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【発明の名称】 食用または薬用植物を含有する飲料
【発明者】 【氏名】石川 京子
【住所又は居所】東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭電化工業株式会社内

【氏名】椿 和文
【住所又は居所】東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭電化工業株式会社内

【要約】 【課題】本発明の目的は、健康維持に有用であるが、青臭さや苦味など、その摂取が困難となるような呈味、食感を有し、さらに成分の沈降などの問題を有する、青汁や野菜ジュースなどの食用または薬用植物を含有する飲料の、呈味、食感を改善し、成分の沈降を防ぎ、飲みやすくした、食用または薬用植物を含有する飲料を提供することである。

【解決手段】本発明は、βグルカンを添加した、食用または薬用植物を含有する飲料であり、呈味や食感が改善され、成分の沈降がなく、飲みやすい、健康維持に有用な飲料を提供するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
βグルカンを添加したことを特徴とする、食用または薬用植物を含有する飲料。
【請求項2】
食用または薬用植物が、野菜または果物である請求項1記載の飲料。
【請求項3】
食用または薬用植物が、アブラナ科植物、イネ科植物、セリ科植物、クワ科植物の一種または二種以上である請求項1記載の飲料。
【請求項4】
βグルカンからなる、食用または薬用植物を含有する飲料用呈味改善剤。
【請求項5】
βグルカンからなる、食用または薬用植物を含有する飲料用沈降防止剤。
【請求項6】
βグルカンを用いて、食用または薬用植物を含有する飲料の呈味を改善する方法。
【請求項7】
βグルカンを用いて、食用または薬用植物を含有する飲料の沈降を防止する方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食用または薬用植物を含有する飲料に関するものである。詳しくは呈味が改善され、沈降が防止された食用または薬用植物を含有する飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
現代人は近年、野菜や果実等の植物類の摂取量が不足しがちと指摘されている。植物類には、ビタミン、ミネラル、食物繊維、その他フィトケミカルと呼ばれる人体の活性化に働く微量成分が多く含まれ、これらの摂取が生活習慣病の予防や改善に有効とされる。従って、これらを含む植物類、特に野菜、果物、茶葉あるいは薬用に供せられる植物体の積極的な摂取が推奨されている。
【0003】
しかしながら、これら植物類はそのままではかさが多く、青臭さや苦み、植物組織に由来する堅さなどにより食味・食感が劣り、食べにくいと感じるのが一般的である。さらには野菜成分や果汁成分が沈降してしまうという問題があった。また、調理時間の短縮を考える現代人にとって、これらの植物類の十分量を摂取することが困難な状況にあった。
【0004】
近年では、野菜、果物、茶葉あるいは薬用植物体を破砕した液状の飲食品が開発され植物類の不足を簡単に補う方法として提案され、好まれて使用されるようになっている。例えば野菜ジュースや青汁の原料としてアブラナ科植物、イネ科植物、セリ科植物、ナス科植物、アスパラガス、アロエ、ホウレン草、ニガウリ、シソ、シュンギク、ニワトコ、ハコベ、ヨモギなどの植物が使用されている。特に麦若葉を使用した青汁はビタミン類、ミネラル類、食物繊維に富み、高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を活性化するなどの効果を有しており、しかも嗜好性のある健康食品として注目を浴びている(特許文献1)。またケールにはこれに加えて胃炎や胃潰瘍の予防、肝機能や便秘に有効であることが知られている(特許文献2)。また桑の葉を添加した肥満予防、便通改善によい健康飲食品も開発されている(特許文献3)。
【0005】
しかしながら、これらの植物類の破砕物を含有した液状食品または粉末飲料は、植物類の強固な繊維組織に由来する不溶性固形分が少なからず含まれており、これらの成分が沈殿あるいは溶液から分離することから、喉越しが悪く、またこれらの植物のもつ苦みや青臭みなどから嗜好性が劣っており、摂取に抵抗を感じている人も少なくない。この点を改善し、嗜好性を高めるために様々な方法がとられている。例えば、野菜の搾汁を酵素処理した後、多孔性合成吸着樹脂で接触処理する方法(特許文献4)、野菜汁に有機酸を添加した後、弱塩基性陰イオン交換樹脂で処理する方法(特許文献5)、脂肪酸ジグリセリドの添加により苦み、臭気を低減化する方法(特許文献6)、臭気のマスキング剤としてエリスリトールを使用する方法(特許文献7)、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維の添加により、風味を改善する方法(特許文献8)、アルギン酸等の水溶性酸性多糖類と、糖アルコールの添加により苦み、渋味、収斂味を改善する方法(特許文献9)、トレハロースの添加により異味、異臭を低減化させる方法(特許文献10)、微細セルロースを含有させることにより不溶成分の沈降を抑制する方法(特許文献11)等が知られている。
【0006】
しかしながら、樹脂への吸着や酵素での処理方法は、効果は高いものの、設備化が必要であり、経済性が高くより安全な方法が求められる。また脂肪酸ジグリセリド、エリスリトール等の添加により風味を改善する方法においては、比較的多量の添加を必要とするばかりか、それでも十分満足する結果は得られていないのが現状である。セルロースによる不溶成分の沈降抑制方法は、比重調整という意味で有効であるが、根本的な呈味の改善効果は期待できない。また、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維、アルギン酸等の水溶性多糖類、トレハロースなどを使用しても、その効果は不十分であった。
【0007】
一方、植物類に含まれる有用な微量成分としてβグルカンが重要であることが認識されつつある。特に水溶性のβグルカンは、近年その優れた生体調節機能性、例えば、脂質代謝改善作用、整腸作用、血糖値上昇抑制等が解析され、利用が注目されている成分である。このような有用成分がより多く含まれる植物類を材料とした飲食品は、健康維持にいっそうの高い効果が期待される。このβグルカンの液状飲食品への応用が提案されている(特許文献12)。しかし、この提案はイネ科植物から抽出されたβグルカンを飲食品の品質低下なく摂取するものであり、βグルカンによる飲料の呈味改善や沈降防止効果を示唆するものではなく、その対象も青汁等の飲みにくい飲料に対するものではなかった。
【0008】
【特許文献1】特開2002−51753号公報
【特許文献2】特開2003−159029号公報
【特許文献3】特開2000−281583号公報
【特許文献4】特開平10−313834号公報
【特許文献5】特開平8−242826号公報
【特許文献6】特開平7−51034号公報
【特許文献7】特開平9−224588号公報
【特許文献8】特開2002−78469号公報
【特許文献9】特開2003−116496号公報
【特許文献10】特開2000−116362号公報
【特許文献11】特開平10−28565号公報
【特許文献12】特開2002−306124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、呈味や食感が改善され、成分の沈降がなく、飲みやすい、健康維持に有用な、食用または薬用植物を含有する飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、βグルカンを食用または薬用植物を含有する飲料に添加することにより、呈味や食感が改善され、成分の沈降が防止されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、βグルカンを添加したことを特徴とする、食用または薬用植物を含有する飲料を提供するものである。
【0012】
また本発明は、食用または薬用植物が、野菜または果物である前記飲料を提供するものである。
【0013】
また本発明は、食用または薬用植物が、アブラナ科植物、イネ科植物、セリ科植物、クワ科植物の一種または二種以上である前記飲料を提供するものである。
【0014】
また本発明は、βグルカンからなる、食用または薬用植物を含有する飲料用呈味改善剤を提供するものである。
【0015】
また本発明は、βグルカンからなる、食用または薬用植物を含有する飲料用沈降防止剤を提供するものである。
【0016】
また本発明は、βグルカンを用いて、食用または薬用植物を含有する飲料の呈味を改善する方法を提供するものである。
【0017】
また本発明は、βグルカンを用いて、食用または薬用植物を含有する飲料の沈降を防止する方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果は、βグルカンを添加することにより、呈味や食感が改善され、沈降が防止された、食用または薬用植物を含有する飲料が得られることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう、βグルカンは多糖類の一種であり、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合のうちの少なくとも2種類以上の結合を有し、穀物由来のβグルカン、微生物類由来のβグルカン、担子菌類由来のβグルカンの群から選ばれる一種又は二種以上が好ましい例として挙げられる。
【0020】
穀物由来のβグルカンについて説明すると、穀物としては、イネ科植物が好ましい。イネ科植物の例としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等の穀類を挙げることができる。特にこれらイネ科植物から抽出によって得られたβグルカンが好ましい。本発明では、この抽出によって得られたβグルカンを抽出βグルカンともいう。
【0021】
このイネ科植物から抽出されたβグルカンは、その抽出方法に特に制限はなく、抽出原料となるイネ科植物に、抽出溶媒を添加し抽出すればよい。また、固液分離された場合の抽出液そのもの、あるいは、抽出液より公知の方法で抽出されたβグルカンを濃縮した液体や固体状のもの、あるいは、抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、いずれの製造方法で得たものでも、いずれの形態のものでも、いずれの純度のものでも使用可能である。もちろんβグルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用してもよい。本発明では、これらを全てイネ科植物から抽出されたβグルカンという。
【0022】
抽出には、植物全体を原料とできるが、βグルカンの含有量の比較的高い種子を用いるのが好ましい。全体を粉砕したもの(全粒粉)をはじめ、穀類の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽、胚乳部位のいずれを用いてもよい。好ましくは大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠、米糠、小麦やトウモロコシ類のフスマや胚芽等であり、更に好ましくは大麦類やオーツ麦類の全粒粉や穀粒を外周部より搗精した胚乳部分やその際発生する糠である。
【0023】
また、イネ科植物から抽出されたβグルカンは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合を少なくとも2種類以上有するβグルカンが好ましく、1−3,1−4−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカンを含有することが好ましい。
【0024】
βグルカンのイネ科植物からの抽出方法を説明すると、イネ科植物中のβグルカンは、水溶性高分子として水溶液として溶解させることができ、例えばイネ科植物の穀類粉末に水、温水、熱水あるいは塩溶液、更には酸、アルカリ性の水溶液、有機溶媒等を用いて、対粉2〜100倍量の溶媒にて任意の時間、任意の温度で抽出することができる。更に抽出液を固液分離してβグルカンを得ることができる。これらの中でも、水、温水又は熱水で抽出されたβグルカンが好ましく、温度80℃以下4℃以上の温水で抽出されたβグルカンがより好ましい。更に抽出時に抽出促進剤等を加えてもよい。
【0025】
具体的には、大麦から高分子量のβグルカンを得る方法としては、例えば、多ろう質大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(特公平4−11197号公報)、あるいは、大麦、オーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和、アルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜100万のβグルカンを得る方法(特公平6−83652号公報)、搗精歩留まり82%以下の大麦糠類を原料として、80〜90℃の熱水にてβグルカンを抽出する方法(特開平11−225706号公報)等で得られたβグルカン、またこれらの製造方法で得られたβグルカンを更に公知の方法で低分子化βグルカンとしたもの。例えば低分子化の方法としては、公知である多糖類の加水分解反応のいずれもが利用可能である。例えば、水溶性多糖類は、酸存在下に加圧加熱により加水分解することが知られており、これを利用して低分子化することができる。また、酵素による加水分解反応を利用した低分子化も有効で、酵素としては、1,3−βグルカナーゼ等を用いることができる。更にまた、WO98/13056号公報、特開2002−97203号公報等の方法により、原料穀物から直接抽出して得たβグルカンも用いることができる。また、特開2002−105103号公報に記載の抽出促進剤等を使用してもよい。
【0026】
本発明に用いられる穀物由来のβグルカンは、高分子体で、いずれの重量平均分子量を持つβグルカンも使用可能であるが、分子量の低下と共に水溶性が増すため、分子量300万以下、好ましくは50万以下、更に好ましくは10万以下のものがよい。例えばイネ科植物から抽出して得たβグルカンは、水溶性が良くなるように、公知の方法で低分子化してもよく、直接低分子量のβグルカンを抽出してもよい。
【0027】
次に、本発明で用いられる上記微生物類由来のβグルカンについて説明する。
微生物類は、細胞自身がその細胞壁に多量のβグルカンを含有しているので、微生物類由来のβグルカンとしては、微生物類をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま、また該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いることができる。また、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは該抽出βグルカンを精製したもののいずれも用いることができる。また、微生物類を培養することによって菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、その場合は、培養終了後の培養液をそのまま、あるいは培養液から単離・精製されたβグルカンを用いることができる。
【0028】
これらのうち、微生物類をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま使用した場合、細胞内容物が、食用または薬用植物を含有する飲料の品質低下を引き起こす惧れがあるので、該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いるのが好ましく、さらに、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのがさらに好ましく、さらに、菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは培養液から精製したものを用いるのが最も好ましい。
【0029】
上記βグルカンを得るのに適した微生物類は、従来より食用に供せられている微生物類が安全性が高く適している。即ち、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌、麹菌、クロレラやスピルリナ等の藻類、アウレオバシジウム(Aureobasidium)属に属する微生物等である。これらは、環境中(例えば食品、土壌、室内等)より分離された当該微生物を用いることができる。また、単菌分離された保存株あるいは分離株、さらにはそれらを常法に従い変異操作を実施した変異株を用いることができる。変異操作の例としては、例えばUV照射、あるいはニトロソグアニジン、エチジウムブロマイド、メタンスルホン酸エチル、亜硝酸ナトリウム等による化学処理等が挙げられる。
【0030】
上記酵母菌としては、ビール、発泡酒、焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキー等のアルコール醸造や製パン工程で使用されるサッカロマイセス(Saccharomyces)属に分類される酵母類で、例えば、サッカロマイセスセレビシエ(S.cerevisiae)、サッカロマイセスサケ(S.sake)、サッカロマイセスロゼイ(S.rosei)、その他、サッカロマイセスルキシ−(S.rouxii)、サッカロマイセスビスポラス(S.bisporus)、サッカロマイセスバイリ(S.baillii)、サッカロマイセスバヤナス(S.bayanus)、サッカロマイセスカペニシス(S.capenisis)などや、シゾサッカロマイセス(Syzosaccharomyces)属、例えば、シゾサッカロマイセスポンベ(S.pombe)、トルロプシス(Torulopsis)属、例えば、トルロプシスエトケルシ(T.etchelsii)、トルロプシスベルサチルス(T.versatilis)、トルロプシスホルミ(T.holmii)や、ハンゼニアスポラ(Hanseniaspora)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、例えば、ハンゼヌラスブペリクローサ(H. subpelliculosa)、デバリオマイセス(Debaryomyces)属、例えば、デバリオマイセスハンセニ(D.hansenii)、サッカロマイコプシス(Saccharomycopsis)属、例えば、サッカロマイコプシスフィブリゲラ(S.fibuligera)、サッカロマイコデス(Saccharomycodes)属、ピヒア(Pichia)属、パキィソレン(Pachysolen)属、微生物タンパク質生産に使用されるキャンディダ(Candida) 属の酵母菌等が挙げられ、例えば、キャンディダユチリス(C.utilis)、キャンディダミレリ(C.milleri)、キャンディダトロピカリス(C.tropicalis)、キャンディダマルトーサ(C.maltosa)、キャンディダリポリティカ(C.lipolytica)である。その他、ロドトルラ属の酵母である。
【0031】
上記乳酸菌としては、桿菌のラクトバシラス(Lactobacillus)属やビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、球菌のロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌が通常使用されるが、その他、エンテロコッカス(Enterococcus)属、バゴコッカス(Vagococcus)属、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属、アエロコッカス(Aerococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属の乳酸菌を利用することができる。具体的な乳酸菌株としては、ラクトバシルスブルガリス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシルスヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバシルスアシドフィルス(L.acidophilus)、ラクトバシルスラクティス(L.lactis)、ラクトバシルスカゼイ(L.casei)、ラクトバシルスブレビス(L.brevis)、ラクトバシルスプランタラム(L.plantarum)、ラクトバシルスサケ(L.sake)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカスラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカスクレモリス(S.cremoris)、ビィフィドバクテリウムロンガム(Bifidobacterium longum)、ビィフィドバクテリウムビィフィダム(B.bifidum)、ビィフィドバクテリウムブレーベ(B.breve)、ビィフィドバクテリウムインファンティス(B.infantis)、ロイコノストッククレモリス(Leuconostoc cremoris)、ロイコノストックメセンテロイデス(Ln.mesenteroides)、ロイコノストックオクノス(Ln.ocnos)、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、ペディオコッカスセレビシエ(P.cerevisiae)、ペディオコッカスペントサセウス(P.pentosaceus)等の従来使用されている乳酸菌の1種類または2種類以上を使用できる。これらは単品で使用してもよく、2種類以上を共生させてもよい。また、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の乳酸菌の培養とその他の乳酸菌の培養とを別々に行い、これらを混合してもよい。
【0032】
上記アウレオバシジウム(Aureobasidium)属に属する微生物としては、当該微生物を培養することによって菌体外にβ結合を有するグルコース重合体を生産する菌株であるならばいずれでもよく、その例としてはアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)の菌株であり、具体的にはIFO4464、IFO4466、IFO6353、IFO7757、ATCC9348、ATCC3092、ATCC42023、ATCC433023、FERM BP-8391等を用いることができる。その他、環境中(例えば食品、土壌、室内等)により分離された当該微生物を用いることができる。また、単菌分離された保存株あるいは分離株、さらにはそれらを常法に従い変異操作を実施した変異株を用いることができる。変異操作の例としては、例えばUV照射、あるいはニトロソグアニジン、エチジウムブロマイド、メタンスルホン酸エチル、亜硝酸ナトリウム等による化学処理等が挙げられる。
【0033】
その他、納豆菌であるバシルス(Bacillus)属の菌株、酢酸菌であるアセトバクター(Acetobactor)属の菌株、麹菌類であるアスペルギルス(Aspergillus)属やペニシリウム(Penicillium)属の菌株、クロレラやスピルリナ等の藻類、乾燥クロレラ粉末、プルランを菌体外に分泌生産することが知られているアウレオバシジウム(Aureobasidium)属の菌株、その他食品添加物として使用される増粘多糖類を生産することが知られているキサントモナス(Xanthomonas)属、アエロモナス(Aeromonas)属、アゾトバクター(Azotobactor)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、エルウィナ(Erwinia)属、エンテロバクター(Enterobactor)属、スクレロティウム(Sclerotium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、マクロホモプシス(Macrophomopsis)属の菌株を用いることができる。
【0034】
次に、本発明で用いられる上記担子菌類由来のβグルカンについて説明する。
担子菌類は、子実体や菌糸が塊状に集合した菌核に多量のβグルカンを含有しているので、子実体や菌核を微粉砕したもの、あるいは粉砕物から抽出された抽出物、あるいは抽出物からβグルカンを精製したもの等、いずれのものも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、担子菌類の胞子を発芽させ、菌糸体をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま、また該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いることができる。また、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは該抽出βグルカンを精製したもののいずれも担子菌類由来のβグルカンとして用いることができる。また、担子菌類を培養することによって菌体外に分泌生産されたβグルカンを利用することも可能であり、その場合は、培養終了後の培養液をそのまま、あるいは培養液から分離・精製されたβグルカンを担子菌由来のβグルカンとして用いることができる。
【0035】
これらのうち、子実体や菌核を微破砕したものをそのまま、胞子や菌糸体をそれぞれの増殖培地に接種し菌体を増殖させることで得られる培養細胞をそのまま使用した場合は、細胞内容物が、食用または薬用植物を含有する飲料の品質低下を引き起こす惧れがあるので、該培養細胞を破砕し内容物を除去して得られた培養細胞壁残査を用いるのが好ましく、さらに、上記培養細胞または上記培養細胞壁残査より抽出されたβグルカンをそのまま、あるいは精製して用いるのがさらに好ましく、さらに、菌体外に分泌生産されたβグルカンを培養液とともに、あるいは培養液から精製したものを用いるのが最も好ましい。
【0036】
担子菌類としては栽培品種が最も好ましいが、商業生産に供せられていない担子菌類からのβグルカンも本発明に利用することができる。例としては、アガリクス・ブラゼイ、アミガサタケ、アミタケ、エゾハリタケ、エノキタケ、カンゾウタケ、キクラゲ、キヌガサタケ、クリタケ、サケツバタケ、ササクレヒトヨタケ、サンゴハリタケ、シイタケ、ショウロ、シロキクラゲ、シロタモギタケ、スギヒラタケ、タモギタケ、チョレイマイタケ、ツバヒラタケ、冬中夏草、ナメコ、ナラタケ、ナラタケモドキ、ニオウシメジ、ニカワウロコタケ、ニカワハリタケ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ハツタケ、ヒラタケ、ブクリョウ、フクロタケ、ブナシメジ、ブナハリタケ、ホンシメジ、マイタケ、マスタケ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マンネンタケ、ムキタケ、ムラサキシメジ、ヤマドリタケ、ヤマブシタケ、ヤナギマツタケ、ハナビラタケ、メシマコブ等が挙げられる。
【0037】
上記の微生物類や担子菌類の培養細胞壁残査をβグルカンとして単離する方法としては、培養した微生物類や培養した菌糸体あるいは栽培した菌核や子実体に適当量の溶媒を加え、自己消化あるいは加水分解酵素の添加により細胞壁の一部を破壊し内容物を流去させて、残査成分を回収することで培養細胞壁残査をβグルカンとして単離する方法が挙げられる。また、フレンチプレスや超音波破砕機等の物理的力により微生物類や担子菌類の細胞にダメージを与え一部を破壊し、内容物を除去し、残査を回収することでβグルカンとして得る方法もある。
【0038】
βグルカンの抽出方法は、特に制限はなく、抽出原料となる微生物類または担子菌類に、抽出溶媒を添加し抽出すればよい。抽出溶媒は、水、塩溶液、酸水溶液、アルカリ水溶液、有機性溶媒等の一種または二種以上の混合溶媒等を用いることができる。また、細胞壁を分解する酵素を併用することで抽出効率を高めることができる。抽出物は、固液分離された場合の抽出液そのもの、あるいは抽出液より公知の方法で抽出されたβグルカンを濃縮した液体や固体状のもの、あるいは抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、いずれの製造方法で得たものでも、いずれの形態のものでも、いずれの純度のものでも使用可能である。もちろんβグルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用することも可能である。本発明では、これら全てを微生物類または担子菌類から抽出されたβグルカンという。
【0039】
さらに、βグルカンの微生物類または担子菌類からの抽出方法を説明すると、本発明で用いられるβグルカンは、水溶性高分子として水等の溶媒に溶解させることができ、例えば担子菌である一般に市販されているキノコを乾燥させ、粉砕した粉末に、水、温水、熱水あるいは塩溶液、さらには酸、アルカリ性の水溶液、有機溶媒等を用いて、対粉2〜100倍量の溶媒にて任意の時間、任意の温度で抽出することができる。さらに抽出液を固液分離してβグルカンを得ることができる。これらの中でも、水、温水または熱水で抽出されたβグルカンが好ましく、温度90℃以下4℃以上の水で抽出されたβグルカンがより好ましい。さらに抽出時に酵素溶液等の抽出促進剤等を加えてもよい。
【0040】
本発明に用いられるβグルカンは、1−2−β−D−グルコピラノース結合、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合、1−6−β−D−グルコピラノース結合を少なくとも2種類以上有するβグルカンが好ましく、特に1−3−β−D−グルコピラノース結合および1−4−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合および1−6−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカン、1−3−β−D−グルコピラノース結合、1−4−β−D−グルコピラノース結合および1−6−β−D−グルコピラノース結合よりなるβグルカンを含有することが好ましい。
【0041】
なお、微生物類または担子菌類からの抽出液を精製を行わずそのまま、あるいは該抽出液を粉体化、固体化処理のみを行なったものをそのまま使用する場合、該成分中のβグルカンの純度は、1〜100%、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは20〜100%であれば良く、高純度であればある程良い。
【0042】
本発明に用いられる微生物類または担子菌類由来のβグルカンは、高分子体で、いずれの重量平均分子量を持つβグルカンも使用可能であるが、分子量の低下と共に水溶性が増すため、分子量300万以下、好ましくは50万以下、更に好ましくは10万以下のものがよい。例えば微生物類または担子菌類から抽出して得たβグルカンは、水溶性が良くなるように、公知の方法で低分子化してもよく、直接低分子量のβグルカンを抽出してもよい。
【0043】
本発明でβグルカンを添加される飲料は、食用または薬用の植物を含有する。本発明でいう食用または薬用の植物とは、食用、薬用、嗜好用に用いられる植物のことをいい、葉、茎、実等、植物のいずれかの部位、いずれかの成分を含有する飲料であればよい。
【0044】
植物の例としては、野菜、果物、茶葉、薬用植物などがあげられる。野菜または果物の具体的な例としては、ケール等のアブラナ科植物、大麦の若葉等のイネ科植物、セロリ、パセリ、ニンジン等のセリ科植物、クワの葉等のクワ科植物、アロエ、アスパラガス、ネギ、タマネギ等のユリ科植物、ホウレン草等のアカザ科植物、ニガウリ、胡瓜等のウリ科植物、シソ等のシソ科植物、シュンギク、レタス等のキク科植物、ニワトコ等のスイカズラ科植物、ハコベ等のナデシコ科植物、ヨモギ等のキク科植物、ショウガ等のショウガ科植物、トマト、ピーマン、トウガラシ等のナス科植物、キャベツ、ブロコッリー、カブ、白菜、芽キャベツ、大根、大根の葉、カリフラワー、クレソン等のアブラナ科植物、センブリ等のリンドウ科植物、大豆、グリーンピース、そら豆等の豆類、リンゴ、ブドウ、モモ、ウメ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘類、茶葉、ウーロン茶葉、紅茶葉等の一種または二種以上があげられ、アブラナ科植物、イネ科植物、セリ科植物、クワ科植物が好ましい。これらの製品形態としては、野菜ジュース、野菜スープ、青汁、野菜汁、果汁、果汁飲料、野菜汁飲料、健康飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、清涼飲料、ダイエット飲料、スポーツドリンク、薬用飲料、栄養飲料、ミネラル飲料、茶、麦茶、ウーロン茶、紅茶、あるいは上記植物類の搾汁液、抽出液、粉末ジュースなどがあげられ、液体状、流動状であればよく、乾燥、凍結乾燥などしたもので、水やお湯、食用アルコールなどの食用の溶媒を加えて液状にして飲食する粉末状の形態のものでもよい。
【0045】
特に本発明は、苦味、青臭さ、生臭さなどが感じられる植物成分を含有するものに好適に用いられ、さらに植物成分が沈降しやすいものに好適に用いられる。具体的にはケール、大麦の若葉、セロリ、くわの葉などの搾汁液や、いわゆる青汁が好ましい。
【0046】
本発明で、飲料に対するβグルカンの添加量は、特に制限はないが、飲料全量に対し、純分として0.001〜50重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。0.001重量%以下だと効果が必ずしも十分といえず、50重量%を超えて添加すると増粘により喉越しが悪くなる場合がある。
【0047】
本発明で用いられる野菜汁、青汁などの食用または薬用植物を含有する飲料の調製方法は、いずれの方法においても実施することが出来る。例えば、植物体をそのまま適当量の熱水で茹で破砕、搾汁したもの、またはそのゆで汁、そのまま破砕した懸濁液、植物体を粉砕し、水や温水を混合してスラリー状としたもの、一方市販の青汁粉末を希釈したものなどいずれの方法でもいずれの装置を用いて調製してもよい。
【0048】
このようにして得られた野菜汁、青汁等は、必要によって任意成分の添加やpH調整を行うことも可能である。
【0049】
添加されうる任意成分としては、甘味、酸味、着香、保存の目的として砂糖、ブドウ糖、果糖、はちみつ等の糖類、ソルビット、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖等のオリゴ糖類、アルギン酸ナトリウム、レモン果汁、オレンジ果汁、加糖練乳、抹茶、クエン酸、アスコルビン酸、香料、栄養成分強化の目的として、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、イヌリン等の水溶性食物繊維、水溶性多糖類、カルシウム、ローヤルゼリー、安定剤としてペクチン、大豆多糖類、カラギーナン、その他、各種食用界面活性剤、pH調整剤、着色料、エタノール、水などがあげられる。
【0050】
βグルカンを単独で、あるいは上記の任意成分を加えて、食用または薬用植物を含有する飲料の呈味改善剤または沈降防止剤として使用できる。
【0051】
βグルカンの添加形態は、粉末でもあるいは水に溶解させてから添加してもよい。また、粉末状野菜汁など、飲用時に水を加えるタイプのものには、あらかじめ粉末にβグルカンを添加していてもよい。
【0052】
添加したβグルカン含有量の測定は、βグルカンを特異的に測定可能ないかなる方法を用いることが出来、例えばAOAC995.16法、AACC32-32法などがある。
【0053】
また、植物類によっては、その搾汁液、ジュースまたは抽出液に元来βグルカンを含有しているものもあるが、食用または薬用植物類を含有する飲料の形態において、そのβグルカン量を測定した結果、飲料中に元来含まれるβグルカン量は非常に微量もしくはほとんど検出されないレベルにあり、本発明のようにβグルカンを添加しないと呈味の改善や沈降の防止はできないことが判明した。
【実施例】
【0054】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、「部」及び「%」は特記しない限り重量基準である。
【0055】
<試験例−1>βグルカン含有量の測定方法
βグルカンの分析は、メガザイム社のβグルカン測定キットを用いて、McCleary法(酵素法)にて行った。まず、測定サンプルが粉体の場合、500μm(30メッシュ)のふるいにかけ、水分含量を測定し、その100mgを17mlチューブに取り、50%エタノール溶液を200μl加え、分散させた。次に4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5)を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温した。よく混合し、更に2分間、湯浴中で加熱した。50℃に冷却後、5分間放置してから、各チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、1時間、50℃にて反応させた。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、5ml加えて、静かに混合した。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得た。100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシターゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間、反応させた。3mlのグルコースオキシターゼ/ベルオキシターゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定した。βグルカン含有量は、次式により求めた。
【0056】
βglucan(%,W/W)=(EA)×(F/W)×8.46
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度)
W=算出された無水物重量(mg)
【0057】
また、測定サンプルがβグルカンを抽出した抽出液(液体)の場合は、以下のように抽出物(固体あるいは粉末)としてから含有量を測定した。すなわち、βグルカン抽出液に2倍量のエタノールを添加しよく混合してから遠心分離にて沈殿を回収し、よく乾燥させ粉砕し、βグルカン抽出物(固体)とした。βグルカン抽出物は、水分含有量を測定後、メガザイム社のβグルカン測定キットを用いて、McCleary法(酵素法)にて分析した。各沈殿サンプル50mgを17mlチューブに取り、50%エタノール溶液を200μl加え、分散させた。その後は上記と同様に測定した。
【0058】
<実験例−1>各種野菜ジュース、青汁、麦茶中のβグルカン含有量の測定
各種野菜ジュース、青汁、麦茶中に存在するβグルカン量を測定した。結果を表1に示す。これにより、市販の野菜ジュース、青汁、麦茶等にはβグルカンがほとんど含有されていないことがわかった。
【0059】
【表1】


【0060】
〔製造例1〕(大麦βグルカンの調製)
もち性裸大麦を研削式搗精機により削り、歩留まり82%まで精麦した。このとき発生した糠を糠−1とした。歩留まり82%まで精麦した大麦は、さらに研削式搗精機により削り、歩留まり55%まで精麦した。このとき発生した糠を粉砕物−1とした。容器(50L)に水道水20Lを加え、撹拌しながら、15℃に調温した。これに糠−1の6kgを加え、2時間撹拌抽出し、連続遠心機にて固液分離後、上清を凍結乾燥し、抽出促進剤450gを得た。容器(70L)に水道水30Lを加え、撹拌しながら、上記抽出促進剤を150g加え、溶解後、上記粉砕物−1の7.5kgを加えた。2時間、50℃で撹拌抽出してから連続遠心機にて固液分離後、上清を得た。得られた上清を煮沸し、冷却後に15Lの僅かに粘調なβグルカン液を得た。得られたβグルカン液に2倍量のエタノールを加えて沈殿を回収、乾燥させて、大麦から抽出された水溶性βグルカン460gを得た(サンプルA)。サンプルAの重量平均分子量は10万であった。
【0061】
〔製造例2〕(微生物菌体外産生βグルカンの調製)
寄託番号FERM BP-8391のアウレオバシジウムプルランス(Aureobasidium pullulans)菌株であるADK-34株を、ポテトデキストロース寒天斜面培地で培養して保存菌株とし、YM液体培地(ディフコ社製)100mlを入れた500ml容三角フラスコに接種して、28℃にて3日間前培養した。本培養は、フルゾーン翼を搭載した30リットル容発酵槽に、クザペック(Czapeak's) 培地(ディフコ社製)15リットル、得られた前培養物を添加して28℃にて3日間培養した。なお培養中、pHは5.0となるように調整し、通気は1vvmとなるように通気量と回転数をシーケンス制御した。培養液15リットルを90℃にて30分間加熱殺菌した後、等量の水を加えてから遠心分離によって菌体を除去し、得られた培養上清をそのままUF膜分離装置(UFP−10C−8A、アマシャムバイオサイエンス社製)に循環させ脱塩した。脱塩後の培養上清を凍結乾燥して110gの水溶性βグルカンの凍結乾燥物を得た(Aureobasidium 培養物:サンプルB)。サンプルBの重量平均分子量は200万であった。
【0062】
〔実施例1−1〕
ケール葉、大麦の若葉、セロリを95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、ミキサーで破砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。得られた搾汁に、サンプルA0.5重量%加え、攪拌機で混合し、飲料を得た。
【0063】
〔実施例1−2〕
大麦から抽出された水溶性βグルカン(サンプルA)の代わりに、サンプルBを使用した以外は、実施例1−1と同様にして飲料を得た。
【0064】
〔実施例2−1〕
ケール葉、大麦の若葉、セロリを95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、ミキサーで破砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。得られた搾汁に市販大麦βグルカン(メガザイム社製 High viscosity 100cSt、m.Wt 327,000)を1重量%加え、攪拌機で混合し、飲料を得た。
【0065】
〔実施例2−2〕
市販大麦βグルカンの代わりに、サンプルBをセルラーゼ(ヤクルト薬品社製)にて酵素処理した重量平均分子量20万以下の水溶性βグルカンを使用した以外は、実施例2−1と同様にして飲料を得た。
【0066】
〔実施例3−1〕
ケール葉、大麦の若葉、セロリを95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、ミキサーで破砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。得られた搾汁にサンプルAを3重量%加え、攪拌機で混合し、飲料を得た。
【0067】
〔実施例3−2〕
大麦から抽出された水溶性βグルカン(サンプルA)の代わりに、サンプルBの水溶性βグルカンを使用した以外は、実施例3−1と同様にして飲料を得た。
【0068】
〔実施例4−1〕
大麦の若葉、くわの葉を95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、冷却、脱水し、水分含量が10重量%以下となるように乾燥機中で60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度に粉砕して青汁粉末を得た。
得られた粉末3gに市販オーツ麦βグルカン(メガザイム社製 Medium viscosity 20〜30cSt)を0.5g加え、100mlの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0069】
〔実施例4−2〕
市販オーツ麦βグルカンβグルカンの代わりに、サンプルBをセルラーゼ(ヤクルト薬品社製)にて酵素処理した重量平均分子量40万以下の水溶性βグルカンを使用した以外は、実施例4−1と同様にして飲料を得た。
【0070】
〔実施例5−1〕
大麦の若葉、くわの葉を95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、冷却、脱水し、水分含量が10重量%以下となるように乾燥機中で60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度に粉砕して青汁粉末を得た。得られた粉末3gにサンプルAを1g加え、100mlの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0071】
〔実施例5−2〕
大麦から抽出された水溶性βグルカン(サンプルA)の代わりに、サンプルBを使用した以外は、実施例5−1と同様にして飲料を得た。
【0072】
〔実施例6−1〕
大麦の若葉、くわの葉を95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、冷却、脱水し、水分含量が10重量%以下となるように乾燥機中で60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度に粉砕して青汁粉末を得た。
得られた粉末3gに市販大麦βグルカン(メガザイム社製 High viscosity 100cSt、m.Wt 327,000)を3g加え、100mlLの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0073】
〔実施例6−2〕
市販大麦βグルカンの代わりに、サンプルBをセルラーゼ(ヤクルト薬品社製)にて酵素処理した重量平均分子量20万以下の水溶性βグルカンを使用した以外は、実施例6−1と同様にして飲料を得た。
【0074】
〔実施例7−1〕
市販されている粉末状青汁に、サンプルAを3g加え、冷水100mlを注いで攪拌、混合し、飲料を得た。
【0075】
〔実施例7−2〕
大麦から抽出された水溶性βグルカン(サンプルA)の代わりに、サンプルBを使用した以外は、実施例7−1と同様にして飲料を得た。
【0076】
〔比較例1〕
ケール葉、大麦の若葉、セロリを95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、ミキサーで破砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。
【0077】
〔比較例2〕
ケール葉、大麦の若葉、セロリを95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、ミキサーで破砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。得られた搾汁に難消化性デキストリンを3重量%加え、攪拌機で混合し、飲料を得た。
【0078】
〔比較例3〕
ケール葉、大麦の若葉、セロリを95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、ミキサーで破砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾汁を得た。得られた搾汁にポリデキストロースを3重量%濃度加え、攪拌機で混合し、飲料を得た。
【0079】
〔比較例4〕
大麦の若葉、くわの葉を95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、冷却、脱水し、水分含量が10重量%以下となるように乾燥機中で60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度に粉砕して青汁粉末を得た。
得られた粉末3gに100mlの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0080】
〔比較例5〕
大麦の若葉、くわの葉を95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、冷却、脱水し、水分含量が10重量%以下となるように乾燥機中で60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度に粉砕して青汁粉末を得た。
得られた粉末3gに難消化性デキストリンを3g加え、100mlLの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0081】
〔比較例6〕
大麦の若葉、くわの葉を95℃以上の熱水でブランチングの処理をした後、冷却、脱水し、水分含量が10重量%以下となるように乾燥機中で60℃にて6時間乾燥した。これを石臼で粉砕して200メッシュを90%が通過する程度に粉砕して青汁粉末を得た。
得られた粉末3gにポリデキストロースを3g加え、100mlの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0082】
〔比較例7〕
実施例13で使用した市販されている粉末状青汁に100mlの冷水を注いで撹拌、混合し、飲料を得た。
【0083】
〔評価〕
上記実施例、比較例で得られた飲料について、下記の評価基準で、風味試験と沈降度試験を行ない評価した。結果は表2に示す。
【0084】
<風味試験評価基準>
飲料の風味評価を10名で行い、以下の4段階で10名の平均点により評価した。
青臭さ、えぐ味は感じられない・・・4点
青臭さ、えぐ味を僅かに感じる・・・3点
青臭さ、えぐ味をやや感じる・・・2点
青臭さ、えぐ味を感じる・・・1点
【0085】
<沈降度評価基準>
飲料を100mlの目盛り付き試験管に取り、室温にて、30分後と60分後の各飲料の沈降程度を目視検査により観察した。
【0086】
【表2】



【出願人】 【識別番号】000000387
【氏名又は名称】旭電化工業株式会社
【住所又は居所】東京都荒川区東尾久7丁目2番35号
【出願日】 平成15年8月28日(2003.8.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−73508(P2005−73508A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−304232(P2003−304232)