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【発明の名称】 粉末豆乳およびその製造方法
【発明者】 【氏名】今村 勝彦
【住所又は居所】福岡県筑後市大字長浜1956番地の2 九州食品株式会社内

【氏名】今村 一彦
【住所又は居所】福岡県筑後市大字長浜1956番地の2 九州食品株式会社内

【要約】 【課題】水分散性がよく、水と混合した際に、だま、ままこ(継粉)などの凝塊物を生じにくく、再び、そのまま飲用できる滑らかな喉ごしの均質豆乳となる粉末豆乳およびその製造方法の提供、特に伝統的な製法で製造された全脂豆乳を粉末化原料として、上記のような特性を安定的に示す粉末豆乳を得ることができる粉末豆乳の製造方法としての豆乳の粉末化方法の提供。

【解決手段】豆乳、好ましくは全脂豆乳を、温度47℃〜60℃未満、湿度74〜80%の環境下の噴霧乾燥室内に噴霧して乾燥する粉末豆乳の製造方法。噴霧乾燥室から排出される粉末豆乳の含水率は12〜20%である。本発明で得られる粉末豆乳から復元される豆乳は、粉末化原料豆乳と実質的に同じpHである。このような粉末豆乳であって、含水率が12〜20%で水に均質分散性の粉末豆乳の豆乳。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆乳を、温度47℃〜60℃未満、湿度74〜80%の環境下の噴霧乾燥室内に噴霧して乾燥する粉末豆乳の製造方法。
【請求項2】
前記豆乳がノズルから前記噴霧乾燥室内に噴霧され、該噴霧乾燥室から粉末状で排出されるまでの滞留時間が1分以下である請求項1に記載の粉末豆乳の製造方法。
【請求項3】
前記噴霧乾燥室から排出される粉末豆乳の含水率が12〜20%である請求項1または2に記載の粉末豆乳の製造方法。
【請求項4】
前記豆乳が全脂豆乳である請求項1ないし3のいずれかに記載の粉末豆乳の製造方法。
【請求項5】
前記豆乳が加熱絞り工法で得られる全脂豆乳である請求項1ないし4のいずれかに記載の粉末豆乳の製造方法。
【請求項6】
前記噴霧乾燥室から排出された粉末豆乳をサイクロンにより集粉する工程をさらに含む請求項1ないし5のいずれかに記載の粉末豆乳の製造方法。
【請求項7】
得られる粉末豆乳を水で希釈した時の復元豆乳が、粉末化原料の前記豆乳と実質的に同じpHである請求項1ないし6のいずれかに記載の粉末豆乳の製造方法。
【請求項8】
含水率が12〜20%で、水に均質分散性の粉末豆乳。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれかに記載の製造方法で製造された粉末豆乳である請求項6に記載の粉末豆乳。
【請求項10】
請求項8または9に記載の粉末豆乳を水で希釈した均質な飲用豆乳。
【請求項11】
豆腐製造原料としての請求項8または9に記載の粉末豆乳。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末豆乳、特に水分散性がよく、水と混合した際に、だま、ままこ(継粉)などの凝塊物を生じにくく、再び、そのまま飲用できる滑らかな喉ごしの均質豆乳となる粉末豆乳およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
豆乳は、水に浸漬した大豆の磨砕物である呉汁を加熱した後、漉布等でおからを除去した液であり、栄養価が高く、消化吸収のよい良質タンパク質として、古くより固化して豆腐として食用するだけでなく、母乳、牛乳の代替品として飲用もされている。特に昨今、家畜にBSEなどの感染症発生もあって、動物性タンパク質に代わる安全性の高いタンパク質源としての有用性がさらに高まっている。このような豆乳の需要拡大に伴い、豆乳の保存および搬送における利便性を高め、またその利用範囲をさらに拡大するために、豆乳の粉末化が図られている。
【0003】
従来、液状食品の粉末化技術としては、凍結乾燥法、噴霧乾燥法などが知られており、これらを適用すれば豆乳を粉末化することはできる。しかしながら、豆乳を一旦乾燥すると、水、特に低温水に溶けにくくなり、水と混合・撹拌しても、均質に分散せず、だま、ままこなどと称される水不溶性の凝塊物を生じ、再び、ザラツキ感がなく、喉ごしの滑らかな豆乳(エマルション)に戻すことは困難である。特に、伝統的な豆腐製造工程で全脂大豆より製造される豆乳は変質しやすく、これを粉末化しても水難溶性になるとされており、これまでに商品化された全脂豆乳の粉末は知られていない。
【0004】
このため豆乳の粉末化方法は数多く提案されているが、そのほとんどは、実質的に脱脂大豆を原料とする脱脂豆乳または分離大豆タンパク質などを粉末化原料とするものである(たとえば特許文献1〜5など参照)。この脱脂原料から得られる粉末の水溶解性または分散性の改善を図って、たとえば乾燥前の大豆タンパク成分を含有する水溶液に、レシチン等の界面活性剤、澱粉の部分加水分解物、ポリグリセン脂肪酸エステルなどの添加物を含ませたり(たとえば上記特許文献2〜4など参照)、分散後のザラツキ感を噴霧乾燥後の分離大豆タンパクを粉砕して平均粒径20〜60μmに細粒化する(たとえば上記特許文献5参照)ことなどが提案されている。
【0005】
豆腐を製造するための全脂豆乳の粉末化方法を提案するものもある(たとえば特許文献6参照)。ここでは、乾燥粉末化工程の前段の呉汁加熱条件が、最終的な豆腐の品質に影響を及ぼすとして、呉汁の加熱を、従来の加熱絞り工法(約100℃)または生絞り工法(約30〜50℃)のほぼ中間温度の45〜65℃で、瞬時〜20分間行うことを限定している。得られた豆乳の乾燥は、従来一般的な噴霧条件(入口温度90〜130℃、出口温度20〜65℃)で行っている。該公報には、得られた粉末豆乳を水に溶解して豆乳とし、98℃で5分間加熱した後、凝固させた豆腐について、弾力性および風味(焼け臭)を評価した実施例は示されており、また豆乳飲料を含む豆腐以外の用途も列挙されているが、粉末豆乳を水で希釈した時の性状は示されていない。上記で得られる粉末豆乳は、粉末化原料の豆乳を飲用可能な所定温度で炊いていないため、水で希釈してそのまま飲用するには適していない。
【特許文献1】特開2000-102352号公報
【特許文献2】特開昭51-35449号公報
【特許文献3】特開平9-275911号公報
【特許文献4】特開平9-313112号公報
【特許文献5】特開2000−270783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水と混合するだけで、溶解助剤などの添加物を加えなくても、喉ごしが滑らかでかつ風味のある元の均質な飲用豆乳に戻る粉末豆乳およびそのような粉末豆乳の製造方法が望まれている。特に伝統的な製法で製造された全脂豆乳を粉末化原料として、そのような特性を安定的に示す粉末豆乳を得ることができる粉末豆乳の製造方法が切望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討するうちに、原料豆乳を過乾燥することなく最終的に粉体搬送に支障がない範囲で湿分を多く残せば、水との親和性のよい粉末豆乳が得られることを見出した。最終的含水率が少なくとも12%程度以上であれば、水に均質分散性の粉末豆乳が得られる。粉末化原料が全脂豆乳であっても、たとえば18%程度の湿分を残して粉末化したものは、水との混合により、容易に、再び元の豆乳と同様に飲用できる均質な豆乳とすることができることを確認した。またこの復元した豆乳は、粉末化原料の豆乳と同じpHを示し、すなわち粉末化時にタンパク質が変性していないことが確認できた。従来公知の豆乳粉末の含水率は10%に満たず、通常5%前後である。また豆乳の粉末化に際して、含水率10%以上の多量の湿分を残存させることは検討されておらず、その必要性も教示されておらず、これにより、粉末豆乳が、水への溶解性が良好で、均質な豆乳に容易に戻る特性をもつようになることは勿論知られていない。
【0008】
さらに、上記知見に基づいて、豆乳の噴霧乾燥条件について検討し、上記のように再び元の均質豆乳に戻る粉末豆乳を得ることができる噴霧乾燥温度および湿度の特定条件を決定することができ、本発明を完成するに至った。本発明において、豆乳は、具体的に47℃〜60℃未満、湿度74〜80%の環境下で噴霧乾燥される。乾燥対象物が特に変質しやすいタンパク質であることを考慮すれば、乾燥温度が低く、さらにその温度での処理時間も短い方が有利であることは想到しうる。しかしながら低温での短時間処理を選択する場合、一般的には高湿の乾燥条件は選択しないため、本発明のような低温でも多湿の噴霧乾燥条件は、一般的な技術動向では選択されない乾燥条件といえる。そして、上記のような特定乾燥条件下で豆乳を粉末化すれば、粉末化時に豆乳が変質せず、粉末化原料豆乳と同じ品質の復元豆乳を得ることができる。
【0009】
したがって本発明では、豆乳を、温度47〜60℃、湿度74〜80%の環境下の噴霧乾燥室内に噴霧して乾燥する粉末豆乳の製造方法を提供する。
噴霧乾燥室内の環境温度は、好ましくは48〜57℃、より好ましくは50〜53℃である。
【0010】
噴霧乾燥室が上記環境を保持していれば、豆乳がノズルから上記噴霧乾燥室内に噴霧され、噴霧乾燥室から粉末状で排出されるまでの滞留(落下)時間は、通常、1分以下程度である。
【0011】
本発明において、上記噴霧乾燥室から排出される粉末豆乳は、少なくとも含水率で12%の湿分を含む粉体である。豆乳粉末の含水率上限値は、粉体としてハンドリング可能な湿分を目安として、通常、20%程度である。
本発明で得られる粉末豆乳を水で希釈すれば、粉末化原料の前記豆乳と実質的に同じpHの豆乳が復元する。
【0012】
本発明では、粉末化原料の豆乳として、従来技術では、水易溶性において安定した品質を得ることが困難とされている全脂豆乳、特に、加熱絞り工法で得られる全脂豆乳を好ましく用いることができる。
【0013】
本発明に係る粉末豆乳の製造方法では、通常、上記噴霧乾燥室から排出された粉末豆乳をサイクロンにより集粉する工程をさらに含む。
【0014】
本発明では、含水率が12〜20%で、水に均質分散性の粉末豆乳を提供する。
この粉末豆乳として、上記製造方法で製造された粉末豆乳が好ましく挙げられる。特に加熱絞り工法で得られる全脂豆乳を粉末化原料として得られる粉末豆乳であれば、水で希釈してそのまま飲用することができる。
【0015】
したがって本発明では、本発明の粉末豆乳を水で希釈した均質な飲用豆乳をも提供する。また本発明の粉末豆乳は、粉体のままで、豆乳に戻して、種々の用途に利用することができ、たとえば豆腐製造原料としても有用である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特に水易溶性であって、かつ水と混合した時、継粉(だま)などの凝塊物を生じにくく、かつ喉越しの滑らかな均質豆乳として飲用しうる粉末豆乳およびその製造方法が提供される。特に従来困難であると考えられていた加熱絞り工法で得られる全脂豆乳を粉末化して、水に溶かして(高温加熱しなくても)そのままで飲用することができ、かつ元の飲用豆乳と同じ風味を復元できる品質を安定的にもつ粉末豆乳とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明において、豆乳の粉末化は、その粉末過程で、最終含水率よりも低い過乾燥することなく、低温乾燥することができれば、凍結乾燥および噴霧乾燥のいずれも採択できるが、これらのうちでも噴霧乾燥法はコスト面での利点がある。以下には、噴霧乾燥により本発明の粉末豆乳を製造する方法を説明する。また噴霧乾燥機は、市販の装置でよく、回転円盤による遠心噴霧方法、圧力ノズルによる加圧噴霧方法などの噴霧方法を特に制限なく選択できるが、加圧噴霧による方法について説明する。
【0018】
上記したように本発明に係る豆乳の噴霧乾燥法では、豆乳を、温度47〜60℃、湿度74〜80%の環境下の噴霧乾燥室内に噴霧して粉末化する。
噴霧乾燥室内の環境温度は、好ましくは48〜57℃、より好ましくは50〜53℃である。
噴霧乾燥室内の上記温度(加熱)環境は、熱風の導入により達成することが好ましい。豆乳を圧力噴霧する装置の場合、熱風は、通常、噴霧乾燥室上方に配置されたノズル近傍から噴霧乾燥室内に吹込まれ、熱風の温度は120〜150℃程度である。
豆乳は熱風に接触することがあったとしても、蒸発潜熱により、乾燥時に豆乳そのものの温度はほとんど上昇しないと考えられる。
【0019】
噴霧乾燥室内は、導入される豆乳中の水分の蒸発により外部環境より高湿となる。この際、噴霧乾燥室のサイズに応じて、処理能力に応じて、熱風温度、噴霧量などを調節すれば、噴霧乾燥室内の環境を上記特定範囲の温度および湿度に保持することができる。
【0020】
噴霧化する原料豆乳の温度は、製造直後の豆乳温度を上限とすればよく、たとえば加熱絞り工法による豆乳製造ラインから供給する場合には、50〜85℃程度である。常温あるいは液体であれば1〜2℃に冷却した豆乳を噴霧してもよい。
圧力噴霧には、環境空気を圧縮して使用することができる。
【0021】
噴霧乾燥室が上記環境を保持していれば、豆乳がノズルから上記噴霧乾燥室内に噴霧され、噴霧乾燥室から粉末状で排出されるまでの滞留(落下)時間は、1分以下程度であれば特に限定されないが、通常10秒以下、好ましくは5秒以下である。滞留時間は、噴霧乾燥室の長さ、ノズル排出圧などの各種条件によっても異なるが、典型的には約1秒程度である。
【0022】
粉末化原料の豆乳は、特に限定されないが、従来技術では、水易溶性において安定した品質を得ることが困難とされている全脂豆乳、特に、伝統的な加熱絞り工法で得られる全脂豆乳を好ましく用いることができる。略述すれば、大豆を水に浸漬して柔かくした後、磨砕して呉汁とし、これを加熱した後、おからを分離除去した液である。原料大豆の種類は特に制限されない。また磨砕方法、おから分離方法など、呉汁の加熱方法なども特に制限されない。呉汁の加熱温度は、たとえば103〜107℃程度であれば、そのまま飲用できる豆乳が得られるため好ましい。
このような豆乳の好ましい一例として、煮ムラがなく溶存酸素濃度の低い豆乳を用いることができる。なおこのような豆乳は、特許第3004981号に係る煮釜を用いて製造することができる。
原料豆乳のブリックス濃度は、特に制限されないが、通常5〜16%程度である。また特に必要ではないが、粉末化する原料豆乳中に、コラーゲン、糖、果汁(酸性ではない果汁)などを適宜に添加してもかまわない。
【0023】
本発明において、上記噴霧乾燥室から排出される粉末豆乳は、少なくとも含水率で12%の湿分を含む粉体である。豆乳粉末の含水率上限値は、粉体としてハンドリング可能な湿分を目安として、通常、20%程度である。
全脂豆乳を粉末化する場合、上記噴霧乾燥室から排出される粉末の含水率が14%以上、好ましくは15%以上とすることが望ましい。典型的には、加熱絞り工法で得られる全脂豆乳の湿分を17〜18%程度残存させて粉末化すると、水に易溶性で、水と混合・撹拌すればそのままで飲用できる元の風味のある均質な豆乳となる粉末豆乳が得られる。なお本発明でも、含水率が低め(12〜13%程度)の粉末豆乳を均質な豆乳とするには、水との混合物に電子レンジなどによる軽い加熱を必要とする場合が多い。
【0024】
本発明に係る粉末豆乳の製造方法では、通常、上記噴霧乾燥室から排出された粉末豆乳をサイクロンにより集粉する工程をさらに含む。
サイクロン内は、外的な加熱が加えられず、噴霧乾燥室の下部から導入される粉末豆乳を含む系により、湿度飽和する。このため、サイクロン出口での粉末豆乳の含水率は、本質的に入口での含水率とほぼ同じである。サイクロンから回収した粉末豆乳は、密閉包装すれば上記特性を安定的に示すことができる。
上記サイクロンで回収される粉末豆乳は微粉末であり、その粒径は概ね20〜50μm程度である。
上記で回収された粉末は、ゴミなどを除去するためにふるいにかけることができる。この際には、微粉末が凝集して大径化(顆粒化)することがあり、高含水率のものほど顆粒化する傾向がある。
【0025】
上記特定条件下の噴霧乾燥工程を含む本発明の豆乳の粉末化方法によれば、豆乳を変質させずに、粉末化することができる。このことは本発明で得られる粉末豆乳は、水で希釈すると容易に均質豆乳に復元するだけでなく、復元した豆乳は、粉末化原料と同じ濃度において粉末化原料豆乳と同じpHを示す。
【0026】
本発明では、含水率が12〜20%で水に均質分散性の粉末豆乳を提供する。含水率は、好ましくは14〜20%、より好ましくは16〜20%、特に好ましくは17〜18%である。
本発明で提供する粉末豆乳は、水に易溶性で、水との混合・撹拌により容易に均質な豆乳となる。なお本明細書において、溶解性の語は、分散性を含む意味で使用される。
この粉末豆乳として、上記製造方法で製造された粉末豆乳が好ましく挙げられる。特に加熱絞り工法で得られる全脂豆乳を粉末化原料として得られる粉末豆乳であれば、水で希釈してそのまま飲用することができる。
【0027】
したがって本発明では、本発明の粉末豆乳を水で希釈した均質な飲用豆乳をも提供する。また本発明の粉末豆乳は、粉体のままで、豆乳に戻して、種々の用途に利用することができ、たとえば豆腐製造原料としても有用である。
【実施例1】
【0028】
生大豆60kgを水に一夜浸漬し、水切した後、加水しながら加水率4.1倍(246L)で豆摺機で磨砕して呉汁を得た。この呉汁300kgを、過熱蒸気を吹き込む煮釜((有)ヤヒメ商事製)により、106℃で加熱した。煮釜出口98℃の煮呉を、絞り機で漉しておからを分離し、ブリックス14%(タンパク質濃度6.2%)の全脂豆乳250kgを得た。この豆乳のpHは6.5であった。
この豆乳(80℃)を、ホッパー形状の噴霧乾燥機(上胴部:直径1m×高さ2m、漸減径部長さ1m、底部出口径10cm:自社製)を用いて、125℃の熱風を吹き込み、噴霧乾燥室内(52℃、湿度75%環境下)に、流速4〜5L/hで噴霧して粉末化し、ホッパー形状のサイクロン(上胴部:直径40cm×高さ50cm、漸減径部長さ30cm、底部出口径7cm:自社製)で集粉して、粉末豆乳を3kg得た。
得られた粉末豆乳の含水率は、17.8%であった。この粉末豆乳12gを水100mlに溶解し、ブリックス14%(タンパク質濃度6.2%)の豆乳を調製した。この復元豆乳のpHは6.5であった。均質で喉ごしの滑らかな風味のある豆乳として飲用できた。
上記サイクロンで集粉した粉末豆乳は、レトルト用ポリ袋に密封した。40日経過後、開封して上記と同様に水に溶解したところ、製造直後と同じ豆乳が得られた。
【比較例1】
【0029】
実施例1において、豆乳の噴霧流速を1.5〜2L/hとしたところ、噴霧乾燥室の環境温度が60℃、湿度70%となった。この噴霧条件に変えた以外は、実施例1と同様にして上記全脂豆乳を、粉末化した。得られた豆乳の含水率は5%であった。
これを実施例1と同様に水と混合したが、ダマができて均質な豆乳にならなかった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明で提供される粉末豆乳は、安定して水易溶性を示し、全脂豆乳の粉末化物であれば水との混合により、容易に元の風味のある豆乳とすることができる。飲用豆乳の素として有用であるだけでなく、該豆乳から、湯葉、豆腐、さらにはその加工品(油揚げ、高野豆腐など)を製造することも容易である。また粉末のまま食すことも可能であり、さらに他の食品材料と混合して加工することも可能である。
たとえば、分離大豆タンパク質とは異なる風味の残る点を活かして、一般的にタンパク源などとしての粉末大豆の利用分野に広く利用することができる。
【出願人】 【識別番号】503347219
【氏名又は名称】九州食品株式会社
【住所又は居所】福岡県筑後市大字長浜1956番地の2
【出願日】 平成15年9月24日(2003.9.24)
【代理人】 【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔

【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子

【公開番号】 特開2005−95032(P2005−95032A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2003−331121(P2003−331121)