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【発明の名称】 飼料添加用粉末炭
【発明者】 【氏名】河原井 武夫

【要約】 【課題】林業及び生活周辺部より出される樹木、植木等の剪定枝、竹、篠、笹、雑草等焼却処分する以外に処分の手段のない自然環境廃棄物を資源として活用することを目的として工業的に炭化、粉末加工する技術を開発する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木、竹、篠、笹、雑草等の茎枝葉まで全てを切断してチップにした炭材を炭化した後、粉砕し粉末にしたことを特徴とする粉末炭と製造法。
【請求項2】
粒径0.1mm以下の微細な粉末炭又は粒径1〜0.1mm以下の微細な粉末炭から粒径1〜3mm程度の粒炭を混合したことを特徴とする請求工1の粉末炭。
【請求項3】
畜産用、ペット用等の動物用飼料に添加することを目的に製造された請求項2の粉末炭。
【発明の詳細な説明】【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家畜、ペット、魚等の動物用飼料に添加することを目的として製造した粉末炭に関する。
【従末の技術と発明が解決しようとする課題】
【0002】
本来の粉末炭としては工業面でろ過用等に製造される物以外には一般的に粉末炭と認識される製品はなく需要の実態も無い。従って一般的な粉末炭を製造とすることを目的とした製造技術は見当たらず燃料炭の加工や取り扱い等一連の作業の中で単純に発生する副産物であってむしろ廃棄物として扱われていたものであり練炭等に加工される以外ほとんど需要の実態は見当たらない。
【0003】
近年農業の分野で粉末炭が土壌改良材や飼料添加材として非常に有効であることが明らかになり需要の動きが見られるが国内の炭生産現場からの粉末炭としての供給態勢は皆無に近く需要に応ずることが出来ないのが現状である。従ってこれ等の需要の希望に応える可く粉末炭の生産を目的とした新しい製炭技術を確立することが急務の課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これより課題を解決する手段と共に炭について説明する。古来より「炭」と言えば燃料の木炭であって厳選された原木を独特の炭化窯で炭化したものが燃料として流通していた。近年になって竹を材料にした竹炭が生産される様になり新しい生活資材として一時的に注目されたが生産技術が確立されるに至らず生産コストが高い上に生活資材としての資質が貧しく商品化されなかった。一方では工業廃材等を処理する工業的な炭生産技術があるが一般に普及するまでに至っていない。
【0005】
炭には古来より整腸、解毒作用があることが知られており野生動物が本能で焚き火の炭を食べると言われている。実際にペットの犬や猫に与えると体調の悪い時には良く食べている。これ等の事実は農業分野での粉末炭の効果と共に科学的に完全に解明されたものではないが炭自体が典型的な多孔体であって驚異と言える程多くのミネラルを含んでおり微生物の極めて良質な活性媒体であることが確認されている。この物性は炭の特徴であることが古来より漠然と知られていたものであるが農業分野全般の生産現場で特開平5−192091 特開平10−323159 特開平11−18692の他書物の資料を参考に科学的な観察の下で確認されたものである。
【0006】
一連の観察の結果によると木炭よりも笹・篠・竹の炭の物性が高く笹は郡を抜く物性の高さを示している。これ等観察の結果を資料として分析すると竹の炭の生産が比較的用易であり農業分野での生産資材としての品質も高く有望視されるものであるが生産技術が低いために商品としての供給手段は皆無に等しいのが現実である。
【0007】
この現実をもとに研究分析した結果によると現実の法律の中の林業でも製炭と言う部門については業として成り立たない業種として扱われている。その理由は仕事の内容にあり極て零細的な職業である上に物を燃やすことに似てはいるが燃やすことではなく通常の焼却の様な法律による制約や規制の対象にする理由が無いと言うことである。従って少資源国日本にとっては見過ごされていた新しい資源利用の産業として粉末炭製造の展開が期待できるものである。最終的には現時点でこれ以上の資料の収集は不可能と認識される。
【0008】
以上炭について説明してきたが農業分野の新しい生産資材の生産と新しい資源利用技術の開発と言う両分野での工業的な製炭技術を確立することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための手段は従来の製炭法とは異なる方法でより高品質の炭を工業的に大量生産することである。従ってこの課題を解決するためには先ず材料(以下炭材と言う)が炭になる炭化のメカニズムを明らかにしなければならない。
【0010】
一般的には樹木を代表する様な炭材を燃やして燃焼が終った段階で消火冷却すれば炭ができると考えられている。しかし商品として販売されている炭の製造は燃焼ではなく炭化である。厳密に表現すると植物の燃焼とは炭化から酸化が一連して起こり混在状態で激しい勢いで進行する酸素がなければ起こらない化学反応であり物によって進行の速度が異なるが光と酸化熱とCO2を発生し条件によっては簡単に1000℃以上の高温になる。炭化は酸化の前段階の化学反応であって炭酸同化作用で合成された植物体が熱分解をする酸素が無くても条件が整えば起きる化学反応であって酸化熱と同じような分解熱を発生する。熱分解はある程度の圧力と熱を加えるか熱分解を始めるまで加熱することで誘発される。製炭は後者を利用したもので炭材を約280℃に加熱すると熱分解が始まりある程度の酸化と分解熱によって連鎖的に炭化が進行して行く炭化では光やCO2の発生がなく煙の様に見えるのは植物体が熱分解して発生する可燃性のガスと水蒸気であって冷却するとほとんど液体に戻ってしまう。これが木酢液や竹酢液と呼ばれているものである。
【0011】
以上炭化のメカニズムについて説明してきたが一般的な炭窯は図1及び図2の様な構造で規模的に若干の差はあるが全国的にはほとんど変わらないものであって歴史的にはいつの時代に完成したものか判らない。その上に炭そのものが燃料という固定観念が強いために職業的な生産技術の発展が無く先進的な産地でも単に窯の数が多いと言うだけのことである。この現実は供給側である生産者の一途な論理的固定観念であって将来に向かって革命を起こすと言う意識が課題を解決するための手段の基本となるものである。
【0012】
課題を解決するための手段の中で考案の対象としたのが生産コストに直結している作業形態である。燃料炭の10%以下のコストで生産しなければ需要の条件を満たせない粉末炭の生産にとっては作業形態を変える事そのものが技術革命であり技術の開発である。
【0013】
従来の作業形態と労働の配分は炭材の伐採集材運搬に全作業量の約70%もの労力を費している。その上に労働の内容も過酷と言う程の厳しいものである。約20%程度の窯詰め窯出しも50から60℃の狭い窯内での過酷な作業である。残る約10%程度が炭の調整荷造り作業であるが粉麈で汚れることではこの上ない汚い仕事の代言になる様な仕事である。これ等の作業は全工程内容の面で機械化することが不可能に近く人力による作業でしか成立しない極めて零細な作業である。この実状が生産コストを下げられない原因の全てとなっている。
【0014】
機械化できない原因は生産者の「炭は燃料でしかない」と言う固定観念から脱することができないことにある。本考案はこの固定観念を根本から変えることを課題解決の手段の基本としている。
【0015】
現在すでに需要の面では前述の特許公開公報等の資料に見られる様に明らかに固定観念を離れた新しい炭の需要の形態が発生していることが生産面では前述の通り旧態依然としているものである。
【0016】
前述資料を見ると新しい炭の需要形態は農業の生産資材としての粉末炭なのである。粉末炭も燃料炭と同様木炭と竹炭の粉末があるが前述の資料によると木炭よりも竹炭の粉末需要の伸張性が高いと思われる。従ってここではこれより竹炭の粉末を粉末炭として製造、使用法、効果について説明していくが木炭等についても全く同様である。
【0017】
従来の製炭法では燃料炭や生活資材の炭の製造という目的から全工程で炭材である竹の元の姿が整った状態で作業をすることが原則であって粉末炭は本来の目的で生産されるものではなかった。本発明による製炭法は作業形態を全く異質の発想で構造的に変えた製炭法であって最初から粉末炭を生産することを目的に開発した技術である。従って炭材である竹の扱いから炭化窯の形状、規模、窯詰め、窯出し、調整に至るまでの作業を可能な限り機械化し工業化したものである。
【0018】
これより本発明による粉末炭製法を具体的に説明して行く。先ず第一工程の炭材の採集、運搬に当たっては従来は伐採した竹の技打ち搬出、トラックの積み下し貯竹場の積み上げ等全て人力で一本づつ扱う作業であったものを伐採後技打ちをせず数本結束状態で機械力によって牽引搬出しその場で移動式の切断機によって幹、枝、葉全てを切断チップにしながらダンプカーに直接吹き上げ積載し運搬することでこの工程の労働の約90%を機械化したものである。
【0019】
第二工程の炭化窯(以下炭窯又は窯と言う)への窯詰めは独自に開発した図3及び図4の様な形状の容積20m〜50mの地下式大型釜へダンプカーより直接投入するので労働量は従来の約5%程度までの改善に成功したものである。しかし投入するだけと言ってもチップの大きさを二種類に分け図4の様に下層にチップ以外の粗い炭材、中層に粗いチップ上層に細かいチップと言う様に3層にできるだけ圧縮しながら詰め込みをする。
【0020】
窯詰めが終了するとすぐに炭化の工程に入るが従来の製法では前炊きと称して炊き口の前で炭化が始まるまでを薪を炊き30〜50時間加熱をするが本発明では図3,4の▲2▼に示した様に窯詰めの前に予め詰め込んでおいた加熱用の薪に点火し加熱を始める。点火は図4−▲3▼に示すよう吸気口内に詰め込んだ道火用燃料によって点火する道火用燃料に点火し送風機で送風すると道火が燃え進んで加熱用の薪に着火し加熱を始めるが炭化が始まるとされる278℃に達し順調に炭化が始まるまで送風機で強制送風し火勢を上げなければならない。煙突より出る煙の温度が80℃になることで炭化が始まったことが確認できるので送風機を止めても煙の温度が80℃以下に下がらないことを確認して送風を止め自然吸気にするがこの間に要する作業時間は2〜3時間で終了し送風機は自動的に停止する。炭化が順調に進行すると容積20mの窯で8日〜9日で炭化が終り酸化が始まるが炭化が進行している間は活発な酸化は絶対に起こらない。酸化が始まったことは煙の質が白い水蒸気の煙から透明度の高い青い煙に変わり煙の温度が180℃を超えることで確認できる。酸化が始まったことを確認して製炭では「練らし(ねらし)」と呼ばれる作業に入るが送風機で吸気の量を増加させ酸化を旺盛にし窯内の気圧と温度を上げ酸化のむらをなくする作業であるがどの程度酸化させて最高の練らしをするかは経験による技術であるが概ね煙の温度が300℃に達すれば充分であり吸気口▲1▼を閉鎖して炭化の工程を終了する。
【0021】
窯内の温度は図4−▲6▼に示す煙の温度の測定口を測定位置とした測定温度の約3倍であるので約30℃〜40℃になるなで自然冷却した後窯口を開け更に冷却を進める。窯内の温度が150℃以上では極部的に発火の温度が残っている場合があるので安全のため温度の測定確認は絶対厳守事項である。温度の確認をした後窯口を開放し充分な冷却が確認された後窯出し作業に入るが冷却に要する時間は季節的に大差があり20mの窯の場合で20日〜30日の時間を必要とする。窯出しは炭が粗い粉状のものから砕片状の物の混合状態になっているので吸引装置によって吸引して窯より搬出する。吸引装置本体は図5のように風選機の構造をしており選別機能を持っているので搬出と同時に目的の粉末炭と粉砕を要する砕片状の竹炭に送別する。
【0022】
粉砕が必要な砕片状の竹炭は粉砕機によって3mm目と10mm目の網を通るサイズに粉砕し目的の粉末炭と3mm〜10mm及び10mm以上の粒炭にふるい選別して製品調整の工程を終了する。この様にして製品になった粉末炭と粒状炭は10l〜20l程度の袋詰め又は100l〜500lのトランスバッグ詰めの商品として出荷する。
【0023】
次に製品となった粉末炭の使用に関する説明をする。粉末炭は前述特許公開広報にある様に飼料の製造段階で調・配合するか畜産農家が自前で飼料に添加して使用する。他に水田や畑に散布して土壌改良材として使用するが何れも炭が豊富な種類と量のミネラルを含んでいる多孔体であって有用細菌や有用微生物のみの増殖や活動を活発に促進すると言う強い選択性の作用をする炭の特性を利用するものである。飼料については0.2〜0.5%程度添加することで効果が発揮できるが化学合成物質の様な併害が全く無いのが特長なので添加量の過多に問題はないが多用による効果の増加はほとんど認められない。水田や畑への使用は10a当り500〜1000l程度を耕耘前に化学肥料等と同様又は同時に散布するが可能であれば散布量は多い程効果は大きい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の粉末炭生産技術によれば全てのゴミとして焼却処分する以外にない都市部や地方住宅地周辺で発生する樹木、植木の枝葉、竹、雑草等の環境廃棄物を資源として活用する技術であって絶対的な農業生産資材である化学肥料や化学薬品の原料の大部分を輸入に頼っている日本経済にとっては無限に近い資源の発見と活用技術である。従って効果に当る日本経済への貢献度を現時点で計り知ることは不可能な程大きなものである。
【0025】
畜産分野に於いては未来の飼料添加物であるが採卵鶏の臨床的な試験の結果によれば一般的な配合飼料に0.5%程添加することによって飼料効率が向上して産卵率が10%近く向上し鶏糞の臭いが従来の30%程まで低減した。その他にハエ、羽虫、ダニ等の発生の抑制効果があることが確認されている。具体的な使用基準等についてはこれからの研究課題であるが前述の特許公開広報や書物による資料を裏付ける試験結果であって畜産農業のみでなく養殖漁業やペットの飼料添加と言った非常に幅広い領域の需要に貢献できることが予想できる。
【0026】
水田や畑の生産現場では既に粉末炭の施用が推肥の施用と全く同様の効果があることが確認され化学薬品や化学肥料に変わる新しい生産資材として需要の気運が高まっており極度に老朽化していると言われている水田や畑の土壌改良に貢献する役割が非常に大きく特に無農薬栽培等の生活密着型農業への貢献が期待されている。ここでも具体的な施用基準がこれからの研究課題であるがすでに広く利用されている結果によれば作物の生育が旺成になり耐、病虫性が向上し作物の糖度が上がって食味が非常によくなると言う結果が出ている。この結果は製炭の時に採取する竹酢液を希釈して併用すると効果が倍増することが確認されている。
【出願人】 【識別番号】504207237
【氏名又は名称】河原井 武夫
【出願日】 平成16年4月27日(2004.4.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−312418(P2005−312418A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−160303(P2004−160303)