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【発明の名称】 魚油を使用したルウ
【発明者】 【氏名】渡邉 章子

【要約】 【課題】本発明は、従来ルウに使用されることのなかった魚油を加工することにより、特有の呈味、生理活性を有するルウを提供することを目的とする。

【解決手段】魚油を含む油脂、澱粉系原料及び風味原料を含有することを特徴とするルウ、及び該ルウの製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚油を含む油脂、澱粉系原料及び風味原料を含有することを特徴とするルウ。
【請求項2】
ルウ中に含まれる総油脂量100重量%に対し、魚油を5〜40重量%含む請求項1に記載のルウ。
【請求項3】
魚油のヨウ素価が25〜90である請求項2に記載のルウ。
【請求項4】
即席ルウである請求項1〜3のいずれかに記載のルウ。
【請求項5】
魚油を含む油脂と澱粉系原料を加熱混合して調製した小麦粉ルウに、風味原料を加えて混合することを特徴とするルウの製造方法。
【請求項6】
ルウに魚油を添加して呈味を出す方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は特有の呈味、生理活性を有するルウに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に即席ルウは、油脂と小麦粉等の澱粉系原料を100℃以上に加熱混合した小麦粉ルウに調味料、香辛料などの風味原料を加え、冷却固化して製造される。これらの即席ルウに使用される油脂は、豚脂、牛脂、バター、植物油脂(パーム油、大豆油、菜種油、綿実油、ゴマ油、コ−ン油等)及びこれらの混合物等が用いられるが、魚油を使用する事例は無かった。その理由は、魚油の酸化安定性や風味上の問題があり、商品として長期的に品質を保つことが困難であった為である。
【0003】
なお、魚油を配合した油に関しては、多く特許出願されているものの(例えば、特許文献1〜3を参照)、ショ−トニング、マーガリン、製パン用等の油に種類が限定されている。
【特許文献1】特開2002-241785号公報
【特許文献2】特開2002-180083号公報
【特許文献3】特開2000-129285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来ルウに使用されることのなかった魚油を加工することにより、特有の呈味、生理活性を有するルウを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究を積み重ねた結果、原料として、硬化(水素添加)させた魚油、他の油脂、澱粉系原料、風味原料及び他の成分を用い、これらを加熱混合して製造されるルウが上記目的を達成し得ることを見出し、更にこれを発展させて本発明を完成するに到った。
【0006】
即ち、本発明は、以下のルウ及びその製造方法を提供する。
【0007】
項1 魚油を含む油脂、澱粉系原料及び風味原料を含有することを特徴とするルウ。
【0008】
項2 ルウ中に含まれる総油脂量100重量%に対し、魚油を5〜40重量%含む項1に記載のルウ。
【0009】
項3 魚油のヨウ素価が25〜90である項2に記載のルウ。
【0010】
項4 即席ルウである項1〜3のいずれかに記載のルウ。
【0011】
項5 魚油を含む油脂と澱粉系原料を加熱混合して調製した小麦粉ルウに、風味原料を加えて混合することを特徴とするルウの製造方法。
【0012】
項6 ルウに魚油を添加して呈味を出す方法。
【0013】
以下、本発明について、詳細に説明する。
ルウ
本発明のルウは、魚油、その他の油脂、澱粉系原料及び風味原料を含有することを特徴とする。なお、必要に応じ添加剤等の他の成分を添加してもよい。本発明のルウの形態は公知の形態であれば特に限定されず、例えば、固形状、液状、ペースト状、粉末状、フレーク状、顆粒状等の形態とすることができる。本発明のルウは、特に、簡単な調理で飲食できかつ常温で保存性を有する加工食品としてのルウ、すなわち即席ルウの態様が好ましく採用される。
【0014】
本発明のルウは、必要により、水、各種具材を加えて、加熱調理され、カレー、シチュー、ハッシュドビーフ、スープ、ソース等の調理に用いられる。
魚油
本発明のルウに含有される魚油は、例えば、鰯、鰊、鯖、秋刀魚、イカ等を材料とする魚油を使用しうる。採油された魚油は、必要に応じてろ過、酸処理を行い、更にアルカリ脱酸、水洗、脱色によって精製される。品質の維持や保存安定性の観点から、さらに上記魚油を水素添加(硬化)し、次いで脱臭して本発明に供するのが好ましい。すなわち、本発明の魚油は上記の処理をした硬化油として使用するのが好ましい。
【0015】
また、魚油には、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの生理活性的に興味深い成分が、高い割合で含まれている。これらの生理活性成分は不飽和結合を有しているため、上記の硬化処理の程度に応じてその含有量を調節することができる。
【0016】
本発明のルウ中には、この魚油をルウ中に含まれる総油脂量100重量%に対し、5〜40重量%程度、好ましくは10〜30重量%程度、更に好ましくは10〜20重量%程度配合することが、風味や口溶けの点から好ましい。4重量%以下では風味の増強が充分でなく、41重量%以上では特有の風味が出て好ましくない。
【0017】
魚油硬化油としてのヨウ素価は25〜90程度、好ましくは、30〜70程度、更に好ましくは40〜60程度である。ヨウ素価25未満のものでは融点が高く、ルウに調製すると口どけが悪くなる傾向があり、又、風味の増強が充分でなく、90を越えると保管中に油脂の酸化等による風味の劣化を生じやすい。
【0018】
上記のヨウ素価とは、油脂100gに付加するハロゲンの量を、ヨウ素のg数に換算し試料に対する百分率で表したものであり、油脂を構成する脂肪酸の不飽和度の指標となる。その測定方法としては、例えば、ウィイス法、ヒュ−ブル法、ハヌス法、カウフマン法、アッシュマン法、少量測定法、迅速測定法などがあるが、一般的にウィイス法がよく用いられる。ウィイス法の具体的な測定方法は、例えば、「食品分析ハンドブック II食品成分の分析 ヨウ素価 P142〜145 発行所 株式会社 建帛社 昭和44年9月1日初版」を参考にすることができる。
【0019】
なお、本発明では、この魚油をルウに添加することを特徴とし、これにより優れた呈味(旨み、コク味等)が付与されるという効果が奏される。この効果は、魚油それ自身からは必ずしも明確には評価できないが、魚油をルウに添加することにより顕著に発揮されるものである。
魚油以外の油脂
本発明で使用する魚油以外の油脂としては、特に限定されないが、例えば、バタ−、牛脂、豚脂などの動物油脂、菜種油、大豆油、パ−ム油などの植物油脂、或いはこれら天然油脂の混合物、又は水素添加等の加工をした油脂を使用することができる。これらの油脂は、一種で或いは2種以上の混合で用いることができる。
【0020】
本発明のルウ中には、魚油及び魚油以外の油脂を合わせて、原料(ルウの総原料を意味する、以下同じ)100重量%に対し、20〜50重量%程度、好ましくは25〜45重量%程度、更に好ましくは30〜40重量%程度で配合することが、風味や加工適性の点から好ましい。
澱粉系原料
本発明で使用する澱粉系原料としては、調理後のソ−スにとろみを付与する澱粉質を主成分とするものであればよく、特に種類は限定されない。例えば、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、くず澱粉などの地下澱粉、コ−ンスタ−チ、小麦澱粉、米澱粉(例えば、もち米澱粉、粳米澱粉など)の地上澱粉、及び架橋澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、可溶性澱粉、漂白澱粉などの化工デンプンがあげられる。穀粉の例としては小麦粉、ライ麦粉、ソバ粉、米粉、コ−ンフラワー、あわ粉、きび粉があげられる。澱粉系原料は小麦粉を含むことが好ましく、小麦粉であることがより好ましい。小麦粉は強力粉、中力粉、薄力粉のいずれであってもよいが、薄力粉が好ましい。
【0021】
澱粉系原料は、必要に応じて1種または2種以上の澱粉系原料を選択して用いることができる。
【0022】
澱粉系原料は、原料100重量%に対し、7〜35重量%程度、好ましくは10〜30重量%程度、更に好ましくは20〜30重量%程度で配合することが、適当なとろみを付与する上で好ましい。
風味原料
本明細書において、風味原料とは、ルウに風味を与えるために用いられる食材をいう。食材とは、食用にする物品をいう。
【0023】
風味原料の例としては、水分含有食材及び他の食材、調味原料、香味原料等があげられる。調味原料には、調味料やその他の調味素材が含まれる。例えば、食品添加物、たんぱく加水分解物、食塩、砂糖、ブイヨン、ケチャップ、醤油などが含まれる。また、香味原料には、カレ−粉、香辛料、香辛料抽出物など香味をつける原料が含まれる。
【0024】
カレ−粉とは、一般に複数の香辛料を組み合わせることによって得られる複合香辛料である。香辛料は一般に、香味性香辛料、辛味性香辛料及び香色性香辛料に分けられる。
【0025】
香味性香辛料とは、香味を有する香辛料であって、辛味が弱く、主に香味付けに用いられる香辛料である。香味性香辛料の例としてオニオン、コリアンダー、カルダモン、クミン、クローブ、シナモン、ナツメグ、オレガノ、フェヌグリーク、スターア二ス、オールスパイス、ガーリック等が挙げられる。
【0026】
辛味性香辛料とは、辛味を有する香辛料であって、主に辛味付けに用いられる香辛料である。辛味性香辛料の例としては、赤唐辛子、黒胡椒、白胡椒、しょうが、マスタ−ド等が挙げられる。
【0027】
香色性香辛料とは、多量の色素を含む香辛料であって、辛味が弱く、香味があり、着色力が強い香辛料である。香色性香辛料の例としては、タ−メリック、パプリカ、サフラン等が挙げられる。目的とするルウの風味を調整するために、必要に応じて1種又は2種以上の香辛料を選択して用いることができる。
【0028】
風味原料は、澱粉系原料を含まないことが好ましい。また、風味原料は未加熱であってもよく、加熱済みであってもよい。具体的には、シチュー、カレー、ハッシュドビーフ、スープ、ソースなどを製造する際、一般的に使用される食塩;グルタミン酸ナトリウム;ブイヨン;カレー粉;畜肉、魚貝類、野菜、果物等の各種エキス(チャツネ類など);乳系原料などが例示され、その形態は、粉末、ペースト、液体などが例示される。
【0029】
本発明では特に魚由来の風味原料として、鰯、鯖、鰹、秋刀魚、鰊などを主原料としたエキスや粉末、ペ−スト、液体原料を配合することにより、特有の旨みを付与し、DHA、EPAなど魚油特有の生理活性を有する風味原料も厳選して使用することができる。
【0030】
乳系原料とは、当該分野で公知の任意の乳及び乳製品ならびにこれらを主要原料とする食品をいう。乳とは生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、及び加工乳をいう。乳製品とはクリーム、チーズ、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、タンパク質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、発酵乳、乳酸菌飲料、及び乳飲料をいう。乳および乳製品を主要原料とする食品とは、食品中に乳および乳製品を食品の重量を基準として5重量%程度以上、好ましくは10重量%程度以上、より好ましくは20重量%程度以上、より好ましくは40重量%程度以上、より好ましくは50重量%程度以上、より好ましくは60重量%程度以上、より好ましくは70重量%程度以上含有する食品をいい、具体的には、クリーミングパウダー、ミルクソース、クリームチーズソースなどがあげられる。
【0031】
風味原料は、目的とするルウの風味を調整するために、必要に応じて一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0032】
これらの風味原料を、原料100重量%に対し、10〜50重量%程度、好ましくは15〜40重量%程度、更に好ましくは20〜35重量%程度で配合することが風味の点で好ましい。
他の成分
本発明のルウには、所望に応じて、公知の食品に含有される添加剤や食材、食品原料を適宜添加することができる。添加剤としては、例えば、乳化剤、保存料、香料、着色料、強化剤、酸化防止剤等が挙げられる。
ルウの製造方法
本発明のルウを製造する方法は特に限定されないが、魚油を含む油脂と澱粉系原料を加熱混合して調製した小麦粉ルウに、風味原料及び必要に応じ他の成分を加えて混合して製造される。
【0033】
例えば、魚油を含む油脂と小麦粉などの澱粉系原料を100℃以上に加熱して、適当な時間混合した小麦粉ルウに、風味原料や他の成分を含む原料を混合した後、50〜60℃まで冷却して製造される。
【0034】
ここで、「小麦粉ルウ」とは、魚油を含む油脂及び澱粉系原料を含む小麦粉ルウ原料を加熱することによって得られるものをいう。小麦粉ルウは、当核分野では、ホワイトルウ、白ルウ、ブラウンルウなどと呼ばれることもある。本明細書では、当該分野での慣例に従って「小麦粉ルウ」との用語を用いるが、小麦粉ルウは必ずしも小麦粉を含まなくても良い。
【0035】
小麦粉ルウを製造する際の混合の条件は適宜設定し得るが、通常、100〜150℃程度の温度で10〜120分程度、好ましくは100〜140℃程度の温度で10〜120分程度、更に好ましくは110〜135℃程度の温度で20〜100分程度、最も好ましくは120〜130℃程度の温度で40〜70分程度混合を行う。
【0036】
また、小麦粉ルウに、風味原料や他の成分を含む原料を混合して冷却する際の条件も適宜設定しうるが、通常、風味原料を順次加えて混合しながら50〜60℃程度まで10〜120分程度かけて冷却する。より好ましくは50〜60℃程度まで30〜100分程度かけて冷却する。
【0037】
混合機および冷却機は、ルウを均一に撹拌混合及び熱交換できるものであればよく、熱源や形状、材質等は特に限定されない。
【0038】
魚油を含む油脂の添加は、ルウの製造工程中であれば特に制限はなく、上記の小麦粉ルウ工程(100〜150℃加熱時)の他、風味原料投入時(90〜55℃冷却混合時)などであってもよい。
【0039】
かくして、優れた呈味を有する本発明のルウが製造される。
【0040】
なお、魚油を含む油脂は、上記ルウから調理されるカレ−、シチュ−等の喫食時に添加してもよく、これによりコク味、旨み等の優れた呈味が付与される。その態様としては、魚油を含む油脂を加えた別添ソース等を喫食時に添加するなどが例示される。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、従来ルウに使用されることのなかった魚油を食用油脂として添加したルウに関し、これにより従来の食用油脂にはなかった優れた呈味(旨み、コク味等)を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
実施例1
全重量%に対し、ラード硬化油29.5重量%、魚油硬化油(ヨウ素価25〜90程度)5重量%、小麦粉29重量%、オニオンパウダー0.7重量%を斜軸撹拌装置付加熱釜で130℃まで50分かけて混合加熱し、小麦粉ルウを製造した。
【0044】
この小麦粉ルウにフルーツチャツネ1.1重量%、食塩8重量%、砂糖10.6重量%、カレー粉5.0重量%、カツオエキス3.0重量%、生クリーム2.0重量%、クリーミングパウダ−1.0重量%、たんぱく加水分解物1.0重量%、トマトパウダー2.5重量%、ソースパウダー1.0重量%、カラメル色素0.6重量%を加え混合冷却する。均一になったら、55℃まで冷却した後トレイに充填、冷却固化して即席カレールウを製造した。
【0045】
上記の即席カレールウの保存テストの結果、常温で18ヶ月目の油脂の劣化臭は感じられなかった。保存テストは、加速試験として、通常、30℃或いは35℃の条件で実施し、酸価(AV)、過酸化物価(POV)、風味等の変化を現行品と比較して常温換算して行った。
【0046】
比較例1
全重量%に対し、ラード硬化油34.5重量%、小麦粉29重量%、オニオンパウダー0.7重量%を斜軸撹拌装置付加熱釜で130℃まで50分かけて混合加熱し、小麦粉ルウを製造した。
【0047】
この小麦粉ルウに、フルーツチャツネ1.1重量%、食塩8重量%、砂糖10.6重量%、カレー粉5.0重量%、カツオエキス3.0重量%、生クリーム2.0重量%、クリ−ミングパウダー1.0重量%、たんぱく加水分解物1.0重量%、トマトパウダー2.5重量%、ソースパウダー1.0重量%、カラメル色素0.6重量%を加え混合冷却する。均一になったら、55℃まで冷却した後トレイに充填、冷却固化して即席カレールウを製造した。
【0048】
実験例1
実施例1及び比較例1で得られた即席カレールウを、それぞれ、常法により水、具材と煮込んだものに加えてカレーを製造した。それぞれのカレーを試食評価した結果、実施例1の即席カレールウから得られたカレーは、従来にない特有の濃厚でコク味を有していることが分かった。一方、比較例1の即席カレールウから得られたカレーは、実施例1と比較するとコク味に欠けやや大人しい味であった。
【0049】
すなわち、魚油をラード硬化油に混合した即席カレールウを用いると、ラード硬化油のみを用いた即席カレールウに比べて、特有の濃厚でコク味のあるカレーが得られることが分かった。
【0050】
さらに、この結果を客観的に評価するために、実施例1の魚油をラード硬化油に混合したルウから作ったカレ−と、比較例1のラード硬化油を用いたルウから作ったカレーについて、20人の試食による評価を行った。評価した結果を表1に示す。
【0051】
【表1】


表1の結果に示されるように、本発明の即席カレールウは、旨み、コクなどにおいて、格別の効果を有することが明らかとなった。
【0052】
実施例2
実施例1のラード硬化油29.5重量%及び魚油硬化油5重量%に代えて、ラード硬化油14.75重量%、牛脂硬化油14.75重量%及び魚油硬化油5重量%を用いた以外、実施例1と同様に処理することにより即席カレールウを製造した。
【0053】
実施例3
実施例1のラード硬化油29.5重量%及び魚油硬化油5重量%に代えて、パーム硬化油20.65重量%、菜種硬化油8.85重量%及び魚油硬化油5重量%を用いた以外、実施例1と同様に処理することにより即席カレールウを製造した。
【0054】
比較例2
比較例1のラード硬化油34.5重量%に代えて、ラード硬化油29.5重量%及び牛脂硬化油5重量%を用いた以外、比較例1と同様に処理することにより即席カレールウを製造した。
【0055】
比較例3
比較例1のラード硬化油34.5重量%に代えて、ラード硬化油17.25重量%及び牛脂硬化油17.25重量%を用いた以外、比較例1と同様に処理することにより即席カレールウを製造した。
【0056】
比較例4
比較例1のラード硬化油34.5重量%に代えて、パーム硬化油24.15重量%及び菜種硬化油10.35重量%を用いた以外、比較例1と同様に処理することにより即席カレールウを製造した。
【0057】
実験例2
実施例1〜3及び比較例2〜4で得られた即席カレールウをそれぞれ用いて、実験例1と同様にしてカレーを製造した。
【0058】
得られたカレーを試食評価した結果、実施例1と比較例2のルウから製造されるカレーを比較すると、旨み、コク、おいしさの点で実施例1の方が優れていることが分かった。すなわち、牛脂硬化油に代えて魚油を用いたカレールウの方が、特有の濃厚でコク味のあるカレーが得られることが分かった。
【0059】
実施例2と比較例3のルウから製造されるカレーを比較すると、旨み、コク味、おいしさの点で実施例2の方が優れており、また、実施例3と比較例4のルウから製造されるカレーを比較すると同様の点で実施例3の方が優れていることが分かった。つまり、従来用いられている食用油脂に、比較的少量でも魚油を添加することにより、旨み、コク味等が格段に向上することが分かった。
【0060】
また、本発明に使用した魚油硬化油と、一般に即席ルウに使用されるラード硬化油、牛脂硬化油、パーム硬化油、菜種硬化油等とを、油どうしで比較評価した場合、外観、味ともにほとんど差は見られない。しかし、魚油の一定量をルウに添加した際に、本発明の効果が顕著に発揮される。
【0061】
以上より、動物油脂(例えば、ラード、バタ−、牛脂)、植物油脂(例えば、パ−ム油、大豆油、菜種油、コーン油)、或いはこれら天然油脂の混合物に代えて、或いはこれに加えて魚油を添加することにより、得られるルウに優れた呈味(旨み、コク味等)が付与されることが明らかとなった。
【出願人】 【識別番号】000000228
【氏名又は名称】江崎グリコ株式会社
【出願日】 平成15年8月25日(2003.8.25)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二

【識別番号】100076510
【弁理士】
【氏名又は名称】掛樋 悠路

【識別番号】100086427
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 健志

【識別番号】100099988
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 健治

【識別番号】100105821
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 淳

【識別番号】100099911
【弁理士】
【氏名又は名称】関 仁士

【識別番号】100108084
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 睦子

【公開番号】 特開2005−65585(P2005−65585A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−299627(P2003−299627)