| 【発明の名称】 |
色素退色防止剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】高井 英司 【住所又は居所】千葉県野田市船形1573−4 曽田香料株式会社野田支社内
【氏名】佐々木 則嗣 【住所又は居所】千葉県野田市船形1573−4 曽田香料株式会社野田支社内
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| 【要約】 |
【課題】天然色素であるクチナシ黄色色素の退色現象を有意に抑制することのできる安全な植物由来の退色防止剤を提供することを目的とする。
【解決手段】芳樟葉抽出物を有効成分とすることを特徴とするクチナシ黄色色素の退色防止剤を用いる。特にクチナシ黄色色素を含有する食品などに本発明の退色防止剤を添加することにより、熱や光による食品などの退色を有意に抑制することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芳樟葉抽出物を有効成分とすることを特徴とするクチナシ黄色色素の退色防止剤。 【請求項2】 請求項1に記載のクチナシ黄色色素の退色防止剤を含むことを特徴とする食品および飼料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、食品、健康食品、特定保健用食品、飼料などに使用することができるクチナシ黄色色素の退色防止剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、従来多用されていた合成色素に代わり、クチナシ色素をはじめとする天然色素が食品、化粧品、医薬品などの分野で広く利用されるようになっている。 【0003】 しかしながら、これらの天然色素は不安定であり、酸素、加熱処理や光照射により、変色及び退色し易いことが知られており、特に最近では、中身が良く見えるようなガラス容器、ペットボトル、ビニール包装等の透明容器が消費者に好まれ、長時間蛍光燈などの光に曝露される機会が多くなってきており、経時的に色調の変化及び退色などが生じ、商品価値が著しく低下してしまうという問題がある。とりわけクチナシ黄色色素は酸性領域で極めて不安定であり、酸素、光及び熱などの影響を受けて短期間に退色することが知られている。 【0004】 このため、従来から、かかるクチナシ黄色色素の不安定さを解消して退色現象を防止するために種々の安定化剤並びに退色防止剤が検討され、開発されている。たとえば、クロロゲン酸及びカフェー酸がクチナシ青色色素及びベニバナ黄色色素に対して退色防止効果を奏することが知られている。(特許文献1)また、クロロゲン酸及びカフェー酸がクチナシ黄色色素に対して退色防止効果を奏することが記載されている。(特許文献2) 【特許文献1】特開平5−32909号公報 【特許文献2】特開平6−93199号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、本発明者が確認したところ、クロロゲン酸及びカフェー酸の上記色素に対する退色防止効果は十分満足できるものとはいえず、特に熱や光によるクチナシ黄色色素の退色については十分な予防ができないのが実情であった。本発明は、これらの天然色素の退色現象を有意に抑制することのできる退色防止剤を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、芳樟(Cinnamomum camphora Sieb. glaucescens Alex. Braun)に、クチナシ黄色色素の退色防止効果を見出し、本発明を完成するに至った。 【発明の効果】 【0007】 本発明の色素退色防止剤は、天然の芳樟葉より得られるものであり、安全性が高く、しかも高い退色防止効果を示す。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明において使用される芳樟葉は、産地、摘採時期など特に限定はされないが日本および中国産の芳樟葉が好ましく用いられる。また、使用される芳樟葉は生あるいは乾燥したものであっても良く、さらには精油採取後の残渣であっても良い。 【0009】 本発明において抽出に用いる芳樟葉の形状は特に限定しないが、抽出効率および操作の簡便さなどを考慮すると5mm以下に裁断又は粗砕した乾燥葉を用いることが好ましい。 【0010】 本発明の退色防止剤は、連続抽出、浸漬抽出、撹拌抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法で芳樟葉から抽出することができるが、極性溶媒を用いて撹拌抽出することが好ましい。極性溶媒の種類としては、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテルなどの有機溶媒、水が挙げられ、これらの溶媒を複数組み合わせて利用してもよいが、食品への使用における安全性などの面から含水エタノールが特に好ましく用いられる。 【0011】 本発明において極性溶媒抽出を行う場合、芳樟の葉1重量部に対し極性溶媒5〜100重量部を使用することが好ましい。例えば、含水エタノールを用いる場合、含水エタノールの量が芳樟の葉1重量部に対し10〜50重量部であることがさらに好ましい。また、含水エタノールの水とエタノールは任意の比率で混合することができるが、90:10〜40:60であることがさらに好ましい。抽出温度は、特に限定されないが10〜80℃が好ましく、20〜60℃であることがさらに好ましい。また、抽出時間も特に限定されないが数分〜2時間が好ましく、10〜60分撹拌抽出を行うことがより好ましい。 【0012】 さらに、上記含水エタノール抽出液を活性炭等による多孔質体の吸着作用によって、脱色および脱臭を図るのが好ましい。具体的には、抽出液中に活性炭を投入し、必要に応じて攪拌した後、濾過にて活性炭を除去する。そして、その後必要に応じて抽出溶媒を減圧留去する。 【0013】 上記の抽出液は必要に応じて、極性溶媒を除去して、水溶液や固形物としても良い。また、抽出液を乾燥して固形物とする場合は、デキストリンなどの賦形剤を加えることもでき、スプレードライや凍結乾燥など公知の方法で乾燥することができる。得られた固形物は粉砕もしくは磨砕して粉末状にしても良く、さらに公知の方法によって錠剤、タブレット状などに成形することもできる。 【0014】 上記のようにして得られる芳樟の抽出液又は抽出物は、そのままでも色素の退色防止剤として利用可能であるが、他の退色防止剤、助剤と混合して製剤化してもよい。 【0015】 退色防止剤としては、例えばL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール、カテキン、酵素処理ルチン、クエルセチン、ブドウ種子抽出物、ローズマリー抽出物、ルチンなどが挙げられる。助剤としては、例えばアラニン等のアミノ酸類、クエン酸等の有機酸及びその塩類、リン酸及びその塩類、重合リン酸塩類、グリセリン脂肪酸エステル、フィチン酸などが挙げられる。 【0016】 本発明の退色防止剤は、食品、飼料に添加することが可能である。例えば、食品では、コーヒー、紅茶、茶、果汁、清涼飲料水などの飲料類、牛乳、バター、チーズ、クリームなどの乳製品、みそ汁、スープなどの加工食品、食用油脂、加工油脂、マーガリンなどの油脂類、マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料、その他栄養剤、シロップ、ジャムなどの液状もしくは流動状の食品、米飯、もち、パン、ジャガイモ製品などの穀類加工品、チョコレート、キャンディー、焼き菓子などの菓子類、ハム、ソーセージなどの食肉加工品、その他ふりかけなど固形状食品に添加することが可能である。飼料としては、各種キャットフード、ドッグフードなどのペットフード類などに使用することができる。 【0017】 本発明の退色防止剤の添加量としては、上記食品、飼料中、芳樟抽出液として、0.001〜85重量%、好ましくは0.01〜60重量%である。また、水又はアルコールによる抽出液の溶媒を回収し、濃縮物として、またはさらに乾固して固形物として用いる場合には、当該添加量の1/2〜1/10程度の添加量でも差し支えない。 【実施例】 【0018】 (実施例1) 芳樟葉からの退色防止剤の製造 1週間風乾させた芳樟葉8gに50v/v%エタノール120gを添加し、60℃で1時間撹拌して、濾過した。得られた濾液を遠沈分離し、上澄から溶媒を減圧留去することにより、抽出物を得た。 【0019】 (実施例2) 芳樟葉抽出物の退色防止活性の測定 クチナシ黄色色素を1w/w%となるように希釈し、クチナシ黄色色素溶液を調製した。次いで、この色素溶液に実施例1の芳樟葉抽出物を0.05w/w%添加した。 【0020】 得られた色素溶液を無色透明の10mL瓶に10mL入れ、20℃にて蛍光灯照射下(4000ルクス)保管し、480nmにおける吸光度を経時的に測定し、下記式から色素残存率を求めた。また、比較対照として緑茶カテキン(ポリフェノン60A:三井農林株式会社製)を0.05質量%添加したもの、コントロールとして無添加のものを調製し、同様に保管し、480nmにおける吸光度を経時的に測定した。色素残存率の経日変化を図1に示す。
照射サンプルの480nmの吸光度 色素残存率(%)= ─────────────────── ×100 未照射サンプルの480nmの吸光度
図1に示すように、芳樟葉抽出物は、緑茶カテキンに比べ退色防止活性を示し、クチナシ黄色色素の退色防止剤として利用できることが確認された。 【0021】 (図1)
【0022】 (実施例3) レモン飲料 果糖ブドウ糖液糖30重量部、ショ糖10重量部、クエン酸0.4重量部、レモン果汁5.0重量部、レモンフレーバー0.2重量部、クチナシ黄色色素0.05重量部、実施例1で得られた抽出物0.005重量部、水で100重量部にし、80℃で30分間加熱殺菌後、冷却してレモン飲料とした。 【産業上の利用可能性】 【0023】 本発明の退色防止剤は、食品、飼料などクチナシ黄色色素を使用する製品に添加することにより、特に熱、光などによる退色を抑制することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000201733 【氏名又は名称】曽田香料株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋本町4丁目15番9号
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| 【出願日】 |
平成15年8月11日(2003.8.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−58069(P2005−58069A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月10日(2005.3.10) |
| 【出願番号】 |
特願2003−291385(P2003−291385) |
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