼成塩であると定義する。
【0017】
焼き塩は、例えば以下のようにして作製することができる。約200℃以上の熱風が循環するチャンバー内に、準備した食塩を入れる。これにより、食塩はチャンバー内を循環する熱風により絶えず攪拌されることとなる。食塩は熱風により攪拌されることによって、その表面に存在する塩化マグネシウム(苦汁成分)が塩基性塩化マグネシウムに変化する。これによって、焼き塩を作製することができる。なお、チャンバー内における攪拌時間は、食塩の表面に存在する塩化マグネシウム(苦汁成分)が塩基性塩化マグネシウムに変化するに足る時間であれば良く、特に限定されない。
【0018】
なお、必要に応じて篩い通し処理、金属探知器による検査処理、異物除去処理等を施してもよい。ただし、本発明において、上述した方法は焼き塩の製造方法の一例であって、上述した方法によって得られた焼き塩に限定されるものではない。
【0019】
焼き塩の原料となる食塩としては、食用として使用できる塩であれば特に限定されず、例えば、海塩に由来する塩、岩塩に由来する塩及び湖塩に由来する塩の何れであってもよい。海塩に由来する塩としては、完全天日塩、イオン交換塩等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0020】
また、本発明において焼き塩は、市販のものを使用してもよい。市販されている焼き塩としては、味の素株式会社製の商品名“瀬戸のほんじお”、伯方塩業株式会社製の商品名“伯方の焼き塩”等を使用することができる。
【0021】
本発明に係る米飯用粒状調味料に含まれる焼き塩は、炊飯後の米飯に加えられた直後に溶解することなく、焼き塩以外の食塩と比較して比較的長時間に亘って粒状を維持することができる。その結果、例えば、炊飯後の米飯に米飯用粒状調味料を加えた後に攪拌し、その後、所望の形状に成型しておむすびを作製する場合、おむすび全体に塩味が存するのではなく、おむすびの表面及び内部における局所に塩味が存することなる。この塩味風味は、手に塩をまぶし米飯をかためる方法で作製されたおむすびと同様な風味であり、焼き塩を含む米飯用粒状調味料によって初めて達成できる塩味風味である。
【0022】
また、本発明に係る米飯用粒状調味料は、塩成分として焼き塩を含むために具材間の固着及びケーキングが防止され、品質に優れたものとなる。したがって、本発明に係る米飯用粒状調味料によれば、焼き塩に由来する塩味風味と具材に由来する風味とのバランスに優れ、従来にない優れた風味の調味米飯を提供することができる。特に、本発明に係る米飯用粒状調味料をおむすび用として使用した場合には、優れた風味のおむすびを提供することができる。
【0023】
特に、焼き塩としては、水分含量1重量%以下のものを使用することが好ましい。水分含量1重量%以下の焼き塩を用いた場合、上述したような米飯に対する塩味の付与、及び具材間の固着防止をより確実に達成することができる。
【0024】
ところで、本発明において焼き塩は、目開き1.7mm(10メッシュパス)の篩い下、且つ目開き1.0mm(16メッシュオン)の篩い上で分級された成分を主成分とすることが好ましい。すなわち、一例として上述した焼き塩の製造方法において、目開き1.7mmの篩い及び目開き1.0mmの篩いを用いて、篩い通し処理を施した後に得られた焼き塩を使用することが好ましい。具体的には、熱風によって攪拌処理された焼き塩を、目開き1.7mmの篩いを通過し且つ目開き1.0mmの篩いを通過しない形状(粒度)の成分に分級する。そして、分級された成分を、米飯用粒状調味料に含まれる焼き塩とすることが好ましい。ここで、「主成分」とは、目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分が焼き塩成分の全量に対して50重量%以上、好ましくは70重量%以上の割合で含有されることを意味する。また、米飯用粒状調味料の製造当初において、目開き1.7mmの篩い下、且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分が焼き塩成分の全量に対して50重量%以上の割合で含有していれば、当該成分の一部が保存状態等によって経時的に粉砕した結果、50重量%を下回ったような場合であっても、当該成分を主成分とする焼き塩を含む米飯用粒状調味料とする。
【0025】
このように、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分を主成分とする焼き塩を使用することによって、具材間の固着を防止できるだけでなく、具材と焼き塩との分離を防止することができる。具材と焼き塩との分離を防止できるため、炊飯後の米飯に米飯用粒状調味料を加えた場合に、米飯に対して焼き塩と具材とを適度に分散させることができ、塩味の存する部分と塩味の存しない部分とが形成されるようなことを防止できる。すなわち、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分を主成分とする焼き塩を使用することによって、品質に優れた米飯用粒状調味料を提供することができる。
【0026】
また、米飯用粒状調味料をおむすび用に使用する場合、調理から喫食までの溶解時間及び粒状食素材のかさ比重よりブレンド適正を考慮すると、焼き塩はフレーク状であることが好ましい。
【0027】
一方、本発明に係る米飯用粒状調味料に含まれる具材としては、何ら限定されず通常、米飯用調味料に使用されている天然素材調味乾燥品や調味顆粒を使用することができる。天然素材調味乾燥品とは、ワカメ、海苔、青海苔、ゴマ、サケ、カツオ節、タラコ、チリメン等の天然素材をそのまま或いは調味付けし、その後乾燥させたものである。例えば、ワカメを天然素材とする場合、乾燥したカット若布に、食塩、MSG、砂糖及びみりん等をカット若布に対して重量比で半分程度を加え、混合後、熱風乾燥し、篩いによりサイズを揃えることによって天然素材調味乾燥品を作製することができる。また、鮭を天然素材とする場合、鮭フレークをミンチ機で微細化し、でん粉、食塩、MSG及び砂糖等を加え、混合後、熱風または真空乾燥によって天然素材調味乾燥品を作製することができる。
【0028】
調味顆粒とは、所望の味を米飯に付与するものであり、例えば以下の手順で製造される。まず、食塩、MSG、でん粉、乳糖及び砂糖等を、所望の味に応じて特定の比率でブレンドし、若干の水で加水する。次に、約1.5mmφの孔の開いたスクリーンから圧力を加え押し出し、約1.5mm径のブレンド品の顆粒をつくる。次に、これを熱風で乾燥させる。最後に、目開き1.7mmの篩いを通し、目開き0.5mmの篩いを通らないものを分級することで、サイズの揃った調味顆粒を得ることができる。なお、調味顆粒の水分含量は5%以下であることが好ましい。
【0029】
また、具材の大きさとしても特に限定されないが、例えば、具材における最長軸の長さが1〜10mmの範囲にあることが好ましい。具材における最長軸の長さを1〜10mmの範囲とすると、焼き塩と具材とを混合した後、焼き塩と具材との分離をより確実に防止することができる。
【0030】
以上、説明した焼き塩及び具材を含む米飯用粒状調味料は、例えば、小袋(7cm×10cm)或いは中袋(12cm×17cm)等の包装袋に充填された状態で密封されることで商品化される。商品化された米飯用粒状調味料は、その状態で運搬及び保存される。包装袋に米飯用粒状調味料を充填する場合には、一般的に枡計量が用いられ、焼き塩及び具材を混合後、ホッパーに投入され、一般に約3〜30cmの空隙で容量計量される。包装袋としては、ポリエチレンを最内層とする包材を使用することができる。また、充填の後、包装袋の開口端を加熱加圧して、ポリエチレンを融解させ密閉する。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0032】
〔実施例1〕
本実施例では、米飯用粒状調味料に含まれる塩成分として焼き塩を使用した場合とその他の塩を使用した場合とで官能評価結果を比較した。
【0033】
先ず、本例では、市販米を定法に従って炊飯し、炊飯後の米飯100gに様々な組成の塩成分1.0gをふりかけ、1分間混合した。そして、30分後に試食官能評価を行った。具体的には、焼き塩を90重量%及び食塩10重量%の組成、焼き塩を50重量%及び食塩50重量%の組成及び焼き塩を10重量%及び食塩90重量%の組成となるように混合した塩成分を使用した。また、比較のために、食塩100%を使用した場合も作製した。なお、本例で使用した焼き塩は、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分である。また、目開き1.0mm(16メッシュパス)の篩い下且つ目開き0.5mm(30メッシュオン)の篩い上で分級された成分からなる焼き塩1.0gをおむすびの表面にまんべんなくかけて、手塩のおむすびを作製し比較の対象とした。
【0034】
以上のように作製したおむすびを評価対象とした試食官能評価は以下のようにして行った。すなわち、20名のパネラーにおむすびを喫食してもらい、その後、「おいしさ」、「塩味」及び「塩の局在」について評価させた。「おいしさ」は、「5.おいしい」、「4.ややおいしい」、「3.どちらでもない」、「2.ややまずい」及び「1.まずい」の5段階評価とした。「塩味」は、「5.強い」、「4.やや強い」、「3.ちょうどよい」、「2.やや弱い」及び「1.弱い」の5段階評価とした。「塩の局在」は、「3.感じる」、「2.やや感じる」及び「1.感じない」の3段階評価とした。20名のパネラーによる評価を統計的に処理した結果を表1に示す。
【0035】
【表1】


【0036】
焼き塩を用いて作製したおむすびについては、表1の結果には明確ではないが、食塩を用いて作製したおむすびと比較して官能性評価が優れていた。特に、塩成分の全量に対して焼き塩を50重量%以上含む場合には、表1から判るように、より優れた官能性評価を得ることができた。これに対して、食塩を用いて作製したおむすびについては、炊飯後の米飯に振りかけて混合することで食塩が溶解してしまい、評価を行う段階ではおむすびの表面及び内部に均一に塩味が付与されてしまう。この状態では、おむすびの表面及び内部に局所的に塩成分が存在することによって得られる、おむすび独特の塩味が失われ、おいしいといった評価が比較的少なくなる傾向がある。本実施例によって、焼き塩を含む塩成分を使用することで焼き塩をおむすびの表面及び内部に局在化させることができ、手塩でにぎったおむすびに近い塩味を実現できることが明らかとなった。
【0037】
〔実施例2〕
本実施例では、米飯用粒状調味料に含まれる塩成分として焼き塩を使用した場合とその他の塩を使用した場合における保存性を比較した。保存性を評価するに際して、各種の塩成分を同条件下(温度25℃、湿度75%下)に放置し、経時的に官能評価を実施するとともに水分含量を測定した。
【0038】
なお、本例で使用した焼き塩は、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された成分である。また、その他の塩としては、塩、砂糖、MSG及び鰹節粉からなり、1.0-2.0mm径の調味顆粒を用いた。
【0039】
具体的に官能評価の実施及び水分含量の測定は以下のように行った。官能評価は、5名のパネラーに、放置後の塩成分を触れさせることによって、「さらさら」、「ややさらさら」、「若干の湿り気があるがべとべとではない」及び「指で押すと崩れ吸湿している」のどこに当てはまるか回答させた。また、水分含量は、水分計(KETT INFRARED MOISTURE DETERMINATION BALANCE FD-600-2)を使用して測定した。さらに、水分増加率は下記式に従って算出した。
{(サンプルの水分率−コントロールの水分率)/コントロールの水分率}×100
結果を表2に示す。
【0040】
【表2】


【0041】
表2から判るように、焼き塩は、調味顆粒に比べ、同時間あたりの水分増加率が4分の1以下であった。さらに焼き塩は、52日間の長期保存を実施しても、水分増加率が20重量%と調味顆粒の24時間保存時の水分増加率94重量%以下であった。このことから、焼き塩の吸湿性は調味顆粒と比較して非常に少なく、焼き塩を米飯用粒状調味料に使用した場合には、現在市販の調味顆粒を用いたもの以上に良好といえる。このため、工場内にて焼き塩と天然素材調味乾燥品と混合しても、今までと同等の湿度管理及び工程管理で、具材の固化や、具材間のケーキングを起すことなく充填可能であることが明らかとなった。
【0042】
次に、本実施例では、焼き塩又は調味顆粒を含む米飯用粒状調味料を長期保管した場合における、外観及びケーキングの有無を確認した。なお、一般に、天然素材調味乾燥品は1〜8%の水分を保持している。天然素材調味乾燥品の種類毎に水分が違う場合や、水分をさらに低く保った調味顆粒とブレンドした場合では、水分が高い原料から、低い原料に水分移行を起すことがある。ただし、この水分移行が発生する度合いは、水分が高い原料内でも、原料中の砂糖や塩に結合水として保持されている割合による。したがって、水分移行は必ず生じるものではなく、また、水分移行によって最終的に同じ水分値になるものではない。
【0043】
具体的に長期保管の条件としては、40℃で2ヶ月間の保管及び20℃で2ヶ月間の保管とした。また、ケーキング及び固着の有無は目視により判断した。
結果を表3に示す。
【0044】
【表3】


【0045】
表3から判るように、焼き塩を含む米飯用粒状調味料においては、調味顆粒を含む米飯用粒状調味料と同様に、具材からの水分を吸収することなくさらさらの状態を保っており、ケーキング及び固着も生じていなかった。この結果から、焼き塩を含む米飯用粒状調味料は長期保管にも適したものであることが明らかとなった。
【0046】
〔実施例3〕
本実施例では、各種の塩成分と天然素材調味乾燥品とブレンドした際に分離がどの程度生じるか、確認試験を行った。ブレンドする天然素材調味乾燥品は調味大根葉を用いた。調味大根葉は、粒径が3〜5mmであり、かさ比重が0.45g/mlであり、塩分率が52重量%であり、食塩、砂糖及びMSGからなる調味を有する。また、ブレンド比は重量比率で、調味大根葉50%、塩50%とした。
【0047】
本例では、塩成分として、目開き1.0mmの篩い下且つ目開き0.5mmの篩い上で分級された食塩及び焼き塩を使用した。
【0048】
ブレンドが十分に行われ、分離がない場合、ブレンド品のどのポイントをとっても、全体の塩分率は両者の塩分率とその比率より約75%前後となる。ところが、分離が生じ、例えば食塩類が下部に、天然素材調味乾燥品が上部に分かれてしまう場合は、ブレンド品上部のポイントでは塩分率は60%前後、ブレンド品下部では食塩の塩分率に近く90%前後になると予測される。
【0049】
そこで、ブレンドが十分行われ、かつ分離が生じていないことを確認するために、本実施例では各種ブレンド品における上中下の3つのポイントでの塩分濃度分析及び外観確認を行った。
【0050】
一般に米飯用粒状調味料の標品製造では、ブレンドは実際工場において約100〜200kg単位で行われる。ブレンドに際しては、攪拌羽根のついたドラム状のブレンド機用い、これを数分間で約20rpmで攪拌する。これをテーブルレベルの試験で再現する場合は、1〜10kgを20〜50Lのビニール袋で約1分間、上下に往復30回攪拌することで、確認できる。今回は1kgレベルのブレンドを20Lのビニール袋を用い攪拌する方法とし、サンプリングは攪拌終了後、ブレンド品上部3cm以内を上部ポイント、中心部±1.5cm以内を中部ポイント、下部3cm以内を下部ポイントとし、上から均等に削り取り、サンプリング部分を露出させる方法で、サンプリング時の崩れが極力なくなる方法でサンプリングを行った。
塩分分析及び外観確認の結果を表4に示す。
【0051】
【表4】


【0052】
表4から判るように、食塩及び焼き塩の何れの場合であっても、ブレンド品の目視でも明らかに塩成分が下部に落下していて、分離が生じている。また、塩分率も分離が生じていなければ75%前後になるところが、おおきく逸脱し、分離が生じていることがわかる。なお、ブレンド時の塩分のばらつきはその塩分率の10%以内であれば、生産に問題ないことが分かっている。その根拠は、おむすびを作製した場合、塩分率の10%以内のぶれは一般的な試食で識別できないからである。つまり本例においては、75±7.5%であれば、喫食時に区別ができないレベルと考えられ、ブレンド時の分離の○×の可否判断として使用した。
【0053】
次に、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩を使用し、同様に分離が発生するかどうかを調査した。試験方法は上記に準じた。結果を表5に示す。
【0054】
【表5】


【0055】
表5から判るように、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩を使用した場合には、明らかに焼き塩が大概均一に混ざっていることが確認できた。また、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩を使用した場合には、塩分ばらつきも75%±7.5%におさまり、充填適性がよいことが明らかとなった。
【0056】
次に、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩の比率が現実的にどの程度必要なのか確認した。仮に、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩を100%使用ができれば、もっとも条件として好ましい。しかしながら、実際には作業及び輸送時の焼き塩の崩れ、又は焼き塩自体の製造が複雑であるため、ある程度細かい焼き塩が混じることは製造上にやむをえないことであるからである。
【0057】
目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩の比率は90重量%、50重量%、30重量%及び10重量%の4区分で実施した。本例では細かい焼き塩としては、目開き1.0mmの篩い下且つ目開き0.5mmの篩い上で分級された焼き塩を使用した。これを重量比率で各々のパーセンテージになるようにブレンドした。試験方法は上記に準じた。結果を表6に示す。
【0058】
【表6】


【0059】
表6から判るように、目開き1.7mmの篩い下且つ目開き1.0mmの篩い上で分級された焼き塩の重量比率が50%以上あれば、分離が生じず、塩分も75±7.5%の範囲であり、充填適性が高いといえる。
【出願人】 【識別番号】398065531
【氏名又は名称】株式会社ミツカングループ本社
【識別番号】301058355
【氏名又は名称】株式会社ミツカン
【出願日】 平成16年1月13日(2004.1.13)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔

【識別番号】100096183
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貞次

【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節

【公開番号】 特開2005−198516(P2005−198516A)
【公開日】 平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願番号】 特願2004−5711(P2004−5711)