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【発明の名称】 純植物性新素材及びその製造方法
【発明者】 【氏名】熊谷 孝雄
【住所又は居所】大阪府大阪市此花区島屋4丁目2番7号 株式会社バーネット・インターナショナル内

【氏名】青木 壽治
【住所又は居所】大阪府大阪市此花区島屋4丁目2番7号 株式会社バーネット・インターナショナル内

【要約】 【課題】食品廃棄物である大豆粕又はオカラを再利用し、それ程コスト高にならず、しかも製造時間を短縮し得る純植物性新素材の製造方法及びかかる製造方法から製造される純植物性新素材を提供する。

【解決手段】大豆粕又はオカラに水を加えて、撹拌しつつ加熱加圧処理する。加熱加圧処理の後に、少なくとも、冷却工程と固液分離工程と濃縮工程と恒温処理工程を設けることが望ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆粕又はオカラに水を加えて、撹拌しつつ加熱加圧処理することを特徴とする純植物性新素材の製造方法。
【請求項2】
前記加熱加圧処理する際の加熱温度が、85〜150℃である請求項1に記載の純植物性新素材の製造方法。
【請求項3】
前記加熱加圧処理工程の後に、少なくとも冷却工程と固液分離工程と濃縮工程と恒温処理工程とを設けてなる請求項1又は2に記載の純植物性新素材の製造方法。
【請求項4】
前記恒温処理が、0〜18℃で5時間以上である請求項1乃至3の何れか一項に記載の純植物性新素材の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の製造方法により製造された純植物性新素材。
【請求項6】
その形態がゲル状である請求項5に記載の純植物性新素材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は純植物性新素材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、大豆粕又はオカラを有効活用した純植物性新素材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品産業廃棄物である大豆粕、特に、豆腐を製造する際出る大豆の絞り粕であるオカラは、有効成分を含んでいるにも拘らず、そのほとんどが産業廃棄物として処分されており、その処分費は年間100億円以上に達し社会問題化している。
【0003】
かかる産業廃棄物が発生しないように、オカラの発生しない豆腐の製造方法について、従来からも、特開平5−3761号公報や特開平11−299443号公報に記載されているような酵素分解法や、特公昭62−17509号公報に記載されているように脱皮処理して粉砕する方法等が提案されているが、食品独特の栄養価や嗜好などの問題があり、更にコスト高の問題もあって、根本的な解決には至っていないのが実情である。
【0004】
また、オカラを乾燥して食品に混合したり、飼料や肥料として再利用する例が一部にあるが、再利用品の付加価値が低く、結局、その70〜80%は産業廃棄物として処分されている。
【0005】
一方、食品、菓子、離乳食などに多用されているゲル材は、コラーゲンを中心とする動物性蛋白質が主成分で、高カロリーから起因する肥満、アレルギー、高脂血症などの原因の一つと言われている。特に日本人をはじめアジア人は遺伝学的にも植物性食材に適していると言われ、ゲル材にも植物性のものが嘱望されている。
【0006】
そこで、本発明者らは、特開2003−189812号公報に記載のように、オカラを加熱加圧処理して新規植物性ゲル材を得る方法を案出した。
【特許文献1】特開平5−3761号公報
【特許文献2】特開平11−299443号公報
【特許文献3】特公昭62−17509号公報
【特許文献4】特開2003−189812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、オカラを加熱加圧しただけでは、増粘化又は十分なゲル化ができず、ゲル化を促進するためには、更にセルラーゼによる酵素処理や微生物による発酵処理が必要になり、コスト高になると共に、製造時間が非常に長くなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、それ程コスト高にならず、しかも製造時間を短縮し得る純植物性新素材の製造方法及びかかる製造方法から製造される純植物性新素材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前期目的を達成するために、本発明の純植物性新素材の製造方法は、大豆粕又はオカラに水を加えて、撹拌しつつ加熱加圧処理することを特徴とするものである。
【0010】
そして、加熱加圧処理する際の加熱温度は、80℃以下の場合は有効物質が極端に少なく、150℃以上の場合は液が褐変して刺激味を呈するので、85〜150℃が望ましく、また、加熱加圧処理は撹拌翼を有するオートクレーブ用いて行うことが望ましい。
【0011】
恒温処理は0〜18℃で5時間以上であることが望ましく、より好ましくは、5〜10℃で20〜26時間である。
【0012】
加熱加圧処理工程の後に、少なくとも冷却工程と固液分離工程と濃縮工程と恒温処理工程を設けることが望ましい。恒温処理は0〜18℃で5時間以上であることが望ましく、より好ましくは、5〜10℃で20〜26時間である。
【0013】
更に、本発明の純植物性新素材は上述のごとき製造方法により製造されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の純植物性新素材の製造方法によれば、食品廃棄物である大豆粕又はオカラを有効に再利用し、様々な用途に適用可能な純植物性新素材を得ることができる。特に、大豆粕又はオカラに水を加えて、撹拌しつつ加熱加圧処理した後、恒温処理することによりそれ程コスト高にならずにゲル化した純植物性新素材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の純植物性新素材の製造方法を、原料としてオカラを使用する実施形態を説明する。
【0016】
原料としてのオカラは、例えば、豆乳を絞った後の生の状態のオカラ、又は、一旦冷凍させてその後解凍したオカラ、或いは、乾燥オカラを使用する。そして、これらオカラには水を加えて、例えば、撹拌翼を有するオートクレーブを用いて加熱加圧処理を行う。
【0017】
加熱加圧処理の条件は、この処理によって豆類の細胞がばらばらになることが必要であるため、例えば、温度85〜150℃の範囲、圧力1KPa〜3MPaの範囲、時間10〜180分間の範囲であることが望ましい。
【0018】
加熱されたオカラと水との配合液は、そのまま自然冷却されると増粘化した純植物性新素材が得られる。なお、かかる冷却工程の後に、固液分離工程、微小懸濁物除去工程、濃縮工程、殺菌工程、恒温処理工程を設けることが望ましい。
【0019】
固液分離は、圧搾式固液分離やフィルター濾過などで行い、微小懸濁物除去は、遠心分離器や沈降分離器を用いて行われる。また、濃縮はエバポレーターを用いて行われ、殺菌は加熱によるか、紫外線、オゾン、超音波を用いて行われる。恒温処理は、例えば、冷蔵庫に0〜18℃で5時間以上収容しておくことで行われる。
【0020】
このように、加熱加圧処理工程の後に、少なくとも冷却工程と固液分離工程と濃縮工程と恒温処理工程とを設けると、ゲル化した純植物性新素材が得られる。
【実施例1】
【0021】
凍結保存物を解凍したオカラ:10,000g、添加水:20,000mLの混合液を、撹拌機を有したジャケット付きオートクレーブのジャケットにスチームを投入することで加圧下で加熱処理した。その操作条件は、撹拌翼の回転数:60rpm、温度:126℃、時間:60分間、圧力:0.17MPaとした。
処理後、オートクレーブのジャケットに冷却水を通水し、液温を60℃まで冷却し、混合液を濾布による圧搾濾過で固液分離し、採取した濾液を遠心沈降機により微小懸濁物を除去し、固形分濃度4.0%の有効物質水溶液を得た。
【実施例2】
【0022】
実施例1で得た水溶液をエバポレータにて、固形分濃度12%まで濃縮し、殺菌機により100℃、15分間の滅菌後、5℃、20時間の冷蔵による恒温処理により、形の崩れないプリン状のゲル状物質を得ることができた。
このゲル状物質のゲル破壊強度を、ゲル測定機(商品名:テキソグラフ、製造:日本食品開発研究所)で測定したところ、1.5Paで、ゲル破壊点の変形率は68%であり、30℃以上になっても溶融し難く、また、50℃の温水中に浸漬させても溶融し難い。
【比較例1】
【0023】
2Lのガラス製ビーカーに、オカラ:300g、添加水:600mLを混合させ、撹拌機のないオートクレーブにて、温度:126℃、時間:60分間、圧力:0.17MPaで加熱加圧処理後、自然冷却し、濾布にて圧搾濾過で固液分離を行い、採取した濾液を遠心沈降機により微小懸濁物を除去したが、固形分濃度2.0%の有効物質水溶液しか得られなかった。
【0024】
この溶液をエバポレーターにて固形分濃度15%まで濃縮し、100℃、15分の加熱殺菌後、5℃で20時間の冷蔵による恒温処理にて型の崩れないプリン状のゲル状物質を得ることができたが、上記ゲル測定機(商品名:テキソグラフ、製造:日本食品開発研究所)でゲル破壊強度を測定したところ、0.65Paで、ゲル破壊点の変形率は約60%であり、実施例2で得られたゲルに比べて、ゲル破壊強度は1/2以下である。
【出願人】 【識別番号】501351416
【氏名又は名称】株式会社バーネット・インターナショナル
【住所又は居所】大阪府大阪市此花区島屋4丁目2番7号
【出願日】 平成15年8月28日(2003.8.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−73511(P2005−73511A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−304296(P2003−304296)