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【発明の名称】 焼きおにぎり及び焼きおにぎりの製造方法
【発明者】 【氏名】小林 律雄
【住所又は居所】神奈川県鎌倉市岡本二丁目3番3号 株式会社大船軒内

【要約】 【課題】焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現できる焼きおにぎりを提供する。

【解決手段】少なくとも米を含んで構成され加熱し焼かれたおにぎり本体と、おにぎり本体の外面に添装された笹の葉とより構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも米を含んで構成され加熱し焼かれたおにぎり本体と、おにぎり本体の外面に添装された笹の葉とより構成されたことを特徴とする焼きおにぎり。
【請求項2】
少なくとも米と鰻が含まれて構成され加熱し焼かれたおにぎり本体と、おにぎり本体の外面に添装された笹の葉とより構成されたことを特徴とする焼きおにぎり。
【請求項3】
おにぎり本体を構成する工程と、おにぎり本体を加熱し焼きおにぎりにする工程と、焼きおにぎりに笹の葉を添装する工程とよりなることを特徴とする焼きおにぎりの製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食するために供されるおにぎりに係り、特に焼きおにぎり及び焼きおにぎりの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、おにぎりは、日本のファーストフードとして見直され、コンビニエンスストアーはもとより、百貨店、スーパーマーケット等も力を入れ、また外食産業においても「おにぎりカフェ」のスタイルで路面店を展開し、販売を始めている状況になっている。
【0003】
これらの販売状況における店舗のコンセプトは,米、海苔、塩、具材など、素材にこだわるか、店舗での作りたてにこだわるかである。
【0004】
このひとつのブームとなっている販売状況のなかで、「焼きおにぎり」を積極的に展開している企業はないが、数少ない通常の焼きおにぎりの販売形態をみても、食品工場で予め製造され、流通経路を通して店舗に搬送され、冷めた状態で消費者に販売されるか、希望により店内の電子レンジやオーブンで温められて販売されている。
【0005】
しかしながら、この種おにぎりを、例えば、電子レンジで温めた場合、電子レンジはマイクロ波で水を加熱する特性を利用することから、水分を含んだお米からなるおにぎりの全体を温めることはできるが、水分が余計に蒸発してしまい、食味を損なうことになり、またラップをして電子レンジに入れた場合、水分が蒸発せずにラップ内にこもることから、逆に水分が多くなり食味を損なうこととなる。
【0006】
このような問題から、この種おにぎり、特に焼きおにぎりを積極的に展開している企業はなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年上記のようなおにぎりブームの到来から、本発明者はおにぎりの中でも特に従来から美味といわれている「焼きおにぎり」を製造し販売することに着目したが、特に焼きおにぎりは、独特の表面が焼けた部分の香ばしさがあり、その食感を再現することは特に難しかった。
【0008】
すなわち、焼きおにぎりを電子レンジで温める場合、ラップをして電子レンジにかけると、おにぎりから出た水分が、焼いて水分が少なくなった表面に吸収され、焼きおにぎりとしての食感を損なうことになってしまう。
【0009】
また、ラップをかけずに電子レンジにかけると、焼いて水分の少なくなった焼きおにぎりの残り少ない水分までをも蒸発させてしまい、やはり焼きおにぎりの食感を損なうことになってしまう。
【0010】
さらに、焼きおにぎりを蒸し器で温める実験を行ったが、焼きおにぎりは、元々焼くために水分が飛び重量で約10%軽くなるもので、その分水分が飛んだ状態になっている。
【0011】
その状態のものを蒸気で温めると水分を吸いすぎ、焼きおにぎりの美味しさの重要な要素である焼いた表面の食感を損なうこととなる。
【0012】
さらに、オーブン等でもう一度焼くと堅くなってしまい、やはり食感を損なってしまう。
【0013】
このように、焼きおにぎりは、電子レンジまたは蒸し器等で温めても、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現することは困難であった。
【0014】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とし、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現できる焼きおにぎりを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の焼きおにぎりの発明は、少なくとも米を含んで構成され加熱し焼かれたおにぎり本体と、おにぎり本体の外面に添装された笹の葉とより構成されたことを特徴とする。
【0016】
本発明の「少なくとも米を含んで構成され加熱し焼かれたおにぎり本体」とは、例えば、白米を炊飯してご飯となし、そのご飯をおにぎりにして、このおにぎりを天火等で焼き、焼き上がったおにぎりを意味するが、米は白米に限らず、玄米でもよく、さらに米のみでなく、米を炊飯するときに、鰻、鶏肉、各種の野菜等の具、だし汁等を混ぜた炊き込みご飯、または、炊飯したご飯に上記の鰻、鶏肉、各種の野菜、だし汁等を混ぜた混ぜご飯にしたものでもよく、おにぎり本体は、米だけで構成されていても、もしくは米が主成分になっていても、またはおにぎりに入れる具が主成分になっていて構成されていてもよく、要は、少なくとも米が含まれておにぎりが構成されていればよい。
【0017】
おにぎりに構成する方法は、手作業でもよく、また自動機械を使用してもよく、さらにおにぎりにする際に、おにぎりの中に梅干、たらこ、焼き鮭、佃煮昆布等の具を入れて成形してもよい。
【0018】
おにぎりの形状は、通常の三角形の、所謂おむすび形でも、円形、俵形などでも、また大きさは手ごろな一食分が好ましいが、形状、大きさは特に限定されない。
【0019】
おにぎりの表面に醤油等のタレを塗布して焼くことが香ばしさを与えることから好ましいが、醤油等のタレを塗布することは必要条件ではなく塗布せずに焼いてもよい。
【0020】
さらに、おにぎりの表面に胡麻をまぶしたりしてもよいが特に必要条件ではない。
【0021】
これら、醤油等のタレの塗布作業、胡麻をまぶしたりする作業は、機械で自動的に行っても、また手作業で行なっても勿論よい。
【0022】
焼き方は、業務用の天火等の機械を使い自動的に焼いても、また手作業で、炭火、ガスオーブン等を使い焼いてもよく、さらにおにぎりの両面を上下から同時に焼くことが好ましいが、片面ずつ焼いても、さらに、おにぎりの周囲全面を焼いても、片面のみを焼くようにしてもよい。
【0023】
また、外表面のみを焼くことが好ましいが、おにぎりの中味に多少入った部分まで焼いてもよく、消費者の好みに応じ適宜選択すればよい。
【0024】
「おにぎり本体の外面に添装された笹の葉」とは、上述のように構成されたおにぎりの外面に笹の葉が、例えば巻く等の手段で添装されていることを意味しているが、笹の葉は、天然の熊笹が、おにぎりに巻くための大きさ、香り、さらに色が鮮やかな緑色をなしていることなどから好ましいが、特に熊笹には限定されず、他の笹の葉でもよい。
【0025】
笹の葉は、水分を含んだ状態ものが好ましく、例えば水分を含んだ天然の熊笹を真空パックしたものが最適であるが、パックから取り出したものを水に浸し、さらに水分を含ませるようにしてもよく、さらには乾燥した熊笹を水で戻し、無害の緑色の着色剤を使って着色と同時に水分を含ませるようにしたものでも代用はできる。
【0026】
笹の葉の形状は、葉の茎が付いた天然の状態のものでよいが、おにぎりの形状、大きさ等に合わせて適宜裁断し、長方形や三角形などの短冊状に裁断し加工したものでもよい。
【0027】
「外面に添装された笹の葉」とは、できる限りおにぎり全体を笹の葉で包むように巻いて添装されていることが好ましいが、おにぎりの周囲全体を包み巻くことが必要条件ではなく、例えば、上方の一部の米の表面が露出して見える状態に巻くようにしても、さらにこの米の露出部分は、必要に応じ、または笹の葉の大きさに合わせて広げたり、狭めたりするようにして巻いてもよい。さらに三角形状のおにぎりの焼いた両面に、笹の葉を例えば三角形の短冊状に裁断加工して添えるとか、焼いた片面にのみに葉を添えるようにしてもよい。
【0028】
また、俵形のおにぎりの場合には、俵形の円柱状をなす外面に笹の葉を螺旋状に巻くようにしてもよい。
【0029】
笹の葉の枚数は、通常の一食分の三角形状のおにぎりであれば、1枚で巻くことが最適であるが、二重にして巻いてもよく、さらにおにぎりの大きさ、形状に合わせて必要な枚数を使って添装するようにしてもよく、さらに、2〜3個のおにぎりを、1枚または複数枚の笹の葉で一緒に巻き、複数のおにぎりに笹の葉を同時に添装するようにしてもよい。
【0030】
笹の葉は、米の表面に接して巻く等の手段で添装されていることが好ましいが、上記のように醤油等のタレを塗布した場合は、タレの層が笹の葉と接するようにしてもよく、さらに胡麻をまぶした場合には、胡麻を介して笹の葉が巻かれているようにしてもよく、要は、笹の葉が直接お米に接して添装されていることを必要条件としているのではない。
【0031】
笹の葉の裏面がおにぎり本体のご飯に接し、光沢のある葉の表面が外部に面するようにすることが意匠上も好ましいが、逆にしてもかまわない。
【0032】
笹の葉をおにぎりに巻いた後、笹の葉が突っ張り跳ね上がるようなときには、予め笹の葉をおにぎりの形に成型してもよく、また、例えば食用のりを使い、突っ張り部分の一部を貼ったり、竹や木製の串、楊枝などを使って突っ張り部分に通し、しっかりと笹の葉がおにぎりに巻かれるようにしてもよい。さらに透明または半透明のビニールラップを使って全体を包み、笹の葉の跳ね上がりを防ぐようにしてもよい。
【0033】
笹の葉を添装する作業は、手作業でも自動機械により自動的に行うようしてもよい。
【0034】
本発明によれば、笹の葉により適度の通気性が保たれ、余分な水分の蒸発、吸収を防ぐことができ、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができる。
【0035】
請求項2に記載の焼きおにぎりの発明は、少なくとも米と鰻が含まれて構成され加熱し焼かれたおにぎり本体と、おにぎり本体の外面に添装された笹の葉とより構成されたことを特徴とする。
【0036】
本発明の「少なくとも米と鰻が含まれて構成され加熱し焼かれたおにぎり本体」とは、例えば、白米を炊飯してご飯となし、そのご飯に鰻を混入しておにぎりに成形し、この鰻を入れたおにぎりを天火等で焼き、焼き上がったおにぎりを意味するが、米は白米に限らず、玄米でもよく、さらに鰻は短冊状の小片に刻んだものか好ましいが、その小片の大きさは特に限定されず、消費者の好みに応じて適宜選択されればよく、また、鰻自体は蒲焼のものでも白焼きのものでもよい。
【0037】
さらに、鰻以外にごぼう等の野菜の具と、醤油、だし汁等のタレを用意し、これらの具をタレで煮込み、煮込み終わった材料を炊き上がったご飯に加え、一緒に蒸らし、蒸らし終わったら全体をよく混ぜ、この混ぜたご飯でおにぎりをつくり、これを焼くようにしてもよいが、特に具の中味、タレの材料及び製造工程等はこれに限定されない。要は、少なくとも米と鰻が含まれて混入され、焼かれたおにぎりであればよく、米が主成分になっていても、または鰻が主成分になっていても、さらには鰻以外の具が主成分になっていてもよい。
【0038】
おにぎりに構成する方法は、手作業でもよく、また自動機械を使用してもよい。
【0039】
おにぎりの形状は、通常の三角形の、所謂おむすび形でも、円形、俵形などでも、また大きさは手ごろな一食分が好ましいが、形状、大きさは特に限定されない。
【0040】
焼き方は、業務用の天火等の機械を使い自動的に焼いても、また手作業で、炭火、ガスオーブン等を使い焼いてもよく、さらにおにぎりの両面を上下から同時に焼くことが好ましいが、片面ずつ焼いても、さらに、おにぎりの周囲全面を焼いても、片面のみを焼くようにしてもよい。
【0041】
また、外表面のみを焼くことが好ましいが、おにぎりの中味に多少入った部分まで焼いてもよく、消費者の好みに応じ適宜選択すればよい。
【0042】
本発明における「おにぎり本体の外面に添装された笹の葉」は、上述した請求項1の発明と同様である。
【0043】
本発明によれば、笹の葉により適度の通気性が保たれ、余分な水分の蒸発、吸収を防ぐことができ、鰻を入れた焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができる。
【0044】
請求項3に記載の焼きおにぎりの製造方法の発明は、おにぎり本体を構成する工程と、おにぎり本体を加熱し焼きおにぎりにする工程と、焼きおにぎりに笹の葉を添装する工程とよりなることを特徴とする。
【0045】
本発明は、ご飯でおにぎりに成形し、次におにぎりを加熱して焼き、次におにぎりの外面に笹の葉を、例えば巻く等の手段で、笹の葉を添装して焼きおにぎりを構成することを意味しているが、各工程の前後、または工程の間に他の工程が存してもよい。
【0046】
例えば、おにぎりに成形する工程の前に、上述の請求項2の発明で説明した、鰻やごぼう等の野菜の具と、醤油、だし汁等のタレを用意し、これらの具をタレで煮込み、煮込み終わった材料を炊き上がったご飯に加え、一緒に蒸らし、蒸らし終わったら全体をよく混ぜて、混ぜご飯をつくる工程があってもよい。
【0047】
さらに、上記の鰻入りのおにぎりでなく、通常の一般的なおにぎりの場合、おにぎりに成形する工程の前に、白米のご飯の中に例えば、梅干、たらこ、焼き鮭、佃煮昆布等の具を入れる工程があってもよい。
【0048】
さらに、おにぎりに成形する工程は、1回のみでなく、2回等複数回成形させても、また、機械による成形の後に、手作業で2〜3回程度、手の平で握る工程を、逆に手作業による握り工程の後に、機械による成形を追加して、例えば、店頭販売時における焼きおにぎりを温める際の形崩れを、より一層防止するようにしてもよい。
【0049】
また、通常の一般的なおにぎりの場合、焼く工程の前に、おにぎりの表面に醤油等のタレを塗布する工程、またはおにぎりの表面に、胡麻をまぶしたりする工程等があってもよく、さらに、笹の葉を巻く等の添装工程の前に、再度、おにぎりの表面に醤油等のタレを塗布し、再度、焼く工程があっても、また、このタレ塗布と焼き工程を何回か繰り返す工程があってもよい。
【0050】
また、笹の葉の添装工程の前に、笹の葉を所定の形に裁断したり、笹の葉に水分を含ませる工程、さらには笹の葉をおにぎりの形に予め成型しておく工程などを設けてもよい。
【0051】
さらに、笹の葉を巻く等の添装工程の後に、たとえば、食用のりを使い、笹の葉が突っ張った部分の一部を貼ったり、竹や木製の串や楊枝などで笹の葉の突っ張った部分に通して押さえる工程、または透明または半透明のビニールラップで全体を包む工程を設けてもよい。さらには最終工程として冷凍する工程を設けるようにしてもよい。
【0052】
上記の各工程における作業は、自動機械を使用して自動的に行うことが好ましいが、勿論手作業でも、また自動機械と手作業とを組み合わせて行うようにしてもよい。
【0053】
本発明によれば、笹の葉により適度の通気性が保たれ、余分な水分の蒸発、吸収を防ぐことができ、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができると共に、機械化による量産も可能な、効率の良い方法で、笹の葉を添装した焼きおにぎりを提供することができる。
【発明の効果】
【0054】
請求項1の発明によれば、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができる。
【0055】
請求項2の発明によれば、鰻を入れた焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができる。
【0056】
請求項3の発明によれば、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができると共に、機械化による量産も可能な、効率の良い方法で、笹の葉を添装した焼きおにぎりを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、本発明に係る焼きおにぎり及び焼きおにぎりの製造方法の第一の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0058】
図1は本発明の第一の実施形態を示す斜視図、図2は本発明第一実施形態の製造方法を示す工程図、図3は焼きおにぎりを笹の葉で巻く途中の工程を示す斜視図である。
【0059】
図1において、おにぎり本体1は、鰻とごぼう等の野菜の具を、醤油、だし汁等のタレで煮込み、煮込み終わった材料を炊き上がった白米のご飯に加え、蒸らし終わった状態で全体をよく混ぜて、混ぜご飯を作り、この混ぜご飯で略三角形状の所謂おむすび形に成形され、鰻を入れたおにぎりに構成されている。
【0060】
さらに、上記のように構成されたおむすび本体1は、天火等で加熱されて焼かれ、外表面の一部が多少パリパリした状態にして、鰻を入れた焼きおにぎりに構成される。
【0061】
2は、天然の熊笹で、1枚の熊笹の葉を使い、熊笹の裏面がご飯に接し、光沢のある表面が外部に面するようにし、おにぎり本体1を包み込むようにして、上方の一部におにぎり本体1のご飯の一部3及び鰻の小片4の一部が見えるように巻かれ、鰻を入れ笹を巻いた焼きおにぎりが構成されている。
【0062】
上記構成の焼きおにぎりが製造工場から販売店に出荷され、販売店では、店頭で肉まんやあんまんを蒸して販売するために使用されている蒸し器を使い、上記のように構成された焼きおにぎりを温めて販売する。これにより、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現し、食することができる。
【0063】
また、温めずに持ち帰る消費者は、自宅で電子レンジまたは蒸し器で温めれば、同様に焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現し、食することができる。
【0064】
すなわち、従来の焼きおにぎりを電子レンジで温める場合、ラップをして電子レンジにかけると、おにぎりから出た水分が、焼いて水分が少なくなった表面に吸収され、焼きおにぎりとしての食感を損なうことになってしまう。
【0065】
また、ラップをかけずに電子レンジにかけると、焼いて水分の少なくなった焼きおにぎりの残り少ない水分までをも蒸発させてしまい、やはり焼きおにぎりの食感を損なうことになってしまう。
【0066】
しかしながら、本実施形態の焼きおにぎりは、笹の葉を巻いてあるので、笹の葉により適度の通気性が保たれ、余分な水分の蒸発、吸収が防止され、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現することができる。
【0067】
さらに、従来の焼きおにぎりを蒸し器で温めると、焼きおにぎりは、元々焼くために水分が飛び重量で約10%軽くなるもので、その分水分が飛んだ状態になっている。
【0068】
その状態のものを蒸気で温めると水分を吸いすぎ、焼きおにぎりの美味しさの重要な要素である焼いた表面の食感を損なうこととなる。
【0069】
しかしながら、本実施形態の焼きおにぎりは、笹の葉を巻いてあるので、笹の葉により適度の通気性が保たれ、水分を吸いすぎることがないので、焼いた表面の食感を損なうことがなく、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現することができる。
【0070】
特に、本実施形態では、鰻を入れた焼きおにぎりで構成されているため、鰻自他も焼きたてに近い状態に再現でき、より美味しい焼きおにぎりを提供することができる。
【0071】
さらに、通常の握っただけのおにぎりは、蒸し器の蒸気で温めると水分を吸いすぎ食味を損なうとともに、水分が多くなることからおにぎり全体が脆くなり、形が崩れ易くなる問題が生じるが、焼きおにぎりの場合、焼いた際に表面が固まり、蒸しても形が崩れることなく保つことができる。
【0072】
また、焼きおにぎりの香ばしさに天然の笹の葉の香りが加わり、新規な美味しい焼きおにぎりを提供することができる。
【0073】
また、笹の葉の殺菌作用により日持ちのする焼きおにぎりを提供することができる。
【0074】
さらに、焼きおにぎりの表面が笹の葉で包まれているため、手にべとつかず食べることができる。
【0075】
また、上記のように電子レンジまたは蒸し器で温められた焼きおにぎりを崩してお茶漬けにしても、焼きおにぎり独特の表面が焼けた香ばしさとその食感を保ったまま食することができるなど種々の利点を有する焼きおにぎりを提供することができる。
【0076】
次に、本実施形態の焼きおにぎりの製造方法につき、図2及び図3にしたがい説明する。
【0077】
まず、白米を炊飯器で炊き上げご飯を作る。(炊飯工程)
同時に、蒲焼の鰻及びごぼうを5ミリ程度の大きさの短冊状の小片に刻んで具を作る。
【0078】
さらに醤油、だし汁、みりん、砂糖で作ったタレを用意し、このタレで上記の鰻とごぼうの具に味がよくしみ込む程度に煮込む。煮込み終わったら火を止め、炊き上がった白米のご飯に、上記の煮込んだ材料を加え、一緒に蒸らす。十分に蒸らし終わったら飯台で全体をよく混ぜて混ぜご飯を作る。(混ぜご飯工程)
次に成形機械の型に、上記の混ぜご飯を入れ、略三角形状の所謂おむすび形に成形する。(成形工程)
次に、機械で成形されたおにぎりを取り出し、さらに手作業で2〜3回程度、手の平で握って、おにぎり本体1を構成する。(手の握り工程)
次に、おにぎり本体1の左右の面を上下にして天火に移し、天火に設置された上下のヒーターで上面及び下面を同時に加熱する。(焼き工程)
おにぎり本体1の表面が多少パリパリの状態になったら天火からおにぎり本体1を取り出す。
【0079】
次に、真空パックされた熊笹2をパックから引き出し、図3に示すように、1枚の熊笹を広げ、熊笹の裏面がご飯に接し、光沢のある表面が外部に面するようにし、葉の裏面中央に上述の天火から取り出したおにぎり本体1の三角形状をなしている片方の面を下にして置き、手作業で熊笹2の葉の両端をおにぎり本体1の稜線に沿って全体を包むように折り曲げ、最後に 熊笹2の片方の端部2aを巻かれた熊笹の葉2bの内側に折込む(図1参照)。この際おにぎりの上方の一部3が顔を出すようにして、ご飯の一部3及び鰻の小片4の一部が見えるようにする。熊笹2は、葉の光沢のある表面が外部に面している。(笹の葉の巻き工程)
次に近距離の販売店には、上記の状態で出荷する。また遠距離の販売店にはさらに透明のビニールラップで包む工程を行い、冷凍した状態で出荷する。(出荷)
販売店では、店頭で肉まんやあんまんを蒸して販売するために使用されている蒸し器を使い、上記のように構成された焼きおにぎりを温めて販売する。これにより、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現し、食することができる。
【0080】
また、温めずに持ち帰る消費者は、自宅で電子レンジまたは蒸し器で温めれば、同様に焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現し、食することができる。
【0081】
本実施形態の焼きおにぎりの製造方法によれば、笹の葉により適度の通気性が保たれ、余分な水分の蒸発、吸収を防ぐことができ、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を、店頭または自宅などで再現することができると共に、自動機械と手作業を組み合わせ効率のよい製造方法で笹の葉を巻いた焼きおにぎりを提供することができ、価格的にも有利な焼きおにぎりを提供することができる。
【0082】
特に、本製造方法では、機械で成形されたおにぎりを、さらに手作業で2〜3回程度手の平で握って、おにぎり本体を構成するようにしたので、例えば、店頭販売時における焼きおにぎりを温める際の形崩れを、より一層防止することができる。
【0083】
次に本発明に係る焼きおにぎり及び焼きおにぎりの製造方法の第二の実施形態について説明する。
【実施例2】
【0084】
図4は本発明の第二の実施形態を示す斜視図、図5は本発明第二実施形態の製造方法を示す工程図である。
【0085】
本実施形態は、上記第一の実施形態では、おにぎり本体を鰻を入れた焼きおにぎりで構成したが、本実施形態は、通常の一般的な焼きおにぎりに構成したものである。
【0086】
図4において、11はおにぎり本体で、白米を炊飯したご飯の中に焼き鮭の小片を入れて、略三角形状の所謂おむすび形に成形されている。
【0087】
さらに、おむすび本体11は、その表面全体に醤油が塗布され、醤油が塗布された状態で加熱されて焼かれ、外表面の一部が焦げた状態に構成されている。
【0088】
12は天然の熊笹で、1枚の熊笹の葉を使い、熊笹の裏面がご飯に接し、光沢のある表面が外部に面するようにし、おにぎり本体11を包み込むようにして、上方の一部におにぎり本体11のご飯13及び具である焼き鮭の小片14の一部見えるように巻かれ、笹を巻いた焼きおにぎりが構成されている。
【0089】
他の構成、作用等は第一の実施形態と同様である。
【0090】
次に、本実施形態の焼きおにぎりの製造方法につき、図5にしたがい説明する。
【0091】
まず、白米を炊飯器で炊き上げご飯を作る。(炊飯工程)
次に成形機械の型にご飯を入れ、ご飯の中に焼き鮭の小片を複数個入れて、略三角形状の所謂おむすび形に成形する。(成形工程)
次に、機械で成形されたおにぎりを取り出し、さらに手作業で2〜3回程度、食塩をまぶした手の平で握って、おにぎり本体11を構成する。(手の握り工程)
次に、おにぎり本体11の三角形をなす左右の面に、手作業で刷毛を使い醤油を2回程度塗布する。(タレ塗布工程)
次に、おにぎり本体11の醤油を塗った左右の面を上下にして天火に移し、天火に設置された上下のヒーターで上面及び下面を同時に加熱する。(焼き工程)
醤油を塗った面に焦げ目が付いたら天火からおにぎり本体11を取り出す。
【0092】
次に、真空パックされた熊笹12をパックから引き出し、第一の実施形態の図3に示すと同様に、1枚の熊笹を広げ、熊笹の裏面がご飯に接し、光沢のある表面が外部に面するようにし、葉の裏面中央に上述の天火から取り出したおにぎり本体11の三角形状をなしている片方の面を下にして置き、手作業で熊笹12の葉の両端をおにぎり本体11の稜線に沿って全体を包むように折り曲げ、最後に 熊笹12の片方の端部12aを巻かれた熊笹の葉12bの内側に折込む(図4参照)。この際おにぎりの上方の一部が顔を出すようにして、飯の一部13及び具である焼き鮭の小片14の一部見えるようにする。熊笹12は、葉の光沢のある表面が外部に面している。(笹の葉の巻き工程)
次に近距離の販売店には、上記の状態で出荷する。また遠距離の販売店にはさらに透明のビニールラップで包む工程を行い、冷凍した状態で出荷する。(出荷)
販売店では、店頭で肉まんやあんまんを蒸して販売するために使用されている蒸し器を使い、上記のように構成された焼きおにぎりを温めて販売する。これにより、焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現し、食することができる。
【0093】
また、温めずに持ち帰る消費者は、自宅で電子レンジまたは蒸し器で温めれば、同様に焼きおにぎり独特の表面が焼けた部分の香ばしさとその食感を再現し、食することができる。
【0094】
他の製法、作用等は、第一の実施形態の製造方法と同様である。
【0095】
次に本発明に係る焼きおにぎり及び焼きおにぎりの製造方法の第三の実施形態について説明する。
【実施例3】
【0096】
図6は本発明の第三の実施形態を示す斜視図である。図6には第一の実施形態と同一部部には同一符号を付してある。
【0097】
本実施形態は、第一の実施形態において、おにぎり本体を略三角形状の所謂おむすび形に成形して構成する代わりに、おにぎり本体を俵形に成形し、俵形のおにぎり本体の円柱状をなす外面に熊笹20を螺旋状に巻いたものである。
【0098】
さらに、第二の実施形態におけるおにぎり本体を俵形に成形し、俵形のおにぎり本体の円柱状をなす外面に熊笹を螺旋状に巻いたものでもよい。
【0099】
その他の構成、製法及び作用等は、上記第一、第二の実施形態と同様である。
【0100】
本実施形態によれば、笹の葉を螺旋状に巻くことができるので、手で巻く場合でも、さらに機械で自動化する場合でも、より簡単な作業で笹の葉を巻いた焼きおにぎりを提供することができる。
【0101】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の設計変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明第一実施形態の製造方法を示す工程図。
【図3】本発明第一実施形態の焼きおにぎりを笹の葉で巻く途中の工程を示す斜視図。
【図4】本発明の第二の実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明第二実施形態の製造方法を示す工程図。
【図6】本発明の第三の実施形態示す斜視図。
【符号の説明】
【0103】
1 おにぎり本体
2 笹の葉


【出願人】 【識別番号】500229581
【氏名又は名称】株式会社 大船軒
【住所又は居所】神奈川県鎌倉市岡本二丁目3番3号
【出願日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【代理人】 【識別番号】100083150
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻木 信義

【公開番号】 特開2005−95060(P2005−95060A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2003−332876(P2003−332876)