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【発明の名称】 そぼろ様卵の製造方法、そぼろ様卵の製造装置及びそぼろ様卵の加工品
【発明者】 【氏名】安部 徳次
【住所又は居所】兵庫県神戸市灘区都通3丁目3番16号 ケンコーマヨネーズ株式会社内

【氏名】謳田 能孝
【住所又は居所】兵庫県神戸市灘区都通3丁目3番16号 ケンコーマヨネーズ株式会社内

【氏名】山口 一郎
【住所又は居所】兵庫県神戸市灘区都通3丁目3番16号 ケンコーマヨネーズ株式会社内

【要約】 【課題】粒度が均一で、かつ自然な粒状で、適切なかさ比重を有し、同じ品質のそぼろ様卵を安定して製造する。

【解決手段】裏ごし機60は、そぼろ様卵投入部61と回転羽根駆動部62を含んで構成される。そぼろ様卵投入部61は円形の枠63にメッシュ64を取り付けたものである。回転羽根駆動部62は、内部にモータを有する駆動部本体65と、シャフト66と、プロペラ状の回転羽根67とを含んで構成されている。ぼろ様卵製造方法では、駆動部本体65のモータによりシャフト66とともに回転羽根67を回転させ、これにより、回転羽根67は、蒸煮され不均一な形状のそぼろ様卵17をメッシュ64に押しつけて、このそぼろ様卵17をメッシュ64で裏ごしする。すると、メッシュ64の下方から均一な形状のそぼろ様卵18が生成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液卵を撹拌してスラリーを生成する第1の工程と、
この第1の工程で生成したスラリーを加温して滴下する第2の工程と、
この第2の工程により滴下する加温スラリーに高温蒸気を吹き付けて加熱することで、該加温スラリーを蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵を生成する第3の工程と、
この第3の工程により生成した不均一な形状のそぼろ様卵をメッシュで裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵を生成する第4の工程と、
この第4の工程により生成した均一な形状のそぼろ様卵を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる第5の工程と、
を具備したことを特徴とするそぼろ様卵の製造方法。
【請求項2】
前記第5の工程は、そぼろ様卵のかさ比重及びみかけ比重が0.5から0.7になるように余剰な水分を蒸発させることを特徴とする請求項1に記載のそぼろ様卵の製造方法。
【請求項3】
液卵に添加物を混合して生成したスラリーを加温する加温する加温器と、
この加温器により加温したスラリーを滴下するスラリー滴下器と、
このスラリー滴下器から滴下するスラリーに高温蒸気を吹き付けることで付けることで、該加温スラリーを蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵を生成する高温蒸気吹き付け器と、
この高温蒸気吹き付け器により生成した不均一な形状のそぼろ様卵をメッシュで裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵を生成する裏ごし器と、
この裏ごし器で生成した均一な形状のそぼろ様卵を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる真空冷却器と、
を具備したことを特徴とするそぼろ様卵の製造装置。
【請求項4】
液卵を撹拌してスラリーを生成する第1の工程と、
この第1の工程で生成したスラリーを加温して滴下する第2の工程と、
この第2の工程により滴下する加温スラリーに高温蒸気を吹き付けて加熱することで、該加温スラリーを蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵を生成する第3の工程と、
この第3の工程により生成した不均一な形状のそぼろ様卵をメッシュで裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵を生成する第4の工程と、
この第4の工程により生成した均一な形状のそぼろ様卵を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる第5の工程と、
を経て得ることを特徴とするそぼろ様卵の加工品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液卵からそぼろ様卵を製造するそぼろ様卵の製造方法及びそぼろ様卵の製造装置と液卵から製造されたそぼろ様卵の加工品とに係り、特に形状及び食感の均一性を高めることができるそぼろ様卵の製造方法、そぼろ様卵の製造装置及びそぼろ様卵の加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的なそぼろ様卵の製造方法では、まず、液卵に食用油脂、砂糖、精製塩、和風だし等を均一に混合して調味液卵のスラリーを生成し、次に、フライパン或いは二重釜などの調理加工器具を使用し、前記調味液卵のスラリーを焦げが生じないように、少量ずつ時間をかけて人力あるいは機械力で撹拌しつつ加熱して凝固させていた。
【0003】
しかしながら、このような従来のそぼろ様卵を製造方法では、卵が凝固しはじめると、撹拌に要する力が大きく、その処理量が多くなると負荷が過大になり撹拌が不十分になりやすくなるとともに、調理加工器具に凝固した卵が煮え付いたり焦げ付いたりして、調理加工器具の洗浄に時間を要し、しかも同じ品質のそぼろそぼろ様卵を安定して製造するのが困難であり、大量生産に適した方法といえなかった。
【0004】
このことに対応して、調味液卵のスラリーを加温して滴下し、高温蒸気を吹き付けて蒸煮しすることでそぼろ様卵を製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、殻剥き後のカットされた茹で卵に糖類やアルコールを添加し、加熱、真空冷却後、凍結した冷凍カット茹で卵を得る方法もある(例えば、特許文献2参照)。この応用例として卵焼きをカットすることでそぼろ様卵を製造する方法もある。
【0006】
【特許文献1】
特公昭55−48784号公報(第2頁、第1図−第4図)
【0007】
【特許文献2】
特開平9−154539号公報(第2−5頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のスラリーを加温し滴下し高温蒸気を吹き付けて加熱することで蒸煮しするそぼろ様卵の製造方法では、粒度が不均一になっていた。
【0009】
卵焼きをカットすることでそぼろ様卵を製造する方法では、卵焼きの中央と周囲で硬軟の差を生じ、角張った人工的な粒状、もしくは潰れ、練れが生じて消費者にあまり好ましい印象を与えることができなかった。
【0010】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、粒度が均一で、かつ自然な粒状で、適切なかさ比重を有し、同じ品質のそぼろ様卵を安定して製造することができるそぼろ様卵の製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
また、本発明は、粒度が均一で、かつ自然な粒状で、品質が安定したそぼろ様卵の加工品を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載のそぼろ様卵の製造方法は、液卵を撹拌してスラリーを生成する第1の工程と、この第1の工程で生成したスラリーを加温して滴下する第2の工程と、この第2の工程により滴下する加温スラリーに高温蒸気を吹き付けて加熱することで、該加温スラリーを蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵を生成する第3の工程と、この第3の工程により生成した不均一な形状のそぼろ様卵をメッシュで裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵を生成する第4の工程と、この第4の工程により生成した均一な形状のそぼろ様卵を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる第5の工程と、を具備したことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載のそぼろ様卵の製造方法は、請求項1に記載のそぼろ様卵の製造方法であって、前記第5の工程は、そぼろ様卵のかさ比重及びみかけ比重が0.5から0.7になるように余剰な水分を蒸発させることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載のそぼろ様卵の製造装置は、液卵を撹拌して生成したスラリーを加温する加温する加温器と、この加温器により加温したスラリーを滴下するスラリー滴下器と、このスラリー滴下器から滴下するスラリーに高温蒸気を吹き付けることで付けることで、該加温スラリーを蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵を生成する高温蒸気吹き付け器と、この高温蒸気吹き付け器により生成した不均一な形状のそぼろ様卵をメッシュで裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵を生成する裏ごし器と、この裏ごし器で生成した均一な形状のそぼろ様卵を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる真空冷却器と、を具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載のそぼろ様卵の加工品は、液卵を撹拌してスラリーを生成する第1の工程と、この第1の工程で生成したスラリーを加温して滴下する第2の工程と、この第2の工程により滴下する加温スラリーに高温蒸気を吹き付けて加熱することで、該加温スラリーを蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵を生成する第3の工程と、この第3の工程により生成した不均一な形状のそぼろ様卵をメッシュで裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵を生成する第4の工程と、この第4の工程により生成した均一な形状のそぼろ様卵を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる第5の工程と、を経て得ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。
図1ないし図7は本発明に係るそぼろ様卵の製造方法の実施の形態を示し、図1はスラリーを生成する工程を示す説明図、図2はスラリーを加温し蒸煮する工程を示す説明図、図3は図2の蒸煮の工程をさらに詳細に説明する説明図、図4は蒸煮されたそぼろ様卵をメッシュで裏ごしする工程を示す説明図、図5はメッシュで裏ごしされたそぼろ様卵を真空冷却する工程を示す説明図、図6は真空冷却されたそぼろ様卵を袋詰めした状態を示す説明図、図7はそぼろ様卵の製造方法の具体的な作業要領を示す説明図である。
【0017】
図1において、符号11は液卵と添加物が注入される調合タンクである。符号12は電動ミキサである。電動ミキサ12はモータによりシャフト13を回転させる。このシャフト13の先端には回転羽根14が取り付けられている。
【0018】
本実施の形態のそぼろ様卵の製造方法の第1の工程では、調合タンク11に液卵、添加物としての砂糖、塩等の原料を注入し、この原料の中にシャフト13の先端を沈めて、電動ミキサ12をオンして回転羽根14を回転させる。これにより、調合タンク11内では、液卵、澱粉及び調味料が混合されスラリー15が生成される。
【0019】
図2及び図3に示すように、そぼろ様卵の蒸煮装置20は、スラリータンク21と、加温器22と、スラリー滴下器31と、高温蒸気吹き付け器41とを含んで構成されている。
【0020】
スラリータンク21には、図1の第1の工程で生成されたスラリー15が注入されている。
【0021】
スラリータンク21の下面には、加温器22の入口側の配管23が取り付けられている。
【0022】
加温器22は、筐体24の内部に、図示しない送りポンプと、湾曲パイプ25と、図示しない電熱器用抵抗線とを設けたものである。
【0023】
加温器22の送りポンプは、入口側の配管23と湾曲加温パイプ25の管路の間に介挿され、スラリータンク21からのスラリー15を湾曲加温パイプ25に送り出す。
【0024】
湾曲加温パイプ25は、入れ口側が筐体24の左下側に配置し、出口側が筐体24の右側面上側に配置している。また、湾曲加温パイプ25は、筐体24の内部で蛇行して配置されている。
【0025】
湾曲加温パイプ25には電熱器用抵抗線が巻き付けられている。
【0026】
加温器22の電熱器用抵抗線は、電流が流れることで発熱し、湾曲加温パイプ25を加熱して、湾曲加温パイプ25を通過するスラリー15を加温する。
【0027】
湾曲加温パイプ25の出口側にはスラリー滴下器31が取り付けられている。
【0028】
スラリー滴下器31は入り口側のから順に水平配管部32、垂直配管部33、水平配管部34、傾斜配管部35を連接したものである。
【0029】
水平配管部32の出口側は、上側に折り曲げられ垂直配管部33と連通し、垂直配管部33の出口側は、右後側に折り曲げられ水平配管部34と連通し、水平配管部34の出口側は、右斜め下側に折り曲げられ傾斜配管部35が設けられている。
【0030】
傾斜配管部35の出口36は、高温蒸気吹き付け器41の大径水平配管部43の管路と連通している。
【0031】
本実施の形態のそぼろ様卵の製造方法の第2の工程では、加温器22の送りポンプにより、スラリータンク21からのスラリー15を湾曲加温パイプ25に送り出して加温し、この加温による加温スラリー16をスラリー滴下器31の管路に送り出し、スラリー滴下器31の出口36から加温スラリー16を滴下させる。
【0032】
高温蒸気吹き付け器41は、細径水平配管部42、拡開形状部43、大径水平配管部44及び大径垂直配管部45により形成されている。
【0033】
細径水平配管部42、拡開形状部43及び大径水平配管部44は、蒸気入り口46側から水平右方向に連結して設けられている。
【0034】
大径水平配管部44の出口側は、下側に折り曲げられ大径垂直部45が設けられている。
【0035】
細径水平配管部42の蒸気入り口46側には、高温高圧の蒸気が充填された蒸気タンクが取り付けられており、蒸気タンクからの蒸気50が注入される。
【0036】
本実施の形態のそぼろ様卵の製造方法の第3の工程では、蒸気入り口46から注入された蒸気50は、細径水平配管部42、拡開形状部43により適切な風圧及び温度でスラリー滴下器31の出口36からの加温スラリー16に吹き付けられる。これにより、加温スラリー16を蒸煮して不均一な形状で多孔質なそぼろ様卵17を生成する。蒸煮された不均一な形状のそぼろ様卵17は、蒸気50の風圧により、大径垂直配管部45に送り出され、高温蒸気吹き付け器41の出口47から排出される。
【0037】
高温蒸気吹き付け器41の出口47の下には、ボウル51が配置されている。ボウル51は、高温蒸気吹き付け器41の出口47からのそぼろ様卵17を受け止めるようになっている。
【0038】
図4に示すように、裏ごし機60は、そぼろ様卵投入部61と回転羽根駆動部62を含んで構成される。
【0039】
そぼろ様卵投入部61は円形の枠63にメッシュ64を取り付けたものである。
【0040】
回転羽根駆動部62は、内部にモータを有する駆動部本体65と、シャフト66と、プロペラ状の回転羽根67とを含んで構成されている。
【0041】
回転羽根67は、シャフト66の先端に取り付け固定された状態で、メッシュ64の上面に近接して設けられる。シャフト66には、駆動部本体65のモータの回転力が直接あるいは減速ギアを介して加えられるようになっており、該モータにより回転するようになっている。
【0042】
本実施の形態のそぼろ様卵の製造方法の第4の工程では、駆動部本体65のモータによりシャフト66とともに回転羽根67を回転させる。これにより、回転羽根67は、回転により不均一な形状のそぼろ様卵17をメッシュ64に押しつけて、このそぼろ様卵17をメッシュ64で裏ごしすする。すると、メッシュ64の下方から均一な形状で多孔質なそぼろ様卵18が生成されて落下する。
【0043】
メッシュ64の下には、ボウル52が配置されている。ボウル52は、メッシュ64からのそぼろ様卵18を受け止める。
【0044】
図5において、そぼろ様卵18を入れたボウル52は真空冷却器71に収納される。
【0045】
本実施の形態のそぼろ様卵の製造方法の第5の工程では、真空冷却器71は、裏ごし器60で生成した均一な形状のそぼろ様卵18を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる。
【0046】
真空冷却器71は、好ましくは、そぼろ様卵18のかさ比重及びみかけ比重が0.5から0.7になるように余剰な水分を蒸発させる。
【0047】
真空冷却器71により余剰な水分を蒸発させたそぼろ様卵19は、図6において、そぼろ様卵の加工品として、合成樹脂製の袋81に袋詰めされ、袋詰めそぼろ様卵80となる。袋詰めそぼろ様卵80は、殺菌、冷却、検品され、箱詰めされて出荷される。
【0048】
このような構成により、本実施の形態のそぼろ様卵の製造方法は、第1乃至第5の工程より成る。
【0049】
前記第1の工程では、液卵を撹拌してスラリー15を生成する。
【0050】
前記第2の工程では、前記第1の工程で生成したスラリー15を加温して滴下する。
【0051】
前記第3の工程では、前記第2の工程により滴下する加温スラリー16に高温蒸気50を吹き付けて加熱することで、該加温スラリー16を蒸煮して不均一な形状のそぼろ様卵17を生成する。
【0052】
前記第4の工程では、前記第3の工程により生成した不均一な形状のそぼろ様卵17をメッシュ64で裏ごしすることで均一な形状のそぼろ様卵18を生成する。
【0053】
前記第5の工程では、前記第4の工程により生成した均一な形状のそぼろ様卵18を真空冷却して余剰な水分を蒸発させる。
【0054】
また、図2乃至図5に示した加温器22とスラリー滴下器31と高温蒸気吹き付け器41と裏ごし器60と真空冷却器71は、液卵を撹拌して生成したスラリー15から均一な形状で適切な割合の水分を有するそぼろ様卵19を生成するそぼろ様卵の製造装置となっている。
【0055】
次に、図7を用いて図1乃至図6で示したそぼろ様卵の製造方法を実際の生産現場に適用した場合における具体的な作業要領を説明する。
【0056】
製造工程P1a,P1b,P1c,P1dは図1に示した第1の製造工程に対応している。
【0057】
製造工程P1aでは、図1に示した調合タンク11に原料全体の70%となる殺菌液全卵を注入し、だしタンクに清水と原料全体の10%となる殺菌液全卵を用意する。
【0058】
この場合の製造条件は、調合タンク11及びだしタンクに投入する前の原料卵を冷蔵庫で8℃以下で保管することである。
【0059】
この工程における管理事項は原料卵検査である。原料卵検査では、測定方法として原料卵を温度計で温度検査している。この原料卵検査は午前一回と午後一回に行う。この原料卵検査の不合格品は破棄する。
【0060】
製造工程P1bでは、だしタンクに調味液Aを加え撹拌する。この工程における管理事項は撹拌時間である。この撹拌時間の測定方法としては時計による計測を用いている。この測定はロット毎に行う。
【0061】
製造工程P1cでは、だしタンクに砂糖、食塩、調味液B、グリシン、調味液C、調味液Dを加え撹拌して粉体を液化し、この後、だしタンクの混合物を調合タンク11に投入して殺菌液全卵とともに撹拌する。
【0062】
この場合の製造条件は、だしタンクに投入する前の砂糖、食塩、グリシン等の粉体が袋内で均一に分散し、だまが出来ないように注意することである。
【0063】
この場合の測定方法としては、目視によりだまを注意している。この注意測定はロット毎に行う。この注意測定の不合格品は返品または破棄する。
【0064】
だしタンクに砂糖、食塩、調味液B、グリシン、調味液C、調味液Dを投入する際の管理事項は、これらの投入量及び品種確認である。
【0065】
この管理事項における投入量の測定方法は秤量である。この秤量測定はロット毎に行う。
【0066】
だしタンクの混合物を調合タンク11に投入して殺菌液全卵とともに撹拌する場合の管理事項は、スラリーのpHを6.5±0.2の範囲に保つことである。
【0067】
この場合の測定方法としは、pHメーターを目視する方法を用いている。このpH測定はロット毎に行う。この測定の不合格品は再撹拌でpH調整を行う。
【0068】
製造工程P1dでは、調合タンク11のスラリー15をストレーナーにより濾過する。この場合のストレーナーのパンチングを5mmとし、このストレーナに濾過されず残った異物の確認することで、砂糖、食塩、グリシン等の原料の粉体を収納していた袋による袋破片等の異物を注意している。
【0069】
この注意測定は午前一回と午後一回に行う。この測定の不合格品は破棄する。
【0070】
製造工程P2は図2で示した第2の製造工程を示している。
【0071】
製造工程P2では、加温器22により製造工程P1dで濾過されたスラリー15の加温を行う。製造条件としては、加温器22の温度設定を60±2℃とし、管理事項として加温スラリー16の品温を温度計で測定する。この温度測定はロット毎に行う。この測定結果が不合格の場合には加温器22の温度調整を行う。
【0072】
製造工程P3は図2で示した第3の製造工程を示している。
【0073】
製造工程P3では、図2で示した加温器22の送りポンプのポンプスピードを13Hz±3に設定し、蒸気タンクの圧力を1.5Kgf以上にし、そぼろ様卵17を撓成し、高温蒸気吹き付け器41の出口47から排出する。
【0074】
この出口47から排出されボウル51に溜まるそぼろ様卵17の中心温度は、85℃以上、90℃を目標にしている。この場合の管理項目の温度は、温度計により計測する。この測定は、ボウル51に溜まるそぼろ様卵17の全数について行う。この測定結果が不合格の場合には送りポンプのポンプスピードを調整する。
【0075】
製造工程P4は図4で示した第4の製造工程を示している。
【0076】
製造工程P4では、図4に示す駆動部本体65により回転羽根67を回転させて、このそぼろ様卵17をメッシュ64で裏ごし、均一な形状のそぼろ様卵18を生成する。この場合の製造条件は、目視によりそぼろ様卵18を検品し検品表に記載する。メッシュ64としては、7メッシュ目皿を用い、高速裏ごしを行う。そして、メッシュ64よるそぼろ様卵18のカットサイズを確認する。このカットサイズの測定はボウル52に溜まるそぼろ様卵18の全数について行う。
【0077】
製造工程P5は図5で示した第5の製造工程及び図6で示した袋詰めの工程を示している。
【0078】
製造工程P5では、図5において、そぼろ様卵18を入れたボウル52を真空冷却器71に収納してそぼろ様卵18を真空冷却する。この場合の製造条件としては、真空冷却器71に入れる前のボウル52に溜まったそぼろ様卵18の中心温度を20℃以下にしている。この場合の管理項目のそぼろ様卵18の中心温度は、温度計により計測する。この測定はそぼろ様卵18を入れたボウル52の全数について行う。この測定結果が不合格の場合には再冷却を行う。
【0079】
この後、そぼろ様卵18を計量し1kgずつ合成樹脂製の袋81に袋詰めし、袋詰めそぼろ様卵80とする。
【0080】
製造工程P6では、図5に示した袋詰めそぼろ様卵80をレトルト殺菌釜と呼ばれる殺菌機の中に入れ、袋81内のそぼろ様卵19の熱殺菌を行う。この場合、レトルト殺菌釜の殺菌温度は88℃、殺菌時間40分とする。包装後から殺菌までは2時間を目安にする。
【0081】
製造工程P6の第1の管理項目の殺菌温度は、温度計により袋81の温度を測定することで特定している。製造工程P6の第2の管理項目の殺菌時間は、タイマーにより測定する。これら第1及び第2の管理項目の測定はロット毎に行う。この測定結果が不合格の場合には再殺菌または破棄を行う。
【0082】
製造工程P7では、製造工程P6で殺菌した袋詰めそぼろ様卵80にチラー水冷を行うことで、袋81内のそぼろ様卵19の冷却を行う。この場合、冷却時間を40分とし、冷却後の中心温度の目標を10℃以下とする。
【0083】
この場合の第1の管理項目の冷却後の中心温度は、温度計により袋81の温度を測定する。この場合の第2の管理項目の冷却時間は、タイマーにより測定する。これら第1及び第2の管理項目の測定はロット毎に行う。この測定結果が不合格の場合には再冷却を行う。
【0084】
製造工程P8では、製造工程P7で冷却した袋詰めそぼろ様卵80に対して金属探知器により鉄(Fe)とステンレス鋼(SUS)の探知を行う。この場合、金属探知器には精皮確認テストピースを用いる。この金属探知は袋詰めそぼろ様卵80の全数に行う。この測定結果が不合格の場合には破棄する。
【0085】
製造工程P9では、製造工程P8で合格した1kgの袋詰めそぼろ様卵80を12個毎に箱詰して出荷する。ここで、箱詰めまでは、袋詰めそぼろ様卵80を冷蔵庫に保管する。冷蔵庫の温度は、午前一回確認する。冷蔵庫の温度が不合格の場合には冷蔵庫の温度調整を行う。
【0086】
また、製造工程P9では、箱詰めの際、1つのケースに袋詰めそぼろ様卵80が12個入ったかをケース毎に確認し、ケース毎に秤計量を行い、袋詰めそぼろ様卵80を箱詰めしたケースが正規の重量の12kg強であるかを確認し、正規の重量12kg強から外れる場合には、中の袋詰めそぼろ様卵80の差し替えを行う。
【0087】
図7に示した製造工程におけ調合タンク11で混合されたスラリー15の原料の第1の配合例について表1を用いて説明する。
【0088】
【表1】


表1に示すように、スラリー15は、全卵が80%、砂糖が8.0%、食塩が0.3%、調味液及びその他のとなる調味液A,B,C,D、グリシンが11.7%の重量比となっている。
【0089】
図7に示した製造工程により得られたそぼろ様加工品の粒度分布について表2を用いて説明する。
【0090】
表2には、ターゲット品、一般品、図7の製造工程により得られたそぼろ様加工品を4メッシュ以上、4から5メッシュ、5から7メッシュ、7から9メッシュのストレーナーでふるい分けされたそぼろ様卵の粒の割合を示している。
【0091】
【表2】


表2に示すように、図7の製造工程により得られたそぼろ様加工品はターゲット品に近い粒度分布が得られている。
【0092】
表3には、ターゲット品、一般品、図7の製造工程により得られたそぼろ様加工品のかさ比重を示している。
【0093】
【表3】


表3に示すように、図7の製造工程により得られたそぼろ様加工品はターゲット品と同じかさ比重が得られている。
【0094】
表4には、ターゲット品、一般品、図7の製造工程により得られたそぼろ様加工品の弁当での利用評価例を示している。
【0095】
【表4】


表4に示すように、図7の製造工程により得られたそぼろ様加工品は見栄えボリューム感の双方で高い評価が得られている。
【0096】
以上、説明したように本実施の形態によれば、粒度が均一で、かつ自然な粒状で、適切なかさ比重を有し、同じ品質のそぼろ様卵を安定して製造することができ、そぼろ様卵として、低い製造コストで、ふわっとした高い食感を有し、見栄え、ボリューム感のよい製品を消費者に提供できる。
【0097】
次に、スラリーの原料の第2の配合例を用いた場合における図2に示した蒸煮装置20と図4に示した裏ごし機60の細部構成について表5及び表6を用いて説明する。
【0098】
スラリーの原料の第2の配合例は、全卵が80%、澱粉3%、調味液17%の重量比となっている。
【0099】
【表5】


表5に示すように、蒸煮装置20の蒸煮配管(大径水平配管部44)の直径は64mmにしている。
【0100】
加温スラリー16に吹き付けられる蒸煮蒸気圧は、許容範囲を2.0Kgf/cm以上、最適条件を許容範囲を2.2Kgf/cmにしている。
【0101】
スラリー滴下器31の管路を通るスラリー16の温度は、許容範囲を35℃以上、最適条件を52℃にしている。
【0102】
スラリー滴下器31の出口36から滴下する加温スラリー16の滴下量は、許容範囲を3〜9kg/分、最適条件を5kg/分にしている。
【0103】
【表6】


表6に示すように、裏ごし機60が裏ごしを行う際のそぼろ様卵17の温度は、許容範囲を60℃、最適条件を90℃にしている。ここで、そぼろ様卵17をあたたかい状態にする理由は、そぼろ様卵17が冷めた状態では、練れが生じるためである。
【0104】
裏ごし機60の回転羽根67の回転速度は、許容範囲が50〜130回転/分、最適条件が100回転/分である。
【0105】
メッシュ64の網目のサイズは、許容範囲が3〜7mm角(4〜7メッシュ)、最適条件が3.6mm角である。
【0106】
このような細部構成を用いることで、スラリー15が全卵80%、澱粉3%、調味液17%の重量比となっている場合にも、粒度が均一で、かつ自然な粒状で、適切なかさ比重を有し、同じ品質のそぼろ様卵を安定して製造することができる。
【0107】
即ち、本実施の形態では、このような細部設定を行うことで、スラリー加える添加物に対して自由度が高く、手作りに近い味付けが可能になる。
【0108】
尚、本実施の形態において、スラリーに用いる卵としては好ましくは鶏卵であるが、鶉卵やアヒル卵等の他の種類の卵を用いることも可能である。
【0109】
また、スラリーに用いる液卵としては全卵に限らず、卵の白身や白身と黄身の割合を調整した液卵も適用可能である。
【0110】
さらにスラリーに用いる添加物は、澱粉、調味料としての砂糖、塩、グリシン等以外にも、香料や発砲剤など各種適用可能である。
【0111】
【発明の効果】
以上述べた様に本発明によれば、粒度が均一で、かつ自然な粒状で、適切なかさ比重を有し、同じ品質のそぼろ様卵を安定して製造でき、そぼろ様卵として、低い製造コストで、ふわっとした高い食感を有し、見栄え、ボリューム感のよい製品を消費者に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスラリーを生成する工程を示す説明図。
【図2】本発明の実施の形態に係るスラリーを加温し蒸煮する工程を示す説明図。
【図3】図2の蒸煮の工程をさらに詳細に説明する説明図。
【図4】本発明の実施の形態に係る蒸煮されたそぼろ様卵をメッシュで裏ごしする工程を示す説明図。
【図5】本発明の実施の形態に係るメッシュで裏ごしされたそぼろ様卵を真空冷却する工程を示す説明図。
【図6】本発明の実施の形態に係る真空冷却されたそぼろ様卵を袋詰めした状態を示す説明図。
【図7】本発明の実施の形態に係る様卵製造方法の具体的な作業要領を示す説明図。
【符号の説明】
11 …調合タンク
12 …電動ミキサ
15 …スラリー
16 …加温スラリー
17,18 …そぼろ様卵
20 …そぼろ様卵の蒸煮装置
21 …スラリータンク
22 …加温器
31 …スラリー滴下器
41 …高温蒸気吹き付け器
50 …蒸気
60 …裏ごし機
64 …メッシュ
67 …回転羽根
71 …真空冷却器
【出願人】 【識別番号】598045863
【氏名又は名称】ケンコーマヨネーズ株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市灘区都通3丁目3番16号
【出願日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進

【公開番号】 特開2005−27538(P2005−27538A)
【公開日】 平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願番号】 特願2003−194485(P2003−194485)