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【発明の名称】 麺類の製造法
【発明者】 【氏名】広瀬 明朗
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町一丁目25番地 日清製粉株式会社内

【氏名】水上 将一
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町一丁目25番地 日清製粉株式会社内

【要約】 【課題】滑らかさおよび粘弾性に優れかつ茹伸びの遅い麺類を提供することを目的とする。

【解決手段】麺類を製造するにあたり、寒天溶液および/またはゲル状寒天破砕物を用いる、麺類の製造法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺類を製造するにあたり、寒天溶液および/またはゲル状寒天破砕物を用いることを特徴とする、麺類の製造法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、麺類の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、麺類を製造する際に製麺性の向上、保存性の向上、食味の向上、収量の向上、変色防止および色相の向上等の目的で種々の添加物が用いられている。これらの添加物としては、例えば澱粉、増粘剤、活性グルテン、乳化剤等が挙げられる。
特に麺類の食感を改良することを目的として、寒天成分の分子が短く切断され、ゼリー強度が1.5%寒天濃度で250g/cm2以下の範囲のゲルに調整された低強度寒天を含有する麺類(特許文献1)あるいはネイティブジェランガムとタラガム、カラギナン、寒天、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、ペクチン、グルコマンナン、プルランおよびカラヤガムよりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種の増粘多糖類とを含む即席麺用の食感改良剤(特許文献2)等が知られている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、寒天に特殊な処理(酸処理)を施したものであり、また特許文献2に記載の発明は、特殊な増粘多糖類を組み合わせたものであり、いずれも一般の添加物に比べて入手が困難で高価なために製品コストが高くなる等の欠点を有していた。
【特許文献1】特許第2795424号公報
【特許文献2】特開2000−236829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明者等は、入手容易な添加物を用いて麺類の食感等を向上させる方法について種々検討を重ねた結果、特許文献1および2にも開示されているように、従来麺類に単独で使用することは好ましくないとされていた特殊な処理を施さない通常の寒天を溶液状態および/またはゲル状破砕物の状態で用いると意外にも食感等が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、麺類を製造するにあたり、寒天溶液および/またはゲル状寒天破砕物を用いることを特徴とする麺類の製造法である。
【発明の効果】
【0005】
本発明方法によれば、滑らかさおよび粘弾性に優れ、かつ茹伸びが遅い麺類を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明方法は、小麦粉、そば粉、澱粉等の穀粉類を製麺原料とし、これに麺類の種類によって食塩、かん水等の添加物を加え、さらに寒天溶液および/またはゲル状寒天破砕物を添加して麺生地を得、これを複合、圧延、切出しの各工程を経た後に最終麺類の形態に合わせて茹で、蒸し、乾燥等の工程を行うことによって所望する麺類を得ることができる。
また他の製麺形態としては前記麺生地を脱気、圧縮、押出成型、乾燥の各工程を行うことによっても得ることができる。
【0007】
本発明方法に用いられる寒天の由来は特に制限されるものではなく、例えばマクサ、リュウキュウブト、イトテングサ、タオレグサ、ヒメテングサ、オニクサ、ツヤクサ、シャクガタブト、キヌクサ、オオブサ、エゾテングサ、ササメブト、ムラサキブト、ハイテングサ、ナガトブト、ヒラクサ、ナンブグサ、コヒラ、ヨレクサ等のテングサ属、オバクサ、カタオバクサ、チャボオバクサ等のオバクサ属、ユイキリ等のユイキリ属、シマテングサ等のシマテングサ属、ムカデノリ、スチムカデ、カタノリ、キュウノヒモ、サクラノリ、ニクムカデ、ツルツル等のムカデノリ属、オゴノリ、オオオゴノリ、クビレオゴノリ、カタオゴノリ、シラモ、モサオゴノリ、ユミガタオゴノリ、フシクレノリ、トキダフシクレノリ、トゲカバノリ、ムラサキカバノリ、トゲイツツギヌ、イツツギヌ、ミゾオゴノリ、カバノリ、シンカイカバノリ等のオゴノリ属、オゴモドキ、ホソオゴモドキ、ツルシラセ等のオゴモドキ属、カタメンキリンサイ、トゲキリンサイ、キリンサイ、オオキリンサイ、オカムラキリンサイ、ボウキリンサイ、フシキリンサイ等のキリンサイ属、タチイバラ、ヒモイバラ、コヒモイバラ、スジイバラ、ナンカイイバラ、カギイバラノリ、サイダイバラ、コサイダイバラ、カズノイバラ、ホンガタイバラ、ヒメイバラノリ、イバラノリ、モサイバラノリ、ムラサキコケイバラ、コケイバラ、オオコケイバラ等のイバラノリ属、イタニソウ等のサイミ属、スギノリ、シキンノリ、ホソイボノリ、イボノリ、イカノアシ等のスギノリ属、トガリイギス、マツバライギス、ヒメイギス、ツクシイギス、ケイギス、ハイイギス、マキイギス、キヌイトイギス、フサツキイギス、ハリイギス、ツノイギス、ハネイギス、イギス、アミイサ、フトイギス等のイギス属、エゴノリ等のエゴノリ属等の各種原藻から得られるものが挙げられる。
【0008】
本発明方法における寒天の使用量は穀粉類に対し乾物換算で0.05〜1重量%、特に0.1〜0.8重量%の範囲が好ましい。この添加量が0.05重量%より少ないと本発明の効果が得られず、一方1重量%を超えると食感が低下するようになる。
【0009】
寒天は、使用に際して寒天溶液および/またはゲル状寒天破砕物として用いることが必須であるが、特に寒天溶液が好ましい。従って寒天を粉末状で製麺原料に混合したり、仕込み水に分散させたりした状態で用いても滑らかさに欠け、粘弾性もやや硬い弾力となり、茹伸びも早く、サクイ食感となり、本発明の効果は得られない。
【0010】
寒天溶液の調製法としては、寒天粉末を水に加えて撹拌しながら加熱することにより調製することができる。製麺時に使用する場合は食塩、かん水、乳化剤、アルコール、色素等の副原料を溶かした溶液と寒天溶液とを合せた上で穀粉類に加えて混捏することが好ましい。
また、ゲル状寒天破砕物の調製法としては、寒天溶液を十分に冷却してゲル化させた寒天を、ホモジナイザーやミキサーなどで破砕することで調製することができる。製麺時に使用する場合は、食塩、かん水、乳化剤、アルコール、色素等の副原料を溶かした溶液とゲル状寒天破砕物を合わせた上で穀粉類に加えて混捏することが好ましい。
【0011】
本発明の麺類の製造法において、使用する穀粉類の一部として化工澱粉、例えばアセチル化澱粉、エーテル化澱粉等を用いることによって、さらに粘弾性のある食感を有し、茹伸びも遅らせることができる。
【0012】
本発明方法により得られる麺類とは、うどん、きしめん、そば、中華麺、素麺、冷麦、スパゲッティ等の麺線状の麺類を指称するものであり、餃子の皮等の麺皮類は含まれない。これらの麺類は最終商品形態に応じて生麺、半生麺、茹麺、蒸麺、冷凍麺、乾麺等の状態に調製することができる。
【実施例】
【0013】
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0014】
実施例1
小麦粉(「金すずらん」日清製粉株式会社製商品名)80重量部とアセチル化タピオカ澱粉20重量部とを混合する。次に表2に示す所定量の寒天粉末に水20重量部を加えて撹拌しながら沸点近くまで加熱した後、蒸発した分の水を補給し冷却して寒天溶液を調製する。次に食塩3重量部を水20重量部に溶解した食塩水と寒天溶液とをよく混合して仕込み水を調製する。
得られた小麦粉とアセチル化澱粉の混合物と、仕込み水とを横型ミキサーに投入し、回転数100回/分の条件下で15分間混捏した後常法により製麺し、最終麺帯厚2.8mmとし、これを切刃♯10角で切り出しうどんを得る。
このうどんを茹で上げた後水洗して茹うどん(歩留285%)を得、これをトレイに250gづつ分別した後冷凍して冷凍うどんとし、冷凍庫で保存する。
【0015】
比較例1
小麦粉(「金すずらん」日清製粉株式会社製商品名)80重量部、アセチル化タピオカ澱粉20重量部、食塩3重量部、表2に示す所定量の寒天粉末および水40重量部を横型ミキサーに投入した後以後実施例1と同様にして冷凍うどんを得る。
【0016】
試験例1
1週間冷凍保存していた実施例1および比較例1の冷凍うどんを冷凍庫から取り出し、熱湯中で1分30秒間解凍し、温かいつゆに入れて、10名のパネラーによって表1に示す評価基準により評価した。その評価結果を示せば表2のとおりである。
【0017】
【表1】


【0018】
【表2】


【0019】
実施例2
所定量の寒天粉末を水20重量部に加えて撹拌しながら沸点近くまで加熱した後蒸発分の水を補給し冷却して寒天溶液を調製する。またかん粉1.5重量部、食塩1重量部およびエチルアルコール3重量部を水16重量部に溶解した後前記寒天溶液と混合し、仕込み水を調製する。この仕込み水と小麦粉(「特)ナンバーワン」日清製粉株式会社製商品名)100重量部とを横型ミキサーに投入し、回転数100回/分の条件下で15分間混捏した後常法により製麺し、最終麺帯厚1.5mmとし、これを切刃♯20角で切り出し中華麺を得る。得られた中華麺は冷蔵庫で保存する。
【0020】
比較例2
小麦粉(「特)ナンバーワン」日清製粉株式会社製商品名)100重量部、表4に示す所定量の寒天粉末、かん粉1.5重量部、食塩1重量部、エチルアルコール3重量部および水36重量部を横型ミキサーに投入した後以後実施例2と同様にして中華麺を得る。得られた中華麺は冷蔵庫で保存する。
【0021】
試験例2
冷蔵庫で3日間保存された実施例2および比較例2の中華麺を冷蔵庫から取り出し2分30秒間茹でた後温かいつゆを用いて10名のパネラーにより表3に示す評価基準によって評価した。その評価結果を示せば表4のとおりである。
【0022】
【表3】


【0023】
【表4】


【0024】
実施例3
小麦粉(「オーション」日清製粉株式会社製商品名)60重量部とそば粉40重量部とを混合する。次に表6に示す所定量の寒天粉末を水17重量部を加えて撹拌しながら沸点近くまで加熱した後蒸発した分の水を補給し冷却して寒天溶液を調製する。次に食塩1重量部およびエチルアルコール3重量部を水13重量部に溶解した食塩水と寒天溶液とをよく混合し仕込み水を調製する。
得られた小麦粉とそば粉の混合物と仕込み水を真空ミキサーに入れ常圧で2分間混捏し、その後−600mmHgの減圧下に10分間混捏した後、常法により製麺し、最終麺帯厚1.3mmとし、これを切刃♯18角で切り出し日本そばを得る。得られた日本そばは冷蔵庫で保存する。
【0025】
比較例3
小麦粉(「オーション」日清製粉株式会社製商品名)60重量部、そば粉40重量部、表6に示す所定量の寒天粉末、食塩1重量部、エチルアルコール3重量部および水30重量部を真空ミキサーに投入した後実施例3と同様にして日本そばを得る。得られた日本そばは冷蔵庫で保存する。
【0026】
試験例3
冷蔵庫で1日保存した日本そばを取り出し、2分30秒間茹で上げた後水洗いを行いザルにとり10名のパネラーにより表5の評価基準により評価した。その評価結果を示せば表6のとおりである。
【0027】
【表5】


【0028】
【表6】


【0029】
実施例4
小麦粉(「金すずらん」日清製粉株式会社商品名)80重量部とアセチル化タピオカ澱粉20重量部とを混合する。次に寒天粉末0.3重量部に水10重量部を加えて撹拌しながら沸点近くまで加熱した後蒸発した分の水を補給し、冷蔵庫で十分に冷やして調整したゲル状寒天をホモジナイザーで破砕し、ペースト状のゲル状寒天破砕物を得た。次に食塩3重量部を水30重量部に溶解した食塩水とペースト状のゲル状寒天破砕物とを良く合わせて、ゲル状寒天破砕物入り仕込み水を調製する。
得られた小麦粉とアセチル化タピオカ澱粉の混合物と、仕込み水とを横型ミキサーに投入し、回転数100回/分の条件下で15分間混捏した後常法により製麺し、最終麺帯厚2.8mmとし、これを切刃♯10角で切り出しうどんを得る。
このうどんを茹で上げた後水洗して茹うどん(歩留285%)を得る。この茹うどんは、滑らかで粘りと弾力性のバランスも良く、茹で伸びも遅く、良好であった。
【出願人】 【識別番号】301049777
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町一丁目25番地
【出願日】 平成15年8月18日(2003.8.18)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100089048
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 康隆

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【公開番号】 特開2005−58120(P2005−58120A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−294042(P2003−294042)