| 【発明の名称】 |
食品の保存方法及び保存剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】下柿元 はるみ
【氏名】相澤 修
【氏名】波多 真一郎
【氏名】宮崎 輝久
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| 【要約】 |
【課題】静菌作用を有するラウリン酸を食品中に分散させ易くし、食品の品質の低下を抑えつつ、保存性をより向上させることができる、食品の保存方法と保存剤とを提供する。
【解決手段】ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部加えて加熱混合物とし、この加熱混合物を、上記のラウリン酸が食品原料の総重量の0.001〜0.09重量%となるように添加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱工程を経て製造される食品の保存方法であって、ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部加えて加熱混合物とし、この加熱混合物を、上記のラウリン酸が食品原料の総重量の0.001〜0.09重量%となるように添加することを特徴とする食品の保存方法。 【請求項2】 加熱工程を経て製造される食品の保存方法であって、ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部加えて加熱混合物とし、この加熱混合物を、上記のラウリン酸濃度が0.001〜0.09%となるように含有させた浸漬液に、食品原料となる食材を浸漬させることを特徴とする食品の保存方法。 【請求項3】 加熱工程を経て製造される食品の保存方法であって、ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部加えて加熱混合物とし、この加熱混合物を、多糖類からなる粉末化基材に吸着させるか、若しくは有機酸にコーティングするかしたのち、上記のラウリン酸が食品原料の総重量の0.001〜0.09重量%となるように添加することを特徴とする食品の保存方法。 【請求項4】 加熱工程を経て製造される食品の保存方法であって、ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部加えて加熱混合物とし、多糖類からなる粉末化基材に吸着させるか、若しくは有機酸にコーティングするかしたのち、上記のラウリン酸濃度が0.001〜0.09%となるように含有させた浸漬液に、食品原料となる食材を浸漬させることを特徴とする食品の保存方法。 【請求項5】 加熱工程を経て製造される食品の保存剤であって、ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部加えて加熱混合してなることを特徴とする食品の保存剤。 【請求項6】 請求項5に記載の保存剤を、多糖類からなる粉末化基材に吸着させて粉末状とするか、 若しくは有機酸にコーティングして粒子状とするかしたことを特徴とする保存剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、加熱する工程、すなわち、煮る・炊く・炒める・焼く・蒸す・茹でる・揚げるなどの工程を経て製造される食品の保存性を向上させる保存方法と保存剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、食品の保存性(以下、日持ちとも言う)を向上させるために、ソルビン酸などの合成保存料が用いられることがある。しかしながら、消費者の健康食品に対する感心が高まっていることから、それらを含んでいる食品が消費者から敬遠される場合があり、メーカー側も合成保存料の使用を控える傾向にある。そこで、合成されたものに代えて、天然系の保存料を使用する場合が多くなっており、その例として、長鎖(高級)脂肪酸や中鎖脂肪酸などが用いられることがある。 【0003】 そのうち高級脂肪酸を用いている例としては次のようなものがある。 【0004】 1.加熱工程を経て製造される食品の製造方法であって、炭素数12〜24で融点40℃以上の高級脂肪酸を食品原料中に添加し、加熱工程の前後で食品のpH値(水素イオン濃度)の調整を行い、食品を有利に製造できるようにするものである。つまり、加熱工程前においては、食品のpH値を下げないようにして、タンパク変性などによる品質の低下を防ぐ一方で、加熱工程後には、食品のpH値を下げて弱酸性とし、保存性を向上させる製造方法である(例えば、特許文献1参照)。 【0005】 2.ラウリン酸(炭素数12の高級脂肪酸)の濃度が70%以上のラウリン酸モノグリセライド、若しくはその含有物を、食品に対して添加・被覆・接触・浸漬等の処理を行なうことで、風味を低下させることなく保存性を向上せしめる食品の保存方法(例えば、特許文献2参照)。 【0006】 3.ラウリン酸を、原料総量に対して0.001〜0.09重量%の割合で食品原料に添加することにより、カビに対して有効な抗菌力を持たせることが可能で、しかも味や弾力性等を低下させることがない食品の製造法(例えば、特許文献3参照)。 【0007】 また、中鎖脂肪酸を用いている例としては、 4.エタノールに、酸性物質と中鎖脂肪酸とを加えて混合溶解することで得られ、食品に添加すれば、味の劣化を引き起こすことなく、殺菌力を増大させることができる防腐用組成物(例えば、特許文献4参照)。 【特許文献1】特公昭53―43579号公報(1〜2頁) 【特許文献2】特開昭51―61630号公報(1〜2頁) 【特許文献3】特開2000―287661号公報(2および5頁) 【特許文献4】特開昭58―121204号公報(1〜2頁) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかしながら、上記した従来のものには、それぞれ以下のような問題点がある。 【0009】 1.上記のような高級脂肪酸としてラウリン酸を用いた場合、食品に対して0.1重量%以上添加すれば、食品のpH値が大幅に低下して、弾力などの食感や食味に悪影響を及ぼすことがある。また、加工中にpH値を変動させると、タンパク変性によって味の劣化や弾力性の低下が起こり易く、食味や食感等が悪くなることがある。 【0010】 2.親水性と疎水性(親油性)との両方の性質を有しているラウリン酸モノグリセライドは、水への乳化分散性は良好であるが、練り製品等に使用した場合、その乳化作用により食品の弾力性が低下して、食感に悪影響を及ぼすことがある。また、このようにラウリン酸がモノグリセライドになっていると、タンパク質と結合し易く、ラウリン酸の静菌効果を十分に発揮させることができない。 【0011】 3.ラウリン酸が、水に分散しにくい状態のままで食品原料に添加されることになるので、食品原料中のラウリン酸の分布に偏りが生じ易く、かまぼこやソーセージのような魚肉・畜肉等の練り製品、または、うどんやパンのような原料を捏ねて作るようなもの以外では使いにくい場合がある。 【0012】 4.中鎖脂肪酸としてラウリン酸を用いた場合、ラウリン酸がエタノールに溶解している状態となるので、この防腐用組生物を食品原料に添加すれば、ラウリン酸によって加熱前の食品原料のpH値が低下してタンパク変性が生じ、出来上がった製品の物性(弾力性)が悪くなることがある。 【0013】 本発明は、静菌作用を有するラウリン酸を食品原料等に分散させ易くし、食品の品質の低下を抑えつつ、保存性をより向上させることができる、加熱工程を経て製造される食品の保存方法と保存剤とを提供するためになされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0014】 本発明者達は、これらの問題点を解決するために鋭意研究を重ね、その結果、ラウリン酸と、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を、所定の割合で混ぜ合わせた加熱混合物を、食品原料の総重量に対して、ある割合で添加すると、食品の食味や食感等の品質を低下させることなく、日持ち効果を向上させ得ることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。 【0015】 本発明の食品の保存方法は、 a.ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部を加えて加熱混合物とし、この加熱混合物を、上記ラウリン酸が食品原料の総重量に対し0.001〜0.09重量%となるように添加することを特徴としている。 【0016】 水に不溶なラウリン酸1重量部に対し、乳化作用を有しているグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部、好ましくは2〜5重量部加えて加熱混合することにより、ラウリン酸が水に分散しやすい状態となっている加熱混合物を得ることができる。そして、この加熱混合物を食品原料に添加すれば、水に分散しやすい状態のラウリン酸は、原料中に含まれる水分にも分散し易くなっているので、ラウリン酸を原料中に均一に混合させることができるようになる。 【0017】 また、グリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステルの乳化作用によって、ラウリン酸をエタノール等に溶解させた場合と違い、固体粒子の状態で食品原料中に分散できるので、加熱してもpH値が大幅に変化することなく、加熱工程によるタンパク質の変性を抑えて品質の劣化を防ぐことができる。 【0018】 つまり、ラウリン酸の融点は44℃であるため、加熱工程前の低温の状態(例えば、かまぼこ用のすり身の温度で5〜10℃)ではラウリン酸は溶解せず、食品のpH値は変化しないが、加熱工程(かまぼこのすり身を加熱し製品として仕上げる場合の温度は中心温度で約80℃)後には、ラウリン酸が溶解しpH値が低下する。しかしながら、ラウリン酸が溶解してpH値が低下しても、タンパク質は既に加熱工程を経たことによって固化しており、変性が起こらないからである。 【0019】 そして、遊離の状態で静菌効果を発揮するラウリン酸を、遊離した状態で食品原料中に分散させることができるので、グラム陽性菌・カビ・酵母などに対してより有効な静菌性を食品に付加することができる。 【0020】 前記加熱混合物の食品原料への添加量は、ラウリン酸の量が0.001〜0.09重量%の範囲になるようにする。これは、食品原料に対するラウリン酸の量が0.09重量%を越えるような量になると、出来上がりの食品に苦味を感じるようになるうえに、pH値が下がることによりタンパク変性が生じて弾力性が低下し、品質が劣化する。一方、食品原料に対するラウリン酸の量が0.001重量%を下回れば、食品の静菌作用が不足し日持ちが悪くなるからである。なお、味の変化をより効果的に抑えるために、好ましくは0.05重量%以下とするのが良い。 【0021】 なお、グリセリン脂肪酸エステルとして、界面活性能力に優れたモノエステル含量の高いデカグリセリンモノラウレートや、分布の揃ったポリグリセリンのエステルなどを用いることができ、ショ糖脂肪酸エステルとして、界面活性能力に優れたモノエステルの含有量の高いショ糖モノパルチミン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル等を用いることができる。 【0022】 b.前記加熱混合物を、ラウリン酸濃度が0.001〜0.09%となるように含有させた浸漬液に、原料となる食材を加熱工程前に浸漬するようにしても上記と同様の作用を得ることができる。また、このような浸漬液を用いれば、魚肉・畜肉などの練り製品以外、例えば焼き魚や根菜類の煮付けなど、加熱混合物を混ぜ込むことができないような食品に対しても、日持ち効果を向上させることができるようになる。 【0023】 なお、ラウリン酸濃度が0.09%を越えると、出来上がりの食品に苦味を感じるようになるうえに、pH値が下がることによりタンパク変性が生じて弾力性が低下し、品質が劣化することがある。一方、ラウリン酸濃度が0.001%を下回れば、食品の静菌作用が不足し日持ちが悪くなる。なお、味の変化をより効果的に抑えるために、好ましくは0.05重量%以下とするのが良い。 【0024】 c.前記加熱混合物を、多糖類からなる粉末化基材に吸着させるか、若しくは有機酸にコーティングしたものを、ラウリン酸が食品原料の総重量の0.001〜0.09重量%となるように添加してもよい。 【0025】 前記加熱混合物は、糊状の粘性を有しているため、食品原料中に均一に混合することが難しい。そこで、多糖類からなる粉末化基材に吸着させて粉末状とするか、有機酸にコーティングして固体粒子状にすることで扱い易くなり、食品原料中に均一に混合させることが容易になる。 【0026】 さらに、前記加熱混合物を粉末状または固体粒子状とすることで、その表面積が大きくなり、原料中の水分により溶け易くなるので、原料全体にラウリン酸を行き渡らせることができ、品質の劣化防止の効果や静菌効果を向上させることができる。 【0027】 このような粉末状または固体粒子状にした加熱混合物の添加量は、上記aやbの場合と同様の理由から、0.05重量%以下とするのが好ましい。また、多糖類としてはデキストリンやトレハロース等を用いることができ、有機酸としては、酢酸、酢酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム等を用いることができる。 【0028】 d.上記cにおいて、粉末状または固体粒子状にした加熱混合物を、ラウリン酸濃度が0.01〜0.09%なるように含有させた浸漬液に、原料となる食材を浸漬させるようにしても、粉末状または固体粒子状の加熱混合物を、食品原料に添加した場合と同様の静菌作用や品質の劣化防止の作用を得ることができる。 【0029】 本発明の加熱工程を経て製造される食品の保存剤は、 e.ラウリン酸1重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方を0.1〜50重量部を加えて加熱混合してなることを特徴としている。 【0030】 この保存剤は、ラウリン酸を固体粒子の状態で食品原料中に分散させ易くすることができるので、静菌作用を有しているラウリン酸が食品原料中に均一に混合された状態とし易く、ラウリン酸の静菌作用を効果的に発揮させることができるため、食品の日持ち向上効果を高められる。しかも、ラウリン酸を遊離した状態で分散させることができるので、ラウリン酸の静菌作用が低下することがなく、食品の日持ち効果を助長することができるのである。また、ラウリン酸を固体粒子の状態で食品原料に混合できるので、タンパク変性が生じにくく、味や食感等の品質の低下を防止することができる。 【0031】 f.上記の保存剤を、多糖類からなる粉末化基材に吸着させて粉末状にするか、若しくは有機酸にコーティングして固体粒子状にしても良い。 【0032】 加熱混合物は、糊状の粘性を有しているため、食品原料に混ぜにくいなど扱いづらいことがあるが、粉末状若しくは固体粒子状とすることで扱い易くなり、食品原料等に混合させ易くなる。また、粉末状や固体粒子状にすることで、表面積が大きくなり水に溶けやすい状態となるため、ラウリン酸を食品原料中の水分により分散させ易くなる。 【0033】 なお、多糖類の例として、デキストリンやトレハロースなどを挙げることができ、有機酸としては、酢酸、酢酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウムなどを例示することができる。 【発明の効果】 【0034】 上述のような手段をもって為される本発明の食品の保存方法は、次に示すような効果を有している。 【0035】 1.食味や食感などの品質を低下させずに、より長期間保存することができるようになる。また、ラウリン酸が水に分散しやすい状態となっているので、加熱混合物をそのまま添加するだけでなく、加熱混合物を含有した浸漬液に食材を浸漬した場合でも、食品の日持ち効果の向上を図ることができるので、より多くの種類の食品に対して適応することができる。 【0036】 2.ラウリン酸とグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの少なくとも一方との加熱混合物を、粉末状または粒子状にしているので食品原料中の水分にも良く溶け、さらなる日持ち効果の向上を図ることができる。また、加熱混合物を粉末状や粒子状とすることで取り扱いが容易になり、食品原料に添加する際の作業性が良くなる。 【0037】 本発明の保存剤は、次に示すような効果を有している。 【0038】 3.この保存剤を用いれば、食味や食感などの品質の低下を抑えつつ、より長期間食品を保存することが可能となる。また、ラウリン酸が水によく分散するので、食品原料等に添加するだけでなく、加熱混合物を含有した浸漬液に食材を浸漬させるようにしても、有効な日持ち効果を得ることができるので、より多くの種類の食品に対して用いることができる。 【0039】 4.上記3に記載した保存剤を、粉末状または粒子状にしているので食品原料中の水分にも良く溶けるようになり、さらに日持ち効果の向上を図ることができる。また、粉末状や粒子状とすることで取り扱いが容易になり、食品原料に添加する際の作業性が良くなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0040】 以下に、本発明にかかる食品の保存方法と保存剤の実施の形態について説明する。 【0041】 本実施例で用いた加熱混合物は、ラウリン酸にグリセリン脂肪酸エステルを加えて加熱混合したものであり、その割合はラウリン酸20重量%・グリセリン脂肪酸エステル80重量%としている。また、加熱混合する際の加熱温度は90℃以下とした。 【0042】 このような加熱混合物を食品原料に添加した場合と、ラウリン酸モノグリセライドやラウリン酸単体を食品原料に添加した場合、ラウリン酸とエタノールとの混合物を添加した場合との保存性について比較を行なった。比較の方法は、加熱工程前後のpH値を測定したり、保存中のカビの発生を観察したり、また保存前の食味や食感を調べたりするなどして行なった。 【0043】 ・比較テストA かまぼこ用の魚肉すり身1重量部に対して、食塩を0.025重量部および澱粉を0. 05重量部の割合で加え、25分間攪拌する。攪拌してできたかまぼこ原料を5kgずつ小分けし、それぞれに加熱混合物等を添加するなどして保存性を比較した。 【実施例1】 【0044】 小分けされた5kgのかまぼこ原料の一つに加熱混合物を添加し、さらに10分間攪拌した後にケーシングに詰め、90℃の温度で30分間ボイルした。こうして加熱し出来上がったかまぼこを放冷し完成品とした。 【0045】 加熱混合物の添加量は、5kgのかまぼこ原料の重量に対して0.05重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、5kgのかまぼこ原料の重量に対し0.01重量%の割合で混合されていることになる。 【0046】 このような実施例1について、ボイル前のかまぼこ原料のpH値とボイル後のかまぼこのpH値とを測定した。その結果、ボイル前のかまぼこ原料のpH値は7.08で、ボイル後のかまぼこのpH値は7.18であった。このように、ボイル後のかまぼこにpH値の低下は見られなかった。また、放冷後の完成品のかまぼこの食味や食感については良好なものであった。そして、完成品のかまぼこを30℃の温度で保存した結果、保存から4.5日目にカビの発生が見られた。 【実施例2】 【0047】 実施例2は、実施例1の加熱混合物の添加量を0.15重量%としたこと以外は、実施例1と同様である。加熱混合物の添加量を0.15重量%としているので、ラウリン酸は5kgのかまぼこ原料の重量に対し0.03重量%の割合で混合されていることになる。そして、実施例1と同様に、ボイル前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0048】 その結果、ボイル前のpH値とボイル後のpHはそれぞれ、7.08と7.14であり、pH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、完成品の保存性については、5.5日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例3】 【0049】 実施例3は、実施例1の加熱混合物の添加量を0.30重量%としたこと以外は、実施例1と同様である。加熱混合物の添加量を0.30重量%としているので、ラウリン酸は5kgのかまぼこ原料の重量に対し0.06重量%の割合で混合されていることになる。そして、実施例1と同様に、ボイル前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに、保存効果についても調べた。 【0050】 その結果、ボイル前のpH値とボイル後のpHはそれぞれ、7.08と7.05であり、pH値はほとんど変化しなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、完成品の保存性については、5.5日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例4】 【0051】 実施例4は、実施例1の加熱混合物の添加量を0.45重量%としたこと以外は、実施例1と同様である。加熱混合物の添加量を0.45重量%としているので、ラウリン酸は5kgのかまぼこ原料の重量に対し0.09重量%の割合で混合されていることになる。そして、実施例1と同様に、ボイル前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに、保存効果についても調べた。 【0052】 その結果、ボイル前のpH値とボイル後のpHはそれぞれ、7.08と6.96であった。また、完成品の食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存性については、5.5日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0053】 比較例1 小分けされた5kgのかまぼこ原料の一つを、加熱混合物等を添加することなくケーシングに詰めて、90℃の温度で30分間ボイルした。こうして加熱し出来上がったかまぼこを放冷して完成品とした。この比較例1について、実施例1と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果についても調べた。 【0054】 その結果、ボイル前のかまぼこ原料のpH値は7.08で、ボイル後のpH値は7.18であった。また、食味や食感は良好なものであったが、保存性については、2日目まではカビの発生を抑えることができた。したがって、実施例の加熱混合物を添加すれば、保存性が向上することがわかる。 【0055】 比較例2 小分けされた5kgのかまぼこ原料の一つに、加熱混合物の代りに0.014重量%のラウリン酸モノグリセライドを添加したことを除いては、実施例と同様である。ラウリン酸モノグリセライドの添加量は、5kgのかまぼこ原料中に、実施例1と同程度の量のラウリン酸が混合されるように設定したものである。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果についても調べた。 【0056】 その結果、ボイル前のかまぼこ原料のpH値は7.08で、ボイル後のpH値は7.18であった。完成品の食味・食感については、若干弾力性の低下が感じられ品質が劣化していた。また、保存性については、4日目にカビが発生し、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0057】 比較例3 小分けされた5kgのかまぼこ原料の一つに、原料重量に対し0.01重量%のラウリン酸を添加して、さらに10分間攪拌した後ケーシングに詰め、90℃の温度で30分間ボイルした。こうして加熱し出来上がったかまぼこを放冷して完成品とした。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果について調べた。 【0058】 その結果、ボイル前のかまぼこ原料のpH値は7.08で、ボイル後のpH値は7.18であった。完成品の食味や食感については良好であったが、保存性については、4日目にカビが発生し、実施例にくらべて低いことがわかる。 【0059】 比較例4 比較例3のラウリン酸の添加量を0.05重量%としたものである。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果について調べた。 【0060】 その結果、ボイル前のかまぼこ原料のpH値は7.08で、ボイル後のpH値は7.06であった。完成品の食味や食感については良好で、保存についても4.5日目にしてカビが発生し、実施例1と同程度の保存性を示した。この比較例4と実施例1との比較から、実施例1は比較例4にくらべて、かまぼこ原料に含まれているラウリン酸の量が少ないにもかかわらず、比較例4と同程度の保存効果を有しており、グリセリン脂肪酸エステルの乳化作用によって、ラウリン酸の保存効果を効率良く利用できることがわかる。 【0061】 比較例5 比較例3のラウリン酸の添加量を0.1重量%としたものである。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果について調べた。その結果、ボイル前のpH値は7.08で、ボイル後のpH値は6.91であり、ボイル後のpH値の低下が見られた。また、完成品の保存性については4.5日目にカビが発生し、実施例1と同等の効果を示したが、完成品に強い苦味と若干の弾力性の低下が感じられ、品質が劣化していた。 【0062】 以上、実施例1〜4と比較例1〜5とのテスト結果について表1にまとめた。 【0063】 【表1】
【0064】 ・比較テストB 豚肉、マトン、かじきをそれぞれ20時間塩漬けし、それらをミンチにしたものを1:1:0.2の割合で混合した原料肉に、豚肉1に対して豚脂を0.2重量%・水を0.625重量%、および砂糖・グルタミン酸ナトリウム・香辛料を適量加え、サイレントカッターで10分間混合した。この混合肉を2kgずつ小分けし、それぞれに加熱混合物等を添加するなどして製造したウインナーソーセージの保存性を比較した。 【実施例5】 【0065】 小分けされた2kgの混合肉の一つに、加熱混合物を0.05重量%添加して10分間サイレントカッターで攪拌する。これをエアースタファーにて羊腸中に充填し、80℃の温度で20分間乾燥した後、80℃の温度で15分間ボイルする。次に、放冷した後に80℃の温度で3分間乾燥して完成品とした。 【0066】 加熱混合物の添加量を0.05重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、2kgの混合肉に対し0.01重量%の割合で含有されていることになる。このような実施例5について、ボイル前のウインナーソーセージとボイル後のウインナーソーセージとのpH値と、食味・食感、さらに完成品を30℃の温度で保存し、その保存効果について調べた。 【0067】 その結果、ボイル前のウインナーソーセージのpH値は6.08で、ボイル後のウインナーソーセージのpH値は6.38であった。このように、ボイル後のウインナーソーセージはボイル前に比べてpH値は低下しなかった。また完成品のウインナーソーセージの食味や食感は良好なもので、保存効果については、3日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例6】 【0068】 実施例5において、加熱混合物の添加量を0.15重量%としたことを除いては実施例5と同様である。加熱混合物の添加量を0.15重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、2kgの混合肉に対し0.03重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例5と同様に、ボイル前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0069】 その結果、ボイル前のpH値とボイル後のpHはそれぞれ、6.08と6.30であり、pH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存効果についは、4日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例7】 【0070】 実施例5において、加熱混合物の添加量を0.30重量%としたことを除いては実施例5と同様である。加熱混合物の添加量を0.30重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、2kgの混合肉に対し0.06重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例5と同様に、ボイル前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0071】 その結果、ボイル前のpH値とボイル後のpHはそれぞれ、6.08と6.15であり、pH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存効果についは、4日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例8】 【0072】 実施例5において、加熱混合物の添加量を0.45重量%としたことを除いては実施例5と同様である。加熱混合物の添加量を0.45重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、2kgの混合肉に対し0.09重量%の割合で含有されていることになる。 そして、実施例5と同様に、ボイル前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0073】 その結果、ボイル前のpH値とボイル後のpHはそれぞれ、6.08と6.00であり、pH値の低下はほとんど見られなかった。また、完成品の食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存については、5.5日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0074】 比較例6 小分けされた2kgの混合肉の一つを、加熱混合物等を添加することなくエアースタファーにて羊腸中に充填し、80℃の温度で20分間乾燥した後、80℃の温度で15分間ボイルする。次に、放冷した後に80℃の温度で3分間乾燥して完成品とした。この比較例6について、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果についても調べた。 【0075】 その結果、ボイル前のウインナーソーセージのpH値は6.08で、ボイル後のpH値は6.40であった。また、食味や食感も良好なものであったが、保存から1.5日目にカビが発生した。したがって、実施例の加熱混合物を添加すると、保存性が向上することがわかる。 【0076】 比較例7 小分けされた2kgの混合肉の一つに、加熱混合物の代りにラウリン酸モノグリセライドを0.014重量%の割合で添加したことを除いては、実施例と同様である。この添加量は、小分けされた2kgの混合肉に、実施例5と同程度の量のラウリン酸が含有されるようにしたものである。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに完成品の保存効果について調べた。 【0077】 その結果、ボイル前のウインナーソーセージのpH値は6.08で、ボイル後のpH値は6.40であった。そして、食感に若干弾力性の低下が感じられ品質が低下しており、保存性については、2.5日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0078】 比較例8 小分けされた2kgの混合肉の一つに、混合肉重量に対し0.01重量%のラウリン酸を添加して、10分間サイレントカッターで攪拌した。これをエアースタファーにて羊腸中に充填し、80℃の温度で20分間乾燥した後、80℃の温度で15分間ボイルする。次に、放冷した後に80℃の温度で3分間乾燥して完成品とした。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感および保存性について調べた。 【0079】 その結果、ボイル前の混合肉のpH値は6.08で、ボイル後のpH値は7.38であった。また、食味や食感については良好であったが、2.5日目にカビが発生し、実施例よりも保存効果が低いことがわかる。 【0080】 比較例9 比較例8のラウリン酸の添加量を0.05重量%としたものである。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感および保存効果について調べた。 【0081】 その結果、ボイル前の混合肉のpH値は6.08で、ボイル後のpH値は6.17であった。また、食味や食感については良好で、保存性についても3日目にカビが発生し、実施例5と同程度の保存性を示した。この比較例9と実施例5との比較から、実施例5は比較例9にくらべて、2kgの混合肉に含まれているラウリン酸の量が少ないにもかかわらず、比較例9と同程度の保存効果を有しており、グリセリン脂肪酸エステルの乳化作用によって、ラウリン酸の保存効果を効率良く利用できることがわかる。 【0082】 比較例10 比較例8のラウリン酸の添加量を0.1重量%としたものである。そして、実施例と同じようにしてpH値を測定するとともに、食味や食感、さらに保存効果について調べた。 【0083】 その結果、ボイル前のかまぼこ原料のpH値は6.08で、ボイル後のpH値は5.90であった。保存性については実施例5と同程度の3日であったが、強い苦味と若干の弾力性の低下が感じられ、品質の低下が見られた。 【0084】 以上、実施例5〜8と比較例6〜10とのテスト結果について表2にまとめた。 【0085】 【表2】
【0086】 ・比較テストC 小麦粉1kgに対し水340g、食塩20gを加えて混合した生地を、複合・圧延・裁断等の工程によって製麺したうどんの生麺を15分間ゆでて、ゆでうどんを製造する。このようなゆでうどんについて、生地を作る際に加熱混合物などを添加した場合等の保存性についてテストを行なった。 【実施例9】 【0087】 小麦粉に水と食塩とを加えた生地材料の重量に対し0.05重量%の加熱混合物を添加して作った生地を用いてゆでうどんを製造した。加熱混合物の添加量は、生地材料の重量の0.05重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、水と食塩を加えた小麦粉の重量に対し0.01重量%の割合で含有されていることになる。このような実施例9のうどんについて、ゆでる前の生麺のpH値とゆでた後のゆでうどんのpH値とを測定した。 【0088】 その結果、生麺のpH値は6.78で、ゆでうどんのpH値は6.90であった。このように、ゆでうどんのpH値は、ゆでる前の生麺に比べてpH値は低下していない。また、ゆでうどんを10℃の温度で保存した場合、何日目でカビが発生するかを観察した。結果、12日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例10】 【0089】 実施例9において、加熱混合物の添加量を0.15重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.15重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地材料に対し0.03重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例9と同様に、ゆでる前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0090】 その結果、ゆでる前のpH値とゆでた後のpHはそれぞれ、6.78と6.85でありpH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存性については、14日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例11】 【0091】 実施例9において、加熱混合物の添加量を0.30重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.30重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地材料に対し0.06重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例9と同様に、ゆでる前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0092】 その結果、ゆでる前のpH値とゆでた後のpHはそれぞれ、6.78と6.80でありpH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存性については、14日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例12】 【0093】 実施例9において、加熱混合物の添加量を0.45重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.45重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地材料に対し0.09重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例9と同様に、ゆでる前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0094】 その結果、ゆでる前のpH値とゆでる後のpHはそれぞれ、6.78と6.75でありpH値の低下はほとんど見られなかった。また、完成品の食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存性については、14日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0095】 比較例11 小麦粉に、水と食塩以外は加えずに作った生地を用いてゆでうどんを製造した。そして、実施例と同様に、pH値を測定するとともに、10℃の温度下での保存効果について調べた。 【0096】 その結果、生麺のpH値は6.78で、ゆでうどんのpH値は6.89であった。また、保存性については、保存から5日目でカビの発生が見られ、実施例の加熱混合物が保存性を向上させる効果があることがわかる。 【0097】 比較例12 生地材料に、加熱混合物の代わりに0.014重量%のラウリン酸モノグリセライドを添加したことを除いては、実施例と同様である。ラウリン酸モノグリセライドの添加量は、水と食塩を加えた小麦粉に中に、実施例9と同程度の量のラウリン酸が含有されるようにしたものである。この比較例12について、実施例と同様にpH値を測定するとともに、保存効果についても調べた。 【0098】 その結果、生麺のpH値は6.78で、ゆでうどんのpH値は6.90であった。また、保存性については10日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0099】 比較例13 生地材料に、加熱混合物の代わりに0.01重量%のラウリン酸を添加したことを除いては、実施例と同様である。この比較例13について、実施例と同様にpH値を測定するとともに、保存効果についても調べた。 【0100】 その結果、生麺のpH値は6.78で、ゆでうどんのpH値は6.90であった。また、保存効果については10日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0101】 比較例14 比較例14は、比較例13のラウリン酸の添加量を0.1重量%としたものである。この比較例14のゆでうどんについて、実施例と同様にpH値を測定するとともに、保存効果についても調べた。 【0102】 その結果、生麺のpH値は6.78で、ゆでうどんのpH値は6.70であった。また、保存性については10日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 以上、実施例9〜12と比較例11〜14とのテスト結果について表3にまとめた。 【0103】 【表3】
【0104】 ・比較テストD 強力粉200gに、ドライイースト3g、水120g、食塩4g、砂糖16g、バター14gを加えて混合した生地を、30℃の温度で1時間一次発酵させた後、室温で12分ベンチタイムをとる。次に、65℃の温度で30分間二次発酵させたものを型に入れ、180℃の温度に加熱したオーブンで20分焼いてパンを製造する。このようなパンについて、生地を作る際に加熱混合物などを添加した場合等の保存性についてテストを行なった。 【実施例13】 【0105】 強力粉にドライイースト等を加えた生地原料に対し0.05重量%の加熱混合物を添加して作った生地を用いてパンを製造した。加熱混合物の添加量は0.05重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地原料に対し0.01重量%の割合で含有されていることになる。このような実施例13について、一次発酵前の生地のpH値と、オーブンで焼いた後のパンのpH値とを測定した。 【0106】 また、パンの食味・食感と、パンを10℃の温度で保存した場合、何日目でカビが発生するかを調べた。 【0107】 その結果、生地のpH値は6.78で、パンのpH値は6.90であった。また、食味・食感は良好なもので、保存効果については、保存から17日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例14】 【0108】 実施例13において、加熱混合物の添加量を0.15重量%としたことを除いては実施例13と同様である。加熱混合物の添加量を0.15重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地原料に対し0.03重量%の割合で含有されていることになる。 そして、実施例13と同様に、焼成前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0109】 その結果、焼成前のpH値と焼成後のpHはそれぞれ、6.78と6.85でありpH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存性については、19日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例15】 【0110】 実施例13において、加熱混合物の添加量を0.30重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.30重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地原料に対し0.06重量%の割合で含有されていることになる。 そして、実施例13と同様に、焼成前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0111】 その結果、焼成前のpH値と焼成後のpHはそれぞれ、6.78と6.80でありpH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存性については、19日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例16】 【0112】 実施例13において、加熱混合物の添加量を0.45重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.45重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、生地原料に対し0.09重量%の割合で含有されていることになる。 そして、実施例13と同様に、焼成前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0113】 その結果、焼成前のpH値と焼成後のpHはそれぞれ、6.78と6.74でありpH値の低下はほとんど見られなかった。また、完成品の食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存性については、19日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0114】 比較例15 強力粉に、ドライイースト、水、食塩、砂糖、バター以外は加えずに作った生地を用いてパンを製造した。そして、実施例と同様にして、pH値を測定するとともに、食味・食感、さらに保存効果について調べた。 【0115】 その結果、生地のpH値は6.78で、パンのpH値は6.89であった。また、保存性については、保存から8日目でカビの発生が見られ、実施例の加熱混合物が保存性を向上させる効果があることがわかる。 【0116】 比較例16 生地原料に、過熱混合物の代わりに0.014重量%のラウリン酸モノグリセライドを添加したことを除いては、実施例と同様である。ラウリン酸モノグリセライドの添加量は、ドライイースト等を加えた強力粉中に、実施例13と同程度の量のラウリン酸が含有されるようにしたものである。そして、実施例と同様にpH値と食味・食感、さらに保存効果についても調べた。 【0117】 その結果、生地のpH値は6.78で、パンのpH値は6.90であった。また、保存性については、15日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0118】 比較例17 生地原料に、加熱混合物の代わりに0.01重量%のラウリン酸を添加したことを除いては実施例と同様である。そして、実施例と同様にpH値を測定するとともに、保存性についても調べた。 【0119】 その結果、生地のpH値は6.78で、パンのpH値は6.90であった。また、保存性については、15日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0120】 比較例18 比較例17のラウリン酸の添加量を0.1重量%としたものである。この比較例18のパンについて、実施例と同様にpH値を測定するとともに、パンの保存性についても調べた。 【0121】 その結果、生地のpH値は6.78で、パンのpH値は6.70であった。また、保存性については16目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 以上、実施例13〜16と比較例15〜18とのテスト結果について表4にまとめた。 【0122】 【表4】
【0123】 ・比較テストE 水1kgに、食塩10gとグルタミン酸ナトリウム10gとを加えた浸漬液に、鮭の切り身1kgを16時間浸漬する。その後に、160℃の温度で5分間焼いて焼き鮭を製造する。この浸漬液に、加熱混合物等を含有させるなどして製造した焼き鮭の保存性と食味についてテストを行った。 【実施例17】 【0124】 食塩とグルタミン酸ナトリウム以外に、0.05%の濃度で加熱混合物を含有させた浸漬液を用いて焼き鮭を製造した。加熱混合物の濃度は0.05%であるため、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、浸漬液に0.01%の濃度で含有されていることになる。この焼き鮭について、焼く前の鮭のpH値と、焼いた後の鮭のpH値とを測定した。また、焼き鮭の食味・食感と、焼いた後の鮭を30℃の温度で保存した場合、何日目でカビが発生するかを観察し保存効果について調べた。 【0125】 その結果、焼く前のpH値は6.30で、焼いた後のpH値は6.40であった。また、食味・食感については良好で、保存効果については、16日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例18】 【0126】 実施例17において、加熱混合物の濃度を0.15%としたことを除いては実施例17と同様である。加熱混合物の濃度を0.15重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、浸漬液に対し0.03%濃度で含有されていることになる。 そして、実施例17と同様に、加熱前後のpH値を測定するとともに、焼いた後の鮭の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0127】 その結果、加熱前のpH値と加熱後のpHはそれぞれ、6.30と6.40でありpH値の低下は見られなかった。また、焼き鮭の食味・食感は良好で、保存性については、16日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例19】 【0128】 実施例17において、加熱混合物の濃度を0.30%としたことを除いては実施例17と同様である。加熱混合物の濃度を0.30重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、浸漬液に対し0.06%濃度で含有されていることになる。 そして、実施例17と同様に、焼成前後のpH値を測定するとともに、焼いた後の鮭の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0129】 その結果、焼成前のpH値と焼成後のpHはそれぞれ、6.30と6.40でありpH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味・食感は良好で、保存性については、18日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例20】 【0130】 実施例17において、加熱混合物の添加量を0.45%としたことを除いては実施例17と同様である。加熱混合物の濃度を0.45%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、浸漬液に対し0.09%濃度で含有されていることになる。そして、実施例17と同様に、加熱前後のpH値を測定するとともに、完成品の食味・食感を調べ、さらに保存効果についても調べた。 【0131】 その結果、焼成前のpH値と焼成後のpHはそれぞれ、6.30と6.40でありpH値の低下は見られなかった。また、完成品の食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存性については、19日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0132】 比較例19 食塩とグルタミン酸ナトリウム以外には何も含まれていない浸漬液を用いて、焼き鮭を製造した。そして、実施例と同様にして、pH値を測定するとともに、食味・食感、さらに保存効果について調べた。 【0133】 その結果、焼く前のpH値は6.30で、焼いた後のpH値は6.40であった。また、保存性については、保存から8日目でカビの発生が見られ、加熱混合物が保存性を向上させる効果があることがわかる。 【0134】 比較例20 浸漬液に、加熱混合物の代わりにラウリン酸モノグリセライドを0.014%濃度で含有させたことを除いては、実施例と同様である。ラウリン酸モノグリセライドの添加量は、浸漬液中に実施例5と同程度の量のラウリン酸が含有されるようにしたものである。この比較例20について、実施例と同様にpH値を測定するとともに、食味・食感、さらに保存効果について調べた。 【0135】 その結果、焼く前のpH値は6.30で、焼いた後のpH値は6.40であった。また、保存性については13日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0136】 比較例21 浸漬液に、加熱混合物の代わりにラウリン酸を0.01%濃度で含有させたことを除いては、実施例と同様である。この比較例21について、実施例と同様にpH値を測定するとともに、食味・食感、さらに保存効果について調べた。 【0137】 その結果、焼く前のpH値は6.30で、焼いた後のpH値は6.40であった。また、保存性については8日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0138】 比較例22 比較例21のラウリン酸の濃度を0.1重量%としたものである。この比較例22について、実施例と同様にpH値を測定するとともに、食味・食感、さらに保存効果について調べた。 【0139】 その結果、焼く前のpH値は6.30で、焼いた後のpH値は6.40であった。また、保存性については8日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0140】 比較例23 加熱混合物の代わりに、エタノールを含む添加物を1.0%濃度で浸漬液に含有させたことを除いては実施例と同様である。この添加物は、エタノール60重量%とラウリン酸0.02重量%、水39.98重量%を混合したものである。この比較例23について、実施例と同様にpH値を測定するとともに、食味・食感、さらに保存効果について調べた。 【0141】 その結果、焼く前のpH値は6.30で、焼いた後は6.40であった。また、保存性については8日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 以上、実施例17〜20と比較例19〜23とのテスト結果について表5にまとめた。 【0142】 【表5】
【0143】 ・比較テストF 牛乳500gに上白糖100gを加えて、50℃の温度で5分間加熱することで上白糖を溶解させる。そして、上白糖が溶解した牛乳に、全卵150gを加えて混合した後、60メッシュの布巾でろ過する。このろ過ものをカップに90gずつ充填し、90℃の温度で40分間蒸煮して固める。固めたものを100℃の温度で20分間焼き、その後冷却してプリンを製造する。この上白糖が溶解している牛乳に全卵を加えたプリン原料に、加熱混合物等を添加するなどして製造したプリンの保存性についてテストを行った。 【実施例21】 【0144】 プリン原料に、その重量の0.05重量%の加熱混合物を添加してプリンを製造した。加熱混合物の添加量は、プリン原料重量の0.05重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、プリン原料に対し0.01重量%の割合で含有されていることになる。このような実施例21のプリンについて、プリンを15℃の温度で保存した場合、何日目でカビが発生するかを観察し保存性について調べるとともに、プリンの食味や食感についても調べた。 【0145】 その結果、保存から15日目まではカビの発生を抑えることができた。また、保存前のプリンの食味や食感は良好なものであった。 【実施例22】 【0146】 実施例21において、加熱混合物の添加量を0.15重量%としたことを除いては実施例21と同様である。加熱混合物の添加量を0.15重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、プリン原料に対し0.03重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例21と同様に、プリンの食味・食感と保存効果とについて調べた。 【0147】 その結果、プリンの食味・食感は良好で、保存性については、17日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例23】 【0148】 実施例21において、加熱混合物の添加量を0.30重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.30重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、プリン原料に対し0.06重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例21と同様に、プリンの食味・食感と保存効果とについて調べた。 【0149】 その結果、プリンの食味・食感は良好で、保存性については、17日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例24】 【0150】 実施例21において、加熱混合物の添加量を0.45重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.45重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、プリン原料に対し0.09重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例21と同様に、プリンの食味・食感と保存効果とについて調べた。 【0151】 その結果、プリンの食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存性については、17日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0152】 比較例24 プリン原料に、加熱混合物を加えずにプリンを製造した。そして、実施例と同様にして、プリンの食味・食感や15℃の温度下での保存性について調べた。 【0153】 その結果、プリンの食味や食感は良好なものであったが、保存から6日目でカビの発生が見られ、加熱混合物が保存性を向上させる効果があることを示した。 【0154】 比較例25 プリン原料に、加熱混合物の代わりに0.014重量%のラウリン酸モノグリセライドを添加したことを除いては、実施例と同様である。ラウリン酸モノグリセライドの添加量は、プリン原料中に、実施例20と同程度の量のラウリン酸が含有されるようにしたものである。この比較例25について、実施例と同様に、保存前の食味・食感や保存性について調べた。 【0155】 その結果、食感について若干の弾力性の低下が感じられた。また、保存性については10日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0156】 比較例26 プリン原料に、加熱混合物の代わりに0.01重量%のラウリン酸を添加したことを除いては、実施例と同様である。そして、比較例26について、実施例と同様に、保存前の食味・食感や保存性について調べた。 【0157】 その結果、食味に強い苦味が感じられた。また、保存性については6日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりもかなり低いことがわかる。 【0158】 比較例27 比較例26のラウリン酸の添加量を0.1重量%としたものである。そして、比較例27について、実施例と同様に、保存前の食味・食感や保存性について調べた。 【0159】 その結果、食味については、部分的に強い苦味が感じられた。また、保存性については6日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりもかなり低いことがわかる。 【0160】 比較例28 加熱混合物の代わりに、エタノールを含む添加物を1.0重量%の割合で添加したことを除いては実施例と同様である。この添加物は、エタノール60重量%とラウリン酸0.02重量%、水39.98重量%を混合したものである。この比較例27について、実施例と同様に、保存前の食味・食感や保存性について調べた。 【0161】 その結果、食味や食感については良好なものであった。また、保存性については8日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりもかなり低いことがわかる。 【0162】 なお、この比較テストFにおいて、ラウリン酸のみを添加している比較例26および27のプリンが、添加物を加えていない比較例24のプリンと同程度の保存効果を示し、且つ部分的に強い苦味を感じるのは、プリン原料に疎水性のラウリン酸を添加した場合、しばらくするとラウリン酸が表面に浮いた状態となり、この状態でプリン原料が加熱固化されるからである。つまり、製造されたプリンは、ラウリン酸が全体に分散した状態にはなっておらず、表面に偏って存在しているためである。このような問題を解消し、より長期にわたって保存効果を維持できることを実施例21〜24のプリンは示している。 以上、実施例21〜24と比較例24〜28とのテスト結果について表6にまとめた。 【0163】 【表6】
【0164】 ・比較テストG 水564ml、醤油250ml、食塩60g、みりん40ml、焼きゴマ20g、生姜(細かく刻んだもの)20g、玉ねぎ(細かく刻んだもの)15g、にんにく(細かく刻んだもの)10g、グルタミン酸ナトリウム10g、ガーリック粉末5g、レッドペッパー3g、ジンジャー粉末2gを混合したタレの原料に加熱混合物などを添加し、85℃の温度で30分間加熱して焼肉のタレを製造する。このように製造した焼肉のタレの保存性についてテストを行った。 【実施例25】 【0165】 実施例25は、タレの原料にその重量に対し0.05重量%の加熱混合物を添加したものである。加熱混合物の添加量は、タレの原料に対し0.05重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、タレの原料に対し0.01重量%の割合で含有されていることになる。このような実施例25について、焼肉のタレの食味や、30℃の温度で保存した場合、何日目でカビが発生するかを観察し保存効果について調べた。 【0166】 その結果、食味については良好であって、保存効果については、40日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例26】 【0167】 実施例25において、加熱混合物の添加量を0.15重量%としたことを除いては実施例25と同様である。加熱混合物の添加量を0.15重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、タレの原料に対し0.03重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例25と同様に、焼肉のタレの食味・食感と保存効果とについて調べた。 【0168】 その結果、焼肉のタレの食味は良好で、保存性については、50日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例27】 【0169】 実施例25において、加熱混合物の添加量を0.30重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.30重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、タレの原料に対し0.06重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例25と同様に、焼き肉のタレの食味と保存効果とについて調べた。 【0170】 その結果、焼肉のタレの食味は良好で、保存性については、50日目まではカビの発生を抑えることができた。 【実施例28】 【0171】 実施例25において、加熱混合物の添加量を0.45重量%としたことを除いては実施例9と同様である。加熱混合物の添加量を0.45重量%としているので、加熱混合物に20%の割合で配合されているラウリン酸は、タレの原料に対し0.09重量%の割合で含有されていることになる。そして、実施例25と同様に、焼肉のタレの食味と保存効果とについて調べた。 【0172】 その結果、焼き肉のタレの食味に極わずかな苦味が感じられたが、問題なく食することが十分可能な程度であり、保存性については、カビの発生が50日目まではカビの発生を抑えることができた。 【0173】 比較例29 比較例29は、加熱混合物を添加せずに製造した焼肉のタレである。そして、実施例と同様にして、食味および30℃の温度下での保存性について調べた。 【0174】 その結果、食味については良好であったが、保存から20日目でカビの発生が見られ、実施例の加熱混合物が保存性を向上させる効果があることがわかる。 【0175】 比較例30 タレの原料に、加熱混合物の代わりに0.014重量%のラウリン酸モノグリセライドを添加したこと以外は実施例と同様である。ラウリン酸モノグリセライド添加量は、焼肉のタレ中に、実施例25と同程度の量ラウリン酸が含有されるようにしたものである。この比較例30について、実施例と同様に、食味および保存効果について調べた。 【0176】 その結果、食味については良好であったが、30日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりも低いことがわかる。 【0177】 比較例31 タレの原料に、加熱混合物の代わりに0.01重量%のラウリン酸を添加したことを除いては実施例と同様である。この焼肉のタレについて、実施例と同様に、食味および保存効果について調べた。 【0178】 その結果、食味については良好であったが、20日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりもかなり低いことがわかる。 【0179】 比較例32 比較例31のラウリン酸の添加量を0.1重量%としたものである。この比較例32について、実施例と同様に、焼肉のタレの食味と保存性について調べた。 【0180】 その結果、食味については、部分的に強い苦味が感じられた。また保存性については、20日目にカビの発生が見られ、その効果は実施例よりもかなり低いことがわかる。 比較例33 加熱混合物の代わりに、エタノールを含む添加物を、タレの重量に対し1.0重量%添加したこと除いては実施例と同様である。この添加物は、エタノール60重量%とラウリン酸0.02重量%、水39.98重量%を混合したものである。この比較例33の焼肉のタレについて、実施例と同様に、食味および保存効果について調べた。 【0181】 その効果、食味については良好であったが、20日目でカビの発生がみられ、その効果は実施例よりもかなり低いことがわかる。 【0182】 なお、この比較テストGにおいて、ラウリン酸のみを添加している比較例31および32の焼肉のタレが、添加物を加えていない比較例29の焼肉のタレと同程度の保存効果を示し、且つ部分的に強い苦味を感じるのは、タレの原料に疎水性のラウリン酸を添加した場合、しばらくするとラウリン酸が表面に浮いた状態となるからである。つまり、製造された焼肉のタレは、ラウリン酸が全体に分散した状態にはなっておらず、表面に偏って存在しているためである。このような問題を解消し、より長期にわたって保存効果を維持できることを実施例25〜28の焼肉のタレは示している。 以上、実施例25〜28と比較例29〜33とのテスト結果について表7にまとめた。 【0183】 【表7】
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| 【出願人】 |
【識別番号】599044629 【氏名又は名称】昭和商事株式会社 【識別番号】501478090 【氏名又は名称】昭和化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成15年9月11日(2003.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085291 【弁理士】 【氏名又は名称】鳥巣 実
【識別番号】100117798 【弁理士】 【氏名又は名称】中嶋 慎一
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| 【公開番号】 |
特開2005−80634(P2005−80634A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願2003−320109(P2003−320109) |
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