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【発明の名称】 非小麦穀物成分を含有する粉組成物、およびそれから製造されるヌードル
【発明者】 【氏名】王 新▲チョアン▼

【要約】 【課題】ヌードルに好適な生地ができる様になした乾燥粉組成物を提供する。

【解決手段】乾燥粉組成物は小麦粉および非小麦穀物粉を含み、非小麦穀物粉は全体の少なくとも50%重量%で、オート麦、蕎麦、大麦等から選択される。小麦粉として、小麦グルテン粉を含み、小麦粉および該小麦グルテン粉が粗蛋白質を含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地を形成するために水と混合される乾燥粉組成物であって、該粉組成物は以下を特徴とする:
小麦粉、および非小麦穀物粉[該小麦粉は約6〜20%の粗蛋白質を提供する]。
【請求項2】
前記非小麦穀物成分の量が、前記乾燥粉組成物の総重量の少なくとも50重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥粉組成物。
【請求項3】
前記小麦粉が小麦グルテン粉を含み、該小麦粉および該小麦グルテン粉が粗蛋白質を含有することを特徴とする、請求項1に記載の乾燥粉組成物。
【請求項4】
前記非小麦穀物成分が、オート麦、蕎麦、大麦、米、玄米、やまのいも及び鳩麦からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥粉組成物。
【請求項5】
前記非小麦穀物成分がオート麦であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥粉組成物。
【請求項6】
カードランガムにより更に特徴付けられる、請求項3に記載の乾燥粉組成物。
【請求項7】
前記乾燥粉組成物の総重量に基づいて0.1重量%〜1.5重量%の量のカードランガムにより更に特徴付けられる、請求項3に記載の乾燥粉組成物。
【請求項8】
前記乾燥粉組成物の総重量に基づいて7.5重量%〜15重量%の量のカードランガムにより更に特徴付けられる、請求項1に記載の乾燥粉組成物。
【請求項9】
塩により更に特徴付けられる、請求項1に記載の乾燥粉組成物。
【請求項10】
前記塩の量が、前記乾燥粉組成物の総重量に基づいて0.1〜1.5重量%であることを特徴とする、請求項9に記載の乾燥粉組成物。
【請求項11】
以下により特徴付けられる原材料を有する乾燥粉組成物:
小麦粉、小麦グルテン粉、およびオート麦粉[ここで、該小麦粉、小麦グルテン粉およびオート麦粉が混合されて該乾燥粉組成物を形成しており、そして該小麦粉中の粗蛋白質の量および該小麦グルテン粉中の粗蛋白質の量が、総計で該乾燥粉組成物の約6〜20%であり、それによって、得られる生地においてマトリクス構造を提供する]。
【請求項12】
前記ヌードル製品が、カレンダー成形によって製造されることを特徴とする、請求項11に記載の乾燥粉組成物。
【請求項13】
前記ヌードル製品が押出成形によって製造されることを特徴とする、請求項11に記載の乾燥粉組成物。
【請求項14】
請求項11に記載の乾燥粉組成物から製造される生地製品。
【請求項15】
請求項11に記載の乾燥粉組成物から製造されるヌードル。
【請求項16】
小麦粉、小麦グルテン粉、およびオート麦粉を含む乾燥粉混合物へ水を添加することによって製造される生地であって、該小麦粉、小麦グルテン粉およびオート麦粉が混合されて該乾燥粉混合物を形成しており、そして該小麦粉中の粗蛋白質の量および該小麦グルテン粉中の粗蛋白質の量が、総計で該乾燥粉混合物の約6〜20%であり、それによって該生地においてマトリクス構造を提供する、生地。
【請求項17】
生地を製造する方法であって、小麦粉、小麦グルテン粉およびオート麦粉を混合して乾燥粉混合物を形成する工程、該乾燥粉混合物へ水を添加する工程、該小麦粉中の粗蛋白質の量および該小麦グルテン粉中の粗蛋白質の量を、該乾燥粉混合物中の粗蛋白質を総計で約6〜20%を提供するように制御して、それによって該生地においてマトリクス構造を提供する工程を特徴とする、方法。
【請求項18】
前記生地を押出成形してヌードルを形成させる工程を更に特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記生地をカレンダー成形してヌードルを形成させる工程を更に特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
カードランガムを添加することを更に特徴とする、請求項17に記載の方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、食品、そしてより詳細には小麦および非小麦成分の両方を含有する食品に関する。本発明はまた、このような食品から製造されるヌードルに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
現在市販の穀物ヌードルは、非小麦穀物粉(non-wheat cereal flours)(例えば、オート麦粉、蕎麦粉、大麦粉、鳩麦粉、米粉、玄米粉など)を含有し得、このことは、このような穀物粉から生地を作製する際に、マトリクスまたは網状構造(a matrix or net-like structure)を形成することを困難にさせる。結果として、現在市販のヌードル中のこのような非小麦穀物粉は、少量だけとなるように制御されるべきである。そうでなければ、多量の非小麦粉を含むこのようなヌードルは、消費者に好まれる良好な口当たりまたはテクスチャー(mouthfeel or texture)を有さない。
【0003】
健康考慮は、一般的に、少なくても最小限量の小麦および非小麦穀物の両方を毎日摂取することが好ましいことを指示している。従って、一般的に、人は、小麦および非小麦穀物(例えば、オート麦)を、毎日の食事レジメの一部として含むことが推奨されている。3つの主なタイプの小麦が存在する:硬質小麦、軟質小麦およびデュラム小麦。硬質小麦および軟質小麦は、一般的に、ベイキングに使用され、一方デュラム小麦は、セモリナに挽かれた場合、ヌードルのために使用される。
【0004】
オート麦は、水溶性繊維、β−グルカン、蛋白質、ビタミン、およびミネラル物質を大量に含有しているため、栄養とカロリーが適切な食物原材料である。更に、オート麦含有食品は、コレステロールを下げることが知られている。従って、人は、低脂肪およびコレステロール含有率である食事の一部として取った場合、1日当たりβ−グルカンを3グラム以上含有するオート麦含有食品を消費することによって、心臓血管疾患の危険性を低減させ得る。
【0005】
しかし、オート麦は、β−グルカンを2〜6重量%しか含有していない。従って、1日当たり3グラムのβ−グルカンを摂取するためには、毎日、50〜150グラムのオート麦を食する必要がある。このような重い要求があり、オート麦は、毎日十分なβ−グルカンの要求を満たすためだけに、食事の主な部分となり、そして結果として、そうすることが重荷となり得る。
【0006】
更に、現在市販のオート麦含有食品(例えば、クッキー、朝食シリアルなど)から毎日十分なβ−グルカンを摂取することは可能ではなく、何故ならばこのような食品は、十分な量のオート麦原材料を含有していないからである。
【0007】
従って、咀嚼が容易でありそして十分な量の前述の小麦および非小麦穀物を含有する食品(例えば、ヌードル)を食することが、非常に望ましい。
【0008】
従来のヌードルは、主成分として小麦粉を含有している。小麦粉は、通常、生地の構造を形成するための2つの主成分として、約9〜14重量%の蛋白質および75〜80重量%の澱粉を含んでいる。
【0009】
小麦粉に含まれる蛋白質は、一般的に、約80%の水不溶性グルテン蛋白質を有する。グルテン蛋白質は、主にグルテニンおよびグリアジンから構成される。グルテニンは、アルカリ可溶性蛋白質であり、そしてサブユニットの末端を結合させそして生地に延性を提供するダブル硫黄結合を有している。グリアジンは、アルコール可溶性蛋白質であり、そして生地に弾性を提供するための分子内ダブル結合を有している。更に、小麦粉に含まれる蛋白質は、生地の製造の間に網状またはマトリクス構造を提供する、大量のチオールアミノ酸を含む約20%水溶性および塩溶性蛋白質を有する。
【0010】
小麦粉に含まれる澱粉は、一般的に、約25%のアミロースおよび約75%のアミロペクチンを含み、澱粉顆粒サイズで見ると2グループの澱粉を含む。生地を製造するために小麦粉を使用する際、小麦粉に含まれる澱粉顆粒および蛋白質の組み合わせによって形成される糊粉(aleurone)が分解される。澱粉顆粒が網状構造へ分散されそしてはめ込まれ、蛋白質と共に強固な構造を形成する。網状構造を有する生地(dough)は、引き続いて、シート成形(sheeting)、複合(combining)、圧延、および切断によって加工されてヌードルを形成する。
【0011】
上述のように、ヌードルは、一般的に、主成分としてデュラム小麦で作製される。デュラム小麦および硬質または軟質小麦は、化学組成および物理的性質の点で、互いに相違している。しかし、デュラム小麦は、多量の蛋白質を含有し、そのグルテンは、熱硬化性と共に相当な可撓性を有する。更に、デュラム小麦に含まれる澱粉のゲル化特性およびヌードルを製造するための加工条件は、硬質または軟質小麦から作製されたヌードルのそれとは異なる。従って、デュラム小麦ヌードルの色、風味、テクスチャー(texture)、および口当たり(mouthfeel)特性は、硬質または軟質小麦ヌードルのそれと異なっている。
【0012】
上述のように、硬質または軟質小麦ヌードルおよびデュラム小麦ヌードルは、小麦粉の種類および加工条件が異なっているが、各々のヌードルを製造する原理(即ち、粉に含まれる蛋白質および澱粉により網状構造を形成させることによる)は類似している。
オート麦粉は12〜15重量%の蛋白質を含有しているが、生地製造の間に必要な網状構造を形成するために十分な割合のグルテン蛋白質がない。従来の製法および装置によって、オート麦生地を従来のヌードルに加工することは難しい。さらに、オート麦生地はパスタ製麺機(pasta machine)によってヌードルに加工され得るが、それによって作製されるヌードルは、容易に切れる傾向にある。オート麦生地から作製されるヌードルは、調理時にペースト状になりやすい。比較的多量の非小麦穀物成分(例えば、オート麦など)を含有する粉組成物、およびそれから製造される麺製品が、現在でもまだ開発されなければならない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の要旨
本発明の利点は、先行技術の上述の欠点を克服する、比較的多量の非小麦穀物成分を含有する粉組成物である。
【0014】
本発明の別の利点は、本発明の粉組成物から製造されたヌードルである。
【0015】
本発明の1局面によれば、乾燥粉組成物は、生地を形成するために添加水(added water)と混合される。該粉組成物は、小麦粉成分および非小麦穀物成分(noh-wheat cereal component)を含む。非小麦穀物成分の量は、生地全体が添加水の非存在下で乾燥粉組成物の総重量に基づいて少なくとも6重量%の粗蛋白質(crude protein)を含有しなければならないという要件によって支配されている。乾燥粉組成物は、生地に網状構造を提供するに十分な量で、添加物(小麦グルテン蛋白質およびカードランガムからなる群から選択される)を含有してもよい。
【0016】
別の局面によれば、本発明は、上述の乾燥粉組成物から製造されるヌードルを含む。
【0017】
従って、本発明は、ヌードルに好適なテクスチャーを提供するマトリクスを形成させるような十分な量で小麦グレイン(wheat grain)および非小麦グレイン(non-wheat grain)を有するヌードルを含む。より詳細には、該ヌードルは、硬くてコシのある(chewy)テクスチャーを有するヌードルを製造するに十分な割合および量で、小麦グレイン、小麦グルテン、およびオート麦を含有する。
【0018】
従って、本発明は以下を提供する:
項1. 生地を形成するために水と混合される乾燥粉組成物であって、該粉組成物は以下を特徴とする:
小麦粉、および非小麦穀物粉[該小麦粉は約6〜20%の粗蛋白質を提供する]。
項2. 前記非小麦穀物成分の量が、前記乾燥粉組成物の総重量の少なくとも50重量%であることを特徴とする、上記項1に記載の乾燥粉組成物。
項3. 前記小麦粉が小麦グルテン粉を含み、該小麦粉および該小麦グルテン粉が粗蛋白質を含有することを特徴とする、上記項1に記載の乾燥粉組成物。
項4. 前記非小麦穀物成分が、オート麦、蕎麦、大麦、米、玄米、やまのいも(Chinese yam)及び鳩麦からなる群から選択されることを特徴とする、上記項1に記載の乾燥粉組成物。
項5. 前記非小麦穀物成分がオート麦であることを特徴とする、上記項1に記載の乾燥粉組成物。
項6. カードランガムにより更に特徴付けられる、上記項3に記載の乾燥粉組成物。
項7. 前記乾燥粉組成物の総重量に基づいて0.1重量%〜1.5重量%の量のカードランガムにより更に特徴付けられる、上記項3に記載の乾燥粉組成物。
項8. 前記乾燥粉組成物の総重量に基づいて7.5重量%〜15重量%の量のカードランガムにより更に特徴付けられる、上記項1に記載の乾燥粉組成物。
項9. 塩により更に特徴付けられる、上記項1に記載の乾燥粉組成物。
項10. 前記塩の量が、前記乾燥粉組成物の総重量に基づいて0.1〜1.5重量%であることを特徴とする、上記項9に記載の乾燥粉組成物。
項11. 以下により特徴付けられる原材料を有する乾燥粉組成物:
小麦粉、小麦グルテン粉、およびオート麦粉[ここで、該小麦粉、小麦グルテン粉およびオート麦粉が混合されて該乾燥粉組成物を形成しており、そして該小麦粉中の粗蛋白質の量および該小麦グルテン粉中の粗蛋白質の量が、総計で該乾燥粉組成物の約6〜20%であり、それによって、得られる生地においてマトリクス構造を提供する]。
項12. 前記ヌードル製品が、カレンダー成形によって製造されることを特徴とする、上記項11に記載の乾燥粉組成物。
項13. 前記ヌードル製品が押出成形によって製造されることを特徴とする、上記項11に記載の乾燥粉組成物。
項14. 上記項11に記載の乾燥粉組成物から製造される生地製品。
項15. 上記項11に記載の乾燥粉組成物から製造されるヌードル。
項16. 小麦粉、小麦グルテン粉、およびオート麦粉を含む乾燥粉混合物へ水を添加することによって製造される生地であって、該小麦粉、小麦グルテン粉およびオート麦粉が混合されて該乾燥粉混合物を形成しており、そして該小麦粉中の粗蛋白質の量および該小麦グルテン粉中の粗蛋白質の量が、総計で該乾燥粉混合物の約6〜20%であり、それによって該生地においてマトリクス構造を提供する、生地。
項17. 生地を製造する方法であって、小麦粉、小麦グルテン粉およびオート麦粉を混合して乾燥粉混合物を形成する工程、該乾燥粉混合物へ水を添加する工程、該小麦粉中の粗蛋白質の量および該小麦グルテン粉中の粗蛋白質の量を、該乾燥粉混合物中の粗蛋白質を総計で約6〜20%を提供するように制御して、それによって該生地においてマトリクス構造を提供する工程を特徴とする、方法。
項18. 前記生地を押出成形してヌードルを形成させる工程を更に特徴とする、上記項17に記載の方法。
項19. 前記生地をカレンダー成形してヌードルを形成させる工程を更に特徴とする、上記項17に記載の方法。
項20. カードランガムを添加することを更に特徴とする、上記項17に記載の方法。
【0019】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明において使用される小麦粉成分は、小麦グルテン粉のみ、あるいは小麦グルテン粉および軟質または硬質小麦粉の混合物を含んでもよい。小麦粉成分は、小麦グルテン蛋白質を含有する粗蛋白質を提供する。小麦粉成分は、該乾燥粉組成物の総重量に基づいて少なくとも6重量%、好ましくは6〜20重量%、より好ましくは10〜18重量%の粗蛋白質を提供するに十分な量で、該乾燥粉組成物へ添加される。粗蛋白質含有率が20%より高い場合、それから得られるヌードルは、受入れられない硬い口当たり特徴を有し始める。粗蛋白質含有率が6%未満である場合、ヌードルは、受入れられない軟らかい口当たり特徴を示す。更に、粗蛋白質含有率が6重量%未満である場合、それから製造されるヌードルは、低いコシ(chewability)および弾性を有する米麺のものと同様な口当たり特徴を示す。粗蛋白質含有率が6重量%より高い場合、得られる麺は、改善されそして受入れられる弾性およびコシを示す。粗蛋白質は、グルテンを供給し、これは、オート麦内容物を結合する網状構造を提供するマトリクスとして機能する。軟質または硬質小麦は多量で存在しなければ、グルテンを供給し得ず、従って、それは、必要な6〜20%粗蛋白質含有率を提供するために、小麦グルテン粉が補給され得る。従って、軟質または硬質小麦、小麦グルテン、およびオート麦の組み合わせは、受入れられる口当たり(mouthfeel)、テクスチャー(texture)、硬さ(firmness)および粘着性(stickiness)を有するヌードルを製造するために必要であるかもしれない。
【0020】
本発明における使用のために必須ではないが、デュラム小麦またはセモリナが、少量混合されてもよい。より詳細には、上述のように、少なくとも6%粗蛋白質が、グレインのこの組み合わせから要求される。従って、8%粗蛋白質が望まれる場合であって、そして使用される小麦グルテン粉が80%粗蛋白質でありそして使用される小麦粉が16%粗蛋白質である場合、式:
8%=80%x+16%y
x=生地中の小麦グルテン粉%(乾燥重量)
y=生地中の軟質または硬質小麦粉%(乾燥重量)
および式:
x+y+z=100%
z=生地中のオート麦粉%(乾燥重量)
が用いられる。ヌードル乾燥粉中の原材料の必要なパーセンテージは確かめられ得る。
【0021】
粗蛋白質およびオート麦粉含有率の種々のパーセンテージは、種々のテクスチャーのヌードルを与えるだろう。粗蛋白質が6%未満である場合、上述のように、テクスチャーは失われそして軟らかく、そして受入れられない。好ましくは、粗蛋白質の量が14〜18%である場合、テクスチャーは最善であると判った。当然ながら、デュラム小麦およびセモリナが、種々の所望の味および効果に従うように、本発明と組み合わせて使用され得、そして依然として本発明の範囲内にある。
【0022】
健康食品用途において、75%オート麦粉が必要され得る。従って、少なくとも20%小麦グルテン粉が、ヌードルに必要な構造およびテクスチャーを与えるために必要とされる。
【0023】
カードランガムが、ヌードルへより多くの構造を提供するために、本発明の乾燥粉組成物中の添加物として使用され得る。カードランガムは、細菌Alcaligenes faecalis var. Myxogenesから純粋培養発酵により産生された天然の多糖(β−1,3グルカン)である。カードランガムは、側鎖を有しない中程度の分子量(DP−450)の非分岐鎖状1→3β−Dグルカン(分子量〜100K)である。カードランガムは、生地に網状構造を提供するための原材料として、単独でまたはグルテン蛋白質粉と共に、乾燥粉組成物へ添加され得る。カードランガムは、通常、ゲル化剤として食品加工において使用され、そして60℃まで加熱されそして40℃未満に冷却されると、弱い低凝固ゲル(a weak low-set gel)を生成する。しかし、温度が80℃より高くなると、カードランガムは、より強い熱不可逆性ゲル(a stronger thermo-irreversible gel)を生成し得る。ヌードルは通常80℃より高い温度で調理されそして引き続いて冷却されることが必要とされるので、ヌードルは、異なる温度で異なる特徴を示す。
【0024】
使用されるオート麦の量は、オート麦含有粉組成物において好適な量のカードランガムを使用することに伴って、増加され得る。ヌードルの弾性は、このような添加によって改善され得、そしてヌードルの粘着性は、同様に減少され得る。カードランガムが小麦グルテン蛋白質と共に添加される場合、カードランガムの量は、乾燥粉組成物の総重量に基づいて0.1〜1.5重量%である。カードランガムが、小麦グルテン蛋白質を使用することなく、単独で添加される場合、カードランの量は乾燥粉組成物の総重量に基づいて7.5〜15重量%である。
【0025】
更に、約20%の水溶性および塩溶性蛋白質が硬質または軟質小麦粉に含有されているので、塩が、生地の網状構造の形成を更に増強させるために、水と共に、粉組成物へ添加され得る。塩の量は、一般的に、乾燥粉組成物の総重量に基づいて、2重量%未満、好ましくは1.5重量%未満、そしてより好ましくは0.1〜1.5重量%である。
【0026】
本発明の他の特徴および利益は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明において明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施例:
実施例において使用した材料:
1.オート麦粉:オーストラリア種のオート麦を粉に挽くことによって供給される;
2.小麦グルテン粉:60%以上のグルテンを含有し、そして80%の粗蛋白質を有する(実験室で測定);
3.小麦粉:14%粗蛋白質を含有する;
4.塩:99.5%以上の純度;および
5.カードランガム:98.6%以上の植物繊維を含有する(日本、武田薬品工業株式会社製)。
【0028】
設備:
1.従来の麺を製造するための機械:
−最大生産量:200kg/hr;
−乾燥後のヌードル:厚さ1.1mmそして幅1.8mm;
−最初の材料の混合、生地シート成形、2つのシートの複合、圧延、麺切り、および蒸しユニットを含む;
2.パスタ製麺機:
−最大生産量:30kg/hr;
−乾燥後のヌードル:厚さ1.1mmそして幅5.0mm;
−イタリアLa Parmigiana社製の実験室用パスタ製麺機;および
3.乾燥設備:
−温度・湿度制御を備えたオーブン。
【0029】
分析方法:
1.官能分析:
ヌードルの品質を、5分間水中で調理しそして水を切った後、水の濁り、コシ、および弾性について、5人の試験員によって判定した。各特性について官能分析結果を、5つのクラスに分類した:
水の濁り:1(濁らない);2(やや濁る);3(中程度に濁る);4(濁る);そして5(かなり濁る);
コシ:1(コシがない);2(コシがややある);3(中程度にコシがある);4(顕著にコシがある);そして5(高度にコシがある);および
弾性:1(弾性がない);2(弾性がややある);3(中程度に弾性がある);4(弾性がある);そして5(非常に弾性がある)。
【0030】
2.Stable Micro Systems社製のテクスチャーアナライザー(texture analyzer)を用いて測定を行った。
【0031】
50グラムの麺製品を、5分間、500mlの沸湯中で調理し、そして引き続いて冷水に浸け、水切りをし、周囲温度に冷却した。5本の麺をテクスチャーアナライザーによって分析した。プローブ(probe)を、ヌードルストランドの硬さ(Pasta Firmness RIG code HDP/PFS)を検出するために、使用した。ヌードルストランドを圧縮するために必要とされる力を測定した。測定パラメーターは以下であった:
−プレテスト速度:1.0mm/秒;
−テスト速度:0.5mm/秒;
−ポストテスト速度:10.0mm/秒;および
−距離:90%。
【0032】
そして、ヌードル製品のサンプルのテクスチャー、粘着性および硬さを、一定の速度および圧力の条件下で分析した。粘着性および硬さをg/cm2で示す。
【0033】
3.濁度計測定:
濁度計は、HACH社製の Model2100P Portable Turbidimeterである。
【0034】
50gのヌードル製品を、5分間、500mlの沸湯中で冷却し、そして引き続いて水切りして水を除去した。水の濁度を濁度計で測定した。濁度計の読み取り値をNTUで表した。読み取り値が高いほど、濁度が高くなる。
テクスチャーアナライザー測定および濁度計測定の結果を、官能判定の結果と比較した。
【0035】
実施例1〜14:
各実施例の乾燥粉組成物は、小麦グルテン粉または小麦グルテン粉+小麦粉を含む、小麦粉成分を含有した。実施例は8%以上の粗蛋白質を含んだ。水の添加後、粉組成物を、ヌードルを製造するための従来の機械を使用して生地シート成形、2つのシートの複合、圧延、麺切り、蒸しおよび乾燥によって加工した。ヌードル製品の特徴を、テクスチャーアナライザーを使用して分析した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】


【0037】
表1において、90%オート麦粉を含む実施例1のヌードルは、現在市販のヌードル製品のものに匹敵する1330g/cm2の硬さを有することが示されている。実施例1において、8%の粗蛋白質が、乾燥粉組成物に基づいて10%の小麦グルテン粉によって完全に提供されている。他の実施例は、同量の粗蛋白質で、オート麦粉の量を85重量部に増加させたとしても、ヌードルの硬さは少なくとも2000g/cm2であり得ることを示す。
【0038】
実施例15〜22:
これらの実施例における乾燥オート麦含有粉組成物は、75重量部のオート麦粉と、25重量部の小麦グルテン粉および小麦粉の混合物とをブレンドすることによって製造した。小麦グルテン粉および小麦粉の比率は、表2に示すような粗蛋白質の量を提供するように調節した。乾燥粉組成物の総重量に基づいて1.5重量%の塩を添加した。次いで、乾燥粉組成物を、ヌードル製品を製造するための従来の機械を使用して、生地シート成形、2つのシートの複合、圧延、麺切り、蒸しおよび乾燥により加工した。ヌードル製品の品質を分析した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】


【0040】
実施例23〜30:
実施例23〜30は、実施例23〜30をパスタ製麺機(pasta machine)によってヌードルに加工したこと以外は実施例15〜22と同一である。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】


【0042】
表2および3に示されるように、実施例の乾燥オート麦含有粉組成物を、ヌードルを製造するための従来の機械によるカレンダー成形(calendering)および同様のパスタ製麺機による押出加工(extruding)によって、ヌードル製品に加工した。コシ、弾性、および硬さのような性質が、粗蛋白質の量の増加に伴って、改善された。これは、ヌードル製品の網状構造が、粗蛋白質の増加に伴って強化されることを意味する。粘着性は付随的に低減された。これは、麺の調理時に澱粉からペースト状物質を形成する傾向が低減されることを意味し、そしてコシの改善を示す。
【0043】
調理後の従来のヌードルの硬さおよび粘着性は、それぞれ、1500〜3000g/cm2および150〜250g/cm2である。表1〜3に示されるように、本発明の粉組成物が、乾燥粉組成物の総重量に基づいて少なくとも6重量%の量の粗蛋白質を含有する場合、カレンダー成形によって製造された本発明のヌードル製品は、塩が添加されるか否かに関わらず、現在市販のヌードル製品のものと匹敵する硬さを有する。本発明の粉組成物が12重量%を超える粗蛋白質を含有する場合、そこに塩が添加された粉組成物から製造されたヌードル製品は、現在市販のヌードル製品のそれよりも高い硬さを有し、そして従来のヌードルのそれよりも高い粘着性を有する。
【0044】
さらに、表3に示されるように、6〜20重量%の粗蛋白質を含有する粉組成物をパスタ製麺機で押出加工することによって製造されたヌードル製品は、消費者に好まれるコシ、弾性、および硬さを有する。しかし、味は様々に変化し得るが、その口当たりは市販のヌードルのそれと正確に同じではない。従って、より多くの小麦グルテンまたは必要に応じてカードランガムを添加して粗蛋白質の量を増加させることによって、特定の地域の味に順応させることが必要であるかもしれない。
【0045】
実施例31〜35:
実施例31〜35は、80重量%のオート麦粉および20重量%の小麦グルテン粉を含有する。粉組成物へ添加する塩水溶液の量を変化させた。各々の粉組成物を、パスタ生地を製造するための従来のカレンダー成形機を使用して混合、シート成形、複合、圧延、麺切り、蒸しおよび水切りによって、カレンダー成形されたヌードル製品に加工した。ヌードル製品の品質を分析した。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】


【0047】
実施例36〜40:
実施例36〜40の粉組成物は、実施例36〜40の粉組成物を押出加工パスタ製麺機によってヌードルに押出加工したこと以外は、実施例31〜35と同一である。結果を表5に示す。
【0048】
【表5】


【0049】
表4に示されるように、カレンダー成形によって製造されたヌードルは、塩の添加量によって影響を受け得る。0〜1.5乾燥重量%の範囲の塩の量において、硬さは、塩の量が増加するにつれて増加される。塩を添加していない実施例31の麺の硬さは、1.5%塩を添加した実施例34の麺のそれよりも1/4低い。しかし、塩の添加量が1.5%を超えると、ヌードルの硬さはそれ以上増加しない。1.5%の塩が粉組成物に含まれる塩溶性蛋白質に影響を与えるために十分な添加量であることが明らかである。表5において、押出加工によって製造されたヌードルの硬さが塩を添加することによって影響を受けないことが示されている。
【0050】
実施例41〜45:
これらの実施例において使用される各々の乾燥粉組成物は、80重量%のオート麦粉および20重量%の小麦グルテン粉を含有した。更に、1.5%(w/w)の塩および種々の量のカードランを、各々の粉組成物に添加した。各々の粉組成物を、従来のヌードルを製造するためのカレンダー成形機を使用して混合、シート成形、複合、圧延、麺切り、蒸しおよび乾燥により、ヌードル製品に加工した。ヌードル製品の品質を分析した。結果を表6に示す。
【0051】
【表6】


【0052】
実施例46〜50:
実施例46〜50の粉組成物は、実施例46〜50の粉組成物が押出加工パスタ製麺機によってヌードルへ押出加工されたこと以外は、実施例46〜50のものと同一である。結果を表7に示す。
【0053】
【表7】


【0054】
表6に示すように、カレンダー成形によって製造された食品の硬さは、カードランガムを添加することによって効果的に増加され、一方、官能スケール(sensory scales)は維持したままである。即ち、グルテンによって形成される網状またはマトリクス構造は、カードランガムを粉組成物に添加することによって強化され得る。しかし、カードランガムの添加量が1%を超えると、ヌードル製品の硬さはそれ以上増加しない。また、カードランガムの添加は、ヌードル製品の粘着性に影響を与えない。カードランガムによって形成されるマトリクスは、マトリクス内にオート麦の微細な澱粉顆粒を含有する、グルテン蛋白質によって形成されるもののようではないことは明らかである。表7において、押出加工によって製造されるヌードル製品の特性は、カードランガムを添加することによっては影響を受けないことが示される。
【0055】
更に、生地のマトリクスを提供するための添加物として、小麦グルテン粉および小麦粉を添加せずに、カードランガムのみを使用する場合、7.5〜15.0%の範囲の添加量が、所望の特性を得るために好適である。他方で、10重量%のカードランガムおよび10重量%の小麦グルテン粉を、ぞれぞれ、90重量%のオート麦粉へ添加して粉組成物を作製し、そして該粉組成物を、押出加工によってヌードルに加工した場合、10重量%のカードランガムのみを使用して製造したヌードルは、カードランガムに加えて10重量%の小麦グルテン粉を使用して製造したものよりも硬くそして粘着性が高い(470g/cm2対278g/cm2)。また、カードランガムのみを生地のマトリクスを提供するための添加物として使用した場合、生地は、加熱するか否かに関わらず、ヌードルを形成するために容易にはカレンダー成形されないことが判った。
【0056】
カレンダー成形により製造されたオート麦含有ヌードル製品についての調理試験:
75%のオート麦粉および25%の小麦グルテン粉を含有する乾燥粉組成物を使用した。更に1.5%の塩を粉組成物へ添加した。ヌードル製品をカレンダー成形によって製造し、そしてその調理特徴を試験するために水中で調理した。結果を表8に示す。
【0057】
【表8】


【0058】
表8は、ヌードル製品が、30分間の調理後、約3000g/cm2の硬さを有し、そして良好な口当たり特性を示すことを表わす。調理、洗浄および水切り後のヌードル製品は、市販のパスタのそれと同様の口当たり特性を有した。
【0059】
他の穀物
表9における実施例は、80重量%の記載の穀物を含有する。18.5重量%の小麦グルテン粉および1.5%の塩を、各実施例に添加する。ヌードル製品をカレンダー成形によって製造し、そしてテクスチャーアナライザーによって試験する。結果を表9に示す。
【0060】
【表9】


【0061】
表9から、本発明は他の穀物を用いて使用されて、オート麦以外の非小麦穀物を多量に含有するヌードル製品を製造し得ると結論付けるだろう。
【0062】
本発明は、最も実用的かつ好ましい実施形態と考えられるものと関連して説明されたが、本発明は開示の実施形態に限定されず、しかし最も広範な解釈の精神および範囲内に含まれる種々のアレンジを網羅して、全てのこのような改変および等価のアレンジを包含するように意図されることが、理解される。
【出願人】 【識別番号】503200925
【氏名又は名称】佳格食品股▲分▼有限公司
【出願日】 平成16年3月5日(2004.3.5)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二

【識別番号】100076510
【弁理士】
【氏名又は名称】掛樋 悠路

【識別番号】100086427
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 健志

【識別番号】100099988
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 健治

【識別番号】100105821
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 淳

【識別番号】100099911
【弁理士】
【氏名又は名称】関 仁士

【識別番号】100108084
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 睦子

【公開番号】 特開2005−13216(P2005−13216A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2004−61900(P2004−61900)