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【発明の名称】 海苔脱水用スポンジ
【発明者】 【氏名】金子 信也
【住所又は居所】愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式会社イノアックコーポレーション安城事業所内

【氏名】平山 真二
【住所又は居所】愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式会社イノアックコーポレーション安城事業所内

【要約】 【課題】表面に所定の口径を有する通水孔を、スポンジをなすフォーム体の厚さ方向に貫通状態で設けるようにしたので、海苔原料中の水を、この水中に含まれる不純物をフォーム体内に目詰まりさせることなく排出し得る海苔脱水用スポンジを提供する。

【解決手段】海苔原料に当接させて押圧することで、該海苔原料からの脱水を行なうための脱水用スポンジにおいて、フォーム体12における乾燥時の嵩密度が100〜200kg/m3の範囲に設定されると共に、湿潤時の25%圧縮硬度が0.01〜0.04MPaの範囲に設定され、最狭部における口径がφ1〜8mmに設定した複数の通水孔14が前記フォーム体12の厚さ方向に貫通状態で設けるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔原料に当接させて押圧することで、該海苔原料からの脱水を行なうための脱水用スポンジにおいて、
フォーム体(12)における乾燥時の嵩密度が100〜200kg/m3の範囲に設定されると共に、湿潤時の25%圧縮硬度が0.01〜0.04MPaの範囲に設定され、
最狭部における口径がφ1〜8mm、好ましくはφ1.5〜3mmに設定した複数の通水孔(14)が、前記フォーム体(12)の厚さ方向に貫通状態で設けられ、
前記海苔原料中の水に含まれる不純物を、前記通水孔(14)を介して通過させて、前記フォーム体(12)内部への残留を防止するように構成した
ことを特徴とする海苔脱水用スポンジ。
【請求項2】
前記通水孔(14)の開口部面積は、前記フォーム体(12)の表面(12a)において、全表面積の3〜20%、好ましくは5〜15%に設定されている請求項1記載の海苔脱水用スポンジ。
【請求項3】
前記フォーム体(12)は、セル膜を除去したポリウレタンフォームである請求項1または2記載の海苔脱水用スポンジ。
【請求項4】
前記ポリウレタンフォームは、エーテル系ポリオールから製造される請求項3記載の海苔脱水用スポンジ。
【請求項5】
前記ポリウレタンフォームは、整泡剤を使用しないまたは有機系整泡剤の如き非シリコン系物質が使用されることで、その表面(12a)の状態を疎水化しないようにした請求項3または4記載の海苔脱水用スポンジ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は海苔脱水用スポンジに関し、更に詳細には、海苔の自動製造機に好適に使用され、海苔原料に含まれる水と、該水中に含有される無機物等の各種不純物とを効率的に排出し得る海苔脱水用スポンジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食用海苔の製造はその大部分が、従来の手すき製法によるものから、効率のよい自動海苔製造機によるものに移行してきている。この自動海苔製造機による海苔の製造は、まず脱水用スポンジ上に御簾を敷設し、予め細かく切り刻み、水で混練したペースト状の海苔原料を御簾上に流して、上方から同様の脱水用スポンジで該海苔原料を押圧する。この工程は所要回数繰り返し行なわれる。この工程によって、海苔原料の脱水をするとともに、所定の厚さに延ばして御簾に貼り付いた状態とする。その後、御簾を取り出して乾燥させることで、紙状の海苔を得る。
【0003】
このように脱水用スポンジは、海苔原料の脱水を行なうと共に所定の厚み(薄さ)に延ばすものであり、従来ではPVF(ポリビニルホルマール)からなるフォーム体が主に用いられていた。なおPVFフォーム体の表面は、海苔の貼り付きを防止するために一般にフィルターフォームで覆った状態で使用される。
【0004】
しかしながら、前述したPVF製の脱水用スポンジにあっては、その内部に製造時に使用される澱粉が残存してしまうことが多々あり、常に湿潤状態で使用されるとカビや細菌が発生し衛生的な問題が生ずる畏れがある。また通常、海苔の生産は10月から3月までの約半年の間だけ限定的に実施され、残りの期間については脱水用スポンジは前述の衛生問題を考慮して乾燥状態で長期保存されるが、PVFからなる脱水用スポンジは乾燥すると硬化して端部が欠け易くなったり、該乾燥状態から湿潤した使用状態とするまでに時間が掛かったり、湿潤前の扱いが荒いと折れる等の海苔の製造が不可能となる構造欠陥を生ずる、といった各種問題が指摘される。
【0005】
また海苔脱水用スポンジとして、セル膜のない3次元網状構造を有するポリエーテル系軟質ウレタンフォームを用いるものも提案されているが、この場合通常の軟質ウレタンフォームであるため、セルの骨格自体については吸水性がなく、単にフォームのセル内に表面張力等で水が保持されているに過ぎないため、海苔原料から一旦スポンジ内に吸収した水が、その後に再び海苔原料側へ移動し易い不具合があり、乾燥時間の短縮効果が得難かった。このような各種欠点を回避すべく、下記の[特許文献1]に記載の考案「海苔製造機用脱水パッド」が案出されている。この海苔製造機用脱水パッドは、セル膜のない3次元網状構造を有するポリエーテル系の軟質ポリウレタンフォームからなり、かつ該フォームの嵩密度が0.04〜0.10g/cm3、セル数が50〜200個/インチ、乾燥時の25%圧縮硬度が0.10〜0.30kg/cm3であり、上記ポリエーテル系軟質ポリウレタンフォームがスチレン重合体又はアクリロニトリル重合体を含むコポリマーポリオールとポリイソシアネートとから製造されるものである。
【特許文献1】実用新案登録2603659号公報
【0006】
前述の[特許文献1]記載の海苔製造機用脱水パッドの場合、セル数の範囲を50〜200個/とすることで海苔原料からの脱水、すなわち水分の吸収・保持を容易ならしめるようにしているが、その一方で一度吸収・保持した該水分を容易に排出し得ない点が問題とされる。海苔原料からの脱水は、場合によってはスポンジによる一度の吸水では達成されず、複数回の吸水が必要とされたり、または多量の海苔を得る場合には1つの脱水用スポンジを効率よく何度も繰り返し使用する必要があるが、前述のように吸収した水分の排出、すなわち排水が吸水と同等の効率で行なわれなければ、結果として吸水の度に時間を掛けて排水を行なう、または多量の脱水用スポンジを用意して対処すると云った煩わしい対処が必要となってしまう。
【0007】
これに対して本願出願人は、乾燥保管時に形状的な欠陥を起こさず、かつ容易に使用時が可能な湿潤状態とすることが可能で、かつ海苔製造時に要求される優れた吸水性、適度な硬さ、一旦吸水した水分を吸水対象物である海苔原料に戻さず効率的に排水し得る海苔脱水用スポンジを、下記の[特許文献2]記載の発明「海苔脱水用スポンジおよびその製造方法」で開示している。この[特許文献2]においては、図4に示す如く、セル膜を除去したポリウレタンフォーム30からなり、乾燥時の嵩密度を70〜150kg/m3の範囲に設定した排水層32と、セル膜を除去したポリウレタンフォームからなり、乾燥時の嵩密度を該排水層32の少なくとも1.1倍以上で、100〜300kg/m3の範囲に設定すると共に、湿潤時の25%圧縮強度を0.98〜3.92N/m2の範囲に設定することで毛管現象による吸水性を付与した吸水層34とから構成し、該排水層32および吸水層34を層状に隣接させて全体的に透水性を付与することで、前述の問題を回避している。
【特許文献2】特開2003−079344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし前述の[特許文献2]記載の発明の場合、吸水性および排水性の点で良好な結果を示す一方で、その良好な吸水性故に吸水層34には、海苔原料中に含有される各種不純物が目詰まりを起こしてしまい、その結果、長期的な利用に際しては効率的な脱水が行なえなくなる問題が表面化していた。この不純物による目詰まりは、吸水層34の表面においては、洗浄作業等で除去が可能であるが繁雑であり、また内部にまで入り込んでしまった場合にはその除去が非常に困難である。更に、このように吸水層34を目詰まりさせる不純物は、海水中の珪藻に代表されるケイ酸塩等の雑菌繁殖の栄養源となり得るものであるため、衛生上の問題も指摘される。また前述のPVFからなるフォーム体の場合、該フォーム体のセル構造、すなわち繊維状物の積層構造の如き構造故に、不純物の目詰まりによる影響は非常に大きな問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明に係る海苔脱水用スポンジは、海苔原料に当接させて押圧することで、該海苔原料からの脱水を行なうための脱水用スポンジにおいて、
フォーム体における乾燥時の嵩密度が100〜200kg/m3の範囲に設定されると共に、湿潤時の25%圧縮硬度が0.01〜0.04MPaの範囲に設定され、
最狭部における口径がφ1〜8mm、好ましくはφ1.5〜3mmに設定した複数の通水孔が、前記フォーム体の厚さ方向に貫通状態で設けられ、
前記海苔原料中の水に含まれる不純物を、前記通水孔を介して通過させて、前記フォーム体内部への残留を防止するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明した如く、本発明に係る海苔脱水用スポンジによれば、表面に所定の口径を有する通水孔を、スポンジをなすフォーム体の厚さ方向に貫通状態で設けるようにしたので、海苔原料中の水を、この水中に含まれる不純物をフォーム体内に残留させることなく、すなわち目詰まりさせることなく効率的に排出し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明に係る海苔脱水用スポンジにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願発明者は、親水性の高いPVFの如き物資を使用したフォーム体や、非シリコン整泡剤を使用する等することで表面における親水性を発現させ、かつセル膜を破壊することで、海苔原料に含まれる水を充分に透過・排出させると共に、該水に含まれる不純物を通過させる所要寸法の孔を設けることで、速やかな排水性と該不純物による目詰まりを回避とを達成し得る海苔脱水用スポンジが得られることを知見したものである。
【0012】
本実施例に係る海苔製造用の脱水用スポンジ10は、図1に示す如く、基本的に海苔原料を上下から押圧することで、所定の厚さに延ばし紙状の海苔原料とするに適した平坦な立体形状に、例えばスラブ発泡やモールド成形等で製造・加工されたポリウレタンからなるフォーム体12であり、その表面12aに該脱水用スポンジ10の厚さ方向に貫通する通水孔14が複数設けられている。脱水用スポンジ10を構成するポリウレタンからなるフォーム体12としては、殊に耐水性の高いエーテル系ポリオールから製造されるポリエーテル系の軟質ウレタンフォーム等の公知の種々のものを使用することができる。その製造方法は、図2に示すようなものであり、予め所定のポリオールと、イソシアネートと、触媒等の各種副原料とを混合した原料からフォーム体12を製造し、ここに所定のパターンおよび間隔等で通水孔14を設けることで基本的に作製される、また所定形状への成形は、各原料の混合物を所定のモールド成形型に注入する方法や、大きな不定形のブロックを作製した後、所定形状に切り出す等ことでなされる。なお得られたフォーム体12からセル膜を除去する方法としては、熱処理またはアルカリ処理等する従来公知の何れの方法でも採用可能である。またこのセル膜除去に関しては、後述([0017])する通水孔14の穿設に先立ってまたは後からの何れの段階でも実施可能である(セル膜除去についてはこの程度しか記載していませんが、その可否および内容の妥当性につき御検討下さい)。
【0013】
ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリジエン系ポリオール等が使用され、これらのポリオールは単独でまたは2種類以上を併用した形で使用される。イソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、クルードMDIまたはポリメリックMDI等の従来公知の物質が使用される。またこれらのプレポリマーを用いてもよく、更に本実施例に使用し得る物質は、ここに記載の各物質だけに限定されるものではないが、発泡剤として水を使用することで、得られるポリウレタンフォーム骨格と水とがよく馴染む、所謂水ウレタンについては、乾燥時と湿潤時との間で寸法変化が大きいため、本発明に係る脱水用スポンジには適さない。
【0014】
また触媒としては、従来公知のアミン触媒や、スズ触媒が、達成すべき各物性に応じて適宜好適に使用される。更に前記整泡剤としては、シリコン系の整泡剤以外の、例えば有機系整泡剤等の非シリコン系物質の使用が望ましい。またポリウレタンからなるフォーム体12の場合、後述([0015])する密度の場合、殊に整泡剤を使用しなくても均質なセル構造とすることが可能である。このようにして製造されるフォーム体12は、その表面12aが水に馴染みやすくなる、すなわち親水性となるため、フォーム体12の構造内を通過させることになる外部への水の排出性が良好となる。なおフォーム体12には、抗菌剤や防かび剤等を副原料の1つとして添加することが可能であり、その添加によってカビ・菌等の発生を抑制することができる。また着色剤等の添加も可能である。
【0015】
このようにして得られたポリウレタンからなるフォーム体12は、海苔原料を好適に押圧し、かつ該海苔原料中の水を効率的に通過させて外部に排出するため、その乾燥時の嵩密度が100〜200kg/m3に設定されると共に、湿潤時(使用時)の25%圧縮硬度が0.01〜0.04MPaの範囲に設定される。乾燥時の嵩密度については、その値が前述の100〜200kg/m3に設定された場合、得られる海苔脱水用スポンジ10の空隙率を80〜90%程度の範囲に設定し得る。この空隙率の達成により、海苔脱水用スポンジ用途に好適な保水性を発現し、かつ前述の25%圧縮硬度の達成が容易となる。
【0016】
また硬度については、本発明に係る海苔脱水用スポンジ10が、海苔製造機に取り付けられて実際に海苔原料を押圧、脱水する際の押圧力を間接的に定義している物性である。これは、水を吸水した含水状態となった海苔脱水用スポンジ10は、海苔原料の脱水、すなわち含水状態における押圧時の硬さが適当な範囲であることが好ましく、含水状態における押圧時の硬さを判断する尺度として、容易に測定可能な乾燥時の25%圧縮時の硬度が好適であるためである。この25%圧縮硬度が0.01MPaを下回る場合は、海苔原料を押圧した際に必要な力を掛けることができず、その厚さの制御と充分な脱水とが困難となり、一方0.04MPaを上回る場合は、海苔原料が潰れて、その形状を好適に維持し得なくなってしまう。そしてセル数については、50〜200個/2.54cm(1インチ)の範囲に設定され、このセル数が少ないと海苔脱水用スポンジ10の使用時における保水性が悪化して好適な脱水が困難となり、一方200個/2.54cmを越えると、前記不純物による目詰まりを生じ易くなってしまう。なお本発明で云うセル数は、JIS K 6400に規定される「セル数試験方法」に従い、測定されたものである。
【0017】
また通水孔14については、フォーム体12の表面12aにおいて所定距離離間して、規則的に配列されると共に、フォーム体12の厚さ方向に貫通する状態で複数設けられるものであり、その最狭部における口径がφ1〜8mm、好ましくはφ1.5〜3mmに設定される。通水孔14の穿設は、製造されたポリウレタンからなるフォーム体12に対して、例えばパンチング等の従来公知の手段により実施される。このようにして設けられた通水孔14は、図3に示す如く、単に水がより流動抵抗の小さい部分を流れる作用を利用して、水とそこに含まれる不純物とを排出するものであるため、その他の表面12aの排水作用、すなわち前述([0014])した如く、その親水性故に海苔原料に含まれる水を海苔脱水用スポンジ10の押圧動作により排水する作用に較べて、効果的かつ積極的な排出をなし得る。またこの際、不純物は一定の大きさを有する、すなわち軽いとはいえ一定の重量を有するため、海苔原料の水の流れが大きい方向、この場合、表面12aを介しての排水ではなく、通水孔14を介しての排水によってその大部分が排出されることになる。従って、通水孔14以外の部分の表面12aからの排水に伴う目詰まり、すなわち不純物のフォーム体12内部への残留は大きく解消されることになる。なお図3中で矢印は、海苔原料中の水の流れを示し、またその大きさは流れの強さを示している。また通水孔14の口径は、フォーム体12において構造的圧力が最も掛かる厚さ方向の略中央部において最も狭くなっている。そして不純物が通水孔14を介して排出される際には、この最狭部が最も詰まり易い状態となるため、通水孔14の口径はこの最狭部によって定義されている。
【0018】
この通水孔14の口径については、φ1mm未満であると海苔原料中の水に含まれる不純物が目詰まりしたり、または流れ出すには不充分となり、一方φ8mmを越えると、製造される海苔に通水孔14が押圧跡として残ってしまい商品価値が低下してしまう。また記通水孔14の開口部面積は、フォーム体12の表面12aにおける全表面積の3〜20%、好ましくは5〜15%に設定される(以下、この開口部面積の全表面積に対する割合を面積割合と云う)。この面積割合が3%未満であると、海苔原料中の水に含まれる不純物の好適な排出には不充分であり、一方20%越えると、前述の湿潤時(使用時)の25%圧縮硬度が0.01〜0.04MPaの範囲であっても、充分な海苔原料の押圧時に充分な圧縮応力を掛けられなくなったり、製造される海苔に表面状態が悪化して商品価値が低下してしまうことになる。なお本実施例において通水孔14の配置パターンは、通水孔14を結んだ際に格子状を呈するものとなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、押圧された海苔原料をから排出される水および不純物を、効率よく排出するに足る配置パターンおよび間隔とされていれば何れのものであっても採用し得る。
【0019】
また通水孔14の口径と表面12aにおける面積割合とについては最適値が存在し、通水孔14の口径が1.5mm程度の場合には、面積割合は9%程度が好適であり、3.0mm程度の場合には、面積割合が少ない6%程度が好適であることが分かっている。これは通水孔14の口径が大きくなるに従い、不純物だけでなく海苔原料の水も優先的に通水孔14を介して排出されるようになるためである。すなわち、通水孔14の口径が大きくなるに従って不純物の除去が好適になるが、その一方で水の透過割合も大きくなり、この水透過に伴って押圧加工されるべき海苔原料の外部への流失により損失量の増大率が、通水孔14の開口部面積の増大率を越えるためである。
【0020】
また前記脱水用スポンジ10を構成するフォーム体12については、モールド(成形型)内にポリウレタンフォーム原料を注入し発泡させたモールド成形品から得られる場合、モールドヘの注入量調節によってフォーム体12の密度および硬度等を容易に調節することが可能となる。
【0021】
(別の実施例)
前述の実施例では、ポリウレタンを材質とするフォーム体12を説明したが、このフォーム体12の材質として、従来公知のPVFを使用してもよい。この場合、得られるフォーム体12が組成(材質)的に親水性となるため、通水孔14を介さない海苔原料からの水の透過量も大きくすることができる。またPVFから製造されるフォーム体12のセル構造は、所謂繊維状物を積層化させた構造であるが、前述([0017])の如く、海苔原料に含まれる水は不純物と共に、優先的に通水孔14を介して排出されることになるため、その他の表面12aからフォーム体12の内部に入り込んで目詰まりを起こす確率は低いものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明は、従来技術に内在している課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、その表面に所定の口径を有する通水孔を、スポンジをなすフォーム体の厚さ方向に貫通状態で設けるようにしたので、海苔原料中の水を、この水中に含まれる不純物をフォーム体内に目詰まりさせることなく排出し得る海苔脱水用スポンジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好適な実施例に係る海苔脱水用スポンジの一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図2】実施例に係る海苔脱水用スポンジを製造する工程を概略的に示すフローチャート図である。
【図3】実施例に係る海苔脱水用スポンジの表面および通水孔における水の流れを概略的に示す状態図である。
【図4】従来技術に係る海苔脱水用スポンジを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
12 フォーム体
12a 表面
14 通水孔
【出願人】 【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅南2丁目13番4号
【出願日】 平成15年8月19日(2003.8.19)
【代理人】 【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾

【公開番号】 特開2005−58160(P2005−58160A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−295487(P2003−295487)