| 【発明の名称】 |
食品組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮崎 博隆 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ化成工業株式会社戸塚研究所内
【氏名】佐々木 愛 【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ化成工業株式会社戸塚研究所内
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| 【要約】 |
【課題】肌荒れの改善や肌のうるおいの向上を達成することができる食品組成物を提供する。
【解決手段】α−リノレン酸、およびスフィンゴ糖脂質またはムコ多糖を含有することを特徴とする食品組成物。特に、前記α−リノレン酸が、シソの実油、エゴマ油または亜麻仁油に含有されるα−リノレン酸であり、前記スフィンゴ糖脂質が、米、小麦、芋類から抽出されたスフィンゴ糖脂質であり、前記ムコ多糖が、ヒアルロン酸、コンドロイチン、もしくはグルコサミンまたはこれらの混合物であることを特徴とする食品組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 α−リノレン酸、およびスフィンゴ糖脂質またはムコ多糖を含有することを特徴とする食品組成物。 【請求項2】 前記α−リノレン酸が、シソの実油、エゴマ油または亜麻仁油に含有されるαリノレン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の食品組成物。 【請求項3】 前記スフィンゴ糖脂質が、米、小麦または芋類から抽出されたスフィンゴ糖脂質であることを特徴とする、請求項1に記載の食品組成物。 【請求項4】 前記ムコ多糖が、ヒアルロン酸、コンドロイチン、もしくはグルコサミンまたはこれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の食品組成物。 【請求項5】 前記α−リノレン酸1質量部に対して、0.0001〜0.1質量部の前記スフィンゴ糖脂質を含有することを特徴とする、請求項1に記載の食品組成物。 【請求項6】 前記α−リノレン酸1質量部に対して、0.001〜1質量部の前記ムコ多糖を含有することを特徴とする、請求項1に記載の食品組成物。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本願発明は、肌のバリア機能を高め、肌の保水力を高める食品組成物に関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、肌荒れの改善や肌のうるおいの向上は多くの人々が希望とするところであり、これらを目的とする種々の製品が開発されている。これらの製品は、一般には化粧品という形態で提供され皮膚に塗布されるものが多いが、他方においては経口的に摂取されることにより上記目的を達成しようとする製品もある。 【0003】 スフィンゴ糖脂質は、人間の皮膚の角質層に多く存在し、体内からの水分の蒸発を抑える働きをしていることが知られている。そのため、スフィンゴ糖脂質を含有した皮膚化粧料を皮膚に塗布して、スフィンゴ糖脂質を皮膚から吸収させ、皮膚の保湿作用を改善する試みが従来から行われてきた。さらに近年、スフィンゴ糖脂質を経口摂取することによっても、同様に皮膚の保湿作用を改善しうることが報告され(例えば非特許文献1参照)、幾つかのスフィンゴ糖脂質を含有する食品が提案されている(例えば特許文献1参照)。 【0004】 また、ムコ多糖は真皮層に多く存在し、皮膚の保湿性や弾力性に関与していることが知られている。そのため、皮膚の保湿性や弾力性の維持を目的にした、ムコ多糖を含有させた化粧品や食品が幾つか開発されており、該食品としては、ムコ多糖および核酸を含有する食品(例えば特許文献2参照)などが知られている。 【0005】 一方α−リノレン酸は、n−3系列の多価不飽和脂肪酸の一種であり、外部から摂取する必要のある必須脂肪酸である。α−リノレン酸を含む洗浄用組成物であって、使用後の肌に保湿性を与える洗浄用組成物などが知られている(例えば特許文献3)。またα−リノレン酸を油脂などの形態で食品として摂取するとアレルギー症状の軽減に効果があることなどが知られており(例えば非特許文献2参照)、α−リノレン酸を含有する食品としては、α−リノレン酸を含む循環器系疾患の予防に効果のある食用油脂(例えば特許文献4参照)、α−リノレン酸を豊富に含む低アレルゲン性栄養組成物(例えば特許文献5参照)、αサイクロデキストリン及びα−リノレン酸を含む痩身用食品(例えば特許文献6参照)、体脂肪燃焼性などに優れる油脂組成物(例えば特許文献7参照)などが知られている。しかしながら、α−リノレン酸を経口的に摂取することにより肌の保湿性を改善できることは報告されていない。 【特許文献1】特開2002−281936号 【特許文献2】特開平10−165138号 【特許文献3】特開平06−299198号 【特許文献4】特開昭61−85142号 【特許文献5】特開平06−086655 【特許文献6】特開平07−115934号 【特許文献7】特開2002−138296号 【非特許文献1】Fragrance Journal, 23(1), 81(1995) 【非特許文献2】Prostaglandin, 36 No3 1988 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 依然として、肌荒れの改善や肌のうるおいの向上を達成することができる製品が求められており、本願発明はこの要求に応える製品、特に食品組成物を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意研究した結果、α−リノレン酸およびスフィンゴ糖脂質、またはα−リノレン酸およびムコ多糖をあわせて摂取すると、α−リノレン酸、スフィンゴ糖脂質またはムコ多糖それぞれを単独で摂取した場合よりも、相乗的に肌のバリア機能が高まり、保水力が高まることを見出し、本発明を完成した。 【0008】 すなわち、本発明は以下の通りである。 (1) α−リノレン酸、およびスフィンゴ糖脂質またはムコ多糖を含有することを特徴とする食品組成物。 (2) 前記α−リノレン酸が、シソの実油、エゴマ油または亜麻仁油に含有されるα−リノレン酸であることを特徴とする、(1)に記載の食品組成物。 (3) 前記スフィンゴ糖脂質が、米、小麦または芋類から抽出されたスフィンゴ糖脂質であることを特徴とする、(1)に記載の食品組成物。 (4) 前記ムコ多糖が、ヒアルロン酸、コンドロイチン、もしくはグルコサミンまたはこれらの混合物を含有することを特徴とする、(1)に記載の食品組成物。 (5) 前記α−リノレン酸1質量部に対して、0.0001〜0.1質量部の前記スフィンゴ糖脂質を含有することを特徴とする、(1)に記載の食品組成物。 (6) 前記α−リノレン酸1質量部に対して、0.001〜1質量部の前記ムコ多糖を含有することを特徴とする、(1)に記載の食品組成物。 【0009】 本発明の食品組成物に含まれるα−リノレン酸は、化学合成されたものでもよいが、好ましくは植物油脂または動物油脂に含まれるα−リノレン酸である。さらに好ましくは、シソの実油、エゴマ油、亜麻仁油に含有されるα−リノレン酸が挙げられる。さらに、本発明の食品組成物に含まれるα−リノレン酸は、必ずしも精製または単離されたα−リノレン酸を用いる必要はなく、α−リノレン酸を含む油脂、好ましくはシソの実油、エゴマ油、亜麻仁油自体を用いることもできる。また、本発明の食品組成物に含まれるα−リノレン酸はその少なくとも一部が塩になっていてもよい。本発明の食品組成物に含まれるα−リノレン酸の含有量は、食品組成物全質量に対して10〜70質量%であることが好ましい。 【0010】 本発明の食品組成物に含まれるスフィンゴ糖脂質は、動物(牛の脳など)由来のものでも植物(米、米糠、小麦、大豆などの穀物や豆類など)由来のものでもよいが、好ましくは植物由来のスフィンゴ糖脂質である。さらに好ましくは、米、小麦、イモ類から抽出したスフィンゴ糖脂質である。 【0011】 植物または動物からスフィンゴ糖脂質を抽出する方法は、本発明の効果を損なわない限り、通常の方法を適用することができる。例えば、エタノール、メタノール、アセトンなどといった極性有機溶媒を主に含有する、単一あるいは混合溶媒を使用して抽出することもできる。 【0012】 本発明の食品組成物に含まれるスフィンゴ糖脂質の含有量は、食品組成物全質量に対して0.005〜5質量%であることが好ましい。 【0013】 本発明の食品組成物に含まれるムコ多糖は、経口摂取することができるムコ多糖であれば任意のものでよいが、好ましくはヒアルロン酸、コンドロイチンもしくはグルコサミン、またはこれらの混合物を含むムコ多糖である。また、本発明の食品組成物に含まれるムコ多糖に含有される多糖は少なくともその一部が塩になっていてもよい。そのような塩としては、硫酸塩などが挙げられる。本発明の食品組成物に含まれるムコ多糖の含有量は、食品組成物全質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。 【0014】 本発明の食品組成物に含まれるα−リノレン酸およびスフィンゴ糖脂質の質量比は、α−リノレン酸1質量部に対して、スフィンゴ糖脂質が0.0001〜0.1質量部であることが好ましい。さらに好ましくは、0.001〜0.01質量部である。また、本発明の食品組成物に含まれるα−リノレン酸およびムコ多糖の質量比は、α−リノレン酸1質量部に対して、スフィンゴ糖脂質が0.001〜1質量部であることが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜0.1質量部である。 【0015】 本発明の食品組成物は、α−リノレン酸、およびスフィンゴ糖脂質またはムコ多糖以外に、通常食品組成物に加えられる成分を任意に含有させることができる。例えば、賦形剤、結合剤、被覆剤、滑沢剤、崩壊剤、増量剤、矯味矯臭剤、呈味剤、乳化・可溶化・分散剤、安定剤、pH調節剤、着色剤、甘味剤、酸味剤などが挙げられる。さらにα−リノレン酸が酸化されるのを抑えるため、抗酸化剤を含有させることもできる。 【0016】 本発明の食品組成物は、α−リノレン酸、およびスフィンゴ糖脂質またはムコ多糖を加えること以外は、本発明の効果を損なわない限り、通常の方法に従って製造することができる。 【0017】 本発明の食品組成物は、様々な形態にて提供することができる。たとえば、カプセル剤、粉末、錠剤、ゲル、溶液または分散液の形態で提供したり、一般食品または飲料に含有させて提供することもできる。 【0018】 本発明の食品組成物は飲用されることにより、飲用者の角層のバリア機能を改善することができる。そのため、肌のバリア機能を向上させ、皮膚の保水力を高め、肌荒れの改善、肌のうるおいの向上が達成される。 【0019】 本発明の食品組成物は本発明の効果を発現させるために、1日あたり、α−リノレン酸に換算して0.1〜1g、スフィンゴ糖脂質に換算して0.1〜10mg、ムコ多糖に換算して0.1〜100mg摂取することが好ましい。 【0020】 以下に、実施例を記載して本願発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されることはない。 【実施例】 【0021】 以下の処方1〜5に従い、ソフトカプセル剤を製造した。 実施例1(処方1) ソフトカプセル シソの実油(α−リノレン酸50%含有) 150mg/粒 亜麻仁油(α−リノレン酸50%含有) 50mg/粒 スフィンゴ糖脂質(米由来) 1mg/粒 グリセリン 40mg/粒 ゼラチン 120mg/粒 実施例2(処方2) ソフトカプセル シソの実油(α−リノレン酸50%含有) 150mg/粒 亜麻仁油(α−リノレン酸50%含有) 50mg/粒 ムコ多糖(ヒアルロン酸) 10mg/粒 グリセリン 40mg/粒 ゼラチン 120mg/粒 比較例1(処方3) ソフトカプセル シソの実油 200mg/粒 亜麻仁油 100mg/粒 グリセリン 40mg/粒 ゼラチン 120mg/粒 比較例2(処方4) ソフトカプセル スフィンゴ糖脂質(米由来) 10mg/粒 グリセリン 40mg/粒 ゼラチン 120mg/粒 比較例3(処方5) ソフトカプセル ムコ多糖(ヒアルロン酸) 100mg/粒 グリセリン 40mg/粒 ゼラチン 120mg/粒 試験例1 上記処方1〜5に従って製造したカプセル剤を、各々につき15名の被験者に、1日当たり4粒、3ヶ月間飲用させた。各被験者について、飲用前、飲用1ヵ月後、2ヵ月後、および3ヵ月後に左頬の皮膚の角層水分蒸散量をTEWAメーター(テヴァメーター)により測定した。処方ごとに15名の被験者の角層水分蒸散量の平均値を求め、その結果を表1に示した。 【0022】 【表1】
【0023】 表1に示された結果から、処方1〜5のカプセル剤の何れを飲用した場合も角層水分蒸散量の減少がみられるが、処方1または2のカプセル剤すなわちα−リノレン酸及びスフィンゴ糖を含むカプセル剤、またはα−リノレン酸及びヒアルロン酸を含むカプセル剤を飲用した場合は、リノレン酸、スフィンゴ糖脂質、ムコ多糖をそれぞれ単独で含むカプセル剤を飲用した場合と比較して、顕著な角層水分蒸散量の減少がみられた。 試験例2 試験例1の被験者を、飲用前、および飲用3ヵ月後に、角層の重層剥離の程度について観察し、それを5段階にスコア化した(1:きわめて少ない、2:少ない、3:普通、4:多い、5:きわめて多い)。その結果、ソフトカプセル剤を飲用しなかった被験者は、飲用前と飲用後で変化がなかったが、処方1のソフトカプセル剤を飲用した被験者は、引用前が平均2.9ポイントであったのに対し、飲用後は平均2.3ポイントとなり、0.6ポイントの改善がみられた。 試験例3 試験例1において処方1および2のカプセル剤を飲用した被験者から、飲用3ヵ月後に肌のかさつき等についてのアンケート調査を行った。それぞれの項目に関して改善を自覚した者の割合を改善率として、その結果を表2に示した。 【0024】 【表2】
【0025】 表2に示された結果から、処方1または2のカプセルを飲用した被験者は、肌のかさつき・乾燥などが改善されていたことがわかった。 【産業上の利用可能性】 【0026】 本発明により、飲用されることにより肌のバリア機能を高め、肌の保水力を高める食品組成物を提供することができ、また該組成物を用いて様々な形態の食品を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000113470 【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社 【住所又は居所】静岡県静岡市弥生町6番48号
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| 【出願日】 |
平成15年9月5日(2003.9.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100549 【弁理士】 【氏名又は名称】川口 嘉之
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉
【識別番号】100090516 【弁理士】 【氏名又は名称】松倉 秀実
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| 【公開番号】 |
特開2005−80532(P2005−80532A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月31日(2005.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願2003−314334(P2003−314334) |
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