| 【発明の名称】 |
加工品の品質保持方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 倫夫 【住所又は居所】岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式会社林原生物化学研究所内
【氏名】福田 恵温 【住所又は居所】岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式会社林原生物化学研究所内
【氏名】三宅 俊雄 【住所又は居所】岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式会社林原生物化学研究所内
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| 【要約】 |
【課題】加工品の品質保持方法、この加工品の品質保持方法を用いて製造される加工品、及び、加工品の品質保持剤を提供することを課題とする。
【解決手段】α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを含有させる加工品の品質保持方法を提供し、この加工品の品質保持方法を用いて製造される加工品、及び、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを有効成分として含有する加工品の品質保持剤を提供することにより上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを含有させることを特徴とする加工品の品質保持方法。 【請求項2】 請求項1記載の加工品の品質保持方法を使用して製造される加工品。 【請求項3】 α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを有効成分として含有することを特徴とする加工品の品質保持剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを含有させる加工品の品質保持方法、この方法を使用して製造される品質が保持された加工品、及び、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを有効成分として含有する加工品の品質保持剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 加工品、例えば、水産練製品、食肉加工食品、レトルト畜肉、めん類、そう菜、漬物、菓子、佃煮、水煮、たれ類、みそ又はしょう油などの発酵食品や調味料などの飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、雑貨、日用品、化学工業品などは、製造直後から、経時的に、光照射、熱、空気酸化などを受けることにより、香味変化、変色、退色、有効成分の分解や失活などが発生し、著しく商品価値が低下する。これらの現象を防止するために、ビタミンE、アスコルビン酸、エリソルビン酸及びその誘導体、カテキン類、クロロゲン酸、フラボノイド、金属封鎖剤などを品質保持剤として添加する方法が知られているが、いずれも効果が充分でなく、満足できるものではない。 【0003】 これらの従来技術では加工品の香味変化、変色、退色防止効果は弱いか、または防止できる加工品が限定されており、これらの品質保持剤の使用量によっては、自身のもつ酸味や苦みにより、加工品の味質を低下させる場合すらある。例えば、エチレンジアミン四酢酸(以下、「EDTA」という。)2ナトリウム、フィチン酸又はエリソルビン酸などをフルーツゼリーなどに添加する方法では、短期間の品質劣化防止、香味変化防止に効果があるが、長期保存では効果が少ない。またアスコルビン酸を半生菓子などに添加すると、逆に品質劣化を促進することもあるという問題点がある。また、クエン酸やEDTA2ナトリウムなどの金属封鎖剤は、生麺の品質劣化防止の目的に用いられることがあるが、香味変化の防止には効果を殆ど示さない。また、レトルト畜肉食品においては、赤変防止効果などの目的にクエン酸、フィチン酸などが使用されるが、香味変化の劣化防止には致っていない。そのため効力が強くかつ広い範囲の加工品に使用することができる品質保持方法の開発が要望されている。また、その解決方法として、例えば、特許文献1には、糖質のトレハロースと金属封鎖剤とを加工食品に含有せしめる、加工食品の品質保持方法が開示されている。しかしながら、飲食品分野においては、現在の多様な食生活に対応するためには、摂取時の食品の味、香り、食感などの風味の低下をもたらすことなく、しかも、継続的に摂取しても安全で、かつ、加工品の品質保持の機能に優れた素材のさらなる開発が望まれており、また、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、日用品、雑貨、化学工業品などの分野においても、同様に、継続的に使用しても安全で、かつ、加工品の品質保持の機能に優れた素材のさらなる開発が望まれている。 【0004】 一方、本出願人は、特許文献2乃至5において、α,α−トレハロースの糖質誘導体の新規製造方法及びこの糖質を含有する組成物を開示した。しかしながら、これらの特許文献1乃至5には、加工品に、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを含有させることにより、その品質を長期間保持することができることは開示も示唆もされていない。 【0005】 【特許文献1】特開平7−79739号公報 【特許文献2】特開平7−143876号公報 【特許文献3】特開平8−73504号公報 【特許文献4】特許第3182679号公報 【特許文献5】特開2000−228980号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、上記事情に鑑み、加工品の品質保持方法、この加工品の品質保持方法を用いて製造される加工品、及び、加工品の品質保持剤を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、これらの諸問題を解決すべく鋭意研究した結果、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを併用することにより広範囲の加工品の製造工程中及び保存中の香味変化、変色、退色、有効成分の分解や失活といった諸問題点が従来から知られている方法に比べて大幅に改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。 【発明の効果】 【0008】 本発明は、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを加工品に含有せしめることにより、加工品の品質を保持するものであり、この糖質誘導体と金属封鎖剤を有効成分として含有する品質保持剤の利用分野は、飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、日用品、雑貨、化学工業品など多岐に渡る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明でいう加工品とは、飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、日用品、雑貨、化学工業品であって、これらの製造に利用される、原料、中間原料、或いは、原料に手を加えて製造される製品、或いは、それを使用して製造される製品であれば何れでもよい。 【0010】 本発明でいうα,α−トレハロースの糖質誘導体とは、分子内にα,α−トレハロース構造を有する3個以上のグルコースからなる非還元性オリゴ糖から選ばれる1種又は2種以上の糖質であれば、何れでもよく、より具体的には、α,α−トレハロース分子の少なくとも一方のグルコースに、モノ−グルコース、ジ−グルコース、トリ−グルコース及びテトラ−グルコースから選ばれる何れかが結合したものをいう。例えば、先に、本出願人が特許文献2〜5などにおいて開示した、α−マルトシルα−グルコシド、α−イソマルトシルα−グルコシドなどのモノ−グルコシルα,α−トレハロースや、α−マルトトリオシルα−グルコシド(別名α−マルトシルα,α−トレハロース)、α−マルトシルα−マルトシド、α−イソマルトシルα−マルトシド、α−イソマルトシルα−イソマルトシドなどのジ−グルコシルα,α−トレハロース、α−マルトテトラオシルα−グルコシド(別名α−マルトトリオシルα,α−トレハロース)、α−マルトシルα−マルトトリオシド、α−パノシルα−マルトシドなどのトリ−グルコシルα,α−トレハロース、α−マルトペンタオシルα−グルコシド(別名α−マルトテトラオシルα,α−トレハロース)、α−マルトトリオシルα−マルトトリオシド、α−パノシルα−マルトトリオシドなどのテトラ−グルコシルα,α−トレハロースなど、グルコース重合度が3乃至6からなるα,α−トレハロースの糖質誘導体が好ましい。 【0011】 これらのα,α−トレハロースの糖質誘導体は、その由来や製法は問わず、発酵法、酵素法、有機合成法などにより製造されたものでもよい。例えば、本出願人が、特許文献2〜5で開示した酵素法により澱粉や澱粉の部分加水分解物から直接製造してもよく、或いは、それらの糖質に、特許文献2で開示したマルトテトラオース生成アミラーゼ、特公平7−14962号公報で開示したマルトペンタオースを高率に生成するα−アミラーゼ或いは特開平7−236478号公報で開示したマルトヘキサオース・マルトヘプタオース生成アミラーゼなどを使用して、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなどの特定のオリゴ糖の含量を高めた澱粉部分加水分解物とし、これに特許文献2で開示した非還元性糖質生成酵素を作用させて製造することも随意である。また、澱粉、或いは、澱粉の部分加水解物とα,α−トレハロースとを含有する溶液にシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼなどのグリコシル基の転移能を有する酵素を作用させて調製することも随意である。これらの方法により得られる反応液は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を含有する糖質を含む溶液として、そのまま、又は、部分精製して、或いは、高純度に精製して使用することも随意である。これらの製造方法は、豊富で安価な澱粉質を原料とし、高効率かつ安価にα,α−トレハロースの糖質誘導体を製造できることから、工業的に有利に利用できる。また、さらには、これらの糖質の製造工程において共存するグルコース、マルトースなどの還元性糖質を水素添加して、糖アルコールとした糖質を使用することも随意である。 【0012】 また、α,α−トレハロースの糖質誘導体或いはこの糖質を含有する糖質は、酢酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸などの酸味の後味の改善、酢酸などの酸味臭の抑制、グルコン酸ナトリウムなどの渋味や苦味の抑制など、金属封鎖剤の持つ酸味、異味、異臭などを低減する効果に優れていることから、加工品に使用する金属封鎖剤を、それ単独で使用した場合には加工品の味質に悪影響を及ぼす濃度で使用することもできる。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体或いはこの糖質を含有する糖質の持つ金属封鎖剤の酸味、異味、異臭などの抑制効果は、これらの糖質と同様の作用を有するα,α−トレハロースを併用することにより、さらに増強することができる。 【0013】 しかも、α,α−トレハロースの糖質誘導体或いはこの糖質を含有する糖質は、金属封鎖剤の異味や異臭の低減作用のみでなく、砂糖、果糖、異性化糖などの甘味料の後味改善、飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品などの持つ異味、異臭の低減、うま味の増強、塩辛みやニンニクの辛みなどの増強などの作用を有することから、これら加工品の製造に有利に利用でき、さらに、これらの効果は、これらの糖質と同様の作用を有するα,α−トレハロースを併用することにより、一層増強させることができる。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体或いはこの糖質を含有する糖質は、化粧品や皮膚外用剤に使用すると、これらに優れた保湿性と使用感を賦与するとともに、毛髪化粧品に使用した場合には、セット剤として機能するなど、加工品の品質保持に利用できるだけでなく、これら加工品に種々の特性を賦与することができる。 【0014】 前述のα,α−トレハロースの糖質誘導体のうち、とりわけ、α−グルコシルα,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース及びα−マルトテトラオシルα,α−トレハロースなど、その分子の末端にトレハロース構造を持つ糖質が、金属封鎖剤との併用による加工品の品質保持作用が強く、本発明に有利に利用できる。この糖質の一例としては、特許文献2に開示されたα−マルトシルα,α−トレハロース(別名α−マルトトリオシルα−グルコシド)を主成分として含有し、他に、α−グルコシルα,α−トレハロース(別名α−マルトシルα−グルコシド)、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース(別名α−マルトテトラオシルα−グルコシド)、それ以外のα−グリコシルα,α−トレハロース(別名α−グリコシルα−グルコシド)から選ばれる1種又は2種以上を含有する糖質が望ましく、とりわけ、α−マルトシルα,α−トレハロースを、無水物換算で約30質量%(以下、本明細書では特に断らない限り、「質量%」を単に「%」と表記する。)以上、さらに望ましくは、約50%以上含有する糖質が望ましい。 【0015】 また、本発明で使用する金属封鎖剤は、金属キレート作用を有する物質であれば、特に制限はなく、加工品の組成、使用目的などに応じて、適宜選択することができる。具体的には、グリコール酸、グリセリン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸2−グルコシド、グルコン酸、グルコノ−δ−ラクトン、サリチル酸、没食子酸、マンデル酸をはじめとするのオキシ酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸などの縮合リン酸、グルカル酸などの糖酸、や、これらの酸の塩、EDTAなどのポリアミノカルボン酸やEDTA2カルシウム2ナトリウム、EDTA2ナトリウムなどのポリアミノカルボン酸の塩、ヒドロキシエチレングリシンなどが挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を、適宜組み合わせることも随意である。 【0016】 さらに、本発明で使用される、α,α−トレハロースの糖質誘導体及び/又は金属封鎖剤は、加工品の品質保持効果を発揮できればよく、有効成分であるα,α−トレハロースの糖質誘導体又は金属封鎖剤のみで構成されていてもよいし、例えば、α,α−トレハロースの糖質誘導体の場合には、その製造工程に由来するグルコース、イソマルトース、マルトース、オリゴ糖、デキストリンなどの澱粉由来のα,α−トレハロースの糖質誘導体以外の糖質を含有していてもよい。更には、α,α−トレハロースの糖質誘導体とそれ以外の還元性糖質とを含む糖質を水素添加し、共存する還元性糖質を、その糖アルコールに変換したものであってもよい。また、必要ならば、分散性を高めたり、増量するなど、その使用目的に応じて、さらに、還元性糖質、α,α−トレハロース、環状四糖、サイクロデキストリンなどの非還元性糖質、キシリトール、マルチトールなどの糖アルコール、高甘味度甘味料、水溶性多糖類、無機酸、塩類、乳化剤、酸化防止剤、ビタミンE、エリソルビン酸、これらの誘導体、カテキン類、クロロゲン酸、及び、フラボノイドから選ばれる1種又は2種以上と併用することも随意である。さらに必要であれば、公知の着色料、着香料、保存料、酸味料、旨味料、甘味料、安定剤、増量剤、アルコール類、水溶性高分子などの1種又は2種以上を適量併用することができる。 【0017】 また、本発明の加工品の品質保持方法において、加工品に有効成分として含有させるα,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤は、その形状を問わず、それぞれを別々の状態、或いは、混合した状態であってもよく、例えば、シラップ、マスキット、ペースト、粉末、固状、顆粒、錠剤などの何れの形状であってもよく、そのままで、又は、必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合して、顆粒、球状、短棒状、板状、立方体、錠剤など各種形状に成型して使用することも随意である。 【0018】 本発明の加工品の品質保持方法においては、有効成分のα,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤は、目的の加工品が完成するまでの工程で、或いは、完成品に対して、含有せしめればよく、それぞれを別々に、同一の工程或いは別々の工程で加えてもよく、予め混合して加えることも随意である。その具体的な方法としては、例えば、混和、混捏、溶解、融解、分散、懸濁、乳化、浸透、晶出、散布、塗布、付着、噴霧、被覆(コーティング)、注入、浸漬、固化、逆ミセル化などの1種又は2種以上の公知の方法の組み合わせが適宜に選ばれる。 【0019】 本発明の加工品への金属封鎖剤とα,α−トレハロースの糖質誘導体との添加量及びその比率には、特に制限が無く、加工品に対する品質保持効果を発揮できればよく、通常は、加工品原料100質量部に対し、金属封鎖剤は0.01〜5質量部でよくα,α−トレハロースの糖質誘導体は0.2〜20質量部でよい。ただし、α,α−トレハロースの糖質誘導体及び/又は金属封鎖剤の添加量の上限については、これらの成分を、賦形、味付け、栄養強化、水分活性の調節などの目的を兼ねて使用する場合には、加工品自体の機能や風味を損なわない限り、特に制限はない。 【0020】 本発明にかかるα,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とによる品質保持方法は、例えば、アミノ酸、ペプチド、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、マヨネーズ、ドレッシング、粉末すし酢、中華の素、ソース、ケチャップ、ピックル液、精肉の前処理用溶液、レトルト食品の調味液、カレーのルウ、シチューの素、スープの素、ダシの素、核酸系調味料、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒーシュガーなどの調味料類や甘味料類に有利に利用できる。 【0021】 また、例えば、せんべい、あられ、おこしなどの米菓類、求肥、もなか、餅、おはぎ、まんじゅう、最中、かるかん、ういろう、あん類、羊羮、水羊羮、錦玉、きんつば、スィートポテト、ゼリー、ババロア、カステラ、カリントウ、ドラヤキ、飴玉などの各種和菓子類、ビスケット、クッキー、クラッカー、パイ、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ホットケーキ、ドーナツ、プリッツェル、ペストリー類などの焼き菓子、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、チョコレート、チョコレート菓子、チューインガム、ヌガー、ゼリービーンズ、キャラメル、マシュマロをはじめとするソフトキャンディ、ハードキャンディ、フォンダント、アイシングなどの洋菓子類、ポテトチップスなどのスナック菓子類、シリアル類、センターリキッド菓子類、メレンゲ菓子類、食パン、ロールパン、アンパン、マフィンなどのパン類、シャーベット、アイスクリーム、アイスキャンディなどの冷菓、果実のシロップ漬、氷蜜などのシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、スプレッドなどのペースト類、ジャム、マーマレード、プレザーブ、シロップ漬、糖果、カット果実などの果実の加工品類、もやし、アルファルファ、ブロッコリースプラウトなどの発芽野菜、青汁などの野菜ジュース、カット野菜、サラダ、野菜の煮物などの野菜の加工食品類、福神漬、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬、たくあん漬、白菜漬、梅干しやそれらのつけものを製造するための浅漬けの素などの漬物の素類、白飯、おにぎり、おこわ、おかゆ、寿司飯、炊き込みご飯、α化米などの米飯類、豆乳、豆腐、高野豆腐、納豆、甘納豆、煮豆などの豆の加工品類、うどん、和そば、ラーメン、パスタなどの麺類、お好み焼き、たこ焼き、鯛焼き、コロッケ、餃子、シュウマイ、春巻きなどや、ハム、ソーセージ、ベーコン、ビーフジャーキー、ドライソーセージなどの畜肉加工品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、天ぷらなどの魚肉加工品類、ウニ、イクラ、イカの塩辛、酢こんぶ、さきするめ、貝の干物、ふぐのみりん干し、味付け海苔、小魚の珍味、乾燥珍味などの各種珍味類、焼き肉、蒲焼き、団子、煎餅などの味付けに使用するたれ類、野菜、海苔、山菜、茸、するめ、小魚、貝などで製造されるつくだ煮類、煮豆、ポテトサラダ、こんぶ巻などの惣菜食品、卵、オムレツ、卵焼き、茶碗蒸しなどの卵加工品類、チーズ、バター、ヨーグルトなどの乳製品類、魚肉、畜肉、果実、野菜、あるいは、これら飲食品の冷凍品、冷蔵品、チルド品、レトルト品、乾燥品、凍結乾燥品、レンジ食品、更には、野菜のビン詰類、缶詰類、プリンミックス、ホットケーキミックス、バッターミックスなどのミックス類、即席しるこ、即席スープ、即席カレーなどの即席食品、離乳食、治療食、ペプチド食品、清酒、合成酒、ワイン、ワインソーダー、リキュール、カクテル、洋酒、ビール、発泡酒などの酒類、緑茶、ほうじ茶、玉露、抹茶などお茶、ドクダミ、杜仲などの茶葉以外の植物組織を利用した各種のお茶、紅茶、ハーブティー、コーヒー、ココア、ジュース、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳清飲料、果汁飲料、無果汁飲料、果肉飲料、機能性飲料、透明炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料、果実着色炭酸飲料などの清涼飲料水などの嗜好飲料や、それらを瓶や缶に詰めた飲料などの各種飲食品に有利に利用できる。特に、α、α−トレハロースの糖質誘導体或いはこれを含有する糖質は、水分活性を下げる作用が強いことから、本発明の加工品の品質保持剤は、離水防止や微生物汚染が問題となる飲食品にも有利に利用できる。 【0022】 さらには、家畜、家禽、ペット、その他蜜蜂、蚕、魚介類、エビ、カニなどの甲殻類、ウニ、なまこなどの棘皮動物、昆虫などの飼育動物の幼虫、幼体、成体のための飼料、餌料、ペットフードなどの品質保持剤として使用することもできる。その他、タバコ、錠剤、トローチ、肝油ドロップ、口紅、リップクリーム、練歯磨、口中清涼剤、口中香剤、うがい剤などの嗜好品、基礎化粧品やメークアップ化粧品をはじめとする各種化粧品や医薬部外品、さらには、医薬品などの粉末、固状、ペースト状、液状などの加工品の劣化を防止し、その品質保持の目的で利用できる。 【0023】 <実験> リンゴジャムの品質保持に及ぼすα,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤のフィチン酸の影響を確認する実験を以下のようにして行った。すなわち、鍋に、水130質量部、後述の実施例1の方法で調製したシラップ状のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(α,α−トレハロースの糖質誘導体として、無水物換算で、α−グルコシルα,α−トレハロース4.1%、α−マルトシルα,α−トレハロース52.5%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース1.1%、それ以外のα−グリコシルα,α−トレハロース0.4%を含有、濃度70%)230質量部、ショ糖160質量部、フィチン酸3質量部を加えて、加熱溶解した溶液に、リンゴ果実の蜜漬け(ブリックス20)200質量部をダイス状にカットしたものを入れて、30分間浸漬後、加熱して沸騰させ、ペクチン(三晶株式会社販売、商品名「LM−101AS」)2質量部を加えた。これの520質量部を加熱撹拌しながら、皮と芯を除去したリンゴ300質量部に水200質量部を加えて、ミキサーで砕いたものを加えて、煮詰め、ブリックス62のリンゴジャムを調製した。対照として、前記リンゴジャムに使用した配合からフィチン酸を除いた配合(比較配合1)、シラップ状のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質230質量部に代えて、水飴(固形分70%)230質量部を使用した配合(比較配合2)、及び、この配合から、さらにフィチン酸を除いた配合(比較配合3)を用いて、同様にリンゴジャムを調製した。これらのリンゴジャムを、ガラス製の容器に入れて密封し、6ヶ月間、53℃で保存し、保存開始後、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月で、色の変化、味の変化、及び、異臭の発生の有無を、11名のパネラーにより評価した。評価は、11名のパネラーの9名以上が、製造直後のものと比較して、差がないと評価した場合を変化なし(−)、僅かではあるが、色の変化、味の変化、或いは、異臭の発生があると評価した場合を、僅かな変化あり(+)、はっきりとした色の変化、味の変化、或いは、異臭の発生があると評価した場合を強い変化あり(++)とする3段階で行った。その結果を表1に示す。なお、リンゴジャムに対するパネラーの評価は、何れも全員が同一の評価であった。 【0024】 【表1】
【0025】 表1から明らかなように、α,α−トレハロースの糖質誘導体とフィチン酸を使用したリンゴジャム(本発明)は、6ヶ月間保存後も、製造直後と同様に、鮮やかな色と美味しい味をしており、異臭の発生も認められないと評価された。これに対して、α,α−トレハロースの糖質誘導体のみを使用したリンゴジャム(比較配合1)では、6ヶ月間保存後のもので、味の変化や異臭の発生は認められないものの、僅かながら色が変化していると評価された。また、フィチン酸のみを使用したリンゴジャム(比較配合2)では、2ヶ月間保存後で、既に、色に変化が認められ、4ヶ月間保存後では、さらに、味に変化が認められ、6ヶ月間保存後には、僅かな色の変化に加えて、はっきりとした味の変化と異臭の発生があると評価された。α,α−トレハロースの糖質誘導体及びフィチン酸の両方を使用しなかったリンゴジャム(比較配合3)では、2ヶ月間保存後で、既に、色に変化が認められ、4ヶ月間保存後では、色と味にはっきりとした変化と僅かな異臭の発生が認められ、6ヶ月間保存後には、はっきりとした色の変化と味の変化、及び、異臭の発生があると評価された。これらの結果から、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤のフィチン酸を併用することにより、α,α−トレハロースの糖質誘導体又はフィチン酸を単独で使用した場合、或いは、これらを全く使用しなかった場合に比して、長期間、その品質が保持されることが判明した。なお、この実験に使用したα,α−トレハロースの糖質誘導体は、この糖質誘導体以外に、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、その他のマルトオリゴ糖などの還元性糖質を合計で、無水物換算で約41.9%含有しているものの、これらの還元性糖質からなる水飴とフィチン酸を使用した配合(比較配合2)では、本発明に比べて、弱い品質保持効果しか認められなかったことから、α,α−トレハロースの糖質誘導体とフィチン酸を使用した配合が、品質保持効果に優れていると判断した。 【0026】 以下に、本発明の有効成分であるα,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを含有する品質保持剤の具体的な例、及び、この加工品の品質保持剤を含有させた組成物の例を具体的に挙げて説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例に示す、加工品の品質保持剤は、いずれも、飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、日用品、雑貨、化学工業品を始めとする加工品に含有させることにより、その劣化を防止し、その品質を保持することができる。 【実施例1】 【0027】 <加工品の品質保持剤> 濃度20%のとうもろこし澱粉乳に最終濃度0.1%となるように炭酸カルシウムを加えた後、pH6.5に調整し、これにα−アミラーゼ(ノボ社製造、商品名「ターマミール60L」)を澱粉グラム当たり0.2%になるよう加え、95℃で15分間反応させた。その反応液を、120℃で10分間オートクレーブした後、50℃に冷却し、pHを5.8に調整後、澱粉グラム当たり特開昭63−240784号公報に開示されたマルトテトラオース生成アミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製造)を5単位と、イソアミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製造)を500単位となるように加え、48時間反応させ、これにα−アミラーゼ(上田化学株式会社製造、商品名「α−アミラーゼ2A」)を澱粉グラム当たり30単位加え、更に、65℃で4時間反応させた。その反応液を、120℃で10分間オートクレーブし、次いで45℃に冷却し、特許文献2に開示されたアルスロバクター・スピーシーズQ36(FERM BP−4316)由来の非還元性糖質生成酵素を澱粉グラム当たり2単位の割合になるよう加え、48時間反応させた。その反応液を95℃で10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を、常法に従って活性炭で脱色し、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製した糖化液を、更に濃縮して濃度70%のシラップを、無水物換算で、収率約90%で得た。本品は、DE13.7で、無水物換算で、α,α−トレハロースの糖質誘導体として、α−マルトシルα,α−トレハロース52.5%を含有しており、他に、α−グルコシルα,α−トレハロース4.1%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース1.1%、それ以外のα−グリコシルα,α−トレハロース0.4%を含有していた。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として、有利に利用できる。 【実施例2】 【0028】 <加工品の品質保持剤> 実施例1の方法で調製したシラップを常法により噴霧乾燥して非晶質粉末品を調製した。本品は、吸湿性が低く、且つ、水溶性も良好であり、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例3】 【0029】 <加工品の品質保持剤> 実施例1の方法で調製した、H型及びOH型イオン交換樹脂により脱塩して精製した糖化液を、さらに、精製するために、塩型強酸性カチオン交換樹脂(ダウケミカル社販売、商品名「ダウエックス50W−X4」、Mg++型)を用いたカラム分画を行った。樹脂を内径5.4cmのジャケット付ステンレス製カラム4本に充填し、直列につなぎ樹脂層を全長20mとした。カラム内温度を55℃に維持しつつ、糖液を樹脂に対して5v/v%加え、これに55℃の温水をSV0.13で流して分画し、グルコース及びマルトース高含有画分を除去し、α,α−トレハロースの糖質誘導体高含有画分を集め、更に精製、濃縮後、噴霧乾燥して非晶質状態のα,α−トレハロースの糖質誘導体高含有粉末を調製した。本品は、無水物換算で、α,α−トレハロースの糖質誘導体としてα−マルトシルα,α−トレハロース70.2%を含有しており、他に、α−グルコシルα,α−トレハロース6.1%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース2.1%、それ以外のα−グリコシルα,α−トレハロース4.1%を含有していた。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、吸湿性が低く、且つ、水溶性も良好な加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例4】 【0030】 <加工品の品質保持剤> 馬鈴薯澱粉1質量部に水6質量部を加え、更に、澱粉当たり0.01%の割合になるようにα−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社製造、商品名「ネオスピターゼ」)を加えて撹拌混合し、pH6.0に調整後、この懸濁液を85乃至90℃に保ち、糊化と液化を同時に起こさせ、直ちに120℃に5分間加熱して、DE1.0未満にとどめ、これを55℃に急冷し、pH7.0に調整し、これに株式会社林原生物化学研究所製造、商品名「プルラナーゼ」(EC 3.2.1.41)及び特開昭63−240784号公報に開示されたマルトテトラオース生成アミラーゼを、それぞれ澱粉グラム当たり150単位及び8単位の割合で加え、pH7.0、50℃で36時間反応させた。この反応液を、120℃で10分間オートクレーブし、次いで、53℃まで冷却し、特許文献5に開示されたアルスロバクター・スピーシーズS34(FERM BP−6450)由来の非還元性糖質生成酵素を澱粉グラム当たり2単位の割合になるよう加え、64時間反応させた。この反応液を95℃で10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を、常法に従って、活性炭で脱色し、H型、OH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、更に濃縮して、噴霧乾燥して非晶質状態のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末を、無水物換算で、収率約90%で得た。本品は、DE 11.4で、無水物換算で、α−マルトシルα,α−トレハロース62.5%を含有しており、他に、α−グルコシルα,α−トレハロース2.1%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース0.8%、それ以外のα−グリコシルα,α−トレハロース0.5%を含有していた。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、吸湿性が低く、且つ、水溶性も良好な加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例5】 【0031】 <加工品の品質保持剤> 試薬級のマルトテトラオース(株式会社林原生物化学研究所販売、純度97.0%以上)の20%溶液をpH7.0に調整後、特許文献2に開示された非還元性糖質生成酵素を、無水物換算で、糖質グラム当たり2単位となるように加えて、46℃で、48時間、糖化して、固形物あたり79.8%のα−マルトシルα,α−トレハロースを含有する溶液を得た。この溶液を、pH6.0に調整後、無水物換算で、糖質グラム当たり10単位となるようにβ−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社製)を加えて、50℃で48時間反応させて、マルトテトラオースを分解した。この反応液を、120℃で10分間オートクレーブし、冷却した後、ろ過して得られる溶液を、アルカリ金属型強酸性カチオン交換樹脂(東京有機化学工業株式会社製造、「XT−1016」、Na+型、架橋度4%)を用いて分画し、α−マルトシルα−トレハロース高含有画分を集め、精製、濃縮後、噴霧乾燥して非晶質状態のα−マルトシルα,α−トレハロース高含有粉末を調製した。本品は、α−マルトシルα,α−トレハロースを98.1%含有しており、ソモジ ネルソン法による測定での還元力測定では、還元力は検出限界以下であった。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【0032】 この標品を、再度水に溶解し、活性炭処理して、パイロジェンを除去し、噴霧乾燥して、非晶質状のα−マルトシルα,α−トレハロース高含有粉末を調製した。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。また、パイロジェンを除去しているので、特に医薬品などのようなパイロジェンを含まないことが要求される加工品の品質保持剤として好適である。 【実施例6】 【0033】 <加工品の品質保持剤> 実施例1の方法で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体を含有するシラップに水を加えて、濃度約60%に調製して、オートクレーブに入れ、触媒としてラネーニッケルを約8.5%添加し、攪拌しながら温度を128℃に上げ、水素圧を80kg/cm2に上げて水素添加して、α,α−トレハロースの糖質誘導体と共存するグルコース、マルトースなどの還元性糖質を、それらの糖アルコールに変換した後、ラネーニッケルを除去し、次いで、脱色、脱塩して精製し、濃縮して濃度70%のシラップを調製した。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として、有利に利用できる。 【実施例7】 【0034】 <加工品の品質保持剤> 実施例3の方法で調製した非晶質状態のα,α−トレハロースの糖質誘導体を含有する粉末を水に溶解し、濃度約60%水溶液にし、オートクレーブに入れ、触媒としてラネーニッケルを約9%添加し、攪拌しながら温度を130℃に上げ、水素圧を75kg/cm2に上げて水素添加して、α,α−トレハロースの糖質誘導体と共存するグルコース、マルトースなどの還元性糖質を、それらの糖アルコールに変換した後、ラネーニッケルを除去し、次いで、脱色、脱塩して精製し、濃縮してシラップを調製した。更にこのシラップを、常法により噴霧乾燥して、非晶質状態の粉末を調製した。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として、有利に利用できる。 【実施例8】 【0035】 <加工品の品質保持剤> 濃度6%の馬鈴薯澱粉乳を加熱糊化後、pH4.5、温度50℃に調整し、これにイソアミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を澱粉グラム当たり2500単位加えて20時間反応させた。その反応液をpH6.0に調整後、120℃で10分間オートクレーブした後、45℃に冷却し、これにα−アミラーゼ(ノボ社製、商品名「ターマミール60L」)を澱粉グラム当たり150単位になるよう加え、24時間反応させた。その反応液を、120℃で20分間オートクレーブし、45℃に冷却後、特許文献2に開示されたアルスロバクター・スピーシーズQ36(FERM BP−4316)由来の非還元性糖質生成酵素を、澱粉グラム当たり2単位の割合で加え、64時間反応させた。この反応液を95℃で10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を、常法に従って、活性炭で脱色し、H型、OH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、更に、濃縮して、濃度65%のα,α−トレハロースの糖質誘導体シラップを、無水物換算で、収率約89%で得た。本品は、無水物換算で、α−グルコシルα,α−トレハロース3.2%、α−マルトシルα,α−トレハロース6.5%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース28.5%及びグルコース重合度6以上のα−グリコシルα,α−トレハロース11.9%含有していた。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【0036】 本品を、実施例7の方法に準じて、水素添加し、α,α−トレハロースの糖質誘導体と共存するグルコース、マルトースなどの還元性糖質を、その糖アルコールに変換した後、常法により精製して、シラップを調製した。本品は、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例9】 【0037】 <加工品の品質保持剤> 濃度33%のとうもろこし澱粉乳に最終濃度0.1%となるように炭酸カルシウムを加えた後、pH6.0に調整し、これにα−アミラーゼ(ノボ社製、商品名「ターマミール60L」)を澱粉グラム当たり0.2%になるように加え、95℃で15分間反応させた。その反応液を、120℃で30分間オートクレーブした後、50℃に冷却し、これにイソアミラーゼ(株式会社林原生物化学研究所製)を澱粉グラム当たり500単位及び特開平7−236478号に記載のマルトヘキサオース・マルトヘプタオース生成アミラーゼを澱粉グラム当たり1.8単位の割合になるように加え、40時間反応させた。本反応液を、120℃で10分間オートクレーブし、53℃まで冷却後、pH5.7に調整して、特許文献5に開示されたアルスロバクター・スピーシーズS34(FERM BP−6450)由来の非還元性糖質生成酵素を澱粉グラム当たり2単位の割合になるよう加え、64時間反応させた。この反応液を95℃で10分間保った後、冷却し、濾過して得られる濾液を、常法に従って、活性炭で脱色し、H型、OH型イオン交換樹脂により脱塩して精製し、更に濃縮して、噴霧乾燥して非晶出状態のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末を、無水物換算で、収率約87%で得た。本品は、無水物換算で、α−グルコシルα,α−トレハロース8.2%、α−マルトシルα,α−トレハロース6.5%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース5.6%、α−マルトテトラオシルα,α−トレハロース21.9%、α−マルトペンタオシルα,α−トレハロース9.3%、及びグルコース重合度8以上のα−グリコシルα,α−トレハロース14.1%含有していた。本品は、そのままで使用しても、或いは、常法により精製してα,α−トレハロースの糖質誘導体含量を増やした場合でも、吸湿性が低く、且つ、水溶性も良好であり、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【0038】 本品を、実施例7の方法に準じて、水素添加し、α,α−トレハロースの糖質誘導体と共存するグルコース、マルトースなどの還元性糖質を、その糖アルコールに変換した後、常法により精製後、噴霧乾燥して、非晶質状態の粉末を調製した。本品は、そのままで使用しても、或いは、常法により精製してα,α−トレハロースの糖質誘導体含量を増やした場合でも、吸湿性が低く、且つ、水溶性も良好であり、金属封鎖剤と併用することにより、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例10】 【0039】 <加工品の品質保持剤> 実施例2で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末60質量部に対して、市販の無水結晶マルチトール(株式会社林原商事販売、商品名「マビット」)を35質量部、金属封鎖剤として乳酸ナトリウム5質量部を混合し、粉末混合物を調製した。本品は、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例11】 【0040】 <加工品の品質保持剤> 実施例2で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末70質量部に対して、金属封鎖剤としてリンゴ酸2質量部、アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売)10質量部、酵素処理ルチン2質量部(東洋精糖株式会社販売、商品名「αGルチン」)を混合して、粉末混合品を調製した。本品は、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例12】 【0041】 <加工品の品質保持剤> 実施例1で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末70質量部に対して、金属封鎖剤としてリンゴ酸2質量部及びアスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売)10質量部を混合し、さらに酵素処理ヘスペリジン2質量部(東洋精糖株式会社販売、商品名「αGヘスペリジン」)を加えて、粉末混合品を調製した。本品は、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例13】 【0042】 <加工品の品質保持剤> 実施例2で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末1質量部と、金属封鎖剤としてフィチン酸0.2質量部、水溶性多糖類のアラビアガム0.8質量部、水溶性ヘミセルロース0.05質量部を混合し、粉末混合物を調製した。本品は、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例14】 【0043】 <加工品の品質保持剤> 実施例2で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末50質量部と、市販の含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」)50質量部と、金属封鎖剤としてEDTA2ナトリウム5質量部を混合し、粉末混合物を調製した。本品は、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。 【実施例15】 【0044】 <加工品の品質保持剤> 実施例7で調製したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有粉末50質量部と、市販の含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」)50質量部と、金属封鎖剤としてピロリン酸ナトリウム25質量部を混合し、粉末混合物を調製した。本品は、加工品の品質保持剤として有利に利用できる。また、本品は、還元性糖質を含んでいないことから、酸やアルカリによる褐変も少ないので、例えば、プリッツェルの製造に使用するアルカリ処理液としてその表面に塗布することにより、脂質の酸化や香料の劣化を抑制し、プリッツェルの品質を長期間保持することができる。 【実施例16】 【0045】 <レトルト畜肉> 豚モモ肉をリテーナに充填して、熱湯中で1時間ボイルした後、冷却し、約5mmの厚さにスライスしてレトルト包材に充填した。醤油を25%と適量の化学調味料を含有する基本の調味液100質量部に、EDTA2ナトリウム0.1質量部、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤10質量部を加えた調味液30質量部を加えて、包材をシールした後、レトルト釜にて130℃、15分間殺菌し、所定のレトルト畜肉を調製した。このレトルト畜肉を室温で、6ヶ月間保存し、保存開始後、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月の肉の色及び香味の変化の有無を確認した。対照品として、基本の調味液(EDTA2ナトリウム及びα,α−トレハロースの糖質誘導体を添加していない)、基本調味液100質量部に、EDTA2ナトリウム0.1質量部のみを添加した調味液、及び、α,α−トレハロースの糖質誘導体10質量部のみを添加した調味液を調製し、熱湯中で1時間ボイルした後、冷却し、約5mmの厚さにスライスしてレトルト包材に充填肉100質量部に対して、その何れかの調味液30質量部を加え、同様にレトルト畜肉を調製した。その結果、α,α−トレハロースの糖質誘導体とEDTA2ナトリウムとを添加調味液を加えた本発明品は、保存6ヶ月後も、異味や異臭も抑制され、色の変化が見られず、製造直後の色と変りがなくかつ製造直後の肉本来の香味を保っていた。これに対して、α,α−トレハロースの糖質誘導体のみを添加した調味液を加えた対照品では、保存4ヶ月後では、製造直後の色と変りがなくかつ製造直後の肉本来の香味を保っていたものの、保存6ヶ月後では、肉内部の変色が観察された(香味に変化は認められなかった。)。また、EDTA2ナトリウムのみの添加した調味液を加えた対照品、及び、EDTA2ナトリウム及びα,α−トレハロースの糖質誘導体を無添加の基本調味液を加えた対照品は、保存2ヶ月後で、既に、変色が生じており香味も肉本来の香味が減じていた。 【実施例17】 【0046】 <麺> 中力粉1000質量部に、水333質量部と食塩6質量部を加えて基本配合とし、これに実施例2の方法で調製した粉末状のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質50質量部、金属封鎖剤としての乳酸ナトリウム3質量部を混合し、常法により生麺を調製した。これを真空包装し、室温で14日間放置後に、外観及び香味の変化の有無を確認した。対照品として、基本配合に、α,α−トレハロースの糖質誘導体50質量部又は乳酸ナトリウム2質量部を混合したもの、及び、基本配合のみのもので、同様に、生麺を調製し、真空包装し、室温で14日間放置し、放置7日目と14日目に、色、香り及び味の変化の有無を調べた。その結果、α,α−トレハロースの糖質誘導体と乳酸ナトリウムとを添加した生麺は、14日たっても色の変化は見られず、生麺の香味にも変化がなかった。これに対して、α,α−トレハロースの糖質誘導体のみを添加して調製した生麺では、7日目では、色の変化や異臭の発生は認められなかったものの、α,α−トレハロースの糖質誘導体と乳酸ナトリウムを加えて調製したものと比較して、香り及び味の低下が認められた。また、乳酸ナトリウムの単独添加、及び、α,α−トレハロースの糖質誘導体と乳酸ナトリウムを無添加の対照品は、7日目で、既に、色が変化しており、異臭がして香りや味を評価できなかった。 【実施例18】 【0047】 <米粉パン> 予めグルテンを配合したパン用の米粉(株式会社斉藤製粉販売、商品名「こめの粉(パン用)」)400質量部、食塩8質量部、実施例2の方法で調製した加工品の品質保持剤25質量部、マルトース15質量部、α,α−トレハロース10質量部、上白糖12質量部、脱脂粉乳12質量部、生イースト10質量部、プルラン8質量部、乳酸ナトリウム3質量部、水315質量部を加えて、縦型ミキサーで撹拌混合後、バター20質量部を添加して更に捏ね、パン生地を調製した。生地を25℃で50分間醗酵した後、適当な大きさに分割し、湿度75%、室温35℃で50分間保持し、オーブンに入れて、上火温度180℃、下火温度180℃で40分間焼成して米粉パンを調製した。本品は、米粉の独特の風味があり、もちもち感のある美味しい米粉パンである。しかも、本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体および金属封鎖剤の乳酸ナトリウムにより、芳ばしいフレーバーの劣化や、乾燥により硬化したり、パサパサすることが抑制され、長期間、ソフトな食感が維持される。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体が、酵母に由来する独特の嫌臭を抑制する一方で、パンの焼成時に発生する香ばしいフレーバーを保持する作用を有しているので、製造直後の好ましい風味が長時間維持されるという特徴があることに加えて、α,α−トレハロース及びα,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しているので、乳化剤を使用していないにも関わらず、そのソフト感を維持することができる。さらには、本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体が金属封鎖剤として使用した乳酸ナトリウムのもつの殺菌作用を増強することから、微生物汚染を受け難いという特徴を併せ持っている。 【実施例19】 【0048】 <ゼリー> 水321質量部に対して、ゼラチン15質量部を添加し、撹拌して15分間静置後し、さらに、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤120質量部、フィチン酸0.5質量部、グラニュー糖25質量部を加えて、80℃で10分間撹拌して、ゼラチンを完全に溶解した後、さらにレモン果汁20質量部を添加して撹拌し、これを、深さ2cm、容積60mlのゼリーカップに一杯に入れ、冷却してレモン果汁入りゼリーを調製した。本品は、冷凍保存しても、長期間冷凍保存しても、離水や型くずれもなく、製造直後の色及び味を保持することのできるゼリーである。 【実施例20】 【0049】 <ソフトキャンディ> ニーダー内で、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤200質量部に、プルラン(株式会社林原商事販売、商品名「プルランPF−20」)19質量部、アラビアガム1質量部を加え、約100℃に加温しで攪拌、熔解して80℃とし、これに、水18質量、含水結晶α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」)335質量部、砂糖135質量部、フィチン酸2質量部、サンザシエキス1質量、カリンエキス1質量部を加えて均一になるまで練り、あらかじめ溶解しておいた油脂(花王株式会社販売、商品名「エコナSP35」)54質量部と乳化剤(第一工業製薬株式会社販売、商品名「DKクリーマーE−40」)8質量を加えて均一になるまで練り、これを冷却盤に移して、成形して、ソフトキャンディを調製した。本品は、長期間、サンザシエキスやカリンエキスの有効成分が劣化しない、チュウーイング性のよい、美味しいのど飴であり、また、プルランやアラビアガムにより、サンザシエキスやカリンエキスの有効成分の口腔内での滞留時間が延長されるので、喉の乾燥や痛みの改善効果に優れている。 【実施例21】 【0050】 <あん> 小豆から常法により調製した生あん100質量部、砂糖50質量部、α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」)10質量部、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤14.5質量部、乳酸ナトリウム1質量部に水道水70質量部を加え、加熱しながら、ゆっくり撹拌して、ブリックスが56になるまで煮詰めて、あんを調製した。本品は、既存の酵素水飴や還元水飴を使用したあんに比して、品質の劣化が抑制されているので、長期間、製造直後の好ましい風味が持続するあんである。また、本品は、粘りの少ない、さっくりとした食感で、くちどけがよく、色焼けしにくいあんであり、ぱん、饅頭、団子、もなか、冷菓、氷菓などのあん材料として好適である。 【実施例22】 【0051】 <あん> 小豆から常法により調製した生あん100質量部、砂糖50質量部、実施例6の方法で調製した加工品の品質保持剤29質量部、フィチン酸1質量部に水道水50質量部を加え、加熱しながら、ゆっくり撹拌して、ブリックスが56になるまで煮詰めて、あんを調製した。本品は、既存の酵素水飴や還元水飴を使用したあんに比して、品質の劣化が抑制されているので、長期間製造直後の好ましい風味が持続するあんである。また、本品は、粘りの少ない、さっくりとした食感で、くちどけがよく、小豆及び砂糖の風味が良くたちあがる、色焼けしにくいあんであり、ぱん、饅頭、団子、最中、冷菓、氷菓などのあん材料として好適である。 【実施例23】 【0052】 <魚肉練製品> 水晒ししたスケトウダラの生肉2,000質量部に対し、実施例7の方法で調製した加工品の品質保持剤105質量部、乳酸ナトリウム3質量部を加えて、スリ身を製造し、−20℃で凍結して冷凍スリ身を製造した。冷凍スリ身を90日間−20℃で冷凍保存後に解凍し、氷水150質量部に対して、グルタミン酸ナトリウム40質量部、馬鈴薯澱粉100質量部、ポリリン酸ナトリウム3質量部、食塩50質量部及びソルビトール5質量部とを溶解しておいた水溶液100質量部を添加して擂漬し、約120gずつを定形して板付した。これらを、30分間で内部の品温が約80℃になるように蒸し上げた。次いで、室温で放冷した後、4℃で24時間放置して魚肉練製品を得た。スケトウダラの冷凍スリ身は、α,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤として添加した乳酸ナトリウムの品質保持効果により、冷凍保存後も、鮮度が十分に保持されており、それを原料とした本品は、風味良好、肌面が細やかで、艶やかな光沢を有していた。また、本品は冷凍保存後解凍しても、異味や異臭の発生や離水が抑制され、調製直後の味、香り、色、食感などの好ましい風味がよく保持されていた。 【実施例24】 【0053】 <アサリのむき身> 大釜に水100質量部を沸かし、これに、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤4質量部とクエン酸ナトリウム0.2質量部を混合して沸騰させ、次いで、これに生アサリ10質量部をざるに入れて浸漬して茹で上げ、ざるから取り出し、常法に従って、アサリの水煮むき身を得た。本品は、加工品の品質保持剤の有効成分のα,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤として添加したクエン酸ナトリウムの品質保持効果により、冷凍保存後も、脂質の酸化や分解が抑制され、色、艶も良く、異味や異臭の発生も抑制され、風味良好で、鮮度が十分に保持されていた。本品を、更に佃煮にすることも、シーフードカレー、五目御飯などの具材として利用することも有利に実施できる。また、本品は具材として使用後も、冷蔵、チルド、冷凍などの保存後でも、異味や異臭の発生、脂質の酸化や分解、蛋白質の変性などが抑制されており、その良好な風味が長期間持続した。 【実施例25】 【0054】 <冷凍スルメイカ> 冷凍スルメイカを解凍後、耳、足を裁断してかごに入れ、水93.7質量部に対して、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤6質量部とコハク酸ナトリウム0.3質量部を混合、溶解した溶液に10時間浸漬して水を切り、−30℃で凍結した。これを−18℃で2週間保存後、解凍して、加熱し、その外観、風味(食感、味、香り)を観察した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤として添加したコハク酸ナトリウムの品質保持効果により、冷凍保存後も、メト化が抑制され、鮮度が十分に保持されており、製品の歩留まりもよく、又、脂質の酸化や分解が抑制され、えぐみや加熱後のドリップの発生もほとんどなく、異味や異臭もなく、色、艶も良く、風味良好であった。 【実施例26】 【0055】 <加工肉処理液> ホエー蛋白質濃縮物30質量部、カゼインナトリウム20質量部、大豆蛋白質30質量部、卵白粉末20質量部、実施例12の方法で調製した加工品の品質保持剤110質量部、塩化ナトリウム43質量部、乳酸ナトリウム15質量部、ポリリン酸塩3質量部、亜硝酸混合物0.5質量部、適量のスパイスと香料を加え、これに水を加えて、全量を1000質量部として、加工肉処理液を調製した。本品は、ピックル液として、豚ロース肉ブロック100質量部に対して約10〜60質量部を注射器で注入し、その肉を2〜15時間程度マッサージ器などによりマッサージした後、常法によりハムを調製する際に使用する。本品を使用して調製したハムは、冷蔵、チルド、冷凍保存後もドリップの発生やメーラード反応、香料や脂質などの酸化による黄変や異味、異臭の発生が抑制され、その品質が長期間保持される。 【実施例27】 【0056】 <焼き肉のタレ> 薄口醤油35質量部、みりん52質量部、砂糖4質量部、酵素水飴4質量部、実施例1の方法で調製した加工品の品質保持剤4質量部、アスコルビン酸2−グルコシド0.5質量部(株式会社林原生物化学研究所販売)、グルコン酸ナトリウム0.5質量部、プルラン(株式会社林原商事販売、「プルランPF−20」)0.5質量部、キサンタンガム0.5質量部、水0.2質量部を混合し、タレを調製した。本品に浸漬して調製した焼き肉は、冷蔵、チルド、冷凍保存後もドリップの発生やメーラード反応、脂質などの酸化による変色や異味、異臭の発生が抑制され、その品質が長期間保持される。また、焼き鳥に使用するとブロイラー臭が抑制され、醤油の風味や塩辛みが増強され、砂糖やみりんの後味が改善されることから、シャープな後味に仕上がり、肉をソフトに焼き上げることができる。 【実施例28】 【0057】 <ブロッコリースプラウト> ブロッコリースプラウトを、実施例13の方法で調製した加工品の品質保持剤10質量部とエタノール5質量部を水85質量部に溶解し、10℃に冷却した溶液に、60分間浸漬した。液切りをした後、2日間、冷蔵庫で保存後、本品にドレッシングをかけて試食したところ、鮮度の劣化もなく、また、ブロッコリースプラウト特有の青臭さなどの異味及び/又は異臭が低減されていた。本品は、サラダ、その他加工食品の原料として好適である。 【実施例29】 【0058】 <ジェル状化粧料> 55℃に加温した適量の精製水に、水溶性増粘剤(住友精化株式会社販売、商品名「アクペックHV505」)1.0質量部を溶解し、40℃になるまで冷却しておき、これに、予め、適量の精製水にアスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「AA2G」)2.0質量部を溶解し、水酸化カリウム0.86質量部を加えて、pHを6.3に調節した溶液を添加し、さらに、濃グリセリン4.0質量部、実施例6の方法で調製した加工品の品質保持剤2質量部、1,3−ブチレングリコール2.0質量部、ジプロピレングリコール2.0質量部、ソルビトール1.3質量部、ポリエチレングリコール(400)1.5質量部、1,2−ペンタンジオール3.1質量部、アラントイン1.0質量部、EDTA2ナトリウム0.1質量部、適量の香料を加えて、pH6.0の弱酸性の日焼け抑制用のジェル状化粧料を調製した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体及び金属封鎖剤として添加したEDTA2ナトリウムにより、その色や香り、ジェルの強度などが長期間安定に保持される。また、本品は、ジプロピレングリコール及びポリエチレングリコールを配合していることから、高分子多糖類と、1,3−ブチレングリコールや1,2−ペンタンジオールなどを使用したジェル基剤に、アスコルビン酸2−グルコシドを配合した場合に発生することが知られているゲル強度の低下や濁りの発生が抑制されているので、高粘度で、透明感のあるジェルである。また、本品は、塗布後のよれや垢状の固状物の発生、異味や異臭も抑制されていることから、使用感、外観に優れたジェル状化粧料である。 【実施例30】 【0059】 <化粧用クリーム> モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール2質量部、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン5質量部、ベヘニルアルコール3質量部、エイコサテトラエン酸2質量部、流動パラフィン5質量部、トリオクタン酸グリセリル10質量部および防腐剤の適量を常法に従って加熱溶解し、これに実施例6の方法で調製した加工品の品質保持剤1.6質量部、L−アスコルビン酸2−グルコシド(株式会社林原生物化学研究所販売、商品名「AA2G」)2質量部、EDTA2ナトリウム0.2質量部、ヒアルロン酸ナトリウム0.1質量部、グリチルリチン酸2カリウム0.1質量部、アロエベラエキス0.1質量部、メリッサエキス0.05質量部、カミツレエキス0.05質量部、糖転移ルチン1.5質量部、藍のエタノール抽出物1質量部、dl−乳酸ナトリウム5質量部、1,3−ブチレングリコール5質量部、適量の香料および精製水66質量部を加え、ホモゲナイザーにかけて乳化し、更に香料の適量を加えて撹拌混合しクリームを製造した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤を配合しているので、アスコルビン酸2−グリコシドの褐変抑制効果や香料、その他の成分の酸化による劣化が抑制されており、その効果は、糖転移ルチンを配合することでさらに増強されることから、クリームの色や香りなどが、長期間、安定に保持される。また本品は、保湿性に優れている上に、皮膚に対する刺激性が低いので、過敏症を懸念することなく利用することができる。また、皮膚に塗布してもベタ付き感のない、異味や異臭もなく、使用感に優れた、塗り心地の良いクリームである。 【実施例31】 【0060】 <シャンプー> 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン(30%水溶液)35質量部、ヤシ油脂肪酸グルタミン酸トリエタノールアミン液(30%水溶液)35質量部、実施例6の方法で調製した加工品の品質保持剤10質量部、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド2.3質量部、糖転移ルチン3質量部、EDTA2ナトリウム0.25質量部、感光色素201号0.1質量部、感光色素301号0.1質量部に精製水10質量部を加えて混合後、撹拌しながら70℃に加温して溶解し、更に適量の香料を加えて、常法により、シャンプーを製造した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤のEDTA2ナトリウムを配合しているので、クリーム基剤として使用されている乳化剤や香料などの成分の酸化による不快臭の発生が低減され、使用時の泡立ちもよく、泡が安定しているので、使用感に優れたシャンプーである。また、本品は、揮発性アルデヒド類の生成及び/又は脂質の酸化や分解をよく抑制し、頭皮や皮脂に由来する異臭の発生の予防、かゆみの予防やフケの発生の抑制、育毛、養毛或いは、頭皮の老化の治療用、予防用などに有利に利用できる。さらに、本品は、保湿性に優れている上、皮膚に対する刺激性が低いので、過敏症を懸念することなく利用することができる。 【実施例32】 【0061】 <ヘアジェル> カルボキシビニルポリマー0.7質量部、ポリビニルピロリドン2質量部、実施例6の方法で調製した加工品の品質保持剤2質量部、グリセリン1質量部、水酸化カリウム0.1質量部、エタノール20質量部、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル0.2質量部、ジヒドロキシエチルグリシン0.1質量部、香料0.01質量部、精製水77.2質量部を加えて、常法により、ヘアジェルを調製した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質と金属封鎖剤のジヒドロキシエチルグリシンを配合しているので、ジェルの基剤として使用されている乳化剤や香料などの成分の酸化による異臭の発生が低減され、その品質が長期間安定に保持される。また、本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質が、優れたセット性と毛髪の滑りをよくする作用を有しているので、毛髪に使用すると、セット力と使用感に優れており、しかも、整髪が乱れた場合には、少量の水を使用することにより、容易に毛髪をセットし直すことができる。 【実施例33】 【0062】 <配合飼料> 粉麩30質量部、脱脂粉乳35質量部、米糠10質量部、ラクトスクロース高含有粉末10質量部、総合ビタミン剤10質量部、魚粉5質量部、第二リン酸カルシウム5質量部、液状油脂3質量部、炭酸カルシウム3質量部、食塩2質量部、実施例11の方法で調製した品質保持剤4質量部及びミネラル剤2質量部、市販の生ローヤルゼリー1質量部、市販のプロポリスエキス0.5質量部を配合して、配合飼料を製造した。本品は、長期間品質が保持される、家畜、家禽、ペットなどのための飼料であって、とりわけ、子豚用飼料として好適である。また、本品は、ラクトスクロース含有しているので、飼育動物に摂取させると、腸内のビフィズス菌が増殖し、腸内の菌叢が整えられることから、ミネラルの吸収が促進されるので、感染予防、下痢予防、肥育促進、糞便の臭気抑制などに有利に利用できる。更に、本品は、必要に応じて、他の飼料材料、例えば、穀類、小麦粉、澱粉、油粕類、糟糠類などの濃厚飼料材料や、ワラ、乾草、バガス、コーンコブなどの粗飼料材料などと併用して、配合飼料にすることも随意である。 【産業上の利用可能性】 【0063】 以上説明したとおり、本発明は、α,α−トレハロースの糖質誘導体と金属封鎖剤とを加工品に含有せしめることにより、加工品の品質を保持するものである。しかも、α,α−トレハロースの糖質誘導体は、安全で、且つ、非常に安定であることから、この糖質誘導体と金属封鎖剤を有効成分として含有する品質保持剤の利用分野は、飲食品、化粧品、医薬部外品、医薬品、飼料、餌料、ペットフード、日用品、雑貨、化学工業品など多岐に渡る。本発明は、この様に顕著な効果を奏する発明であり、産業上の貢献は誠に大きく、意義のある発明である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000155908 【氏名又は名称】株式会社林原生物化学研究所 【住所又は居所】岡山県岡山市下石井1丁目2番3号
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| 【出願日】 |
平成16年6月3日(2004.6.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−13227(P2005−13227A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月20日(2005.1.20) |
| 【出願番号】 |
特願2004−166364(P2004−166364) |
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