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【発明の名称】 乳化状米飯混ぜ込み用調味料及びその包装食品
【発明者】 【氏名】荻原 慎

【要約】 【課題】乳化剤の使用量を最小限に抑えつつ、米飯に混ぜ込み易く、均一に味付けでき、米飯がべったりした食感又はぱらけた食感にならずにふっくらした食感を有しており、米飯につやを与え、乳化剤特有の味や香りを感じることなくおいしく喫食することができる乳化状米飯混ぜ込み用調味料の提供。

【解決手段】HLB値が7〜14であって、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解大豆レシチンよりなる群から選ばれた1種以上の乳化剤を0.001質量%以上0.10質量%未満、食用油脂を0.5質量%以上10.0質量%以下、水溶性ヘミセルロースを0.001質量%以上0.40質量%以下含有し、且つ、乳化平均粒子径が10〜100μmである乳化状米飯混ぜ込み用調味料を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HLB値が7〜14であって、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解大豆レシチンよりなる群から選ばれた1種以上の乳化剤を0.001質量%以上0.10質量%未満、食用油脂を0.5質量%以上10.0質量%以下、水溶性ヘミセルロースを0.001質量%以上0.40質量%以下含有し、且つ、乳化平均粒子径が10〜100μmである乳化状米飯混ぜ込み用調味料。
【請求項2】
水溶性ヘミセルロースが、大豆水溶性ヘミセルロースである請求項1記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料。
【請求項3】
請求項1又は2記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料と米飯混ぜ込み具材とを容器包装してなる包装食品。
【請求項4】
請求項1又は2記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料を用いた混ぜ込み米飯。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化状米飯混ぜ込み用調味料及びその包装食品に関し、詳しくは炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの乳化状米飯混ぜ込み用調味料、前記乳化状米飯混ぜ込み用調味料と米飯混ぜ込み具材とを容器包装してなる包装食品、並びに前記乳化状米飯混ぜ込み用調味料を用いた混ぜ込み米飯に関する。
【背景技術】
【0002】
味付けご飯には、釜飯、炊き込みご飯、茶飯、さくら飯等があるが、いずれも均一に味付けされており、しかも米飯がべったりした食感又はぱらけた食感にならずにふっくらした食感が望まれている。
このような味付けご飯の製造方法としては、炊飯前に調味料や具材を入れて炊き込むタイプが多く、炊き込み時に使用する調味料や具入りのレトルト食品が、家庭や業務用食品製造の現場で、一般的に使用されている。ここで業務用食品とは、レストランやうどん店、そば店、持ち帰り弁当、事業所給食、学校給食、コンビニエンスストアーやスーパーマーケット等の現場で提供される食品を指す。
しかし、大量炊飯する業務用現場においては、炊き込みタイプでは米飯が釜底に焦げ付くことによる歩留まり低下や、必要量が事前に分からない場合余ってしまい、無駄が生じることがある。
【0003】
従って、炊飯による失敗のリスクをなくし、また欲しい時に欲しいだけの量の味付けご飯を得る為には、炊き込みタイプではなく、炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの米飯混ぜ込み用調味料があればこれらの問題点を解決することができる。
【0004】
ところが、そのような混ぜ込みタイプの米飯混ぜ込み用調味料や具入りのレトルト食品によって得られる味付けご飯の場合、炊き込む工程がないため米飯がべったりした食感となり、品質面でかなり劣ってしまうという問題がある。さらに、非常に混ぜ込み難くてハンドリングが悪く、混ぜ込みムラが原因となる味の不均一性や味の角が立つ等の問題もある。
【0005】
これらの問題点を解決するために、多量の食用油脂を用いた調味料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このものは、食用油脂含量が20〜80質量%と非常に多く、食用油脂による米飯の風味への影響が避けられなかった。
【0006】
そこで、食用油脂含量を0.1〜10質量%とすると共に、HLBが8以上の乳化剤を0.05〜1質量%、好ましくは0.2〜0.9質量%含有し、食用油脂の平均粒子径が0.2〜5μm、好ましくは0.5〜3μmとなるように乳化されて配合された米飯用調味料組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このものは油滴の平均粒子径が微細で、分散性は優れるものの、米飯への風味の影響と、米粒の中まで油脂が浸透してしまい、米飯のつやがなくなるという問題があった。
【0007】
このため本出願人は、HLB値7以上の乳化剤を0.10〜0.30質量%、食用油脂を0.5〜5.0質量%含有し、かつ乳化平均粒子径が10〜100μmであり、炊飯後の米飯に添加することを特徴とする和風味付けご飯用乳化状調味料を提案している(例えば、特許文献3参照)。
このものは食用油脂や乳化剤の使用量をより抑え、その代わりに乳化平均粒子径を大きくしたことにより、油脂による油っぽさや乳化剤特有の味や香りをできる限り抑えようとしたものである。
このものの場合、米飯の表面を乳化により細かくなった油脂が取り囲み、その油脂と油脂の間から調味液が米飯にゆっくりと浸透することになることから、調味液がムラなく米飯に浸透し、また米飯の表面にムラなく油脂が付着するため、油脂が潤滑剤となり比較的混ぜ込み易いという利点を有するものの、乳化剤を下限値である0.10質量%添加したときでさえ乳化剤の味や香りが強く出すぎるという問題があった。
【0008】
しかしながら、これ以上乳化剤の使用量を減らすと、少ない乳化剤でより多くの油脂を乳化しようとするため、油脂の平均粒子径が大きくなり過ぎ、乳化が不安定になる。その結果、米飯の味付けが不均一となり、さらに米飯の食感も場所によって不均一になってしまう。
即ち、食用油脂0.5〜5.0質量%に対して乳化剤の使用量を0.1質量%未満とした場合、乳化剤の味や香りは抑えられるものの、油脂の粒子径が大きくなり過ぎることから、油脂と油脂の隙間が大きく、調味液が米飯に急速に浸透する。この結果、米飯表面に水分が多くなり、米飯の表面が軟らかく、内部は硬く、米飯表面の粘りや軟化が生じたり、味や色調のムラが出たり、米飯が膨化している部分とそうでない部分とが存在し、均一でなくなり、また表面の油脂の付着にムラがあることから混ぜ込み難いものとなる。
【0009】
一方、米の食感がふっくらとしておいしく、米粒の崩れがなく、ツヤがあり好ましい外観を有する米飯食品及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、このものは炊き込みタイプの調味料であり、また、ペクチンを用いていることから、炊飯による米飯の褐変や特有の味、ざらつき等の食感が生じるという問題がある。
【0010】
【特許文献1】特開昭60−49754号公報
【特許文献2】特開平9−271348号公報
【特許文献3】特開2003−9806号公報
【特許文献4】特開平10−313800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、乳化剤の使用量を最小限に抑えつつ、米飯に混ぜ込み易く、均一に味付けでき、しかも米飯がべったりした食感又はぱらけた食感にならずにふっくらした食感を有しており、米飯につやを与え、乳化剤特有の味や香りを感じることなくおいしく喫食することができる、炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの乳化状米飯混ぜ込み用調味料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、米飯に混ぜ込み易く均一に味付けでき、しかも喫食時に米飯のべったりした食感又はぱらけた食感がなくてふっくらとした食感を有しており、乳化剤特有の味や香りがない、炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの乳化状米飯混ぜ込み用調味料を開発すべく、鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者らは、乳化状米飯混ぜ込み用調味料において、乳化剤の含有量を0.001質量%以上0.10質量%未満と少なくする一方、水溶性ヘミセルロースを0.001質量%以上0.40質量%以下含有させ、且つ、乳化平均粒子径を10〜100μmとすることによって、予想外にも炊飯後の米飯に添加、混合したときに、米飯に均一に味付けでき、しかも喫食時に米飯のべったりした食感やぱらけた食感がなくてふっくらした食感を有しており、乳化剤特有の味や香りがなく美味しく喫食できる乳化状米飯混ぜ込み用調味料が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
これは、上記構成において水溶性ヘミセルロースを適当量含有させることにより、少ない乳化剤含量であっても、油滴と水溶性ヘミセルロースにより形成される皮膜とを適度にバランスよく米飯の回りに位置させることができ、これによって乳化剤特有の味や香りがなく、しかも喫食時に米飯のべったりした食感又はぱらけた食感がなくてふっくらした食感を有するものとすることができるからであると考えられる。
【0013】
即ち、請求項1に係る本発明は、HLB値が7〜14であって、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解大豆レシチンよりなる群から選ばれた1種以上の乳化剤を0.001質量%以上0.10質量%未満、食用油脂を0.5質量%以上10.0質量%以下、水溶性ヘミセルロースを0.001質量%以上0.40質量%以下含有し、且つ、乳化平均粒子径が10〜100μmである乳化状米飯混ぜ込み用調味料を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、水溶性ヘミセルロースが、大豆水溶性ヘミセルロースである請求項1記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料と米飯混ぜ込み具材とを容器包装してなる包装食品を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、請求項1又は2記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料を用いた混ぜ込み米飯を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、乳化剤の使用量を最小限に抑えつつ、米飯に混ぜ込み易く、均一に味付けでき、米飯がべったりした食感又はぱらけた食感にならずにふっくらした食感を有しており、米飯につやを与え、乳化剤特有の味や香りを感じることなくおいしく喫食することができる、炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの乳化状米飯混ぜ込み用調味料が得られる。
従って、本発明によれば、炊き込みご飯と何ら遜色ない味付けご飯を混ぜ込むだけの容易な作業で提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの乳化状米飯混ぜ込み用調味料に関し、HLB値が7〜14であって、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解大豆レシチンよりなる群から選ばれた1種以上の乳化剤を0.001質量%以上0.10質量%未満、食用油脂を0.5質量%以上10.0質量%以下、水溶性ヘミセルロースを0.001質量%以上0.40質量%以下含有し、且つ、乳化平均粒子径が10〜100μmのものである。
【0016】
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、乳化剤を含有している。
請求項1に係る本発明で使用する乳化剤は、HLB値7以上14以下のものであり、7以上12以下のものが特に好ましい。乳化剤のHLB(親水性親油性バランス)値が7より小さい場合、乳化力が弱くなり、また粒子径が大きくなるため乳化剤の使用量を増加させる必要が生じる。逆にHLB値が14より大きい場合そこで乳化剤の使用量を抑えることができるが、粒子径が小さくなるため米飯のつやが損なわれ、本発明の目的を達成することができない。従って、乳化剤としてはHLB値が7以上14以下のものを使用する。
乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、酵素分解大豆レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、サポニンなどが挙げられるが、請求項1に係る本発明ではこれらの中でも、米飯への味や香りの影響が少なく、幅広いHLB値を有するものに用いることができる点から、特にグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解大豆レシチンよりなる群から選ばれた1種以上のものを使用する。つまりこれらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
このような乳化剤の含有量は、0.001質量%以上0.10質量%未満、好ましくは請求項2に記載したように0.005質量%以上0.08質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。
ここで乳化剤の含有量が0.001質量%より少ないと乳化が不安定になる為、本発明の目的を達成することができない。一方、乳化剤の含有量が0.10質量%以上であると、乳化剤特有の味や香りが強く出過ぎる為、味付けご飯の風味が損なわれる。
【0018】
次に、請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、食用油脂を含有している。
請求項1に係る本発明で使用する食用油脂としては、食用として供されるものであれば良い。具体的には例えば、コーン油、菜種油、ごま油、大豆油、パーム油等の植物油脂;ラード、ヘッド、チキンオイル、魚油等の動物油脂;及びこれらの油脂をエステル交換、水素添加、硬化等の処理をした加工油脂などがあり、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して任意に選択使用することができる。
【0019】
このような食用油脂の含有量は、0.5質量%以上10質量%以下、好ましくは請求項2に記載したように1.0質量%以上8.0質量%以下である。
ここで食用油脂の含有量が0.5質量%より少ないと、混ぜ込みにくく、ハンドリングが悪くなる。一方、食用油脂の含有量が10質量%を超えると、油脂によるぱらけた食感が生じると共に油臭が強くなり、風味の点で劣る。
【0020】
さらに、請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、水溶性ヘミセルロースを含有している。
請求項1に係る本発明で使用する水溶性ヘミセルロースとは、陸生植物細胞壁成分中のセルロースとペクチン質を除いた水溶性多糖類を指しており、大豆、コーン、綿実、米、小麦等を原料とし、通常の方法で油脂、蛋白質、デンプン質を除いた殻又は粕を用いて、それらを酸性乃至アルカリ性の条件下で加熱抽出したり、各種酵素分解により抽出されるものである。
請求項1に係る本発明で使用する水溶性ヘミセルロースとしては、特に由来は制限されないが、豆類由来のものが好ましく、請求項2に記載したように、大豆を原料として抽出される大豆水溶性ヘミセルロースが特に好ましい。
【0021】
このような水溶性ヘミセルロースの含有量は、0.001質量%以上0.40質量%以下、好ましくは請求項2に記載したように0.005質量%以上0.30質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以上0.30質量%以下である。
請求項1に係る本発明においては、0.001質量%以上0.40質量%以下の割合で水溶性ヘミセルロースを含有させていることから、食用油脂と水溶性ヘミセルロースにより形成される膜との隙間から調味液が米飯にゆっくりと浸透し、部分的箇所に浸透することがなく、味や色調においてムラがないと共に、水溶性ヘミセルロースにより米飯全体が適度に保水され、ふっくらした食感のあるものとなる。
これに対して、水溶性ヘミセルロースの含有量が0.001質量%より少ないと、米飯表面に皮膜が形成されないため、米飯のふっくらした食感がなく、べったりした食感が強くなる。一方、水溶性ヘミセルロースの含有量が0.40質量%より多いと、水溶性ヘミセルロースにより米飯全体に皮膜が形成されることで混ぜ込み易くはなるものの、米飯の表面に水溶性ヘミセルロースにより完全に皮膜が形成されるために米飯表面の食感が硬く米飯のぱらけた食感が強くなる一方、水溶性ヘミセルロースにより米飯全体が過度に保水され、食感が軟化してしまう。
【0022】
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、上記したように炊飯後の米飯に添加する混ぜ込みタイプの乳化状米飯混ぜ込み用調味料に関し、HLB値が7〜14であって、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解大豆レシチンよりなる群から選ばれた1種以上の乳化剤を0.001質量%以上0.10質量%未満、食用油脂を0.5質量%以上10.0質量%以下、水溶性ヘミセルロースを0.001質量%以上0.40質量%以下含有しており、且つ、乳化平均粒子径が10〜100μm、好ましくは20〜80μmのものである。
ここで乳化平均粒子径とは、乳化粒子、つまり乳化された油脂の油滴の平均粒子径をいう。
乳化平均粒子径が10μm未満であると、米飯への風味の影響と、米粒の中まで油脂が浸透してしまい、米飯のつやがなくなる。一方、乳化平均粒子径が100μmを超えると、乳化粒子となっている油脂と油脂の隙間が大きくなるため、調味液が米飯に急速に浸透する。この結果、米飯表面に水分が多くなり、表面が軟らかく、内部は硬く、米飯表面の粘りや軟化が生じたり、味や色調のムラが出たり、米飯が膨化している部分とそうでない部分とが存在し、均一でなくなり、また表面の油脂の付着にムラがあることから混ぜ込み難いものとなる。
【0023】
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、この他に調味成分を含有するものである。
調味成分としては、砂糖、醤油、塩、醸造酢、味噌、発酵調味料、アミノ酸類、各種エキス類、各種だし、香辛料等、通常使用されている調味素材を適宜選択して使用することができる。
さらに請求項1に係る本発明においては、その目的を損なわない限りにおいて、種々の任意成分を配合することができる。
【0024】
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、上記した如き成分からなるものであって、上記乳化剤により、上記食用油脂と水溶性ヘミセルロースを調味料中に乳化させたものである。
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料の製造方法としては、従来から実施されている乳化方法、例えばコロイドミル、高圧ホモジナイザー、カッターミキサー等を用いたり、攪拌による分散などにより実施すればよく、特に限定されるものではない。
このようにして、食用油脂が油滴状に乳化分散した水中油型乳化物の形態をとる、請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料が得られる。
【0025】
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、以上の如きものであり、適宜容器に充填されて製品とされる。
請求項1に係る本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、炊飯後の米飯に混ぜ込むだけで簡単に調味、味付けすることができるものである。混ぜ込み時に具材は入れても入れなくてもよい。例えば具材を使用せずに本調味料を混ぜ込むだけで、かしわ飯、かつお飯、茶飯、さくら飯等の味付けご飯を作製することが出来、白米とは違った味、色、風味を楽しむことができる。また、具入りレトルトを使用すれば、混ぜ込むだけですぐに単品メニューやセットメニュー(例えば、混ぜ込みご飯とうどんのセット等)として提供することができる。その具材として鶏肉、ごぼう、山菜等を使用すれば、鶏ごぼう釜めし、山菜釜飯等となる。その具材の選択、調理、調味方法については特に限定されるものではない。米飯に、麦飯等の炊飯穀類を米飯のふっくらした食感を損なわない程度に併用しても差し支えない。
【0026】
請求項3に係る本発明は、上記した如き請求項1又は2記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料と、上記したような米飯混ぜ込み具材とを容器包装してなる包装食品である。
そのような包装食品としては、通常の加熱処理を施して得られる包装食品と、加圧加熱処理を施して得られる、いわゆるレトルト食品とがあり、いずれとすることもできるが、調味具材と一緒に包装し、レトルト処理することによって、開封後、直ちに米飯を混ぜ込んで簡便な混ぜ込みご飯として摂食することができるので、いわゆるレトルト食品が好ましい。
具材としては、味付けご飯に一般に使用されるものであれば、上記したものに限られず、様々なものを使用することができる。
【0027】
さらに、請求項4に係る本発明は、上記した如き請求項1又は2記載の乳化状米飯混ぜ込み用調味料を用いた混ぜ込み米飯である。
【実施例】
【0028】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
実験例1
表1に示した配合で乳化剤量の異なる数種の調味料を作製した。なお、乳化は、T.K.ホモミクサーMARK II f model[特殊機化工業(株)製)により行い、乳化平均粒子径が60μmとなるようにした。
得られた各種調味料27gを炊飯後の米飯200gに混合して、それぞれの米飯への混ぜ込み易さ、米飯のふっくらした食感、乳化剤特有の味や香りを評価すると共に、物性測定を行い、さらに総合評価した。結果を表1に示す。乳化剤としてはグリセリン脂肪酸エステルを使用し、その量を0、0.01、0.10、0.15質量%と変化させた。本実験例1におけるグリセリン脂肪酸エステルは理研ビタミン(株)製を用いた。また、水は、全体が100.00質量%となる量だけ使用した(表中では符号「+」で示した。)。
なお、米飯への混ぜ込み易さ、米飯のふっくらした食感、乳化剤特有の味や香りは、経験豊かなパネラー10名により官能評価した。官能評価の結果は、◎=優、○=良、△=やや悪い、×=悪いの4段階で示した。総合評価も同様の4段階で示した。
また、物性測定は、クリープメーター(山電製、RE2−3305S)を用いて測定した米飯の破断曲線より、もろさ荷重(破断荷重ともろさの点の荷重との差)、破断エネルギー(破断に至るまでの仕事量)を測定した。もろさ荷重及び破断エネルギーの測定は、各試験区の米飯20粒を任意に採取し、試料台にのせプランジャー直径30mmを使用し、試料台速度1mm/sec.で行った。
なお、もろさ荷重の意味は、その値が大きいと米飯に粘りがなくぱらけた食感であり、逆に小さいと粘りがありべったりした食感であると判断できる。破断エネルギーはその米飯を破断するまでの仕事量で、その値が大きいと一般的に米飯が硬く、逆に小さいと柔らかいと判断することができる。米飯10g当りの米粒数は、その数が多いと吸水量が少なく、ボリュームがないことを示し、その数が少ないと吸水量が多く、ボリュームがあることを示している。
【0030】
【表1】


【0031】
表1の結果によれば、各試験区のもろさ荷重、破断エネルギーはほぼ同じ数値を示したことから、これらは物性的に同じであると判断することができ、乳化剤量の調整によっては、いずれの場合も米飯のべったりした食感が解消されず、米飯のふっくらした食感を出すことが出来ないことが分かった。
【0032】
実施例1(水溶性ヘミセルロース量の調整)
表2に示した配合で水溶性ヘミセルロース量の異なる数種の調味料を作製した。なお、乳化は、T.K.ホモミクサーMARK II f model[特殊機化工業(株)製]により行い、乳化平均粒子径が60μmとなるようにした。
得られた各種調味料27gを炊飯後の米飯200gに混合して、それぞれの米飯への混ぜ込み易さ、米飯のふっくらした食感、乳化剤特有の味や香り、米飯のべったりした食感、米飯のぱらけた食感を評価すると共に物性測定を行った。結果を表2に示す。水溶性ヘミセルロースはソヤファイブ[おから由来、不二製油(株)製]を使用し、その量を0、0.01、0.30、0.50質量%と変化させた。本実施例1におけるグリセリン脂肪酸エステルは理研ビタミン(株)製を用いた。
なお、米飯への混ぜ込み易さ、米飯のふっくらした食感、乳化剤特有の味や香りは、実験例1と同様にして4段階で官能評価した。また、米飯のべったりした食感とぱらけた食感については「有」「無」と示した。物性測定は実験例1と同様にして測定し、さらに実験例1と同様にして総合評価した。
【0033】
【表2】


【0034】
表2の結果によれば、水溶性ヘミセルロース含量が0質量%では、米飯10g当りの米粒数が多く、吸水量が少ないことが確認できた。また、もろさ荷重が低いため、ふっくらした食感を有しておらずにべったりした食感であることが確認できた。
一方、水溶性ヘミセルロースが0.50質量%では、米飯10g当りの米粒数が少なく、吸水量が多いことが確認できた。また、もろさ荷重が高いため、ぱらけた食感を有していることが確認できた。これは、ぱらけた食感があり米飯の内部は非常に柔らかくふやけている状態であることを示唆している。
これに対して、水溶性ヘミセルロースが0.01質量%と0.30質量%では、いずれも米飯10g当りの米粒数からみて、適度に吸水していることが確認できた。また、もろさ荷重の値からも適度な粘りがあり、破断エネルギーも他の試験区と同様の数値であったため、ふっくらした食感を有していることが確認できた。
従って、水溶性ヘミセルロース量が0質量%では米飯のべったりした食感が解消されず、ふっくらした食感がないことが分かる。これに対して、水溶性ヘミセルロース量が0.01質量%〜0.30質量%では混ぜ込み易く、米飯にふっくらした食感があり、乳化剤特有の味や香りもなく良好であることが分かる。一方、水溶性ヘミセルロース量が0.50質量%では米飯に好ましいふっくらした食感を出すことができず、ぱらけた食感が多く出ることが分かる。
【0035】
実施例2
実施例1において、水溶性ヘミセルロースをサンファイバーR[太陽化学(株)製]に代えたこと以外は、実施例1と同様にして数種の調味料を作製し、炊飯後の米飯に混合して評価した。結果を表3に示す。
【0036】
【表3】


【0037】
表3の結果によれば、表2の結果に比べて、米飯10g当りの米粒数がやや多く、吸水量がやや少ないことが確認できた。また、もろさ荷重がやや低いため、ふっくらした食感が若干劣ることが確認できた。
【0038】
実施例3
実施例1において、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル[理研ビタミン(株)製]の代わりに、ショ糖脂肪酸エステル[太陽化学(株)製]を用いたこと以外は、実施例1の試験区2,3と同様にして2種の調味料を作製し、炊飯後の米飯に混合して評価した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】


【0040】
表4の結果によれば、乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用しても、米飯のふっくらした食感が得られることが確認できた。
【0041】
実施例4
実施例1において、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル[理研ビタミン(株)製]の代わりに、酵素分解大豆レシチン[太陽化学(株)製]を用いたこと以外は、実施例1の試験区2,3と同様にして2種の調味料を作製し、炊飯後の米飯に混合して評価した。結果を表5に示す。
【0042】
【表5】


【0043】
表5の結果によれば、乳化剤として酵素分解大豆レシチンを使用しても、米飯のふっくらした食感が得られることが確認できた。
【0044】
実施例5
実施例1において、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル[太陽化学(株)製]とショ糖脂肪酸エステル[太陽化学(株)製]とを併用したこと以外は、実施例1の試験区2,3と同様にして2種の調味料を作製し、炊飯後の米飯に混合して評価した。結果を表6に示す。
【0045】
【表6】


【0046】
表6の結果によれば、乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルとを併用しても、米飯のふっくらした食感が得られることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の乳化状米飯混ぜ込み用調味料は、米飯に混ぜ込み易く、均一に味付けでき、しかも米飯がべったりした食感又はぱらけた食感にならずにふっくらした食感を有しており、米飯につやを与え、乳化剤特有の味や香りを感じることなくおいしく喫食することができる。
従って、本発明は、食品産業において有効に用いることができる。

【出願人】 【識別番号】398065531
【氏名又は名称】株式会社ミツカングループ本社
【識別番号】301058344
【氏名又は名称】株式会社ミツカンナカノス
【出願日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【代理人】 【識別番号】100074077
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 藤郎

【識別番号】100086221
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 裕也

【公開番号】 特開2005−130788(P2005−130788A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−371908(P2003−371908)