| 【発明の名称】 |
フレーバー組成物の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野田 誠
【氏名】西脇 信綱
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| 【要約】 |
【課題】簡便な方法で、非水系の粉体混合アミノ−カルボニル反応を行い、固まりが生じることもなく、均一で優れた風味を有するフレーバー組成物を製造すること。
【解決手段】アミノ酸若しくはその誘導体と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法において、水分含量が、0.01〜10質量%である原料粉体混合物を、振動乾燥機を使用し、振動を与えながら加熱反応を行うことを特徴とする、好ましいロースト感と調理感を有するフレーバー組成物の製造方法及び該フレーバー組成物並びに該フレーバー組成物を含有してなる、好ましいロースト感と調理感が付与された飲食物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アミノ酸若しくはその誘導体と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法において、加熱反応を振動を与えながら行うことを特徴とするフレーバー組成物の製造方法。 【請求項2】 加熱反応を、振動乾燥機を使用して行うことを特徴とする請求項1記載のフレーバー組成物の製造方法。 【請求項3】 加熱反応させる原料混合物の水分含量が、0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレーバー組成物の製造方法。 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするフレーバー組成物。 【請求項5】 請求項4記載のフレーバー組成物を含有してなることを特徴とする飲食物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、アミノ酸若しくはその誘導体と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 飲食物に美味しさを与えるフレーバーの一つに調理感が挙げられる。飲食物は加熱処理することによって食されるものが極めて多く、飲食物を加熱したときに、含まれる成分の分解また成分間での反応によって加熱前には存在しなかった揮発性に富んだ化合物が発現し、それが美味しさを醸し出すことが多い。それらの化合物の生成機構について十分解明されているとは言えないが、アミノ酸類と糖類によるアミノ−カルボニル反応すなわちメイラード反応が重要な役割を果していると考えられている。従来アミノ酸類と糖類とを主原料とするアミノ−カルボニル反応によって得られた生成物をフレーバー組成物として利用する多くの提案がなされてきた。この中で特に一般的に用いられている製法はアミノ酸類と糖類とを含む混合物を水、有機溶媒、動植物油脂等の溶媒、特に水の存在下、加熱反応させることによって得る方法である(非特許文献1)。 【0003】 しかしながら、上記従来技術によって得られるフレーバー組成物は、焙焼処理によって飲食される食品類、例えば焼肉、焼魚、焼菓子、パン類、ナッツ類、コーヒー、ココア等に用いるフレーバー組成物としては不充分なものであった。上記従来技術では、反応は容易であり、また再現性も得られるものの、肝心の風味、特にロースト感や好ましい調理感に欠ける傾向にあり、この原因は主として大量に用いられる水の存在によると考えられた。 【0004】 加熱反応を非水系で行えば、ロースト感や好ましい調理感が得られることは容易に想到できるものであるが、例えば粉体混合原料を加熱反応させる場合、攪拌混合させることが難しく、また、反応途中で生じた水分のため一部に固まりが生じ、均一な製品を製造することが困難であった。 【0005】 この改善策として、例えば、粉体混合反応を行う際、反応原料と相溶性がなく反応温度条件下で非溶融性であり、且つアルカリ土類金属、その塩もしくはその酸化物又は第IV族に属する非金属もしくはその酸化物を必須化学組成とする粉粒体の存在下に行う方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この方法では、反応終了時に系内に非溶融性粉粒体が残存し、そのままではフレーバー組成物として使用することができず、反応生成物を更に抽出処理に付す必要があった。 【特許文献1】特開昭61−199759号公報 【非特許文献1】特許庁公報 周知・慣用技術集(香料)第II部食品香料 2000年 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 解決しようとする問題点は、簡便な方法で非水系の粉体混合反応を行い、優れた風味を有するフレーバー組成物を製造することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、アミノ酸若しくはその誘導体と糖とを加熱反応させフレーバー組成物を製造する方法において、加熱反応を振動を与えながら行うことを特徴とするフレーバー組成物の製造方法であり、詳しくは、加熱反応を、振動乾燥機を使用して行うことを特徴とする前記フレーバー組成物の製造方法であり、更に詳しくは、加熱反応させる原料混合物の水分含量が、0.01〜10質量%であることを特徴とする前記フレーバー組成物の製造方法であり、また、前記製造方法により製造されたことを特徴とするフレーバー組成物であり、また、該フレーバー組成物を含有してなる飲食物である。 【発明の効果】 【0008】 簡便な方法で非水系の粉体混合反応を行い、固まりが生じることもなく、均一で優れた風味を有するフレーバー組成物を製造することでができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明方法で用いる加熱反応原料であるアミノ酸若しくはその誘導と、糖類は従来から知られたメイラード反応を生起しうるものであれば特に限定されない。アミノ酸若しくはその誘導体の具体例としては、例えば、アスパラギン、アラニン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、テアニン、バリン、ベタイン、リジン、ヒドロキシリジン、バリン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、シスチン、システイン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトフアン、スレオニン、チロシン、フエニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、アミノ酪酸、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−ウリジル酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウム、5’−シチジル酸ナトリウム、5’−リボヌクレオタイドナトリウムなどが例示され、好ましくは、アラニン、グリシン、リジン、ヒドロキシリジン、バリン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、シスチン、システイン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン、メチオニン、トリプトフアン、スレオニン、チロシン、フエニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、アミノ酪酸、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−ウリジル酸ナトリウム、5’−グアニル酸ナトリウム、5’−シチジル酸ナトリウム、5’−リボヌクレオタイドナトリウムなどが例示され、それらの塩類の1種もしくは2種以上の混合物として用いることができる。 【0010】 本発明で用いられる糖類の具体例としては、例えば、グリセルアルデヒド、エリスロース、トレオースアラビノース、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース等のアラビノース類、及びジヒドロキシアセトン、キシルロース、リブロース、フルクトース、ソルボース等のケトース類さらに2−デオキシリボース、ラムノース、フコース等のデオキシ糖、またさらにはマルトース、セロビオース、イソマルトース、ラクトース、シュクロース等の少糖類が例示され、これらの1種もしくは2種以上の混合物として用いることができる。 【0011】 本発明で行われる加熱反応は、アミノ−カルボニル反応が起こる温度であれば特に限定されることはなく、通常は50〜200℃、好ましくは80〜150℃、更に好ましくは90〜130℃の範囲で行われる。反応温度が50℃未満であれば反応が遅く、200℃を越えると焦げ臭が付きやすくなる傾向がある。反応時間としては15秒〜10時間の範囲で行われ、好ましくは1分〜3時間の範囲で行われ、更に好ましくは15分〜1時間の範囲で行われる。 【0012】 本発明で行われる振動条件は、粉体が均一に分散できる状態であれば特に限定されることなく、固まりが生じず、スムーズに反応を進めることができる。そのような条件とは、好ましくは振動乾燥機を用いることによってなされ、具体的には、例えば振動乾燥機VH25やVH−120(中央化工機社製)などが好適に用いられる。 【0013】 本発明で用いられる粉体混合反応は、実質的に非水条件で行われるが、具体的には、通常は原料粉体混合物の含有水分量として、通常は0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%の範囲で行われる。含有水分量が0.01質量%未満であれば焦げやすく、10質量%を越えると好ましいロースト感や調理感が得られにくくなる傾向がある。 【0014】 本発明で得られるフレーバー組成物は、前述のように、ダマになることもなく、均一で、好ましいロースト感や調理感を有する、優れた風味のフレーバー組成物である。 【実施例】 【0015】 [実施例1] フルクトース20kg、アルギニン10kg、グルタミン酸2kg、アラニン3kg及びシスチン2kgを均一に混合し、振動乾燥機(中央化工機社製)に供給し、95〜120℃、10分間反応させた後、解砕し60メッシュ篩過することにより、褐色でコーヒー風味の本発明のフレーバー組成物を27kg得た。 【0016】 [比較例1] フルクトース20kg、アルギニン10kg、グルタミン酸2kg、アラニン3kg及びシスチン2kgを均一に混合し、ニーダーに供給し、焦げ付かないようにハンドリングによる微調整を行いながら95〜120℃で10分間反応させた後、直ちに冷却し、粉砕し20メッシュ篩過することにより、褐色でコーヒー風味のフレーバー組成物を23kg得た。 【0017】 [試験例1] 実施例1と比較例1のフレーバー組成物を、そのまま及び2%水溶液として、熟練したパネル7名で評価を行った。その結果、実施例1のコーヒー風味フレーバー組成物は比較例1に対して嗜好性が高い他、比較例1のコーヒー風味フレーバー組成物は味の厚みがなく、色調にムラがあるとの評価であった。 【0018】 [実施例2] グルコース60kg、アスパラギン酸8kg、ロイシン6kg、フェニルアラニン3kg、リジン塩酸塩5kg、グルタミン酸5kg、プロリン3kg及びココア粉末10kgを均一に混合し、振動乾燥機(中央化工機社製)に供給し、95〜120℃、10分間反応させた後、解砕し60メッシュ篩過することにより、黒褐色でココア風味の本発明のフレーバー組成物を90kg得た。 【0019】 [実施例3] グルコース20kg、アラニン8kg、ロイシン6kg、トレオニン4kg、チロシン4kg、リジン塩酸塩8kg及びアーモンド粉末10kgを均一に混合し、振動乾燥機(中央化工機社製)に供給し、95〜120℃、10分間反応させた後、解砕し60メッシュ篩過することにより、淡褐色でナッツ風味の本発明のフレーバー組成物を50kg得た。 【0020】 [実施例4] フルクトース20kg、グルコース20kg、グルタミン酸15kg、アスパラギン酸10kg、システイン15kg、アルギニン6kg、メチオニン4kg及びチキンエキスパウダー10kgを均一に混合し、振動乾燥機(中央化工機社製)に供給し、95〜120℃、10分間反応させた後、解砕し60メッシュ篩過することにより、褐色でローストチキン風味の本発明のフレーバー組成物を87kg得た。 【0021】 [実施例5] 市販のチキン風味即席ラーメンに対し、実施例4のローストチキン風味フレーバー0.3gを添加し、評価したところ、ローストチキンの風味が付与された極めて美味しいものであった. 【産業上の利用可能性】 【0022】 本発明の製造方法により、非水系の条件でアミノ酸若しくはその誘導体と糖とを容易に加熱反応させ、好ましいロースト感と調理感を有するフレーバー組成物を製造することができ、該フレーバー組成物を飲食物に添加することにより、美味しい飲食物を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591011410 【氏名又は名称】小川香料株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年1月13日(2004.1.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−198505(P2005−198505A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月28日(2005.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願2004−5008(P2004−5008) |
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