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【発明の名称】 韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法
【発明者】 【氏名】高村 隆仁

【要約】 【課題】健康を増進することの可能な韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法を提供することにある。

【解決手段】小麦粉に対し、韃靼そば粉30〜70重量%、韃靼そばの葉の粉末1〜2重量%を配合し、常法により麺帯を製造することを特徴とする韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉に対し、韃靼そば粉30〜70重量%、韃靼そばの葉の粉末1〜2重量%、活性グルテン1〜3重量%を配合し、常法により麺帯を製造することを特徴とする韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法。
【請求項2】
小麦粉が中力粉、、強力粉、セモリナ粉等から選ばれてなる請求項1に記載の韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法に関し、さらに詳しくはこれを食する消費者が健康を増進するとともに、無理なく食することができるそばめんもしくはパスタを提供しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
韃靼種のそば種子から製粉した韃靼種のそば粉には、日本そば種子から製粉したそば粉(普通種そば粉)と比較して、約100倍ほどのルチン成分が含まれている。このルチン成分は、高血圧や動脈硬化の予防等に有効な成分であることが知られているため、韃靼種のそば粉は健康食品用素材として注目されつつある。しかし、韃靼種のそば粉中には、加水によって作用するルチン分解酵素が含有されており、韃靼種のそば粉に加水して麺やパン等に加工する際に、ルチン成分が分解される。このため、韃靼種のそば粉から得た麺やパン等を食しても、韃靼種のそば粉に含まれているルチン成分量に基づいて期待されるルチン成分量を摂取できないという問題がある。このため、特公平5−63133号公報(特許文献1参照)においては、韃靼種のそば種子又は韃靼種のそば粉に加熱処理を施し、そば種子又はそば粉中に含まれているルチン分解酵素を失活させる韃靼種のそば粉の製造方法が提案されている。特開平11−75743号公報(特許文献2参照)および特開2001−23147号公報(特許文献3参照)も同様の趣旨である。
【特許文献1】特公平5−63133号公報
【特許文献2】特開平11−75743号公報
【特許文献3】特開2001−231475公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような韃靼種のそば粉を用いて食するに耐え、しかも健康を増進することの可能なそばやパスタ類の研究については、あまり提案されていないのが現状である。したがってこの発明は、健康を増進することの可能な韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわちこの発明の韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法は、小麦粉に対し、韃靼そば粉30〜70重量%、韃靼そばの葉の粉末1〜2重量%、活性グルテン1〜3重量%を配合し、常法により麺帯を製造することを特徴とするものである。
【0005】
またこの発明の韃靼そば粉類を用いたそばめんもしくはパスタの製造方法は、小麦粉が中力粉、、強力粉、セモリナ粉等から選ばれてなることをも特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、小麦粉に対し、韃靼そば粉30〜70重量%、韃靼そばの葉の粉末1〜2重量%および活性グルテン1〜3重量%を配合し、常法により麺帯を製造している。すなわち、ルチン成分が大量に含まれたそばめんもしくはパスタを得ることができるとともに、例えば予め小麦粉に加水して所定の水分量にしておいた練り物に所定の配合量の韃靼そば粉や韃靼そばの葉の粉末を急速に添加・混合してルチン成分が大量に含まれたそばめんもしくはパスタを提供することができる。
【0007】
また本発明によれば、韃靼そばの葉の粉末を配合しているので、ルチン成分が大量に含まれたそばめんもしくはパスタを得ることができる。したがって、毛細血管に作用して高血圧を予防する作用があるといわれているルチンを有効に健康食品に利用することができ、しかも得ようとするそばめんもしくはパスタも、その風味や色合いも良好で、無理なく食することが可能なそばめんもしくはパスタを得ることが可能となった。
さらに活性グルテンの配合により、食感が改良されるとともに、麺線の切れを防止し、調理後の麺の茹でのびを抑ええることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明においては、小麦粉に対し、韃靼そば粉30〜70重量%、韃靼そばの葉の粉末1〜2重量%および活性グルテン1〜3重量%を配合し、常法により麺帯を製造することが肝要である。
【0009】
韃靼種のそば種子に乾熱処理を施しても、ルチン分解酵素を実質的に失活することができない。このため、乾熱処理を施した韃靼種のそば種子を製粉して得た韃靼種のそば粉に加水すると、そば粉中のルチン成分が急激に減少するとともに、ケルセチン成分が急増する。また、韃靼種のそば種子をそば粉にした後、そば粉に湿熱処理を施した場合、ルチン分解酵素を失活することは可能ではあるものの、そば粉が吸湿して塊状となるため、その後の加工が困難となる。かかる湿熱処理としては、大気圧下において、湿り飽和蒸気を用いて行うことが、湿熱処理設備を簡易な設備することができ好ましい。
この発明においては、上述のようにそば粉に湿熱処理を施してルチン分解酵素を失活させた韃靼そば粉を用いても、また乾熱処理を施した韃靼種のそば種子を製粉して得た韃靼そば粉を用いてもよい。
【0010】
ところで、湿熱処理を施さなかった韃靼種のそば種子を製粉して得た韃靼種のそば粉を用いた生めんは鮮やかな黄色をしているが、湿熱処理時間が長くなるに従って、生めんの黄色の程度が低下する。特に、湿熱処理時間が240秒を越える場合、得られた生めんの色彩は黒ぽいくすみが見られるようになる。そして、かかるそば粉を生そば等のそば粉加工品にして食したとき、ルチン成分を大量に含み且つ適度な苦味を伴う韃靼種のそば粉特有な風味を味わうことができる。
【0011】
このルチン成分の調整は、小麦粉と韃靼そば粉、韃靼そばの葉の粉末の配合方法によって行なうことができる。すなわち、小麦粉に乾熱処理を施した韃靼種のそば種子を製粉して得た韃靼そば粉を配合し、その配合量でルチン成分量を調整してもよい。また、例えば予め小麦粉に加水して所定の水分量にしておいた練り物に、所定の配合量の韃靼そば粉や韃靼そばの葉の粉末を急速に添加・混合してルチン成分があまり減少していない状態でそばめんやパスタを製造するのである。
【0012】
ルチン成分の調整は、小麦粉に韃靼そばの葉の粉末を配合し、その配合量でルチン成分量を調整してもよい。ただし、韃靼そばの葉の粉末に含まれるルチン成分量は韃靼そば粉の成分量よりも少ないので、韃靼そばの葉の粉末を配合する意味合いは、そばめんの色合いを調整する面が強い。
【0013】
韃靼そば粉、韃靼そばの葉の粉末を配合する小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉、セモリナ粉が挙げられるが、この発明においては、特に中力粉、強力粉、セモリナ粉等から選ぶことが望ましい。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明について実施例によって更に詳細に説明する。
小麦粉(中力粉)100重量%に対し、韃靼そば粉30重量%、韃靼そばの葉の粉末1重量%および活性グルテン1重量%を配合するとともに、加水して常法により麺帯を製造した。
【0015】
次いで、得られた麺帯を所定の幅に裁断した上、乾燥して乾めんとし、10人のパネラーによって乾めんの食味について官能試験を行った。その結果を下記表1に示す。

【表1】


【0016】
表1から明らかなように、実施例1で得た韃靼そば粉を使用した乾めんでは、適度な苦味を伴って韃靼そば粉独特の風味を呈するものであった。しかも、ルチン成分の残存率が高く、大量のルチン成分を摂取できる上、歯ごたえも十分で、良好な食感を有するものであった。
【実施例2】
【0017】
小麦粉(強力粉)100重量%に対し、韃靼そば粉50重量%、韃靼そばの葉の粉末2重量%および活性グルテン3重量%を配合するとともに、加水して常法により麺帯を製造した。
[比較例1]
【0018】
小麦粉(強力粉)100重量%に対し、韃靼そば粉20重量%、韃靼そばの葉の粉末0.5重量%および活性グルテン1重量%を配合し、加水して常法により麺帯を製造した。
[比較例2]
【0019】
小麦粉(強力粉)100重量%に対し、韃靼そば粉80重量%、韃靼そばの葉の粉末3重量%を配合し、加水して常法により麺帯を製造した。
【実施例3】
【0020】
小麦粉(セモリナ粉)100重量%に対し、韃靼そば粉70重量%、韃靼そばの葉の粉末1.5重量%および活性グルテン2重量%を配合するとともに、加水して常法により麺帯を製造した。
【0021】
次いで、上記実施例2および3、比較例1および2で得られた麺帯を所定の幅に裁断した上、実施例2、比較例1および2の麺帯は乾燥して乾めんとし、また実施例3の麺帯はパスタとして10人のパネラーによって各水準の乾めんおよびパスタの食味について官能試験を行った。その結果を下記表2に示す。
【表2】


【0022】
表2から明らかなように、実施例2および3で得た韃靼そば粉を使用した乾めんおよびパスタでは、適度な苦味を伴って韃靼そば粉独特の風味を呈するものであった。しかも、ルチン成分の残存率が高く、大量のルチン成分を摂取できる上、歯ごたえも十分で、良好な食感を有するものであった。
これに対し、比較例1及び比較例2で得た韃靼そば粉を使用した乾めんでは、前者はルチン成分量が低く、また後者は苦味が過度に強いためほとんど食することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
なお、本発明に係る韃靼そば粉を用いたそばめんもしくはパスタとしては、生めんの他に、乾めん、即席めん、パスタ類、パン、菓子等の種々のそば粉加工品とすることができる。
【出願人】 【識別番号】501294814
【氏名又は名称】高村 紀一郎
【出願日】 平成15年8月20日(2003.8.20)
【代理人】 【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司

【公開番号】 特開2005−65523(P2005−65523A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−296602(P2003−296602)