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【発明の名称】 魚の塩釜焼きの製造方法
【発明者】 【氏名】織田 直
【住所又は居所】愛媛県南宇和郡内海村家串1121 宝水産有限会社内

【要約】 【課題】熟練を要することなく、能率よく魚の塩釜焼きを製造する。

【解決手段】塩と卵白とを混練して調製した練り塩を、ほぼ魚の形に形成した合成樹脂製で空気孔26を有する型容器24内に敷きつめた後、鱗取り、内蔵除去、鰓除去等の前処理を施した魚を塩の上に載せ、ついで、この魚を前記練り塩で完全に被覆した後、トレイの上で型容器を逆さにして型容器から魚の練り塩被覆体をトレイ内に型抜きし、ついで、魚の練り塩被覆体の入ったトレイをオーブンにセットして焼く。対象魚種は鯛(タイ)、鱸(スズキ)、縞鰺(シマアジ)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩と卵白とを混練して調製した練り塩を、ほぼ魚の形に形成した型容器内に敷きつめた後、鱗取り、内蔵除去、鰓除去等の前処理を施した魚を塩の上に載せ、ついで、この魚を前記練り塩で完全に被覆した後、トレイの上で型容器を逆さにして型容器から魚の練り塩被覆体をトレイ内に型抜きし、ついで、魚の練り塩被覆体の入ったトレイをオーブンにセットして焼くことを特徴とする魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項2】
魚が鯛である請求項1記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項3】
塩の粒径が500〜700ミクロンである請求項1又は2記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項4】
鯛1尾に対して塩の量は2.5kg〜4.0kgである請求項2又は3記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項5】
卵白の量は鯛1尾に対して卵3〜4個である請求項2、3又は4記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項6】
塩と卵白との手による混練時間を15〜20分とする請求項1〜5のいずれかに記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項7】
型容器が合成樹脂製である請求項1〜6のいずれかに記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項8】
型容器に型抜けを容易にするための空気孔が設けられている請求項1〜7のいずれかに記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項9】
オーブンは予め200℃前後に設定しておき、トレイを入れたオーブン温度を200〜220℃に保ち、この状態で35〜45分間焼く請求項1〜8のいずれかに記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【請求項10】
魚が鱸又は縞鰺である請求項1記載の魚の塩釜焼きの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鯛(タイ)、鱸(スズキ)、縞鰺(シマアジ)等の魚を塩で一定厚さに被覆してオーブン(天火)で蒸焼きにする、いわゆる魚の塩釜焼きの製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鯛の塩釜焼きの製造方法として、粗塩1.5kgにつなぎの卵白を加え、2〜3分間手でこね、これを1cm前後の厚さで真鯛に塗り付けて、魚の形に整え、目玉とうろこの絵を描き、これをガスオーブンに入れて焼く方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
平成15年6月24日検索、インターネット<URL:http://island3.matsuronet.ne.jp/oomasa/sinbunkiji.html>
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に記載された塩釜焼きの製造方法では、台の上で、手作業で鯛に練り塩を塗り付けて一定厚さに被覆するので、この被覆作業に熟練を要し、作業能率が悪く、また、塩の量が多くなるという問題点がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、魚の形に形成された型容器を用いることにより、熟練を要することなく、かつ、能率よく少ない塩の量で魚の塩釜焼きを製造することができる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の魚の塩釜焼きの製造方法は、塩と卵白とを混練して調製した練り塩を、ほぼ魚の形に形成した型容器内に敷きつめた後、鱗取り、内蔵除去、鰓除去等の前処理を施した魚を塩の上に載せ、ついで、この魚を前記練り塩で完全に被覆した後、トレイの上で型容器を逆さにして型容器から魚の練り塩被覆体をトレイ内に型抜きし、ついで、魚の練り塩被覆体の入ったトレイをオーブンにセットして焼くことを特徴としている。
【0007】
この方法において、魚が鯛であることが一般的である。この場合、塩の粒径が500〜700ミクロンであることが好ましい。
塩の粒径が500ミクロン未満の場合は、焼いた後に、塩を魚からはがし難いので、好ましくなく、一方、700ミクロンを越える場合は、練り塩を魚に被覆し難く、型割れを起こし、好ましくない。
【0008】
また、鯛1尾に対して塩の量は2.5kg〜4.0kgである。また、卵白の量は鯛1尾に対して卵3〜4個である。また、塩と卵白との手による混練時間を15〜20分とすることが好ましい。
【0009】
型容器は、合成樹脂製とすることが好ましい。また、型容器に型抜けを容易にするための空気孔を設けることが好ましい。
オーブンは予め200℃前後に設定しておき、トレイを入れたオーブン温度を200〜220℃に保ち、この状態で35〜45分間焼く。
対象魚として、鯛以外に鱸又は縞鰺とする場合もある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
図1は、本発明の実施の第1形態による魚の塩釜焼きの製造方法を示す工程説明図である。本実施形態では、魚の一例として鯛(タイ)を用いる場合を示している。
【0011】
以下、本実施形態の方法を図1に基づいて説明する。まず、規定の粒子(粒度500〜700ミクロン)の塩(食塩)を検量する(工程10)。塩の量は、タイ1尾に対して2.5kg〜4.0kgである。検量した塩は、大きめのポリ容器に入れる。塩のつなぎとして、卵白のみを使用する。蛋白質であれば、つなぎになるが、卵は安価であるので、卵が使用される。つなぎの量は3〜4個卵/タイ1尾の塩の割合である。
【0012】
塩と卵白とを混合し、練り(混練)工程を開始する(工程12)。初めは塩に粘り気がないが、徐々に粘りが出てくる。練り始めて約10分後に粘り気が出てくる(手に付着するようになる)。約15分後には、適度な硬さになり、練り工程が終了する。練り時間は15〜20分間である。つなぎ塩である練り塩は、その都度、製造しないと粘り気がなくなるので注意を要する(保存不可)。
【0013】
図2に示すような塩釜の型をした型容器24を用意する。型容器24の材質は金属よりも合成樹脂の方が型抜けが良い点で好ましい。型容器24の底面には空気孔26を開け、型抜けが容易にできるようにしている。型容器24の底部に塩が付着しないように(型をうまく抜くため)、図3に示すように、キッチンペーパー28を敷く。なお、空気孔の径は3〜5mmとするのが適当である。
【0014】
つぎに、型容器24内一面に練り塩を敷きつける(工程14)。ついで、前処理した鯛(ウロコ取り 内蔵除去 エラ除去)を、塩の上に乗せる(工程16)。そして、鯛の上に練り塩をさらに載せ全体を覆う(工程18)。その時、練り塩の覆い方は、表面が均一になるようにする(中央が盛り上がったり凹凸があると型が抜け難い)。練り塩は鯛の全体を1.0〜2.5cm、好ましくは1.5〜2.0cm覆うようにする。
【0015】
ついで、図4に示すように、オーブンのトレイ30の上で、型容器をひっくり返して型(練り塩被覆体)32を抜く(工程20)。そして、型32をトレイ30に載せたままオーブン(ガスオーブン又は電気オーブン)で焼く(工程22)。オーブンは予め約200℃に設定しておく。トレイ32を入れたオーブン温度は200℃〜220℃に保ち、この状態で35〜45分間焼く。キツネ色になり始める時間は約20分後である。35〜45分後にオーブンから取り出し、空温でさまし、鯛の塩釜焼きを得る。
上記の実施形態では、対象魚種の一例として鯛(真鯛)を用いる場合について説明したが、鱸(スズキ)、縞鰺(シマアジ)等を用いることもできる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。平均粒径600ミクロンの食塩3.2kgを検量し、ポリ容器にて、1個の鶏卵の卵白と17分間、手で練って練り塩を調製した。この練り塩をほぼ魚の形に形成したプラスチック製で、4mmの空気抜き孔を7個有する型容器内に約1.8cmの厚さに敷きつめた後、鱗取り、内蔵除去、鰓除去の前処理を施したマダイを塩の上に載せ、ついで、このマダイを練り塩で約1.8cmの厚さに完全に被覆した。
【0017】
しかる後、オーブンの付属品であるトレイの上で型容器を逆さにして型容器からマダイの練り塩被覆体をトレイ内に型抜きし、ついで、マダイの練り塩被覆体の入ったトレイを、予め200℃に予熱しておいたガスオーブンにセットして、200℃に保ち、この状態で40分間焼いた。キツネ色になった型(練り塩被覆体)を取り出し、空気中に放置して冷却した。木槌で塩を割り食味したところ、タイ本来のうまみを味わうことができた。
【0018】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 型容器を用いて魚の練り塩被覆体を迅速に、かつ一定形状につくることができるので、熟練を要することなく、能率よく魚の塩釜焼きを製造することができる。
(2) 型容器を用いて塩の被覆作業を行うと、塩の量が少なくて済むという利点がある。
(3) 型容器に空気孔を設けることにより、型抜きを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による魚の塩釜焼きの製造方法を示す工程説明図である。
【図2】本発明の方法を実施するための型容器の平面図である。
【図3】図2に示す型容器にキッチンペーパーを敷いた状態を示す平面図である。
【図4】型容器からオーブンのトレイ上に魚の練り塩被覆体である型を抜いた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、12、14、16、18、20、22 工程
24 型容器
26 空気孔
28 キッチンペーパー
30 トレイ
32 型(練り塩被覆体)
【出願人】 【識別番号】503250850
【氏名又は名称】宝水産有限会社
【住所又は居所】愛媛県南宇和郡内海村家串1121
【出願日】 平成15年7月11日(2003.7.11)
【代理人】 【識別番号】100076705
【弁理士】
【氏名又は名称】塩出 真一

【識別番号】100107283
【弁理士】
【氏名又は名称】塩出 洋三

【公開番号】 特開2005−27550(P2005−27550A)
【公開日】 平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願番号】 特願2003−195504(P2003−195504)