| 【発明の名称】 |
無菌包装発芽玄米入り米飯及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 義和 【住所又は居所】香川県観音寺市坂本町五丁目18番37号 株式会社加ト吉内
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| 【要約】 |
【課題】無菌包装発芽玄米入り米飯において、発芽玄米の表面は吸水性に乏しい硬い表皮で被覆されているので、発芽玄米を精白米と混合して浸漬・炊飯すると、発芽玄米米飯が精白米米飯よりかなり硬い状態で炊き上げられ、混合米飯の食感が悪くなる。
【解決手段】精白米と米粒表面に亀裂加工を施した発芽玄米とを混合して炊飯することにより、発芽玄米米飯部分の吸水率を精白米米飯部分の吸水率に近づけ(食感を良好にし得る)、且つ炊飯した混合米飯を1食当たりの量づつ個食容器内に無菌状態で包装していることにより、手軽に発芽玄米入り米飯を喫食できるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 精白米と米粒表面に亀裂加工を施した発芽玄米とを混合して炊飯し、その炊飯した混合米飯を1食当たりの量づつ個食容器内に無菌状態で包装していることを特徴とする無菌包装発芽玄米入り米飯。 【請求項2】 請求項1において、精白米と発芽玄米の混合割合が7:3〜6:4であることを特徴とする無菌包装発芽玄米入り米飯。 【請求項3】 発芽玄米の表面に亀裂加工を施し、その亀裂加工つき発芽玄米と精白米とを混合し、その混合米を浸漬し、1食分当たりの水切り浸漬混合米とそれに見合う量の炊飯水とを個食容器に充填して炊飯した後、個食容器内を無菌状態に維持して容器開口部をシールすることを特徴とする無菌包装発芽玄米入り米飯の製造方法。 【請求項4】 請求項3において、発芽玄米として凍結したのち解凍したものを使用することを特徴とする無菌包装発芽玄米入り米飯の製造方法。 【請求項5】 請求項4において、発芽玄米の亀裂加工は、撹拌容器内で高速撹拌させて各発芽玄米粒を撹拌羽根又はドラム内面に接触させることで行うことを特徴とする無菌包装発芽玄米入り米飯の製造方法。 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1項において、混合米の浸漬水として脱気水を使用することを特徴とする無菌包装発芽玄米入り米飯の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本願発明は、精白米と発芽玄米とを混合して炊飯し、その混合米飯を個食容器内に無菌状態で包装してなる無菌包装発芽玄米入り米飯及びその製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、栄養価の高い食品として発芽玄米が注目されている。即ち、発芽玄米には、GABA(γ−アミノ酪酸)という栄養素を多量に含み、且つ血圧低下機能があることが知られている。発芽玄米は、玄米を一定時間(例えば半日程度)温水中に浸漬することで、胚芽を0.5mm〜2mm程度の大きさまで発芽させたものである。 【0003】 ところで、発芽玄米のみを炊飯した発芽玄米の単独米飯では、栄養価が豊富であるものの食味や食感及び見栄え(色)等の点で難点があり、多くの場合、発芽玄米は精白米と混合して炊飯されている。尚、発芽玄米入り米飯の製造方法として、例えば特開2002−291426号公報(特許文献1)に示されるものがある。 【0004】 【特許文献1】特開2002−291426号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、発芽玄米の表面は硬い表皮(糠層)で覆われており、内部への吸水性に乏しい性状になっている。他方、精白米は硬い表皮(糠層)を削り取っているので内部への吸水性が比較的良好な性状になっている。従って、精白米と発芽玄米とを混合して一緒に炊飯すると、精白米と発芽玄米とでは吸水率が異なる関係で、精白米米飯に比して発芽玄米米飯が硬く、食感として硬軟のバラツキを感じるという問題があった。 【0006】 本願発明は、精白米と発芽玄米とを混合して炊飯した発芽玄米混合米飯において、発芽玄米の米飯部分の食感(硬さ)を精白米の米飯の食感(硬さ)に近づけることを目的としてなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。 【0008】 本願請求項1の発明 本願請求項1の発明は、無菌包装発芽玄米入り米飯を対象にしている。そして、この請求項1の発明の無菌包装発芽玄米入り米飯は、精白米と米粒表面に亀裂加工を施した発芽玄米とを混合して炊飯し、その炊飯した混合米飯を1食当たりの量づつ個食容器内に無菌状態で包装していることを特徴としている。 【0009】 精白米は、玄米の表皮(糠層)を削り取ったものである。発芽玄米は、玄米の胚芽を0.5mm〜2mm程度の大きさまで発芽させたものである。尚、この発芽玄米には、GABA(γ−アミノ酪酸)という栄養素を多量に含み、且つ血圧低下機能があることが知られている。又、発芽玄米には、表皮(糠層)部分にも各種の栄養素を多量に含んでいる。 【0010】 ところで、発芽玄米の表面は、硬い表皮(糠層)で覆われているので、内部への吸水性に乏しい性状となっている。他方、精白米は、玄米から、果皮、種皮、糊粉層などのいわゆる糠部分と胚芽を削り取っているので、内部への吸水性が比較的良好な性状となっている。そして、このように、吸水性の異なる性状の精白米と発芽玄米とを混合して炊飯すると、通常は、精白米米飯部分が好適な柔らかさの炊飯状態であっても発芽玄米米飯部分は比較的硬い状態のままとなる。 【0011】 そこで、本願発明では、発芽玄米として予め米粒表面(糠層部分)に亀裂加工を施したものを使用し、浸漬時及び炊飯時に米粒表面の亀裂部分から内部に吸水し易くしている。従って、本願発明で使用する発芽玄米では、何も加工しない従来の発芽玄米より吸水性が良好となり、その分、発芽玄米米飯を柔らかく炊き上げることができる(精白米米飯の柔らかさに近づけることができる)。尚、本願でいう「亀裂加工」とは、発芽玄米の表層(糠層部分)に筋状又は点状の傷をつけるもので、該傷は米粒表面に対してランダムに複数箇所形成されている。 【0012】 又、本願では、発芽玄米入り米飯を1食当たりの量(例えば200g程度)づつ個食容器内に無菌状態で包装しているので、常温で長期保存できるとともに、必要時に例えば電子レンジで温めて喫食できる。 【0013】 本願請求項2の発明 本願請求項2の発明は、上記請求項1の無菌包装発芽玄米入り米飯において、精白米と発芽玄米の混合割合が7:3〜6:4であることを特徴としている。 【0014】 混合米飯中の発芽玄米の割合が3割未満であると、発芽玄米による栄養価(及び血圧降下機能)が乏しくなり、逆に混合米飯中の発芽玄米の割合が4割を超えると、全体の色が黒っぽくなって見栄えが悪くなる。尚、発芽玄米100g中にはGABAが25〜30mg程度含まれており、1食分の混合米が112gでその混合米中の発芽玄米の割合が3割以上であると、1食分当たりの混合米飯中に少なくとも8.4mg(112×0.3×25÷100)以上のGABAが存在するようになる。 【0015】 本願請求項3の発明 本願請求項3の発明は、上記請求項1の無菌包装発芽玄米入り米飯の製造方法を対象にしている。そして、本願請求項3の製造方法は、発芽玄米の表面に亀裂加工を施し、その亀裂加工つき発芽玄米と精白米とを混合し、その混合米を浸漬し、1食分当たりの水切り浸漬混合米とそれに見合う量の炊飯水とを個食容器に充填して炊飯した後、個食容器内を無菌状態に維持して容器開口部をシールすることを特徴としている。 【0016】 発芽玄米の表層部分は、硬質の糠層で被覆されていて、吸水性の乏しい性状となっているが、本願では発芽玄米の表面に亀裂加工を施しているので、該亀裂加工部分から米粒内部に水分を吸収させ易くなっている。この亀裂加工は、本願請求項3では発芽させる前の玄米の状態で行ってもよいし、発芽させた後に(発芽玄米の状態で)行ってもよい。 【0017】 そして、本願請求項3の製造方法では、精白米と亀裂加工つき発芽玄米とを所定割合(例えば精白米と発芽玄米との混合割合が7:3〜6:4)づつ混合し、その混合米を常法により所定時間浸漬する。このとき、発芽玄米の表面に亀裂加工を施しているので、該亀裂加工部分から発芽玄米の内部に吸水し易くなる。尚、この浸漬後(水切り後)の精白米及び発芽玄米の各水分率は、特に限定するものではないが、それぞれ60%を超え、且つ該精白米及び発芽玄米の各水分率の差が4%以内になるようにすることが好ましい。 【0018】 この請求項3の製造方法では、浸漬混合米を個食容器に入れて炊飯するが、該個食容器内には、1食分の量の水切り浸漬混合米と、それに見合う量の炊飯水とを充填する。そして、混合米を個食容器内で常法により炊飯した後、個食容器内を無菌状態に維持して容器開口部をシールする。尚、シールされた個食容器内の混合米飯は、無菌状態に維持されているため、常温で長期保存が可能となる。 【0019】 このようにして製造された発芽玄米入り米飯では、発芽玄米米飯部分の水分率も比較的多くなり(例えば60%程度になる)、該発芽玄米米飯が精白米米飯に近い食感になる。 【0020】 本願請求項4の発明 本願請求項4の発明は、上記請求項3の製造方法において、発芽玄米として凍結したのち解凍したものを使用することを特徴としている。 【0021】 ところで、発芽玄米を凍結したのち解凍すると、表層部分(硬質の糠層部分)がふやけて柔らかくなる。従って、発芽玄米の表面に亀裂加工を施す際に、発芽玄米として凍結させたのち解凍したものを使用すると、表層部分が柔らかくなっている分、該表層部分に亀裂加工を施し易くなる。 【0022】 又、凍結→解凍により発芽玄米の表層部分が柔らかくなると、亀裂加工部分でない表層部分からも米粒内に吸水し易くなる。 【0023】 本願請求項5の発明 本願請求項5の発明は、上記請求項4の製造方法において、発芽玄米の亀裂加工は、撹拌容器内で高速撹拌させて各発芽玄米粒を撹拌羽根又はドラム内面に接触させることで行うことを特徴としている。 【0024】 この請求項5では、亀裂加工形成用の撹拌容器として、ドラム内に撹拌羽根を設けたものを使用する。尚、ドラムの内面には、微小で多数の凹凸加工(例えばエンボス加工や筋状加工)を形成し、且つこの凹凸加工部にエッジ状の角部を形成するとよい。そして、この撹拌容器は、ドラム内に発芽玄米を所定量(例えばドラム容積の1/5〜1/10程度の量)投入した状態で撹拌羽根を高速回転させることにより、各発芽玄米粒を撹拌羽根で外方に弾き飛ばし、そのときのドラム内面(凹凸加工部)への衝突で米粒表面に亀裂を付与させ得るようになっている。又、そのとき、凍結→解凍後の発芽玄米であれば、発芽玄米の表層部分が比較的柔らかくなっているので、該表層部分に簡単に亀裂加工を施すことができる。尚、撹拌容器内に投入する発芽玄米が凍結状態であっても、発芽玄米1粒当たりの体積は非常に小さいので、撹拌容器内で撹拌中に各発芽玄米粒が撹拌羽根やドラム内面及び空気等に接触することにより、比較的短時間で解凍移行し、凍結状態の発芽玄米を撹拌容器内に投入する場合であっても、その亀裂加工時間はさほど長くならない。 【0025】 本願請求項6の発明 本願請求項6の発明は、上記請求項3〜5のいずれか1項の製造方法において、混合米の浸漬水として脱気水を使用することを特徴としている。 【0026】 脱気水とは、水を90℃以上まで加熱して水中の空気を排除した後に冷却したものであり、真空度が80Torr以下のものを使用する。 【0027】 このような脱気水を浸漬水として使用すると、米粒内部の空気との置換が促進され、米粒内部への透水性が良くなり、表層が比較的硬い発芽玄米であっても、その吸水性を良好にし得る。従って、発芽玄米(亀裂加工つき)であっても浸漬時の吸水率を精白米に近づけることができ、炊飯後の精白米米飯と発芽玄米米飯との水分率の差をさらに小さくすることができる。 【発明の効果】 【0028】 本願請求項1の発明の効果 本願請求項1の無菌包装発芽玄米入り米飯では、発芽玄米として予め米粒表面(糠層部分)に亀裂加工を施したものを使用しているので、浸漬時及び炊飯時に米粒表面の亀裂部分から内部に吸水し易くなり、発芽玄米であっても精白米米飯に近い水分率で炊飯できる。従って、発芽玄米米飯部分の硬さが精白米米飯部分の硬さに近づき、発芽玄米入り米飯であっても食感が良好になるという効果がある。尚、本願の発芽玄米入り米飯は、発芽玄米入りであるので栄養価(特にGABA)が豊富であることは勿論である。 【0029】 又、本願請求項1の発明では、1食分当たりの量の発芽玄米入り米飯を個食容器内に無菌包装しているので、必要時に電子レンジ等で温めることで手軽に喫食できるという効果もある。 【0030】 本願請求項2の発明の効果 本願請求項2の発明は、上記請求項1の無菌包装発芽玄米入り米飯において、精白米と発芽玄米の混合割合が7:3〜6:4に設定している。即ち、本願請求項2の発明では、1食分の混合米飯中に3〜4割の発芽玄米米飯を含んでいるが、この範囲の発芽玄米米飯の量では、栄養価の面及び見栄え(色)の点でそれぞれ良好になるという効果がある。 【0031】 本願請求項3の発明の効果 本願請求項3の発明では、発芽玄米として予め米粒表面に亀裂加工を施したものを使用しているので、精白米と発芽玄米との混合米を浸漬したときに、発芽玄米の吸水性が良好となり(精白米の吸水性に近づく)、その浸漬混合米を炊飯したときに発芽玄米米飯部分の柔らかさが精白米米飯部分の柔らかさに近づくようになる。従って、発芽玄米入りであっても、食感の良好な混合米飯を製造し得るという効果がある。又、この請求項3では、1食分当たりの量を個食容器内で炊飯した後、無菌状態でシールしているので、常温で長期保存可能な無菌包装発芽玄米入り米飯を製造できる。 【0032】 本願請求項4の発明の効果 本願請求項4の発明は、上記請求項3の製造方法において、発芽玄米として凍結したのち解凍したもの(表層部分が柔らかくなっている)を使用しているが、このように凍結→解凍後の発芽玄米では、その表層部分が比較的柔らかくなっている。従って、この請求項4のものでは、発芽玄米の表層部分が柔らかくなっている分、該表層部分に亀裂加工を施し易くなる。又、発芽玄米の表層部分が柔らかくなると、亀裂加工部分以外の表層部分からの米粒内への吸水作用も良好になるという効果がある。 【0033】 本願請求項5の発明の効果 本願請求項5の発明は、上記請求項4の製造方法において、凍結→解凍状態の発芽玄米を撹拌容器内で高速撹拌することで米粒表面に亀裂加工を施すようにしているので、発芽玄米の表層部分(柔らかくなっている)に対して簡単に且つ確実に亀裂加工を施すことができるという効果がある。 【0034】 本願請求項6の発明の効果 本願請求項6の発明は、上記請求項3〜5のいずれか1項の製造方法において、混合米の浸漬水として脱気水を使用しているが、このような浸漬水として脱気水を使用すると、表層が比較的硬い発芽玄米(亀裂加工つき)であっても、その吸水性を良好にでき、炊飯後の精白米米飯と発芽玄米米飯との水分率の差をさらに小さくすることができて、食感の良好な無菌包装発芽玄米入り米飯を製造することができる。 【実施例】 【0035】 図1を参照して本願発明の実施例を説明すると、この実施例では以下の各工程(A1〜A14)を行って無菌包装発芽玄米入り米飯を製造する。又、この実施例では、発芽玄米入り米飯を1食分づつ無菌状態で個食容器に入れて製造するようにしている。 【0036】 この実施例で製造される混合米飯の原料としては、精白米1と発芽玄米2が使用される。 【0037】 発芽玄米2は、玄米2Aを発芽処理(工程A1)して製造される。発芽処理方法(工程A1)は、玄米2Aを例えば水温20℃〜30℃の水中に発芽するまで(例えば半日程度)浸漬することで行える。尚、発芽玄米2は、胚芽部分が0.5mm〜2mm程度発芽したものである。この発芽玄米2には、GABA(γ−アミノ酪酸)と称される栄養素を多量に含んでいるほか、血圧低下機能を有することも知られている。 【0038】 発芽後(発芽玄米2)は、十分に水切りした後、凍結(工程A2)により発芽の進行を停止させる。尚、発芽の進行停止方法は、例えば加熱処理によっても行え、その発芽進行停止後に発芽玄米2を凍結(工程A2)させてもよい。 【0039】 ところで、発芽玄米2の状態では、その表皮部分(糠層)が硬く、吸水性に乏しい性状となっている。そこで、本願では、発芽玄米2の米粒表面に亀裂加工(工程A4)を施すことにより、該亀裂加工部分から米粒内部に吸水し易くなるようにしている。 【0040】 この亀裂加工(工程A4)は、発芽玄米2を凍結(工程A2)したのち解凍(工程A3)した状態で行う。そして、この亀裂加工(工程A4)は、撹拌容器を使用して次のようにして行うことができる。撹拌容器は、ドラムとドラム内に投入される発芽玄米を撹拌するための撹拌羽根を有している。ドラムの内面には、微小で多数の凹凸加工(例えばエンボス加工)を形成するとよい。又、この凹凸加工部には、エッジ状の角部を形成するとよい。撹拌羽根は、ドラム内に収容される各発芽玄米粒を外方に弾き飛ばす構造のものが採用される。 【0041】 他方、発芽玄米は、凍結状態で保存されているが、この凍結状態の発芽玄米に亀裂加工を施すには、該発芽玄米を解凍(工程A3)して撹拌容器内に入れるか、あるいは発芽玄米を凍結状態のままで撹拌容器内に入れてもよい。撹拌容器内への発芽玄米の投入量は、撹拌時に各発芽玄米粒をドラム内面に激しく衝突させるために、ドラム容積の1/5〜1/10程度の量が好ましい。 【0042】 ところで、発芽玄米を凍結(工程A2)したのち解凍(工程A3)すると、発芽玄米の硬い表層部分がふやけて柔らかくなる性質がある。そして、発芽玄米を撹拌容器内に投入して撹拌羽根を高速回転させると、発芽玄米粒が撹拌羽根で弾き飛ばされたりドラム内面(凹凸加工部のエッジ)に衝突し、そのとき該発芽玄米粒の表面に亀裂(筋状又は点状の傷)が付与される。このとき、発芽玄米を凍結→解凍したものでは、発芽玄米の表層部分が比較的柔らかくなっているので、撹拌容器内での撹拌作用により比較的容易に亀裂加工を施すことができる。又、撹拌容器内に投入する発芽玄米が凍結状態であっても、発芽玄米1粒当たりの体積は非常に小さいので、撹拌容器内で撹拌中に各発芽玄米粒が撹拌羽根やドラム内面及び空気等に接触することにより、表層部分が比較的短時間で解凍移行(工程A3)する。従って、凍結状態の発芽玄米を撹拌容器内に投入する場合であっても、その亀裂加工時間はさほど長くならない。尚、撹拌容器内での撹拌時間は、各発芽玄米粒の表面に対して亀裂が複数個(例えば5〜10個)形成される程度に設定される。 【0043】 尚、他の実施例では、亀裂加工(工程A4)は、発芽処理(工程A1)する前の玄米2Aの状態で行ってもよく、発芽玄米の状態で亀裂加工を施す場合でも、凍結させない状態で行うことができる。又、亀裂加工の方法は、撹拌容器内で撹拌させる方法に代えて、亀裂を施すことができるものであれば適宜の方法を採用できる。 【0044】 この実施例の製造方法の次の工程として、上記のようにして得られた発芽玄米2(亀裂加工つき)と精白米1とをそれぞれ計量(工程A5、工程A6)して所定割合で混合する(工程A7)。精白米1と発芽玄米2との混合割合は、7:3〜6:4程度が好ましい。即ち、混合米中の発芽玄米2の割合を3〜4割程度にすると、炊飯した混合米飯中のGABA成分を十分に確保できるとともに、混合米飯の色が黒っぽくなり過ぎない(見栄えが悪くならない)。尚、工場で大量生産する場合は、精白米1と発芽玄米2とは例えば1回当たり精白米1が600〜700Kg、発芽玄米2が400〜300Kgを混合し、均一に撹拌しておく。 【0045】 精白米と発芽玄米との混合米3は、浸漬水に浸漬する(工程A8)。この浸漬水としては、脱気水3を使用する。この脱気水3は、水を90℃以上まで加熱して水中の空気を排除した後に冷却したものであり、例えば真空度が80Torr以下のものを使用する。このような脱気水3を浸漬水として使用すると、米粒内部の空気との置換が促進され、米粒内部への透水性が良くなり、表層が比較的硬い発芽玄米であっても、その吸水性を良好にし得る。又、上記のように、凍結→解凍した発芽玄米では、その表層部分がふやけて柔らかくなっているので、浸漬工程時(工程A8)に発芽玄米における亀裂加工部分以外の表層部分からも吸水するようになり、一層吸水性がよくなる。 【0046】 混合米3を所定時間浸漬(工程A8)した後、水切り(工程A9)する。このとき、水切り混合米5における精白米と発芽玄米の各水分率がそれぞれ60%を超えることが好ましく、且つ該精白米の水分率と発芽玄米の水分率との差が4%以内になることが好ましい。尚、実験例では、浸漬・水切り後の精白米と発芽玄米との各水分率が、精白米部分では65.5%、発芽玄米部分では62.8%であった。 【0047】 次に、水切り混合米5を1食分づつ計量する(工程A10)とともに、炊飯水6を1食分の水切り混合米に見合う量だけ計量し(工程A11)、それらを個食容器7内に充填する(工程12)。個食容器7には、1食分として、例えば水切り混合米が112gと、炊飯水が84g充填される。炊飯水6は、pHを酸性側に調整したpH調整水を使用できる。 【0048】 又、個食容器7内には、先に水切り混合米のみを充填し(炊飯水6は後で入れる)、該水切り混合米を高温加熱によって殺菌処理するようにしてもよい。この殺菌処理は、例えば120℃〜140℃の高温度に維持させたチャンバー内に容器入りの水切り混合米を複数回くぐらせることによって行える。又、この殺菌処理は、3〜4気圧程度の高圧状態下で行うと滅菌作用が促進される。 【0049】 次に、個食容器7内に水切り混合米と炊飯水を充填した状態で炊飯する(工程A13)。この炊飯工程(工程A13)は、100℃前後の蒸気で30〜35分間加熱する。この炊飯時には、炊飯水が混合米(精白米及び発芽玄米)の米粒内部に吸水されていくが、その場合、発芽玄米の表層部分(糠層部分)に亀裂加工を施しているので、亀裂加工を施していない従来の発芽玄米より吸水率が良好となる。従って、精白米と発芽玄米とを混合して炊飯した場合でも、発芽玄米米飯部分の水分率を精白米米飯部分の水分率に近づけることができる。因みに、実験例では、炊飯後の混合米飯8において、精白米米飯部分の水分率が63.5%で、発芽玄米米飯部分の水分率が60.3%であった(両米飯の水分率の差は3.2%であった)。尚、炊飯工程終了時の混合米飯8は、無菌状態を維持している。 【0050】 炊飯工程(A13)を終了すると、個食容器7の開口部にシール(工程A14)する。このシール工程(工程A14)では、予め殺菌処理したシール材を常法により容器入り混合米飯の容器開口部に熱融着させて、該容器開口部を完全シールする。このように、容器開口部をシールすると、それ以降は製品9となる容器入り混合米飯内に新しく細菌が侵入することがなく、長期に亘って常温での保存が可能となる。 【0051】 このようにして製造された無菌包装発芽玄米入り米飯は、発芽玄米として予め米粒表面に亀裂加工を施したものを使用しているので、浸漬時及び炊飯時に米粒表面の亀裂部分から米粒内部に吸水し易くなり、発芽玄米米飯であっても精白米米飯に近い水分率で炊飯できる。従って、発芽玄米米飯の硬さが精白米米飯の硬さに近づき、発芽玄米米飯部分と精白米米飯部分とで食感がさほど変わらなくなる(発芽玄米入り米飯であっても食感が良好になる)。 【0052】 又、この実施例の無菌包装発芽玄米入り米飯では、1食分当たりの量の混合米飯を個食容器内に無菌包装しているので、必要時に電子レンジ等で温めることで手軽に喫食できる。尚、この発芽玄米入り米飯は、発芽玄米米飯中にGABAという栄養素を多量に含んでおり、これを食すると栄養補給及び健康増進に寄与できる。 【図面の簡単な説明】 【0053】 【図1】本願発明の実施例にかかる無菌包装発芽玄米入り米飯の製造工程図である。 【符号の説明】 【0054】 1は精白米、2Aは玄米、2は発芽玄米、3は混合米、4は脱気水、5は水切り混合米、6は炊飯水、7は個食容器、8は混合米飯、9は製品(無菌包装発芽玄米入り米飯)である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000140650 【氏名又は名称】株式会社加ト吉 【住所又は居所】香川県観音寺市坂本町5丁目18番37号
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| 【出願日】 |
平成15年8月25日(2003.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2005−65582(P2005−65582A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−299520(P2003−299520) |
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