| 【発明の名称】 |
油揚の包装方法及びその検査方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野口 有美
【氏名】工藤 恭子
【氏名】太田 雅敏
【氏名】山口 貴也
【氏名】井上 達也
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、油揚を商品として流通する際に、製造業者が安全・安心のための目視検品作業等を容易に確実に行うことができ、保存・衛生の面でも消費者に負担をかけることがなく、常に新鮮な油揚を提供することが可能な油揚の包装方法及び検査方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】油槽から引き上げられた油揚を1枚ずつ無地透明フィルムで個別包装し、画像装置等の異物検査装置を通過あるいは両面を目視検査した後、目的枚数を法規制に対応した表示を施したフィルムで帯状に巻き、帯に使用したフィルムと個別包装したフィルムを適当な熱源で溶着させて一体型の製品とし、使用する場合には使用する分だけを引き抜いて使用するものとした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気密性の無地で透明の合成樹脂フィルムに1枚ずつ包装した油揚を製品表示用の合成樹脂製フィルムで帯びかけし、前記帯と前記油揚のフィルムを溶着させて一体化することを特徴とする油揚の包装方法。 【請求項2】 油揚を気密性があり透明の合成樹脂製のフィルムに1枚ずつ包装した後、油揚の製品を目視あるいは画像処理装置等で油揚の両面の異物を検査することを特徴とする油揚の検査方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、油揚の包装方法の改良に関する発明である。油揚を無地フィルムで1枚ずつ包装し、それを束ねたものを法規制に対応する表示が印刷された熱溶着性フィルムで帯びかけし、フィルムと帯を接着させて流通させることにより、製造業者は帯かけ前の検品が容易になり、消費者は開封状態で保存することを避けることができるため、常に袋を開けたての新鮮な油揚を食べることができ、腐らせてしまったりすることによるゴミの量も削減できる。 【背景技術】 【0002】 油揚は包装に表示が必要なため、一般的に流通されている油揚商品には、包装フィルムに法規制に基づく表示が印刷されている。即ち、図4に示したように、油揚商品5として包装フィルム5aで包装してしまうと、油揚6、6、6の表面が表示印刷5b、5c部分に隠れて、混入した異物を見つけられない可能性が多々あるという問題を有していた。 【0003】 また、複数枚の油揚6、6、6が包装された油揚商品5ともなれば、表面どころか油揚6、6の重なり部分が必然的に見えなくなり、もしそこに異物が混入していた場合、発見することは極めて困難であった。 【0004】 更に、複数枚入りの油揚商品5を油揚6の数枚のみ使用して残りを冷蔵庫等で保存する場合、包装フィルム5aが開封状態で保存しなければならなかったため、他の食品に臭気を移したり、他の食品から臭気を移されたりして、油揚自身と他の食品が互いに悪影響を受けていた。当然、開封状態で保存すると微生物汚染しやすいため保存性も悪かった。 【特許文献1】特開平06−189705号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 食品の安全・安心を確保することは食品企業の使命である。油揚のような日配商品は、古くは小売店でばら売りされていたが、昨今のように大型小売店が販売するようになると、すべてがフィルムで包装された状態で販売されるようになった。 【0006】 だが、フィルムで包装するとJAS法や食品衛生法などの規制に対応するため、フィルム表面に商品名や各種の表示が必要になり、フィルム内部の油揚自体の表面全体を製造者あるいは消費者が確認することが困難になった。 【0007】 特に、消費者の品質に対する要求が強まり、各種ゴミあるいは虫などの異物のみならず、以前は苦情原因でもなかった1ミリメートル以下の揚げカスですら異物として指摘されるようになっており、製造業者の負担が増大している。 【0008】 通常、製造業者は包装前の油揚を目視検品し、合格品を自動包装機にかけて包装後に再度の目視検品で異物混入の対策を施している。 【0009】 また、油揚はその表面が油で湿潤状態のため、画像装置や人手のいずれの検品も二次汚染の可能性があり、効果的な検品が非常に困難であった。そして、フィルム包装後の検品は、ほとんど実効がなかった。 【0010】 さらに、現在主流を占めている一つのフィルムに複数の油揚を梱包した商品では、製造業者の検品の問題以外に、消費者にも重大な問題を発生している。即ち、このような商品を購入した消費者は、使用時に必要枚数を使用し、残りをそれ以降に使用するために、冷蔵庫や冷凍庫に保存することが通常である。 【0011】 しかしながら、一旦開封された油揚は特異な臭気を発し、冷蔵庫や冷凍庫に保管された氷や他の食品に不快な臭気を移すことが知られており、消費者は開封後密封容器に移すか、脱臭剤を置いて、これらの問題を予防している。 【0012】 また、一部を使用した後の残りの油揚は冷蔵庫などで低温保存するが、一部を使用した際に手指等から微生物汚染を受ける可能性が非常に高く、一度微生物汚染を受けた油揚は冷蔵庫などの低温庫で保存しても、3日もすればかなりの微生物数になるため、未開封で安全性を長期保証することは可能でも、開封済みのものに関しては保証するのが非常に難しい。 【0013】 このように、油揚商品では製造業者の安全・安心への取り組み、消費者の負担の増加等、いずれの側にも問題が存していた。消費者での冷蔵庫内臭気転移の問題や保存性の問題は、油揚を1枚ずつ包装することで対応することができるが、最も販売量の多い複数枚包装製品では依然として消費者の負担は軽減されない。 【0014】 このため個別包装の商品を束ねて、表示を施した大きな袋で包装する方法が容易に考えられるが、製造方法が煩雑になり、コストが増大し、消費者の経済的負担が増加する。また、利用後のゴミの量が増加するなど、環境保護の観点からも好ましくない。 【0015】 また、比較的簡単な方法として複数の個別包装を帯フィルムやゴムバンドでまとめる方法もあるが、陳列中の脱落や意図的な抜き取りなどが予想されるため、法規制の関係上個別包装品の表面は各種表示を施した印刷フィルムにする必要があり、検品の自動化や精度向上の問題はまったく解決できない。 【0016】 そこで、本発明は、製造業者が安全・安心のための目視検品作業等を容易に確実に行うことができ、保存・衛生の面でも消費者に負担をかけることがなく、常に新鮮な油揚を提供することが可能な油揚の包装方法を提供することを目的とした。 【課題を解決するための手段】 【0017】 上記目的を達成するために、発明者らは鋭意研究を重ね、油槽から引き上げられた油揚を1枚ずつ無地透明フィルムで個別に包装し、画像装置等の異物検査装置を通過あるいは両面を目視検査した後、目的枚数を法規制に対応した表示を施したフィルムで帯状に巻き、帯に使用したフィルムと油揚を個別に包装したフィルムを適当な熱源で溶着させて一体型の製品を製造することにより各種の問題が解決できることを見出した。 【発明の効果】 【0018】 このようにして製造される油揚は、直ちに透明個包装フィルムで1枚ずつ包装されるため、以後の検品作業が極めて衛生的に行われると共に、従来実施できなかった油揚表裏の異物検査や個別包装フィルム印刷面下の異物検査も必要がなくなる。 【0019】 そのために、高精度の目視検品のみならず画像処理装置などによる機械による検査が可能になり、出荷される油揚の品質は飛躍的に向上する。また、複数枚数を1枚の個別包装フィルムに包装されることがなくなるため、重ね合わせ部分に混入する異物の心配もなくなる。 【0020】 更に、複数枚数を購入した家庭で一部を使用したときの残り油揚による冷蔵庫あるいは冷凍庫での特異臭も解決され、微生物汚染を受けないため、消費者の負担を著しく軽減することになる。 【0021】 さらに、油揚生産工場ではすべての製品が無地個別包装フィルム包装品になり、段積機の設定だけで他種類の枚数の組合せで製品が生産できるため、従来のように品目ごとに膨大な表示印刷済み個別包装フィルムの準備が必要なくなり、製造ラインの簡素化やフィルム在庫管理の煩雑さから解放され、製造管理面及び省資源の意味からも産業上の利益が大きい。 【実施例1】 【0022】 以下に、添付図面に基づき、本発明である油揚の包装方法を詳細に説明する。図1は帯かけ前の無地フィルムに包装された油揚と帯の斜視図、図2は油揚を束ねて帯かけした斜視図、図3は無地フィルムで包装された油揚の斜視図である。 【0023】 図1に示すように、本発明である油揚の包装方法は、無地フィルム1aで油揚1bを1枚ずつ包装した個別包装油揚1、1、1・・・を法規制に対応した表示2aを施した表示用帯2を用いて包装するものである。 【0024】 本発明である油揚の包装方法では、先ず油揚1bを無地フィルム1aにて1枚ずつ包装し、個別包装油揚1とする。この時に使用する個別包装用の無地フィルム1aの材質としては、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートが良い。 【0025】 ポリエチレンやナイロンでは溶着しないために使用することはできない。また、表示用帯2との溶着の強度、製造時の効率や検品時の目視性を考慮するとポリプロピレンが最も望ましい。 【0026】 また、法規制に対応した表示2aを印刷した表示用帯2の材質は合成樹脂製のフィルムに熱溶着剤を塗布したものであれば何れでも良いが、好ましくは塩素化ポリプロピレンとエチレンビニルアセテートの混合物を合成樹脂製フィルムに塗布したものが溶着温度や溶着時間の関係で相性が良い。 【0027】 次に、図2に示すように、油揚1bを無地フィルム1aにて1枚ずつ包装した個別包装油揚1、1、1を束ねる。この時束ねる個別包装油揚1の枚数は限定せず、3枚、5枚等商品として販売するに必要な枚数を束ねることができる。 【0028】 個別包装油揚1の無地フィルム1aと表示用帯2の溶着は、熱湯、熱風あるいは加熱プレートを使用し、法規制に対応した表示2aの印刷部分の印字を損なわない部分であれば何れの部位でも良く、無地フィルム1aに包装された油揚1bである個別包装油揚1を市販の帯かけ機に通し、表示用帯2を帯かけしたあと、一般的に圧着させる方法で加熱・溶着すれば良い。 【0029】 また、複数の個別包装油揚1を束ねる場合には、市販の段積機であればどのようなものを使用しても良く、必要枚数の個別包装油揚1を段積みしたあと、帯かけ機に通し、表示用帯2を帯かけした後、一般的に圧着させる方法で加熱・溶着することで製品が完成する。 【0030】 図2に示した状態は、複数枚の個別包装油揚1を束ねたものに、塩素化ポリプロピレンとエチレンビニルアセテートの混合物を塗布したポリプロピレン製のフィルムからなる表示用帯2を掛ける。 【0031】 油揚を個別に包装した個別包装油揚1の底面で表示用帯2の両端を接着し、一次固定した後、側面から95度の鉄製の板で触れると、2秒で個別包装油揚1の無地フィルム1aと表示用帯2が接着部3で溶着したものである。 【0032】 図2に示すような複数枚の個別包装油揚1に表示用帯2を帯かけし溶着する本発明である油揚の包装方法により包装された油揚を使用する場合には、消費者は、必要枚数の個別包装油揚1を引き抜き使用する。引き抜いた個別包装油揚1を示す図が図3である。 【0033】 図3に示すように、個別包装油揚1と表示用帯2が溶着された包装から引き抜かれた個別包装油揚1は、側面に表示用帯2との接着部4が現れるが、無地フィルム1aが破けたりすることがないために、非常に衛生的であり、保存にも便利である。 【0034】 以下に、安全・衛生・保存等の各面で従来の複数枚の油揚を一袋に包装する包装方法と本発明である油揚の包装方法とを比較する。 【比較例1】 【0035】 無作為に油揚に異物をつけたものを複数枚入りで束ねて一袋に包装し検品したところ、油揚の最上段の上面と最下段の下面および包装された油揚それぞれの側面に異物の付いたものは検品により異物を発見できたものの、それ以外の部分に異物があった場合はすべて発見できなかった。 【0036】 一方、同様の油揚を印刷されたフィルムで1枚ずつ包装したものを検品したところ、異物を発見できるものもあるものの、印字やデザインの内側に付いた異物は発見できないものもあった。 【0037】 同様に無作為に異物を付けた油揚を本発明である油揚の包装方法に用いる無地フィルム1aで個包装した個別包装油揚1を検品したところ、異物はすべて発見できた。即ち、本発明である油揚の包装方法により無地フィルム1aを用いて個包装した個別包装油揚1は、安全等の面で優れている。 【比較例2】 【0038】 冷蔵庫内に水を注いだコップを置いて、複数枚入りで一袋の油揚を開封したものをその隣りに1日放置し、コップの水を飲んだところ、特異臭が感じられた。また、同様の状態の油揚を冷凍庫内に放置し、その状態で作った氷で水を飲んだところ、特異臭が感じられた。 【0039】 しかし、個包装油揚1を表示用帯2を溶着させて束ねた、本発明である油揚の包装方法により包装した油揚で同様の実験をしたところ、開封状態で放置する必要がないため臭気の移転はなく、水や氷に特異臭は感じられなかった。 【比較例3】 【0040】 複数枚入りで一袋の油揚を開封し、一部を使用したものを5日間10度の温度下で保管し、微生物検査を実施したところ、一部を使用して手で触れた場合の油揚の微生物数は1グラム当たり30万個以上存在した。 【0041】 一方、本発明である油揚の包装方法による個別包装油揚1では必要枚数のみを使用する場合でも、油揚自体に手を触れないため微生物は認められなかった。そのため、従来の油揚の包装方法よりも、衛生面で非常に優れているものである。 【比較例4】 【0042】 従来は品目毎に膨大な表示印刷済み個別包装フィルムの準備が必要であり、商品入れ替えの際に生じる在庫フィルムは破棄するしかなかったが、在庫として必要な印刷済みフィルムは帯だけで良くなり、製造管理面の簡素化及び省資源につながった。 【比較例5】 【0043】 個別包装油揚1を複数枚束ねて帯びかけする包装形態を、帯と油揚の包装フィルムとの摩擦を利用してずらさないという方法で実施しようとし、個別包装油揚1をポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレンに滑り止めコート材を塗布したものそれぞれで帯かけした結果、十分には固定できず、大人が軽く引っ張っただけで外れてしまい、油揚を1枚以上引き抜いた後は帯が緩んで他の油揚もバラバラになった。 【0044】 また、個別包装油揚1を束ね、セロファン製のテープ、ビニール製のテープで帯かけしたところ束ねた個別包装油揚1をそれぞれ固定できたものの、テープと無地フィルム1aの接着している強度が強すぎるため引きにくい場合や無地フィルムの接着部4から破れてしまう問題があった。 【0045】 そこで、塩素化ポリプロピレンとエチレンビニルアセテートの混合物を帯に塗布したものを使用し、表示用帯2の接着部3と無地フィルム1aの接着部4の部分を95℃で2秒間加熱し接着した。 【0046】 すると、個別包装油揚1それぞれがバネ量りで500gの強さで引っ張っても表示用帯2に固定されたまま安定しており、また、個別包装油揚1を1枚ずつ引き抜いても無地フィルム1aは破れず、引き抜いた個別包装油揚1も表示用帯2に固定されたままでバラバラにならなかった。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】帯びかけ前の無地フィルムに包装された油揚と帯の斜視図である。 【図2】油揚を重ねて帯びかけした斜視図である。 【図3】無地フィルムで包装された油揚の斜視図である。 【図4】従来の包装方法で包装された油揚の斜視図である。 【符号の説明】 【0048】 1 個別包装油揚 1a 無地フィルム 1b 油揚 2 表示用帯 2a 法規制に対応した表示 3 接着部 4 接着部 5 油揚商品 5a 包装フィルム 5b、5c 表示印刷 6 油揚
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| 【出願人】 |
【識別番号】598058999 【氏名又は名称】株式会社 天狗
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| 【出願日】 |
平成15年9月3日(2003.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093816 【弁理士】 【氏名又は名称】中川 邦雄
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| 【公開番号】 |
特開2005−73663(P2005−73663A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月24日(2005.3.24) |
| 【出願番号】 |
特願2003−311227(P2003−311227) |
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