| 【発明の名称】 |
発酵調整用組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】石垣 正一 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化学株式会社内
【氏名】徳永 暁子 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】従来市販されている発酵飲食品に関して、必ずしも菌の生育が良好とは言えず、所定の生菌数を確保できない問題があった。発酵飲食品中の菌類の生育を良くすることで安定した菌数の発酵飲食品を生産する方法を提供する。
【解決手段】発酵飲食品の製造初期段階に2,6−ジメトキシ−1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有する発酵調整用組成物を添加し、乳酸菌の働きを調整することで、発酵を促進することにより、製品中での乳酸菌類の菌数を安定させ、発酵飲食品をおいしく食べることを可能にする。上記発酵調整用組成物はモウソウチクから抽出されたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2,6−ジメトキシー1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有することを特徴とする発酵調整用組成物。 【請求項2】 請求項1記載の成分がモウソウチクから抽出したものであることを特徴とする発酵調整用組成物。 【請求項3】 請求項1または2記載の成分の抽出方法が、水、エタノール、アセトンからなる群より選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物にて抽出することを特徴とする発酵調整用組成物。 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の発酵調整用組成物を含有する発酵飲食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、製造の初期段階に有効成分として2,6−ジメトキシー1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有し、乳酸菌の働きを調整することで発酵を促進し、製品中での乳酸菌類の菌数を安定させることによりおいしく食べることができ、また有用な生理機能を発現させることができる発酵調整用組成物及びこれを含有する発酵飲食品に関する。 【0002】 【従来の技術】 少子高齢化の到来により、国民の健康志向はますます高くなり、中でも生活習慣病の予防が大きな社会問題として顕在化してきた。生活習慣病の中でも、食生活による疾病がますます増加しており、これら食生活習慣に由来する疾病の予防法の一つに腸内細菌叢を活性化して健康を維持することがあげられる。 【0003】 上記の疾病を予防もしくは治癒させる目的で乳酸菌類を積極的に活用するプロバイオテックスの商品群が、ここ数年来、欧米各国において開発されてきた。日本国内においても、このプロバイオテックスを前面に出した商品開発が活発化しており、種々の特徴のある菌株を利用した商品が数多く上市されてきた。 【0004】 これらの菌株による発酵においては、生育条件が特殊なものが多く、従来市販されてきた菌株でのヨーグルトの製造方法に比較して、必ずしも生育が良好とは言えず、所定の生菌数を確保できない問題があった。この製造工程の制御方法としては、菌株の選定、改良、栄養源の改善などがあげられるが、これらの改良にも限界があって、制御しにくいものがあった。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明者は上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、2,6−ジメトキシー1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の成分を含有する発酵調整用組成物を発酵飲食品の製造における初期段階で添加することで、発酵を促進させ安定した乳酸菌数の発酵飲食品を得られることを見出し、本発明を完成した。 【0006】 【発明の実施の形態】 以下、本発明をより詳細に説明する。 本発明における発酵調整とは特に限定されるものではないが、菌の充分な増殖や菌数の安定等、発酵の安定化を意味し、発酵により得られる発酵飲食品の風味改良をも意味する。 本発明の発酵調整用組成物の有効成分としては2,6−ジメトキシー1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィル等が挙げられ、これらのうち1種以上が含まれるものであれば、特に限定するものではない。 【0007】 本発明における有効成分の由来としては特に限定されるものではないが、植物学的にはイネ科の植物でモウソウチクから抽出されたものが望ましい。またモウソウチク抽出物の形状としては特に限定するものではないが、食品や飲料に添加する時の利便性からエキスが望ましい。 【0008】 エキスの調整方法については特に限定されるのもではないが、モウソウチクを水洗した後、細かく砕き、得られた細粒物に水もしくはエタノール、アセトンからなる群より選ばれる少なくとも1種あるいは2種以上を混合した溶液を該細粒物に対して等量以上加えて加温する。60℃以上に加温した後、品温を維持しながら攪拌を行う。1時間以上保持した後、ろ過して、抽出液を得る。該抽出物を濃縮して原料モウソウチクと同量のモウソウチクエキスを得る。固形分は約6%程度となる。発酵調整用組成物としては、モウソウチクエキスを単独で用いることはもちろん、必要に応じて種々の原料を加え製剤化したものを用いることができる。 【0009】 次に、発酵飲食品の製造工程において、たとえばヨーグルトの製造においては、原料乳の調整時に、該発酵調整用組成物を1〜30000g/kg、好ましくは10〜1000g/kgを添加して、発酵を開始する。菌数が10の13乗個台になった時点で発酵を終了する。得られた発酵飲食品は安定した菌数の発酵飲食品であり、保存中も菌数が安定し、品質の良い発酵飲食品であった。 【0010】 本発明における発酵飲食品とは、漬物、キムチ、ヨーグルト、ヨーグルトドリンク、乳酸菌飲料その他で、乳酸菌類にて発酵された食品群であれば特に限定されないが、乳原料を乳酸菌類で発酵されるものが望ましい。 発酵調整の対象となる菌については特に限定されないが、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌などが挙げられ、好ましくはプロバイオテックスとして有用なラクトバチルス ガッセリ、ラクトバチルス カゼイ、ラクトバチルス ブルガリクス、ラクトバチルス アシドフィルス、ビフィドバクテリウム ロンガムなどが挙げられる。 【0011】 本発明による発酵調整用組成物を使用する時期については特に限定されないが、発酵飲食品の製造初期段階において使用することが好ましい。 【0012】 以下に実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。 【0013】 【実施例】 実施例1 モウソウチク(1kg)を流水にて洗浄した後、細粒化し、10Lのステンレス製ビーカーに入れた。抽出溶液として市水を5L加え、直火にて加温し、恒温漕にて品温を70℃に保持した。1時間攪拌しながら、エキスを抽出した。ろ紙(No.2)にてろ過後、減圧濃縮にて、1Lまで濃縮して、本発明の発酵調整用組成物を得た。固形分は4.8%であった。また高速液体クロマトグラフィーにより成分を分析したところ、2,6−ジメトキシー1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィルの存在が確認された。 【0014】 実施例2 モウソウチク(1kg)を流水にて洗浄した後、細粒化し、10Lのステンレス製ビーカーに入れた。抽出溶液として市水を2.5Lとエタノール2.5Lを混合した溶液を加え、加温し、恒温漕にいれ品温を70℃に保持した。1時間攪拌しながら、エキスを抽出した。ろ紙(No.2)にてろ過後、減圧濃縮にて、濃縮して1Lの本発明の発酵調整用組成物を得た。固形分は5.2%であった。また高速液体クロマトグラフィーにより成分を分析したところ、2,6−ジメトキシー1,4−パラベンゾキノン、ルチン、クロロフィルの存在が確認された。 【0015】 実施例3 表1のヨーグルトの原料を調整し、50Lの発酵釜(スチームジャケット付き)に投入し、加温して、90℃30分の殺菌処理を行い、38℃まで冷却した。ここに活性粉末乳酸菌62.5g(表2)を所定量摂取し、同時に実施例1で得た発酵調整用組成物を50g添加した。その後は定法により10時間発酵を行いヨーグルト得た。 【0016】 実施例4 表1のヨーグルトの原料を調整し、50Lの発酵釜(スチームジャケット付き)に投入し、加温して、90℃30分の殺菌処理を行い、38℃まで冷却した。ここに活性粉末乳酸菌62.5g(表2)を所定量摂取し、同時に実施例2で得た発酵調整用組成物を50g添加した。その後は定法により10時間発酵を行いヨーグルト得た。 【0017】 実施例5 表3のヨーグルトの原料を調整し、5000Lの発酵タンクに投入する。活性粉末乳酸菌6.25kg(表2)をスターターとし投入し、同時に実施例1で得た発酵調整用組成物を5kg添加して、定法により発酵を行い、12時間後にヨーグルトを得た。 【0018】 実施例6 表3のヨーグルトの原料を調整し、5000Lの発酵タンクに投入する。活性粉末乳酸菌6.25kg(表2)をスターターとし投入し、同時に実施例2で得た発酵調整用組成物を5kg添加して、定法により発酵を行い、12時間後にヨーグルトを得た。 【0019】 比較例1 表1のヨーグルトの原料を調整し、50Lの発酵釜(スチームジャケット付き)に投入し、加温して、90℃30分の殺菌処理を行い、38℃まで冷却する。ここに活性粉末乳酸菌62.5g(表2)を所定量摂取し、その後は定法により10時間発酵を行い何も添加していないヨーグルト得た。 【0020】 比較例2 表3のヨーグルトの原料を調整し、5000Lの発酵タンクに投入する。活性粉末乳酸菌6.25kg(表2)をスターターとし投入し、定法により発酵を行い、12時間後に何も添加していないヨーグルトを得た。 【0021】 【表1】
【0022】 【表2】活性粉末乳酸菌 成分内訳
【0023】 【表3】
実施例3〜6、比較例1〜2の各配合は表4のとおりである。 【0024】 【表4】
【0025】 試験例1 発酵したヨーグルトのpHを測定した。実施例3〜6と比較例1、2で製造したヨーグルト約20mlをpHメーターで測定した。結果を表5に示す。 【表5】pHの測定
【0026】 試験例2 発酵したヨーグルトの菌数を測定した。実施例3〜6と比較例1、2で製造したヨーグルト各5回ずつ菌数の測定を行なった。菌数の結果を表6に示す。発酵調整用組成物を添加した実施例3〜6では、5回全てにおいて、所定の菌数まで発酵が進み、その後保存中においても、菌数の衰退が無かった。従来方法の比較例1、2では4回、菌数が10の10乗以下になり、希望する製品にならなかった。実施例3〜6で得られた発酵調整用組成物を添加したヨーグルトは、嗜好性も良く、菌数が10の13乗個台の結果であった。 モウソウチクエキスを添加していない比較例1、2で得られたヨーグルトは風味がやや悪く、菌数が10の10乗以下のものであった。 【0027】 【表6】菌数の測定
【0028】 試験例3 ヨーグルトの味、におい、テクスチャを測定するため優秀なパネラー10人によって官能検査を行った。その結果を表4に示す。尚、総合的おいしさの評価点は次のように定めた。{1;おいしくない、2;あまりおいしくない、3;ふつう、4;少しおいしい、5;おいしい。}の5段階で評価を行い、10人の平均点で表した。 【0029】 【表7】
【0030】 【発明の効果】 モウソウチクエキスを添加した方が、ヨーグルトの製造において、乳酸菌の生育が安定で、所定の菌数を確保でき、さらにおいしい製品ができる。よって本発明によって発酵飲食品中での乳酸菌類の菌数を安定させ、該発酵飲食品をおいしく食べることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204181 【氏名又は名称】太陽化学株式会社 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号
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| 【出願日】 |
平成15年6月30日(2003.6.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−13181(P2005−13181A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月20日(2005.1.20) |
| 【出願番号】 |
特願2003−186414(P2003−186414) |
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