| 【発明の名称】 |
練製食品の製造方法ならびに加工食品の熱処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】綾木 毅 【住所又は居所】茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉羽化学工業株式会社包装材料研究所内
【氏名】田中 幹雄 【住所又は居所】茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉羽化学工業株式会社包装材料研究所内
【氏名】広瀬 和彦 【住所又は居所】茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉羽化学工業株式会社包装材料研究所内
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| 【要約】 |
【課題】加熱によって凝固(ゲル化)する練製食品に対して、通電加熱と外部加熱を組み合わせることにより、加熱時間を短縮しつつ、弾力向上、目減りの抑制といった良好な品質の練製食品の製造を可能とする方法を提供する。また、加工食品を多孔質包材で包装してなる包装体の加熱時間の短縮を可能とする加工食品の熱処理方法を提供する。
【解決手段】練製食品の製造方法であって、ケーシングに充填していない練製食品又は多孔質包材で包装してなる練製食品包装体に、予備加熱として通電加熱を行った後、外部加熱処理する。加工食品を多孔質包材で包装してなる包装体に電極を接触させて通電加熱することにより食品を熱処理する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 練製食品の製造方法であって、練製食品に予備加熱として通電加熱を行った後、さらに外部加熱処理することを特徴とする練製食品の製造方法。 【請求項2】 練製食品を多孔質包材で包装してなる包装体に電極を接触させて通電加熱する請求項1に記載の練製食品の製造方法。 【請求項3】 加工食品を多孔質包材で包装してなる包装体に電極を接触させて通電加熱することを特徴とする加工食品の熱処理方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は練製食品の製造方法に関するもので、詳しくは加熱によって凝固(ゲル化)する練製食品の製造方法に関するものである。また本発明は、加工食品の熱処理方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、ハム、ソーセージ、かまぼこといった練製食品は、原料である牛、豚、魚肉に食塩を加え、すり潰して肉糊とし、これを外部からの加熱で凝固させることにより製造している。この凝固(ゲル化)は、原料肉中の筋原繊維を構成しているミオフィラメントが食塩の塩溶作用によって溶解、分散、重合してアクトミオシンのゾルとなり、このアクトミオシンゾルが加熱によって分子間に架橋を作って3次元の網状構造を形成し、その網目の中に水が封じ込められることにより生じる。よって、ハム、ソーセージ、かまぼこといった練製食品は凝固(ゲル化)のためにある一定温度および一定時間加熱する必要がある。これらの練製食品を凝固(ゲル化)させるための加熱方法として、レトルト加熱、ボイル加熱、スチーム加熱、遠赤外線加熱などの外部加熱が一般的に利用されているが、外部加熱の場合、練製食品の中心部に熱が伝わりにくいため、中心部に十分な加熱効果を生じさせようとすると表面部が過剰に加熱されてしまい、食品の風味劣化、目減り、栄養成分の喪失といった品質低下につながることが問題となっている。このような問題を解決する手段として内部加熱の一種である通電加熱が利用されている。 【0003】 通電加熱とは食品が持つ抵抗を利用して直接電気を流したときに生じる熱によって加熱する方法で、食品を内部から均一に急速加熱することができる方法である。しかし、通電加熱による食品の加熱では電気が均一に流れることにより加熱されても、表面部が外気または容器と接しているため、熱が表面部から逃げ、結果的には熱履歴は食品中心部のほうが高く、表面部は小さくなるといった問題がある。また、通電加熱に適用可能でかつ保存中の食品の品質保持が可能な包装材料が現在ないことから、食品を包装した状態で通電加熱を行い、そのまま最終商品の形態として流通させることは難しいという問題がある。 【0004】 このような問題を解決する手段として、例えば食品工業45(22),p23-33,2002「新開発の機械・装置II ジュールヒーターシステム」では、ハム・ソーセージの生産工程において予備加熱として通電加熱を用い、その後マイクロ波加熱で成形し、さらにガスオーブン・燻煙・加熱等の工程へと送られる技術が公開されている(非特許文献1参照)。しかし、これだとハム・ソーセージの原料肉を包装せずに直接通電加熱を行い、さらにマイクロ波加熱、ガスオーブン・燻煙・加熱工程を行っていることから、食品からの水分逸散による目減りや微生物による二次汚染のリスクが生じるといった問題がある。 【0005】 また、特開平6−169738号公報では、透水性材料あるいは透湿性包装膜体材料で作られた包装体により包装した食品材料あるいは未包装の食品材料を、くん液を添加した導電液が収容された絶縁性容器に完遂状態のもとに収容して、通電作用により速やかに加熱殺菌処理しながら導電液中に添加されたくん液成分を食品材料に浸透させて、くん香風味の食味良好な通電加工食品を短時間で製造する方法が示されている(特許文献1参照)。さらに、特開平7−147913号公報では、食品材料を透水性あるいは透湿性の包装材により包装して衛生面の上でその取り扱いが容易にできるばかりか、通電性を促進せしめるとともに、包装品を包装品と1対の電極との間に介在された柔軟通電材により包装品と1対の電極との接触を良好ならしめ、一定形状あるいは不定形状の包装品であっても食品材料に対し電流を均一に流通させ、均等に加熱処理された通電加工食品を製造することができる技術が公開されている(特許文献2参照)。しかし、これらでは加熱媒体としてくん液や柔軟通電材がないと加熱できないばかりか、加熱媒体の導電率の影響によって食品材料への加熱効果が変化するといった問題がある。 【0006】 【非特許文献1】多田宗儀著 食品工業45(22),p23-33,2002「新開発の機械・装置II ジュールヒーターシステム」 【特許文献1】特開平6−169738号公報 【特許文献2】特開平7−147913号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、加熱によって凝固(ゲル化)する練製食品に対して、通電加熱と外部加熱を組み合わせることにより、加熱時間を短縮しつつ、弾力向上、目減りの抑制といった良好な品質の練製食品の製造を可能とする方法を提供することを目的とする。また本発明は、加工食品を多孔質包材で包装してなる包装体の加熱時間の短縮を可能とする加工食品の熱処理方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、練製食品の加熱方法として通電加熱と外部加熱を組み合わせることにより、加熱時間を短縮しつつ、弾力の高い練製食品を製造する方法を見出し、さらに、多孔質包材で包装した状態で練製食品に対して通電加熱と外部加熱を組み合わせると、弾力が向上するだけではなく、目減りの抑制により歩留まり率のよい練製食品が製造できる方法を見出し、本発明に至った。 【0009】 すなわち、本発明は、練製食品の製造方法であって、練製食品に予備加熱として通電加熱を行った後、さらに外部加熱処理することを特徴とする練製食品の製造方法を提供する。本発明の製造方法においては、練製食品を多孔質包材で包装してなる包装体に電極を接触させて通電加熱することが好ましい。 【0010】 また本発明は、加工食品を多孔質包材で包装してなる包装体に電極を接触させて通電加熱することを特徴とする加工食品の熱処理方法を提供する。 【発明の効果】 【0011】 以上説明した通り、本発明によれば、練製食品の加熱方法として通電加熱と外部加熱を組み合わせることにより、加熱時間を短縮しつつ、十分な殺菌効果を得ることができるとともに、弾力の高い練製食品を製造することができる。さらに、多孔質包材で包装した状態で練製食品に対して通電加熱と外部加熱を組み合わせると、弾力が向上するだけではなく、目減りの抑制により歩留まり率のよい練製食品を製造できる。 【0012】 さらに、本発明の熱処理方法を用いることにより、練製食品に限らず加工食品を個装状態で熱処理することができるため、加熱時間を短縮することでビタミンなどの栄養成分の分解、変色などを抑制することができるとともに、製造工程の簡素化を図ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明において対象となる食品としては、ハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、ういろう、ようかん、味噌、ジャム、ハチミツ、豆腐、こんにゃく、パン、クリーム、鶏卵、カレー、シチュー、ポタージュスープ、ソース、ハンバーグ、ローストビーフ、魚、牛乳、果物ジュース(オレンジジュース、グレープフルーツジュース、グレープジュースなど)、コーヒー、日本酒(清酒)、ビール、麦茶、緑茶、カットフルーツ、カット野菜(ジャガイモ、ニンジン、ダイコンなど)などの加工食品があげられる。 【0014】 なかでも、本発明の製造方法は、ハム、ソーセージ等の食肉加工品、かまぼこ(笹かまぼこ)、ちくわ、はんぺん等の魚介類加工品、ういろう等の米穀類加工品、豆腐等の豆類加工品などの加熱によって凝固(ゲル化)する練製食品に適用することが好ましい。特に、ハム、ソーセージ等の食肉加工品に適用することにより、従来の加熱方法に比べて加熱時間を大幅に短縮することができるとともに、加熱時間の短縮により目減りが抑制されることで生産歩留りが著しく向上する。 【0015】 本発明の製造方法においては、通電加熱と外部加熱を組み合わせる場合、予備加熱として通電加熱を用い、その後のクッキング工程として外部加熱を用いる。予備加熱として通電加熱を用いることにより、練製食品の中心部が急速に加熱され、さらに外部加熱によって表面部が加熱されることにより、目減り減少が抑制でき、かつ弾力の強い練製食品が製造できるとともに、より短い加熱時間で効率良く加熱殺菌を行うことが可能である。ここで、予備加熱に外部加熱、クッキング工程に通電加熱を用いてしまうと、外部加熱により練製食品の表面部が加熱されて凝固(ゲル化)することにより導電率が低下するため、クッキング工程において通電加熱を用いると加熱効果が低下し、その結果、十分な加熱効果を得るためには加熱時間を長くしなければならないといった問題が生じる。また、予備加熱およびクッキング工程の両方に通電加熱を用いると、クッキング工程における通電加熱は表面部から熱が逃げてしまうため、加熱効果が劣るという問題が生じる。よって、予備加熱として通電加熱を用い、クッキング工程に外部加熱を用いることにより、より短い加熱時間で加熱殺菌効果が得られることになる。 【0016】 前記の外部加熱としては、スチーム加熱、ボイル加熱、レトルト加熱、遠赤外線加熱などがあげられる。外部加熱は、従来公知の方法に従って行なえばよく、加熱時間や加熱温度は特に限定されない。 【0017】 本発明において通電加熱する場合、練製食品が未包装であれば練製食品をそのまま、あるいは所望の形状に成形した後に、通電加熱する。また練製食品が包装されたものであれば、包装体に電極を直接接触させて通電加熱するのが良い。ただし、包装された食品に通電加熱する場合は、練製食品に限らず広く加工食品に本発明の通電加熱方法を適用することができる。 【0018】 本発明の製造方法においては、通電加熱および外部加熱時に多孔質包材で包装した状態で練製食品の原料を加熱することが好ましい。多孔質包材を用いて原料を包装してから通電加熱および外部加熱を行うことにより、水分逸散がより抑制されるだけでなく、食品の保形性も良好に保つことができ、さらに、微生物による2次汚染のリスクも低減することができる。 【0019】 本発明で用いる多孔質包材とは、分子やイオンが通り抜けられる程度かそれ以上の大きさの微細な孔が存在する材料を指している。分子やイオンが通り抜けられる程度かそれ以上の大きさの孔を有する多孔質包材としては、セロハンなどの半透膜(概ね20Å以上の孔を有する)があげられ、それ以上の大きさの孔を有するものとして、セルロースアセテートやナイロンを素材とするメンブランフィルター類(概ね0.2〜5μmの孔径を有する)や、セルロースケーシング、コラーゲンケーシング、ファイブラスケーシングといった包材などがあげられる。また、ポリオレフィンやポリアミドなどのプラスチック材料に炭酸カルシウム粉末などの無機物を添加して微細な孔を付与したもの、あるいは放電処理やレーザーなどによる穿孔処理によって数μm〜数百μmの孔を付与したものなどもあげることができる。さらに、様々な材料の繊維から構成される不織布もまた本発明でいう多孔質包材に含まれる。 【0020】 なお、多孔質包材に設けられた孔径について厳密に規定することはできないが、ゾウリムシなどの原生動物が通過できない40μm以下の孔径あるいは空隙を有することが好ましく、カビや酵母の侵入を抑止できる5μm以下の孔径あるいは空隙を有することがさらに好ましい。最も好ましくは、0.5μm以下の孔径あるいは空隙を有することであり、それによって、大腸菌などの細菌の侵入を効果的に抑えることができる。なお、ケーシングを一定の長さに設定し、原料を充填したあと両端部をひも、金属ワイヤーなどで結札してもよい。 【0021】 通電加熱する場合は、加工食品の種類、形状、物性などに応じて、電極の形状、高さや位置、通電電圧、通電時間を適宜決定することができる。通電時間は電圧、食品の種類、形状などによって異なるが、10秒〜15分間とすることが好ましく、より好ましくは30秒〜10分間、特に好ましくは1〜10分間とすることが望ましい。通電加熱時間が短かすぎると、練製食品に適用した際に中心部まで加熱されないおそれがあり、加熱殺菌を十分行うことができなくなる。一方、通電時間が長すぎると、食品の変色、風味の劣化、組織の破壊等が生じやすくなる。また、通電時の交流周波数は電圧100Vとしたとき、20Hz〜100kHzとすることが好ましく、より好ましくは50Hz〜40kHzとすることが望ましい。なお、上記交流周波数は、電圧を更に高めた場合、例えば200Vや300Vとした場合においても、適宜用いることができる。交流周波数が低すぎると、電極の腐食やイオン化した電極材料が食品へ汚染するおそれがある。 【実施例】 【0022】 以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各評価は以下の方法で行った。 【0023】 (1)重量変化率:セルロースケーシングに充填したソーセージの加熱前の重量を測定し、加熱後に同様に測定し、下式を用いて算出した。 【数1】
【0024】 (2)ゼリー強度:ソーセージを長さ30mmに切断し、その断面に直径5mmの球型プランジャーをレオメーターにて突刺したときの突刺し強度最大荷重(g)と距離(cm)の積をゼリー強度として算出した。 【0025】 (3)細菌数:ソーセージ肉1gに滅菌済み生理食塩水を9mL加えてよく攪拌し、その1mLを滅菌シャーレに取り、一般細菌の場合は標準寒天培地を、大腸菌群の場合はデゾキシコレート寒天培地をそれぞれ流し込み、37℃で2日間培養後、コロニー数を測定した。 【0026】 (4)官能評価:評価方法には3点識別試験法を用いた。3点識別試験法は、(A,A,B)、(A,B,B)のようにA(またはB)を2個、B(またはA)を1個、計3個を1組にして同時に与え、この中から異質のものを1個選ばせた。(A,A,B)ならBを、(A,B,B)ならAを選べば正解とし、検定表をもとに正解数から有意差を判定した。 【0027】 (実施例1) ソーセージ原料を混合し、セルロースケーシング(20mmφ×140mm、内容物重量80g)に充填し、予備加熱として通電加熱(電源電圧100V、交流周波数20kHz)とスチーム加熱を行った。通電加熱は、ケーシングの両端部に電極を接触させた状態で行った。結果を図1に示す。その結果、スチーム加熱の場合、ソーセージの中心部が75℃に到達するまでに約25分かかっていたのに対し、通電加熱ではソーセージの中心部が80℃に到達するのに約2分30秒であった。これより、予備加熱として通電加熱を用いるほうがスチーム加熱を用いるよりも中心部の加熱が短時間で行えることが明らかとなった。 【0028】 (実施例2) 実施例1と同様にして、混合したソーセージ原料をセルロースケーシングに充填し、予備加熱として通電加熱(電源電圧100V、交流周波数20kHz)と、スチーム加熱を行ったときの重量変化率を測定した。測定は5回行い平均値を求めた。その結果、予備加熱でスチーム加熱を行った場合のソーセージの重量変化率は−2.8%であったのに対して、通電加熱では重量変化率が−1.9%となり、予備加熱に通電加熱を用いるほうがスチーム加熱を用いるよりも目減りが抑制されていることが明らかとなった。 【0029】 (実施例3) 実施例1と同様にして、予備加熱として通電加熱とスチーム加熱を行ったときのゼリー強度を測定した。測定は5回行い平均値を求めた。その結果、予備加熱でスチーム加熱を行った場合のソーセージのゼリー強度は79.5g・cmであったのに対して、通電加熱ではゼリー強度が114.1g・cmとなり、予備加熱に通電加熱を用いるほうがスチーム加熱を用いるよりも弾力が向上していることが明らかとなった。 【0030】 (比較例1) 実施例1と同様にして混合したソーセージ原料80gを、ポリプロピレンフィルム(東レ合成(株)製、厚み60μm)に包み、予備加熱として通電加熱(電源電圧100V、交流周波数20kHz)を行った。その結果、加熱5分後においてもソーセージ中心部の温度は全く上昇していなかった。さらに、通電加熱時の電圧を300Vまで上げても同様の結果であった。これより、ポリプロピレンフィルムでは通電加熱効果が生じないことが明らかとなった。 【0031】 (比較例2) 実施例1と同様にして混合したソーセージ原料80gを、ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、厚み50μm)に包み、予備加熱として通電加熱(電源電圧100V、交流周波数20kHz)を行った。その結果、加熱5分後においてもソーセージ中心部の温度は全く上昇していなかった。さらに、通電加熱時の電圧を300Vまで上げても同様の結果であった。これより、ポリエチレンフィルムでは通電加熱効果が生じないことが明らかとなった。 【0032】 (実施例4〜5、比較例3〜4) 予備加熱として通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を用いたときのソーセージの品質を評価した。また、セルロースケーシングに充填したソーセージとセルロースケーシングに充填しないソーセージの品質も併せて評価した。なお、ここで予備加熱としてのスチーム加熱は加熱時間30分、中心温度75℃までの加熱、予備加熱としての通電加熱(電源電圧100V、交流周波数20kHz)は加熱時間4分2秒、中心温度85℃までの加熱を行った。クッキング工程でのスチーム加熱は加熱時間30分とした。 【0033】 ソーセージをセルロースケーシングに充填して、予備加熱およびクッキング工程ともにスチーム加熱を行ったもの(比較例3)、ソーセージをセルロースケーシングに充填して、予備加熱に通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行ったもの(実施例4)、ソーセージをセルロースケーシングに充填せずに、予備加熱として通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行ったもの(実施例5)について、それぞれ重量変化率、ゼリー強度を測定した。測定は各10回行い平均値を求めた。その結果を表1に示す。 【0034】 【表1】
【0035】 表1より、ソーセージをセルロースケーシングに充填して、予備加熱に通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行うと、ソーセージの目減りがより抑制されることが明らかとなった。またソーセージの予備加熱に通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行うと、ケーシングの有無に関係なくソーセージの弾力がより向上することが明らかとなった。 【0036】 さらに、上記の方法で製造したソーセージ、および未加熱のソーセージ(比較例4)の一般細菌数および大腸菌群数を測定した。その結果を表2に示す。 【0037】
【表2】
【0038】 表2より、ソーセージの予備加熱に通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行うと、予備加熱およびクッキング工程にスチーム加熱を用いた場合と同等な殺菌効果が得られることが明らかとなった。 【0039】 さらに、上記の方法で製造したソーセージの官能評価を行った。すなわち、実施例4で製造したソーセージ(B)と実施例5で製造したソーセージ(A)との官能評価、ならびに比較例3で製造したソーセージ(C)と実施例5で製造したソーセージ(D)との官能評価を行った。その結果を表3に示す。 【0040】 【表3】
【0041】 表3より、ソーセージをセルロースケーシングに充填せずに、予備加熱として通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行ったもの(実施例5)と、ソーセージをセルロースケーシングに充填して、予備加熱に通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行ったもの(実施例4)では有意な差は認められなかった。また、ソーセージをセルロースケーシングに充填して、予備加熱およびクッキング工程にスチーム加熱を用いたもの(比較例3)と、ソーセージをセルロースケーシングに充填せずに、予備加熱として通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行ったもの(実施例5)でも有意な差は認められなかった。これより、ソーセージの予備加熱に通電加熱を用い、クッキング工程にスチーム加熱を行うと、ソーセージの予備加熱およびクッキング工程にスチーム加熱を用いたものと、官能的にはほぼ同等の品質のソーセージが製造できることが明らかとなった。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】スチーム加熱および通電加熱の加熱時間とソーセージ中心温度との関係を示すグラフである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001100 【氏名又は名称】呉羽化学工業株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋堀留町1丁目9番11号
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| 【出願日】 |
平成15年8月22日(2003.8.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100115440 【弁理士】 【氏名又は名称】中山 光子
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| 【公開番号】 |
特開2005−65550(P2005−65550A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−298095(P2003−298095) |
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