トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 免疫賦活食品とその製造方法
【発明者】 【氏名】高岡 照海
【住所又は居所】愛媛県温泉郡川内町大字則之内甲2225番地1 遠赤青汁株式会社内

【要約】 【課題】ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作り、この培地を用いて菌糸体および子実体を発生させ、培地と菌糸体、または培地、菌糸体および子実体の全て、を乾燥および粉砕して食品に加工することで、免疫賦活作用および抗腫瘍作用を有し、かつ、培地それ自体を利用することで菌床の高い栄養分を摂取することができる免疫賦活食品とその製造方法の提供を目的とする。

【解決手段】ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作る菌床作製工程n1と、上記培地を用いて菌糸体および子実体を発生させるキノコ栽培工程n2と、キノコ栽培工程n2後に培地および菌糸体を乾燥および粉砕して食品に加工する加工工程n3を備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作る菌床作製工程と、
上記培地を用いて菌糸体および子実体を発生させるキノコ栽培工程と、
キノコ栽培工程後に培地および菌糸体を乾燥および粉砕して食品に加工する加工工程とを備えた
免疫賦活食品の製造方法。
【請求項2】
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作る菌床作製工程と、
上記培地を用いて菌糸体および子実体を発生させるキノコ栽培工程と、
キノコ栽培工程後に培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥および粉砕して食品に加工する加工工程とを備えた
免疫賦活食品の製造方法。
【請求項3】
上記培地を構成する作物は有機栽培された
請求項1または2記載の免疫賦活食品の製造方法。
【請求項4】
上記培地を構成する作物には遠赤外線が照射され予めγ‐アミノ酪酸が富化された
請求項1〜3の何れか1に記載の免疫賦活食品の製造方法。
【請求項5】
上記遠赤外線の照射時間を20〜60秒間に設定した
請求項4記載の免疫賦活食品の製造方法。
【請求項6】
上記加工工程において予めγ‐アミノ酪酸が富化されたケールを別途混合して成る
請求項1〜5の何れか1に記載の免疫賦活食品の製造方法。
【請求項7】
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて作製した培地にて菌糸体、子実体を発生させ、
上記培地および菌糸体を乾燥、粉砕して加工された
免疫賦活食品。
【請求項8】
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて作製した培地にて菌糸体、子実体を発生させ、
上記培地および菌糸体および子実体の全てを乾燥、粉砕して加工された
免疫賦活食品。
【請求項9】
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉ののうちの少なくとも1つと、発芽玄米とを混合して作製した培地にて菌糸体、子実体を発生させ、上記培地と菌糸体または培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥、粉砕して加工された
免疫賦活食品。
【請求項10】
上記培地を構成する作物は有機栽培されると共に、予めγ‐アミノ酪酸が富化された
請求項7〜9の何れか1に記載の免疫賦活食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、免疫賦活作用および抗腫瘍作用(いわゆる抗ガン作用)を有するような免疫賦活食品とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述例の免疫賦活食品としては次のようなものがある。
すなわち、ケール加工物(ケールおよびその乾燥粉末、ケールの細片化物およびその乾燥粉末、ケール搾汁およびその乾燥粉末、ケールのエキスおよびその乾燥粉末などの総称)と、免疫賦活作用を有する成分が含有された素材としての菌類(アガリクス、霊芝、マイタケ、シイタケ、マツタケ、エノキタケおよび冬虫夏草のうち少なくとも1つ)とを含む免疫賦活食品である(特許文献1参照)。
【0003】
上述の菌類、例えばシイタケ、マツタケ、アガリクスは主として熱水抽出物が用いられている。つまり、粉砕したシイタケまたはマツタケまたはアガリクスを一旦乾燥させ、乾燥物に適量の蒸留水を加え、所定時間攪拌しながら加熱して熱水抽出した熱水抽出物を用いているので、この場合には、免疫賦活作用を有する成分の大半が廃棄されることになる。
【0004】
一方、キノコの栽培方法としては、ケールから青汁を搾汁した後の搾汁粕を、マイタケ、霊芝、カワラタケ、ハラタケ、ヒメマツタケ、ツクリタケ、マッシュルーム、マツタケ、エノキタケ、シイタケ、ヒラタケ、ナメコ、キクラゲ、ヨモギタケ、ハツタケ、シメジ、ツバタケ、アガリクスなどの菌類栽培用の菌床として使用する方法があるが(特許文献2参照)、
単にキノコの栽培方法が開示されたものに過ぎず、菌類等を用いて免疫賦活食品を得る点については何等の開示も示唆もない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−209552号公報
【特許文献2】特開2001−39号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作り、この培地を用いて菌糸体および子実体を発生させ、培地と菌糸体、または培地、菌糸体および子実体の全て、を乾燥および粉砕して食品に加工することで、免疫賦活作用および抗腫瘍作用を有し、かつ、培地それ自体を利用することで菌床の高い栄養分を摂取することができる免疫賦活食品とその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による免疫賦活食品の製造方法は、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作る菌床作製工程と、上記培地を用いて菌糸体および子実体を発生させるキノコ栽培工程と、キノコ栽培工程後に培地および菌糸体を乾燥および粉砕して食品に加工する加工工程とを備えたものである。
【0008】
上述のキノコは、ハナビラタケ、メシマコブ、タモギタケ、アガリクス、マンネンタケ、カバノアナタケの何れかに設定してもよい。特に抗腫瘍効果が認められているβグルカンの含有量が100g当たり43.6mgと最も多いハナビラタケが望ましい。
【0009】
上記構成によれば、菌床作製工程で、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つ(全て可食物)を用いて培地が作成され、キノコ栽培工程で、この培地を用いて菌糸体および子実体を発生させ、次に培地および菌糸体を乾燥および粉砕して食品に加工されるので、加工された食品を摂取すると、免疫賦活作用および抗腫瘍作用が確保できる。
【0010】
しかも、培地それ自体を利用するので菌床の高い栄養分を摂取することができる。つまり、培地である菌床の栄養分、特にビタミンB1、ビタミンB12は子実体の可食部を収穫した後の方が高い数値を示し、さらに抗腫瘍効果が認められているβグルカンの含量は子実体に対して菌糸体のほうが2.5〜3.5倍高くなる。
【0011】
特に発芽玄米を用いる場合には、この発芽玄米に含まれている、免疫賦活成分アラビノキシラン(詳しくはアラビノキシラン誘導体、可溶性の繊維で免疫賦活性作用を有する)は菌糸体の作用により、さらに向上する。
【0012】
さらに培地としては上述の作物のうち少なくとも1つを用いて培地を作るので、菌糸体および子実体を発生させることができる。
【0013】
この発明による免疫賦活食品の製造方法はまた、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作る菌床作製工程と、上記培地を用いて菌糸体および子実体を発生させるキノコ栽培工程と、キノコ栽培工程後に培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥および粉砕して食品に加工する加工工程とを備えたものである。
【0014】
上述の作物のうち、栄養価および免疫賦活作用のさらなる向上を考慮すると、ケールと発芽玄米の組合せが最も望ましい。
【0015】
上記構成によれば、培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥および粉砕して食品に加工するので、より一層高い免疫賦活作用および抗腫瘍作用を確保することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、
上記培地を構成する作物は有機栽培されたものである。
上記構成によれば、発芽玄米、ケール、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉または小麦若葉は無農薬、無化学肥料による有機の肥料のみで栽培したので、慣行栽培された作物に対してガンを抑制する成分としてのサリチル酸が5倍以上となり、しかも安全な免疫賦活食品を得ることができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、
上記培地を構成する作物には遠赤外線が照射され予めγ‐アミノ酪酸が富化されたものである。
上記構成によれば、上述の作物に対して遠赤外線を照射することで、これら作物に含まれているグルタミン酸(glutamic acid,タンパク質構成アミノ酸)がγ‐アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わり、γ‐アミノ酪酸が富化される。
【0018】
γ‐アミノ酪酸は化学式HNCHCHCHCOHで示され、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果等があることが認められている。特に発芽玄米の場合にはγ‐アミノ酪酸は白米の約16倍となる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、
上記遠赤外線の照射時間を20〜60秒間に設定したものである。
上述のケール、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉に対する遠赤外線の照射タイミングは、これらが生葉の段階において照射することがγ‐アミノ酪酸の富化上最も望ましい。
上記構成によれば、製造に要する時間の短縮を図りつつ、確実にGABA含量の増大を図ることができる。
【0020】
つまり、照射時間が20秒未満の過少時には遠赤外線の照射不足により、充分なGABA含量が確保できず、逆に照射時間60秒を超過する過大時にはGABA含量が低下するので、上記範囲内とする。この範囲内に設定すると、高いGABA含量が確保され、かつ電力消費エネルギの低減を図ることもできる。特にケール生葉に20〜60秒間遠赤外線を照射した場合には100g中650mgという高いγ‐アミノ酪酸の含量が確保できる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、
上記加工工程において予めγ‐アミノ酪酸が富化されたケールを別途混合して成るもである。
上記構成によれば、栄養価のさらなる向上を図ることができる。つまりケールはスーパーオキシド消去活性(いわゆるSOD)が野菜の中で最も高いうえ、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維に富み抗高血圧効果、有害物資の除去、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止効果が得られる。
【0022】
さらに詳しくは上述のケールは、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、βカロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、総ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性などの栄養価が高いものである。
【0023】
この発明による免疫賦活食品は、
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて作製した培地にて菌糸体および子実体を発生させ、上記培地および菌糸体を乾燥、粉砕して加工されたものである。
【0024】
上記構成によれば、培地それ自体を利用するので、菌床の高い栄養分を摂取することができるうえ、免疫賦活作用および抗腫瘍作用が確保できる。
特に菌糸体に含まれるβグルカンの量は子実体に含まれるβグルカンの量に対して2.5〜3.5倍に増加するので、良好な抗腫瘍作用が期待できる。
【0025】
なお、食品の形態としては、粉末、顆粒、粒状、ハードカプセル、ソフトカプセルの何れかであってもよく、またはレトルト食品化してもよく、さらには各種の飲食品に配合して飲食に供するように成してもよい。
【0026】
この発明による免疫賦活食品はまた、
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて作製した培地にて菌糸体、子実体を発生させ、上記培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥、粉砕して加工されたものである。
【0027】
上記構成によれば、培地、菌糸体および子実体の全てを用いて食品と成すので、より一層高い免疫賦活作用および抗腫瘍作用を確保することができる。
【0028】
この発明による免疫賦活食品はさらに、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉のうちの少なくとも1つと、発芽玄米とを混合して作製した培地にて菌糸体、子実体を発生させ、上記培地と菌糸体、または培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥、粉砕して加工されたものである。
【0029】
上記構成によれば、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉のうちの少なくとも1つと、発芽玄米との混合物(全て可食物)で培地を作製するので、子実体の充分かつ確実な発育が達成できると共に、菌糸体の作用により発芽玄米中のアラビノキシラン(免疫賦活成分)がさらに向上する。このため、乾燥、粉砕された食品を摂取すると、菌床の高い栄養分の摂取と、免疫賦活作用、抗腫瘍作用のさらなる向上との両立を図ることができる。
【0030】
なお、発芽玄米と混合する作物のうち栄養分の面ではケールが最も望ましい。
この発明の一実施態様においては、
上記培地を構成する作物は有機栽培されると共に予めγ‐アミノ酪酸が富化されたものである。
【0031】
上記構成によれば、農薬および化学肥料を一切用いない有機の肥料のみで栽培されているので、慣行栽培された作物に対してガン抑制成分としてのサリチル酸が5倍以上となり、かつ安全な免疫賦活食品を得ることができるうえ、γ‐アミノ酪酸が富化により、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果も期待できる免疫賦活食品となる。
【発明の効果】
【0032】
この発明によれば、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作り、この培地を用いて菌糸体および子実体を発生させ、培地と菌糸体、または培地、菌糸体および子実体の全て、を乾燥、粉砕して食品に加工したので、免疫賦活作用および抗腫瘍作用を有し、かつ、培地それ自体を利用することで菌床の高い栄養分を摂取することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
免疫賦活作用および抗腫瘍作用を有し、かつ、菌床の高い栄養分を確保するという目的をケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地を作り、この培地を用いて菌糸体および子実体を発生させ、培地と菌糸体、または培地、菌糸体および子実体の全てを乾燥、粉砕して食品に加工する構成により実現した。
【実施例】
【0034】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は免疫賦活食品とその製造方法を示し、図1に示す製造工程図の菌床作製工程n1で培地1(図3参照)を作る。
この菌床作製工程n1の詳細は図2に示す通りである。
【0035】
すなわち、図2に示す工程図においてケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つとして、この実施例では、まず無農薬、無化学肥料による有機の肥料のみで栽培されたケール2の生葉と発芽玄米を準備する。
【0036】
次に図2の遠赤外線照射工程s1で、ケール2と発芽玄米のうちの有機ケール2の生葉に対して遠赤外線を20〜60秒間の範囲で照射して、γ‐アミノ酪酸を富化する。なおケール2の生葉は必要に応じて適宜長さにスライスしてもよい。
【0037】
次に図2の1次乾燥工程s2で、ケール2の生葉の水分が6〜8wt%になるよに1次乾燥する。
【0038】
次に図2の2次乾燥工程s3で、上記ケール2の生葉に再度遠赤外線を照射して、ケール2の生葉に含有する水分が約3wt%前後になるように2次乾燥する。これらの乾燥処理により、ケール2のγ‐アミノ酪酸は100g中650mgを確保することができた。このγ‐アミノ酪酸の富化は1次乾燥および2次乾燥のうち、特に1次乾燥処理による効果が大である。
【0039】
次に図2の混合工程s4で、上述したように発芽玄米3(図3参照)を準備する。
この発芽玄米3としては、無農薬で化学肥料を一切使用しない有機栽培されたもので、かつ遠赤外線の照射によりγ‐アミノ酪酸が富化された発芽玄米を準備する。この発芽玄米3に対する遠赤外線の照射時間も20〜60秒の範囲に設定すると、照射時間が範囲外のものに対してγ‐アミノ酪酸の含量が最大となり、白米に対して約16倍となる。
【0040】
ここで、玄米を発芽させて発芽玄米3と成すことにより、リンが供給され、リン酸酵素が働いて、フィチン酸がリン酸とイノシトールとに分解され、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は必須脂肪酸に、澱粉は糖に、ミネラルはアミノ酸と結びついた形に変わり、キノコや身体に対しても吸収されやすくなり、かつ亜鉛などのミネラル類やビタミンが数倍に増える。
【0041】
また発芽玄米3は脂質代謝を正常化する働きのあるイノシトール、抗ガン作用が認められているIP6(いわゆるフィチン酸)、自律神経障害を緩和する働きのあるγ‐オリザノール、腸内環境を整える作用を有する食物繊維、コレステロールを低下させ血液を正常な状態にする作用をもったトコトリエノール、強い抗酸化作用のあるフェルラ酸などの重要な栄養素を含んでいる。
【0042】
図2の混合工程s4では、このような発芽玄米3を準備した後に、この発芽玄米3と各工程s1〜s3での処理を経たケール2とを混合して培地1を作る。
【0043】
ここで、発芽玄米3と各工程s1〜s3での処理が完了したケール2との混合割合(重量比率)は発芽玄米:ケールで9:1〜1:9の範囲、たとえば9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、またはこれらの中間割合に設定することができ、栽培すべきキノコの種類に対応して任意の割合に選定する。
【0044】
このようにして作製された培地1つまり菌床はキノコの培地として最適となり、かつ副成分や栄養分を別途添加することなく、キノコにとって好濃度の栄養をもつことになる。
【0045】
なお、培地1の水分は60〜90wt%に設定する。また、この培地1は多量の略粒形状の発芽玄米3を有するので、充分高い空隙率を有し、酸素量が多いので、次のキノコ栽培工程n2における菌糸体接触面積の増大、換言すれば菌糸体成長の拡大を図ることができる。
【0046】
次に、図1のキノコ栽培工程n2で、上述の培地1を用いて菌糸体4および子実体5(図3参照)を発生させる。
【0047】
ここで、キノコとしてはハナビラタケ、メシマコブ、タモギタケ、アガリクス、マンネンタケ、カバノアナタケの何れかに設定することができるが、抗腫瘍効果が認められているβグルカンの含有量が100g当り43.6mgと最も多いハナビラタケが望ましい。
【0048】
上述のキノコ栽培工程n2では、培地1にまず、種菌を接種し、菌糸体4を成長させ、この菌糸体4の成長を継続して蔓延増殖させた後に、菌掻きを行い芽出し処理を施すと子実体5を得ることができた。この子実体5は培地1に発芽玄米3のみならずケール2を混合したので、順調かつ確実な発育が可能となった。
【0049】
次に、図1の加工工程n3で、キノコ栽培工程n2後の培地1および菌糸体4を用いて、または培地1と菌糸体4と子実体5との全てを用いて免疫賦活食品6に加工する。
【0050】
すなわち、上述の加工工程n3では各要素1,4または1,4,5に対して遠赤外線を照射してその水分が3wt%前後になるまで乾燥処理した後に粉砕により微粉末とし、細胞膜を粉砕した0.5μ〜80μと成す。細胞膜破砕処理により体内に吸収されやすい状態となる。粉砕装置としてはミル等の粉砕手段を用いることができる。
【0051】
粉末状の免疫賦活食品1と成す場合には、粉砕された状態のまま取出し、顆粒、ハードカプセル、ソフトカプセル、粒状の免疫賦活食品6と成す場合には成形機を用いて所定の形状と成す。
【0052】
また粉末状のものを分包製品と成してもよく、またはレトルト食品化してもよく、さらには各種の飲食品に配合して飲食に供するように成してもよい。
【0053】
さらに図1の各工程n1〜n3またはn1,n2により製造される免疫賦活食品6、特に粉末状のもの、あるいは免疫賦活食品6に加工される中途段階のものに対して、予めγ‐アミノ各酪酸が富化されたケールを食品6:別途混合するケールの混合割合(重量割合)を1:9〜9:1の範囲に設定して混合し、この混合物を粉末、顆粒、粒状、ハードカプセル、ソフトカプセル等の免疫賦活食品7と成してもよい。
【0054】
なお、上記実施例においては、ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つとして、ケール2および発芽玄米3を用いたが、他の1つ又は他の組合せにて培地を作るように成してもよく、この場合には使用する作物に対応して成分が若干異なるものの、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏する。
【0055】
一例として稲若葉の成分を列記すると、稲若葉は、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィルなどの栄養価が高いものである。
【0056】
なお、上記作用のうち、ケールと発芽玄米とを用いて培地を作った場合には、子実体の発育が充分で、しかも均質かつ確実なる発育度の高い子実体を得ることができた。
【0057】
このように上記実施例の免疫賦活食品の製造方法は、ケール2、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米3の少なくとも1つを用いて培地1を作る菌床作製工程n1と、
上記培地1を用いて菌糸体4および子実体5を発生させるキノコ栽培工程n2と、
キノコ栽培工程n2後に培地1および菌糸体4を乾燥および粉砕して食品6に加工する加工工程n3とを備えたものである。
【0058】
この構成によれば、菌床作製工程n1で、ケール2、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つ(全て可食物)を用いて培地1が作成され、キノコ栽培工程n2で、この培地1を用いて菌糸体4および子実体3を発生させ、
次に培地1および菌糸体4を乾燥および粉砕して食品6に加工されるので、加工された食品6を摂取すると、免疫賦活作用および抗腫瘍作用が確保できる。
【0059】
しかも、培地1それ自体を利用するので菌床の高い栄養分を摂取することができる。つまり、培地1である菌床の栄養分、特にビタミンB1、ビタミンB12は子実体5の可食部を収穫した後の方が高い数値を示し、さらに抗腫瘍効果が認められているβグルカンの含量は子実体に対して菌糸体のほうが2.5〜3.5倍高くなる。
【0060】
特に発芽玄米を用いる場合には、この発芽玄米3に含まれている免疫賦活成分アラビノキシラン(詳しくはアラビノキシラン誘導体、可溶性の繊維で免疫賦活性作用を有する)は菌糸体4の作用により、さらに向上する。
【0061】
さらに培地1としては上述の作物のうちの少なくとも1つを用いて(この実施例ではケール2と発芽玄米3)培地を作るので、菌糸体4および子実体5を確実に発生させることができる。
【0062】
しかも、上記実施例の免疫賦活食品の製造方法は、ケール2、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて培地1を作る菌床作製工程n1と、
上記培地1を用いて菌糸体4および子実体5を発生させるキノコ栽培工程n2と、
キノコ栽培工程n2後に培地1、菌糸体4および子実体5の全てを丸ごと乾燥および粉砕して食品6に加工する加工工程n3とを備えたものである。
【0063】
この構成によれば、培地1、菌糸体4および子実体5の全てを丸ごと乾燥および粉砕して食品6に加工するので、より一層高い免疫賦活作用および抗腫瘍作用を確保することができる。
【0064】
さらに、上記培地1を構成する作物は有機栽培されたものである。
【0065】
この構成によれば発芽玄米3、ケール2、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉または小麦若葉は無農薬、無化学肥料による有機の肥料のみで栽培したので、慣行栽培された作物に対してガンを抑制する成分としてのサリチル酸が5倍以上となり、しかも安全な免疫賦活食品を得ることができる。
【0066】
また、上記培地1を構成する作物には遠赤外線が照射され予めγ−アミノ酪酸が富化されたものである。
【0067】
この構成によれば、上述の作物に対して遠赤外線を照射することで、これら作物に含まれているグルタミン酸(glutamic acid、タンパク質構成アミノ酸)がγ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わり、γ−アミノ酪酸が富化される。
【0068】
γ−アミノ酪酸は化学式HNCHCHCHCOHで示され、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果などがあることが認められている。特に発芽玄米3の
場合にはγ−アミノ酪酸は白米の約16倍となる。
加えて、遠赤外線の照射時間を20〜60秒間に設定したものである。
【0069】
ここで、上述のケール、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉に対する遠赤外線の照射タイミングは、これらが生葉の段階において照射することがγ−アミノ酪酸の富化上最も望ましい。
【0070】
この構成によれば、製造に要する時間の短縮を図りつつ、確実にGABA含量の増大をはかることができる。
【0071】
つまり、照射時間が20秒未満の過少時には遠赤外線の照射不足により、充分なGABA含量が確保できず、逆に照射時間が60秒を超過する過大時にはGABA含量が低下するので、上記範囲内とする。この範囲内に設定すると、高いGABA含量が確保され、かつ電力消費エネルギの低減を図ることもできる、特にケール2の生葉に20〜60秒間遠赤外線を照射した場合には100g中650mgという高いγ−アミノ酪酸の含量が確保できる。
さらに、上記加工工程n3において予めγ−アミノ酪酸が富化されたケールを別途混合して成るものである(図1の免疫賦活食品7参照)。
【0072】
この構成によれば、栄養価のさらなる向上を図ることができる。つまり、ケールはスーパーオキシド消去活性(いわゆるSOD)が野菜の中で最も高いうえ、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維に富み、抗高血圧効果、有害物質の除去、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止効果が得られる。
【0073】
さらに詳しくは上述のケールは、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、総ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性などの栄養価が高いものである。
【0074】
一方、上記実施例の免疫賦活食品は、
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて作製した培地1にて菌糸体4、子実体5を発生させ、上記培地1および菌糸体4を乾燥、粉砕して加工されたものである。
【0075】
この構成によれば、培地1それ自体を利用するので、菌床の高い栄養分を摂取することができるうえ、免疫賦活作用および抗腫瘍作用が確保できる。
【0076】
特に、菌糸体に含まれるβグルカンの量は子実体に含まれるβグルカンの量に対して2.5〜3.5倍に増加するので、良好な抗腫瘍作用が期待できる。
なお、食品の形態としては、粉末、顆粒、粒状、ハードカプセル、ソフトカプセルの何れであってもよく、粉末状のものを分包製品としてもよく、またはレトルト食品化してもよく、さらには各種の飲食品に配合して飲食に供するように成してもよい。
【0077】
また上記実施例の免疫賦活食品は、
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉、発芽玄米の少なくとも1つを用いて作製した培地1にて菌糸体4、子実体5を発生させ、上記培地1、菌糸体4および子実体5の全てを丸ごと乾燥、粉砕して加工されたものである。
【0078】
この構成によれば、培地1、菌糸体4および子実体5の全てを丸ごと用いて食品6または7と成すので、より一層高い免疫賦活作用および抗腫瘍作用を確保することができる。
【0079】
さらに上記実施例の免疫賦活食品は、
ケール、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉のうちの少なくとも1つ(この実施例ではケール2)と、発芽玄米3とを混合して作製した培地1にて菌糸体4、子実体5を発生させ、上記培地1と、菌糸体4のみ、または培地1、菌糸体4および子実体5の全てを乾燥、粉砕して加工されたものである。
【0080】
この構成によれば、ケール2、ケールのしぼり粕、大根葉、カブ葉、稲若葉、大麦若葉、小麦若葉のうちの少なくとも1つと発芽玄米3との混合物(全て可食物)で培地1を作製するので、子実体5の充分かつ確実な発育が達成できると共に、菌糸体4の作用により発芽玄米3中のアラビノキシラン(免疫賦活成分)がさらに向上する。このため、乾燥、粉砕された食品を摂取すると、菌床の高い栄養分の摂取と、免疫賦活作用、抗腫瘍作用のさらなる向上との両立を図ることができる。
なお、発芽玄米3と混合する作物のうち栄養価の面ではケール2が最も望ましい。
【0081】
さらに、上記培地を1作製する作物は有機栽培されると共に予めγ−アミノ酪酸が富化されたものである。
この構成によれば、農薬および化学肥料を一切用いない有機の肥料のみで栽培されているので、慣行栽培された作物に対してガン抑制成分としてのサリチル酸が5倍以上となり、かつ安全な免疫賦活食品を得ることができるうえ、γ−アミノ酪酸の富化により、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果も期待できる免疫賦活食品となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の免疫賦活食品の製造方法を示す工程図
【図2】図1の菌床作製工程の説明図
【図3】キノコ栽培状況を示す説明図
【符号の説明】
【0083】
1…培地
2…ケール
3…発芽玄米
4…菌糸体
5…子実体
6,7…免疫賦活食品
n1…菌床作製工程
n2…キノコ栽培工程
n3…加工工程
【出願人】 【識別番号】593008494
【氏名又は名称】遠赤青汁株式会社
【住所又は居所】愛媛県温泉郡川内町大字則之内甲2225番地1
【出願日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【代理人】 【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭

【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭

【公開番号】 特開2005−65555(P2005−65555A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−298298(P2003−298298)