| 【発明の名称】 |
乳化組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 達生 【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号 旭化成株式会社内
【氏名】柳沼 義仁 【住所又は居所】宮崎県延岡市旭町6丁目4100番地 旭化成株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】手作り食品のごとき外観、風味を持ち、しかも加工食品として充分な耐熱安定性、経時安定性を有する乳化組成物(ラーメンスープ等)を提供すること。
【解決手段】乳化組成物に、特定の物性を有する、植物細胞壁を原料とした微細な繊維状のセルロースを配合する。乳化組成物の製造時には、油成分の混合・撹拌条件を選択し、10μm以上の油球が多数存在するようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物細胞壁を原料とする、結晶性で、かつ、微細な繊維状のセルロースであって、水中で安定に懸濁する成分を30質量%以上含有し、かつ、0.5質量%水分散液とした時の損失正接が1未満である水分散性セルロースを配合し、かつ、10μm以上の油球を含むことを特徴とするO/W型乳化組成物。 【請求項2】 植物細胞壁を原料とする、結晶性で、かつ、微細な繊維状のセルロース50〜95%と親水性高分子および/または水溶性物質5〜50%からなる乾燥組成物であって、水中で安定に懸濁する成分を30%以上含有し、かつ、0.5質量%水分散液とした時の損失正接が1未満である水分散性複合体を配合し、かつ、10μm以上の油球を含むことを特徴とするO/W型乳化組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はフレーバーや脂肪感が良好で、かつ、安定な乳化食品に関わる。 【背景技術】 【0002】 加工乳化食品は、流通や保存に耐えるよう、強力な乳化処理(均質化処理)により、油球を十分に小さくされることが多い。ところが、油球が小さいと、例えばラーメンスープの場合は油のフレーバーやコク(脂肪感)が低下し、さっぱりとした味になってしまうなど、味覚的に好ましくない場合があった。 一方、手作りのように弱い乳化で作られた食品は、通常、油球が大きいので前述の味が改善されるが、保存安定性や耐熱安定性に劣る場合が多い。 従来、乳化食品の味と安定性を両立させるために、いろいろな試みがなされている。例えば特許文献1においては、「白粕」とよばれる水不溶性食物繊維を乳化剤として使用する技術が開示されている。また、特許文献2においては、特定の物性を有するゼラチンが希釈用ラーメンスープの乳化剤として使用する技術が開示されている。さらに、特許文献3においては、ジェランガムのゲルからなる水相部と食用油を混合してなるドレッシングについて開示がある。 しかしながらいずれの技術も、油球が大きいにもかかわらず、経時的に安定な乳化組成物に関しては開示がなかった。 【特許文献1】特開平5−336901号公報 【特許文献2】特開平5−3772号公報 【特許文献3】特開平8−116919号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、長期間の保存や加熱等のヒートショックによる著しい油成分の分離がなく、しかも油成分のフレーバーやコク(脂肪感)に優れた乳化食品を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは、微細な繊維状のセルロースを主たる成分とする水分散性組成物を使用することで課題を解決し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は下記の通りである。 (1)植物細胞壁を原料とする、結晶性で、かつ、微細な繊維状のセルロースであって、水中で安定に懸濁する成分を30質量%以上含有し、かつ、0.5質量%水分散液とした時の損失正接が1未満である水分散性セルロースを配合し、かつ、10μm以上の油球を含むことを特徴とするO/W型乳化組成物。 (2)植物細胞壁を原料とする、結晶性で、かつ、微細な繊維状のセルロース50〜95%と親水性高分子および/または水溶性物質5〜50%からなる乾燥組成物であって、水中で安定に懸濁する成分を30%以上含有し、かつ、0.5質量%水分散液とした時の損失正接が1未満である水分散性複合体を配合し、かつ、10μm以上の油球を含むことを特徴とするO/W型乳化組成物。 【発明の効果】 【0005】 本発明の乳化組成物は、長期間の保存や加熱等のヒートショックによる解乳化がなく、しかも油成分のフレーバーやコク(脂肪感)に優れた乳化食品である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明について、以下具体的に説明する。 本発明で使用される微細な繊維状のセルロースは植物細胞壁を起源としたセルロース性物質を原料とする。具体的には、工業的に使用が可能なセルロース性物質、例えば木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、ケナフ、マニラ麻(アバカ)、サイザル麻、ジュート、サバイグラス、エスパルト草、バガス、稲わら、麦わら、葦、竹などの天然セルロースを主成分とするパルプが好ましく使用される。特に工業的に使用が可能なものが好ましい。これら天然セルロースを主成分とするパルプは、コストが低く、安定的に入手することができるので、これを原料として、経済的に製品を市場に供給することができる。原料確保の問題があるので、植物細胞壁を起源としないセルロース性物質である微生物セルロースは本発明の原料には含まれない。 【0007】 綿花、パピルス草、ビート、こうぞ、みつまた、ガンピなども使用が可能だが、原料の安定的な確保が困難であること、セルロース以外の成分の含有量が多いこと、ハンドリングが難しいことなどの理由で好ましくない場合がある。ビートパルプや果実繊維パルプなどの柔細胞由来の原料もまた同様である。再生セルロースを原料とした場合、充分な性能が発揮されないので、再生セルロースもまた本発明の原料としては含まれない。 本発明で使用される微細な繊維状のセルロースの「微細な繊維状」とは、光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察・測定されるところの、長さ(長径)が0.5μm〜1mm程度、幅(短径)が2nm〜60μm程度、長さと幅の比(長径/短径)が5〜400程度であることを意味する。 【0008】 本発明で使用される微細な繊維状のセルロースは結晶性である。具体的には資料を乾燥した後、X線回折法(シーゲル法)で測定されるところの結晶化度が50%を越える。好ましくは55%以上である。水分散性複合体の場合はそのまま測定される。親水性高分子等の成分は非晶性であり、非晶性成分としてカウントされるが、それでも結晶化度が50%を越えれば、微細な繊維状のセルロースの結晶化度は50%を越えるといえる。例えば49%などの場合は、微細な繊維状のセルロースを他の成分から分離し、測定しなければならない。 【0009】 本発明で使用される水分散性セルロースは、水中で安定に懸濁する成分を含有する。本明細書中で「水中で安定に懸濁する成分」とは、具体的には、0.1質量%濃度の水分散液として、これを1000Gで5分間遠心分離した時においても、沈降することなく水中に安定に懸濁しているという性質を有する成分である。該成分は、高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察・測定される長さ(長径)が0.5〜30μmであり、幅(短径)が2〜600nmであり、長さと幅の比(長径/短径比)が20〜400である繊維状のセルロースからなる。好ましくは、幅が100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。 【0010】 通常セルロース粒子の水分散系は白濁することが特徴であり、その白さゆえに食品においてはクラウディ剤として使用されることがある。しかしながら本発明で使用される微細な繊維状のセルロースの好ましい実施態様、すなわちほとんどの成分の幅が100nm以下になると、水分散液の光の透過性が上がり、透明性を増してくるという特徴を有する。この「水中で安定に懸濁する成分」は本発明において最も重要な要素であり、より低添加量で乳化状態の安定化を発揮する原因となるものである。 本発明で使用される水分散性のセルロースは、この「水中で安定に懸濁する成分」を30質量%以上含有する。この成分の含有量が30質量%未満であると、前述の乳化安定性が発揮されない。含有量は多いほど好ましいが、50質量%以上であればより好ましい。なお、この成分の含有量は特に断らない限り、全セルロース中の存在比率を表すものであり、水溶性成分が含まれている場合であってもそれが含まれないように測定・算出される。 【0011】 本発明で使用される水分散性セルロースは、0.5質量%濃度の水分散液において、歪み10%、周波数10rad/sの条件で測定される損失正接(tanδ)が1未満であり、好ましくは0.6未満である。この値は、水分散液の動的粘弾性を示すものであり、値が低いほど水分散液がゲル的な性質をとる。ゲルとは、たとえば高分子水溶液においては、溶質(高分子鎖)が三次元的な網目構造を形成し、溶媒(水)を不動化(固定化)する状態と考えられている。一般論として、ゲル形成性水溶性高分子の場合、低濃度では損失正接が1以上であるが、濃度が上がるに連れて値が下がり、ゲルを形成する濃度では1未満となるといわれている。一方、本発明で使用される水分散性セルロースは、前述の測定条件では損失正接が1未満であるが、流動性があり、真性のゲルではない。すなわち、低周波数あるいは低歪みにおいては分散質(微細な繊維状のセルロース)が三次元網目構造を形成し、分散媒(水)を固定化する性質、すなわちゲル的性質を有する、ということである。損失正接が1以上であると、乳化安定性等の性質が劣る。0.6未満であるとそれらの性能はさらに秀でたものとなる。 【0012】 このように「水中で安定に懸濁する成分」の形状や量および動的粘弾性(損失正接)は、系の中で微細な繊維状のセルロースのネットワークがより微細で緊密に形成されるということを意味する。これによって大きな油球であってもネットワークに取り込まれ、経時的に安定な乳化状態を形成する。油球が大きいために、油成分のフレーバー立ちが良好で、かつ、コクや酸味がでるため、手作りの乳化組成物(たとえば、ドレッシングやラーメンスープ)の如き製品を製造することができる。 【0013】 本発明で使用される水分散性セルロースは、液体との混合(分散)状態、又は、固体(粉末)の状態のいずれでも利用することが出来る。好ましい状態とは水との混合(分散)した状態である。この場合、水分は輸送上の観点から少ない方が好ましいが、水や食品中への配合(分散)のしやすさの点から水分は80質量%以上が好ましい。水以外の液体としては親水性の液体、例えばエタノールやグリセリンを同様の目的で使用することが出来る。好ましい実施態様は、水分散性セルロース0.1〜7質量%と水からなる、スラリー状もしくはペースト状の組成物であり、取扱い及び食品への配合性がよい。水分散性セルロース量が0.1質量%未満だと乳化組成物に配合した場合は半分以下の濃度となってしまうので、乳化安定性の効果が充分ではなく、また、7質量%を越えると流動性がなくなり、取扱いが困難となる。 【0014】 本発明で使用される水分散性セルロースには、単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類、デンプン類、可溶性デンプン、デンプン加水分解物、油脂類、蛋白質類、食塩、各種リン酸塩等の塩類、乳化剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸味料、保存料、殺菌料、酸化防止剤、防かび剤、日持ち向上剤、香料、色素など食品に使用される成分が配合されていてもよい。但し、そのような成分の配合はおおよそ13質量%が上限である。 それ以上となると、全体の固形分が高く、流動性が低下し、取り扱いが困難となる。好ましい組成は、水分散性セルロース0.1〜7質量%、水80〜99.9質量%、その他の成分0〜13質量%である。 【0015】 本発明で使用される水分散性セルロースはきわめて水中での懸濁安定性が高い。そのため、従来の微小繊維状セルロースのように、保水度(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.26)やろ水度(Freeness:JIS P 8121)を測定することができない。 保水度を測定する場合、絶乾0.5g相当量のセルロースを含む水懸濁液を、目開き74μmの金属製ワイヤ(φ20mm)を張った金属製カップろ過器に注ぎ、吸引装置で徐々に吸引した時に均一なマット状とならなければならないが、本発明の水分散性セルロースは目詰まりを起こしてマット状にならないか、あるいは金属製ワイヤを通り抜けてしまう。目詰まりを起こした場合、その後の操作である3000G(15分)による遠心分離操作を行ったとしても脱水することは出来ず、上部に離水が生じてしまう。 【0016】 また、ろ水度(カナダ標準形)を測定する場合、黄銅製のふるい板(厚さ0.51mm、直径0.51mmの穴が表面1000mm2当たり969個ある)で濾過するような操作を含む。0.3質量%のセルロース(パルプ)繊維水分散液を通す時、セルロース繊維がふるい板の上に積層することにより、水の落下速度が変わることを利用し、セルロース繊維の叩解の程度を判定するというものであるが、水分散性セルロースのろ水度を測定すると、水分散性セルロースはふるい板にとどまることなく通過してしまう。詳細を省くが、セルロース繊維の叩解(以下、微小繊維化、という)の程度が進行すると、ろ水度は段々小さくなるが、(製紙用パルプ繊維として)過剰に短く、細くなると、繊維がふるい板を繊維が通過するようになり、ろ水度は段々大きくなってゆく。すなわち微小繊維化が進行すると、ろ水度ははじめは減少するが、その後増加するのである。すなわち、測定の目的と原理から、極端に微細な繊維状になったセルロースの場合、このような測定を行うこと自体が不適当と言える。 【0017】 以上のことより、従来の微小繊維状セルロースは、保水度やろ水度を測定して物性を特定していることを考えると、微細な繊維状の程度が本発明品ほどに進行していないということがわかる。すなわち本発明品は従来の微小繊維状セルロースとは一線を画するものと言える。 本発明で使用される水分散性複合体は、微細な繊維状のセルロース50〜95質量%と、親水性高分子および/または水溶性物質5〜50質量%からなる乾燥組成物であり、顆粒状、粒状、粉末状、鱗片状、小片状、シート状を呈する。この組成物は水中に投入し、機械的な剪断力を与えた時、粒子等が崩壊し、微細な繊維状のセルロースが水中に分散することを特徴とする。微細な繊維状のセルロースが50質量%未満になると、セルロースの比率が低くなって効果が発揮されない。95質量%以上になると、相対的にその他の成分の配合比率が下がるので、水中の充分な分散性を確保することができない。機能発揮の程度と水中における分散性を確保するという観点からすると、微細な繊維状のセルロースの好ましい配合量は65〜90質量%であり、親水性高分子および/または水溶性物質の好ましい配合量は10〜35質量%である。 【0018】 従来の微小繊維状セルロースにおいては、同様な乾燥組成物を調製する試みがなされている(特開昭59−189141号公報、特開平3−42297号公報、特開昭60−186548号公報、特開平9−59301号公報)。しかしながらこれらはいずれも、微小繊維状セルロースが乾燥前の状態に、充分に復元していなかった。これは、微小繊維化が不充分であり、分岐した束状の繊維が多数存在し、それらが乾燥時に角質化(合一)しやすいためと思われる。一方、本発明の微細な繊維状のセルロースは構成単位がきわめて微細な繊維状であり、分岐した束状の繊維が非常に少ないために、親水性高分子の角質化防止効果が有効に作用しやすいものと思われる。おそらくそのために、水中で分散されることにより、容易に乾燥前と同程度の状態に復帰する。 【0019】 本発明で使用される親水性高分子とは、冷水および/もしくは温水に溶解もしくは膨潤する高分子であり、乾燥時におけるセルロース同士の角質化を防止する作用を有するものである。具体的にはアラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カードラン、ガッティーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、グアーガム、酵素分解グアーガム、クインスシードガム、ジェランガム、ゼラチン、タマリンド種子ガム、難消化性デキストリン、トラガントガム、ファーセルラン、プルラン、ペクチン、ポリデキストロース、ローカントビーンガム、水溶性大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどから選ばれた1種または2種以上の物質が使用される。 【0020】 中でも、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムが好ましい。このカルボキシメチルセルロース・ナトリウムとしては、カルボキシメチル基の置換度が0.5〜1.5、1%水溶液の粘度が5〜9000mPa・s程度のものの使用が好ましい。より好ましくは、置換度が0.5〜1.0、1%水溶液粘度が1000〜8000mPa・s程度のものである。 【0021】 本発明で使用される水溶性物質とは冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさず、常温で固体の物質であり、デキストリン類、水溶性糖類(ブドウ糖、果糖、庶糖、乳糖、異性化糖、キシロース、トレハロース、カップリングシュガー、パラチノース、ソルボース、還元澱粉糖化飴、マルトース、ラクツロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等)、糖アルコール類(キシリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール等)、より選ばれた1種または2種以上の物質である。親水性高分子は前述の通り、セルロースの角質化を防ぐ効果があるが、物質によっては乾燥組成物内部への導水性に劣る。従って、乾燥組成物を水中に分散するには、より強い機械的剪断力で、より長い時間分散する必要が生じる場合がある。一方、水溶性物質は主として導水性を強化する機能があり、具体的には乾燥組成物の水崩壊性を促進させる。この作用としては特にデキストリン類が強い。 【0022】 本発明に使用されるデキストリン類とは、澱粉を酸、酵素、熱で加水分解することによって生じる部分分解物のことであり、グルコース残基が主としてα−1,4結合およびα−1,6結合からなり、DE(dextrose equivalent)として、2〜42程度のものが使用される。ブドウ糖や低分子オリゴ糖が除去された分枝デキストリンも使用することができる。 本発明に使用される水分散性複合体には微細な繊維状のセルロースと親水性高分子および/または水溶性物質以外に、水分散性、懸濁安定性や風味、外観等の改善を目的として、水溶性物質、デンプン類、油脂類、蛋白質類、食塩、各種リン酸塩等の塩類、乳化剤、酸味料、甘味料、香料、色素等の食品に使用できる成分を適宜配合されていても良い。個々の成分の配合量は、計45質量%を最大とし、製造性、機能、価格等を適宜考慮して決定される。 【0023】 本発明の水分散性複合体は、前述の通り、水中に投入し、機械的な剪断力を与えた時、構成単位(粒子等)が崩壊し、微細な繊維状のセルロースが水中に分散するようになる。このとき「機械的な剪断力」とは、0.5質量%水分散液を、回転型のホモジナイザーで、最大でも15000rpmで15分間分散するようなものであり、温度は80℃以下で処理することを意味する。 このようにして得られた水分散液は、「水中で安定に懸濁する成分」が全セルロース分に対して30質量%以上存在する。好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。そして、この水分散液の0.5質量%における損失正接は1未満である。好ましくは0.6未満である。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量と損失正接の測定条件は後述する。「水中で安定に懸濁する成分」は前述の通り、長径0.5〜30μm、短径(幅)2〜600nmである。長径/短径比は20〜400程度である。好ましくは、幅が100nm以下であり、より好ましくは50nmである。これらの性質により、前述の通り、水分散性複合体もまた水分散性セルロースと同様の乳化性を示すのである。 【0024】 以下、本発明で使用される水分散性セルロースおよび水分散性複合体の製法について説明する。 水分散性セルロースおよび水分散性複合体の主成分である微細な繊維状のセルロースの原料は前述したように、植物細胞壁を起源としたセルロース性物質が使用される。ここではその一般的物性について説明する。微細な繊維状のセルロースを効率よく製造するためには、平均重合度か400以上で、かつ、α−セルロース含有量が60〜100質量%であるセルロース性物質を使用することが好ましい。但し、その範囲内でも、平均重合度が1300未満で、かつ、α−セルロース含有量が90質量%を越えるものは含まれない。より好ましくはα−セルロース含有量が85質量%以下、最も好ましくは75質量%以下である。特に好ましい原料は、木材パルプ、コットンリンターパルプ、麦わらパルプ、竹パルプおよびバガスパルプである。原料の平均重合度が1300未満であり、α−セルロース含有量が90質量%を越える場合、0.5質量%の水分散液とした時の損失正接値を1未満とすることがきわめて難しい。(平均重合度およびα−セルロース含量の測定方法は後述する。) 【0025】 本発明で使用される微細な繊維状のセルロースの製造ポイントは、簡単に表現すれば、原料中に存在するミクロフィブリルをできるだけ微細化された状態で、かつ、短繊維化させることなく取り出すことにある。ここでいう、「短繊維化」とは、セルロースミクロフィブリルの繊維長を、例えば、切断等の作用により短くすること、あるいは短くなった状態を意味する。「微細化」とはセルロースミクロフィブリルの繊維径、例えば、引き裂く等の作用により細くすること、あるいは細くなった状態を意味する。現在の技術では「微細化」は多少なりとも「短繊維化」を伴い、引き裂き作用のみを与えて「微細化」のみを進行させる装置はない。 特に、原料のセルロース性物質の平均重合度が低いと「短繊維化」が生じやすく、粗大な繊維がなくなるまで処理すると、同時に短繊維化も進行し、結果として得られる繊維状セルロースの0.5質量%水分散液の損失正接値は1以上となってしまう。 【0026】 また、原料のセルロース性物質のα−セルロース含有量も、上記損失正接値に影響を及ぼす。すなわち、α−セルロース含有量が高いと、「微細化」と「短繊維化」が同時に進行するために、0.5質量%水分散液の損失正接値は1以上となりやすく好ましくない。ちなみに、α−セルロースとは17.5重量NaOH水溶液に溶解しない成分のことであり、これは重合度が比較的大きく、かつ、より結晶性の高い成分と考えられる。原料のセルロース性物質に含まれるα−セルロース以外の成分、すなわち、β−セルロース、γ−セルロース、ヘミセルロースなどの含有量が増えると、「短繊維化」よりも「微細化」が優位に進行する傾向にある。このため、α−セルロース以外の成分の含有量が増えると、水分散液の損失正接値は1未満となりやすくなる。これは、α−セルロース成分は結晶性の高いミクロフィブリル成分を構成し、その他の成分はそれらの周辺に位置するという構造をとっているためではないかと推定する。 【0027】 本発明で使用される原料としては、この「微細化」と「短繊維化」の受けやすさのバランスが重要であり、方向としてはより平均重合度が高く、α−セルロース含有量が低い方が好ましい。しかしながら、一般的に、α−セルロース成分は重合度が高いため、α−セルロース含有量が低いと、平均重合度も同時に下がる傾向にある。そのため、両者の最適なバランスについては詳細な検討が必要である。 その結果、原料のセルロース性物質の平均重合度が400以上、1300未満の場合は、α−セルロース含有量が60〜90質量%、平均重合度が1300以上の場合は、同含有量が60〜100質量%の時に、「短繊維化」よりも「微細化」が優位に進行することを見出した。なお、α−セルロース含有量が60%未満であると、相対的に微細な繊維状のセルロースとなり得る成分が減少してしまうので、不適当である。 【0028】 本発明に使用される原料は、微細化の促進を目的として、前処理を行ってから使用してもよい。前処理法の例としてはたとえば、希薄なアルカリ水溶液(たとえば、1mol/LのNaOH水溶液)に数時間浸漬したり、希薄な酸水溶液に浸漬したり、酵素処理したり、あるいは爆砕処理することなどがあげられる。 【0029】 次に、本発明で使用される水分散性セルロースおよび水分散性複合体の製造方法の例を示す。 (1)セルロース繊維状粒子水分散液の調製 本発明に使用される原料は、まず、長さ4mm以下の繊維状粒子に粉砕する。全個数(本数)の50%以上は約0.5mm以上であることが好ましい。より好ましくは全ての粒子が3mm以下、最も好ましくは2.5mm以下である。方法としては、乾式/湿式いずれの方法でも可能である。乾式ならばシュレッダー、ハンマーミル、ピンミル、ボールミルなどが使用できるし、湿式ならば高速回転型ホモジナイザー、カッターミルなどが使用できる。必要に応じて各装置に投入しやすいサイズに加工した後に処理する。複数回処理を行ってもよい。湿式媒体撹拌型粉砕機のような強力な粉砕機にかけると過剰に短繊維化してしまうので好ましくない。 【0030】 好ましい機械は湿式のコミトロール(URSCHEL LABORATORIES,Inc.)である。コミトロールを使用する場合は、例えば原料パルプを5〜15mm角に裁断した後、水分72〜85%程度に含水させ、カッティングヘッドあるいはマイクロカットヘッドを装着した装置に投入して処理すればよい。 次いで、得られた繊維状粒子を水に投入し、プロペラ撹拌、回転型ホモジナイザーなどを用いて、凝集することのない様に分散する。パルプ化の工程等の作用により繊維状粒子の長さが短い原料(パルプ)の場合は、この分散操作のみで長さ4mm以下の繊維状粒子の水分散液とすることができる場合もある。濃度は0.1〜5質量%程度が好ましい。この時、繊維状粒子の懸濁安定化、凝集防止を目的として、親水性高分子および/または水溶性物質を配合しても良い。カルボキシメチルセルロース・ナトリウムの配合は望ましい実施態様の一つである。 【0031】 (2)セルロース繊維状粒子の短繊維化および微細化 (1)で得られた水分散液中に存在するセルロース繊維状粒子にある程度の短繊維化と、微細化の処理を施し、その沈降体積が70体積%以上になるようにする。好ましくは沈降体積が85体積%以上である。ここでいう沈降体積とは、微細なセルロース繊維状粒子が均一に懸濁するように水に分散して得られる、セルロース分0.5質量%水分散液100mLを注ぎ込んだ内径25mmのガラス管を、数回上下反転して内容物を撹拌した後、室温で4時間静置した時に観察される白濁した懸濁層の体積を意味する。 【0032】 上記、短繊維化及び微細化は、高速回転型ホモジナイザー、ピストン型ホモジナイザー、砥石回転型粉砕機などの装置を用いて、(1)で得られた水分散液を処理することにより実施することが出来る。好ましい装置は砥石回転型粉砕機である。砥石回転型粉砕機とは、コロイドミルあるいは石臼型粉砕機の一種であり、例えば、粒度が16〜120番の砥粒からなる砥石をすりあわせ、そのすりあわせ部に前述の水分散液を通すことで、粉砕処理される装置のことである。必要に応じて、複数回処理を行ってもよい。砥石を適宜変更するのは好ましい実施態様の一つである。砥石回転型粉砕機は、「短繊維化」と「微細化」の両作用を有するが、その作用の割合は砥粒の粒度を選択することにより調整することが出来る。短繊維化を目的とする場合は46番以下の砥石が有効であり、微細化を目的とする場合は46番以上の砥石が有効である。46番はいずれの作用も有する。具体的な装置としては、ピュアファインミル(グランダーミル)(株式会社栗田機械製作所)、セレンディピター、スーパーマスコロイダー、セレンマイスター、スーパーグラインデル(以上、増幸産業株式会社)などがあげられる。 【0033】 (3)高圧ホモジナイザー処理 (2)で短繊維化及び微細化された繊維状セルロース粒子を含む水分散液を高圧ホモジナイザーにて、60〜414MPaの圧力で処理することにより、水分散性セルロースが調製される。必要に応じて複数回処理を行う。遠心分離等の操作によって微細なセルロース成分を分取してもよい。 【0034】 原料のセルロース性物質の平均重合度が2000以上で、かつ、α−セルロース含有量が90%を越える場合は10回以上あるいは20回以上、高圧ホモジナイザー処理する必要がある場合があるが、生産効率を考慮すると、原料や、砥石回転型粉砕機の処理条件を適当に選択することにより、6回以下にとどめることが好ましい。 一般的に、処理回数を増やすと、粘度は上昇した後、徐々に低下してくる。これは、処理回数が増えると細くなる方は限界に近づくが、短くなる方は徐々に進行するため、すなわち「微細化」よりも「短繊維化」が優勢となるためと思われる。濃度は低いほど「微細化」が優勢に進む傾向があり、結果として見かけ粘度の最高到達値が高くなり、かつ、損失正接が低くなる。処理圧もまた低いほど最高到達粘度が高くなり、損失正接が低くなる傾向があるが、処理回数を増やす必要があり、結果として生産性が低くなる。その場合、α−セルロース含有量が高いと、最高到達粘度に達しにくい。逆に、処理圧が高いとより少ない処理回数で最高到達粘度に到達するが、「短繊維化」が進みやすく、粘度の絶対値はより低くなる。 【0035】 以上の知見により、本願発明におけるホモジナイザー処理の下限は60MPaであり、上限は414MPaとなる。60MPa未満だと「微細化」が充分に進まず、本発明に使用される水分散性セルロースを製造することが出来ない。414MPaを越える圧力をかけることの出来る装置は、現在では見あたらない。好ましくは70〜250MPaであり、さらに好ましくは80〜150MPaである。 処理される水分散液のセルロース濃度はおおよそ0.1〜5質量%が好ましい。さらに好ましくは0.3〜3質量%である。 処理温度は5〜95℃程度を適宜選択すればよい。より高温で処理する方が微細化が進みやすいが、原料によっては著しく短繊維化が進む場合がある。例えば木材パルプの場合は75℃以上では微細化が進み、高粘度化しやすいが、麦わらパルプやバガスパルプの場合は低粘度化する傾向があるので、25〜60℃で処理することが好ましい。 【0036】 具体的な装置としては、圧力式ホモジナイザー(Invensys APV社、株式会社イズミフードマシナリー、三和機械株式会社)、エマルジフレックス(AVESTIN,Inc.)、アルティマイザーシステム(株式会社スギノマシン)、ナノマイザーシステム(ナノマイザー株式会社)、マイクロフルイダイザー(MFIC Corp.)などがある。 【0037】 (4)親水性高分子および/または水溶性物質の配合 任意により(3)で処理された水分散液に、親水性高分子および/または水溶性物質を配合することが出来る。親水性高分子および/または水溶性物質の投入は、水溶液としてから投入してもよいし、また、粉体のまま投入してもよい。粉体を投入する場合は、ままこになりやすく、特に固形分濃度が高い場合は流動性が悪いので、適宜、適当な撹拌・混合機を選択して使用する。 【0038】 (5)乾燥 本発明で使用される水分散性複合体を製造する場合、(4)で得られた水分散液を乾燥するが、これは公知の方法を使用すればよい。しかしながら、乾燥物が硬いかたまりにならないような方法が望ましく、例えば、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動床乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法、起熱ファン式減圧乾燥法などが適当である。乾燥後の水分は、取り扱い性、経時安定性を考慮すれば、15質量%以下が好ましい。より好ましくは10質量%以下である。最も好ましくは6質量%以下である。2質量%未満になると静電気が帯電し、粉末の取り扱いが困難になる場合がある。 【0039】 乾燥物は必要に応じて粉砕する。粉砕機としてはカッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミルなどが使用され、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕する。より好ましくは目開き425μmの篩をほぼ全通し、かつ、平均としては10〜250μmとなるように粉砕する。このようにして、水分散性複合体が製造される。 【0040】 続いて以下に、本発明の乳化組成物に関して説明する。 本発明の乳化組成物は、油成分が全体の5〜60質量%からなるO/W型の乳化物である。そして油球のサイズとしては、直径10μm以上の油球を含むことを特徴とする。さらには前述の水分散性セルロースあるいは水分散性複合体を配合してなるものである。水分散性セルロースあるいは水分散性複合体は、固形分として、0.05〜0.5質量%を含有する。好ましくは0.07〜0.4質量%、さらに好ましくは0.1〜0.3質量%である。経時的に安定な乳化物は通常、平均直径5μm以下の油球からなり、大きくとも実質的には直径10μm未満である。しかしながら本発明の乳化組成物は直径10μm以上の油球を多数含む。小さいものは1μm程度であるが、大きいものは1mm程度である。本発明の乳化組成物における油球は必ずしも真球に近いものばかりではなく、楕円、多角形、あるいは水滴形をとるものも含む。後述するが、油球を大きくするために、撹拌は比較的弱い条件にする必要がある。そのため、油と、親油性の成分が固まって、海島構造の島成分を形成する。本発明においてはこれを「油球」と賞する。なお、直径および量の判定は光学顕微鏡観察による。「油球を含む」とは、具体的には観察像を200倍程度の倍率で、A4サイズにプリントした場合に、10μm以上の油球が20個以上観察される程度のことを言う。数個存在する程度では、実質的に「含まない」と判定する。 【0041】 本発明の乳化組成物は、水と油と水分散性セルロースもしくは水分散性複合体の他に、食品成分を含有する食品である。具体的には、スープ類(ポタージュスープ、コーンクリームスープ、コンソメスープ、ホワイトスープ、ラーメンスープ、等)、ドレッシング類、たれ類などである。特にトンコツラーメンスープに本発明の技術を使用すると、大きいものでは1mm程度の油球が存在するにもかかわらず、それが合一することなく、経時的に安定に乳化状態を維持する。そして、ラーメンとして食品を完成させた時は、ラーメン店で調理されたもののごとき、油の浮き、フレーバー、コクを示す。そのためインスタントラーメンの別添スープや、業務用の濃縮スープに最適である。従来は、油成分主体のスープと水溶性成分主体のスープの2剤型のスープが使われるような油成分の風味に特徴のあるスープを1剤とすることが可能となる。 【0042】 本発明の乳化組成物の製法について説明する。まず、水分散性セルロースあるいは水分散性複合体を微細な繊維状のセルロースに分散する必要がある。特に水分散性複合体を使用する場合は、あらかじめ水単独、あるいは油以外の成分中で充分撹拌しなければならない。特に水のみで撹拌することが特に好ましい。分散機としては、例えばカッターミキサー、高速回転型のミキサー、ピストン型のホモジナイザーなどが使用できる。撹拌時の温度は高い方が好ましく、例えば60〜80℃が好ましい。ピストン型高圧ホモジナイザー(10MPa以上)を用いることは好ましい実施態様の一つである。 【0043】 ついでこの分散液に、その他の成分および油成分を適宜加えて、撹拌・溶解・乳化する。この際、軽く撹拌して、油球を平均5〜500μmとする。高速回転型のミキサーやピストン型ホモジナイザーは機械的な剪断力が強すぎるので、適当でない。プロペラ撹拌(例えば400rpm×10分)や、カッターミキサーによる短時間の撹拌がよい。乳化の安定性向上やボディ感付与を目的として増粘多糖類を添加しても良い。好ましい増粘多糖類はキサンタンガムである。 必要に応じて、容器に充填し殺菌するか、あるいは殺菌した後容器に充填する。容器は、ガラス製ビン、プラスチック製ボトル、プラスチック製小袋、金属缶などが使用される。 【実施例】 【0044】 次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、測定は以下の通 り行った。 <原料(セルロース性物資)の平均重合度> ASTM Designation: D 1795−90「Standerd Test Method for Intrinsic Viscosity of Cellulose」に準じて行う。 <原料(セルロース)のα−セルロース含有量> JIS P8101−1976(「溶解パルプ試験方法」5.5 αセルロース)に準じて行う。 【0045】 <セルロース繊維(粒子)の形状(長径、短径、長径/短径比)> セルロース繊維(粒子)のサイズの範囲が広いので、一種類の顕微鏡で全てを観察することは不可能である。そこで、繊維(粒子)の大きさに応じて光学顕微鏡、走査型顕微鏡(中分解能SEM、高分解能SEM)を適宜選択し、観察・測定する。 光学顕微鏡を使用する場合は、適当な濃度に調整したサンプル水分散液をスライドガラスにのせ、さらにカバーグラスをのせて観察に供する。 また、中分解能SEM(JSM−5510LV、日本電子株式会社製)を使用する場合は、サンプル水分散液を試料台にのせ、風乾した後、Pt−Pdを約3nm蒸着して観察に供する。 高分解能SEM(S−5000、株式会社日立サイエンスシステムズ製)を使用する場合は、サンプル水分散液を試料台にのせ、風乾した後、Pt−Pdを約1.5nm蒸着して観察に供する。 【0046】 セルロース繊維(粒子)の長径、短径、長径/短径比は撮影した写真から15本(個)以上を選択し、測定した。繊維はほぼまっすぐから、髪の毛のようにカーブしているものがあったが、糸くずのように丸まっていることはなかった。短径(太さ)は、繊維1本の中でもバラツキがあったが、平均的な値を採用した。高分解能SEMは、短径が数nm〜200nm程度の繊維の観察時に使用したのだが、一本の繊維が長すぎて、一つの視野に収まらなかった。そのため、視野を移動しつつ写真撮影を繰り返し、その後、写真を合成して解析した。 【0047】 <損失正接(=損失弾性率/貯蔵弾性率)> (1)0.5%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で、15000rpmで15分間分散する。 (2)25℃の雰囲気中に3時間静置する。 (3)動的粘弾性測定装置にサンプル液を入れてから5分間静置後、下記の条件で測定し、周波数10rad/sにおける損失正接(tanδ)を求める。 装置 :ARES(100FRTN1型) (Rheometric Scientific,Inc.製) ジオメトリー:Double Wall Couette 温度 :25℃ 歪み :10%(固定) 周波数 :1→100rad/s(約170秒かけて上昇させる) 【0048】 <水分散液粘度> (1)0.25%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で、15000rpmで15分間分散する。 (2)25℃の雰囲気中に3時間静置する。 (3)よく撹拌した後、回転粘度計(株式会社トキメック製、B形粘度計、BL形)をセットし、撹拌終了30秒後にローターの回転を開始し、それから30秒後の指示値より粘度を算出する。なお、ローター回転数は60rpmとし、ローターは粘度によって適宜変更する。 【0049】 <「水中で安定に懸濁する成分」の含有量> (1)セルロース濃度が0.1%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で、15000rpmで15分間分散する。 (2)サンプル液20gを遠沈管に入れ、遠心分離機にて1000Gで5分間遠心分離する。 (3)上層の液体部分を取り除き、沈降成分の重量(a)を測定する。 (4)次いで、沈降成分を絶乾し、固形分の重量(b)を測定する。 【0050】 (5)下記の式を用いて「水中で安定に懸濁する成分」の含有量(c)を算出する。 c=5000×(k1+k2) [%] サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含まない場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。 k1=0.02−b k2={k1×(a−b)}/(19.98−a+b) また、サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含む場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。 k1=0.02−b+s2 k2=k1×w2/w1 セルロース/水溶性高分子(親水性物質)=f/d [配合比率] w1=19.98−a+b+0.02×d/f w2=a−b s2=0.02×d×w2/{f×(w1+w2)} 【0051】 「水中で安定に懸濁する成分」の含有量が非常に多い場合は、沈降成分の重量が小さな値となるので、上記の方法では測定精度が低くなってしまう。その場合は(3)以降の手順を以下のようにして行う。 (3’)上層の液体部分を取得し、重量(a’)を測定する。 (4’)次いで、上層成分を絶乾し、固形分の重量(b’)を測定する。 (5’)下記の式を用いて「水中で安定に懸濁する成分」の含有量(c)を算出する。 c=5000×(k1+k2) [%] サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含まない場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。 k1=b’ k2=k1×(19.98−a’+b’)/(a’−b’) また、サンプルが親水性高分子(および水溶性物質)を含む場合、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。 k1=b’−s2×w1/w2 k2=k1×w2/w1 セルロース/親水性高分子(水溶性物質)=f/d [配合比率] w1=a’−b’ w2=19.98−a’+b’−0.02×d/f s2=0.02×d×w2/{f×(w1+w2)} もし、(3’)の操作で上層の液体部分と沈降成分の境界が明瞭ではなく分離が難しい場合は全体の上部1/3量(約7g)を取得し、以降は(4’)、(5’)に従って操作する。 【0052】 以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。 [実施例1] 市販木材パルプ(平均重合度=1710、α−セルロース含有量=93質量%)を、6×12mm角の矩形に裁断し、それを充分量の水に浸漬した。その後直ちに水から引き上げザルで軽く水を切った。その時、水分は74質量%だった。これをカッターミル(URSCHEL LABORATORIES,Inc.製「コミトロール」、モデル1700、マイクロカットヘッド/ブレード間隙:2.029mm、インペラー回転数:9000rpm)に1回通したところ、繊維長が0.25〜3.25mm(0.5mm以上の成分は約98%)になった。 2質量%になるようにカッターミル処理品と水を量り取り、繊維の絡みがなくなるまで撹拌した。この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で処理した。処理回数は4回で、グラインダークリアランスを200→60→40→40μmと変えて処理した。得られた水分散液の沈降体積は93体積%だった。 【0053】 次いで得られた水分散液を水で希釈して1質量%にし、高圧ホモジナイザー(MFIC Corp.製「マイクロフルイダイザー」M−110Y型、処理圧力:110MPa)で8パスした。これを35000Gで30分間遠心分離し、上澄みを捨てて得た沈降物を濾紙に挟んで脱水し、水を82質量%含む水分散性セルロースAを得た。0.25%粘度は70mPa・sだった。結晶化度は82%だった。光学顕微鏡および中分解能SEMで観察したところ、長径が10〜400μm、短径が1〜10μm、長径/短径比が10〜300の微細な繊維状のセルロースが観察された。損失正接は0.21だった。保水度(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.26)を測定しようとしたが、全てがカップろ過器を通過してしまい、結局、値を求めることができなかった。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は95質量%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が0.9〜20μm、短径が5〜100nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。 【0054】 次に水分散性セルロースAを配合したとんこつラーメンスープ(5倍濃縮タイプ)を作成した。 水分散性セルロースAに水を加え、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(5000rpm、5分間、25℃)し、1%分散液を調製した。この分散液20部と、チキンエキス16部、白豚湯7部、ポークエキス5部、濃口醤油4部、豚由来タンパク加水分解物1.8部、ニボシエキス0.7部、水69.6部をプロペラ撹拌・混合した。ついで、砂糖2.4部、食塩2部、核酸系調味料0.6部、キサンタンガム0.1部を粉体混合した後、液体混合品に添加し、高速攪拌型ミキサー(特殊機化工業(株)製「T.K.ホモミクサーMARK II」)で撹拌・混合(6000rpm、10分間、85℃)した。さらに粗製ラード20部を添加後、プロペラ撹拌(400rpm、10分、70℃)し、とんこつラーメンスープ(5倍濃縮タイプ)を調製した。 【0055】 得られたスープを光学顕微鏡で観察したところ、10μm以上の油球が多数存在し、大きなものでは900μmであることが分かった。これをビーカーに入れ、75℃で2時間加温したが、油が分離することはなかった。また、5cm角のビニール製袋に充填し、14日間冷蔵保存したが、やはり分離することはなかった。また、スープをお湯で5倍希釈したところ、大きいものでは2mm程度の油球がスープ上面に存在し、手作りのごとき状態を呈していた。そのスープを食してみると、油の風味が強く、コクが感じられた。 【0056】 [実施例2] 市販木材パルプ(平均重合度=1820、α−セルロース含有量=77質量%)を、6×16mm角の矩形に裁断し、固形分濃度が80質量%になるように水を加えた。これを、水とパルプチップができるだけ分離しないよう注意して、カッターミル(「コミトロール」、モデル1700、カッティングヘッド/水平刃間隙:2.03mm、インペラー回転数:3600rpm)に1回通したところ、繊維長が0.75〜3.75mmになった。 セルロース濃度が2質量%、そしてカルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度が0.0706質量%になるようにカッターミル処理品とカルボキシメチルセルロースナトリウムと水を量り取り、繊維の絡みがなくなるまで撹拌した。この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で処理した。処理回数は2回で、グラインダークリアランスを110→80μmと変えて処理した。得られた水分散液の沈降体積は89体積%だった。 【0057】 次いで得られた水分散液を高圧ホモジナイザー(「マイクロフルイダイザー」M−110Y型、処理圧力:95MPa)で4パスし、微細な繊維状のセルロースの水分散液を得た。結晶化度は79%以上だった。0.25%粘度は68mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜400μm、短径が1〜5μm、長径/短径比が10〜300の微細な繊維状セルロースが観察された。損失正接は0.64だった。保水度を測定しようとしたが、一部はカップろ過器を通過し、他の部分は目詰まりを起こしてしまい、結局、値を求めることができなかった。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は43質量%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜150nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。 【0058】 その水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=80:20(重量部)としてから攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、カッターミル(「フラッシュミル」)で、目開き1mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性複合体Bを得た。 水分散性複合体Bの結晶化度は77%以上、0.25%粘度は66mPa・s、損失正接は0.65であり、「安定に懸濁する成分」の含有量は40質量%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜150nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。 【0059】 次に、水分散性セルロースAのかわりに、水分散性複合体Bを使用してとんこつラーメンスープを作成した。水分散性複合体Bの1%分散液はエースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、15分間、80℃)して調製した。それ以外は実施例1と同様にして作成した。 得られたスープを光学顕微鏡で観察したところ、10μm以上の油球が多数観察された。大きなものでは700μm程度のもの観察された。これをビーカーにいれ、75℃で2時間加温したが、油が分離することはなかった。また、5cm角のビニール製袋に充填し、14日間冷蔵保存したが、やはり分離することはなかった。また、スープをお湯で5倍希釈したところ、大きいものでは1.5mm程度の油球がスープ上面に存在し、手作りのごとき状態を呈していた。そのスープを食してみると、油の風味が強く、コクが感じられた。 【0060】 [実施例3] 市販バガスパルプ(平均重合度=1320、α−セルロース含有量=77%)を、6×16mm角の矩形に裁断した。次いでセルロース濃度が3質量%、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムの濃度が0.176質量%となるように、それぞれと水を量り取り、家庭用ミキサーで5分間撹拌した。 この水分散液を砥石回転型粉砕機(「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で3回処理した。得られた水分散液の沈降体積は100体積%だった。 【0061】 次いで得られた水分散液を水で希釈して2質量%にし、高圧ホモジナイザー(「マイクロフルイダイザー」M−140K型、処理圧力110MPa)で4パスし、微細な繊維状のセルロースの水分散液を得た。結晶化度は73%以上だった。0.25%粘度は120mPa・sだった。光学顕微鏡および中分解能SEMで観察したところ、長径が10〜500μm、短径が1〜25μm、長径/短径比が5〜190の微細な繊維状のセルロースが観察された。損失正接は0.32だった。「水中で安定に懸濁する成分」は99質量%だった。 【0062】 セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=85:15(重量部)となるように、水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、得られたものをカッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性複合体Cを得た。水分散性複合体Cの結晶化度は73%、0.25%粘度は143mPa・s、損失正接は0.38、「水中で安定に懸濁する成分」は98質量%だった。「水中で安定に懸濁する成分」を高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜17μm、短径が10〜350nm、長径/短径比が20〜250のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。 【0063】 次いで、水分散性複合体Bのかわりに水分散性複合体Cを用いる以外は実施例2と同様にしてとんこつラーメンスープを作成した。 得られたスープを光学顕微鏡で観察したところ、10μm以上の油球が多数観察された。これをビーカーにいれ、75℃で2時間加温したが、油が分離することはなかった。また、5cm角のビニール製袋に充填し、14日間冷蔵保存したが、やはり分離することはなかった。また、スープをお湯で5倍希釈したところ、大きいものでは1mm程度の油球がスープ上面に存在し、手作りのごとき状態を呈していた。そのスープを食してみると、油の風味が強く、コクが感じられた。 【0064】 [実施例4] 市販麦わらパルプ(平均重合度=930、α−セルロース含有量=68質量%)を、6×12mm角の矩形に裁断し、4質量%となるように水を加え、家庭用ミキサーで5分間撹拌した。これを高速回転型ホモジナイザー(ヤマト科学、ULTRA−DISPERSER、LK−U型)で1時間分散したところ、繊維長が4mm以下になった。 この水分散液を砥石回転型粉砕機(「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で処理した。処理回数は2回で、グラインダークリアランスを60→40μmと変えて処理した。得られた水分散液の沈降体積は95体積%だった。 【0065】 次いで得られた水分散液を水で希釈して2%にし、高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製「アルティマイザーシステム」HJP25030型、処理圧力:175MPa)で8パスし、微細な繊維状のセルロースの水分散液を得た。結晶化度は74%だった。0.25%粘度は69mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜700μm、短径が1〜30μm、長径/短径比が10〜150の微細な繊維状のセルロースが観察された。損失正接は0.43だった。保水度を測定しようとしたが、全てがカップろ過器を通過してしまい、値を求めることができなかった。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は89質量%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が6〜300nm、長径/短径比が30〜350のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。 【0066】 セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=85:15(重量部)となるように、水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、カッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き1mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性複合体Dを得た。 水分散性複合体Dの結晶化度は71%以上、0.25%粘度は61mPa・s、損失正接は0.51であり、水分散性セルロースの含有量は75質量%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜300nm、長径/短径比が30〜350のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。 【0067】 次いで、水分散性複合体Bのかわりに水分散性複合体Dを用いる以外は実施例2と同様にしてとんこつラーメンスープを作成した。 得られたスープを光学顕微鏡で観察したところ、10μm以上の油球が多数観察された。これをビーカーにいれ、75℃で2時間加温したが、油が分離することはなかった。また、5cm角のビニール製袋に充填し、14日間冷蔵保存したが、やはり分離することはなかった。また、スープをお湯で5倍希釈したところ、大きいものでは1mm程度の油球がスープ上面に存在し、手作りのごとき状態を呈していた。そのスープを食してみると、油の風味が強く、コクが感じられた。 【0068】 [比較例1] 実施例2と同様に、とんこつラーメンスープを作成した。但し、粗製ラードを添加した後の撹拌は、高速回転型ミキサー(T.K.ホモミクサー)で撹拌(6000rpm、10分間、70℃)した。 スープは非常に均質な乳化状態を示し、非常に白っぽい乳化液となった。光学顕微鏡観察では、10〜20μm程度の油球がごく少数観察されたが、ほとんどの油球は8μm以下であった。安定性は実施例1のスープと同様であった。しかしながら、お湯で5倍希釈したものを食してみると、油の風味が弱く、あっさりとした感じだった。また、見た目は手作りの感じではなかった。 【0069】 [比較例2] 水分散性複合体Bを配合せず、また、キサンタンガムを0.3部とした以外は比較例1と同様に、とんこつラーメンスープを作成した。 スープは製造直後のものをお湯で5倍希釈してみたところ、実施例1〜4と同様の外観および食感を呈していた。すなわち、手作りのごとき、外観と風味を呈していた。 しかしながら、75℃で2時間加温すると、3層(油の層、色の濃い層、色の薄い層)に分離した。また、小袋に入れて14日間冷蔵保存したものも油が分離した。ヒートショックおよび経時安定性が不充分であり、工業生産は難しいと思われた。 【0070】 [比較例3] 水分散性複合体Bを配合せず、また、キサンタンガムを0.1部とレシチンを0.2部配合した以外は比較例1と同様に、とんこつラーメンスープを作成した。 スープは非常に均質な乳化状態を示し、白っぽい乳化液となった。光学顕微鏡観察では、10〜20μm程度の油球がごく少数観察されたが、ほとんどの油球は7μm以下であった。安定性は実施例1のスープと同様であった。しかしながら、お湯で5倍希釈したものを食してみると、油の風味が弱く、また、乳化剤由来と思われる味がした。また、見た目は手作りの感じではなかった。 【0071】 [実施例5] 水分散性複合体Cを含むごまドレッシングを作成した。 まず、水分散性複合体Cに水を加え、マントンゴーリン型ホモジナイザーで分散し(20MPa、1パス、25℃)、1%分散液を調製した。この分散液20部と、醤油15部、ぶどう糖果糖液糖14.5部、ごまペースト5部、20%加糖卵黄0.8部、キサンタンガム0.2部、水20部を高速回転型ミキサー(T.K.ホモミクサー)で撹拌し(5000rpm、10分間)、次いでサラダ油15部、ごま油5部を加えてプロペラで撹拌した(400rpm、10分間)。その後、プロペラで撹拌しつつ90℃まで加温し、最後に食酢6.5部を加えた後、縦長のドレッシング用ボトルに充填した。 得られたドレッシングを光学顕微鏡で観察したところ、10μm以上の油球が多数観察された。このドレッシングは流動性があり、容器からスムーズに注ぎ出すことができた。食感はさらっとしていて、かつ、ごまの風味が強く感じられる、手作り風のものだった。これを5℃で30日間静置保存したところ、油等の分離のない均一な状態を維持していた。 【0072】 [比較例4] 水分酸性複合体Cを含まず、また、キサンタンガムを0.3部とする以外は実施例5と同様にしてごまドレッシングを作成した。 得られたドレッシングを光学顕微鏡で観察したところ、10μm以上の油球が多数観察された。しかし、このドレッシングは流動性が悪く、容器からどぼっどぼっとと出てきて、スムーズに注ぎ出すことができなかった。食感は後口が糊っぽい感じがした。これを5℃で30日間静置保存したところ、底部に離水が発生した。 【0073】 [比較例5] サラダ油とごま油を添加した後に実施する撹拌をプロペラ撹拌ではなく高速撹拌型ミキサー(T.K.ホモミクサー)で撹拌(6000rpm、5分間)する以外は比較例4と同様にしてごまドレッシングを作成した。 得られたドレッシングを光学顕微鏡で観察したところ、ほとんど全ての油球が10μm未満であった。5℃で30日間静置保存したところ、底部離水はごくわずかであったが、後口は糊っぽく、また、ごまの風味が非常に少ないものだった。 【産業上の利用可能性】 【0074】 本発明の乳化組成物は、手作りの乳化組成物(たとえば、ドレッシングやラーメンスープ)の如き食品の製造に最適である。また、化粧品や工業用途においても利用が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】303046314 【氏名又は名称】旭化成ケミカルズ株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
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| 【出願日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−95061(P2005−95061A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月14日(2005.4.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−332877(P2003−332877) |
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