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【発明の名称】 乾燥食品
【発明者】 【氏名】瀬戸 敏秀
【住所又は居所】広島県豊田郡川尻町大字川尻字上畑1068−4 有限会社 瀬戸鉄工内

【氏名】上田 耕士
【住所又は居所】広島県豊田郡川尻町大字川尻字上畑1068−4 有限会社 瀬戸鉄工内

【要約】 【課題】栄養分の消失がなく栄養価に優れ、保存性に優れ、元の食品素材とは全く異なる新たな食感及び形状を有し、不快臭がマスキングされて香ばしい風味を有し、新たな食材・トッピング材等として、栄養補助食品等として摂取可能で、日常食、介護食等に好適な乾燥食品の提供。

【解決手段】食品素材を加熱しながらプレスしてなり、水分が除去されてなる乾燥食品。薄片状の態様、厚みが5mm以下の態様、含水率が10質量%以下の態様、多孔質化された態様、必須アミノ酸の少なくとも1種の濃度が食品素材における同必須アミノ酸の濃度よりも高い態様、有機酸の少なくとも1種の濃度が食品素材における同有機酸の濃度よりも高い態様、食品素材における廃棄部分が食用部分に転化された態様、食品素材が、香辛料、海藻類、茸類、魚介類、穀類、生薬、茶葉類、野菜類、根菜類、果物類、山菜類及び肉類から選択される少なくとも1種である態様等が好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品素材を加熱しながらプレスしてなり、水分が除去されてなることを特徴とする乾燥食品。
【請求項2】
薄片状である請求項1に記載の乾燥食品。
【請求項3】
厚みが8mm以下である請求項1から2のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項4】
含水率が10質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項5】
少なくとも一部が多孔質化された請求項1から4のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項6】
少なくとも1種の栄養分の濃度が、食品素材における同栄養分の濃度よりも高い請求項1から5のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項7】
同条件における必須アミノ酸の少なくとも1種の抽出濃度が、食品素材における同必須アミノ酸の抽出濃度よりも高い請求項1から6のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項8】
同条件における有機酸の少なくとも1種の抽出濃度が、食品素材における同有機酸の抽出濃度よりも高い請求項1から7のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項9】
食品素材における廃棄部分が食用部分に転化された請求項1から8のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項10】
食品素材が、香辛料、海藻類、茸類、魚介類、穀類、生薬、茶葉類、野菜類、根菜類、果物類、山菜類、及び肉類から選択される少なくとも1種である請求項1から9のいずれかに記載の乾燥食品。
【請求項11】
加熱の温度が125〜300℃であり、プレスが、加熱されたステージ上に配された食品素材を、剛性部材を用いて押し潰すことにより行われ、プレスの圧力が50kg/cm以上であり、プレスの時間が1秒以上である請求項1から10のいずれかに記載の乾燥食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、元の食品素材とは異なる新たな食感、風味等を有し、元の食品素材とは異なる態様で利用可能で高機能な乾燥食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾燥食品は、含水率が低く、腐敗菌が繁殖し難く保存性に優れることから、従来より、各種食品素材の乾燥品が提供されてきている。例えば、食肉すり身等を含む生地を調製し、これを棒状に成形し、加熱変性処理を行い、乾燥、解しを行って得られる乾燥食品が提案されている(特許文献1参照)。しかし、これは、元の魚肉の食感を備えたフレーク状の食品に復元可能なものであって、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有する乾燥食品を提供するものではない。また、イカの足等をそのままの形状を保ったまま、減圧下で加熱処理することによって得られ、水分が10%以下の多孔質のスナック風の乾燥食品が提案されている(特許文献2参照)。しかし、これは、減圧処理が必要となり低コストで製造することができず、また、イカの足等の食品素材をそのままの形状のまま乾燥させるものであり、得られた乾燥食品を新たな食品素材として、例えば巻いたり、挟んだり等、新たな態様で食すること等を可能にするものではない。また、含水食品原料を減圧下で赤外線を照射しながら0〜60℃で乾燥等させて得られる乾燥食品が提案されている(特許文献3参照)。しかし、これは、魚等の食品素材の元の形状を維持したまま乾燥させた乾燥食品であり、該乾燥食品を新たな食品素材として、例えば、巻いたり、挟んだり等することを可能にするものではなく、また、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有する乾燥食品を提供するものではない。
したがって、元の食品素材に比し、栄養分が殆ど消失せずに含有されていて栄養価に優れ、腐敗し難く保存性に優れ、元の食品素材とは全く異なるサクサクとした新たな食感を有し、全く異なる形状を有し意匠性にも優れ、生臭さ等の不快臭がマスキングされて香料等を使用せずとも香ばしい風味を有し、新たな食材・トッピング材等として栄養補助食品等として、直接摂取又は間接摂取可能であり、日常食、給食、病院食、介護食、体質改善食等に好適に利用可能な乾燥食品は、未だ提供されていないのが現状である。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−279135号公報
【特許文献2】
特開平10−225277号公報
【特許文献3】
特開平9−322705号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、栄養分が殆ど消失せずに含有されており栄養価に優れ、腐敗し難く保存性に優れ、元の食品素材とは全く異なるサクサクとした新たな食感と形状とを有し、生臭さ等の不快臭がマスキングされて香料等を使用せずとも香ばしい風味を有し、新たな食品素材・トッピング材等として、また栄養補助食品等として、直接又は間接に摂取可能であり、日常食、給食、病院食、介護食、体質改善食等に好適に利用可能な乾燥食品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
<1> 食品素材を加熱しながらプレスしてなり、水分が除去されてなることを特徴とする乾燥食品である。該乾燥食品は、実質的に水分のみが除去されているので、栄養分が殆ど消失せずに含有されているため、食品としての栄養価に優れる。該乾燥食品は、乾燥状態にあるため、元の食品素材に比して腐敗し難く保存性に優れる。該乾燥食品は、加熱しながらプレスされてなるので、サクサクとした食感を有し、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有し、また、元の食品素材とは全く異なる形状を有し、意匠性にも優れ、新たな食材・トッピング材等として広い用途において使用可能である。該乾燥食品においては、前記食品素材の内部に含まれていた香成分等が表面に露出する結果、元の食品素材の風味が増強され、あるいは元の食品素材とは異なる風味を有し、更に焼いた香りがするので、元の食品素材が生臭さ等の不快臭を有するものであってもこのような不快臭がマスキングされ、香料等を使用せずとも香ばしい風味を有する。
<2> 薄片状である前記<1>に記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、薄片状であり、平たい形状を有するので、通常、元の食品素材よりも表面積が大きくなっているため、視覚的にも触覚的にも味覚的にも新たな食感が得られ、また、前記食品素材の内部に含まれていた香成分等が表面に露出しているので、元の食品素材の風味が増強され、あるいは元の食品素材とは異なる風味を有し、更に出汁等の素材として使用した際における呈味成分等の抽出効率に優れ、また、薬効成分、有効成分等の抽出用に使用した際における該薬効成分、有効成分等の抽出効率に優れる。該乾燥食品は、元の食品素材とは異なり、所定の容器内に積み重ねて保存・運搬等することができるので、元の食品素材に比し取扱性に優れる。また、該乾燥食品は、薄片状等であるので、薄片状の食品が有する用途に好適に適用することができ、例えば、巻いたり、挟んだり等して好適に使用される。
<3> 厚みが8mm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、厚みが薄いので、プレスされた際に十分に水分が除去されるため、含水量が少なく、サクサクとした食感を有し、煎餅等のように直接食され得る。また、該乾燥食品は、厚みが薄い分だけ、両面における表面積が大きく、食用時乃至使用時において、容易に食され、また、容易に分割、粉砕等されて、抽出等に供されあるいは麺類等に添加される。
<4> 含水率が10質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、含水率が低いので、微生物等が繁殖し難く、保存性に優れ、元の食品素材よりも日持ち向上性に優れる。また、該乾燥食品は、含水率が低いので、それ自体乾燥剤として機能し、例えば、吸湿性の高い粉末製品(例えば、お茶漬け素材、粉末調味料等)などに一緒に包装乃至充填等されることにより、それ自体食することが可能な食品乾燥剤として好適に使用され得、また、元の食品素材とは全く異なるサクサクした新たな食感を有し、新たな食品素材・トッピング材等として各種用途、例えば、ふりかけ、お茶漬け素材等として好適に使用され得る。
<5> 少なくとも一部が多孔質化された前記<1>から<4>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、多孔質化されているので、元の食品素材のままで硬度が高く、食し難いものであっても容易に直接食される。また、該乾燥食品は、多孔質化されている分だけ、表面積が極めて大きくなっており、抽出等に使用した際の抽出等の効率に優れ、また、サクサクした食感に極めて富み、粉砕等すると容易に粉末化され、各種用途に好適に使用される。
<6> 栄養分の少なくとも1種の濃度が、食品素材における同栄養分の濃度よりも高い前記<1>から<5>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、人の生命維持に重要な栄養分の少なくとも1種の濃度が元の食品素材よりも高いので、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<7> 同条件における必須アミノ酸の少なくとも1種の抽出濃度が、食品素材における同必須アミノ酸の抽出濃度よりも高い前記<1>から<6>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、人の生命維持に必要不可欠な栄養素である必須アミノ酸の抽出濃度が元の食品素材よりも高いので、抽出用途に適し、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<8> 必須アミノ酸がヒスチジンである前記<7>に記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、人の生命維持に必要不可欠な栄養素としての必須アミノ酸であるヒスチジンの抽出濃度が元の食品素材よりも高いので、抽出用途に適し、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<9> 同条件におけるヒスチジンの抽出濃度が、食品素材におけるヒスチジンの抽出濃度の2倍以上である前記<1>から<8>に記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、人の生命維持に必要不可欠な栄養素としての必須アミノ酸であるヒスチジンの抽出濃度が元の食品素材の2倍以上であるので、抽出用途に適し、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<10> 同条件における有機酸の少なくとも1種の抽出濃度が、食品素材における同有機酸の抽出濃度よりも高い前記<1>から<9>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、栄養源等として有効な有機酸の抽出濃度が元の食品素材よりも高いので、抽出用途に適し、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<11> 有機酸が乳酸である前記<10>に記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、栄養源等として有効な有機酸としての乳酸の抽出濃度が元の食品素材よりも高いので、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<12> 同条件における乳酸の抽出濃度が、食品素材における乳酸の抽出濃度の2倍以上である前記<1>から<11>に記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、栄養源等として有効な有機酸としての乳酸の抽出濃度が元の食品素材の2倍以上であるので、抽出用途に適し、機能性食品、栄養補助食品、体質改善食品等として好適に使用され、健康食品、病院食、介護食、給食等に好適に使用される。
<13> 食品素材における廃棄部分が食用部分に転化された前記<1>から<12>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品においては、元の食品素材において通常は廃棄処分される廃棄部分が食用部分に転化されているので、該食品素材を無駄なく利用することができ、食料問題の解決に有効であり、また、該乾燥食品は、栄養価が高いにも拘らず従来においては廃棄されてきた廃棄部分までも直接食することができ、栄養価に極めて富み、機能性食品、栄養補助食品等として好適に利用され得る。また、該乾燥食品は、通常は廃棄される廃棄部分が食品素材として有効に利用され得る。
<14> 食品素材が、香辛料、海藻類、茸類、魚介類、穀類、生薬、茶葉類、野菜類、根菜類、果物類、山菜類、及び肉類から選択される少なくとも1種である前記<1>から<13>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、元の食品素材とは異なる新たな食感を有する新食品素材等として、そのまま食されたり、他の食材中に添加されたり、他の食材を巻いたり、他の食材に挟まれたり等して食される。
<15> 食品素材が、胡椒、昆布、椎茸、アガリスク茸、鰹節、ちりめん、えび、いりこ、魚粉、玄米、ウコン、茶、及びしその葉から選択される少なくとも1種である前記<1>から<14>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、胡椒薄片、昆布薄片、椎茸薄片、アガリスク茸薄片、鰹節薄片、ちりめん薄片、えび薄片、いりこ薄片、魚粉薄片、玄米薄片、ウコン薄片、茶薄片、しその葉薄片などとして、各種態様で食される。
<16> 食品素材が、玉ねぎ、ゆり根及びニンニクから選択される少なくとも1種である前記<1>から<15>のいずれかに記載の乾燥食品である。玉ねぎ、ゆり根及びニンニクから選択される少なくとも1種は、粉砕等されてチップ化、パウダー化等されると、得られるパウダー等が極めて吸湿性に富むため、該パウダー等を攪拌等すると吸湿により高粘度となり、粉砕機等の連続運転が困難となるが、該乾燥食品が、玉ねぎ、ゆり根及びニンニクから選択される少なくとも1種である場合、該乾燥食品は、含水量が少なく、乾燥状態にあり吸湿し難いため、粉砕機等を連続運転してチップ化、パウダー化等を行っても、得られるパウダー等は、吸湿し難く、固結され難い。
<17> 調味料に使用される前記<1>から<16>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、速味性、風味等に優れるため、そのまま調味料として使用され、あるいは、和風出汁材、中華出汁材、削りぶり、いりこ出汁材、ふりかけ等の各種調味料に添加されて使用される。また、該乾燥食品は、殺菌されて初発菌数が低減されているので、ふりかけ等の調味料として弁当等に使用された場合に該弁当等の食品の日持ちが向上する。
<18> 栄養補助食品として使用される前記<1>から<17>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、廃棄部分がなく、元の食品素材を総て食することができ、栄養価が高く、栄養補助食品として、栄養増強食、給食、病院食、介護食、アレルギー食等として好適に利用される。
<19> 加熱の温度が125〜300℃であり、プレスが、加熱されたステージ上に配された食品素材を、剛性部材を用いて押し潰すことにより行われ、プレスの圧力が50kg/cm以上であり、プレスの時間が1秒以上である前記<1>から<18>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、芽胞菌、腐敗菌等の微生物の殺菌に十分な、かつ元の食品素材に含まれる水分が除去されるのに十分な、温度で加熱され、圧力及び時間でプレスされるので、初発菌数が十分に少なく、保存性に優れる。
<20> 加熱及び加圧の少なくともいずれかが複数回行われる前記<1>から<19>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、殺菌が十分に行われているので、保存性に極めて優れ、香ばしい風味に優れる。
<21> 加熱の温度が150〜250℃である前記<1>から<20>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、殺菌が十分に行われているので、保存性に極めて優れ、香ばしい風味に優れる。
<22> 加熱の温度が200〜225℃である前記<1>から<21>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、殺菌が十分に行われているので、保存性に極めて優れ、香ばしい風味に優れる。
<23> 加圧の圧力が220〜600kg/cmである前記<1>から<22>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、殺菌が十分に行われているので、保存性に極めて優れ、香ばしい風味に優れる。
<24> 加圧の時間が1秒以上である前記<1>から<23>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、殺菌が十分に行われているので、保存性に極めて優れ、香ばしい風味に優れ、新しい食感を有する。
<25> 加圧の時間が1〜10秒である前記<1>から<24>のいずれかに記載の乾燥食品である。該乾燥食品は、殺菌が十分に行われており、保存性に極めて優れ、香ばしい風味に優れ、新しい食感を有し、しかも栄養分が殆ど喪失せずに含有している。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の乾燥食品は、食品素材を加熱しながらプレスしてなり、水分が除去されてなる。
前記乾燥食品の形状としては、前記食品素材の形状等によって異なるが、プレスされてなる形状であり、いずれも薄片状(シート状、フィルム状)である。
該乾燥食品の形状が前記プレスされてなる形状であると、通常、元の食品素材よりも表面積が大きくなっているため、視覚的にも触覚的にも味覚的にも新たな食感が得られ、また、前記食品素材の内部に含まれていた香成分等が表面に露出しているので、元の食品素材の風味が増強され、あるいは元の食品素材とは異なる風味を有し、更に出汁等の素材として使用した際における呈味成分等の抽出効率に優れ、また、薬効成分、有効成分等の抽出用に使用した際における該薬効成分、有効成分等の抽出効率に優れる点で有利である。該乾燥食品は、元の食品素材とは異なり、所定の容器内に積み重ねて保存・運搬等することができるので、元の食品素材に比し取扱性に優れる点で有利である。該乾燥食品は、薄片状等であるので、薄片状の食品が有する用途に好適に適用可能であり、例えば、焼き海苔等のように巻いたり、挟んだり等することができ、また、薄片状の調味料等とすることができる点で有利である。
【0007】
前記乾燥食品の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、膨化したものも含み、最大厚みとして、8mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下が更に好ましく、0.2〜0.8mmが特に好ましい。なお、前記厚みの下限値としては、0mm超であり、0.1mm程度までが好ましい。
前記乾燥食品の厚みが、8mmを超えると、含水率が高くなることがあり、保存性が良好でないことがあり、また、サクサクとした食感が得られず、新たな食品素材として多様な用途に適用し難くなることがある。
前記乾燥食品の厚みは、例えば、マイクロメータ等を用いて測定することができる。
なお、前記乾燥食品の大きさは、通常、前記食品素材における水分以外の固形分等の体積に対応し、該固形分等の体積が大きくなる程、その径が大きくなる。
【0008】
前記乾燥食品の含水率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
前記乾燥食品の含水率が、10質量%を超えると、該乾燥食品の水分活性が高く、黴、バクテリア等が生育し易く、日持ち性が悪く、保存性に劣り、食品としての安全性、信頼性当にかけることがある。一方、前記含水率が10質量%以下であると、該乾燥食品は、それ自体乾燥剤として機能し、例えば、吸湿性の高い粉末製品(例えば、お茶漬け素材、粉末調味料等)などに添加し、それ自体食することが可能な食品乾燥剤として好適に使用することができ、また、元の食品素材とは全く異なるサクサクした新たな食感を有し、新たな食品素材・トッピング材等として各種用途、例えば、ふりかけ、お茶漬け素材等に好適に添加することができる。
前記乾燥食品の含水率は、特に制限はなく、公知の方法に従って測定することができるが、例えば、常圧加熱減量法などに従って測定することができる。
【0009】
前記乾燥食品は、少なくとも一部(全部又は一部)が多孔質化されていてもよい。この場合、元の食品素材のままで硬度が高く、食し難いものであっても容易に直接食することができる点で有利である。また、該乾燥食品は、多孔質化されている分だけ、表面積が極めて大きくなっており、抽出用とした際における抽出効率に優れ、また、サクサクした食感に極めて富み、新たな食品素材等として好適に利用可能であり、粉砕等すると容易に粉末化され、ふりかけ、調味料等に添加して利用可能である点で有利である。
なお、前記乾燥食品の少なくとも一部が多孔質化されるか否かは、元の食品素材の種類、加工条件等によって異なる。
【0010】
前記乾燥食品としては、元の食品素材よりも栄養分の濃度(含有量)が同条件において高くなっていることが好ましい。また、前記乾燥食品としては、元の食品素材よりも栄養分の抽出濃度(抽出量)が同条件において高くなっていることが好ましい。
前記栄養分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛋白質、炭水化物、脂質、糖質、無機質、アミノ酸、有機酸、ビタミン類、生理活性物質、薬効成分などが挙げられる。
この場合、該乾燥食品においては、元の食品素材よりも、前記栄養分の少なくとも1種の濃度が高い又は前記栄養分が抽出され易いので、該乾燥食品を栄養補給剤、健康補助食品、体質改善食品等として利用することができ、例えば、日常食、病院食、介護食等に好適に利用することができる。
【0011】
前記栄養分の中でも、特に必須アミノ酸に関し、同条件における前記乾燥食品における該必須アミノ酸の濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)が、前記食品素材における必須アミノ酸の濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)よりも高いことが好ましい。該必須アミノ酸としては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、ヒスチジン、アルギニンなどが挙げられる。これらは、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。これらの中でも、体質改善に有効であり、体質改善(ダイエット、血液をサラサラにするなど)のための治療食・改善食等として好適に利用可能な点で、ヒスチジンなどが特に好ましい。
前記必須アミノ酸が前記ヒスチジンである場合、同条件における前記乾燥食品における前記ヒスチジンの濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)が、前記食品素材における前記ヒスチジンの濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)の2倍以上であるのが好ましい。
【0012】
また、前記栄養分の中でも、特に有機酸に関し、同条件における前記乾燥食品における該有機酸の濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)が、前記食品素材における有機酸の濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)よりも高いことが好ましい。該有機酸としては、例えば、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、リング酸などが挙げられる。これらは、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。これらの中でも、保存性に優れる点で、乳酸などが特に好ましい。
前記有機酸が前記乳酸である場合、同条件における前記乾燥食品における前記乳酸の濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)が、前記食品素材における前記乳酸の濃度(含有量)又は抽出濃度(抽出量)の2倍以上であるのが好ましい。
【0013】
前記食品素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、香辛料、海藻類、茸類、魚介類、穀類、生薬、茶葉類、野菜類、根菜類、果物類、山菜類、肉類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、これらは生鮮品であってもよいし、干し物等の乾燥品であってもよいし、燻製品などであってもよく、加熱処理等の処理品であってもよい。ただし、含水率の低い乾燥食品を効率的に得る観点からは、前記食品素材の中でも、ある程度乾燥されているもの、含水率の低いものなどが好ましい。
【0014】
前記香辛料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、唐辛子、黒胡椒、白胡椒、わさび、生姜、山椒、ニンニク、玉ねぎ、などが挙げられる。
【0015】
前記海藻類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、昆布、ひじき、根昆布、わかめ、めかぶ、もずく、などが挙げられる。
【0016】
前記茸類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、椎茸(干し椎茸を含む)、アガリクス茸、えのき、しめじ、なめこ、エリンギ、まい茸、ひら茸、などが挙げられる。
【0017】
前記魚介類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、牡蠣、あわび、あさり、しじみ、ほたて、赤貝、平貝、あおやぎ、さざえ、干し魚(煮干、いりこ、ちりめん(ちりめんじゃこ)、しらす、鰯、あご(とび魚)などを含む)、えび、かに、いか、たこ、鰹、などが挙げられる。なお、前記魚介類の内、魚については、特に中型魚、大型魚等の場合には、その切り身、フレーク、魚粉等であってもよく、かつお節、さば節等の削り節であってもよく、魚骨などであってもよい。
【0018】
前記穀類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米(もち米、うるち米、玄米等を含む)、麦(大麦、小麦、ライ麦等を含む)、粟、稗、豆類、などが挙げられる。なお、前記豆類としては、例えば、大豆、小豆、えんどう豆、そら豆、落花生、アーモンド、カシューナッツ、コーヒー豆、ひまわり種、銀杏、ゴマ、などが挙げられる。また、前記穀類には、例えば、前記麦等におけるふすま部分等も含まれる。
【0019】
前記生薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高麗人参、目薬の木、ウコン、麗芝などが挙げられる。
前記茶葉類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緑茶(日本茶)、中国緑茶、ウーロン茶、紅茶、などが挙げられる。
【0020】
前記野菜類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、しその葉(青じそ)、ほうれん草、小松菜、チンゲン采などが挙げられる。
前記根菜類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴボウ、ニンジン、長ねぎ、玉ねぎ、ゆり根、レンコンなどが挙げられる。
【0021】
前記果物類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、干し柿、干しブドウ、干しプルーン、梅、などが挙げられる。
前記山菜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゼンマイ、わらび、ふき、などが挙げられる。
前記肉類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉などが挙げられる。
【0022】
前記食品素材の中でも、例えば、サクサクした新たな食感が得られ、新たな食材として多用な用途に利用可能にする等の観点からは、昆布、ひじき、根昆布、わかめ、メカブ、黒胡椒、白胡椒、唐辛子、魚骨、鰯、あご(とび魚)、ちりめん(ちりめんじゃこ)、いりこ、えび、いか、かつお節、魚粉、たこ、しじみ、ほたて、牡蠣、椎茸、アガリクス茸、しその葉(青じそ)などが好ましく、元の食品素材よりも形状・表面積が大きくなり、新たな食材・トッピング材等として、麺類、サラダ等に好適に利用可能にする等の観点からは、昆布、ひじき、根昆布、わかめ、メカブ、黒胡椒、白胡椒、唐辛子、魚骨、魚粉、鰯、あご(とび魚)、ちりめん(ちりめんじゃこ)、いりこ、えび、いか、かつお節、たこ、ほたてなどが好ましく、腐敗菌、耐熱芽胞細菌等の初発菌数を低減し、保存性を向上させる等の観点からは、昆布、ひじき、根昆布、わかめ、メカブ、黒胡椒、白胡椒、唐辛子、にんにく、オニオン、いりこ、ちりめん(ちりめんじゃこ)、えび、いか、かつお節、魚粉、たこ、椎茸、アガリクス茸、しその葉(青じそ)、茶などが好ましく、固結し難い等の観点からは、にんにく、オニオンなどが好ましく、香ばしい風味を有する等の観点からは、昆布、ひじき、根昆布、わかめ、メカブ、黒胡椒、白胡椒、唐辛子、にんにく、オニオン、生姜、魚骨、ちりめん(ちりめんじゃこ)、いりこ、えび、いか、かつお節、魚粉、鰯、あご(とび魚)、たこ、しじみ、ほたて、牡蠣、椎茸、アガリクス茸、玄米などが好ましく、抽出効率等の観点からは、魚骨、いりこ、えび、いか、かつお節、魚粉、たこ、椎茸、アガリクス茸、高麗人参、目薬の木、梅、茶、ウコンなどが好ましい。
【0023】
前記乾燥食品としては、前記食品素材における、通常、廃棄部分が食用部分に転化されているものが好ましい。この場合、該食品素材を無駄なく利用することができ、食料問題の解決に有効であり、また、該乾燥食品は、栄養価が高いにも拘らず従来においては廃棄されてきた廃棄部分までも直接食することができ、栄養価に極めて富み、機能性食品、栄養補助食品等として好適に利用することができる点で有利である。また、該乾燥食品は、通常は廃棄される廃棄部分を食品食品素材として有効に利用することができる点で有利である。
なお、前記廃棄部分は、一般に栄養価が高いにも拘らず、通常は食されることがない部分であり、例えば、前記香辛料、前記野菜類、前記根菜類、前記果物類、前記山菜類等における種子部分、前記海藻類、前記生薬類、前記茶葉類等における茎部分、前記魚介類、前記肉類等における骨、軟骨部分、内蔵部分、皮などが挙げられる。
【0024】
前記乾燥食品は、腐敗菌、耐熱芽胞細菌の数を低減させ、食品としての安全性、信頼性、保存性等の観点からは、加熱しながらプレスを行う方法により特に好適に製造することができる。なお、該方法においては、前記加熱と前記プレスとを同時に行うのが好ましいが、前記加熱後に前記プレスを行ってもよいし、前記プレス後に前記加熱を行ってもよい。
【0025】
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、125〜300℃が好ましく、150〜250℃がより好ましく、200〜225℃が特に好ましい。なお、前記加熱の温度としては、一定としてもよいし、前記数値範囲内で変化させてもよい。後者の場合には、段階的に昇温させるのが好ましい。
前記加熱の温度が、125℃未満であると、殺菌が十分に行われないことがあり、300℃を超えると、前記食品素材中の栄養分が熱分解されたり、風味が劣化したり、焦げ臭が生じたりすること等がある。
前記加熱の時間としては、1秒以上が好ましく、1〜10秒がより好ましい。前記加熱の時間が、1秒未満であると、殺菌性が十分でないことがあり、あまり長すぎても前記食品素材中の栄養分の熱分解、焦げ臭等を生じたり、風味が劣化することがある点で好ましくなく、一方、前記好ましい数値範囲内であると、そのようなことはなく、殺菌性、保存性、信頼性、風味、食感、見た目等のバランスがよい点で有利である。
【0026】
前記プレスの圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プレスされて広がった前記食品素材の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重として、50kg/cm以上が好ましく、50kg/cm以上が好ましく、70kg/cm以上がより好ましく、220〜600kg/cmが特に好ましい。
前記プレスの圧力が、50kg/cm未満であると、殺菌性が十分でないことがあり、一方、50kg/cm以上であると、そのようなことはなく、殺菌性、保存性、信頼性、風味、食感、見た目等のバランスがよい点で有利である。
【0027】
前記プレスの方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステージ(台)と剛性部材(プレス板、プレッサー)との組合せ、一対のプレッシングロール(加圧ロール)、などを用いる方法が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ステージと剛性部材との組合せが好ましく、この場合において、前記ステージが加熱されているのがより好ましく、前記ステージ上に前記食品素材を配し、剛性部材を用いて押し潰すことにより行われるのが特に好ましい。なお、前記ステージとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱可能であり、プレッサー等の加圧部材と共に前記食品素材を加圧可能であればよく、加熱板乃至加熱台などが好適に挙げられ、その材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、伝熱性に優れ、高強度であるものが好ましく、鋼鉄製などがより好ましい。
【0028】
前記プレスの時間としては、1秒以上が好ましく、1〜10秒がより好ましい。なお、前記加熱と前記プレスとを同時に行う場合、これらの時間としては前記プレスの時間又は前記加熱の時間と同様である。
前記プレスの時間が、1秒未満であると、殺菌性が十分でないことがあり、あまり長すぎても前記食品素材中の栄養分の熱分解、焦げ臭等を生じたり、風味が劣化することがある点で好ましくなく、一方、前記好ましい数値範囲内であると、そのようなことはなく、殺菌性、保存性、信頼性、風味、食感、見た目等のバランスがよい点で有利である。
【0029】
前記加熱及び前記プレスの回数としては、特に制限はなく、前記食品素材の種類、量、殺菌の程度、風味の程度等に応じて適宜選択することができ、例えば、1回だけでもよいし、複数回であってもよい。後者の場合、一般に得られる乾燥食品の保存性、殺菌性等の点で好ましいが、あまり回数が多くなると、風味等が劣化することがあるので、2回程度がより好ましい。
【0030】
前記乾燥食品は、そのままの状態で食する又は他の食品に添加等して使用してもよいし、更に分割、粉砕等して破片化、微粒子化、粉末化等した後で食する又は他の食品に添加等してもよい。
なお、粉砕処理等を行う場合、前記食品素材が、特に栄養価の高いニンニク及びオニオンである場合、これらが吸湿性に富むため、これらを乾燥し粉末化すると、湿気によるケーキングが生じ、その結果、保存性が低下してしまうという問題がある。そこで、保存性を維持するため大豆や小麦の粉末を混合した場合、風味が変化乃至劣化してしまうという問題があるが、本発明の乾燥食品の場合には、そのような問題が生じない点で有利である。
【0031】
前記乾燥食品は、元の食品素材の風味を維持したまま更に香ばしい風味を有しかつ該元の食品素材とは異なる新たな食感を有するので、あるいは、元の食品素材とは全く異なる新たな風味と食感とを有するので、元の食品素材とは異なる新たな食材として各種用途に使用することができ、そのまま食する食用としてもよいし、うどん、そば等の具材、パスタ、サラダ等のトッピング剤、ふりかけ、お茶漬けの素、などの添加乃至乾燥剤、調味料、栄養補助食品、体質改善食品などとして好適に使用することができる。
【0032】
前記乾燥食品は、前記食品素材中に含まれる栄養分を高濃度で含有し、栄養価が高く、また、殺菌性が十分であり、保存性、食品衛生上優れているので、食品添加物等を使用しなくても食中毒等を防止可能である点で、弁当用食材、日常食素材、病院食素材、介護食素材、体質改善食・治療食素材、などとして好適に使用できる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
前記食品素材として黒胡椒を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がった黒胡椒の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を25℃刻みで50℃から250℃まで段階的に昇温し、各温度で30秒間づつ前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例1の乾燥食品としての黒胡椒薄片を製造した。
得られた黒胡椒薄片は、厚みが0.5〜1.0mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の黒胡椒の粒とは全く異なる新たな食感を有していた。そして、更に、得られた黒胡椒は、香り、味等の風味の点で元の黒胡椒よりも優れており、全部を食することができた。また、この黒胡椒薄片を砕片化して肉料理に振りかけたところ、元の黒胡椒とは異なる香辛料としての風味が得られた。また、ジャガイモのスライス焼きの一方の表面に該黒胡椒薄片を貼り付けたところ、元の黒胡椒とは異なる香辛料としての風味が得られた。
【0035】
次に、黒胡椒薄片を製造する際の温度及び圧力と、生存する耐熱性芽胞細胞数との関係を以下のようにして調べた。即ち、圧力条件を70kg/cm(プレスされて広がった黒胡椒の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)として固定し、表1に示す温度条件で製造した各黒胡椒薄片を生理食塩水で10倍希釈したものを、80℃で10分間加熱後、培地(標準寒天培地)上に接種した。そして、35±1℃、48時間で培養させた後、生育した菌数を計測し、該菌数を前記生存する耐熱芽胞細菌数とした。なお、前記菌数は、標準平板菌数測定法(食品衛生検査指針、微生物編、1990年)に従って測定した。結果を表1に示した。
【0036】
【表1】


なお、表1中、数値は、黒胡椒1g当たりの芽胞数(耐熱芽胞細菌数)を表し、「一回処理」は、加熱及びプレスの回数が1回であることを意味し、「二回処理」は、加熱及びプレスの回数が2回であることを意味し、「○」は、黒胡椒の風味が劣化していない状態、「△」は、焦げ臭がし風味が劣化した状態、をそれぞれ表す。
【0037】
表1に示す通り、加熱及びプレスを1回行った場合には、150℃以上で加熱されて製造された前記黒胡椒薄片は殺菌性、保存性、信頼性等に優れており、加熱及びプレスを2回行った場合には、125℃以上で加熱されて製造された前記黒胡椒薄片は殺菌性、保存性、信頼性等に優れていた。そして、175〜250℃で2回加熱及びプレスされて製造された前記黒胡椒薄片は殺菌性、保存性、信頼性等に顕著に優れていた。なお、表1において、菌数が少ないことは、耐熱性芽胞細菌のその後の繁殖に時間がかかり、日持ち向上性に優れ、保存性に優れることを意味し、弁当、惣菜等に利用する場合に特に有利であることを意味する。
【0038】
次に、温度条件を225℃として固定し、表2に示す加圧条件(40〜510kg/cm)で製造した各黒胡椒薄片を生理食塩水で10倍希釈したものを、80℃で10分間加熱後、培地(標準寒天培地)上に接種した。そして、上記同様にして、35±1℃、48時間で培養させた後、生育した菌数を計測し、該菌数を前記生存する耐熱芽胞細菌数とした。結果を表2に示した。
【0039】
【表2】


なお、表2中、数値は、黒胡椒1g当たりの芽胞数(耐熱芽胞細菌数)を表し、「一回処理」は、加熱及びプレスの回数が1回であることを意味し、「○」は、黒胡椒の風味が劣化していない状態を表す。
【0040】
表2に示す通り、温度が一定の場合、70kg/cm以上でプレスされて製造された前記黒胡椒薄片は殺菌性、保存性、信頼性等に顕著に優れていた。なお、風味については、いずれの圧力であっても劣化が観られなかった。
【0041】
次に、加熱温度を225℃に固定し、加圧条件を120kg/cmに固定し、加熱及びプレスの時間を15秒〜60秒に変化させた以外は、上記同様にして生育した菌数を計測し、該菌数を前記生存する耐熱芽胞細菌数とした。結果を表3に示した。
【0042】
【表3】


【0043】
なお、表3中、数値は、黒胡椒1g当たりの芽胞数(耐熱芽胞細菌数)を表し、「○」は、黒胡椒の風味が劣化していない状態を表し、「△」は、焦げ臭がし風味が劣化した状態を表す。
【0044】
表3に示す通り、温度及びプレスの圧力が一定の場合、加熱時間が60秒で製造された前記黒胡椒薄片は殺菌性、保存性、信頼性等に顕著に優れており、風味の増強が観られた。
【0045】
(実施例2)
実施例1において、前記食品素材としての黒胡椒を、唐辛子、干し椎茸、ゼンマイ、牡蠣、牛肉、根昆布、又は、イリコに代えた以外は実施例1と同様にして、実施例2の乾燥食品としての、唐辛子薄片、干し椎茸薄片、ゼンマイ薄片、牡蠣薄片、牛肉薄片、根昆布薄片、イリコ薄片をそれぞれ製造した。これらの乾燥食品は、いずれも、厚みが0.1〜0.5mmであり、含水率が5%前後であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。そして、更に、得られた各乾燥食品(薄片)は、香り、味等の風味の点で元の食品素材よりも優れており、全部を食することができた。また、この食品素材を砕片化してごはんに振りかけて食することができ、元の食品素材とは異なるふりかけ乃至調味料等として使用することができ、しかも元の食品素材とは異なる新たな風味が得られた。また、これらを熱水で煮出しを行い、出汁を得たところ、短時間で風味豊な出汁が得られた。
【0046】
更に、実施例1と同様にして(温度=225℃、圧力= 120kg/cm、時間=30秒)各乾燥食品についての殺菌性を調べた。結果を表4に示した。
【0047】
【表4】


表4に示す通り、各乾燥食品は、殺菌性、保存性、信頼性等に優れていることが確認された。なお、表4において、菌数が少ないことは、耐熱性芽胞細菌のその後の繁殖に時間がかかり、日持ち向上性に優れ、保存性に優れることを意味し、弁当、惣菜等に利用する場合に特に有利であることを意味する。
【0048】
(実施例3)
前記食品素材として、しその葉(青じそ)を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がった「しその葉(青じそ)」の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を150℃又は160℃とし、加熱及びプレスの時間を2秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例3の乾燥食品としての青じそ薄片を製造した。得られた青じそ薄片は、厚みが0.1〜0.5mmであり、含水率が5%以下であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該青じそ薄片は、香り、味等の風味の点で元の青じそよりも優れており、全部を食することができ、また、焼き海苔の代わりとして、おにぎりに巻いて食することができ、新たな食材となるものであった。得られた青じそ薄片を40℃まで冷却し、弁当容器に盛り付け、室温25℃又は30℃で放置し、盛り付け直後、24時間後、48時間後における生存芽胞数を、実施例1と同様にして測定した。結果を表5に示した。
【0049】
【表5】


表5中、「−」は、陰性であることを示す。
【0050】
表5に示す通り、実施例3の青じそ薄片では、大腸菌群は検出されず、一般生菌も300個/g以下であり、殺菌性に優れており、また、経時の菌数増加が抑制されており、保存性に顕著に優れていた。また、公知の方法により、青じその(しその葉)を加熱処理等すると、該青じそ中の緑色成分であるクロロフィルが変質する結果、変色が生ずるが、実施例3の青じそ薄片の場合、変色が生じず鮮やかな緑色を維持し、風味も豊かであった。なお、表3において、菌数が少ないことは、耐熱性芽胞細菌のその後の繁殖に時間がかかり、日持ち向上性に優れ、保存性に優れることを意味し、弁当、惣菜等に利用する場合に特に有利であることを意味する。
【0051】
(実施例4)
前記食品素材として、玄米を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力120kg/cm(プレスされて広がった玄米の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を220℃とし、加熱及びプレスの時間を8秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例4の乾燥食品としての玄米薄片を製造した。得られた玄米薄片は、厚みが8mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材である玄米とは全く異なる新たな食感を有していた。該玄米薄片は、香り、味等の風味の点で元の玄米よりも優れており、廃棄部分がなく全部を食することができた。また、表6に示す通り、玄米における栄養分に比し、該玄米薄片における栄養分は、元の玄米と同等又はそれ以上であった。
【0052】
【表6】


この表において、「食品素材の検査結果」の欄のデータは、科学技術庁による「五訂日本食品標準成分表」に準拠してまとめられた、科学技術庁資源調査会「すぐに役立つ五訂食品成分表」((株)池田書店)2001年12月27日発行、p74に記載のデータである。
一方、「乾燥食品の検査結果」の欄のデータは、財団法人広島県環境保険協会(食品衛生法に基づく指定検査機関)における試験結果によるものである。ここでの検査方法は、栄養表示基準(平8年5月20日 厚告第146号)による。なお、上記表に関し、1)「たんぱく質」に関し、たんぱく質−窒素換算係数は、6.25とした。また、2)「熱量」に関し、熱量換算係数は、たんぱく質4、脂質9、糖質4、とした。
【0053】
(実施例5)
前記食品素材として、ちりめんを用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力120kg/cm(プレスされて広がったちりめんの平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を220℃とし、加熱及びプレスの時間を5秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例5の乾燥食品としてのちりめん薄片を製造した。得られたちりめん薄片は、厚みが2mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該ちりめん薄片は、香り、味等の風味の点で元のちりめんよりも優れており、全部を食することができた。また、表7に示す通り、ちりめんにおける栄養分に比し、該ちりめん薄片における栄養分は、元のちりめんと同等又はそれ以上であった。
【0054】
【表7】


この表において、「食品素材の検査結果」の欄のデータは、科学技術庁による「五訂日本食品標準成分表」に準拠してまとめられた、科学技術庁資源調査会「すぐに役立つ五訂食品成分表」((株)池田書店)2001年12月27日発行、p160に記載のデータである。
一方、「乾燥食品の検査結果」の欄のデータは、財団法人広島県環境保険協会(食品衛生法に基づく指定検査機関)における試験結果によるものである。ここでの検査方法は、食塩、カリウム、マグネシウム、亜鉛、EPA及びDHAについては、加工食品の栄養成分分析法(厚生省)により、それ以外は、栄養表示基準(平8年5月20日 厚告第146号)による。
なお、上記表に関し、1)「たんぱく質」に関し、たんぱく質−窒素換算係数は、6.25とした。また、2)「熱量」に関し、熱量換算係数は、たんぱく質4、脂質9、糖質4、とした。また、食塩は、ナトリウム含量より算出した。
【0055】
(実施例6)
前記食品素材として、いりこを用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がった「いりこ」の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を230℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例6の乾燥食品としてのいりこ薄片を製造した。得られたいりこ薄片は、厚みが0.2〜0.5mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該いりこ薄片は、香り、味等の風味の点で元のいりこよりも優れており、廃棄部分がなく全部を食することができた。また、表8に示す通り、いりこにおける栄養分に比し、該いりこ薄片における栄養分は、元のいりこと同等又はそれ以上であった。
【0056】
【表8】


この表において、「食品素材の検査結果」の欄のデータは、科学技術庁による「五訂日本食品標準成分表」に準拠してまとめられた、科学技術庁資源調査会「すぐに役立つ五訂食品成分表」((株)池田書店)2001年12月27日発行、p158に記載のデータである。
一方、「乾燥食品の検査結果」の欄のデータは、財団法人広島県環境保険協会(食品衛生法に基づく指定検査機関)における試験結果によるものである。ここでの検査方法は、食塩、カリウム、マグネシウム、亜鉛、EPA及びDHAについては、加工食品の栄養成分分析法(厚生省)により、それ以外は、栄養表示基準(平8年5月20日 厚告第146号)による。
なお、上記表に関し、1)「たんぱく質」に関し、たんぱく質−窒素換算係数は、6.25とした。また、2)「熱量」に関し、熱量換算係数は、たんぱく質4、脂質9、糖質4、とした。また、食塩は、ナトリウム含量より算出した。
【0057】
(実施例7)
前記食品素材として、えび(むきえび)を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がったえびの平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を230℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例7の乾燥食品としてのえび薄片を製造した。得られたえび薄片は、厚みが0.2〜0.5mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該えび薄片は、香り、味等の風味の点で元のえびよりも優れており、廃棄部分がなく全部を食することができた。なお、えび薄片における栄養分を表9に示した。
【0058】
【表9】


【0059】
(実施例8)
前記食品素材として、ウコンを用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がったウコンの平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を230℃とし、加熱及びプレスの時間を3〜5秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例8の乾燥食品としてのウコン薄片を製造した。得られたウコン薄片は、厚みが0.2〜0.3mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該ウコン薄片は、香り、味等の風味の点で元の食品素材よりも優れており、全部を食することができた。なお、ウコン薄片における「クルクミン」の量を表10に示した。
【0060】
【表10】


【0061】
(実施例9)
前記食品素材として、アガリクス茸を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がったアガリクス茸の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を180℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例9の乾燥食品としてのアガリクス茸薄片を製造した。得られたアガリクス茸薄片は、厚みが0.2〜0.3mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該アガリクス茸薄片は、香り、味等の風味の点で元のアガリクス茸よりも優れており、特に甘い風味の点で優れ、全部を食することができた。なお、アガリクス茸薄片における「β−グルカン」の量を表11に示した。
【0062】
【表11】


【0063】
(実施例10)
前記食品素材として、かつお節を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がったかつお節の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を180℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例10の乾燥食品としてのかつお節薄片を製造した。得られたかつお節薄片は、厚みが0.2〜0.3mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該かつお節薄片は、香り、味等の風味の点で元の食品素材よりも優れており、全部を食することができた。
また、前記かつお節5gと、前記かつお節薄片5gとを秤量し、80mlの蒸留水を加え、80℃で加熱して抽出を行った。抽出時間として、加熱後、0分経過、3分経過、5分経過、及び10分経過の各時点における、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、乳酸、アラニン、ヒスチジン及びリジンの抽出量(ppm)を以下のようにして測定した。即ち、加熱による抽出後、速やかにろ紙を用いて濾過を行い、100mlに蒸留水を用いてメスアップした(全量を100mlとした)。各試料を0.45μmのメンブランフィルターを用いて濾過を行い、適宜希釈したものをキャピラリー電気泳動装置を用いて分析した。なお、分析条件としては、カラムとして fused silica 50id×10 cm を用い、バッファーとして aglilent basic anion buffer (pH 12.1) を用い、400ms注入し、温度を15℃とし、電圧を−30kVとし、350/20nm、Ref275/10nmの検出条件とした。結果を表12及び表13に示した。なお、表12及び表13中、上段の時間は、抽出時間を意味し、表の数値は、濃度(ppm)を表す。
【0064】
【表12】


【0065】
【表13】


【0066】
表12及び表13に示すように、「かつお節」の場合の「乳酸」及び「アミノ酸」(表12)に比し、「かつお節薄片」における「乳酸」及び「アミノ酸」(表13)の方が、各抽出時間とも高濃度で抽出された。
【0067】
(実施例11)
前記食品素材として、いりこを用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がったいりこの平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を230℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例11の乾燥食品としてのいりこ薄片を製造した。得られたいりこ薄片は、厚みが0.2〜0.3mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該いりこ薄片は、香り、味等の風味の点で元の食品素材よりも優れており、全部を食することができた。
また、前記いりこ5gと、前記いりこ薄片5gとを秤量し、80mlの蒸留水を加え、80℃で加熱して、実施例10と同様にして、抽出を行った。結果を表14に示した。なお、表14中、「対象」はいりこを意味し、「プレス品」はいりこ薄片を表し、表の数値は、濃度(ppm)を表す。
【0068】
【表14】


【0069】
表14に示すように、「いりこ」の場合の「乳酸」及び「アミノ酸」に比し、「いりこ薄片」における「乳酸」及び「アミノ酸」の方が、高濃度で抽出された。
【0070】
(実施例12)
前記食品素材として、昆布を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がった昆布の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を180℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例12の乾燥食品としての昆布薄片を製造した。得られた昆布薄片は、厚みが0.3から0.5mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該昆布薄片は、香り、味等の風味の点で元の食品素材よりも優れており、全部を食することができた。
また、前記昆布5gと、前記昆布薄片5gとを秤量し、80mlの蒸留水を加え、80℃で加熱して、実施例10と同様にして、抽出を行った。結果を表15に示した。なお、表15中、「対象」は昆布を意味し、「プレス品」は昆布薄片を表し、表の数値は、濃度(ppm)を表す。
【0071】
【表15】


【0072】
表15に示すように、「昆布」の場合の「アミノ酸」に比し、「昆布薄片」における「アミノ酸」の方が、高濃度で抽出された。
【0073】
(実施例13)
前記食品素材として、椎茸を用い、これを加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力70kg/cm(プレスされて広がった椎茸の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を180℃とし、加熱及びプレスの時間を3秒間とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例13の乾燥食品としての椎茸薄片を製造した。得られた椎茸薄片は、厚みが0.2〜0.3mmであり、含水率が5%であり、プレスされた形状(薄片状)を有し、直接食してみるとサクサク感があり、元の食品素材とは全く異なる新たな食感を有していた。該椎茸薄片は、香り、味等の風味の点で元の食品素材よりも優れており、全部を食することができた。
【0074】
(実施例14)
表17に示す食品素材を、加熱した鋼製ステージ上に置き、直ちに上部から鋼製平板により圧力50kg/cm以上(プレスされて広がった該食品素材の平方センチメートル(/cm)当たりの荷重)の条件にて加圧した。このとき、前記ステージの温度を125〜300℃とし、加熱及びプレスの時間を1秒以上とし、前記鋼製平板を保持することにより、前記加熱及び前記プレスを行って実施例14の乾燥食品を製造した。得られた乾燥食品は、厚みが8mm以下であり、含水率が10%以下であり、プレスされた形状(薄片状)を有していた。各乾燥食品について、以下の効果1〜6の中で顕著に優れるものを表17に示した。
<効果>
効果1:サクサクとした食感を有する
効果2:元の食品素材とは異なる新たな用途(トッピング材等)を有する
効果3:耐熱性芽胞細菌数が激減し保存性に優れる
効果4:吸湿が少なくケーキングがない
効果5:香り豊かである
効果6:抽出量が大で調味料等に好適である
【0075】
【表16】


【0076】
【発明の効果】
本発明によると、従来の問題を解決し、栄養分が消失されずに含有されており栄養価に優れ、腐敗し難く保存性に優れ、元の食品素材とは全く異なるサクサクとした新たな食感と形状とを有し、生臭さ等の不快臭がマスキングされて香料等を使用せずとも香ばしい風味を有し、新たな食品素材・トッピング材等として、また、栄養補助食品、体質改善食品等として、直接又は間接に摂取可能であり、日常食、給食、病院食、介護食、体質改善食等に好適に利用可能な乾燥食品を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】502375965
【氏名又は名称】有限会社 瀬戸鉄工
【住所又は居所】広島県豊田郡川尻町大字川尻字上畑1068−4
【出願日】 平成15年8月20日(2003.8.20)
【代理人】 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一

【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広

【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子

【公開番号】 特開2005−58027(P2005−58027A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−208063(P2003−208063)