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【発明の名称】 焼目付き調理済み若しくは焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類及びその製造方法
【発明者】 【氏名】石井 昭二
【住所又は居所】東京都足立区保木間五丁目27番6号、株式会社富士食品内

【要約】 【課題】食感、艶、風味に優れた焼目付き調理品を得ることができる焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類及び焼目付き調理済み冷凍加工穀類、並びにそれらの製造方法を提供する。

【解決手段】焼目付き調理用の半調理済み冷凍加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされた状態でブロック状に凍結されており、且つ、このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜が形成された状態で包装されている。また、焼目付き調理済み冷凍加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされた状態でブロック状に凍結されており、且つ、このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤を付けて焼目を入れた状態で包装されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼目付き調理用の半調理済み冷凍加工穀類であって、該加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされた状態でブロック状に凍結されており、且つ、このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜が形成された状態で包装されていることを特徴とする焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類。
【請求項2】
予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きした後、この炒め焼き済み加工穀類を型に入れてブロック状に凍結し、その後このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜を形成して該凍結体を包装することを特徴とする焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類の製造方法。
【請求項3】
焼目付き調理済み冷凍加工穀類であって、該加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされた状態でブロック状に凍結されており、且つ、このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤を付けて焼目を入れた状態で包装されていることを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類。
【請求項4】
予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きした後、この炒め焼き済み加工穀類を型に入れてブロック状に凍結し、その後このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤を付けて焼目を入れた後、焼目を付けた炒め焼き済み加工穀類をブロック状に再凍結して包装することを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類の製造方法。
【請求項5】
焼目付き調理用の半調理済み冷凍加工穀類であって、該加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性焼目付け剤を付けて全体的にばらけ状態で且つ加工穀類の表面に焼目が付く程度に炒め焼きされた状態でブロック状に凍結され包装されていることを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類。
【請求項6】
予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性焼目付け剤を付けて全体的にばらけ状態で且つ加工穀類の表面に焼目が付く程度に炒め焼きした後、この炒め焼き済み加工穀類を型に入れてブロック状に凍結し、包装することを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、そば、うどん、スパゲッティ等の麺類若しくは米飯等に好適に適用できる焼目付き調理済み若しくは焼目付き調理用の半調理済み冷凍加工穀類及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばあんかけ焼きそばは、フライパン等の上に油を引いて焼きそば用の蒸し麺をほぐしながら麺線をいわゆるばらけ状態に保ちつつ全体的に均一に焼き、その後、火力を強めて表裏両面にパリッとした食感の焼目を入れて焼き上げ、その上にあんをかけて仕上げるのが一般的である。こうして出来上がるあんかけ焼きそばは、焼目を付けた麺表裏面部分の香ばしい香りとともに、その部分のパリっとした食感と、ばらけ状態で軟らかく焼かれた麺の軟らかく且つさっぱりした食感と、それらを包むあんのしっとり感との調和を楽しむことができる。他のそば、うどん、スパゲッティ等の麺類においても、また、米飯を主材とした炒飯等においても、蒸し上げ、茹で上げ、炊飯等の加熱処理後に同様の焼目付き調理を行うことにより、食感に富む焼き調理品に仕上げることができるようになる。
【0003】
しかし、上記したような加工穀類の焼目付き調理においては、加熱温度、時間、油の量等の加減が思ったほど容易ではなく、焼目を付けている間に内部の麺線(加工穀類)が互いに固着して団塊状態となったり、焼目にムラが生じたり、焼きすぎて苦味が出てしまったりすることがあり、調理品の味を低下させる原因となる。
【0004】
近年、あんかけ焼きそば等の焼目付き調理済み冷凍食品も市販されているが、従来の焼目付き調理済み冷凍食品に用いられている焼目付き調理加工穀類は、蒸し上げ、茹で上げ、炊飯等の加熱処理をした加工穀類を油で炒め焼く際に火力を強めるか或いは加熱時間を長くすることにより表裏両面に焼目を付けるのが一般的であり、焼目を付けている間に内部の麺線(加工穀類)が互いに固着して団塊状態となったり、焼目にムラが生じたり、焼きすぎて苦味が出てしまったりするという問題が生じる。
【0005】
一方、特開平7−298989号公報には、ゆで麺を型に入れて成型した後に、成型されたゆで麺の表裏両面に油脂を散布し、焼目用小室に入れて下からの熱輻射と上からの高速熱噴流とにより、表裏両面に焼目を入れ、その後常温程度まで冷却して真空包装する焼目付き焼きそばの製法が開示されている。
【0006】
この製法では成型されたゆで麺の表裏両面に焼目がよく付くが、成型されたゆで麺への油脂の散布は、ゆで麺をゆで上げたままの状態で行われるため、焼目を入れるための油脂が成型されたゆで麺の内部まで必要以上に浸透し、その結果、両面の焼目が厚く入りすぎて大きな団塊状になりやすく、パリっとした食感が得られにくくなる。
【0007】
さらに、成型されたゆで麺の内部においては油脂の浸透が十分ではなく、且つ、内部まで均一に炒め焼くことができないため、麺線がゆで麺のまま残り、ばらけ状態のさっぱりした炒め焼きそばの食感を得ることができない。
【0008】
【特許文献1】特開平7−298989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明の第1の目的は、解凍し最終仕上げの焼き調理をすることによって、内部は加工穀類のばらけ性が良好で且つ表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好な焼目付き調理品を容易に得ることができる焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、電子レンジ等で解凍し暖めるだけで、内部は加工穀類のばらけ性が良好で且つ表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好な焼目付き調理品を容易に得ることができる焼目付き調理済み冷凍加工穀類及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
さらに、本発明の第3の目的は、電子レンジ等で解凍し暖めるだけで、内部は加工穀類のばらけ性が良好で且つ全体的に加工穀類の表面に香ばしい焼目が付いた、食感、艶、風味の良好な焼目付き調理品を容易に得ることができる焼目付き調理済み冷凍加工穀類及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第1の目的を達成するために、本発明は、第1発明として、焼目付き調理用の半調理済み冷凍加工穀類であって、該加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされた状態でブロック状に凍結されており、且つ、このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜が形成された状態で包装されていることを特徴とする焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類を提供する。
【0013】
また、第2発明として、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きした後、この炒め焼き済み加工穀類を型に入れてブロック状に凍結し、その後このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜を形成して該凍結体を包装することを特徴とする焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類の製造方法を提供する。
【0014】
さらに、上記第2の目的を達成するために、本発明は、第3発明として、焼目付き調理済み冷凍加工穀類であって、該加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされた状態でブロック状に凍結されており、且つ、このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤を付けて焼目を入れた状態で包装されていることを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類を提供する。
【0015】
また、第4発明として、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きした後、この炒め焼き済み加工穀類を型に入れてブロック状に凍結し、その後このブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤を付けて焼目を入れた後、焼目を付けた炒め焼き済み加工穀類をブロック状に再凍結して包装することを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類の製造方法を提供する。
【0016】
さらに、上記第3の目的を達成するために、本発明は、第5発明として、焼目付き調理用の半調理済み冷凍加工穀類であって、該加工穀類は、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性焼目付け剤を付けて全体的にばらけ状態で且つ加工穀類の表面に焼目が付く程度に炒め焼きされた状態でブロック状に凍結され包装されていることを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類を提供する。
【0017】
また、第6発明として、予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされた加工穀類に油性焼目付け剤を付けて全体的にばらけ状態で且つ加工穀類の表面に焼目が付く程度に炒め焼きした後、この炒め焼き済み加工穀類を型に入れてブロック状に凍結し、包装することを特徴とする焼目付き調理済み冷凍加工穀類の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
上記第1発明に係る焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類は、包装から取り出して解凍し最終仕上げの焼き調理をすることによって、内部は加工穀類のばらけ性が良好で且つ表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好な焼目付き調理品を容易に得ることができる。すなわち、ブロック状凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜が形成されているので、このブロック状凍結体を解凍し加熱したフライパン等の上で焼くことにより、表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目を容易に付けることができる。しかも、内部の加工穀類は予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされているので、最終仕上げ調理に多く時間をかけることなく、内部の加工穀類はばらけ性が良好で且つ表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた焼目付き調理品を容易に得ることができる。
【0019】
また、上記第2発明に係る焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類の製造方法によれば、上記第1発明の構成を有する焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類を容易に製造することができる。
【0020】
さらに、上記第3発明に係る焼目付き調理済み冷凍加工穀類は、包装から取り出して解凍し暖めるだけで、内部は加工穀類のばらけ性が良好で且つ表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好な焼目付き調理品を容易に得ることができる。すなわち、ブロック状凍結体の内部の加工穀類は予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性ばらけ剤を付けて全体的にばらけ状態で炒め焼きされており、しかも、ブロック状凍結体の表面の加工穀類は油性焼目付け剤を付けて焼目を入れた状態で再凍結されているので、このブロック状凍結体を解凍し暖めることにより、内部の加工穀類はばらけ性が良好で且つ表面の加工穀類には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた焼目付き調理品を容易に得ることができる。
【0021】
また、上記第4発明に係る焼目付き調理済み冷凍加工穀類の製造方法によれば、上記第3発明の構成を有する焼目付き調理済み冷凍加工穀類を容易に製造することができる。
【0022】
さらに、上記第5明に係る焼目付き調理済み冷凍加工穀類は、包装から取り出して解凍し暖めるだけで、全体的に加工穀類のばらけ性が良好で且つ全体的に加工穀類の表面に香ばしい焼目が付いた、食感、艶、風味の良好な焼目付き調理品を容易に得ることができる。すなわち、ブロック状凍結体の加工穀類は予めでんぷん質をアルファ化するための処理がなされ且つその後に該加工穀類の表面に油性焼目付け剤を付けて全体的にばらけ状態で且つ加工穀類の表面に焼目が付く程度に炒め焼きした状態でブロック状に凍結され包装されているので、このブロック状凍結体を解凍し暖めることにより、全体的に加工穀類のばらけ性が良好で且つ全体的に加工穀類の表面に香ばしい焼目が付いた焼目付き調理品を容易に得ることができる。
【0023】
また、上記第6発明に係る焼目付き調理済み冷凍加工穀類の製造方法によれば、上記第5発明の構成を有する焼目付き調理済み冷凍加工穀類を容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明において、加工穀類としては中華麺、日本そば、うどん、スパゲッティ等の麺類及び米が好適に用いられる。それらのでんぷん質をアルファ化するための処理としては、加工穀類の種類又は調理法に応じて蒸上げ、茹上げもしくは炊上げのうちの何れかを適宜に選択することができる。
【0025】
本発明に用いる油性ばらけ剤としては、調理用油脂類又は調理用油脂類にレシチンを0.1〜8重量%添加したものを好適に用いることができる。一方、ブロック状凍結体の表面に付ける油性焼目付け剤としては、調理用油脂類に5〜50重量%のレシチンを添加したもの、さらに好ましくは、調理用油脂類に8〜20重量%のレシチンを添加したものを好適に用いることができる。
【0026】
油性ばらけ剤及び油性焼目付け剤に用いる調理用油脂類としては例えば大豆油、綿実油、菜種油、米糠油、サフラワ−油、カポック油、落花生油、胡麻油、椰子油、パ−ム油、牛脂、ラ−ド等が挙げられる。これらの油脂は単独又は二種以上を混合して用いることが出来る。油脂は常温で液体の方が好ましい。また、油性ばらけ剤及び油性焼目付け剤に用いるレシチンとしては、大豆レシチン若しくは卵黄レシチンを用いることができるが、これらの粗製レシチン及び精製レシチンのいずれも用いることができるが、高純度レシチンが好ましい。
【0027】
なお、油性ばらけ剤として調理用油脂類にレシチンを添加したものを用いる場合、レシチンの添加量が5重量%以上になると加工穀類の表面に焼目が付きやすくなる。したがって、ばらけ状態で炒め焼きする際に全体的に各穀類表面に焼目を付けたいときはレシチンを5重量%以上添加した油性ばらけ剤を用いることが好ましく、一方、ばらけ状態で炒め焼きする際に全体的に各穀類表面に焼目を付けたくないときはレシチンの添加量を5重量%よりも少なくするかレシチンを省略して調理用油脂類のみとした油性ばらけ剤を用いることが好ましい。
【0028】
一方、油性焼目付け剤におけるレシチンの添加量が5重量%より少ないと、焼目が付きにくくなり、十分な焼目を付けるためには加熱温度を上げたり加熱時間を増やす必要があるため、加工穀類が炭化するほどの過剰な焼き焦げが局部的に発生する原因となり、かえって風味や食感を低下させる原因となるとともに、長時間の加熱によって内部の加工穀類が互いに融着し団塊状態を作りやすくなるとともに、全体的に加工穀類からの水分蒸発量が多くなりすぎて、加工穀類が硬くなり、食感が低下する原因となる。
【0029】
一方、油性焼目付け剤におけるレシチンの添加量が50重量%より多いと加工穀類が短時間で炭化するほどの焼き焦げを生じやすくなり、また、レシチン特有の風味が強くなって調理品の風味を損ねる原因となる。したがって、あまり加熱温度を上げずにきつね色のこんがりした焼目を付けるには、上記したように、油性焼目付け剤におけるレシチンの添加量を5〜50重量%とし、さらに好ましくは、、レシチンの添加量を8〜20重量%とすることが好ましい。
【0030】
さらに、本発明における炒め焼きは、調味料を加えない所謂白焼きであってもよいが、塩、こしょう、ソースその他の調味料を適量加えて炒めてもよい。炒め焼き装置としては、内部の加工穀類を撹拌させながら焼く回転ドラム型の焼き釜を有するものが好ましい。
【0031】
さらに、ブロック状凍結体は、その上下両面に焼目を広く均一に入れるためには、上下面が略平坦な略立方体形状であることが好ましいが、片面のみに焼目を付けるときは片面例えば下面のみが平坦な山盛り形状であってもよい。
【0032】
さらに、本発明において、炒め焼きをした加工穀類を凍結する際にブロック状に成型するための型としては、ベース板に加工穀類の収容室となる複数個の凹所を形成したものや、底板の上に固設した枠体により、加工穀類の収容室となる複数個の区画室を形成したものを用いることができる。ベース板に凹所を形成した型においては、凹所の内底面を平坦に形成したものや、湾曲した凹面形状に形成したものを用いることができる。
【0033】
さらに、型は、収容室に収容された加工穀類を上から押さえる押さえ板を有していてもよく、さらに、上記底板及び押え板は網板その他の多孔板で形成することができる。また、上記収容室の平面視形状は三角形、四角形等の多角形、或いは、円形、楕円形、長円形等にすることができる。
【0034】
さらに、本発明において、ブロック状の凍結体の表面に油性焼目付け剤の被膜を形成する方法としては、油性焼目付け剤を塗布してもよいし、噴霧も散布してもよい。
【0035】
さらに、本発明において、表面に油性焼目付け剤を付けたブロック状凍結体の該表面に焼目を入れる方法としては、特に限定はされないが、上記型から取り出したブロック状凍結体又は上記型に入れたままのブロック状凍結体を高温加熱炉に搬送し、熱輻射、高速熱噴流、火炎等により素早くこんがりと焼き上げる方法が好ましい。
【実施例1】
【0036】
あんかけ焼きそば用半調理済み冷凍麺を次の製法で製造した。
【0037】
(1)工程1
製麺装置で製造した焼きそば用生麺を蒸熱装置で蒸し上げ、蒸し麺とした。
【0038】
(2)工程2
釜の内面に撹拌用ブレードを有する回転ドラム型の焼き釜装置の釜内に油性ばらけ剤及び上記蒸し麺を入れて釜を回転させながら蒸し麺を炒め焼きした。この炒め焼きに用いる油性ばらけ剤としては、植物性油脂のみのもの(実施例1−1)と、植物性油脂に大豆レシチンを1重量%添加したもの(実施例1−2)と、植物性油脂に大豆レシチンを3重量%添加したもの(実施例1−3)と、植物性油脂に大豆レシチンを5重量%添加したもの(実施例1−4)と、植物性油脂に大豆レシチンを8重量%添加したもの(実施例1−5)と、植物性油脂に大豆レシチンを10重量%添加したもの(実施例1−6)とを用意した。炒め焼きは釜温度を170〜190℃に設定して行った。
【0039】
(3)工程3
工程2で炒め焼きをした麺を型に入れてブロック状に凍結させた。
【0040】
(4)工程4
工程3でブロック状に凍結させた麺の凍結体を型から取り出し、その上下両面に油性焼目付け剤を塗布した。この油性焼目付け剤としては、上記実施例1−1乃至上記実施例1−6に対し、それぞれ植物性油脂に大豆レシチンを5重量%添加したもの(実施例1−1−1、実施例1−2−1、実施例1−3−1、実施例1−4−1、実施例1−5−1、実施例1−6−1)、植物性油脂に大豆レシチンを10重量%添加したもの(実施例1−1−2、実施例1−2−2、実施例1−3−2、実施例1−4−2、実施例1−5−2、実施例1−6−2)、植物性油脂に大豆レシチンを20重量%添加したもの(実施例1−1−3、実施例1−2−3、実施例1−3−3、実施例1−4−3、実施例1−5−3、実施例1−6−3)、及び、植物性油脂に大豆レシチンを50重量%添加したもの(実施例1−1−4、実施例1−2−4、実施例1−3−4、実施例1−4−4、実施例1−5−4、実施例1−6−4)を用意した。また、比較例として、植物性油脂に大豆レシチンを1重量%添加したもの(比較例1−1−1、比較例1−2−1、比較例1−3−1)と、植物性油脂に大豆レシチンを60重量%添加したもの(比較例1−1−2、比較例1−2−2、比較例1−3−2)とを用意した。
【0041】
(5)工程5
工程4で上下両面に油性焼目付け剤が塗布された麺のブロック状凍結体を、凍結状態のまま所定数だけ包装袋に収容し、さらにダンボール箱に収容した。
【0042】
上記製法で製造された焼目付き調理用半調理済み冷凍焼きそばを、包装から取り出して解凍し、フライパン等の上で上下両面を焼いて、焼き上がり状態を確認した。また、フライパン等の上で上下両面を焼いた後、その上にあんをかけて仕上げ焼きをし、最終の焼き上がり状態を確認した。
【0043】
以上の結果、実施例1−1−1、実施例1−2−1、実施例1−3−1、実施例1−4−1、実施例1−5−1、実施例1−6−1、実施例1−1−2、実施例1−2−2、実施例1−3−2、実施例1−4−2、実施例1−5−2、実施例1−6−2、実施例1−1−3、実施例1−2−3、実施例1−3−3、実施例1−4−3、実施例1−5−3、実施例1−6−3、実施例1−1−4、実施例1−2−4、実施例1−3−4、実施例1−4−4、実施例1−5−4、実施例1−6−4においては、何れも内部は焼き麺のばらけ性が良好で且つ表面の焼き麺には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好なあんかけ焼きそばを容易に得ることができた。
【0044】
さらに、実施例1−1−1、実施例1−2−1、実施例1−3−1、実施例1−1−2、実施例1−2−2、実施例1−3−2、実施例1−1−3、実施例1−2−3、実施例1−3−3、実施例1−1−4、実施例1−2−4、実施例1−3−4においては、何れも内部の焼き麺のばらけ性が良好で且つ各麺線の表面には焼目が付いていないことを確認した。一方、実施例1−4−1、実施例1−5−1、実施例1−6−1、実施例1−4−2、実施例1−5−2、実施例1−6−2、実施例1−4−3、実施例1−5−3、実施例1−6−3、実施例1−4−4、実施例1−5−4、実施例1−6−4においては、何れも内部の焼き麺のばらけ性が良好で且つ内部の各麺線の表面にも焼目が付いていることを確認した。
【0045】
一方、比較例1−1−1、比較例1−2−1、比較例1−3−1においては、上下表面層の焼き麺にはパリッとした焼目が付きにくく、食感、風味に欠けることを確認した。
【0046】
また、比較例1−1−2、比較例1−2−2、比較例1−3−2においては、上下表面層の焼き麺に厚めの焼き焦げが生じ、食感、風味が低下することを確認した。
【実施例2】
【0047】
あんかけ焼きそば用調理済み冷凍麺を次の製法で製造した。
【0048】
(1)工程1
製麺装置で製造した焼きそば用生麺を蒸熱装置で蒸し上げ、蒸し麺とした。
【0049】
(2)工程2
釜の内面に撹拌用ブレードを有する回転ドラム型の焼き釜装置の釜内に油性ばらけ剤及び上記蒸し麺を入れて釜を回転させながら蒸し麺を炒め焼きした。この炒め焼きに用いる油性ばらけ剤としては、植物性油脂のみのもの(実施例2−1)と、植物性油脂に大豆レシチンを1重量%添加したもの(実施例2−2)と、植物性油脂に大豆レシチンを3重量%添加したもの(実施例2−3)と、植物性油脂に大豆レシチンを5重量%添加したもの(実施例2−4)と、植物性油脂に大豆レシチンを8重量%添加したもの(実施例2−5)と、植物性油脂に大豆レシチンを10重量%添加したもの(実施例2−6)とを用意した。炒め焼きは釜温度を170〜190℃に設定して行った。
【0050】
(3)工程3
工程2で炒め焼きをした麺を型に入れてブロック状に凍結させた。
【0051】
(4)工程4
工程3でブロック状に凍結させた麺の凍結体を型から取り出し、その上下両面に油性焼目付け剤を塗布した。この油性焼目付け剤としては、上記実施例2−1乃至上記実施例2−6に対し、それぞれ植物性油脂に大豆レシチンを5重量%添加したもの(実施例2−1−1、実施例2−2−1、実施例2−3−1、実施例2−4−1、実施例2−5−1、実施例2−6−1)、植物性油脂に大豆レシチンを10重量%添加したもの(実施例2−1−2、実施例2−2−2、実施例2−3−2、実施例2−4−2、実施例2−5−2、実施例2−6−2)、植物性油脂に大豆レシチンを20重量%添加したもの(実施例2−1−3、実施例2−2−3、実施例2−3−3、実施例2−4−3、実施例2−5−3、実施例2−6−3)、及び、植物性油脂に大豆レシチンを50重量%添加したもの(実施例2−1−4、実施例2−2−4、実施例2−3−4、実施例2−4−4、実施例2−5−4、実施例2−6−4)を用意した。また、比較例として、植物性油脂に大豆レシチンを1重量%添加したもの(比較例2−1−1、比較例2−2−1、比較例2−3−1)と、植物性油脂に大豆レシチンを60重量%添加したもの(比較例2−1−2、比較例2−2−2、比較例2−3−2)とを用意した。
【0052】
(5)工程5
工程4で上下両面に油性焼目付け剤を塗布したブロック状冷凍麺の該上下両面に熱輻射及び高速熱風によって焼目入れ用の焼き処理を施した。
【0053】
(6)工程6
工程5で焼目入れ用の焼き処理を施した焼き麺を再び型に入れて再凍結させ、凍結状態のまま所定数だけ包装袋に収容し、さらにダンボール箱に収容した。
【0054】
上記製法で製造された調理済み冷凍焼きそばを、包装から取り出して電子レンジで解凍し、その上に暖めたあんをかけて仕上がり状態を確認した。
【0055】
以上の結果、実施例2−1−1、実施例2−2−1、実施例2−3−1、実施例2−4−1、実施例2−5−1、実施例2−6−1、実施例2−1−2、実施例2−2−2、実施例2−3−2、実施例2−4−2、実施例2−5−2、実施例2−6−2、実施例2−1−3、実施例2−2−3、実施例2−3−3、実施例2−4−3、実施例2−5−3、実施例2−6−3、実施例2−1−4、実施例2−2−4、実施例2−3−4、実施例2−4−4、実施例2−5−4、実施例2−6−4においては、何れも内部は焼き麺のばらけ性が良好で且つ表面の焼き麺には香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好なあんかけ焼きそばを容易に得ることができた。
【0056】
さらに、実施例2−1−1、実施例2−2−1、実施例2−3−1、実施例2−1−2、実施例2−2−2、実施例2−3−2、実施例2−1−3、実施例2−2−3、実施例2−3−3、実施例2−1−4、実施例2−2−4、実施例2−3−4においては、何れも内部の焼き麺のばらけ性が良好で且つ各麺線の表面には焼目が付いていないことを確認した。一方、実施例2−4−1、実施例2−5−1、実施例2−6−1、実施例2−4−2、実施例2−5−2、実施例2−6−2、実施例2−4−3、実施例2−5−3、実施例2−6−3、実施例2−4−4、実施例2−5−4、実施例2−6−4においては、何れも内部の焼き麺のばらけ性が良好で且つ内部の各麺線の表面にも焼目が付いていることを確認した。
【0057】
一方、比較例2−1−1、比較例2−2−1、比較例2−3−1においては、上下表面層の焼き麺にはパリッとした焼目が付きにくく、食感、風味に欠けることを確認した。
【0058】
また、比較例2−1−2、比較例2−2−2、比較例2−3−2においては、上下表面層の焼き麺に厚めの焼き焦げが生じ、食感、風味が低下することを確認した。
【実施例3】
【0059】
あんかけ焼きそば用調理済み冷凍麺を次の製法で製造した。
【0060】
(1)工程1
製麺装置で製造した焼きそば用生麺を蒸熱装置で蒸し上げ、蒸し麺とした。
【0061】
(2)工程2
釜の内面に撹拌用ブレードを有する回転ドラム型の焼き釜装置の釜内に油性焼目付け剤及び上記蒸し麺を入れて釜を回転させながら蒸し麺を炒め焼きした。この炒め焼きに用いる油性焼目付け剤としては、植物性油脂に大豆レシチンを5重量%添加したもの(実施例3−1)と、植物性油脂に大豆レシチンを10重量%添加したもの(実施例3−2)と、植物性油脂に大豆レシチンを10重量%添加したもの(実施例3−3)と、植物性油脂に大豆レシチンを50重量%添加したもの(実施例3−4)とを用意した。また、比較例として、植物性油脂のみのもの(比較例3−1)と、植物性油脂に大豆レシチンを3重量%添加したもの(比較例3−2)と、植物性油脂に大豆レシチンを60重量%添加したもの(比較例3−3)とを用意した。炒め焼きは釜温度を170〜190℃に設定して行った。
【0062】
(3)工程3
工程2で炒め焼きをした麺を型に入れてブロック状に凍結させた。
【0063】
(4)工程4
工程3でブロック状に凍結させた麺の凍結体を型から取り出し、凍結状態のまま所定数だけ包装袋に収容し、さらにダンボール箱に収容した。
【0064】
上記製法で製造された調理済み冷凍焼きそばを、包装から取り出して電子レンジで解凍し、その上に暖めたあんをかけて仕上がり状態を確認した。
【0065】
以上の結果、実施例3−1、実施例3−2、実施例3−3、実施例3−4においては、何れも全体に焼き麺のばらけ性が良好で且つ各麺線の表面に香ばしいパリッとした食感の焼目が付いた、食感、艶、風味の良好なあんかけ焼きそばを容易に得ることができた。
【0066】
一方、比較例3−1及び比較例3−2においては、全体的に焼き麺の表面に十分な焼目が付いておらず、焼目特有のパリッとした食感及び香ばしさが得られないことを確認した。
【0067】
また、比較例3−3においては、全体的に焼き麺の表面に強い焼き焦げが生じ、食感、風味が低下することを確認した。
【0068】
以上、各実施例につき説明したが、本発明が焼目を付けた焼きうどん、焼目を付けたスパゲッティ、焼目を付けた炒飯等にも同様に適用できることは明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明による焼目付き調理用半調理済み冷凍加工穀類は、解凍した後、僅かな最終の焼き調理を施すだけで、手作り料理品として卓上に出すことができるほどの、食感、艶、風味に優れた焼目付き調理品を得ることができるので、一般家庭のみならず専門料理店においても有効に利用することができる。
【0070】
また、本発明による焼目付き調理済み冷凍加工穀類は、電子レンジ等で解凍し暖めるだけで、即座に食感、艶、風味に優れた焼目付き調理品を得ることができるので、特に一般家庭において有効に利用することができる。
【出願人】 【識別番号】599105458
【氏名又は名称】株式会社富士食品
【住所又は居所】東京都足立区保木間五丁目27番6号
【出願日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【代理人】 【識別番号】100087516
【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 邦昭

【公開番号】 特開2005−27600(P2005−27600A)
【公開日】 平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願番号】 特願2003−272628(P2003−272628)