トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 そぼろ肉を配合した調味液の製造方法
【発明者】 【氏名】小杉 朋子

【要約】 【課題】焦げつきがなく、風味、食感ともに良好な均一に炒められたそぼろ肉を配合した調味液を提供することを目的とする。

【解決手段】工業的にニーダー等でミンチ肉を油脂で炒める際に、油脂を加熱後、おろししょうがおよび/またはおろしにんにくを投入し加熱攪拌後、ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉を投入し加熱攪拌し、さらにその後加熱処理されていないミンチ肉を投入し炒めるという製造方法により上記目的を達成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
おろししょうがおよび/またはおろしにんにくを油脂で用いて炒めてから、油脂に対し30倍重量以下のボイル加工したそぼろ状ミンチ肉を加えて炒め、さらにその後、加熱処理されていないミンチ肉を加えて炒めたそぼろ肉を配合した調味液の製造方法。
【請求項2】
おろししょうがおよび/またはおろしにんにくを0.01重量%〜5重量%含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法により得られたそぼろ肉を配合した調味液に固形具材を含む加工食品。
【請求項3】
加熱加圧殺菌することを特徴とする請求項2記載の加工食品。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、加工食品分野におけるそぼろ肉を配合した調味液の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は常温流通・販売される加工食品分野において具材として用いるそぼろ肉を炒める際の焦げつきを防止し、均一に炒められたそぼろ肉を配合した調味液の有用な新規の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ミートソース、カレー、そぼろ丼など調理済の食品を容器に密封して充填し、高温・高圧下で加熱殺菌して得られる食品(レトルト食品)は、長期保存が可能であり、また使用時の簡便性から近年その需要が大幅に伸びている。そしてこれらの食品では、玉ねぎ、にんじんなどの野菜類と肉類が多く用いられているが、その調理法としては、野菜類や肉類を油脂を使用して高温で炒めた後に、その他の材料、調味液と一緒にして煮込む方法が一般に使用されている。そぼろ肉を配合した調味液を使用したレトルト食品を製造する際にも、上記の方法が使用されるが、工業的に加熱釜でミンチ肉を油脂を用いて炒める場合、壁面に焦げつきが生じ、焦げが塊になり均一に炒めることができず、また、焦げが風味に影響を与えるという問題点がある。また、家庭等では、そぼろ肉を調理する際には、だしと調味料を鍋に入れ、ミンチ肉を加えてほぐしながら煮る方法(食肉の知識
104頁 社団法人 日本食肉協議会 昭和53年発行)、ねぎ、しょうが、にんにく等の香味野菜を香りづけの為に炒めてから、ミンチ肉を炒める方法(食肉の知識 105頁
日本食肉協議会 昭和53年発行)が一般的であるが、工業的に加熱釜でそぼろ肉を製造する際にこの方法を用いると、加熱力不足、加熱ムラ、攪拌力不足等の理由から、やはり加熱釜の壁面に焦げつきが生じたり、ミンチ肉がきれいにほぐれず団子状にブロック化してしまう等の問題点がある。
【非特許文献1】食肉の知識 社団法人 日本食肉協議会 昭和53年発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、加熱釜への焦げつきを生じることなく、ミンチ肉を均一に炒めた風味良好なそぼろ肉を配合した調味料の製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成すべく検討を重ねたところ、工業的に加熱釜でミンチ肉を油脂で炒める際に、油脂を加熱後、おろししょうがおよび/またはおろしにんにくを投入し加熱攪拌後、ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉を投入し加熱攪拌してから、さらにその後、加熱処理されていないミンチ肉を投入し炒めることで、壁面への焦げつきがなく、風味、食感の良好な均一に炒められたそぼろ肉を得ることができることを見出した。そして、そのようにして炒めて得られたそぼろ肉を調味液と煮込み、そぼろ肉を配合した調味液を得、そのそぼろ肉を配合した調味液を用いて容器詰め調理食品を製造すると、そのそぼろ肉はブロック化することなく、良好な形状を保って、均一に分散し、良好な風味、食感を有することを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、おろししょうがおよび/またはおろしにんにくを攪拌装置つき加熱釜で、油脂を用いて炒めた後、ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉を加えて炒め、さらにその後に加熱処理されていないミンチ肉を炒める方法であって、(1)得られる調味液の質量に対して0.1〜5重量部の100℃に達した油脂に、得られる調味液の質量に対して0.1〜5重量部のおろししょうがおよび/またはおろしにんにくを投入し、5〜30rpmで30秒から5分間加熱する工程、(2)次いで、ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉を投入し、5〜30rpmで30秒から5分間攪拌しながら加熱する工程、(3)その後、加熱処理されていないミンチ肉を投入し、5〜30rpmで攪拌しながら30秒から20分間加熱する工程を採用することを特徴とするそぼろ肉を配合した調味液の製造方法を提供する。
【0006】
また、上記工程(1)で用いるおろししょうがとおろしにんにくの割合は10:1から1:1とするのがより好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の方法によれば、加熱釜への焦げつきが生じることなく、均一に炒めた風味良好なそぼろ肉を配合した調味液を得ることができる。また、このそぼろ肉を配合した調味液を用いて、風味、食感ともに良好な均一に炒められたそぼろ肉を配合した調味液に混合固形具材を含む加工食品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において使用することができる加熱釜としては、平釜、斜軸釜、横型ニーダー等があげられる。上記加熱釜に攪拌機が付いたものを使用するのが好ましい。攪拌装置付き加熱釜としては、半球型の加熱釜にかき取り式の攪拌機を備えたものを使用するのが好ましい。
【0009】
本発明において使用する油脂とは、特に制限はなく、食用植物油脂、食用動物油脂、それらの加工油、油溶性香料等のことを意味し、特に制限なく用いることができる。
【0010】
本発明において使用するボイルしたそぼろ状ミンチ肉及び加熱処理されていないミンチ肉の種類としては、牛肉、豚肉、鶏肉、ヤギ肉など、特に畜肉の種類にはこだわらないが、レトルト具材として常用される牛肉、豚肉、鶏肉が好ましい。ミンチ肉の直径は特に限定するものではなく、最終製品で希望する大きさであればよい。また、冷蔵、冷凍は問わないが、冷凍の場合は解凍してから使用するのが好ましい。ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉のボイル方法については、特に制限はないが、70℃〜100℃の熱湯に、ミンチ肉を投入し、撹拌してほぐしながら1分から10分程度加熱し、加熱が終了したら、ざる等ですくい取り、流水冷却して水切りをする方法が好ましい。
【0011】
ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉は油脂に対して30倍重量以下であるが、25倍重量以下であるのが好ましい。30倍以上になると、油脂の量が不足し、加熱釜壁面に焦げつきが生じる可能性がある。
【0012】
本発明において使用するおろししょうがとは生しょうがもしくは乾燥品を水戻ししたしょうがをペースト状に磨砕したものをいい、大きさは目開き5m/mメッシュ以下のふるいをパスしたものが好ましい。5m/mメッシュをこえると、大きすぎて分散しにくくなり、加熱釜壁面に焦げつきが生じるため好ましくない。
【0013】
本発明において使用するおろしにんにくとは生にんにくもしくは乾燥品を水戻ししたにんにくをペースト状に磨砕したものをいい、大きさは目開き5m/mメッシュ以下のふるいをパスしたものが好ましい。5m/mメッシュをこえると、大きすぎて分散しにくくなり、加熱釜壁面に焦げつきが生じるため好ましくない。
【0014】
ボイル加工したそぼろ状ミンチ肉に対する加熱処理されていないミンチ肉の割合は特に限定されないが、ボイルしたそぼろ状ミンチ肉の1.5倍重量以下がより好ましい。
【0015】
本発明において使用する固形具材とは、特に制限はなく、一般にレトルト食品に使用される具材で、所定の処理、例えばカット、ブランチング、ボイル等の処理が施された野菜類等があげられる。
【0016】
本発明を以下の実施例及び比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0017】
(実施例1)
蒸気により調理釜内壁を外部から加熱できるようになっているジャケットつきのニーダーに植物油脂0.5重量部(以下、部と略称する)を投入し、100℃達温まで加熱後、おろししょうが0.4部、おろしにんにく0.2部を投入した。1分攪拌後、鶏そぼろ肉5部を投入し1分攪拌したのち、牛ミンチ5部を投入し、80℃達温まで加熱攪拌した。その後、おろししょうが0.4部、おろしにんにく0.2部、グラニュー糖2部、魚介エキス2部、蓄肉エキス0.5部、醤油8部、調味料1部、卵4部、加工でんぷん3部、水67.8部を投入し加熱攪拌し、そぼろ肉を配合した調味液を得た。その際、ニーダー内壁への焦げつきはなかった。次いで、得られた調味液を容器に密封し、加熱加圧殺菌した。レトルト後1日目に調味液を官能評価した結果、調味液中のそぼろ肉は比較例1と比べ、焦げ、塊はなく風味、食感ともに良好であった。また、レトルト後2ヶ月目に開封し、調味液を確認した結果、風味、食感に変化はなかった。
【0018】
(比較例1)
ニーダーに油脂0.5部を投入し、100℃達温まで加熱後、鶏そぼろ肉5部、牛ミンチ5部を投入した。1分間攪拌後、おろししょうが0.8部、おろしにんにく0.4部、グラニュー糖2部、魚介エキス2部、蓄肉エキス0.5部、醤油8部、調味料1部、卵4部、加工でんぷん3部、水67.8部を投入し加熱攪拌し、そぼろ肉入り調味液を得た。その際、ニーダー内壁への焦げつきを生じていた。次いで、得られた調味液を容器に密封し、加熱加圧殺菌した。レトルト後1日目に調味液を官能評価した結果、調味液中のそぼろ肉には焦げ、塊があり、調味液は焦げた風味がついていた。レトルト後2ヶ月目に開封し、調味液を確認した結果、焦げた風味があり、食感はぼろぼろしており、良好なものではなかった。


【出願人】 【識別番号】000000228
【氏名又は名称】江崎グリコ株式会社
【出願日】 平成15年9月1日(2003.9.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−73614(P2005−73614A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−309310(P2003−309310)