| 【発明の名称】 |
果汁の連続酵素失活方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 孝司
【氏名】後藤 崇輝
【氏名】植村 邦彦
【氏名】五十部 誠一郎
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】果汁又は野菜汁を搾汁した後、パルプを除去し、次いで、通電ユニットを通過させた後、冷却し、充填、密閉する。通電ユニットは、容器(所望するのであれば、加圧容器)内に酵素を失活する為に配置され、この通電ユニットに4000V/cm以上の電界を印加し、果汁液又は野菜汁を通液させるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 未加熱果汁又は未加熱野菜汁を連続的に通電ユニットを備えた装置に通液し、その後可及的速やかに冷却すること、を特徴とする果汁又は野菜汁に含有されている酵素を失活又は酵素活性を低減する方法。 【請求項2】 交流電源を用い、印加電界を4000V/cm以上としたことにより、短時間(5秒以内、好ましくは1秒以内、更に好ましくは0.5秒以内)で果汁を昇温することを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 少なくとも一対以上の電極が臨んでいる通電ユニットに果汁又は野菜汁を通液すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 【請求項4】 0.1MPa以上に加圧した環境下で通電処理を行うこと、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 【請求項5】 品温が100℃以下であること、を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 【請求項6】 酵素が果汁又は野菜汁の保存中に品質劣化の原因となる酵素であること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 【請求項7】 酵素がペクチンメチルエステラーゼ又はペルオキシダーゼであること、を特徴とする請求項6に記載の方法。 【請求項8】 酵素活性を0〜10%にまで失活ないし低減すること、を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法で得られた果汁又は野菜汁。 【請求項10】 請求項9に記載された果汁又は野菜汁を用いて製造してなる飲料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、果汁又は野菜汁といった低酸性液体中の酵素を失活又は酵素活性を低減せしめる方法に関するものである。本発明によれば、保存中に品質劣化の原因となる酵素を含め各種酵素を失活させることができるので、長期間に亘って製造直後の品質が保持された果汁又は野菜汁を得ることができる。 【背景技術】 【0002】 果汁や野菜汁等低酸性液体中には、酸化等品質劣化の原因となる酵素が含まれており、保存中にも品質劣化が進行する。低酸性液体、例えば果汁中にはペクチンメチルエステラーゼやペルオキシダーゼが含まれ、ペクチンの分解により沈殿の発生が起こったり、酸化による褐変が進むなどの問題が発生するが、その対応として従来では、加熱のみにより酵素を失活させていた。 【0003】 酵素は熱に弱く、一般に60℃以上では容易に変性、失活するものが多いため(例えば、非特許文献1参照)、搾汁液に含まれる酵素の失活には、熱交換プレートを用いた加熱による失活や真空加熱濃縮時の熱による酵素失活を行う事が一般的にされている。しかし、単なる熱による処理では、90℃程度で数十秒の加熱が必要であり、その時の加熱による成分や香りの劣化を防止する事が出来なかった。 【0004】 また、搾汁から容器に詰めるまでに時間がかかる場合は、搾汁直後に酵素失活の為に加熱し、さらに容器に詰める際に再度加熱することもあり、この工程でも品質が劣化していた。 【0005】 一方、液体飲料の電気的処理として、液体を高電界中に流して連続的に殺菌する方法が提案されている。この連続殺菌を実施するには、絶縁材からなる壁体に流体流路の一部をなす開口部が形成され、この開口部には交流電圧が印加される少なくとも一対の電極線が当該開口部を横切るように張設してなる殺菌装置を用い、少なくとも一対の電極線間に交流電圧を印加して殺菌するものである(例えば、特許文献1参照)。 【0006】 しかしながら、上記した電極線間に生じる高圧電界中に液体を通過させる方法は、液体を殺菌するためのものであって、酵素を失活させたり酵素活性を低減させたりするものではない。 【特許文献1】特許第2848591号公報 【非特許文献1】「化学大辞典3」共立出版、昭和46年月5日、第562〜564頁。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、上記した技術の現状に鑑み、果汁や野菜汁中の酵素を失活させるに当り、従来法のように例えば600Wのマイクロ波で130℃に加熱したり100℃の温浴中で10分間加熱処理するといった高温長時間加熱処理を行ったのでは、風味や品質の劣化は避けられない点に注目し、低温もしくは高温短時間処理によって、果汁や野菜汁中の酵素、特に果汁や野菜汁の変質及び劣化の原因となる酵素を効率的に失活させる方法を新たに開発する目的でなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するため、本発明者らは、各方面から検討した結果、殺菌目的のために専ら行われていた通電処理に着目した。そして、交流電圧を電極に印加し、これによって得られる高電界に果汁をさらしたところ、1秒以内という極く短時間の処理にて酵素が失活するという従来全く知られていない新しい知見を得ただけでなく、品温を100℃以上に上昇しなくてもできることを確認し、その結果、熱による果汁の変質や風味の劣化が発生しないこともはじめて確認した。 【0009】 このように、通電処理によって果汁中の酵素が失活することは新しい知見であり、この処理によって保存中品質劣化の原因となる酵素が失活するため、果汁の風味品質が長期間に亘って保存、維持され、しかも、酵素失活処理自体が従来法とは異なり高温処理でないため、酵素失活処理時においても高温による風味、品質の劣化がなく、その結果、通電処理による酵素失活処理によれば、酵素失活処理時(通電処理時)から保存期間に亘って果汁の風味、品質の劣化を全般に防止できることは、更に新しい知見である。 【0010】 これらの知見は、通電による殺菌処理とは全く別異のものであるし、従来から行われている高温加熱による酵素の失活処理とも別異のものであって、全く新規にして有用な知見である。 【0011】 本発明は、これらの有用新知見に基づき更に研究の結果、遂に完成されたものであって、交流電圧を電極に印加し、これにより得られる高電界により短時間(5秒以内、好ましくは1秒以内)で酵素失活を行うものであり、本発明は、酵素失活を行う時に電界の効果を併用する事で高温にさらされる時間を極力短くし、ビタミンC等の成分や香り成分の分解を抑制し、しかも効果的に酵素の失活を連続的に行う方法を提供する事に有る。 【0012】 上記目的を達成する為には、液体の供給口と取り出し口を設けた容器に通電ユニットを備える事により達成できる。この通電ユニットの電極には交流電源が接続され、液体は、絶縁体で挿んだ最低一対以上の対向電極間を通過させる事により失活できる。更に、通電ユニットを通液後は通電による抵抗加熱により加熱される為直ちに冷却されるような構造で有る事が望ましい。また、通電ユニット電極は必要に応じて絶縁体で挿まれた電極を複数枚重ねる事により一度に複数回通電する事ができ、効率的である。 【0013】 例えば、次のような装置を用いることによって、効率的に本発明に係る通電処理による酵素の失活を実施することができる。 【0014】 果汁又は野菜汁(以下、果汁等ということもある)の供給口と取出口を設けた加圧容器にもなり得る容器内に、通電ユニット及びその下部に冷却水にて冷却される貯留部を配置し、通電ユニットの上端部は果汁等の供給口に接続し、下端部は貯留部に接続する。貯留部に溜められた酵素失活処理終了後の果汁等はパイプにより前記取出口から容器外に取り出す。 【0015】 通電ユニットには、果汁等の供給口から供給された果汁等が流れる流路が形成されており、この流路には交流電源に接続される少なくとも一対の電極が臨んでいればよく、例えば、複数の絶縁体を積層するとともに、絶縁体間に電極を挟持した構成とすることができる。 【0016】 また、通電処理によって果汁等が加熱されてその品温が上昇し、沸とうするような場合には、それを抑制するために、容器を加圧容器として、加圧条件のもとで通電処理すればよい。その際、加圧容器内の圧力を、0.1MPa以上、好ましくは0.2PMa以上としておくのが良く、上限については格別の限定はないが、通常0.5MPa程度であり、この範囲内で品温に応じて適宜決定すればよい。また、加圧容器を使用すれば、液体取出口の弁をひらくことにより、圧力差を利用して酵素失活後の果汁等を容器外に容易に取出すことができる。 【0017】 本発明において、一対の電極の間隙(d:mm)と印加電圧(H:V)との関係は、200≦H/d≦2000となる条件、好ましくは400≦H/d≦1600となる条件で失活させる。周波数は、低いほうが効率が高いため、50KHz以下好ましくは20KHz以下が良い。通液する時間は、1秒以内で十分効果を発揮する。 【0018】 このように、通電ユニット内の滞留時間(昇温開始から冷却開始まで)は、1秒〜0.01秒の短い時間で充分に効果が発揮されるが、滞留時間(処理時間)は、好ましくは0.5〜0.05秒、更に好ましくは0.3〜0.1秒程度である。本発明のように通電処理すると、例えば、0.2秒間に品温を急速に50℃上昇させることが可能である。また、使用電力を増加させれば品温の昇温が到達するまでの時間が短縮される。このように電圧を印加して短時間に急速に温度を上昇させることができるため、溶液中の酵素に何らかの物性変化が起こるものと推測され、酵素失活を速やかに行うことができる。 【0019】 通電処理によって、果汁等に存在する酵素は失活し、酵素活性は0〜10%にまで低減する。処理条件を強めれば、酵素活性を更に低減することも可能であるが、一般流通面から考慮すると、10%以下の範囲であれば実質上格別の問題点はないものと考えられる。このようにして、果汁等の保存中に品質劣化の原因となる酵素(ペクチンメチルエステラーゼ、ペルオキシダーゼ等)も、その活性が低減されるため、果汁等の品質劣化が長期間に亘って抑制される。なお、本発明において失活とは、酵素活性を完全に失う場合(完全失活)のほか、完全失活には至らないものの酵素活性が低減する場合も包含するものである。 【0020】 そのうえ、通電処理によっても、短時間で処理することで果汁等の品温は必要以上に上昇することがなく、品温は、100℃以下であって、100〜50℃の温度帯、通常90〜65℃程度である。また、通電処理によって目的の品温に到達したら、直ちに処理した果汁等の冷却を開始する。したがって通電処理によれば、従来の酵素失活のように高温長時間処理する必要がなく、そのため、不活化処理時における果汁等の品質劣化も防止される。更にまた、本発明においては、通電によって果汁等の酵素活性をゼロ又は低減した後、直ちに(例えば通電ユニットの下部に設けた冷却した貯留部内で)冷却するため、果汁等の品質劣化がこの処理によっても更に防止される。 【0021】 通電ユニットに通液する果汁は、特に搾汁方法は限定しないが、従来の搾汁機(インライン搾汁機、ブラウン搾汁、遠心搾汁機等)で搾汁したものが使用できる。 【0022】 また、通液する果汁は、ストレート果汁及び凍結濃縮した果汁及び濃縮還元した果汁など全ての果汁を使用する事ができる。 【0023】 搾汁した液は、パルプ除去を行っておくと良い。 【0024】 対象溶液としては、オレンジやレモン等のカンキツ類の果汁や、アップル、ぶどう、もも、パインアップル、イチゴ、トマト、なし、バナナ、メロンなどの果汁のほか、ニンジン、大根など野菜搾汁液も使用可能である。これらの液体は、未加熱の方が好適である。 【0025】 通液した果汁等は、そのまま容器に充填、密閉することができるが、通液後の果汁等は直ちに冷却した後、容器に充填、密閉すれば、更に保存中における品質の劣化が防止される。したがって本発明は、果汁等に含まれる酵素を失活ないし酵素活性を低下させる効率的な新規方法を提供するだけでなく、この方法によって得られた風味、品質の劣化が防止された果汁類の製造、更にはこれらの果汁類を原料として常法にしたがって製造した各種飲料も本発明に包含するものである。 【発明の効果】 【0026】 本発明は、果汁等を通電ユニットに短時間通し、その際、高電界を印加することによって酵素を失活させるものである。本発明の方法は通常の加熱による方法のように、長時間、高温での加熱を行わないことから、加熱処理した果汁より香りの劣化や成分の変質が生じにくく、より搾りたてに近い果汁を製造することができる。 【0027】 以下、本発明の実施例及び比較例について述べる。 【実施例1】 【0028】 レモン生果10kgからインライン搾汁機にて2.9kgのレモン果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液し、その後直ちに冷却を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。 【0029】 処理条件としては、20KHz、5.50KV/cmの電圧を印加し、処理時間を0.2秒とした。そのときの品温は、70.5℃となった。 【実施例2】 【0030】 レモン生果10Kgからインライン搾汁機にて4Kgのレモン果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液し、その後直ぐに冷却を行いヨウ素法により還元型ビタミンC含量を測定した。 【0031】 処理条件としては、20KHz、4.00KV/cmの電圧を印加し、処理時間を0.2secとした。そのときの品温は、72℃となった。 【実施例3】 【0032】 レモン生果10Kgからインライン搾汁機にて4Kgのレモン果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液し、その後直ぐに冷却を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。また、ヨウ素法により還元型ビタミンC含量を測定した。 【0033】 処理条件としては、20KHz、4.50KV/cmの電圧を印加し、処理時間を0.2secとした。そのときの品温は、79℃となった。 (比較例1) レモン生果10Kgからインライン搾汁機にて2.9Kgのレモン果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行いペクチメチルエステラーゼ活性を測定した。また、ヨウ素法による還元型ビタミンC含量を測定した。 (比較例2) レモン生果10Kgからインライン搾汁機にて4Kgのレモン果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、80℃、30秒間ウォ−ターバスにて加熱処理を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。また、ヨウ素法により還元型ビタミンC含量を測定した。 ペクチンメチルエステラーゼ活性測定法: レモン果汁25mlに1M NaClを4ml加え、1N NaOHにてpHを7.5に調整し40mlにメスアップを行ったものを酵素液とする。(尚、予め100℃、15分間の加熱を行ったレモン果汁をブランクとして使用した。)基質としては、0.1M NaCl中に1%カンキツペクチンを溶解し、NaOHにてpHを7.5に調整したものを用いた。活性測定としては、酵素液5mlに30℃、10分間プレインキュベート後、基質を20ml添加し30℃にて3時間反応を行い、その後、100℃、15分間加熱する事により反応を停止した。活性測定としては、0.02M NaOHによる滴定量することにより行った。酵素活性は、下記式から算定した。 ペクチンメチルエステラーゼ活性(Unit/ml) =〔(滴定量×Factor)/(反応時間×酵素量×希釈倍率)〕×10000 ペクチンメチルエステラーゼ活性測定結果を下記表1に示し、還元型ビタミンC含量測定結果を下記表2に示す。 (表1) ペクチンメチルエステラーゼ活性測定結果 残存活性(%) ──────────────────── 実施例1 4.0 実施例3 0.0 比較例1 100.0 比較例2 0.1 ──────────────────── (表2) 還元型ビタミンC含量 ビタミンC含量(mg%) ──────────────────── 実施例2 54.93 実施例3 54.06 比較例1 57.20 比較例2 53.18 ──────────────────── 上記結果から明らかなように、通液処理することによって、果汁のペクチンメチルエステラーゼを失活できること(表1)、及び、成分分解も抑制されていること(表2)がいずれも実証された。 【実施例4】 【0034】 バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.6Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液しその後直ぐに冷却を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。 【0035】 処理条件としては、20KHz、5.50KV/cmの電圧を印加し処理時間を0.2secとした。そのときの品温は、69.7℃となった。 【実施例5】 【0036】 バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.9Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液しその後直ぐに冷却を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。 【0037】 処理条件としては、20KHz、7.0KV/cmの電圧を印加し処理時間を0.2secとした。そのときの品温は、79℃となった。 (比較例3) バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.9Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。 (比較例4) バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.9Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、70℃、30秒、加熱処理した。ペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。 (比較例5) バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.9Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、80℃、30秒、加熱処理した。ペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。 【0038】 ペクチンメチルエステラーゼ活性は、実施例1と同様の方法で行った。得られた結果を表3に示す。 (表3) ペクチンメチルエステラーゼ活性測定結果 残存活性(%) ──────────────────── 実施例4 10.0 実施例5 0.0 比較例3 100.0 比較例4 11.0 比較例5 11.0 ─────────────────── 以上の事より酵素の失活において通電処理は、促進効果が認められ極短時間の加熱により酵素の失活が可能である事がわかった。 【0039】 更に、加熱処理した比較例4及び比較例5と比べると、実施例4及び実施例5は加熱臭(イモ臭)が少なく後味もすっきりする傾向であった。 【実施例6】 【0040】 バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.7Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液しその後直ぐに冷却を行いペルオキダーゼ活性を測定した。 【0041】 処理条件としては、20KHz、4.5KV/cmの電圧を印加し処理時間を0.2secとした。そのときの品温は、88℃となった。 (比較例6) バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて3.7Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行いペルオキシダーゼ活性を測定した。 ペルオキシダーゼ活性測定方法: 1/15M酢酸緩衝液(pH5.0)10mlに0.1%グアヤコール1mlを添加しオレンジ果汁10mlに蒸留水5mlを加え0.1%過酸化水素を1ml添加し30℃にて反応を行った。100℃、15分間加熱する事により反応を停止し、終濃度50%となるようにエタノールを加えた。その後、1500rpm、10分間の遠心分離後の上清液の470nmにおける吸光度により酵素活性を測定した。 【0042】 なお、予め100℃、15分間の加熱した果汁をブランクとして用いた。 【0043】 得られた結果を下記表4に示す。 (表4) ペルオキシダーゼ活性測定結果 470nmにおける吸光度 反応60分 反応120分 ─────────────────────────── 実施例6 0.014 0.014 比較例6 0.028 0.040 ブランク 0.014 0.014 ─────────────────────────── 以上のことよりペルオキシダーゼの失活が出来る事が分かった。 【実施例7】 【0044】 バレンシアオレンジ生果10Kgからインライン搾汁機にて4.75Kgのオレンジ果汁を搾汁した。その搾汁液を200メッシュにてろ過を行い、通電ユニットに通液しその後直ぐに冷却を行いペクチンメチルエステラーゼ活性を測定した。ペクチンメチルエステラーゼ活性の測定方法は前記の通りとした。 【0045】 処理条件としては、20KHz、6.0KV/cmの電圧を印加し処理時間を0.2secとした。処理時の電極内の圧力を炭酸ガスにて0、0.1、0.2MPaと変化させた。また、そのときの品温を70、65、60℃とそれぞれ変化させた。 【0046】 下記表5、表6、表7にペクチンメチルエステラーゼの活性を測定した結果を常圧処理時の酵素活性を100%として示す。 (表5) 処理温度70℃時の圧力が及ぼす影響 ─────────────────── 圧力(MPa) 酵素活性(%) ─────────────────── 0 100 0.1 46.9 0.2 33.8 ─────────────────── (表6) 処理温度65℃時の圧力が及ぼす影響 ─────────────────── 圧力(MPa) 酵素活性(%) ─────────────────── 0 100 0.1 95.9 0.2 86.9 ─────────────────── (表7) 処理温度60℃時の圧力が及ぼす影響 ─────────────────── 圧力(MPa) 酵素活性(%) ─────────────────── 0 100 0.1 91.0 0.2 89.3 ─────────────────── 以上の結果より、通電ユニットに通液させる場合、加圧処理も同時に施せば酵素活性を抑制することが可能である。また、処理温度が高くなればなるほど加圧処理する効果が高まることが分る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591134199 【氏名又は名称】株式会社ポッカコーポレーション 【識別番号】501145295 【氏名又は名称】独立行政法人食品総合研究所
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| 【出願日】 |
平成15年9月8日(2003.9.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075775 【弁理士】 【氏名又は名称】戸田 親男
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| 【公開番号】 |
特開2005−80562(P2005−80562A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願2003−315917(P2003−315917) |
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