| 【発明の名称】 |
食肉製品の色調改善方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】若松 純一
【氏名】池田 有希
【氏名】奥井 潤
【氏名】西邑 隆徳
【氏名】服部 昭仁
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| 【要約】 |
【課題】従来の方法とは異なるアプローチで食肉製品の色調の改善を図る方法を提供する。
【解決手段】本発明の食肉製品の色調改善方法は、食肉製品中の肉色素を酸化させる工程を含むことを特徴とする。好ましくは、本発明の食肉製品の色調改善方法は、肉色素を酸化させた食肉製品を熟成させる工程を含む。熟成させる工程は、嫌気状態で行うのが好ましい。なお、肉色素には、ミオグロビンの他、ヘモグロビンも含まれる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 食肉製品の色調改善方法であって、 食肉製品中の肉色素を酸化させる工程を含むことを特徴とする方法。 【請求項2】 肉色素を酸化させた食肉製品を熟成させる工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記熟成させる工程が嫌気状態で行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は一般に、食肉製品の色調改善方法に関する。より詳細には、本発明は、発色剤を使用せずに食肉製品の色調を改善する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 食肉及び食肉製品の色は、品質の視覚的尺度として消費者に利用されており、品質を評価するうえで重要な要因のひとつである。食肉及び食肉製品の色は、主として、ミオグロビンという色素タンパク質が関与しており、ミオグロビンは、グロビンというポリペプチドと、ヘムと呼ばれる補欠分子族1分子とからなる。 【0003】 ヘムは、ポルフィリン誘導体の1つで、中心に鉄が配位結合しており、この鉄をヘム鉄という。ヘム鉄は一般に、2価(還元型)と3価(酸化型)の状態で存在している。ヘム鉄は又、6個の配位座を有しており、そのうち4個は、ポルフィリン環のピロール核の窒素原子に配位し、第5配位座には、グロビンのFヘリックスにあるヒスチジンF8(近位ヒスチジン)のイミダゾール核の窒素原子と配位結合している。そして、残る第6配位座に結合する配位子の種類によって多くの誘導体を生ずる。ヘム鉄の電荷及びこれに結合する配位子によって、ミオグロビンの色調は変化する。 【0004】 生肉の鮮赤色は、ヘム鉄の電荷が2価で第6配位座に酸素が結合したオキシミオグロビンによる。しかし、時間の経過とともに、オキシミオグロビンの自動酸化が徐々に進行し、ヘム鉄は2価から3価になり、第6配位座に水分子が結合して、酸化型で褐色のメトミオグロビンになる。 【0005】 一方、硝酸塩や亜硝酸塩などの発色剤を使用した食肉製品では、十分加熱されたものであっても、褐色を呈さずに、鮮やかな桃赤色を呈する。これは肉色の固定と呼ばれ、発色剤から生じる一酸化窒素をミオグロビンに配位させ、加熱しても褐色に変化しないニトロソミオグロビン(ニトロシルミオグロビンともいう)に転換させたためである。ニトロソミオグロビン内のヘム鉄の電荷は2価であるが、加熱後も酸化されずに2価のままである桃赤色の加熱塩漬肉色素、ニトロソヘモクロムとなる。 【0006】 比較的安定なニトロソヘモクロムも光に当てることなどにより、速やかに茶褐色へと変色することが知られている。これを抑制する方法として、酸素を通さないフィルムで真空包装したり、窒素ガスなどの不活性ガスで置換する方法などが用いられており、使用素材、その組み合わせ及び手段などにより、これまで多数の技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。 【0007】 また、発色助剤として一般的に用いられているアスコルビン酸塩は、その還元作用により、ヘム鉄の酸化を防止して変色を抑制する。同様の作用として、ラフィノースを添加する方法(特許文献4参照)、トレハロース、無機塩および有機酸類を添加するメト化抑制法(特許文献5参照)、1,5−D−アンヒドロフルクトース又はそれとアスコルビン酸、エリソルビン酸若しくはそれらの可食性塩とを添加し、長期にピンク色を保持する方法(特許文献6参照)、アスコルビン酸類やエリソルビン酸類等の還元剤及びカタラーゼを併用する食肉製品の退変色防止方法(特許文献7参照)、単糖類又は2糖類より得られる糖アルコール、又は糖類分解酵素、特にα−アミラーゼによって分解されないオリゴ糖に属する化合物の少なくとも1種を配合する発色促進・退色防止法(特許文献8参照)等の技術が開示されている。また、ニトロソミオグロビンの酸化は、pHが高いほど抑制されることが知られており、アルカリ製剤の溶液を注入して加熱加工する方法(特許文献9参照)等の技術も開示されている。 【0008】 さらに、加熱塩漬肉色素を添加することにより色調を改善する方法として、ヘモグロビンを酵素処理し、ヘムにグロビン鎖の一部を残した状態でpHを中性付近に調整し、発色剤及び発色助剤を添加して加熱することにより得られる可溶性の天然着色料(特許文献10参照)、肉色素溶液に発色剤及び発色助剤を添加して溶解させ、これを加熱した色素に水溶性高分子化合物を添加溶解してゲル化させた肉製品素材(特許文献11参照)、微粒子状の加熱塩漬肉色素を酵素処理によって可溶化する技術(特許文献12参照)などが開示されている。 【0009】 また、着色剤としてタール系合成色素や動植物性天然色素などが用いられており、現在一般的に使用されているものとして、カイガラムシ由来のコチニール色素などがある。その他に、西洋アカネから抽出した色素を加水分解処理し、ミョウバン類、有機酸塩類、炭酸塩類からなる赤色色素組成物で食肉加工品を赤色に着色する方法(特許文献13参照)なども開示されている。 【0010】 さらに、微生物を利用して色調を改善する方法として、非耐塩性ラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)を添加し、発色剤を用いずに加工肉製品を発色させる方法(特許文献14参照)、耐塩性乳酸菌を添加することを特徴とする肉類の発色保存法(特許文献15参照)、耐塩性乳酸菌とpH調整剤とを併用する方法(特許文献16参照)、生肉をキュアリングする際、キュアリング塩に亜硝酸塩と耐塩性ラクトバシラス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophils)及び/又は耐塩性ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)とを共存させる方法(特許文献17参照)等が開示されている。 【0011】 また、その作用機序は不明であるが、多数の退色・変色防止法が開示されている。例えば、海洋深層水の組成成分又は該海洋深層水の組成成分及びローズマリー抽出物を主成分とする食品用(特に食肉用)の色調保持剤、食肉に対して海洋深層水の組成成分又は該海洋深層水の組成成分及びローズマリー抽出物を色調保持剤として添加することを特徴とする食肉(鶏肉など)の製造方法(特許文献18参照)、乳酸の塩類1種若しくは2種以上を含む溶液又は乳酸の塩類1種以上と乳酸を含む溶液に食肉を含浸又は塗布することを特徴とする食肉の変色防止方法(特許文献19参照)、食用蛋白質を蛋白質分解酵素で得られるぺプチドを含む肉食品の退色防止剤(特許文献20参照)、動植物たん白加水分解物粉末、L−アルギニン粉末、並びにL−プロリン、L−ヒスチジン、L−グルタミン酸、L−アルギニンL−グルタミン酸塩等のアミノ酸の少なくとも1種からなるアミノ酸類粉末からなる組成物などを肉類に添加する方法(特許文献21参照)、トランスグルタミナーゼを用いることによる食肉の色調を改質する方法(特許文献22参照)等がある。 【0012】 発色剤は、安全な範囲内に収まるように使用量が制限されているが、ニトロソアミンなどの発がん性物質の生成の懸念もあり、近年では使用削減の声が高まっている。着色剤などの色素添加や機構の不明なものを除いて、既存の肉色素を活かした食肉製品の色調改善には、酸素を遮断する方法、或いは還元作用を有するものを加えて酸化を防ぐ方法が一般的である。一方、豚肉と塩のみで製造されるイタリア産パルマハムなどの長期熟成型の生ハム中の色素は、酸化や光などに対して非常に安定であり(非特許文献1参照)、ミオグロビン内の鉄が亜鉛に置換していることが示されているが(非特許文献2参照)、その機構については不明であり記述されていない。 【0013】 【特許文献1】特開2000−287612号公報 【特許文献2】特開平9−20311号公報 【特許文献3】特開平7−246332号公報 【特許文献4】特開2003−18976号公報 【特許文献5】特開2002−247967号公報 【特許文献6】特開2002−125621号公報 【特許文献7】特開平9−98741号公報 【特許文献8】特開平10−117730号公報 【特許文献9】特開2001−29006号公報 【特許文献10】特開平9−12912号公報 【特許文献11】特開平6−237737号公報 【特許文献12】特開昭48−28673号公報 【特許文献13】特開平5−15343号公報 【特許文献14】特開平9−9912号公報 【特許文献15】特公昭63−59671号公報 【特許文献16】特公昭62−10136号公報 【特許文献17】特公昭61−46107号公報 【特許文献18】特開2003−93016号公報 【特許文献19】特開2000−253810号公報 【特許文献20】特開平11−332509号公報 【特許文献21】特開平7−155138号公報 【特許文献22】特開平5−207864号公報 【非特許文献1】Journal of Food Science,vol.61,p1021〜p1023,1996年(Institute of Food Technologists,Chicago,USA) 【非特許文献2】畜産食品の事典,p256〜p261,2002年(朝倉書店) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0014】 上述のように、食肉製品の色調を改善する方法として、種々の方法が提案されているが、従来の方法を概括的に見ると、ミオグロビンに代表される肉色素が好ましくない色調を有する誘導体に変換するのを防止するため、抗酸化物質を用いて、食肉製品の自動酸化を防ぐのが一般的な方法である。 【0015】 本発明は、従来の方法とは異なるアプローチで食肉製品の色調の改善を図ろうとするものである。すなわち、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、食肉製品中の肉色素を酸化させることにより、肉色素中の鉄を亜鉛に効率的に置換する方法を案出した。本発明の方法により、呈味性に悪影響を及ぼすことなく、効率よく食肉製品中のヘム色素の鉄を亜鉛に置換することにより、食肉製品の色調を改善することを可能にした。 【課題を解決するための手段】 【0016】 本願請求項1に記載の食肉製品の色調改善方法は、食肉製品中の肉色素を酸化させる工程を含むことを特徴とするものである。 【0017】 本願請求項2に記載の食肉製品の色調改善方法は、前記請求項1の方法において、肉色素を酸化させた食肉製品を熟成させる工程を更に含むことを特徴とするものである。 【0018】 本願請求項3に記載の食肉製品の色調改善方法は、前記請求項2の方法において、前記熟成させる工程が嫌気状態で行われることを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0019】 本発明の食肉製品の色調改善法では、食肉中の主要色素タンパク質であるミオグロビンを酸化させることにより、その後の鉄と亜鉛との置換反応を著しく高め、光や酸素などに対し、極めて安定な色素である亜鉛プロトポルフィリンを生成させることを可能とした。本発明によって、発色剤や色素を使用することなく、添加物のリスクが少なく食肉製品の色調を改善することができた。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 次に、本発明の好ましい実施の形態に係る食肉製品の色調改善方法について詳細に説明する。本発明の食肉製品の色調改善方法は、食肉製品中の肉色素を酸化させる工程を少なくとも含む。食肉製品中の肉色素は、大半がミオグロビンであるため、以下、ミオグロビンを例として説明する。 【0021】 ミオグロビンを酸化させる物質は、天然物質でもよく合成物質でもよい。ミオグロビンを酸化させる物質としては、食肉に添加後に酸化作用を有する金属イオン等の陽イオンや陰イオンなどに解離するものを内在している物質が挙げられる。具体的には、ミオグロビンを酸化させる物質は、精製されていない塩である海塩や岩塩、にがり成分、動植物からの抽出物などである。ほうれん草抽出物などは、酸化作用を有する硝酸塩を多く含むが、硝酸塩が発色剤の1種であるため、ヘム鉄がニトロソ化されることもある。従って、ミオグロビンを酸化させる物質としては、硝酸塩を多く含むものは好ましくない。 【0022】 なお、本明細書における「酸化」とは、原子またはイオンが反応系において電子を放出する現象を意味し、狭義の意味の1つであるような物質が酸素と化合する反応を意味するものではない。 【0023】 好ましくは、本発明の食肉製品の色調改善方法は、肉色素を酸化させた食肉製品を熟成させる工程を更に含む。熟成工程を実施した方が好ましいのは、新鮮な食肉のヘム鉄は2価であり、これは容易に酸化され3価となるが、速やかに亜鉛と置換されるわけではなく、食肉加工で一般的に行われている熟成工程を用いることが好ましいからである。なお、食肉中には亜鉛は鉄よりも豊富に含まれているので、特に亜鉛を添加する必要はないが、添加してもよい。 【0024】 なお、本明細書における「熟成」とは、所定の条件下で貯蔵することを意味する。ここで、所定の条件には、温度、湿度等が含まれる。 【0025】 本発明の食肉製品の色調改善方法におけるメカニズムについては、今のところ明確には解明されていないが、以下のようなメカニズムが予測される。すなわち、食肉製品中のミオグロビンを酸化させることにより、ヘム鉄が2価から3価のメトミオグロビンに変換される。その後、何らかの作用により鉄が除去されてプロトポルフィリンIXとなる。その後、フェロケラターゼなどの筋肉内在酵素の働きにより亜鉛が挿入されて、亜鉛プロトポルフィリンIXが形成される。 【0026】 フェロケラターゼは、ミトコンドリア内膜に局在する酵素であり、あらゆる細胞に存在する。フェロケラターゼは、生体内ではヘム合成の最終工程を担い、プロトポルフィリンIXに2価鉄イオンを挿入する酵素である。フェロケラターゼは、2価鉄イオンだけでなく様々な2価金属イオンをポルフィリン内に挿入させることができ、特に亜鉛イオンのキレート活性は鉄イオンよりも高いという報告がある(European Journalof Biochemistry,vol.127,p443〜447、1982年、The Federation of European Biochemical Societies,Oxford,UK)。なお、フェロケラターゼは、3価鉄イオンをポルフィリン内に挿入させることはできない。 【0027】 食肉製品を酸化させることにより、酸化されて離脱した3価鉄イオンが再挿入されずに、食肉製品中に存在する亜鉛イオンが酵素などの働きにより挿入され、亜鉛プロトポルフィリンIXが生成される。これにより、食肉製品中に光や熱に対して安定な色素が形成される。 【0028】 なお、上述の工程における反応は速やかなものではないため、食品衛生上の観点から、上述の工程は低温で実施するのが好ましく、また、特に熟成工程を長時間実施するのが好ましい。また、高温での熟成は反応を促進するが、微生物による品質の劣化を招くので、何らかの静菌操作を行うことが好ましい。さらに、熟成工程は、第6配位座への酸素等の再結合を防止するためにも、嫌気状態で実施するのが好ましい。なお、固形の製品では、内部への酸素浸透性が低いため、この限りではない。 【実施例1】 【0029】 (亜鉛置換条件の検討) 1重量%の試薬ミオグロビン溶液を調製した。試薬のミオグロビンは、全て3価のメトミオグロビンである。豚肉を2倍量の蒸留水でホモジナイズした。ミオグロビンを最終濃度0.1重量%、ホモジナイズした豚肉を同20重量%になるように蒸留水で調節した。微生物の影響を排除するため、ペニシリンGカリウム塩を100U/ml、ストレプトマイシン硫酸塩を100μg/ml、ゲンタマイシン硫酸塩を100μg/mlになるように添加し、適当な温度で嫌気的に所定の時間保持した。亜鉛プロトポルフィリンIXの蛍光強度(励起波長410nm、蛍光波長590nm)を測定することにより、亜鉛の置換を評価した。 【0030】 図1に示すように、保持する日数を延長させることにより、亜鉛プロトポルフィリンIXの生成量が増大した。これは、製造における熟成の重要性を示すものである。 【0031】 図2は、温度を変えて5日間保持したものの亜鉛プロトポルフィリンIXの生成量を示す。20〜25°C付近が最も生成率が高いが、4°C又は37°Cでも亜鉛プロトポルフィリンIXが生成した。このことから、熟成の温度については特に指定は無いが、0〜40°Cの範囲内が好ましいことが分かった。食品衛生の面からも、0〜25°Cの範囲がより好ましい。 【実施例2】 【0032】 (メト化率の違いによるヘム鉄の亜鉛置換の影響) 1重量%の試薬ミオグロビン溶液を調製した。一般に試薬のミオグロビンは全て3価の状態であるため、適当な濃度のハイドロサルファイトナトリウム溶液で還元処理を行った。豚肉を2倍量の蒸留水でホモジナイズした。ミオグロビンを最終濃度0.1重量%、ホモジナイズした豚肉を同20重量%になるように蒸留水で調節した。微生物の影響を排除するため、ペニシリンGカリウム塩を100U/ml、ストレプトマイシン硫酸塩を100μg/ml、ゲンタマイシン硫酸塩を100μg/mlになるように添加し、メトミオグロビンの割合を示すメト化率を測定後、20°Cで嫌気的に5日間保持した。メト化率は下式により算出した。亜鉛プロトポルフィリンの蛍光光度(励起波長410nm、蛍光波長590nm)を測定することにより、亜鉛の置換を評価した。 【0033】 メト化率(%)=〔1.395−(A572nm −A700nm )/(A525nm −A700nm )〕×100 ここで、A525nm : 525nmにおける吸光度 A572nm : 572nmにおける吸光度 A700nm : 700nmにおける吸光度 【0034】 図3は、メト化率とヘム鉄の亜鉛置換との関係を示したグラフである。図3に示すように、メト化率の高いものほどミオグロビン中のヘム鉄の亜鉛置換率が直線的に増大することが分かる。 【実施例3】 【0035】 骨付き豚もも肉に海塩を肉重量に対して6.5重量%散布し、4°Cで40日間乾塩漬した。海塩(南フランス産)を散布した後、1時間程度で赤肉の色調が褪色化し、ヘム鉄が3価のメトミオグロビンに変換した。冷水を用いて塩抜きをした後、20°Cで90日間乾燥を行って乾塩漬生ハムを作製した。海塩の代わりに食塩(塩化ナトリウム99.5重量%以上)を用いて同様の方法で乾塩漬生ハムを作製したが、散布1日後でも赤肉の色調に変化が見られなかった。 【0036】 海塩で作製した生ハムと食塩で作製した生ハムの亜鉛プロトポルフィリン含量を、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)を用いて測定したところ、図4に示すように、海塩で作製した生ハムにおいて高い亜鉛プロトポルフィリン含量を示すことが分かる。 【0037】 本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。 【0038】 例えば、前記実施の形態においては、肉色素としてミオグロビンに関連して説明してきたが、ヘモグロビンについてもミオグロビンと同様に処理することができる。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】ヘム鉄の亜鉛置換に及ぼす保持日数の影響を示したグラフである。 【図2】ヘム鉄の亜鉛置換に及ぼす保持温度の影響を示したグラフである。 【図3】メト化率とヘム鉄の亜鉛置換との関係を示したグラフである。 【図4】海塩と食塩で作製した生ハム中の亜鉛プロトポルフィリン含量を示したグラフである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】503347242 【氏名又は名称】若松 純一
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| 【出願日】 |
平成15年9月24日(2003.9.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104330 【弁理士】 【氏名又は名称】杉山 誠二
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| 【公開番号】 |
特開2005−95037(P2005−95037A) |
| 【公開日】 |
平成17年4月14日(2005.4.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−331268(P2003−331268) |
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