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【発明の名称】 麺様食品
【発明者】 【氏名】山形 徳光
【住所又は居所】東京都渋谷区渋谷1丁目4番13号キユーピー株式会社内

【要約】 【課題】原料としてカロリーの高い小麦粉等の穀粉類を使用することなく、麺食品として充分な色調と食感を備え、かつ低カロリーである麺様食品を提供すること。

【解決手段】基材としてのグルコマンナンに2〜6%の結晶セルロースを加えてなる低カロリー麺様食品である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材としてのグルコマンナンに所定量の結晶セルロースを加えてなることを特徴とする麺様食品。
【請求項2】
結晶セルロースを麺様食品全体に対し2〜6%加えてなる請求項1記載の麺様食品。
【請求項3】
結晶セルロースの平均粒子径は20μm以下である請求項1又は2記載の麺様食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は麺様食品に係り、詳しくは色調、食感共に穀粉類を主原料とした本物の麺類に近似した低カロリーの麺様食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小麦粉やその他の穀類粉末を主原料として製されるうどん、そば、ラーメンさらにスパゲッティ等の麺類は広く大衆に親しまれる食品となっている。一方、富栄養化の現代生活では健康志向の高まりと共にカロリーの低減化を望まれているにもかかわらず、高カロリーのものが多く未だ、色調、食感が自然で違和感がなく、低カロリーであることの条件を全て満足する麺類は得られておらず、市場に提供されていない。これに対処する試みとして、植物ガム類や海藻類を小麦粉等の主原料に添加して麺類を製することも行われたが、得られる麺類はその食感に違和感があるものであった。
【0003】
そこで、別途の工夫をしたものとして種々の食物繊維の中でも、1重量部に対して50重量部にも及ぶ水分を包括し、アルカリ存在下に加熱すると不可逆的に凝固する粉体の原料としてのグルコマンナン(以下、たんに「マンナン」という)が注目され、これを小麦粉やその他の穀粉に加えることにより低カロリー麺を製し得ることが種々提唱されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、麺を製造する際に水の代わりにグルコマンナンの水和ゲルを使用して麺生地を作成することで、得られる麺は低カロリー麺となり、麺線が互いに結着せず、また伸び難く腰があるものを得ることができると記載されている。
また、特許文献2には、主成分である小麦粉にデンプンとコンニャクを加えて麺の食感(滑らかさと艶)を改良するコンニャク入り麺類の製造方法が記載されている。
さらに、特許文献3には、穀粉や澱粉類を主原料とした麺に食物繊維を強化するために微細セルロースを含有させる旨の記載がある。
これら特許文献1,2及び3に記載の麺は、通常の麺に比べて低カロリー化されたものである。しかしながら、小麦粉やその他の澱粉を主原料としているため十分にカロリーが低減されている麺が得られたものであるとは到底言い難い。
【0005】
一方、この低カロリー化を追究したものとして、市場には、寒天を利用した麺様食品やマンナンを利用した製品等が提供されている。これらはいずれも、通常の麺とはかけ離れた色調や食感を有するものとなり、換言すれば、ところてんやしらたきに近い色調や食感を有するものであるので、麺を食した時の特有の充足感は得られない。
【特許文献1】
特開平10−191912号公報
【特許文献2】
特開平9−117261号公報
【特許文献3】
特開2000−316507号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、原料としてカロリーの高い小麦粉等の穀粉類を使用することなく、麺食品として充分な色調と食感を備え、かつ低カロリーである麺様食品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の麺様食品は、基材としてのグルコマンナンに所定量の結晶セルロースを加えてあることを特徴とする。この際、加える結晶セルロースは麺様食品全体に対して2〜6%であるとよい。これにより、該麺様食品は小麦粉等を原料として使用していないことで低カロリーの麺食品であって、かつ色調と食感を満足に備えたものになるのでよい。この際、結晶セルロースの平均粒子径は20μm以下にしてあると、より一層麺の食感に近いものとすることができるのでさらによい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明において「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
本発明において、麺様食品とは、例えば、うどんや素麺等の和風麺、ラーメン等の中華麺、マカロニやスパゲッティ等の洋風麺類に、外観と形状及び食感が近似し、実質的に小麦粉や穀粉を主原料としていない食品をいう。
【0009】
また、本発明に係るグルコマンナンとは、一般にはこんにゃくの原料として使用され、別名をこんにゃくマンナンとも称されている。近年、より精製されたグルコマンナンも市販されているが、本発明においては特別の制限はなくグルコマンナンを主成分とするコンニャク精粉の形としたものは言うに及ばず、凝固して水和ゲルを形成するものであればいずれも使用することができる。
しかしながら、この際食品としての品質のよいものとすること及び製造工程上の効率等を考慮すれば、精製度合いの高いものの方が好ましいことは言うまでもない。
【0010】
本発明に係る結晶セルロースとは、一般に不溶性食物繊維の一種であり、植物のパルプ繊維を原料としてそのセルロース結晶領域を取り出して精製したものをいう。本発明においては、市販されている結晶セルロースや結晶セルロース製剤のいずれも使用できる。
その際、結晶の平均粒子径が20μm以下であると、得られる麺様食品の食感をぼそぼそ感のないものとして製することができると共に、麺様食品としての白度が増し、より一層小麦粉等の穀粉類を主原料とする麺類に近いものとすることができる。
【0011】
ここで、結晶セルロースの平均粒子径の測定は、例えば、島津レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−1100)等を用いて、結晶セルロースを清水に分散した状態で測定すればよい。
【0012】
また、本発明において結晶セルロースの量を2〜6%の範囲で加えることは、2%より少ないと製した麺様食品がコンニャク麺のような特有の弾性感が残るものとなり、そのゲル化したものが透明感のあるものとなって目的とする白度を有したものとはならない。また、6%より多いと色調ではうどん麺と同様の白度を呈する麺様食品となるが、弾性感に乏しく、ぼそぼそとした食感のものになってしまうので、これを避けるという理由による。
【0013】
次に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
【実施例1】
下記表1の配合に基づき、麺様食品を製造した。
まず、清水をミキサーに入れ、ここに結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルRC−N81:平均粒子径約10μm)と水酸化カルシウムを投入する。ミキサーを攪拌しながら粉末マンナン(清水化学(株)製、レオックスRS)をダマにならないように少しずつ投入し、攪拌を約3分間続けた。
次に水酸化カルシウムと反応してゲル化し始めたマンナンをただちにステンレス製のパットに移し、ゴムへらで薄く引き延ばしたうえで冷蔵庫内で3時間静置する。その後得られたマンナンゲルを取り出し、麺線状に包丁で切り分け、本発明の麺様食品を得た。
得られた麺様食品は、外観がうどんと同程度に白く、また食感は弾性と柔らかさのバランスが丁度良く、既存の低カロリー麺には無い良好な品位であった。
【0014】
【表1】


※1:清水化学(株)製、レオックスRS(商品名)
※2:旭化成(株)製、アビセルRC−N81(商品名)
平均粒子径約10μm
【0015】
【試験例1】
結晶セルロースの配合量が、麺様食品の外観及び食感に与える影響について試験した。
上記実施例1の配合(表1)において、結晶セルロースの配合量を0g,20g,40g,60g,80gと変更した以外は実施例1の製造方法に従い、それぞれサンプルA(結晶セルロースの含有量0%),B(同2%),C(同4%),D(同6%),E(同8%)の5種類のサンプルを製造した。また、質量の補正は清水にて行った。なお、サンプルC(結晶セルロース4%配合品)は実施例1で得られた麺様食品と同等品である。
得られた各サンプル(A〜E)について、外観(色調)及び食感について評価を行った。結果は表2に示すとおりである。
【0016】
【表2】


【0017】
サンプルAは半透明状でいかにもコンニャクを連想させた。また弾性が強過ぎて、本物のうどんのような軟らかさには程遠かった。サンプルBはやや透明感があったが、食感は弾性と軟らかさのバランスが丁度良かった。サンプルC(実施例1同等品)は透明感がなくうどんと同等の白度であり、食感は弾性と柔らかさのバランスが丁度良く、良好な品位であった。サンプルDは透明感がなく、うどんと同等の白度であったが、食感が少し軟らかかった。サンプルEは透明感がなくうどんと同等の白度であったが、食感が軟らか過ぎた。
よって、結晶セルロースの配合量は、麺様食品全体に対し2〜6%とすることが好ましいことが理解される。
【0018】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明麺様食品は、小麦粉等を主原料とした麺類と同様の外観と食感を有し、低カロリー化を実現したものであるので、健康上ダイエットを余儀なくされ麺類の食事を制限される人々にとって歓迎されるものである。
【出願人】 【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区渋谷1丁目4番13号
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−13143(P2005−13143A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−184930(P2003−184930)