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【発明の名称】 反すう動物用ルーメンバイパス剤及びその飼料とその製造方法
【発明者】 【氏名】奥谷 亮
【住所又は居所】徳島県那賀郡那賀川町大字工地246番地の1 バイオ科学株式会社内

【氏名】田村 英治
【住所又は居所】徳島県那賀郡那賀川町大字工地246番地の1 バイオ科学株式会社内

【氏名】坂井 俊介
【住所又は居所】徳島県那賀郡那賀川町大字工地246番地の1 バイオ科学株式会社内

【氏名】高島 有美
【住所又は居所】徳島県那賀郡那賀川町大字工地246番地の1 バイオ科学株式会社内

【氏名】元木 弘昭
【住所又は居所】徳島県那賀郡那賀川町大字工地246番地の1 バイオ科学株式会社内

【要約】 【課題】水溶性の大きい生物学的活性物質を多種含有する製剤においても、ルーメンバイパス性に優れ且つ第4胃以降の消化器官での溶出性に優れたルーメンバイパス剤を得、さらにそのルーメンバイパス剤を製造工程の少ない方法で製造することである。

【解決手段】生物学的活性物質を、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩を含有する保護物質の溶融液を、50〜90℃の液温にて噴射造粒法で造粒する造粒工程のみにより製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護剤として硬化動物性油脂、硬化植物性油脂、ロウ及びワックスより選択される少なくとも1種の物質と、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩の1種又は2種以上を含有する50〜90℃に調整した溶融液に、生物学的活性物質を分散及び/又は溶解した噴射用溶融液を、50〜90℃の液温にて空気中へ噴射する噴射造粒法で製造することにより得た反すう動物用ルーメンバイパス剤。
【請求項2】
炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩がステアリン酸であることを特徴とする請求項1の反すう動物用ルーメンバイパス剤。
【請求項3】
保護剤がパーム硬化油及び/又はナタネ硬化油であることを特徴とする請求項1又は請求項2の反すう動物用ルーメンバイパス剤。
【請求項4】
生物学的活性物質として、少なくともタウリン及び/又はベタインを含有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の反すう動物用ルーメンバイパス剤。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の反すう動物用ルーメンバイパス剤を含有する飼料。
【請求項6】
保護剤として硬化動物性油脂、硬化植物性油脂、ロウ及びワックスより選択される少なくとも1種の物質と、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩の1種又は2種以上を含有する50〜90℃に調整した溶融液に、生物学的活性物質を分散及び/又は溶解した噴射用溶融液を、50〜90℃の液温にて空気中へ噴射する噴射造粒法で製造することを特徴とする反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法。
【請求項7】
炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩がステアリン酸であることを特徴とする請求項6の反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法。
【請求項8】
保護剤がパーム硬化油及び/又はナタネ硬化油であることを特徴とする請求項6又は請求項7の反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法。
【請求項9】
生物学的活性物質として、少なくともタウリン及び/又はベタインを含有することを特徴とする請求項6、請求項7又は請求項8の反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法。




【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、反すう動物用ルーメンバイパス剤及びそれを含有する飼料とルーメンバイパス剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
牛などの反すう動物では、ビタミン、アミノ酸などの生物学的活性物質を投与すると、それらは反すう動物の第1胃(ルーメン)に生息する微生物により大部分が分解され、反すう動物に吸収されず無駄になっている。これらの生物学的活性物質をルーメン内で微生物による分解から保護し、第4胃より下部での消化器官(第4胃及び小腸)で消化吸収するよう生物学的活性物質を保護したルーメンバイパス剤は、栄養剤等として極めて有用なものである。
【0003】
従来技術として、生物学的活性物質を保護剤としてのロウ、動・植物油脂又はその硬化物などに分散又生物学的活性物質を含む核を被覆し、ルーメンバイパス剤を得ることが以前より行われてきた。
【0004】
例えば、保護剤中に生物学的活性物質を分散する方法として、生物学的活性物質を保護剤と混合した後造粒する方法(特許文献1参照)、あるいは、生物学的活性物質を溶融した保護剤に混合懸濁させた溶融液をベルト上に滴下する溶融造粒法(特許文献2参照)などが記載されている。
【0005】
保護剤で生物学的活性物質を被覆する方法として、生物学的活性物質を含有する核を成形した後、保護剤で被覆する方法を記載している(特許文献3、4参照)。
【特許文献1】特開昭60−168351号公報
【特許文献2】特開昭58−175449号公報
【特許文献3】特開昭63−317053号公報
【特許文献4】特開平5−23114号公報
【0006】
しかし、生物学的活性物質を分散する方法により得られたバイパス剤は、水溶性の大きい生物学的活性物質に対しては十分なバイパス効果を示さず、また、被覆する方法で得られたバイパス剤は、バイパス剤としての性能を示すものの、バイパス剤を得る工程が、1:核成形工程(顆粒の押し出し→顆粒の球形顆粒への調製)、2:被覆工程(核への被覆)等と複数の工程が必要であり、製造工程が複雑であることにより高価なものであった。さらに、ルーメンバイパス剤に含有する生物学的活性物質は限られた成分のものしか無く、畜産農家はアミノ酸、ビタミンなどを多種類含有するルーメンバイパス剤を切望しているという現状があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ルーメンバイパス剤について、生物学的活性物質を保護剤中に分散、粒状化した製剤では、生物学的活性物質が水溶性の小さい物質である場合にはその含有量が40%以下であれば有効なバイパス剤として得ることができたが、水溶性の大きいリジン塩酸塩など水溶性の生物学的活性物質の場合には、生物学的活性物質の含有量を40%以下としても、ルーメンバイパス性が低く、有効なバイパス剤を得ることができなかった。
【0008】
本発明の目的は、生物学的活性物質を保護剤中に分散、粒状化した製剤で、生物学的活性物質の内、リジン塩酸塩、ベタイン、タウリン及び/又は水溶性ビタミンなどの水溶性の生物学的活性物質を含有する場合においても、各生物学的活性物質のルーメンバイパス性に優れ且つ第4胃以降の消化器官での溶出性に優れたルーメンバイパス剤を得ることであり、さらにそのルーメンバイパス剤を製造工程の少ない方法で製造することにより、低価格で畜産農家に供給できるルーメンバイパス剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的について鋭意研究した結果、保護剤として硬化動物性油脂、硬化植物性油脂、ロウ及びワックスより選択される少なくとも1種の物質と、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩の1種又は2種以上を含有する50〜90℃に調整した溶融液に、生物学的活性物質を分散及び/又は溶解した噴射用溶融液を、50〜90℃の液温にて空気中へ噴射する噴射造粒法で造粒する造粒工程のみにより得た製剤は、ルーメンバイパス剤として極めて有効であり且つ、低価格で供給可能であることを知見した。
【0010】
溶融造粒法としては溶融液を空気中、油中、水中又はベルト上などにおいて冷却、固化して造粒する方法が挙げられるが、本発明の造粒物を得る方法としては、硬化動物性油脂、硬化植物性油脂、ロウ及びワックスより選択される少なくとも1種の物質と、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩の1種又は2種以上を含有する保護剤を溶融し、その溶融液を50〜90℃に保温した保護物質の溶融液に調製した後、それに生物学的活性物質などを均一に混合分散し50〜90℃に保温した噴射用溶融液を得、その噴射用溶融液を噴射型造粒機で空気中において噴射し冷却、固化して造粒する方法である。
【0011】
また、噴射用溶融液を得る方法として、生物学的活性物質を含む全ての原料を一度に50〜90℃で溶解し噴射用溶融液を得る方法などがあるが、重要な点は、生物学的活性物質を含む溶融液を90℃を超える温度にせず、あるいは90℃を超える保持時間を極力短時間にし、噴射用溶融液を調整することである。なぜならば、90℃を超える温度では生物学的活性物質の分解が生じ易く、得られたルーメンバイパス剤に規定量の含有量が得られない場合があるからである。
【0012】
さらに、この空気中への噴射方法は、水中又は油中において冷却、固化する造粒方法で考えられる、造粒後に付随する水の乾燥又は油の除去工程等の必要が無く、製造工程が極めて少ないことにより、製造コストの低い製造方法であることもわかった。
【0013】
つまり本発明は、(1):保護剤として硬化動物性油脂、硬化植物性油脂、ロウ及びワックスより選択される少なくとも1種の物質と、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩の1種又は2種以上を含有する50〜90℃に調整した溶融液に、生物学的活性物質を分散及び/又は溶解した噴射用溶融液を、50〜90℃の液温にて空気中へ噴射する噴射造粒法で製造することにより得た反すう動物用ルーメンバイパス剤、(2):炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩がステアリン酸であることを特徴とする請求項1の反すう動物用ルーメンバイパス剤、(3):保護剤がパーム硬化油及び/又はナタネ硬化油であることを特徴とする請求項1又は請求項2の反すう動物用ルーメンバイパス剤、(4):生物学的活性物質として、少なくともタウリン及び/又はベタインを含有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の反すう動物用ルーメンバイパス剤、(5):請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の反すう動物用ルーメンバイパス剤を含有する飼料、(6):保護剤として硬化動物性油脂、硬化植物性油脂、ロウ及びワックスより選択される少なくとも1種の物質と、レシチン及び炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩の1種又は2種以上を含有する50〜90℃に調整した溶融液に、生物学的活性物質を分散及び/又は溶解した噴射用溶融液を、50〜90℃の液温にて空気中へ噴射する噴射造粒法で製造することを特徴とする反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法、(7):炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩がステアリン酸であることを特徴とする請求項6の反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法、(8):保護剤がパーム硬化油及び/又はナタネ硬化油であることを特徴とする請求項6又は請求項7の反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法、(9):生物学的活性物質として、少なくともタウリン及び/又はベタインを含有することを特徴とする請求項6、請求項7又は請求項8の反すう動物用ルーメンバイパス剤の製造方法、に関する。
【発明の効果】
【0014】
生物学的活性物質を含有する保護物質等の溶融液を噴射造粒して得たルーメンバイパス剤は、ルーメン内では水溶性の大きい生物学的活性物質においても溶け出しが少なく、また、その生物学的活性物質が第4胃より下部で溶出する極めて良好なルーメンバイパス剤とすることができたばかりでなく、ルーメンバイパス剤の製造は極めてシンプルな、溶融した保護剤に生物学的活性物質を分散させた溶融液を溶融造粒するのみでルーメンバイパス剤を得ることができ、製造コストは極めて安価に抑えることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明において、生物学的活性物質としては、アミノ酸類、ビタミン類、酵素類、炭水化物類、天然物類及び医薬品類などから選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】
具体的には、アミノ酸類としては、アミノ酢酸、アラニン、アルギニン、リジン、グルタミン酸ナトリウム、メチオニン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ベタイン、タウリン、リジン塩酸塩等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体など;ビタミン類としてはビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸、ビオチン、葉酸などの水溶性ビタミン類など;酵素類としてはプロテアーゼ剤、アミラーゼ剤、リパーゼ剤、混合酵素類など;炭水化物類としては澱粉、ショ糖、ブドウ糖など;天然物類としては魚粉、海藻粉、血粉、穀物粉、胆汁末など;医薬品類としては抗生物質及びホルモン剤などがあり、その抗生物質としてはアミノグリコシド系として硫酸カナマイシン等、グリコペプチド系としてバンコマイシン等、テトラサイクリン系としてオキシテトラサイクリン等、ペニシリン系としてアンピシリン等、マクロライド系としてエリスロマイシン等、リンコマイシン系としてリンコマイシン等及びクロラムフェニコール類、ホスホマイシン類などが挙げられ、ホルモン剤としてはエストロジェン、スチルベストロール、ヘキセストロールなどが挙げられる。
また、生物学的活性物質の含有量は、1〜50重量%の範囲で選ばれる。
【0017】
保護剤としては、パーム硬化油、ダイズ硬化油、ナタネ硬化油、ひまし硬化油などの硬化植物油、硬化牛脂、硬化豚脂などの硬化動物油、ロウ類としては、カルナバロウ、蜜ロウなどが、ワックス類としては天然ワックス、合成ワックス、パラフィンワックスなどから選ばれる1種又は2種以上の混合物が使用できる。また、その使用量は20〜98重量%、好ましくは30〜90重量%の範囲で選ばれる。
【0018】
炭素数12〜22を有する直鎖又は分枝の飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸またはその塩としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘニン酸またはそれらの塩などから選ばれる1種又は2種以上の混合物が使用でき、また、その使用量は0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%の範囲で選ばれる。
【0019】
本発明の保護剤中のレシチンは0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%の範囲で選ばれる。
【0020】
さらに必要であれば、ルーメンバイパス剤の比重調整物として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルクなどを添加することもでき、また、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンKなどの脂溶性ビタミンも添加することができる。
【0021】
また、噴射造粒で得たルーメンバイパス剤をリボンミキサーなどの混合機で脱脂米ぬか、小麦粉、乾燥オカラ、とうもろこし及び/又は魚粉などの原材料と均一に混合し、飼料とすることもできる。
【実施例1】
【0022】
以下に実施例を挙げて詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ルーメンバイパス剤の調製:メチオニン1200g、ナタネ硬化油1650g、レシチン50g、ステアリン酸70g、パルミチン酸30gを計量した後、ナタネ硬化油、レシチン及びステアリン酸混合物を85℃に加温し保護物質の溶融液とした。この保護物質の溶融液にメチオニンを均一に混合分散し85℃に保温保持した噴射用溶融液とした。その噴射用溶融液を空気中に噴射し、0.1〜3mmの球状に固化したルーメンバイパス剤を得た。
【0023】
本発明のルーメンバイパス剤としての評価は以下の方法で行った。
(第1胃の保護性の評価)ルーメンバイパス剤を、第1胃液に相当するMc Dougall液に浸漬し16時間振とうした時に溶出した生物学的活性物質の製剤中のその物質量に対する比で評価する。McDougall緩衝液:炭酸水素ナトリウム7.43g、リン酸2ナトリウム・12水塩7.00g、塩化ナトリウム0.34g、塩化カリウム0.43g、塩化マグネシウム・水塩0.10g、塩化カルシウム0.05gを水1000mLに溶解した緩衝液。
【0024】
(第4胃の溶出性の評価)第1胃溶出率測定後、固形物をろ別し、その固形物を第4胃液に相当するClark-Lubs緩衝液に浸漬し2時間振とうした時に液に溶出した生物学的活性物質の製剤中のその物質量に対する比で評価する。Clark-Lubs緩衝液:塩化カリウム3.73g、塩酸2.1mLを水1000mLに溶解した緩衝液。
【0025】
(小腸の溶出性の評価)第4胃溶出率測定後、固形物をろ別し、その固形物を小腸液に相当する緩衝液に浸漬し7時間振とうした時に液に溶出した生物学的活性物質の製剤中のその物質量に対する比で評価する。
このルーメンバイパス剤について上記の評価方法を実施した結果、第1胃溶出率2%、第4胃溶出率23%、小腸溶出率71%であった。
【実施例2】
【0026】
ルーメンバイパス剤の調製:リジン塩酸塩1200g、ナタネ硬化油1300g、レシチン30g、ステアリン酸470gを計量した後、ナタネ硬化油を溶融し、レシチン及びステアリン酸を加え80℃に保温し保護物質の溶融液とした。この保護物質の溶融液にリジン塩酸塩を均一に混合分散し80℃に保温した噴射用溶融液とした。その噴射用溶融液を空気中に噴射し、0.1〜3mmの球状に固化したルーメンバイパス剤を得た。本発明のルーメンバイパス剤としての評価は実施例1と同様の方法で行った。また、このルーメンバイパス剤についての評価結果は表1に示した。
【実施例3】
【0027】
ルーメンバイパス剤の調製:リジン塩酸塩150g、メチオニン400g、ビタミンB110g、ナタネ硬化油1750g、パーム硬化油300g、レシチン90g、ステアリン酸300gを計量した後、ナタネ硬化油及びパーム硬化油を溶融し、レシチン及びステアリン酸を加え75℃に保温し保護物質の溶融液とした。この保護物質の溶融液にメチオニン及びビタミンB1を均一に混合分散し75℃に保温した噴射用溶融液とした。その噴射用溶融液を空気中に噴射し、0.1〜3mmの球状に固化したルーメンバイパス剤を得た。本発明のルーメンバイパス剤としての評価は実施例1と同様の方法で行った。また、このルーメンバイパス剤についての評価結果は表1に示した。
【実施例4】
【0028】
ルーメンバイパス剤の調製:リジン塩酸塩150g、メチオニン150g、ベタイン200g、ニコチン酸50g、タウリン100g、パーム硬化油2150g、レシチン50g、ステアリン酸150gを計量した後、パーム硬化油、レシチン及びステアリン酸混合物を加温し溶融液とした後70℃に保温し保護物質の溶融液とした。この保護物質の溶融液にリジン塩酸塩、メチオニン、ベタイン、ニコチン酸及びタウリンを均一に混合分散し70℃に保温した噴射用溶融液とした。その噴射用溶融液を空気中に噴射し、0.1〜3mmの球状に固化したルーメンバイパス剤を得た。本発明のルーメンバイパス剤としての評価は実施例1と同様の方法で行った。また、このルーメンバイパス剤についての評価結果は表1に示した。
【0029】
(比較例)市販のルーメンバイパス剤について、実施例1と同様の方法で評価を行った。また、この評価結果は表1に示した。
【0030】
【表1】


【0031】
第1表から明らかなように、本発明の実施例に示したように、水溶性の生物学的活性物質を2種以上含有するルーメンバイパス剤においても、反すう動物の第1胃模擬液に対しては優れたバイパス性を示し、第4胃以降の模擬液に対しては極めて優れた溶出性を示した。
【0032】
すなわち本発明物は、反すう動物に経口投与した場合、水溶性の大きな生物学的活性物質を多種類含有したルーメンバイパス剤においても、各生物学的活性物質は第1胃をバイパスし、第4胃以降の消化器官で溶出することとなり、反すう動物に無駄なく吸収される極めて有効なルーメンバイパス剤となった。さらに、そのルーメンバイパス剤の製造方法は、生物学的活性物質を溶融した保護剤液中に分散した溶融物を溶融造粒する製造工程のみにより製造可能という、製造コストが極めて低コストであることにより、安価に供給できることとなり、その産業上、特に畜産業に大きな貢献をするものであることを確信した。
【出願人】 【識別番号】300012664
【氏名又は名称】バイオ科学株式会社
【住所又は居所】徳島県那賀郡那賀川町工地246番地の1
【出願日】 平成16年4月30日(2004.4.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−312380(P2005−312380A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−135276(P2004−135276)