| 【発明の名称】 |
フレーバー組成物の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野田 誠
【氏名】西脇 信綱
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| 【要約】 |
【課題】簡便な方法で、非水系の粉体混合反応を行い、固まりが生じることもなく、均一で優れたキャラメル風味を有するフレーバー組成物を製造すること。
【解決手段】乳製品粉末と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法において、水分含量が、0.01〜10質量%である原料粉体混合物を、振動乾燥機を使用し、振動を与えながら加熱反応を行うことを特徴とする、好ましいキャラメル感を有するフレーバー組成物の製造方法及び該フレーバー組成物並びに該フレーバー組成物を含有してなる、好ましいキャラメル風味が付与された飲食物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乳製品粉末と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法において、加熱反応を振動を与えながら行うことを特徴とするフレーバー組成物の製造方法。 【請求項2】 加熱反応を、振動乾燥機を使用して行うことを特徴とする請求項1記載のフレーバー組成物の製造方法。 【請求項3】 加熱反応させる原料混合物の水分含量が、0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレーバー組成物の製造方法。 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするフレーバー組成物。 【請求項5】 請求項4記載のフレーバー組成物を含有してなることを特徴とする飲食物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乳製品粉末と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 飲食物に美味しさを与えるフレーバーの一つに加熱フレーバーが挙げられる。飲食物は加熱処理することによって食されるものが極めて多く、飲食物を加熱したときに、含まれる成分の分解また成分間での反応によって加熱前には存在しなかった揮発性に富んだ化合物が発現し、それが美味しさを醸し出すことが多い。それらの化合物の生成機構について十分解明されているとは言えないが、例えばキャラメルの風味を調製するのには、練乳と糖類を気密状態下で加熱し、褐変かつ増粘させてキャラメル風味を有する食品素材を得る方法(特許文献1)や、牛乳を真空濃縮し、キャラメル粉末を加えて噴霧乾燥するキャラメル粉末の製造方法(特許文献2)などが提案されているが、いずれも食品素材としての用途であり、フレーバーとしての力価に欠ける面があった。 【0003】 よりフレーバーに近い素材としては、乳製品粉末に対し1〜20%量の還元糖を添加し、水分1〜15%で、70〜120℃で攪拌加熱後、油脂で風味を抽出するキャラメル風味油の製造方法(特許文献3)が提案されているが、更なる改善が求められていた。 【0004】 加熱反応を水分量の少ない系で行えば、より自然で力価の高い加熱フレーバーが得られることは容易に想到できるものであるが、例えば特許文献3の場合は、粉体混合原料を加熱反応させるとき、攪拌混合させることが難しく、また、反応途中で生じた水分のため一部に固まりが生じ、均一な製品を製造することが困難であった。 【0005】 非水系加熱反応フレーバーの改善策として、例えば、粉体混合反応を行う際、反応原料と相溶性がなく反応温度条件下で非溶融性であり、且つアルカリ土類金属、その塩もしくはその酸化物又は第IV族に属する非金属もしくはその酸化物を必須化学組成とする粉粒体の存在下に行う方法が提案されている(特許文献4)。しかしながら、この方法では、反応終了時に系内に非溶融性粉粒体が残存し、そのままではフレーバー組成物として使用することができず、反応生成物を更に抽出処理に付す必要があった。 【特許文献1】特開平7−23708号公報 【特許文献2】特開2002−306062号公報 【特許文献3】特開平7−46961号公報 【特許文献4】特開昭61−199759号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 解決しようとする問題点は、簡便な方法で非水系の粉体混合反応を行い、優れた風味を有するフレーバー組成物を製造することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、乳製品粉末と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法において、加熱反応を振動を与えながら行うことを特徴とするフレーバー組成物の製造方法であり、詳しくは、加熱反応を、振動乾燥機を使用して行うことを特徴とする前記フレーバー組成物の製造方法であり、更に詳しくは、加熱反応させる原料混合物の水分含量が、0.01〜10質量%であることを特徴とする前記フレーバー組成物の製造方法であり、また、前記製造方法により製造されたことを特徴とするフレーバー組成物であり、また、該フレーバー組成物を含有してなる飲食物である。 【発明の効果】 【0008】 簡便な方法で非水系の粉体混合反応を行い、固まりが生じることもなく、均一で優れた風味を有するフレーバー組成物を製造することでができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明方法で用いる加熱反応原料である乳製品粉末と、糖類は従来から知られたメイラード反応を生起しうるものであれば特に限定されない。乳製品粉末の具体例としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、全粉調製品、脱粉調製品などが例示され、それらの塩類の1種もしくは2種以上の混合物として用いることができる。 【0010】 本発明で用いられる糖類の具体例としては、例えば、グリセルアルデヒド、エリスロース、トレオースアラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース等のアラビノース類、及びジヒドロキシアセトン、キシルロース、リブロース、フルクトース、ソルボース等のケトース類さらに2−デオキシリボース、ラムノース、フコース等のデオキシ糖、またさらにはマルトース、セロビオース、イソマルトース、ラクトース、シュクロース等の少糖類が例示され、これらの1種もしくは2種以上の混合物として用いることができる。 【0011】 本発明で行われる加熱反応は、反応が起こる温度であれば特に限定されることはなく、通常は50〜200℃、好ましくは80〜150℃、更に好ましくは90〜130℃の範囲で行われる。反応温度が50℃未満であれば反応が遅く、200℃を越えると焦げ臭が付きやすくなる傾向がある。反応時間としては15秒〜10時間の範囲で行われ、好ましくは1分〜3時間の範囲で行われ、更に好ましくは15分〜1時間の範囲で行われる。 【0012】 本発明で行われる振動条件は、粉体が均一に分散できる状態であれば特に限定されることなく、固まりが生じずに、スムーズに反応を進めることができる。そのような条件とは、好ましくは振動乾燥機を用いることによってなされ、具体的には、例えば振動乾燥機VH25やVH−120(中央化工機社製)などが好適に用いられる。 【0013】 本発明で用いられる粉体混合反応は、実質的に非水条件で行われるが、具体的には、通常は原料粉体混合物の含有水分量として、通常は0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%の範囲で行われる。含有水分量が0.01質量%未満であれば焦げやすく、10質量%を越えると好ましいキャラメル感が得られにくくなる傾向がある。 【0014】 本発明で得られるフレーバー組成物は、前述のように、固まりが生じることもなく、均一で、好ましいキャラメル感を有する、優れた風味のフレーバー組成物である。 【実施例】 【0015】 [実施例1] 全脂粉乳90kgと、グルコース10kgを均一に混合し、振動乾燥機(中央化工機社製)に供給し、95〜120℃、10分間反応させた後、解砕し60メッシュ篩過することにより、淡褐色でキャラメル風味の本発明のフレーバー組成物を92kg得た。 【0016】 [比較例1] 全脂粉乳90kgと、グルコース10kgを均一に混合し、ニーダーに供給し、焦げ付かないようにハンドリングによる微調整を行いながら95〜120℃で10分間反応させた後、直ちに冷却し、粉砕し20メッシュ篩過することにより、褐色でキャラメル風味のフレーバー組成物を84kg得た。 【0017】 [試験例1] 実施例1と比較例1のフレーバー組成物を、そのまま及び2%水溶液として、熟練したパネル7名で評価を行った。その結果、実施例1のキャラメル風味フレーバー組成物は比較例1に対して嗜好性が高い他、比較例1のキャラメル風味フレーバー組成物は味の厚みがなく、色調にムラがあるとの評価であった。 【0018】 [実施例2] 全脂粉乳70kg、グラニュー糖20kg及びグルコース10kgを均一に混合し、振動乾燥機(中央化工機社製)に供給し、95〜120℃、10分間反応させた後、解砕し60メッシュ篩過することにより、淡褐色でキャラメル風味の本発明のフレーバー組成物を90kg得た。 【0019】 [実施例3] 実施例2のフレーバー組成物を使用してキャンディーを調製し、評価したところ、自然で好ましいキャラメルの風味が付与された極めて美味しいものであった. 【産業上の利用可能性】 【0020】 本発明の製造方法により、非水系の条件で乳製品粉末と糖とを容易に加熱反応させ、好ましいキャラメル感を有するフレーバー組成物を製造することができ、該フレーバー組成物を飲食物に添加することにより、美味しい飲食物を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591011410 【氏名又は名称】小川香料株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年1月13日(2004.1.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−198506(P2005−198506A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月28日(2005.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願2004−5009(P2004−5009) |
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