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【発明の名称】 ルウの製造法及びそれを使用したソース類又はスープ類
【発明者】 【氏名】吉田 靖彦
【住所又は居所】茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センター内

【氏名】井出 州士郎
【住所又は居所】茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センター内

【要約】 【課題】本発明の目的は、天然原料に麹を加え得られた発酵物を使用することで、冷めても硬くなりにくく、長期冷凍保管後でも、口溶けが良く、滑らかな食感を維持し、艶、色調に優れたホワイトソースを得るためのルウ及びそのルウを使用したソース類又はスープ類を提供する事にある。

【解決手段】本発明は、澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物を添加してなるルウであって、発酵物が無排水蒸煮大豆の発酵物であり、当該発酵物をルウ全体に対して0.01重量%〜5重量%添加するルウの製造法であって、上記ルウを使用するソース類又はスープ類であり、ソース類を使用してなるクリームコロッケ類である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物を添加してなるルウ。
【請求項2】
上記発酵物が無排水蒸煮大豆の発酵物である、請求項1記載のルウ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の発酵物をルウ全体に対して0.01重量%〜5重量%添加する、ルウの製造法。
【請求項4】
上記ルウを使用するソース類又はスープ類。
【請求項5】
冷凍耐性を有する請求項4記載のソース類又はスープ類。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のソース類を使用してなるクリームコロッケ類。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に麹による発酵物を添加するルウの製造法及び当該ルウを使用したソース類及びスープ類に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の加工技術、保存技術の発達により、電子レンジ、オーブンレンジなどで加熱するだけで食べられる簡便性の良い食品や調理済み食品が流通市場に多く出回っている。その中でもグラタンやコロッケ、ドリアなどホワイトソースを使用した商品が年々増加している。ホワイトソースは、一般的には小麦粉、コーンスターチ、米粉等の粉とバター、マーガリン、液状油脂等の油脂とを混合加熱したルウに牛乳や水を加えて溶きのばし必要により種々の調味料を加えることによって得られる。ホワイトソースを使用した商品は加熱してすぐに食べる場合だけでなく、弁当などに入れて数時間後に食べる場合もある。
これまでにホワイトソースの食感改良のために、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等公知の乳化剤が適宜選択使用されてきた。具体的には特許文献1ではHLBが7以上であり、構成脂肪酸が炭素数12〜22の1種又は2種以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを添加する事を特徴とするホワイトソースが提案されている。しかしながら、これらの添加物を使用してもたいていのホワイトソースは作りたての状態では滑らかな食感を有しているものの、時間の経過とともに温度が低下し、硬くなり、口溶けも悪くなり、食感の劣化も生じてくるという問題があった。さらに、天然添加物での報告はβ―アミラーゼ酵素を用いた特許文献2はあるものの、それ以外の天然物を利用した提案はまだ見出されていない。
【0003】
【特許文献1】特開2003−061628号公報
【特許文献2】特開2002−136275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の実情に鑑み、天然原料に麹を加え得られた発酵物を使用することで、冷めても硬くなりにくく、長期冷凍保管後でも、口溶けが良く、滑らかな食感を維持し、艶、色調に優れたホワイトソースを得るためのルウ及びそのルウを使用したソース類又はスープ類を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、ルウの製造に際して、特定の麹発酵物が有効であるという知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物を添加してなるルウである。第2は、上記発酵物が無排水蒸煮大豆の発酵物である、第1記載のルウである。第3は、第1又は第2記載の発酵物をルウ全体に対して0.01重量%〜5重量%添加する、ルウの製造法である。第4は、上記ルウを使用するソース類又はスープ類である。第5は、冷凍耐性を有する第4記載のソース類又はスープ類である。第6は、第4又は第5記載のソース類を使用してなるクリームコロッケ類である。
【発明の効果】
【0006】
澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物を添加することにより、冷めても硬くなりにくく、長期冷凍保管後でも、口溶けが良く、滑らかな食感を維持し、艶、色調に優れたホワイトソースを得るためのルウ及びそのルウを使用したソース類又はスープ類を提供することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のルウの製造方法としては、澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物を添加し加熱・混合することによって得ることができる。その際加熱・混合に使用する装置としては例えばガス直火釜、高圧蒸気ニーダーなども利用できるが、これらの装置に限らない。
【0008】
本発明の澱粉含有物としては、小麦、大麦、米、トウモロコシ等の穀類、該穀類を原料とする小麦粉、大麦粉、米粉、コーンフラワー等の穀粉、或いは、馬鈴薯、甘藷、タピオカ、レンコン等を原料とするスターチ、片栗粉等の澱粉、加工澱粉、デキストリン類等が挙げられ、目的の風味、食感等に応じて適宜選択し、これらを単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの原料のなかでは小麦粉が好ましく、ロール粉砕とふすまの篩別および漂白など常法により製造されたものであればその種類に制限はなく、例えば強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、超薄力粉など含有グルテンの量を問わない。また、ローストした小麦粉でもよい。好ましくは、中力粉、薄力粉が好ましい。
【0009】
本発明の油脂としては、いっさいの可食性動植物油脂、例えば(パーム油、やし油、パーム核油、なたね油、ごま油、大豆油、落花生油、サフラワー油、シア脂等)、乳脂(バター等)、油脂加工食品(マーガリン、ショートニング等)、動物脂(豚脂、牛脂等)、またはそれらの分別油、エステル交換油、硬化油等であれば特に問わない。好ましくは、融点として15〜36℃の油脂が好ましい。
【0010】
本発明の発酵物としては、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物であって、穀類としては大麦、小麦、米が例示でき、豆類としては小豆、大豆が例示できる。麹とは麦、米、豆、フスマ、ヌカ等を蒸して、これに麹菌を繁殖させて得ることが出来る。発酵物としては具体的には麦味噌、米味噌、豆味噌、醤油、酒が例示できる。
【0011】
本発明においては、発酵物としては穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物であるが、風味、効果において、無排水蒸煮大豆の発酵物が好ましい。無排水蒸煮大豆の発酵物の製造法としては、特公平5−74332号公報に開示している、常温以下で、1/2〜1/8程度に粗砕した大豆を密閉容器に入れ、その容器内にゲージ圧1kg/cm2以下の水蒸気を噴射し、3〜20分間加圧状態を維持した後、急激に大気圧以下の密閉容器外に排出して膨化させ、粉末にしたもの(無排水蒸煮大豆膨化物)に、80〜95℃の熱湯を散布し麹と食塩を添加して発酵させて得られた無排水蒸煮大豆の発酵物が例示できる。通常の方法では、穀類、豆類を蒸煮し水分を除去し、その後麹を加え発酵するが、蒸煮することによって、穀類、豆類に含まれる一部の水溶性成分が製造工程中で除去されるので、無排水蒸煮大豆の発酵物が好ましい。発酵物の添加量としてはルウ全体に対して、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%、更に0.5重量%〜3重量%が好ましい。無排水蒸煮大豆の発酵物の添加量が少ない場合には効果が得がたく、多い場合は発酵物由来の風味が出てくるため、望ましくない。
【0012】
無排水蒸煮大豆の発酵物は、無排水であるため、大豆中に含まれるレシチンやトコフェロールなどの有用成分がそのまま残っている。また、発酵生成物中には蛋白分解物、酵素であるアルファーアミラーゼ等が含まれている。これらの成分が相乗的に作用して、乳化力が高められ、ホワイトソースの食感をなめらかにし、風味を向上させ、冷めてもボテつきを生せずに滑らかな食感を維持し、さらに艶も有するホワイトソース用ルウを製造する事ができるので好ましい。
ここでのアルファーアミラーゼは、大豆を発酵させる際、麹によって作られるアミラーゼの一種である。
【0013】
本発明のソース類としては、ホワイトソース、カレーソース、デミグラスソース、ハンバーグソース等が例示できる。具体的なホワイトソースの製造法としては、先に述べた方法でルウを調製する。即ち、澱粉含有物及び油脂を含むルウ原料に、穀類、豆類から選ばれてなる一種以上の原料に麹を加え得られた発酵物を添加し加熱・混合することによって得ることができる。得られたルウに、40℃付近まで温めた牛乳を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように混ぜる。ついで食塩を加えて95℃付近まで煮詰めるとホワイトソースができる。
これまでのホワイトソースにおいては、澱粉と油脂と牛乳を主成分とし、澱粉の糊化により発現した滑らかな食感、高い粘性によりとろりとした舌ざわり、乳のコク味が特徴であった。このような従来のホワイトソースでは、長期冷蔵或いは冷凍、レンジ解凍、フライなどにより澱粉ゲルの老化又は離水が起こりやすく、ホワイトソース本来の風味・食感が損なわれるという問題があった。しかしながら、本発明のルウを使用することにより、冷めてもボテつきを生じずに滑らかな食感を維持し、さらに艶も有する効果がある。
【0014】
本発明のスープ類としては、材料を煮込んでそのまま食するようなチャウダー、ミネストローネ、ブイヤベース、ボルシチなどのスープ類、ブイヨンなどでのばしたブルーテ、牛乳などでのばしたクリーム、いも、野菜、米、豆などを一緒に煮込んで裏ごししてから調味したピューレタイプのポタージュなどのスープ類に本願発明の麹による発酵物を添加してなるルウを加え混合したものをいう。
【実施例】
【0015】
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
ホワイトソースの評価方法
ホワイトソースの評価については、レオナーを使用した機器による評価と官能による評価の二つの方法を採用した。
(レオナーによる方法)
ホワイトソースの硬さ、凝集性、付着性、ガム性をレオナーにより測定した。具体的にはホワイトソースを直径5.8cm、高さ3.2cmの円柱状の亀甲容器にすりきり一杯まで入れレオナー(山電社製)にて行った。条件としては、プランジャー:30mm円盤状、クリアランス:0.1mm、ステージスピード:1.0mm/secで硬さ、凝集性、付着性、ガム性を求めた。
硬さ;ホワイトソースを押したときにホワイトソースから受ける反発力の最大値で、高いほど硬く低いと軟らかい。
凝集性;ホワイトソースの形態を構成する内部的結合に必要な力とされ、高いほど結合力が強く低いと結合力が弱いとされる。
付着性;ホワイトソースを押して引き離すときに要する力の最大値で、高いほど付着性が強く低いと滑らかな食感とされる。
ガム性;ホワイトソースを飲み込める状態まで崩壊させるために必要なエネルギーとされ、高いほど飲み込みにくく低いほど口溶け感が良い。(ガム性=硬さ×凝集性)
本発明のホワイトソースとしては、硬さ、付着性、ガム性が低いと良く、逆に硬さ、付着性、ガム性が高いと悪いものとなる。
【0016】
(官能による評価)
10人のパネラーに3つの温度帯に調整したホワイトソースの口溶け、食感、艶、色調、風味の5項目について、
◎:大変良い
○:良い
△:良くも悪くもない
×:悪い
の4段階で評価してもらい、これらの平均値を求めた。
【0017】
実験例1
(ルウの調製)
常温以下で、1/2〜1/8程度に粗砕した大豆を密閉容器に入れ、その容器内にゲージ圧1kg/cm2以下の水蒸気を噴射し、大豆を蒸煮することなく3〜20分間加圧状態を維持した後、急激に大気圧以下の密閉容器外に排出して膨化させ、粉末にしたものに、80〜95℃の熱湯を散布し麹と食塩を添加して発酵させて無排水蒸煮大豆の発酵物を得た。
別途、小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部、さらに先に調製した無排水蒸煮大豆の発酵物200部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却してルウを調製した。ルウの風味を評価したところ良好であった。(発酵物2重量%含有ルウ)
【0018】
実施例1〜実施例3
(ホワイトソースの調製)
実験例1で得たルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳300部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温を20℃まで冷やして、レオナーによる評価用に亀甲容器に85g充填したものを6個調製し、2個づつを3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、2時間後に各々の温度になったところでレオナーで測定し、残りの3個については1晩エージングし実施例1〜実施例3の3種類のホワイトソースを得た。これら3種類のホワイトソースについてレオナーによる評価を行い表1に纏めた。
また、官能評価用には氷水で品温を20℃まで冷やすまでは上記と同様の処理を行い、亀甲容器に代えてナイロン袋に100gづつ充填し3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、1晩エージングして実施例1〜実施例3の3種類のホワイトソースを得た。官能による評価を行い表2に纏めた。
以上のようにして実施例1〜実施例3のホワイトソースをレオナーによる方法と官能による方法で評価し表1、表2に纏めた。
【0019】
【表1】



【表2】


【0020】
比較例1〜比較例3
(通常のホワイトソースの調製)
小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却して通常のルウを調製した。ルウの風味を評価したところ良好であった。
上記ルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳350部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温が20℃まで冷やして、レオナーによる評価用に亀甲容器に85g充填したものを6個調製し、2個づつを3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、2時間後に各々の温度になったところでレオナーで測定し、残りの3個については1晩エージングし比較例1〜比較例3の3種類のホワイトソースを得た。これら3種類のホワイトソースについてレオナーによる評価を行い表3に纏めた。
また、官能評価用には氷水で品温を20℃まで冷やすまでは上記と同様の処理を行い、亀甲容器に代えてナイロン袋に100gづつ充填し3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、1晩エージングして比較例1〜比較例3の3種類のホワイトソースを得た。官能による評価を行い表4に纏めた。実施例1では牛乳300部であるのに対して比較例1では牛乳350部としたのは比較例1の5℃での硬さを実施例1の5℃の硬さと同じになるように加水量を調整したためである。
比較例1〜比較例3のホワイトソースをレオナーによる方法と官能による方法で評価し表3、表4に纏めた。
【0021】
【表3】



【表4】


【0022】
実施例4
(カレーソースの調製)
(原材料)
ベーコン120部、たまねぎ240部、じゃがいも600部、人参150部、カレー粉20部、食塩10部、上白糖8部、グルタミン酸ナトリウム1部、水1000部、サラダ油20部、実験例1で得たルウ100部
(調理方法)
まず、たまねぎの皮を剥ぎ半割りにして薄く切り厚手の鍋に入れてサラダ油で歩留り75%程度になるまで炒めた。次に、別途カレー粉と共に炒めたベーコンと一口大に乱切りにした人参とじゃがいもを上記鍋に加え、食塩、上白糖、グルタミン酸ナトリウムと水を加え蓋をして強火で加熱した。沸騰後弱火にして、さらに15分間煮込んだ後いったん加熱を止めた。最後に本願発明の実験例1で得たルウを入れよくかき混ぜた後、再び弱火で15分間煮込んだ。得られたカレーソースはさらっとしており具材の風味と良く馴染み良好な風味を有していた。
【0023】
比較例4
(カレーソースの調製)
小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却して通常のルウを調製した。ルウの風味を評価したところ良好であった。
実施例4において、実験例1で得たルウ100部に代えて上記の通常のルウを100部使用した以外は実施例4と同様な配合、同様な処理を行いカレーソースを得た。得られたカレーソースは具材そのもののにおいを強めに感じられた。
【0024】
実施例5
(スープの調製)
(原材料)
人参70部、たまねぎ160部、セロリ40部、バター30部、実験例1で得たルウ50部、水1200部、クリームコーン230部、ホールコーン460部、固形スープ2個、牛乳360部、生クリーム90部
(調理方法)
人参、たまねぎ、セロリをバターで炒める。そこへ本願発明の実験例1で得たルウ、水、クリームコーン、ホールコーン、固形スープ2個を加え30分間煮込む。その後、家庭用ミキサーにて混合し、裏ごして、牛乳、生クリームを加え、コーンスープを得た。得られたコーンスープは滑らかで口溶け感が良くコーンの風味が一層引き立っていた。
【0025】
比較例5
(スープの調製)
実施例5において、実験例1で得たルウ50部に代えて比較例4で調製した通常のルウ50部を使用した以外実施例5と同様な配合、同様な処理を行いコーンスープを得た。得られたコーンスープはボテ感があり口溶けが悪くコーンの風味も引き立たなかった。
【0026】
実験例2
(ルウの調製)
実験例1で得た無排水蒸煮大豆の発酵物を使用して、以下の方法でルウを調製した。
小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部、さらに先に調製した無排水蒸煮大豆の発酵物2部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却してルウを調製した。ルウの風味を評価したところ良好であった。(発酵物0.02重量%含有ルウ)
【0027】
実施例6〜実施例8
(ホワイトソースの調製)
実験例2で得たルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳350部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温を20℃まで冷やして、レオナーによる評価用に亀甲容器に85g充填したものを3個調製し、3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、1晩エージングし実施例6〜実施例8の3種類のホワイトソースを得た。これら3種類のホワイトソースについてレオナーによる評価を行い表5に纏めた。
また、官能評価用には氷水で品温を20℃まで冷やすまでは上記と同様の処理を行い、亀甲容器に代えてナイロン袋に100gづつ充填し3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、1晩エージングして実施例6〜実施例8の3種類のホワイトソースを得た。官能による評価を行い表6に纏めた。
以上のようにして実施例6〜実施例8のホワイトソースをレオナーによる方法と官能による方法で評価し表5、表6に纏めた。
【0028】
【表5】



【表6】


【0029】
実験例3
(ルウの調製)
実験例1で得た無排水蒸煮大豆の発酵物を使用して、以下の方法でルウを調製した。
小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部、さらに先に調製した無排水蒸煮大豆の発酵物450部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却してルウを調製した。ルウの風味を評価したところ若干豆臭を感じる程度であった。(発酵物4.3重量%含有ルウ)
【0030】
実施例9〜実施例11
実験例3で得たルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳300部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温を20℃まで冷やして、レオナーによる評価用に亀甲容器に85g充填したものを3個調製し、3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、1晩エージングし実施例9〜実施例11の3種類のホワイトソースを得た。これら3種類のホワイトソースについてレオナーによる評価を行い表7に纏めた。
また、官能評価用には氷水で品温を20℃まで冷やすまでは上記と同様の処理を行い、亀甲容器に代えてナイロン袋に100gづつ充填し3つの温度帯(5℃のインキュベーター、15℃のインキュベーター、25℃のインキュベーター)に分けて静置し、1晩エージングして実施例9〜実施例11の3種類のホワイトソースを得た。官能による評価を行い表8に纏めた。
以上のようにして実施例9〜実施例11のホワイトソースをレオナーによる方法と官能による方法で評価し表7、表8に纏めた。
【0031】
【表7】



【表8】


【0032】
比較実験例1
(ルウの調製)
実験例1で得た無排水蒸煮大豆の発酵物を使用して、以下の方法でルウを調製した。
小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部、さらに先に調製した無排水蒸煮大豆の発酵物550部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却してルウを調製した。ルウの風味を評価したところ豆臭を感じた。
【0033】
実施例12
(ホワイトソースの長期冷凍保管)
実験例1で得たルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳300部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温を20℃まで冷やし、官能評価用に亀甲容器に40gずつ充填したものを6個調製し、‐40℃のショックフリーザーで2時間急速凍結した後、‐30℃の冷凍庫にて1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月に亘って保管した。各々の期間保管した後これらのホワイトソースについて電子レンジ(700W、5分間)による加熱・解凍を行い、加熱解凍後すぐのものについて、官能による評価を行い結果を表9に纏めた。
【0034】
【表9】


【0035】
実施例13
(クリームコロッケの調製)
実験例1で得たルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳300部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温を5℃付近まで冷やしてホワイトソースを得た。このホワイトソースに衣を付けてクリームコロッケを作成し一旦ショックフリーザー(−40℃)で急速凍結した後、‐30℃の冷凍庫にて1ヶ月保管した。冷凍のまま、180℃、4分フライを行い、フライ後の各経過時間(フライ後すぐ、フライ後1時間、フライ後3時間、フライ後5時間、フライ後7時間)での官能による評価を行い表10に纏めた。
今回各経過時間での官能評価を行ったのは、店頭に並んでいるクリームコロッケを購入してから口にするまでにかかる時間を想定しているのと、冷めたクリームコロッケを再加熱せずに食べた時に食感がどのように変化するかを確認するためである。
【0036】
【表10】


【0037】
比較例6
(通常のクリームコロッケの調製)
小型ニーダー(10L容)(カジワラ株式会社製)を用いて、バター1110部を弱火で焦がさないように融解し、完全に融解したならば、植物油脂(融点32℃)2220部と予めローストした薄力粉6670部を加え、60〜80℃で30分間攪拌し、30℃付近まで冷却して通常のルウを調製した。ルウの風味を評価したところ良好であった。
上記ルウ100部を、手鍋に入れ、40℃付近に温調し、同じく40℃付近まで温めた牛乳350部を加えて火を強め、泡立て器でダマができないように手早く混ぜる。ついで食塩1.2部を加えて95℃付近まで煮詰め、氷水で品温を5℃付近まで冷やしてホワイトソースを得た。このホワイトソースに衣を付けてクリームコロッケを作成し一旦ショックフリーザー(−40℃)で急速凍結した後、‐30℃の冷凍庫にて1ヶ月保管した。冷凍のまま、180℃、4分フライを行い、フライ後の各経過時間(フライ後すぐ、フライ後1時間、フライ後3時間、フライ後5時間、フライ後7時間)での官能による評価を行い表11に纏めた。
今回各経過時間での官能評価を行ったのは、店頭に並んでいるクリームコロッケを購入してから口にするまでにかかる時間を想定しているのと、冷めたクリームコロッケを再加熱せずに食べた時に食感がどのように変化するかを確認するためである。
実施例13では牛乳300部であるのに対して比較例6では牛乳350部としたのは比較例6の5℃での硬さを実施例13の5℃の硬さと同じになるように加水量を調整したためである。
【0038】
【表11】


【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、ルウの製造法及びそれを使用したソース類又はスープ類に関するものである。
【出願人】 【識別番号】000236768
【氏名又は名称】不二製油株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区西心斎橋2丁目1番5号
【出願日】 平成16年6月29日(2004.6.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−95150(P2005−95150A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2004−190617(P2004−190617)