| 【発明の名称】 |
電子レンジ手作り豆腐の製造方法とそのセット |
| 【発明者】 |
【氏名】川澄 昌也
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、家庭で短時間で手軽に失敗無く、大豆風味感と甘味感の強い手作り豆腐を作れる、電子レンジ加熱用手作り豆腐セットを提供することにある。特に、電子レンジでの急速加熱による、短時間凝固時の、凝固むらを低減し、滑らかな食感の豆腐製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】従来の金属塩凝固剤と微量の食酢を凝固補助剤として加えることで、電子レンジ加熱凝固豆腐において、大豆風味感・甘味感増強効果と電子レンジ加熱凝固時の凝固むら改善効果の両方の効果があることを見出した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるように食酢が添加された豆乳に、電子レンジ加熱凝固する直前に、金属塩豆腐用凝固剤を添加し電子レンジ加熱凝固することを特徴とする豆腐の製造法。 【請求項2】 電子レンジ加熱凝固する直前に金属塩豆腐用凝固剤とともに酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるように食酢が添加された豆乳を電子レンジ加熱凝固することを特徴とする豆腐の製造法。 【請求項3】 酢酸と金属塩の合計モル濃度比が、1:2〜1:14の範囲である豆腐用凝固剤であって、かつ豆乳中の酢酸濃度が0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるような量が収容された、電子レンジ加熱手作り豆腐セット用の豆腐用凝固剤入り小袋。 【請求項4】 請求項3記載の小袋と、豆腐用豆乳が収容されてなる電子レンジ加熱耐用容器を、一括包装したことを特徴とする電子レンジ加熱手作り豆腐セット。 【請求項5】 (ア)酢酸濃度で0.01(w/w)%から0.04(w/w)%になるように食酢が添加され、容器充填シール包装後加熱殺菌された豆腐用豆乳が収容されてなる電子レンジ加熱耐用容器と、(イ)金属塩豆腐用凝固剤が収容されてなる小袋を、一括包装したことを特徴とする電子レンジ加熱手作り豆腐セット。 【請求項6】 電子レンジ加熱耐用容器が、底面中央部に凹部があり、かつ上面開口部の中央部に凹部を有する落し蓋を接着シール密封させた電子レンジ加熱耐用容器を用いることを特徴とした請求項4もしくは5記載の電子レンジ加熱手作り豆腐セット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、少量の食酢と金属塩凝固剤を混合した豆腐用凝固剤を、豆乳に添加することで、家庭用電子レンジで加熱の際の凝固むら(不均一性)を改善し、かつ大豆風味豊かな豆腐作りを、一般家庭でも失敗なく簡単に楽しめる、手作り豆腐セットに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の家庭用の手作り豆腐セットは、豆乳入り容器と塩化マグネシウムを中心とした組成の金属塩混合物を溶解した豆腐用凝固剤を詰めた小袋を、セット物として販売されてきた。 これは、塩化マグネシウムを用いた豆腐は、他の凝固剤を用いたそれに比べ、甘み旨みの強い豆腐となることが、一般的に知られているためである。 【0003】 従来の手作り豆腐セットの家庭で実施できる加熱凝固方式の例としては、温水湯浴加熱、蒸気加熱、電子レンジ加熱(マイクロ波加熱)などがある。温水湯浴加熱や蒸気加熱などは、主に伝導伝熱による加熱凝固方式を前提としているが、いずれも均一凝固させるには、20分ないし30分程度の時間を必要とし、家庭で簡便に作る方法としては、採用しがたいのが現状である。 【0004】 また、電子レンジ加熱(マイクロ波加熱)方式は、伝導伝熱、対流伝熱、輻射伝熱の3つの伝熱を併用することで、短時間に伝熱加熱し、豆乳を凝固させうるものである。電子レンジ加熱方式は短時間(数分)で、必要温度まで加熱できる反面、加熱むらが発生する問題があり、部分的に突沸したり、部分的に凝固不良になったり、などの問題点があった。 【0005】 これは、マイクロ波加熱の特性上、容器周辺部から容器中央部に向かって、マイクロ波が浸透する際、豆乳中の水分により、マイクロ波エネルギーが減衰され、その結果容器中央部の食品温度が上がりにくく、容器中央部分がやや凝固不良気味になる問題が発生することに起因する。 即ち、一般家庭で、簡便に、短時間で、加熱凝固可能で、かつ凝固むらが起きにくく、おいしい豆腐を実現する、手作り豆腐セットが求められていた。 【0006】 【特許文献1】 特開2000−201641号公報 【特許文献2】 特開昭61−19465号公報 【特許文献3】 特開昭58−209950号公報 【非特許文献1】 環境庁「鉱泉分析法指針」(旧:厚生省「衛生検査指針鉱泉(温泉)分析法」) 【非特許文献2】 食品衛生法 平成11年4月6日厚生省告示第116号 食品、添加物等の規格基準の一部改正 元は昭和34年12月28日 厚生省告示第370号 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、家庭で短時間で手軽に失敗無く、甘味感と大豆風味感の強い手作り豆腐を作れる、電子レンジ加熱用手作り豆腐セットを提供することにある。特に、電子レンジでの急速加熱による、短時間凝固時の、凝固むらを低減し、滑らかな食感の豆腐製造方法を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、従来の金属塩凝固剤と微量の食酢を凝固触媒的に活用する凝固補助剤として加えることで、電子レンジ加熱凝固豆腐において、大豆風味感・甘味感増強効果と電子レンジ加熱凝固時の凝固むら改善効果の両方の効果があることを見出した。 【0009】 本発明の特徴は、マグネシウムイオンを主体とした金属塩豆腐用凝固剤を凝固剤、食酢を凝固補助剤として用いる点であり、以下の2つの効果をもたらした。1つは、電子レンジ加熱凝固豆腐の大豆風味感・甘味感増強効果、もう1つは、電子レンジ加熱凝固時の容器中央部の凝固不良改善効果である。 【0010】 本発明者らは、食酢を凝固補助剤として用いることで、電子レンジ加熱時の対流伝熱と輻射伝熱をうまくミックスした加熱凝固を実現し、にがり(塩化マグネシウム)だけで電子レンジ凝固させるよりも、大豆風味感と甘味感の強い、滑らかな食感のできたて豆腐を作ることに成功した。 【0011】 金属塩凝固剤の凝固補助剤として食酢を用いることで、電子レンジで固める際の、対流加熱による攪拌効果とマイクロ波の輻射伝熱効果の相乗作用で、適度な滑らかさと適度な硬さの豆腐を作り出し、大豆風味感や甘み感の強い、美味しい豆腐となることを見出した。 なお、大豆風味感と甘味感とは、豆腐官能評価用語であり、人間の舌で感じる微妙な大豆風味と甘味のことである。 【0012】 また、本発明者らは、食酢を凝固補助剤として用いることで、金属塩凝固剤(にがりなど)だけでの電子レンジ短時間加熱凝固で発生していた容器中央部の凝固不良問題も、合わせて解決した。金属塩だけで凝固すると、滑らかな食感の豆腐ができるものの、金属イオンの存在により、マイクロ波の食品内部への浸透が妨げられ、容器中心部がうまく固まらない。 【0013】 一方、逆に食酢を多く使いすぎると、豆乳に混ぜる際に凝固反応が進みすぎてしまい、出来上がった豆腐は、離水が多くぼそぼそな豆腐でかつ、酸っぱい豆腐となり好ましくない。 【0014】 これらを改良し、ベストな凝固剤配合割合と電子レンジ加熱条件を導き出した。 すなわち、金属塩の凝固反応と食酢の凝固触媒作用(凝固補助作用)のベストミックスの凝固剤配合割合を見つけたのである。 【0015】 さらに鋭意研究を重ね、豆乳を詰める包装形態を、底面凹型電子レンジ耐用容器と中央部が凹型形状の落とし蓋を組み合わせたものとすることにより、家庭で凝固剤を混合する際、豆乳を移し替えすることなくそのまま電子レンジに入れられる効果、底面凹形状による電子レンジ加熱むら防止効果、豆乳のこぼれなく凝固剤をスプーン等で混合できる効果、かつ容器内の空隙部が少なくなり、保存中豆乳の酸化劣化も防止できる効果を得ることができた。 【0016】 電子レンジ耐用容器に満量容量の80%程度の豆乳を充填し、落とし蓋シールしてあるため、凝固剤を添加混合するための空隙が取れ、かつ保存中の空気酸化劣化を防止できるのが特徴である。さらに底面中央部を凹形状とすることで、マイクロ波加熱の弱点の容器中央部の昇温不良をより改善することができた。 【0017】 すなわち、請求項1に記載の発明は、酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるように食酢が添加された豆乳に、電子レンジ加熱凝固する直前に金属塩豆腐用凝固剤を添加し電子レンジ加熱凝固することを特徴とする豆腐の製造法についてであり、主たる金属塩凝固剤の凝固に、食酢添加による凝固触媒作用(凝固補助作用)に加え、家庭用電子レンジで豆腐を作る際の、容器中央部の凝固不良を解消し、かつ豆腐テクスチャーと人間の舌で感じる甘みが最適になるできたて豆腐(温かい豆腐)品質を実現する発明である。 【0018】 請求項2の発明は、請求項1の発明と同様の目的で、電子レンジ加熱凝固する直前に金属塩豆腐用凝固剤とともに酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるように食酢が添加された豆乳を電子レンジ加熱凝固することを特徴とする豆腐の製造法に関するものである。 【0019】 請求項3の発明は、請求項2の食酢と同時に金属塩豆腐用凝固剤を加え、電子レンジ加熱凝固する際に用いる、酢酸と金属塩の合計モル濃度比が、1:2〜1:14の範囲である豆腐用凝固剤であって、かつ豆乳中の酢酸濃度が0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるような量が収容された、電子レンジ加熱手作り豆腐セット用の豆腐用凝固剤入り小袋に関するものである。 【0020】 請求項4の発明は、請求項3記載の小袋と、豆腐用豆乳が収容されてなる電子レンジ加熱耐用容器を、一括包装したことを特徴とする電子レンジ加熱手作り豆腐セットについてであり、電子レンジ耐用容器に豆乳を入れ、凝固剤を添加し電子レンジ加熱できる、簡便操作可能な手作り豆腐セットに関するものである。 【0021】 請求項5の発明は、(ア)酢酸濃度で0.01(w/w)%から0.04(w/w)%に成るように食酢が添加され、容器充填シール包装後加熱殺菌された豆腐用豆乳が収容されてなる電子レンジ加熱耐用容器と、(イ)金属塩豆腐用凝固剤が収容されてなる小袋を、一括包装したことを特徴とする電子レンジ加熱手作り豆腐セットについてであり、食酢添加を豆腐セットの容器入り豆乳に行い、使用凝固剤を金属塩のみとする点が特徴である。効果としては、請求項1,2,3及び4と同様、家庭用電子レンジで豆腐を作る際の、容器中央部の凝固不良を改善し、かつ豆腐テクスチャーと人間の舌で感じる甘みが最適になるできたて豆腐(温かい豆腐)品質を実現する発明である。 【0022】 請求項6の発明は、電子レンジ加熱耐用容器が、底面中央部に凹部があり、かつ上面開口部の中央部に凹部を有する落し蓋を接着シール密封させた電子レンジ加熱耐用容器を用いることを特徴とした請求項4もしくは5記載の電子レンジ加熱手作り豆腐セットに関するものである。 【0023】 本発明と関連する特許文献としては、以下のようなものが挙げられる。 特開2000−201641号公報(特許文献1)では、クエン酸等の食用有機酸と金属塩凝固剤と食塩を豆乳に添加し、pHを4.0以上の弱酸性、常温下で撹拌した後、摂氏70℃以上沸点未満に加熱し、豆乳中の蛋白質を凝固し、豆腐とすることを特徴とする豆乳の凝固方法に関するもので、豆乳の凝固反応の安定化を図ったものである。 【0024】 なお、弱酸性とはpH3.0以上6.0未満という定義(非特許文献1)及びpH3〜5の領域との定義(非特許文献2)があることから、上記特許文献3の「pHを4.0以上の弱酸性」とはpHが4〜6ということができる。 【0025】 しかし、上記特許文献1に記載のものは、本発明のように食酢に着目し、酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるように食酢を添加することで、電子レンジでの急速加熱による、短時間凝固時の、凝固むらを低減し、滑らかな食感の豆腐が得られ、にがり豆腐特有の甘味、大豆風味を強く感じるおいしい豆腐品質をつくることについては全く意図されていないし、本発明で「酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%」となるようにすると、pHでは6.3〜6.6の中性域となることからも、上記特許文献記載の発明とは異なっている。 【0026】 次に、特開昭61−19465号公報(特許文献2)では、「マイクロ波によるとうふ凝固方法」が記載されており、凝固剤として例示されているものはグルコン(グルコノデルタラクトン)のみで、充填豆腐(密封後マイクロ波加熱)を製造しており、比較的少量の凝固剤を使用して短時間に凝固させることを目的としているが、本発明は食酢による凝固触媒作用(凝固補助作用)に着目したもので、上記のような顕著な効果を奏する点で両者は全く異なっている。 【0027】 また、特開昭58−209950号公報(特許文献3)では、「酢酸で凝固させる袋詰豆腐の製造法」が記載され、酢酸濃度を0.05(w/w)%〜0.07(w/w)%とし、酢酸のみで豆乳を充填豆腐方式で凝固させているが、本発明は酢酸濃度を金属塩凝固の凝固触媒作用を目的としている点(0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%という低濃度のため、食酢中の酢酸添加それだけでは凝固しない)や、家庭用の電子レンジ加熱凝固の際の食感改善を目的としている点で異なり、本発明では電子レンジでの豆腐の出来上がりが、ほどほどに滑らかな豆腐となり、にがり豆腐特有の甘味感、大豆風味感を強く感じるおいしい豆腐品質となるという顕著な効果を奏するものである。 【0028】 【発明の実施の形態】 以下、本発明について詳細に説明する。 【0029】 原料として用いる豆乳は、常法により製造したものが使用可能である。例えば、丸大豆、脱皮大豆もしくは脱脂大豆(この場合は浸漬を行わない)を原料とし、原料→水浸漬→加水→磨砕(呉)→加熱処理→分離→豆乳の工程にて、豆乳を得る。呉の加熱処理工程は、通常80℃〜110℃で行う。30秒〜20分間、好ましくは3分〜10分の煮熱処理等を施すことが望ましい。このような加熱処理は、大豆蛋白の適度な熱変性を生じ、その結果、出来上がり豆腐等の凝固物の保水性を高め、更に、口当たりを改善する。尚、前記工程において、場合によっては、「呉」の段階で加熱処理を省き、直接分離工程に付してもよい。また、大豆加水磨砕時に、豆乳と水酸化ナトリウムを加え、煮熱処理して、豆乳を得ても良い。 【0030】 以上のように得られた豆乳は、各種固形分濃度で使用しうる。例えば前記のように製造された豆乳を固形分含量が8%〜16%、好ましくは10%〜14%の範囲が、食味、食感の優れた豆腐等を供し得る上で望ましい。 【0031】 このようにして得た豆乳は、(ウ)食酢、好ましくは醸造酢を加え、(エ)または何も加えずに、電子レンジ耐用容器に充填、落とし蓋やフィルムで上面開口部をふさぎ、シール包装、ボイル加熱殺菌冷却し、豆腐用豆乳として流通させる。(ウ)の食酢添加は、また豆乳パック詰め殺菌前(豆乳製造工場内)で、実施する。この方法としては、生呉に添加混合する方法、豆乳に添加混合する方法、などがある。こうして食酢を混合し、酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%になるようにした豆乳、すなわちpHを6.3〜6.6にした豆乳は、電子レンジ耐用容器に充填、落とし蓋やフィルムで上面開口部をふさぎ、シール包装、ボイル加熱殺菌冷却し、豆腐用豆乳として流通させる。 【0032】 なお、容器入り豆乳はその容器を用いて電子レンジ加熱できる工夫をしてあるものが好ましく、例えば電子レンジ耐用容器に満量容量の80%程度の豆乳を入れ、容器天面と豆乳液面の空隙を満たすような、落とし蓋をのせ密封すれば、なお良い。こうすれば、天面の蓋を開封すると同時に凝固剤を添加するスペースを自動的に得ることができ、豆乳を別の電子レンジ耐用容器に移し替える必要が無くなる。 【0033】 家庭で手作り豆腐を作れるようにするには、別添の小袋入り凝固剤が必要となり、(ア)の豆乳には、金属塩のみの凝固剤、(イ)の豆乳には、金属塩プラス食酢、好ましくは醸造酢を混合した凝固剤を添付する必要がある。醸造酢としては、穀物酢、米酢、果実酢、りんご酢、ぶどう酢などを用いることができる。また金属塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、海水から分離した天然にがり、食塩などを用いることができるが、好ましくは塩化マグネシウムと食塩の混合物や海水から分離した天然にがり(塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム主体)と食塩の混合物を使用する。 【0034】 なお、食酢とにがり液(塩化マグネシウム溶液)を混合した豆腐用凝固剤は、豆乳pHを極力下げたい場合、詳しくはpHを6.3にし、かつ塩化マグネシウム添加濃度で豆乳に対して0.35(w/w)%とする場合、酢酸とマグネシウムイオンのモル濃度比で、1:2.6、詳しくは酢酸濃度4.5%の食酢2.7g(酢酸として0.12g)、塩化マグネシウム1.1g、水6.1gを混合した10.0gの溶液を作り、318gの豆乳用の豆腐用凝固剤とする。また、この凝固剤に0.15g〜0.50g程度の食塩を加えてもよい。 【0035】 また、pHを若干下げる程度、詳しくはpH6.6にし、かつ塩化マグネシウム添加濃度で豆乳に対して0.35(w/w)%とする場合、酢酸とマグネシウムイオンのモル濃度比で、1:10.4、詳しくは酢酸濃度4.5%の食酢0.69g(酢酸として0.031g)、塩化マグネシウム1.1g、水8.2gを混合した10.0gの溶液を作り、318gの豆乳用の豆腐用凝固剤とする。また、この凝固剤に0.15g〜0.50g程度の食塩を加えてもよい。 【0036】 各物質の1molの重量は、酢酸の場合は60.05g、マグネシウムイオンは24.3g、カルシウムイオンは40.1g、塩化マグネシウム6水和物は203.3g、硫酸マグネシウム6水和物は246.4g、塩化カルシウム2水和物は147.1g、硫酸カルシウム2水和物は172.2gなどであり、これらの数値を基に算出した。 【0037】 小袋に収容する豆腐用凝固剤は、前記記載の幅で食酢とにがり(塩化マグネシウムを始めとした金属塩凝固剤)をブレンドする。なお、食酢としては、醸造酢が好ましく、穀物酢、米酢、果実酢、りんご酢、ぶどう酢、アルコールを原料とした高酸度酢を用いることができる。 【0038】 また、電子レンジ加熱凝固法について説明する。(ウ)の食酢入り豆乳と金属塩のみの凝固剤のセット、(エ)の通常豆乳と食酢入り金属塩凝固剤のセットの2種類があるが、どちらも基本操作は同じである。 【0039】 前記記載の小袋入り豆腐用凝固剤と電子レンジ耐用容器収容の豆乳を混合する。この際電子レンジ耐用容器の上面開口部の落とし蓋を取り外し、上面開口部より小袋入り凝固剤を添加、スプーンで良く混ぜたのち、500W出力相当電子レンジで100g当たり1分加熱し均一凝固させた後更に、5分から10分程度室温で放置し蒸らすとより美味な豆腐ができる。 【0040】 また、前者と後者を掛け合わせた凝固方法を用いても良い。例えば、食酢を混合した豆乳に、食酢を混合した凝固剤を添加する方法でも良く、豆乳に対する酸濃度が最終的に規定濃度範囲内に調整することが重要である。 【0041】 上記の凝固剤濃度や酸濃度を満たさないと、電子レンジ加熱短時間凝固での良好な品質が得られない。酸濃度が低すぎると、容器中央部の凝固不良が起こりゲル強度が不十分となり、酸濃度が高すぎると電子レンジに入れる前の凝固剤添加の時点で凝固反応が発生し、ぼそぼそでかつ酸味が強すぎる豆腐となってしまい本発明の豆腐は得られない。 【0042】 塩化マグネシウム添加濃度は、豆乳に対し0.25(w/w)%〜0.45(w/w)%、好ましくは0.30(w/w)%〜0.40(w/w)%で、食酢添加濃度は、酢酸濃度で豆乳に対し0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%、好ましくは0.015(w/w)%〜0.030(w/w)%とする。 食塩を豆乳に対し、0.05(w/w)%〜0.15(w/w)%の濃度で、凝固剤と併用添加しても良い。 【0043】 本発明の手作り豆腐セットについて説明する。手作り豆腐セットとは、常套手段で作製される容器入り豆乳(50g〜600g程度のもの)と小袋入り凝固剤(5g〜20g程度のもの)が商品として一体化しているものである。 通常は容器入り豆乳より、別の電子レンジ耐性容器に移し替え、その中で凝固剤添加し、電子レンジ加熱するものが多い。 【0044】 本発明のものは、容器入り豆乳を開封し製品容器内にて、凝固剤と豆乳を常温下で混合し、豆乳容器そのもので電子レンジ(例えば500W出力相当)にて1〜5分加熱し、5分〜10分程度常温放置して、できたて豆腐(温かい豆腐)を供する。 【0045】 電子レンジ耐用容器材質としては、ポリプロピレンを中心とした硬質プラスティック製のものが好適に用いられる。珪酸マグネシウムを混合したポリプロピレン材質であれば、強度があり、より良い。また、C−PET(結晶化ポリエステル)などの材質を用いてもよい。また、容器の大きさ・形状は、家庭で消費するのに適量のサイズ(50g〜600g)で、上面に開口部のあるフランジ付きカップ容器などを用いる。カップの上面間口形状は四角形、円形、楕円形などが多く用いられるが、これらに限るものではない。またカップの上面開口部の大きさはスプーンでかき混ぜられる程度の最低限の面積があり、かつ家庭用の電子レンジに入る大きさであれば、何でもよい。カップの縦・横・高さについては、家庭用電子レンジに入る大きさでかつ、スプーンで攪拌混合しやすい大きさであれば良いが、凝固加熱むらを考えるとより小さなサイズで、表面積をなるべく小さくし,縦・横・高さを同様の長さにすることが、マイクロ波加熱むらを軽減に有効なため望ましい。 【0046】 またカップ底面中央部の内側に高さ10mm〜15mmの凸部を設けると、容器中央部の加熱不良がより改良され、均一凝固には適している。 また凝固剤小袋は、例えば軟包材(例えばポリエチレンなどのビニール)による、ピロー充填包装にて充填包装したものを使用すればよい。 【0047】 すなわち、本発明は、電子レンジ加熱(マイクロ波加熱)凝固による短時間凝固での温かい豆腐で、大豆風味感、甘み感の強いものを、各家庭に、手軽に手作り豆腐セットとして安価に供給するものである。 【0048】 【実施例】 以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 【0049】 (実施例1) 本発明者は、電子レンジ(マイクロ波加熱)の凝固むらの起こる原因は、短時間で均一加熱させることでの、容器周縁部の過加熱と容器中央部の加熱の遅さにあると、推定した。電子レンジ凝固豆腐の品質制御の難しい点は、マイクロ波による輻射伝熱、豆乳の自然対流による対流伝熱、ゲル化が始まった後は伝導伝熱と、3種類の伝熱方法をうまく組み合わせた加熱凝固技術であり、充填豆腐の場合の伝導伝熱主流の加熱凝固と著しく異なる点であると思われる。 【0050】 まず、本発明者らは、塩化マグネシウムを中心とした凝固剤組成で、食酢を加えることで、電子レンジ加熱での凝固むらを解消できないか、検討した。その結果を表1に示した。実施方法は以下に記す。 【0051】 国産大豆(スズユタカ)9kgを10℃で15時間浸漬した後、水切りしてトータルの加水量が5倍になるように加水し、グラインダー((株)長沢機械製作所製、サワーボーイNSG−08F)を用い磨砕した。磨砕した呉に、消泡剤45gを添加して、100℃5分で蒸煮した後、おからを分離し約40kgの豆乳を得た。豆乳は10℃まで冷却した。その後豆乳は、満量容量350mlのポリプロピレン製丸型フランジ付きカップ(上面開口直径100mm)に280ml充填し、中央部が窪んだ形状(落とし蓋形状)のポリプロピレン製キャップをのせ、フランジ部でヒートシールし、密封した。 【0052】 密封した容器入り豆乳は85℃水槽に湯浴どぶ漬けで30分保持して、豆乳殺菌を施し、すぐさま冷水により10℃以下とした。上面蓋を取りはずし、上面開口部から食酢(市販米酢)を各濃度で添加し、豆乳の酢酸濃度の調整をした。得られた食酢添加豆乳280mlに対して、塩化マグネシウム(通称にがり)溶液を、塩化マグネシウム結晶の豆乳に対する濃度で0.35(w/w)%の割合になるように加え、スプーンで混合後、電子レンジ(松下電器産業(株)製、NE−N4)にて500W出力モードで、2分40秒加熱した。また豆腐品質を評価するパネラーは、豆腐の官能評価に携わった熟練者10人の官能評価員であり、その試食結果により、評価した。容器中心部とは、上面開口の円の中心を基点に、半径15mm範囲のエリアを指す。通常このエリアが、電子レンジ加熱では凝固しにくい結果が事前に得られているので、物性評価の代表とすることとした。容器中央部のイメージ図は、図5に斜線部で記した。 【0053】 その時の、酢酸添加量、豆乳のpH値、電子レンジ加熱凝固状態、電子レンジ凝固食味、の結果を記したのが、表1である。表の結果から、酢酸濃度が0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%であれば、容器中央部の凝固不良は解消でき、その時滑らかな食感でかつにがりが醸し出す風味(甘みと旨み)があり、酸味も感じず(舌で感じる閾値以下のためと推定)、良質な豆腐となる。一方、酢酸濃度が0.07(w/w)%以上の領域ではぼそぼそ(ざらつく)の食感の豆腐となり、かつ酸味もかなり感じられた。 【0054】 【表1】
【0055】 (実施例2) 次に、最適な酸の種類を検討した。有機酸を主体に種類を変更し、酸の効果をそろえるために豆乳pHを6.5に調整し、また実施例1と同様な方法で、電子レンジ凝固性、電子レンジ凝固での品質確認をした。結果を表2に示す。官能評価パネラーは豆腐の官能評価に携わった熟練者10人の官能評価員であり、その試食結果により、評価した。 【0056】 いずれの酸を用いても容器中央部の凝固性が改善されることが分かった。ただし食味的には、食酢(米酢)が最も良好であり、甘み感や大豆風味感を強く感じる結果となった。グルコン酸やクエン酸なども比較的品質は良好であったが、風味の弱い豆腐となった。その他の酸は少し酸味を感じたり、えぐみを感じた。食酢が最も良い理由としては、含まれる食酢のアミノ酸やフレーバー成分が若干関与しているものと、推定された。 【0057】 【表2】
【0058】 (実施例3) 次に食酢添加時期の違いによる、電子レンジ加熱凝固むら改善効果について、検討した。結果を表3に記す。まず、ボイル前酸添加品の試作方法及び品質評価方法を記す。豆乳製法は実施例1に準じた。容器充填密封前に、豆乳に米酢を酢酸濃度として0.01(w/w)%〜0.06(w/w)%添加混合し、該豆乳280mlを、満量容量350mlのポリプロピレン製丸型フランジ付きカップ(上面開口直径100mm)に充填、中央部凹みのある落とし蓋で密封、85℃30分湯浴後10℃以下に急冷した。 【0059】 その時点で豆乳粘度やpH値を測定した結果も、表3に記載している。表3の通り、酢酸濃度0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%であれば豆乳の性質を維持することが分かった。この範囲なら、ボイル殺菌後の豆乳が凝固せず、豆乳性状の許容範囲の流動性(粘度で100cp以下)を示した。また酢酸濃度が0.06(w/w)%以上では、豆乳の蛋白凝固反応が進むためか、粘度が大きくアップする。この粘度では凝固剤をスプーンで混ぜる際に支障がでるため、豆腐凝固用の豆乳としては不適である。 【0060】 その後、電子レンジ加熱直前に、上面落とし蓋を取り外し、上面開口部から塩化マグネシウム(通称にがり)溶液を、塩化マグネシウム結晶の豆乳に対する濃度で0.35(w/w)%の割合になるように加え、スプーンで混合後、電子レンジ(松下電器産業(株)製、NE−N4)にて500W出力モードで、2分40秒加熱し、官能評価を実施した。酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%で食酢を添加すれば、にがりだけで固めたものよりも、中央部凝固むらは改善され、豆腐食味も酸味を感じず、甘味感、大豆風味感が豊かな豆腐となった。 【0061】 次にボイル後食酢添加品の試作方法を記す。豆乳製造方法は実施例1に準じた。 容器充填密封前に、豆乳280mlを、満量容量350mlのポリプロピレン製丸型フランジ付きカップ(上面開口直径100mm)に充填、中央部凹みのある落とし蓋で上面開口部を密封、85℃30分湯浴後10℃以下に急冷した。その時点で豆乳粘度やpH値を測定した結果も、表3に記載している。ボイル前に酸を添加していないので、全てコントロールと同じ値であった。 【0062】 その後、電子レンジ加熱直前に、上面落とし蓋を取り外し、上面開口部から塩化マグネシウム(通称にがり)溶液+食酢を、塩化マグネシウム結晶の豆乳に対する濃度で0.35(w/w)%、酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.06(w/w)%の割合になるように加え、スプーンで混合後、電子レンジ(松下電器産業(株)製、NE−N4)にて500W出力モードで、2分40秒加熱し、官能評価を実施した。 【0063】 ボイル前食酢添加の試験系と同様、酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%で食酢を添加すれば、にがりだけで固めたものよりも、中央部凝固むらは改善され、豆腐食味も酸味を感じず、甘味感、大豆風味感が豊かな豆腐となった。若干、ボイル後食酢添加の方が甘味感がでるとともに電子レンジ加熱凝固後のゲル強度が高くなる傾向は見られた。 【0064】 【表3】
【0065】 (実施例4) 次に電子レンジ加熱で用いる容器サイズごとでの、食酢添加での効果を確認した。豆乳製造方法は実施例1に準じた。結果を表4に記す。 【0066】 食酢添加は酢酸濃度で0.024%になるようにし、電子レンジ加熱直前に、豆乳に凝固剤と食酢を同時に添加する方法とした。ただし容量ごとの加熱時間は500W出力で、100ml当たり1分加熱とし、室温熟成時間は3分とした。その時の容器中央部の豆腐凝固状態をまとめたものが表4である。金属塩だけで凝固する場合(比較例)、容器中央部に凝固不良部が発生した。塩化マグネシウム濃度、塩化カルシウム濃度を20%増やして凝固を強めても、マイクロ波加熱の内部への浸透速度が抑制されるためか、中央部の凝固性は改善されなかった。これに対し、金属塩に食酢を0.024%補填した試験系(実施例)では、明らかに容器中央部の凝固性が改善された。容器容量では500ml以下なら、容器中央部の凝固性はほぼ問題無いことが分かった。 【0067】 この結果より、家庭用電子レンジで使用するサイズの容器なら大方、金属塩を主凝固剤、食酢を凝固補助剤として添加する本発明方法は、電子レンジ加熱時の凝固むらを低減しうることがわかった。 【0068】 【表4】
【0069】 実施例1〜4の結果により、請求項1と請求項5を裏付けることができた。 【0070】 (実施例5) 次に、豆腐セットに添付する凝固剤の組成を検討した。塩化マグネシウムを豆乳に対して、0.25(w/w)%〜0.45(w/w)%、食酢を豆乳に対する酢酸濃度で0.01(w/w)%〜0.04(w/w)%、添加した配合割合を表5に記載した。 【0071】 豆乳318gに、凝固剤10gという割合での豆腐セットは、酢酸モル濃度と塩化マグネシウムモル濃度の比率で、1:1〜1:18の幅でブレンドした。 実際には、図1や図3のような、手作り豆腐セットの小袋として、本凝固剤は収容される。 【0072】 この凝固剤で電子レンジ豆腐を作り、試食したところ、酢酸モル濃度と塩化マグネシウム濃度のモル濃度の比率で1:2〜1:14の範囲が、大豆風味感が豊かで、甘味感を強く感じる豆腐品質となった。 この結果を受け、請求項3、請求項4の請求範囲とした。 【0073】 【表5】
【0074】 (実施例6) 次に、容器形状の違いと、電子レンジ加熱凝固むら改善効果について、検討した。結果は表6に記す。まず、ボイル後食酢添加品の試作方法及び品質評価方法を記す。豆乳製法は実施例1に準じた。容器充填密封前に、豆乳280mlを、満量容量350mlのポリプロピレン製丸型フランジ付きカップ(上面開口直径100mm)に充填、中央部凹みのある落とし蓋で密封、85℃30分湯浴後10℃以下に急冷した。 【0075】 なお使用する丸型フランジ付カップは、(A)底面凹のもの、(B)底面が平らなもの(標準品)の2種類を用いた。底面凹の凹部分の形状は半球状とし、凹み部分の大きさは、直径、高さを3種類(1〜3)とし試験した。底面中央部の凹み部分の直径を10mm、20mm、30mmの3種類、その時の半球の高さをそれぞれ5mm、10mm、15mmとした。 【0076】 その後、電子レンジ加熱直前に、上面落とし蓋を取り外し、上面開口部から塩化マグネシウム(通称にがり)溶液を、塩化マグネシウム結晶の豆乳に対する濃度で0.35(w/w)%の割合になるように加え、かつ豆乳に対する酢酸濃度が0.03(w/w)%となるように食酢を加え、スプーンで混合後、電子レンジ(松下電器産業(株)製、NE−N4)にて500W出力モードで、2分40秒加熱し、官能評価を実施した。 【0077】 その結果、底面凹容器の方は、容器中央部の品温上昇不良が改善され、品温を60℃まで上げることができ、その結果中央部の豆腐のゲル強度は高くなった。それに対し、底面が平らな容器は、品温が40℃以下の部分が目立ち、やや凝固が弱い結果となった。 すなわち、底面凹形状による電子レンジ加熱むら防止を改善する効果を得る結果となった。 【0078】 【表6】
【0079】 (実施例7) また、落し蓋シールの効果について説明する。通常のトップシール方式だと、図7や図8のようになるが、前者の場合はにがり液を注入する余裕が持てないし、後者は空寸部に酸素を保有することになり、微生物の日持ちが悪くなる、豆乳成分の酸化劣化などの問題点があった。 【0080】 図1、図2、図3、図4に示すように、豆乳を詰める包装形態を、電子レンジ耐用容器と中央部が凹型形状の落とし蓋を組み合わせたものとすることにより、家庭で豆腐を作る際、さらに豆乳を詰める包装形態を、底面凹型電子レンジ耐用容器と中央部が凹型形状の落とし蓋を組み合わせたものとすることにより、家庭で凝固剤を混合する際、豆乳を移し替えすることなくそのまま電子レンジ加熱することができる。 【0081】 豆乳のこぼれなく凝固剤をスプーン等で混合できる効果、かつ保存中の豆乳酸化による劣化も防止できる効果を得ることができた。 実施例6と実施例7の結果、請求項6を裏付けることとなる。 【0082】 電子レンジ耐用容器に満量容量の80%程度の豆乳を充填し、落とし蓋シールしてあるため、凝固剤を添加混合するための空隙が取れ、かつ保存中の空気酸化劣化を防止できるのが特徴である。さらに底面中央部を凹形状とすることで、マイクロ波加熱の弱点の容器中央部の昇温不良をより改善した。 【0083】 (実施例8) 次に、補足データとして、有機酸のみで電子レンジ加熱凝固したときの、豆腐の品質を評価した。用いた有機酸は酢酸(食酢)、クエン酸、グルコン酸である。その時の結果を、表7に示す。 【0084】 次にボイル後酸添加品の試作方法を記す。豆乳製造方法は実施例1に準じ、ボイル後電子レンジ加熱直前に有機酸を添加する方法で実施した。 容器充填密封前に、豆乳280mlを、満量容量350mlのポリプロピレン製丸型フランジ付きカップ(上面開口直径100mm)に充填、中央部凹みのある落とし蓋で上面開口部を密封、85℃30分湯浴後10℃以下に急冷した。 【0085】 その後、電子レンジ加熱直前に、上面落とし蓋を取り外し、上面開口部から各種有機酸を、有機酸濃度で0.07(w/w)%〜0.30(w/w)%の割合になるように加え、スプーンで混合後、電子レンジ(松下電器産業(株)製、NE−N4)にて500W出力モードで、2分40秒加熱し、官能評価を実施した。 【0086】 塩化Mg0.35%や塩化Mg0.35%+食酢0.03%といった、金属塩凝固主体の凝固品をコントロールとして、各種酸のみでの豆腐凝固品質を確認したが、凝固不良やぼそぼそな豆腐となった。また、0.07%以上の有機酸添加をすると、明らかな酸味を感じ、風味の点で劣っていた。 この結果より、金属塩主体の凝固により、滑らかな食感や大豆風味感の強い豆腐ができることがわかった。 【0087】 【表7】
(実施例9) 次に、補足データとして、塩化Mg0.35%+食酢(酢酸濃度で0.03%)で、電子レンジ加熱凝固したときの、食酢の種類による豆腐の品質を評価した。用いた食酢は米酢、穀物酢、りんご酢、ぶどう酢、高酸度酢である。その時の結果を、表8に示す。 【0088】 次にボイル後食酢添加品の試作方法を記す。豆乳製造方法は実施例1に準じ、ボイル後電子レンジ加熱直前に食酢を添加する方法で実施した。 【0089】 容器充填密封前に、豆乳280mlを、満量容量350mlのポリプロピレン製丸型フランジ付きカップ(上面開口直径100mm)に充填、中央部凹みのある落とし蓋で上面開口部を密封、85℃30分湯浴後10℃以下急冷した。 【0090】 その後、電子レンジ加熱直前に、上面落とし蓋を取り外し、上面開口部から各種食酢を、酢酸濃度で0.03(w/w)%の割合になるように加え、スプーンで混合後、電子レンジ(松下電器産業(株)製、NE−N4)にて500W出力モードで、2分40秒加熱し、官能評価を実施した。 【0091】 また、表8中の「大豆風味感」「甘み感」の評点は、5点満点の絶対評価点数で、5点が「かなり強く感じる」、4点が「やや強く感じる」、3点が「ふつう」、2点が「やや感じ方が弱い」、1点が「ほとんど感じない」に該当する。 【0092】 どの食酢を用いても容器中心部の凝固性はコントロールと比べ良好となり、「大豆風味感」「甘み感」もコントロールと比べやや高めの点数となり、食味の面でも高評価であった。中でも米酢は、大豆風味感と甘み感の点数が最も高くなった。 【0093】 この結果より、金属塩主体の凝固プラス食酢の凝固触媒作用(凝固補助作用)により、滑らかな食感や大豆風味の強い豆腐品質を実現していることを裏付けた。 【0094】 【表8】
【0095】 本発明者は、電子レンジ特有のおいしい豆腐という視点で、鋭意検討した結果、本発明に至ったのである。 【0096】 【発明の効果】 本発明によれば、大豆風味感と甘味感の強い豆腐を簡便に実現でき、電子レンジ凝固むら解消、電子レンジ加熱時間短縮(ゲル強度アップ)などを提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】豆乳入り容器と凝固剤入り小袋の豆腐セットの一例を示す。(オーバーキャップタイプ) 【図2】電子レンジ加熱直前の、豆乳入り容器と凝固剤入り小袋の混合方法を図示した一例を示す。(凝固剤を豆乳に添加し、スプーンでかき混ぜる) 【図3】豆乳入り底面凹容器と凝固剤入り小袋の豆腐セットの一例を示す。(ピロー包装タイプ) 【図4】電子レンジ加熱直前の、豆乳入り底面凹容器と凝固剤入り小袋の混合方法を図示した一例を示す。(凝固剤を豆乳に添加し、スプーンでかき混ぜる) 【図5】電子レンジ加熱凝固時の容器中央部の位置を示したもの。(斜線部) 【図6】底面凹容器を用いて、電子レンジ加熱凝固した時の、容器中央部の位置を示したもの。(斜線部) 【図7】フランジカップに満量充填して、トップシールフィルムで密封シールした状態のもの。 【図8】フランジカップに20%空寸あり充填して、トップシールフィルムで密封シールした状態のもの。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398065531 【氏名又は名称】株式会社ミツカングループ本社
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| 【出願日】 |
平成15年6月27日(2003.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773 【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100107168 【弁理士】 【氏名又は名称】安田 徹夫
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| 【公開番号】 |
特開2005−13160(P2005−13160A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月20日(2005.1.20) |
| 【出願番号】 |
特願2003−185703(P2003−185703) |
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