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【発明の名称】 機能性水
【発明者】 【氏名】坂 本 ひ と み
【住所又は居所】長崎県西彼杵郡長与町岡郷536番地 有限会社すずらん内

【要約】 【課題】食品の表面に塗布するだけで、その食品の変質、腐敗を効果的に防止することを可能にする。

【解決手段】水素ガスで飽和させた還元性水素水にキトサンを混合して機能性水とし、これで食品を処理することにより、その保存性を向上させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素ガスで飽和させた還元性水素水にキトサンを混合してなることを特徴とする機能性水。
【請求項2】
前記還元性水素水に対してキトサンが1〜3重量%の範囲で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の機能性水。
【請求項3】
キトサンとともに10〜20重量%の範囲で乳酸を含有していることを特徴とする請求項2に記載の機能性水。
【請求項4】
キトサン及び乳酸とともに0.1〜0.5重量%の範囲でオリゴ糖を含有していることを特徴とする請求項3に記載の機能性水。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の食品に添加し、あるいは食品加工に調整水として使用することにより、その食品の処理効果を増進する作用を発揮する機能性水に関する。さらに本発明の機能性水は、飲料水として飲用することにより、人体の健康増進にも有用である。
【背景技術】
【0002】
近年の工業の発展に比例して、自然環境の悪化が著しく、とくに水は、人間の生存に不可欠であるにもかかわらず、有毒もしくは有害な成分の混入を回避することが困難になってきており、水道水や井戸水の安全性に対する不安感から、天然の湧水に消毒処理を施した水の消費量が急増している。
【0003】
さらに、時代の要求に応じて種々の食品、食材、食用加工品、食品添加物が開発され、広く使用されるに至っているが、これらの中には人体に種々の好ましくない影響を与えることが懸念されている。
【0004】
中でも鮮魚、野菜、果物等の生鮮食品は、カットのような単純な加工を施したままの状態で食用に供されるために、その鮮度の保持と安全性の確保がとくに重要な問題となる。このような問題を回避するために、例えば鮮魚については、水揚げされた魚類の鮮度を保つために、ある種の処理液に漬け込んで各地に配送されている。しかしながら、処理液には人体に悪影響を及ぼす成分が含有されていることが多いので、その使用が制限もしくは禁止される傾向にある。
【0005】
このような実情から、還元性の水を使用することが提案されている(例えば特許第2890342号)。この特許発明は、真空下で脱気し且つ水素ガスを飽和状態にまで通気した液体からなる還元性水素水に係るもので、この還元性水素水は、食品等の劣化の原因である酸化を防止する効果があるとされている。
【特許文献1】特許第2890342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、上記特許発明に係る還元性水素水では、食品等の劣化の原因である酸化をある程度は遅らせる効果はあるが、その効果は顕著でないということである。したがって本発明の目的は、種々の食品に添加し、あるいは食品加工に調整水として使用することにより、その食品の処理効果を増進する作用を発揮する機能性水を提供することである。 さらに本発明の他の目的は、飲料水として飲用することにより、人体の健康増進にも有用な機能性水を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した本発明の機能性水は、水素ガスで飽和させた還元性水素水にキトサンを混合してなることを特徴とする。
請求項2に記載した機能性水は、還元性水素水に対してキトサンが1〜3重量%の範囲で含有されていることを特徴とする。
請求項3に記載した機能性水は、キトサンとともに10〜20重量%の範囲で乳酸を含有していることを特徴とする。
さらに請求項4に記載した機能性水は、キトサン及び乳酸とともに0.1〜0.5重量%の範囲でオリゴ糖を含有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の機能性水は、種々の食品に添加し、あるいは食品加工に調整水として使用することにより、その食品の処理効果を増進する作用を発揮するという効果が発生する。
さらに本発明の機能性水は、飲料水としてそのまま飲用することにより、人体の健康増進に寄与するという効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、減圧下で脱気し、水素ガスで飽和させた還元性水素水にキトサンを混合してなることを特徴とする。
還元性水素水は、どのような方法で得られたものでもよいが、前述の特許第2890342号明細書に開示されているような装置を用いて得られたものを使用することができる。
【0010】
還元性水素水の還元性の度合いはEh値で表される。水の還元処理によるEhレベルは、還元性水素水の製造時における水素の溶解量とも関連し、また水の流量と水素の流量との比率、及び気泡の破断状態に応じてある程度自由に調整することが可能である。
【0011】
還元性水素水の保蔵中における空気中の酸素による還元強度の減衰は、水面が解放状態にある容量約1トンの浴槽内に収容されたEh値−470mVの水の場合、1晩の放置後に−150mV程度まで上昇する。しかし、還元水を容器内に空気と接触しない状態で密閉した場合、Eh値の上昇はほとんど生じない。
なお、自然界のEhレベルについては、通常の水道水は酸化条件で、+300〜+600mVの広い範囲のEh値を示すが、浄水場から遠い地点での水道水は、配管の酸化に伴いEh値が低下している。またカルキの添加によってもEh値が上昇する。
【0012】
また地下水のEh値はこれより低く、+200〜+300mV程度である。河川水は、夏期には微生物の作用により地下水よりやや低下するが、冬季はやや上昇する。水田の田面水も、河川水と同様に微生物の影響により+200〜+300mV程度となり、水田土壌は−340〜−50mVの還元状態である。
さらに最近注目されている市販の活性水素水は、+280〜−50mV程度の幅広い分布を示す。電解還元水は最低で−340mVと低いが、pHが9以上と高く、成分の変化を生じやすいので、食品加工には向かないために、本発明に適用することはできない。
【0013】
本発明において、還元性水素水に添加されるキトサンは、エビ、カニ等の甲殻の構成成分で多糖類であるキチンを脱アセチル化して生成させるグルコサミンの一種で、大腸菌など生鮮物を腐敗させる菌に対する殺菌力が強く、且つ、長く変質することがないから、細菌の増殖を継続的に抑制し、生鮮物を腐敗から保護する作用を有する。一般的な純度のキトサンは市販されているので、1〜3重量%の範囲で添加して利用可能である。
【0014】
またキトサンとともに10〜20重量%の範囲で乳酸を添加することもできる。キトサンの含有量が10重量%未満では効果が認められず、20重量%を超える量の添加による効果は顕著でない。
【0015】
さらにキトサン及び乳酸とともに0.1〜0.5重量%の範囲でオリゴ糖を添加することもできる。オリゴ糖の主な作用は、甘味料としての味覚上の作用のほかに、体内で腸内環境の改善作用である。本発明に利用できるオリゴ糖としては、フラクトオリゴ糖(原料:ショ糖)、大豆オリゴ糖(原料:大豆)、乳果オリゴ糖(原料:ショ糖と砂糖)、ラフィノース(原料:ビート糖蜜)、ガラクトオリゴ糖(原料:乳糖)、及びキシロオリゴ糖(原料:トウモロコシ)が挙げられる。
キトサン、乳酸及びオリゴ糖を含有する機能性水は、乳酸及びオリゴ糖の有する酸味及び甘味により、そのまま飲用するのに好適である。
【実施例】
【0016】
〔実施例1〕
特許第2890342号明細書に開示されている装置を用いて、まず、還元性水素水を準備する。この還元性水素水は、Eh値が約−300mVのものであった。この還元性水素水に対して、約2重量%に相当する量のキトサンを添加し、これを処理水とした。
【0017】
この処理水中に、収穫直後の桃を常温で約1時間浸漬し、ついで引き上げて乾燥した。この浸漬処理した桃を、未処理の桃とともに常温で、7日間放置したのち、通常の方法で食用に供した。複数人のパネラーによる官能味覚テストの結果、処理済みの桃は、収穫直後のものと同等の固さを保持しながら、処理しなかった桃と比較して甘みが増していることが確認された。一方、処理しなかった桃は、腐敗が進んで食用には適さない状態となった。
【0018】
〔実施例2〕
実施例1で用いたのと同じ還元性水素水に、キトサン約1重量%、及び乳酸約12重量%を添加して処理水とした。新鮮なマグロの切り身を半分に分け、これを処理水中に、常温で約10分間浸漬し、ついで引き上げて処理水を拭き取ったのち、約5℃の冷蔵庫中で保存した。また比較のために、マグロの切り身の残りの半分をそのまま冷蔵庫にいれた。
【0019】
3日間の保存後に2種のマグロ切り身を取り出して比較した結果、処理済みの切り身には外観上ほとんど変化が認められず、色も変化なかった。これに対して処理していない切り身は、表面が乾いた状態となり、色は暗褐色に変化していた。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の機能性水は、その中に食品を浸漬する等の手段で食品表面に塗布した状態とすることにより、その食品の変質、腐敗を効果的に防止できるので、多くの食品の保存性を大幅に向上させることが可能である。
【出願人】 【識別番号】503179090
【氏名又は名称】有限会社すずらん
【住所又は居所】長崎県西彼杵郡長与町岡郷536
【出願日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【代理人】 【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所

【公開番号】 特開2005−65620(P2005−65620A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−301595(P2003−301595)